JP6060582B2 - 電気機械変換膜の形成方法、電気機械変換素子の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び画像形成装置の製造方法 - Google Patents

電気機械変換膜の形成方法、電気機械変換素子の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び画像形成装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気機械変換膜の形成方法、電気機械変換素子の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び画像形成装置の製造方法に関する。
振動センサ、圧電スピーカ、各種駆動装置などの装置は、電気機械変換膜を積層した電気機械変換素子を具備している。駆動装置において、例えば、インクジェット用記録装置の液体吐出ヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室と、圧電素子などの電気機械変換素子とを含み、液室内のインクを加圧することでノズルからインク滴を吐出させる。
電気機械変換素子の製造方法の一例としては、電気機械変換膜の前駆体溶液を下地上に塗布した後に熱処理する工程を、所望の膜厚が得られるまで繰り返す方法が挙げられる。この方法では、一度の成膜で得られる膜厚が50〜100nm程度であり、所望の電気機械変換特性を得るためには、複数回の繰り返し処理を経る必要がある。
そこで、特許文献1及び2では、前駆体溶液に、電気機械変換膜と同一組成の金属酸化物から成る微粒子を添加することで、一成膜あたりの成膜量が多い電気機械変換膜の製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1乃至2に記載された製造方法は、スピンコート方式を利用しており、最終的に形成する電気機械変換膜の領域以外の領域にも、前駆体溶液が塗布される。そのため、塗布した前駆体溶液に対して形成される電気機械変換膜の量が少なく、製造コストが高くなることがあった。
本発明は、上述の事情・問題点に鑑みなされたものであり、一成膜あたりの成膜量が多く、経済的な電気機械変換膜の形成方法を提供することを目的とする。
下地上の少なくとも一部に電気機械変換膜を形成る方法であって、前記下地を所定のパターンに表面改質する工程と、前記下地の表面改質されていない領域に、前記電気機械変換膜と同じ組成で、かつ、平均粒径が1μm未満の微粒子と、前記電気機械変換膜の前駆体と、を含むゾルゲル液を、インクジェット方式により塗布する工程と、塗布された前記ゾルゲル液を加熱する工程と、を含み、前記微粒子は、5nmから1000nmまでの範囲内で粒径分布を有し、20nm以下の粒径を有する微粒子を含み、前記加熱する工程は、塗布された前記ゾルゲル液にレーザー光を照射する工程である、電気機械変換膜の形成方法が提供される。
本発明によれば、一成膜あたりの成膜量が多く、経済的な電気機械変換膜の形成方法を提供できる。
図1は、本実施形態の液滴吐出ヘッドの構造の一例を示す模式図である。 図2は、下地上へSAM膜をパターニングする一実施形態を説明するための模式図である。 図3は、下地上へSAM膜をパターニングする他の実施形態を説明するための模式図である。 図4は、表面改質された下地上に、電気機械変換膜を形成する一実施形態を説明するための、模式図である。 図5は、第1の実施形態における、前駆体溶液の着弾の様子を説明するための概略図である。 図6は、第1の実施形態に係る電気機械変換素子のP−Eヒステリシス曲線の例である。 図7は、本実施形態のインクジェット記録装置を説明するための概略図である。 図8は、本実施形態のインクジェット記録装置を説明するための他の概略図である。
以下、図を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。実施形態や各実施例等に亘り、同一の機能もしくは形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すに留め、重複説明を避ける。なお、実施形態に記載した内容は、一形態に過ぎず、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
また、本実施形態において、液体吐出記録方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液滴を着弾させて画像形成を行う装置を意味し、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
