JP5682187B2 - 圧電素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、圧電素子の製造方法に関する。
インクジェット記録装置は、騒音が極めて小さく、高速印字が可能であり、インクの自由度があり、安価な普通紙を使用できるため、プリンタ、ファクシミリ、複写装置等に適用されている。
インクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドとして、ノズル開口に連通する圧力発生室の一部を構成する振動板を介して、圧力発生室に対応する領域に、下電極、圧電体層及び上電極を有する圧電素子が形成されている記録ヘッドが知られている。
特許文献1には、幅方向中央部の膜厚が幅方向両端部より厚い圧電体層を有する圧電素子が開示されており、圧電素子をパターニングする際に、イオンプレーティング法により圧電体層に厚膜部と薄膜部を形成した後、エッチングする方法が用いられている。
しかしながら、圧電素子を簡便にパターニングすることができないという問題がある。
本発明は、上記従来技術が有する問題に鑑み、簡便にパターニングすることが可能な圧電素子の製造方法を提供することを目的とする
請求項1に記載の発明は、第一の電極上に、チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜の積層体及び第二の電極が順次積層されている圧電素子を製造する方法であって、第一の電極上にチオールを含む液を塗布して自己組織化膜を形成する工程と、該自己組織化膜が形成された第一の電極上に、フォトリソグラフィーを用いて、パターン化されているレジストを形成する工程と、該レジストが形成されていない領域に形成された自己組織化膜を除去して、パターン化されている自己組織化膜を形成する工程と、前記レジストを除去する工程と、前記パターン化されている自己組織化膜が形成されていない第一の電極上に、ゾルゲル法を用いて、チタン酸ジルコン酸鉛の前駆体ゾルを塗布した後、焼成して、前記パターン化されている自己組織化膜を除去すると共に、チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜を形成する工程と、該チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜が形成されていない第一の電極上にチオールを含む液を塗布してパターン化されている自己組織化膜を形成する工程と、前記チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜上に、ゾルゲル法を用いて、チタン酸ジルコン酸鉛の前駆体ゾルを塗布した後、焼成して、該パターン化されている自己組織化膜を除去すると共に、前記チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜上に、チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜を形成する工程と、前記チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜の積層体上に前記第二の電極を形成する工程を有し、前記チタン酸ジルコン酸鉛の前駆体ゾルを塗布する際に、インクジェット法を用いることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の圧電素子の製造方法において、前記チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜の積層体上に前記第二の電極を形成する際に、インクジェット法を用いて、電極ペーストを塗布することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の圧電素子の製造方法において、前記第一の電極及び前記第二の電極は、白金族元素を含むことを特徴とする。
本発明によれば、簡便にパターニングすることが可能な圧電素子の製造方法を提供することができる
本発明の圧電素子の一例を示す断面図である。 図1の圧電素子の製造方法の一例を示す断面図(1)である。 図1の圧電素子の製造方法の一例を示す断面図(2)である。 図1の圧電素子を製造する際に用いるインクジェット装置の一例を示す斜視図である。 本発明の記録ヘッドの一例を示す断面図である。 図5の記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明のインクジェット記録装置の一例を示す図である。 実施例1のPZT膜の積層体のP−Eヒステリシス曲線を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
