JP5690661B2 - 酸化亜鉛、酸化亜鉛の製造方法、化粧料、塗料組成物、及び、樹脂組成物 - Google Patents

酸化亜鉛、酸化亜鉛の製造方法、化粧料、塗料組成物、及び、樹脂組成物 Download PDF

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本発明は、酸化亜鉛、酸化亜鉛の製造方法、化粧料、塗料組成物、及び、樹脂組成物に関するものである。
ナノサイズ、サブミクロンサイズの酸化亜鉛粉末は、高い可視光透明性とUV−A領域からの幅広い紫外線遮蔽性を併せ持つために、紫外線遮蔽剤として化粧料や塗料などに多く使用されている。このような用途に使用される微粒子酸化亜鉛に関しては、多くの製造方法が提案されている。
特許文献1には、金属亜鉛蒸気を酸化させて微粒子酸化亜鉛を得る方法が提案されている。しかしながら、このようにして得られた酸化亜鉛は、文献中にも記載されているように過剰な金属亜鉛を含んだものである。つまり、酸素欠損状態の酸化亜鉛であり、その色は黄色であることが知られている。また、過剰な金属亜鉛が酸化亜鉛の結晶外に存在すると、金属亜鉛由来の黒色が目立つことになる。このような白色度が低い酸化亜鉛を配合すると、酸化亜鉛を配合して得られる化粧料や塗料組成物等の外観に影響を及ぼす。また、特許文献1の方法は、亜鉛蒸気を生成させ、かつ、不活性ガスや酸化性ガスを流すという方法であるために装置が大掛かりになり、火災の危険性も高い。
さらに、酸化亜鉛あるいはその前駆体となる炭酸亜鉛、水酸化亜鉛の生成反応を工夫することにより粒子形状を制御し、高い可視光透明性やUV遮蔽性を得ることができることも知られている(特許文献2、3及び4)。しかしながら、このような酸化亜鉛は長期保管での二酸化炭素や水分などの吸収については何ら考慮されていない。酸化亜鉛が二酸化炭素や水分を吸収すると、樹脂等に練りこむために加熱した際に二酸化炭素や水が遊離し、発泡するおそれがある。
また、二酸化炭素を吸収すると酸化亜鉛は粒子表面近くが炭酸亜鉛となり、紫外線遮蔽性を損なったり、表面水酸基が消失したりする恐れがあった。表面水酸基が少なくなった場合は、例えば粉体表面改質剤である(ジメチコン/メチコン)コポリマーやアルキルトリアルコキシシランなどとの反応性が低下するケースもあった。
特許文献5には、酸化亜鉛の製造方法が記載されており、このような方法で製造された酸化亜鉛は、良好な分散性を有し、高い透明性と優れた紫外線遮蔽能を有する旨が開示されている。このような酸化亜鉛において、更に優れた紫外線遮蔽能を得ることが期待されている。また、二酸化炭素の吸収能を低下させて発泡をより抑制することも望まれる。
特開昭63−147823号公報 国際公開第99/256534号パンフレット 特開平3−199121号公報 特開昭62−287397号公報 特開2008−273767号公報
本発明は上記に鑑み、高い白色度を示し、かつ、樹脂等に練りこんだ際の発泡を抑制することができる酸化亜鉛、そのような酸化亜鉛を製造する方法、並びに、そのような酸化亜鉛を含む化粧料、樹脂組成物及び塗料組成物を提供することを目的とするものである。
本発明は、炭酸亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛を加熱分解して得られる酸化亜鉛であって、強熱減量が1.0質量%以下であり、白色度Wが95以上であることを特徴とする酸化亜鉛であり、上記強熱減量は、酸化亜鉛をポリエチレン袋に入れて輪ゴムで密閉し、1ヶ月後に開封した後、500℃で1時間加熱し減量を測定し、加熱前の試料の質量に対する減量の割合を百分率で算出したものである酸化亜鉛に関する。
上記酸化亜鉛は、比表面積が10〜30m/gであることが好ましい。
本発明は、亜鉛塩、二酸化炭素及び/又は炭酸塩、並びに、グリコール類、グリセリン及びポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも一種を混合して亜鉛化合物からなる析出物を沈殿析出させる工程(1)、及び、上記工程(1)によって得られた析出物を420〜550℃で焼成する工程(2)を有することを特徴とする上記酸化亜鉛の製造方法でもある。
本発明は、上記酸化亜鉛を含有することを特徴とする化粧料でもある。
本発明は、上記酸化亜鉛を含有することを特徴とする塗料組成物でもある。
本発明は、上記酸化亜鉛を含有することを特徴とする樹脂組成物でもある。
本発明によって、白色度が高く、かつ、長期保管における二酸化炭素や水分の吸収を抑制した酸化亜鉛を得ることができる。また、特別な装置を必要とせず、上述の酸化亜鉛を得る方法、並びに、上述の酸化亜鉛を配合してなる化粧料、樹脂組成物及び塗料組成物を提供することができる。
実施例及び比較例の酸化亜鉛の可視光透明性の測定結果を示す図である。 実施例及び比較例の酸化亜鉛のUV遮蔽性の測定結果を示す図である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の酸化亜鉛は、炭酸亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛を加熱分解することにより得られるものであって、1カ月保管後の500℃における強熱減量が1.0質量%以下であり、白色度Wが95以上であることを特徴とするものである。このようなものとすることで、二酸化炭素や水等の吸着量が低下することで、樹脂中に添加した場合の発泡を抑制することができる。更に、白色度が高いものであることから、外観上好ましいものである。更に、透明性や紫外線吸収特性においても優れた性質を有する。