さらに、本実施形態において、「液滴」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、樹脂、液体などと称されるものを含み、画像形成を行うことが可能に微細粒状化して液滴にできる全ての液体の液滴の総称として用いる。また、「記録媒体」とは、材質を紙に限定するものではなく、OHPシート、布なども含み、液滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録紙、記録用紙、使用可能な薄紙から厚紙、はがき、封筒あるいは単に用紙等と称されるものを含むものの総称として用いる。また、画像とは2次元画像に限らず、3次元画像も含まれる。
本実施形態は、電気機械変換膜を含む電気機械変換素子、該電気機械変換素子を含む液滴吐出ヘッド、該液滴吐出ヘッドを含む画像形成装置を、対象として含む。上述の画像形成装置は、一般的に、インクジェット記録装置とも呼ばれる。なお、液滴吐出ヘッド及び画像形成装置の具体的な構成例については後述の実施形態で詳細に説明する。
インクジェット記録装置は、騒音が小さい、高速印字が可能である、インクの自由度があり安価な記録媒体である普通紙を使用できる、等の多くの利点を有する。そのため、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の複数の画像形成機能を備えた複合機等の画像記録装置或いは画像形成装置として広く使用されている。
インクジェット記録装置において使用する液滴吐出装置は、インク滴を吐出するノズルと、前記ノズルが連通する液室(吐出室、加圧室、圧力室、インク流路等とも称される)と、液室内のインクを吐出するための圧力発生手段と、を含む。
本実施形態において圧力発生手段は、圧電素子などの電気機械変換素子を用いて液室の壁面を形成している振動板を変形させることで、インク滴を吐出させるピエゾ型などが使用される。また、本実施形態において、ピエゾ型の圧力発生手段は、d31方向の変形を利用した横振動(ベンドモード)型のものが挙げられる。
(液滴吐出ヘッド)
前述した通り、本実施形態の電気機械変換膜は、電気機械変換素子及び該電気機械変換素子を含む液滴吐出ヘッドに応用することができる。本実施形態の電気機械変換膜を液滴吐出ヘッドに適用した場合の実施形態について、図を参照して説明する。
図1に、本実施形態の液滴吐出ヘッドの構造の一例を示す模式図を示す。
インクジェット記録装置において使用する液滴吐出ヘッド10は、インク滴を吐出するノズル孔11が形成されたノズル板12と、このノズル孔11が連通する液室21(インク流路、加圧液室、加圧室、吐出室、圧力室等とも称される)と、加圧室内のインクを加圧する電気機械変換素子40、インク流路の壁面を形成する振動板30とを備えている。液室21は、ノズル板12と液室基板20と振動板30とから形成される。また、電気機械変換素子40は第1の電極42と、電気機械変換膜43と、第2の電極44とからなり、液室21は圧力室基板20と振動板30と、ノズル板12とから構成される。前記エネルギー発生手段で発生したエネルギーを受けて、振動板30が例えば横方向(d31方向)に変形変位し、圧力室21内のインクを加圧することによってノズルからインク滴を吐出させる。
また、第1の電極42と振動板30との密着性を良くするために、振動板30上には、例えばTi、TiO、TiN、Ta、Ta、Ta等の密着層41を設けても良い。
なお、図1は、本実施形態の電気機械変換膜を液滴吐出ヘッドに適用した例について、記載したものであるが、本発明はこの点において限定されない。本実施形態の電気機械変換膜を含む電気変換素子は、例えば、マイクロポンプ、超音波モータ、加速度センサ、プロジェクタ用2軸スキャナ、輸液ポンプ、その他などの用途で、使用されても良い。
電気機械変換素子40は、ノズル板12と対向する側に配置され、液室21の壁面を構成する振動板30を変形変位させることで、液室21内のインクをインク滴としてノズル孔11から吐出させるピエゾ型の電気機械変換素子である。電気機械変換素子40は、第1の電極42と第2の電極44との間に電圧がかけられたときに変形変位する。
(電気機械変換膜)
本実施形態においては、電気機械変換膜43の材料としては、PZT(ジルコン酸鉛(PbZrO)とチタン酸鉛(PbTiO)の固溶体)又はBT(チタン酸バリウム(BaTiO))などが挙げられる。
PZTとしては、例えば、PbZrOとPbTiOの比率が53:47の割合で、化学式で示すとPb(Zr0.53、Ti0.47)O、一般にはPZT(53/47)と示されるPZTなどを使用することができる。PbZrOとPbTiOの比率によって、PZTの特性が異なる。
電気機械変換膜としてPZTを使用する場合、出発材料に酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド化合物、チタンアルコキシド化合物を使用し、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ、PZT前駆体溶液を作成する。酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド化合物、チタンアルコキシド化合物の混合量は、所望のPZTの組成(PbZrOとPbTiOの比率)に応じて、当業者が適宜選択できるものである。