図1に、本発明の圧電素子の一例を示す。圧電素子10は、下部電極11上に、PZT膜の積層体12及び上部電極13が順次積層されており、PZT膜の積層体12は、上部電極13の幅方向の端部における膜厚Tに対する上部電極13の幅方向の中央部における膜厚Tの比T/Tが3.0〜8.0であり、幅方向の膜厚が曲線的に変化する。T/Tが3.0未満であると、下部電極11と上部電極12の間に電圧が印加された場合に、上部電極13の幅方向の中央部における変形が上部電極13の幅方向の端部における変形により拘束され、8.0を超えると、PZT膜12の絶縁膜破壊が発生する可能性がある。
PZT膜の積層体12は、上面の形状が正方形状である。
なお、PZT膜の積層体12の上面の形状としては、正方形状に限定されず、長方形状、円状等であってもよい。
以下、図2及び図3を用いて、圧電素子10の製造方法について説明する。
まず、下部電極11上にチオールを含む液を塗布してSAM21を形成する(図2(a)参照)。このとき、下部電極11の表面は、親水性であるため、チオールのチオール基が存在する。その結果、SAM21の表面は、チオールのアルキル基が存在するため、疎水性である。
下部電極11を構成する材料としては、SAM21を形成することが可能であれば、特に限定されないが、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム等の白金族元素;白金族金属の合金等が挙げられる。
なお、下部電極11は、酸化イリジウム等の白金族元素の酸化物層上に、イリジウム、白金等の白金族元素層が形成されている積層体であってもよい。
下部電極11の厚さは、通常、0.05〜2μm程度である。
チオールとしては、SAM21を形成することが可能であれば、特に限定されない。
チオールを含む液としては、チオール単独であってもよいし、チオールが溶媒中に溶解している溶液であってもよい。
チオールを含む液を塗布する方法としては、特に限定されないが、ディッピング法等が挙げられる。
下部電極11は、通常、基板上に形成されているが、下部電極11が基板を兼ねていてもよい。
基板上に下部電極11を形成する方法としては、特に限定されないが、スパッタ法、蒸着法等が挙げられる。
基板を構成する材料としては、特に限定されないが、シリコンウェハ等が挙げられる。
次に、SAM21が形成された下部電極11上に、フォトリソグラフィーを用いて、正方形状がパターン化されているレジスト22を形成する(図2(b)参照)。具体的には、SAM21が形成された下部電極11上に、フォトレジストを塗布した後、マスクを介して露光し、現像する。
フォトレジストとしては、特に限定されないが、ポリケイ皮酸ビニル、環化ゴム−ビスアジド系レジスト、ポリビニルフェノール/メラミン等の架橋剤/酸発生剤からなる架橋タイプの化学増幅系レジスト等のネガ型;キノンジアジド−ノボラック樹脂系レジスト、アセタール化ポリビニルフェノール/酸発生剤等の保護基脱離又は溶解抑止タイプの化学増幅系レジスト等のポジ型が挙げられる。
フォトレジストを塗布する方法としては、特に限定されないが、スピンコーティング法、ディッピング法、キャスト法、スプレーコーティング法、ダイコーティング法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法等が挙げられる。
レジスト22の厚さは、通常、0.5〜10μm程度である。
露光する際に用いる光源としては、特に限定されないが、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、UVランプ、エキシマレーザー等が挙げられる。
露光される光は、波長が100〜500nm程度であることが好ましく、紫外線が特に好ましい。
現像する際に用いる現像液としては、特に限定されないが、水、アルカリ水溶液、有機溶剤等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
次に、レジスト22が形成されていない領域に形成されたSAM21を除去して、パターン化されているSAM21を形成する(図2(c)参照)。
SAM21を除去する方法としては、特に限定されないが、酸素プラズマ処理する方法、紫外線を照射する方法等が挙げられる。
次に、レジスト22を除去する(図2(d)参照)。
レジスト22を除去する際に用いる溶媒としては、特に限定されないが、アセトン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
次に、インクジェット法を用いて、SAM21が形成されていない下部電極11上にPZTの前駆体ゾル23を塗布する(図2(e)参照)。このとき、PZTの前駆体ゾル23は、親水性であるため、パターン化されているSAM21が形成されていない下部電極11の表面に存在する。
PZTの前駆体ゾル23は、アルコキシチタンと、アルコキシジルコニウムと、アルコキシ鉛又は酢酸鉛が溶媒中に溶解している溶液を加水分解することにより得られる。
アルコキシチタンとしては、特に限定されないが、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン等が挙げられる。