本発明の酸化亜鉛は、炭酸亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛を前駆体として使用して得られるものである。上記炭酸亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛としては特に限定されないが、例えば、亜鉛塩等の亜鉛源となる化合物と二酸化炭素及び/又は炭酸塩とを混合して得られるものであってもよい。上記炭酸亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛としては、市販のものを使用してもよい。
上記亜鉛塩としては特に限定されず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、シュウ酸及び脂肪酸の亜鉛塩、並びに、有機酸亜鉛塩等を挙げることができる。上記亜鉛塩としては、これらのうち一種、又は、複数を使用することができる。上記亜鉛塩は、水、アルコール等の溶媒に溶解し、亜鉛塩溶液として使用することができる。また、製法によっては金属亜鉛や酸化亜鉛を使用しても良い。
上記炭酸塩としては特に限定されず、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウムや、尿素が水溶液中で加水分解したもの等を挙げることができる。なかでも、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好ましい。上記炭酸塩としては、これらのうち一種、又は、複数を使用することができる。また、二酸化炭素を使用する場合は、気体状態で系中に導入することで反応させてもよい。
上記加熱分解は、加熱分解温度420〜550℃で行うことが好ましい。550℃よりも高いと比表面積の変化が大きくなり、時間によるコントロールが難しくなる。また、420℃よりも低いと比表面積の変化が小さくなり加熱時間が長くなるため、コストが上昇してしまう。上記加熱分解温度は、450〜550℃であることがより好ましい。
本発明の酸化亜鉛は、1カ月保管後の500℃における強熱減量が1.0質量%以下である。強熱減量とは、加熱前の酸化亜鉛の質量に対する加熱による減量の割合を百分率で表したものである。酸化亜鉛を加熱することで二酸化炭素や水分が放出されるため、酸化亜鉛に吸収されている二酸化炭素や水分の指標となる。本発明の酸化亜鉛は、上記強熱減量が1.0質量%以下であるため、二酸化炭素や水分の吸収を抑制した酸化亜鉛である。したがって、樹脂等に練りこんだ際にも吸収物に由来するガス成分の発生が少なく、発泡を低減することができる。また、二酸化炭素が吸収されると、酸化亜鉛の一部が炭酸亜鉛となることによって、紫外線吸収能が低下してしまう。このため、1カ月保管後の強熱減量が小さい酸化亜鉛は、長期在庫をしても紫外線遮蔽能を維持できる点で好ましい。
本発明において、強熱減量は以下の方法により測定される。
得られた酸化亜鉛粉末をポリエチレン袋(厚み0.03mm、食品衛生法に基づいて定められた食品、添加物等の規格基準に適合したもの)に入れて輪ゴムで密閉し、1ヶ月後に開封した後、500℃で1時間加熱し減量を測定した。次に、加熱前の試料の質量に対する減量の割合を百分率で算出した。
本発明の酸化亜鉛は、白色度Wが95以上である。白色度Wが95未満であると、樹脂への練りこみや化粧品、サンスクリーン配合後に着色やくすみの原因となる。更に、白色度が高いほうが塗料や化粧料の原料として使用する際には好ましい色調を得ることができる。上記白色度Wは、96以上であることが好ましい。
本発明において白色度は、酸化亜鉛の粉体をアルミリング内に入れ油圧プレスを用いて150kg/cmで圧縮し、得られた圧縮物を試料として色度計で測定した値である。
本発明の酸化亜鉛は、強熱減量を低く抑えることができるため、比表面積を比較的小さくすることが好ましい。具体的には、比表面積を10〜30m/gとすることが好ましい。30m/gよりも大きくなると二酸化炭素の吸収が増え、強熱減量が増大するおそれがある。また、10m/g未満であると、紫外線遮蔽効果が少なくなってしまう場合がある。上記比表面積は、15〜30m/gであることがより好ましい。本発明において、上記比表面積はマウンテック製全自動比表面積測定装置Macsorb HM
model-1220により、脱気条件130℃、5分で測定した値である。
上記酸化亜鉛は、平均一次粒子径が35〜100nmであることが好ましい。平均一次粒子径を上記範囲内とすることにより、従来の微粒子酸化亜鉛と同等の紫外線遮蔽効果を示すことができる。上記平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡写真を用いて測定した値である。
本発明の酸化亜鉛の製造方法としては特に限定されないが、例えば、亜鉛塩、二酸化炭素及び/又は炭酸塩、並びに、グリコール類、グリセリン及びポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも一種を混合して亜鉛化合物からなる析出物を沈殿析出させる工程(1)、及び、上記工程(1)によって得られた析出物を420〜550℃で焼成する工程(2)を有する製造方法を挙げることができる。このような酸化亜鉛の製造方法も本発明の一つである。