なお、金属アルコキシド化合物は、大気中の水分により容易に分解する。そのため、PZT前駆体溶液に、安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定剤を添加しても良い。
PZT以外の複合酸化物としてはチタン酸バリウムなどが挙げられ、この場合はバリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製することも可能である。これら材料は一般式ABOで記述され、A=Pb、Ba、Sr B=Ti、Zr、Sn、Ni、Zn、Mg、Nbを主成分とする複合酸化物が該当する。その具体的な記述として(Pb1−x、 Ba)(Zr、 Ti)O、(Pb1−x、 Sr)(Zr, Ti)O、と表され、これはAサイトのPbを一部BaやSrで置換した場合である。このような置換は2価の元素であれば可能であり、その効果は熱処理中の鉛の蒸発による特性劣化を低減させる作用を示す。
本実施形態では、前述した電気機械変換膜の前駆体溶液に、製造する電気機械変換膜と同じ組成の金属酸化物を含む微粒子を混合する。具体例として、電気機械変換膜にPZTを採用する場合には、PZT前駆体溶液にPZT微粒子を、BTを採用する場合には、BT前駆体溶液にBT微粒子を混合する。前駆体溶液に、製造する電気機械変換膜と同じ組成の金属酸化物を含む微粒子を含有させることで、得られる電気機械変換膜のクラック発生を抑制し、かつ、緻密性を向上させることができる。これは、混合した微粒子が、前駆体溶液の収縮を吸収し、前駆体溶液内の微粒子に流動性を持たせることができるからである。
通常のゾルゲル法による成膜では、前駆体溶液が高い収縮率を有するため、電気機械変換膜を、クラック発生なしで形成するために、一度の成膜で成膜できる膜厚は100nm前後であった。しかしながら、本実施形態では、前駆体溶液中の固形分濃度を増加させることができるため、一度に成膜できる膜厚が1〜3μm程度と大きい。
本実施形態において、前駆体溶液に混合する微粒子の平均粒径は、1μm未満とすることが好ましい。後述するように、本実施形態では、前駆体溶液をインクジェット方式で塗布する。インクジェット方式による前駆体溶液の塗布は、前駆体溶液の吐出安定性が重要となる。具体的には、従来のインクジェット記録装置の液滴吐出ヘッドのノズル径は、φ15〜30μm前後である。混合する微粒子の平均粒径が1μm以上の場合、塗布液の吐出時の液滴の着弾方向に曲がりが生じたり、ノズル孔に詰まりが発生することがある。即ち、前駆体溶液を安定して吐出することができず、所望のパターンの電気機械変換膜を形成することができないことがある。
混合する微粒子は、粒径分布が単分散である粒子であっても良いが、粒径分布を有する粒子であっても良く、例えば、20nm以下の粒径を有する微粒子を含むことが好ましく、5nmから1000nmまでの粒径分布を有することが好ましい。例えば、粒径が20nm以下(例えば5nm)の微粒子を含むことにより、焼結、結晶時に粒径100nm以上の微粒子が凝集したときに発生する間隙を埋めることができる。そのため、クラックの発生を抑制することができ、緻密な電気機械変換膜を製造することができる。
また、前駆体溶液は、通常、大気中の水分などにより加水分解しやすい成分が含まれる。そのため、加水分解を抑制する安定剤として、アセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどを添加することが好ましい。
(第1の電極及び第2の電極)
第1の電極の材料としては、高い耐熱性を有し、下記に示すアルカンチオールとの反応によりSAM(Self Assembled Monolayer:自己組織化単分子)膜が形成される、貴金属などの金属材料を使用することが好ましい。具体的には、SAM材料との高い反応性を有するプラチナ(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)などの金属単体や、これらの金属を含む合金材料などを使用することができる。
また、これらの金属層を作製した後に、導電性酸化物層を積層して使用することも可能である。導電性酸化物としては、具体的には、化学式ABOで記述され、A=Sr、Ba、Ca、La、 B=Ru、Co、Ni、を主成分とする複合酸化物があり、SrRuOやCaRuO、これらの固溶体である(Sr1−x Ca)Oのほか、LaNiOやSrCoO、さらにはこれらの固溶体である(La, Sr)(Ni1−y Co)O (y=1でも良い)が挙げられる。それ以外の酸化物材料として、IrO、RuOも挙げられる。