アルコキシジルコニウムとしては、特に限定されないが、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトライソブトキシジルコニウム等が挙げられる。
アルコキシ鉛としては、特に限定されないが、ジ−n−プロポキシ鉛、ジイソプロポキシ鉛、Pb(HNCHCHO)(CHCOO)等が挙げられる。
溶媒としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール等の極性溶媒が挙げられる。このとき、極性溶媒をトルエン等の非極性溶媒と混合してもよい。
加水分解は、通常、酸触媒の存在下、−100〜200℃で行われる。
次に、PZTの前駆体ゾル23が塗布された下部電極11を焼成して、SAM21を除去すると共に、PZT膜12aを形成する(図2(f)参照)。
PZT膜12aの膜厚は、通常、100nm程度である。
焼成温度は、通常、300〜1400℃程度であり、600〜1200℃程度が好ましい。このとき、焼成時に段階的に昇温してもよい。また、焼成時間は、通常、2〜24時間程度である。
焼成する雰囲気としては、特に限定されないが、不活性ガス雰囲気、空気等の酸素を含む雰囲気等が挙げられ、雰囲気は、常圧であってもよいし、減圧されていてもよい。
次に、図2(a)と同様にして、下部電極11上にSAM21を形成する(図3(a)参照)。このとき、PZT膜12a上にSAM21は形成されない。
次に、図2(e)と同様にして、インクジェット法を用いて、PZT膜12a上にPZTの前駆体ゾル23を塗布する(図3(b)参照)。このとき、PZTの前駆体ゾル23は、親水性であるため、パターン化されているSAM21が形成されていないPZT膜12aの表面に存在する。
次に、図2(f)と同様にして、PZTの前駆体ゾル23が塗布された下部電極11を焼成して、SAM21を除去すると共に、PZT膜12a上にPZT膜12bを形成し、PZT膜の積層体12を形成する(図3(c)参照)。
なお、図3(a)、(b)及び(c)のプロセスを繰り返して、PZT膜12b上にPZT膜をさらに形成して、3層以上のPZT膜を積層してもよい。
また、PZT膜を積層した後に、結晶化度を向上させるために、焼成してもよい。
PZT膜の積層体12の中央部の膜厚Tは、通常、1〜5μm程度である。
次に、図2(b)と同様にして、PZT膜の積層体12が形成されている下部電極11上に、正方形状がパターン化されているレジスト31を形成する(図3(d)参照)。これにより、上部電極13の短絡を防止することができる。
次に、図2(e)と同様にして、インクジェット法を用いて、レジスト31が形成されていないPZT膜の積層体12上に電極ペースト32を塗布する(図3(e)参照)。
電極ペースト32としては、上部電極13を構成する材料を含むペーストであれば、特に限定されない。
次に、図2(d)と同様にして、レジスト22を除去する。
次に、図2(f)と同様にして、電極ペースト32が塗布された下部電極11を焼成して、上部電極13を形成する(図3(f)参照)。
上部電極13を構成する材料としては、特に限定されないが、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金;酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化オスミウム、酸化イリジウム、酸化白金等の白金族元素の酸化物等が挙げられる。
上部電極13の厚さは、通常、0.05〜2μm程度である。
なお、PZT膜の積層体12上に上部電極13を形成する方法としては、インクジェット法に限定されず、スパッタ法、蒸着法等を用いてもよい。
また、インクジェット法を用いる場合は、PZT膜の積層体12が形成されている下部電極11上に、パターン化されているレジスト31を形成する代わりに、図2(a)、(e)及び(f)と同様にして、下部電極11上にSAM21を形成してもよい。
図4に、圧電素子10を製造する際に用いるインクジェット装置の一例を示す斜視図である。インクジェット装置100は、架台101上に、Y軸駆動手段102が設置されており、Y軸駆動手段102上には、基板Pを搭載することが可能なステージ103がY軸方向に移動できるように設置されている。なお、ステージ103には、真空、静電気等により基板Pを固定することが可能な基板固定手段(不図示)が設置されている。また、支持部材104には、X軸駆動手段105が設置されており、X軸駆動手段105には、ヘッドベース106がZ軸方向に移動できるように設置されているZ軸駆動手段106が、X軸方向に移動できるように設置されている。さらに、ヘッドベース106上には、インクを吐出するインクジェットヘッド108が搭載されている。インクジェットヘッド108には、インクタンク(不図示)からインク供給用パイプ109を経由してインクが供給される。