上記工程(1)は、亜鉛源となる化合物と炭酸化合物とを混合することによって亜鉛化合物からなる析出物を沈殿析出させる工程である。上記工程(1)において炭酸化合物との反応によって亜鉛化合物とすることと、グリコール類、グリセリン及びポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも一種を併用して反応を行う点に特徴を有する。ここで、上記工程(1)によって得られる析出物とは、主に炭酸亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛からなるものであり、反応条件によっては水酸化亜鉛等が含まれる場合もある。
上記亜鉛塩としては特に限定されず、上述のものを挙げることができる。上記亜鉛塩としては、これらのうち一種、又は、複数を使用することができる。上記亜鉛塩は、水、アルコール等の溶媒に溶解し、亜鉛塩溶液として使用することができる。上記亜鉛塩は、水等の溶媒中に亜鉛金属換算で20〜150g/Lとなる割合で添加することが好ましい。
上記炭酸塩としては特に限定されず、例えば、上述のものを挙げることができる。上記炭酸塩は、水、アルコール等の溶媒に溶解し、溶液として使用することができる。また、二酸化炭素を使用する場合は、気体状態で系中に導入することで反応させてもよい。
上記グリコール類、グリセリン及びポリグリセリンとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等のジオール類;グリセリン、ジグリセリン等のポリグリセリン等を挙げることができる。なかでも、グリセリン及びポリグリセリンが好ましく、2〜8量体のポリグリセリンが好ましい。
上記グリコール類、グリセリン及びポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも一種の添加量は、反応終了後の溶液全体の0.05〜50質量部であることが好ましい。添加量が0.05質量部未満であると、効果が充分に得られないおそれがある。添加量が50質量部を超えると、コストの上昇、析出物への残留といった問題が生じる。上記添加量は、0.5〜20質量部であることがより好ましい。また、上記亜鉛塩として配合される亜鉛100質量部に対して、3〜60質量部となるような範囲で添加することが好ましく、10〜50質量部がより好ましい。
本発明の酸化亜鉛の製造方法における工程(1)は、上記各成分を混合することによって主に炭酸亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛からなる析出物を析出させるものである。上記工程(1)は、グリコール類、グリセリン及びポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも一種の存在下で亜鉛塩と二酸化炭素及び/又は炭酸塩との中和反応が行われ、析出物を生成する工程である。
上記工程(1)における混合方法としては特に限定されず、塩の析出がない限り、亜鉛塩溶液にグリコール類、グリセリン及びポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも一種を添加した後、二酸化炭素及び/又は炭酸塩の溶液を添加してもよく、二酸化炭素及び/又は炭酸塩の溶液にグリコール類、グリセリン及びポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも一種を添加した後、亜鉛塩溶液を添加してもよい。また、亜鉛塩溶液と二酸化炭素及び/又は炭酸塩の溶液との混合反応中にグリコール類、グリセリン及びポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも一種を別途添加してもよい。
上記中和反応における混合液のpHは、6〜11であることが好ましい。上記pHが6未満であると、中和反応が完結せずに亜鉛イオンが残存し、生産性が落ちる場合がある。上記pHが11を超えると、上記析出物の溶解が起こり、生産性が落ちる場合がある。
上記中和反応を行った後、濾過、水洗等を行い、グリコール類、グリセリン、ポリグリセリンや余分な塩類の除去を行うことが好ましい。
上記中和反応における反応温度としては特に限定されないが、10〜40℃で反応させることが好ましい。
上記析出物の焼成は、420〜550℃の焼成温度で行われる。上記焼成温度が550℃よりも高いと比表面積の変化が大きくなり、時間によるコントロールが難しくなる。また、420℃よりも低いと比表面積の変化が小さくなり加熱時間が長くなるため、コストが上昇してしまう。上記加熱分解温度は、450〜550℃であることがより好ましい。
上記焼成の方法は特に限定されず、流動床焼成でも固定床焼成でも構わなく、大気雰囲気下でも構わない。焼成むらを無くすため、均一な温度分布になることが好ましい。
したがって、本発明の酸化亜鉛の製造方法は、特別な装置や処理を必要とせず、簡便な工程で酸化亜鉛を得ることができるものである。