第1の電極の作製方法としては、スパッタ法や真空蒸着等の真空成膜法などの方法により作製することができる。
また、第2の電極の材料としても、下部電極と同様の、高い耐熱性を有する金属などの材料を使用することができる。第2の電極は、スパッタ法や真空蒸着等の真空成膜法などの方法により作製することができる。
(振動板)
第1の電極は、電気機械変換素子に信号入力する際の共通電極として電気的接続をするので、その下部にある振動板30は絶縁体又は導体を絶縁処理したものを使用することができる。
振動板30の具体的な材料としては、例えば、厚さ略数ミクロンのシリコン酸化膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜又はこれらの膜を積層した膜などを使用することができる。また、熱膨張差を考慮した酸化アルミニウム膜、ジルコニア膜などのセラミック膜も使用することができる。
振動板の成膜方法としては、例えば、シリコン系絶縁膜は、CVD又はシリコン系膜を熱酸化処理することにより得ることができる。金属酸化膜は、スパッタリング法などにより成膜することができる。
(電気機械変換膜の製造方法)
本実施形態の電気機械変換膜の製造方法は、下地上の少なくとも一部に電気機械変換膜を製造する電気機械変換膜の製造方法であって、
前記下地を所定のパターンに表面改質する工程と、
前記下地の表面改質されていない領域に、前記電気機械変換膜と同じ組成の微粒子と、前記電気機械変換膜の前駆体と、を含むゾルゲル液を、インクジェット方式により塗布する工程と、
塗布された前記ゾルゲル液を加熱する工程と、
を含む。
本実施形態では、電気機械変換膜としてPZT膜を製造する実施形態について、図を参照して説明する。
[表面改質する工程]
まず、電気機械変換膜を作成するための、下地の表面処理方法について説明する。
図2に、下地上へSAM膜をパターニングする一実施形態を説明するための模式図を示す。
図2(a)は、例えば、第1の電極である下地51である。本実施の形態では、第1の電極としては白金(Pt)を使用した。
下地51上に、アルカンチオールなどから成るSAM材料を用いて浸漬処理させる(図2(b))。これにより、下地51表面には、SAM材料が反応しSAM膜52が付着し、下地51表面を撥水化することができる。アルカンチオールは、分子鎖長により反応性や疎水(撥水)性が異なるが、通常SAM材料は、炭素数6〜18の分子を有する。また、SAM材料は、アルカンチオールを、前記アルカンチコールが溶解し、かつ、化学反応を起こさない、アルコール類などの溶媒で希釈して作成する。アルカンチオールの濃度は、数ミリモル/リットル〜数モル/リットル程度が好ましい。
所定時間後に下地51を取り出し、余剰な分子を溶媒で置換洗浄し、乾燥する。
次に、公知のフォトリソグラフィによりフォトレジスト53をパターン形成する(図2(c))。その後、ドライエッチングによりSAM膜を除去し、フォトレジスト53を除去してSAM膜のパターニングを終了する(図2(d))。
他にも、図2(a)の状態から、先にフォトレジストパターンを形成し(図2(b'))、SAM処理を行い(図2(c''))、レジストを除去してSAM膜52のパターニングを行っても良い。
さらに他にも、図2(b)の状態から、フォトマスク54を介して紫外線又は酸素プラズマを下地表面に照射することで(図2(c'))、露光部のSAM膜52を除去してSAM膜52のパターニングを行っても良い。
なお、パターニング後、SAM膜が残っている領域は、表面が疎水性となる。一方、ドライエッチングなどによりSAM膜が除去され、表面が電極材料となっている領域は、表面が親水性となる。この表面エネルギーのコントラストを利用して、下記で詳述するPZT前駆体液の塗り分けが可能となる。
なお、図2においては、Ptの第1の電極である下地51上に、SAM膜をパターニングする実施形態について説明した。しかしながら、上述の通り、第1の電極の材料は、Ptなどの金属に限定されない。ここでは、第1の電極の材料として、前述の金属層と、酸化物であるニッケル酸ランタン(LNO)層と、を積層して使用する場合についても、一例として説明する。
図3に、下地上へSAM膜をパターニングする他の実施形態を説明するための模式図を示す。図3(a)に示すように、初期状態において、下地51は、基板30上に第1の電極42としてPt層とLNO層とPt層とが積層された構造を有する。次に図3(b)に示すように、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程によりパターニングすることで、下地が存在する側とは異なる側のPt層を除去する。この工程により、LNO層が露出する領域と、Pt層が残留する領域と、を形成することができる。SAM材料は、Pt層とは高い反応性を有する一方で、LNO層とは反応性が低い。そのため、この状態で、前述したSAM処理を施すことで、図3(c)に示すように、Pt層上にのみSAM膜が形成され、疎水性となる一方、LNO層上はSAM膜が形成されず、親水性となる。