図5に、本発明の記録ヘッドの一例を示す。記録ヘッド20は、ノズル21aが形成されているノズル板21、基板22及び振動板23から構成される圧力室24を有し、振動板23の圧力室24に対応する領域に、密着層24を介して、圧電素子10が形成されている。このとき、記録ヘッド20は、圧電素子10が形成されている基板を、圧電素子10が形成されていない側からエッチングした後、ノズル板21と接合することにより得られる。
図6に、記録ヘッド20の変形例を示す。記録ヘッド30は、4個の記録ヘッド20が併設されている構成である。
図7に、本発明のインクジェット記録装置の一例を示す。なお、図7(a)及び(b)は、それぞれ斜視図及び側面断面図である。インクジェット記録装置200は、本体201の内部に、主走査方向に移動することが可能なキャリッジ202、キャリッジ202に搭載されている記録ヘッド30、記録ヘッド30にインクを供給するインクカートリッジ203を有する印字機構部204が収納されている。また、本体201の下方には、前方側から多数枚の用紙Pを積載することが可能な給紙カセット205を抜き差し自在に装着することができる。また、用紙Pを手差しで給紙するための手差しトレイ206を開倒することができる。このため、インクジェット記録装置200は、給紙カセット205又は手差しトレイ206から給送される用紙Pを取り込み、印字機構部204で画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ207に排紙する。
印字機構部204は、左右の側板(不図示)に横架されている主ガイドロッド208と従ガイドロッド209で、キャリッジ202を主走査方向に摺動自在に保持する。キャリッジ202には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びブラック(Bk)の各色のインクを吐出する記録ヘッド30が、複数のノズルが主走査方向と交差し、インクの吐出方向が下方になるように配置されている。また、キャリッジ202には、記録ヘッド30に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ203が交換可能に装着されている。
インクカートリッジ203は、上方に大気と連通する大気口が形成されており、下方に記録ヘッド30にインクを供給する供給口が形成されており、内部にインクが充填されている多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド30に供給されるインクを僅かな負圧に維持している。
なお、各色のインクを吐出する記録ヘッド30の代わりに、各色のインクを吐出するノズルを有する1個の記録ヘッドを用いてもよい。
ここで、キャリッジ202は、用紙Pが搬送される方向に対して下流側が主ガイドロッド208に摺動自在に嵌装されており、用紙Pが搬送される方向に対して上流側が従ガイドロッド209に摺動自在に載置されている。そして、キャリッジ202を主走査方向に移動させるために、主走査モーター210により回転駆動される駆動プーリ211と従動プーリ212の間にタイミングベルト213が張装されている。キャリッジ202は、タイミングベルト213により固定されているため、主走査モーター210を用いて、駆動プーリ211を回転駆動させることにより往復移動する。
一方、インクジェット記録装置200には、給紙カセット205に積載されている用紙Pを記録ヘッド30の下方側に搬送するために、給紙カセット205から用紙Pを分離給装する給紙ローラ214及びフリクションパッド215と、用紙Pを案内するガイド部材216と、給紙された用紙Pを反転させて搬送する搬送ローラ217と、搬送ローラ217の周面に押し付けられる搬送コロ218及び搬送ローラ217から用紙Pを搬送する角度を規定する先端コロ219が設置されている。搬送ローラ217は、副走査モーター220により、ギヤ列を介して、回転駆動される。
そして、インクジェット記録装置200には、キャリッジ202の主走査方向の移動範囲に対応して、搬送ローラ217から搬送された用紙Pを記録ヘッド30の下方側で案内する印写受け部材221が設置されている。また、印写受け部材221の用紙Pが搬送される方向に対して下流側には、用紙Pを排紙する方向に搬送するために回転駆動される搬送コロ222及び拍車223、用紙Pを排紙トレイ207に排紙する排紙ローラ224及び拍車225、排紙経路を形成するガイド部材226及び227が設置されている。
用紙Pに画像を記録する時は、キャリッジ202を移動させながら、画像信号に応じて記録ヘッド30を駆動することにより、停止している用紙Pにインクを吐出して1行分を記録し、用紙Pを所定量搬送した後、次の行を記録する。画像の記録が終了した信号又は用紙Pの後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、画像を記録する動作を終了させ、用紙Pを排紙する。