本発明の酸化亜鉛の製造方法は、さらに、得られる酸化亜鉛の使用目的に応じて表面処理を行う工程(3)を有するものであってもよい。上記表面処理を行う工程(3)としては特に限定されず、例えば、無機表面処理剤、有機表面処理剤等を使用した工程を挙げることができる。上記無機表面処理剤としては、例えば、酸化/水酸化ケイ素、酸化/水酸化アルミニウム、酸化/水酸化ジルコニウム、酸化/水酸化チタン、酸化/水酸化セリウム、酸化/水酸化マグネシウム、酸化/水酸化カルシウムなどを挙げることができる。また、有機表面処理剤として、ジメチルポリシロキサンやメチルハイドロジェンポリシロキサンなどのオルガノポリシロキサン、デシルトリエトキシシランといったアルキルシラン、ステアリン酸などの高級脂肪酸やその金属石鹸、パルミチン酸オクチル等の高級脂肪酸エステル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン化合物を挙げることができる。さらに、アルキルチタネート、アルキルアルミネート、アルキルジルコネート等のカップリング剤や、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のフッ素系有機化合物を使用することもできる。上記表面処理の方法としては特に限定されず、湿式処理であっても乾式処理であっても良く、複数の表面処理を組合わせても良い。本発明の製造方法で得られる酸化亜鉛は、分散性に優れたものであるため、一次粒子個々の表面を処理することが容易であるため、表面処理をより均一にすることができる。
特にオルガノポリシロキサンによる処理は、物質的な安定性、粉体への表面固着性、粉体への撥水・親油性の付与といった点から、特に有用である。上記オルガノポリシロキサンによる処理は、酸化亜鉛100質量部に対して、通常、1〜20質量部の範囲でオルガノポリシロキサンを付着させることが好ましい。好ましくは、3〜10質量部の範囲である。上記オルガノポリシロキサンが酸化亜鉛に対して1質量部よりも少ないときは、撥水・親油性といった表面改質効果に乏しくなる場合があり、他方、20質量部を越えても、表面改質効果が飽和するので、経済的にも不利である。
本発明により得られる酸化亜鉛は、白色度が高く、強熱減量が小さいため、樹脂等に練りこんだ場合の発泡が抑制されるものである。このため、化粧料、塗料組成物、樹脂組成物等に添加剤として好適に配合されるほか、加工顔料、着色剤等としても好適に使用することができる。特に、透明性や、塗布感触に優れることから、化粧料に好適に配合することができる。また、マトリックス中に酸化亜鉛が分散した組成物とした場合の分散性にも優れるため、多量に配合した場合にも安定性を維持することができ、従来より高い紫外線遮蔽レベルに達することができる。
また、本発明の酸化亜鉛は、分散体とすることもできる。本発明の酸化亜鉛を用いることにより、くすみ等のない外観に優れた分散体を得ることができる。
このような本発明の酸化亜鉛は、化粧料の配合成分として使用することができる。本発明の酸化亜鉛を配合した化粧料としては、ファンデーション、化粧下地、アイシャドウ、頬紅、マスカラ、口紅、サンスクリーン剤等を挙げることができる。本発明の酸化亜鉛を配合した化粧料は、油性化粧料、水性化粧料、O/W型化粧料、W/O型化粧料の任意の形態とすることができる。なかでも、特にサンスクリーン剤において特に好適に使用することができる。
本発明の酸化亜鉛粒子を配合した化粧料は、上記酸化亜鉛以外に、化粧品分野において使用することができる任意の水性成分、油性成分を併用するものであってもよい。上記水性成分及び油性成分としては特に限定されず、例えば、油分、界面活性剤、保湿剤、高級アルコール、金属イオン封鎖剤、天然及び合成高分子、水溶性及び油溶性高分子、紫外線遮蔽剤、各種抽出液、無機及び有機顔料、無機及び有機粘土鉱物等の各種粉体、金属石鹸処理又はシリコーンで処理された無機及び有機顔料、有機染料等の色剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤等の成分を含有するものであってもよい。具体的には、以下に列挙した配合成分の1種又は2種以上を任意に配合して常法により目的の化粧料を製造することが可能である。これらの配合成分の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されない。
上記油分としては特に限定されず、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、流動パラフィン、オゾケライト、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、シリコーン油等を挙げることができる。
上記親油性非イオン界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α´−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ボリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等を挙げることができる。
親水性非イオン界面活性剤としては特に限定されず、例えば、POEソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレエート、システアリン酸エチレングリコール等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、ブルロニック等のプルアロニック型類、POE・POPセチルエーテル、POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE 脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POE ノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等を挙げることができる。