また、キャリッジ202が移動する方向に対して右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド30の吐出不良を回復するための回復装置228が設置されている。回復装置228は、キャップ手段(不図示)、吸引手段(不図示)及びクリーニング手段(不図示)を有する。キャリッジ202は、印字待機中に、回復装置228側に移動して、キャッピング手段により記録ヘッド30がキャッピングされ、ノズルを湿潤状態に保持することにより、インクが乾燥することによる吐出不良を防止することができる。また、画像を記録している途中に画像の記録と関係しないインクを吐出することにより、全てのノズルにおけるインクの粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持することができる。
吐出不良が発生した場合には、キャッピング手段により、記録ヘッド30のノズルを密封し、吸引手段により、チューブを通してノズルからインクと共に気泡を吸引し、クリーニング手段により、ノズル面に付着したインク、ゴミ等が除去される。また、吸引されたインクは、本体201の下部に設置されている廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜の内部のインク吸収体に吸収される。
[実施例1]
ディッピング法を用いて、白金製の下部電極11上に、エタンチオールを塗布してSAM21を形成した(図2(a)参照)。このとき、下部電極11は、スパッタ法により、チタン密着層が形成されているシリコン熱酸化膜付きシリコンウェハの表面に形成されている。
次に、SAM21が形成された下部電極11上に、フォトレジストを塗布した。さらに、マスクを介して、露光した。次に、現像して、正方形がパターン化されているレジスト22を形成した(図2(b)参照)。
次に、酸素プラズマ処理することにより、レジスト22が形成されていない領域に形成されたSAM21を除去して、正方形がパターン化されているSAM21を形成した(図2(c)参照)。
次に、レジスト22を除去した(図2(d)参照)。このとき、下部電極11及びSAM21の純水に対する接触角は、それぞれ5°及び92°であった。
次に、インクジェット装置100を用いて、SAM21が形成されていない下部電極11上に0.1mol/LのPZTの前駆体ゾル23を塗布した(図2(e)参照)。
このとき、PZTの前駆体ゾル23は、以下のようにして合成した。まず、酢酸鉛三水和物をメトキシエタノール中に溶解させた後、脱水することにより、酢酸鉛のメトキシエタノール溶液を得た。次に、テトライソプロポキシチタン、テトライソプロポキシジルコニウムをメトキシエタノール中に溶解させ、加水分解させた後、酢酸鉛のメトキシエタノール溶液と混合することにより、PZTの前駆体ゾル23を得た。
なお、焼成時のいわゆる鉛抜けによる結晶性の低下を防ぐため、化学量論比に対して、鉛量が10mol%過剰になるように、酢酸鉛を添加した。
次に、PZTの前駆体ゾル23が塗布されたシリコンウェハを120℃で乾燥した後、空気中で焼成して、SAM21を分解除去すると共に、正方形のPZT膜12aを形成した(図2(f)参照)。このとき、PZT膜12aの純水に対する接触角は34°であった。また、PZT膜12aの上部電極13の幅方向の端部及び中央部における膜厚T及びTは、それぞれ18nm及び90nmであった。
なお、Tとして、PZT膜12aの幅をWとすると、PZT膜12aの端部との間の距離Gが0.02Wである位置における膜厚を測定した。
次に、イソプロピルアルコールを用いてシリコンウェハを洗浄した後、図2(a)と同様にして、下部電極11上にSAM21を形成した(図3(a)参照)。
次に、図2(e)と同様にして、インクジェット装置100を用いて、PZT膜12a上にPZTの前駆体ゾル23を塗布した(図3(b)参照)。
次に、図2(f)と同様にして、PZTの前駆体ゾル23が塗布されたシリコンウェハを120℃で乾燥した後、空気中で焼成して、SAM21を分解除去すると共に、PZT膜12a上にPZT膜12bを形成した(図3(c)参照)。このとき、PZT膜12a及びPZT膜12bの積層体の上部電極13の幅方向の端部及び中央部における膜厚T及びTは、それぞれ36nm及び180nmであり、クラック等の欠陥は発生しなかった。
次に、図3(a)、(b)及び(c)のプロセスを4回繰り返して、PZT膜12b上にPZT膜をさらに4層形成した後、急速熱処理装置(IRTA)を用いて、700℃で焼成した。
さらに、図3(a)、(b)及び(c)のプロセスを6回繰り返して、PZT膜12b上にPZT膜をさらに6層形成し、PZT膜の積層体12を形成した後、急速熱処理装置(IRTA)を用いて、700℃で焼成した。このとき、PZT膜の積層体12の上部電極13の幅方向の端部及び中央部における膜厚T及びTは、それぞれ216nm及び1.08μmであり、クラック等の欠陥は発生しなかった。
次に、イソプロピルアルコールを用いてシリコンウェハを洗浄した後、図2(b)と同様にして、PZT膜の積層体12が形成されている下部電極11上に、正方形がパターン化されているレジスト31を、PZT膜の積層体12の端部と上部電極13の端部の間の距離Gが0.02Wとなるように形成した(図3(d)参照)。
次に、図2(e)と同様にして、インクジェット装置100を用いて、レジスト31が形成されていないPZT膜の積層体12上に白金ペーストを塗布した(図3(e)参照)。
次に、図2(d)と同様にして、レジスト31を除去した。
次に、図2(f)と同様にして、白金ペーストが塗布されたシリコンウェハを120℃で乾燥した後、空気中、250℃で焼成して、PZT膜の積層体12上に上部電極13を形成し、圧電素子10を得た(図3(f)参照)。このとき、上部電極13の膜厚は0.5μmであり、比抵抗が5×10−6Ω・cmであった。
PZT膜の積層体12の電気特性を評価したところ、図8に示すP−Eヒステリシス曲線が得られた。図9から、PZT膜の積層体12は、比誘電率が1220、誘電損失が0.02、残留分極が19.3μC/cm、抗電界が36.5kV/cmであり、通常のセラミック焼結体と同等の値であった。
圧電素子10の圧電定数d31を、電界印加による変形量をレーザードップラー振動計で計測し、シミュレーションによる合わせ込みから算出したところ、120pm/Vであり、セラミック焼結体と同等の値であった。一方、PZT膜の積層体12の幅方向の中央部における変形量は、セラミック焼結体に比べて20%向上していた。
[実施例2]
上部電極13を形成する前に、図3(a)、(b)及び(c)のプロセスを6回繰り返して、PZT膜12b上にPZT膜をさらに6層形成し、PZT膜の積層体12を形成した後、急速熱処理装置(IRTA)を用いて、700℃で焼成する操作をさらに4回繰り返した以外は、実施例1と同様にして、圧電素子10を得た。このとき、PZT膜の積層体12の上部電極13の幅方向の端部及び中央部における膜厚T及びTは、それぞれ1.08μm及び5.4μmであり、クラック等の欠陥は発生しなかった。
10 圧電素子
11 下部電極
12 PZT膜の積層体
12a、12b PZT膜
13 上部電極
21 SAM
22 レジスト
23 PZTの前駆体ゾル
31 レジスト
32 電極ペースト
特開2000−246888号広報

Claims (3)

  1. 第一の電極上に、チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜の積層体及び第二の電極が順次積層されている圧電素子を製造する方法であって、
    第一の電極上にチオールを含む液を塗布して自己組織化膜を形成する工程と、
    該自己組織化膜が形成された第一の電極上に、フォトリソグラフィーを用いて、パターン化されているレジストを形成する工程と、
    該レジストが形成されていない領域に形成された自己組織化膜を除去して、パターン化されている自己組織化膜を形成する工程と、
    前記レジストを除去する工程と、
    前記パターン化されている自己組織化膜が形成されていない第一の電極上に、ゾルゲル法を用いて、チタン酸ジルコン酸鉛の前駆体ゾルを塗布した後、焼成して、前記パターン化されている自己組織化膜を除去すると共に、チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜を形成する工程と、
    該チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜が形成されていない第一の電極上にチオールを含む液を塗布してパターン化されている自己組織化膜を形成する工程と、
    前記チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜上に、ゾルゲル法を用いて、チタン酸ジルコン酸鉛の前駆体ゾルを塗布した後、焼成して、該パターン化されている自己組織化膜を除去すると共に、前記チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜上に、チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜を形成する工程と、
    前記チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜の積層体上に前記第二の電極を形成する工程を有し、
    前記チタン酸ジルコン酸鉛の前駆体ゾルを塗布する際に、インクジェット法を用いることを特徴とする圧電素子の製造方法。
  2. 前記チタン酸ジルコン酸鉛を含む膜の積層体上に前記第二の電極を形成する際に、インクジェット法を用いて、電極ペーストを塗布することを特徴とする請求項1に記載の圧電素子の製造方法。
  3. 前記第一の電極及び前記第二の電極は、白金族元素を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電素子の製造方法。
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