その他の界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン、高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、アルキルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体等のカチオン界面活性剤、及び、イミダゾリン系両性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤を安定性及び皮膚刺激性に問題のない範囲で配合してもよい。
上記保湿剤としては特に限定されず、例えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサイヨバラ抽出物、セイヨウノキギリソウ抽出物、メリロート抽出物等を挙げることができる。
上記高級アルコールとしては特に限定されず、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等を挙げることができる。
金属イオン封鎖剤としては特に限定されず、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1− ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸等を挙げることができる。
上記天然の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子を挙げることができる。
半合成の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子等を挙げることができる。
合成の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体共重合系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等を挙げることができる。
無機の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、ベントナイト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等を挙げることができる。
紫外線遮蔽剤としては特に限定されず、例えば、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル等の安息香酸系紫外線遮蔽剤;ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線遮蔽剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線遮蔽剤;オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等のケイ皮酸系紫外線遮蔽剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3− カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線遮蔽剤;3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5− メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等を挙げることができる。
その他薬剤成分としては特に限定されず、例えば、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸DL−α−トコフェロール、アルコルビン酸リン酸マグネシウム、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;エストラジオール、エチニルエストラジオール等のホルモン;アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、メチオニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸;アラントイン、アズレン等の抗炎症剤、アルブチン等の美白剤、;タンニン酸等の収斂剤;L−メントール、カンフル等の清涼剤やイオウ、塩化リゾチーム、塩化ピリドキシン等を挙げることができる。
各種の抽出液としては特に限定されず、例えば、ドクダミエキス、オウバクエキス、メリロートエキス、オドリコソウエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、キナエキス、ユキノシタエキス、クララエキス、コウホネエキス、ウイキョウエキス、サクラソウエキス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキス、シコンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、スギナエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、キイチゴエキス、メリッサエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、モモエキス、桃葉エキス、クワエキス、ヤグリマギクエキス、ハマメリスエキス、プラセンタエキス、胸腺抽出物、シルク抽出液、甘草エキス等を挙げることができる
上記各種粉体としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラスフレーク等の光輝性着色顔料、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、二酸化チタン、シリカ等の無機粉末やポリエチレン末、ナイロン末、架橋ポリスチレン、セルロースパウダー、シリコーン末等の有機粉末等を挙げることができる。好ましくは、官能特性向上、化粧持続性向上のため、粉末成分の一部又は全部をシリコーン類、フッ素化合物、金属石鹸、油剤、アシルグルタミン酸塩等の物質にて、公知の方法で疎水化処理して使用される。また、本発明に該当しない他の酸化亜鉛粒子を混合して使用するものであてもよい。
本発明の酸化亜鉛を樹脂に添加して使用する場合、組み合わせて使用する樹脂は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良く、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、液晶樹脂(LCP)、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂を挙げることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
硫酸亜鉛水溶液(硫酸亜鉛80.7g、純水500g)にポリグリセリン(4量体、15g)を添加し、次いで、50ml/minで炭酸ナトリウム水溶液(炭酸ナトリウム106g、純水300g)を添加した。添加後、30分間熟成を行なった後、濾過・水洗・乾燥を行ない、析出物を得た。この析出物を475℃、4時間の条件で回転炉を用いて焼成することにより、酸化亜鉛粉末1を得た。
[実施例2]
焼成条件を450℃、3hrにし、回転炉を固定床炉に変えた以外は、実施例1と同様にして酸化亜鉛粉末2を得た。
[比較例1]
ポリグリセリンを添加しないこと以外は、実施例1と同様にして酸化亜鉛粉末3を得た。
[比較例2]
炭酸アンモニウム(炭酸アンモニウム12.4g、純水1L)に50ml/minで硫酸亜鉛水溶液(硫酸亜鉛32.3g、純水1L)を添加した。添加後、30分間熟成を行なった後、濾過・水洗・乾燥を行ない、析出物を得た。この析出物を400℃、6時間の条件で固定床炉を用いて焼成することにより、酸化亜鉛粉末4を得た。
[比較例3]
焼成条件を400℃、2hrにし、回転炉を固定床炉に変えた以外は、実施例1と同様にして酸化亜鉛粉末5を得た。
(比表面積)
比表面積は、マウンテック製全自動比表面積測定装置Macsorb HM
model-1220により、測定した。
(強熱減量)
得られた酸化亜鉛粉末をポリエチレン袋に入れて輪ゴムで密閉し、1ヶ月後に開封した後、500℃で1時間加熱し減量を測定した。
(白色度)
粉体をアルミリング内に入れ油圧プレスを用いて150kg/cmで圧縮し、得られた圧縮物を試料として色度計で測定した。
〈可視光透明性とUV遮蔽性〉
100mlマヨネーズ瓶に粉体を入れ、アクリディックA−801P(大日本インキ製)と酢酸ブチルとキシレンを添加した。これにφ1.5ガラスビーズを100g入れ、ペイントシェーカーで90分間分散した。この分散塗料をスライドガラスに均一に塗布し、分光光度計(V−570:日本分光製)で透過率を測定した。可視光透明性は平行透過光の透過率で、UV遮蔽性は全透過光の透過率で評価した。そのデータを図1、2に示す。
表1及び図1の結果より、比表面積が同程度である実施例1及び比較例1、並びに、実施例2及び比較例2をそれぞれ比較すると、実施例で得られた酸化亜鉛は同程度の比表面積を有する酸化亜鉛よりも透明性に優れることが示された。
また、図2の結果より、実施例で得られた酸化亜鉛は、従来の酸化亜鉛と同程度のUV遮蔽性を有することが示された。
本発明の酸化亜鉛は、化粧料、塗料、加工顔料等に好適に使用することができる。また、本発明の酸化亜鉛の製造方法により、上記特性を有する酸化亜鉛を好適に得ることができる。

Claims (6)

  1. 炭酸亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛を加熱分解して得られる酸化亜鉛であって、強熱減量が1.0質量%以下であり、白色度Wが95以上であることを特徴とする酸化亜鉛であり、前記強熱減量は、酸化亜鉛をポリエチレン袋に入れて輪ゴムで密閉し、1ヶ月後に開封した後、500℃で1時間加熱し減量を測定し、加熱前の試料の質量に対する減量の割合を百分率で算出したものである酸化亜鉛。
  2. 比表面積が10〜30m/gである請求項1記載の酸化亜鉛。
  3. 亜鉛塩、二酸化炭素及び/又は炭酸塩、並びに、グリコール類、グリセリン及びポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも一種を混合して亜鉛化合物からなる析出物を沈殿析出させる工程(1)、及び、前記工程(1)によって得られた析出物を420〜550℃で焼成する工程(2)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化亜鉛の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の酸化亜鉛を含有することを特徴とする化粧料。
  5. 請求項1又は2に記載の酸化亜鉛を含有することを特徴とする塗料組成物。
  6. 請求項1又は2に記載の酸化亜鉛を含有することを特徴とする樹脂組成物。
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