[塗布する工程及び照射する工程]
次に、表面改質された第1の電極上に、ゾルゲル液を塗布し、熱処理することを繰り返して、電気機械変換膜を形成する工程について、説明する。
図4に、表面改質された下地上に、電気機械変換膜を形成する一実施形態を説明するための、概略図を示す。
図2で説明した表面改質された下地において、フォトリソグラフィでフォトレジストが残った領域は、レジスト剥離後もパターン化SAM膜は残っているので、疎水性となる。一方、前記フォトリソグラフィでフォトレジストが除去された領域は、ドライエッチングによりSAM膜が除去され、表面が電極材料となっているため、表面は親水性となっている(図4(a))。その後、下地上に、インクジェット方式により、インクジェット用記録ヘッド55よりPZTの前駆体及びPZTの微粒子を含むゾルゲル液56を塗布する(図4(b))。なお、ゾルゲル液56は、インクジェット用記録ヘッド55で塗布可能とするように、粘度及び表面張力などを、あらかじめ調整しておくことが好ましい。図4(b)では、表面エネルギーのコントラストにより、ゾルゲル液の塗布領域は親水性の領域のみとなる。親水面の領域のみにゾルゲル液を吐出させることにより、塗布するゾルゲル液の使用量がスピンコート法等の従来プロセスよりも減らすことができると共に、工程を簡略化することが可能である。
インクジェット方式によりゾルゲル液を塗布した後、塗布されたゾルゲル液を加熱(熱処理)する。塗布されたゾルゲル液を加熱する方法としては、特に限定されず、例えば、ホットプレートなどによる基板下面側から直接加熱する方法、赤外線ランプなどを用いて間接的に加熱する方法、レーザー光を照射する方法などが挙げられる。赤外線ランプなどを用いて間接的に加熱する方法としては、具体的には、基板下面側から赤外線ランプを用いて赤外線を照射する方法や、基板を挟持するように一対の赤外線ランプを配置し、基板の上面側(ゾルゲル液膜側)と下面側の両方から赤外線を照射する方法が挙げられる。これらの中でも、例えば図4(c)に示すように、前記前駆体溶液と前記第1の基板との間の界面に、レーザー光を照射する方法を採用することが好ましい。
ゾルゲル液の加熱においては、前駆体溶液の塗布後、溶媒成分を乾燥する工程、乾燥させた前駆体を熱分解する工程及び熱分解させた前駆体を微粒子と共に結晶化する工程を要する。しかしながら、レーザー光を照射する方法では、前記前駆体溶液と前記第1の基板との間の界面に、レーザー光を照射することにより、これらの熱処理を同時に実行することができる。
また、レーザー光を照射することによる加熱処理時においては、走査されるレーザー光の照射スポットを中心として、ゾルゲル液の流動が発生する。ゾルゲル液中に混合した微粒子は、ゾルゲル液成分と共に流動しながら結晶化されるため、粒径の小さい微粒子が粒径の大きい微粒子の隙間に入りやすくなる。したがって、より緻密でクラックの発生が少ない電気機械変換膜を形成することができるため、レーザー光を照射する方法を採用することが好ましい。
レーザー光としては、特に限定されず、例えば、YAGレーザー、COレーザー、エキシマレーザーなどのガスレーザーのレーザー光が挙げられる。
レーザー種、レーザー照射時間、レーザー出力は、前駆体溶液に含まれる溶媒が持つ吸収波長帯域、成膜する膜厚(前駆体溶液の塗布量)、などに応じて、当業者が適宜選択することができる。例えば、連続照射型(CW)レーザーを使用する場合、照射時の走査の移動速度を変更することで、照射時間を変更することができる。また、パルス型レーザーの場合、発光時間を変更することで、照射時間を調整することができる。
また、電気機械変換膜のパターンが形成される領域にだけ、第1の電極層をパターニングしておくことが好ましい。これにより、レーザー光照射時において、第1の電極層パターンが、レーザー光照射の目標物となるため、レーザー光照射の走査が容易になる。また、第1の電極層パターンにだけレーザー光を照射することで、タクトタイムが早くなり、生産効率が向上し、生産コストを低減することができる。
(第1の実施形態)
次に、図を参照して、具体的な実施形態を説明する。
[微粒子混合PZT前駆体溶液の調製]
第1の実施形態では、電気機械変換膜としてPZT膜を採用し、以下の方法によりPZT前駆体溶液を調製した。PZT前駆体溶液の出発原料としては、酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムを使用した。酢酸鉛の結晶水は、メトキシエタノールに溶解した後、脱水した。なお、出発原料の使用量は、化学両論組成に対して、鉛量を13モル%過剰となるように調製した。これにより、レーザー光照射による熱処理中の鉛抜けによる結晶性の低下を防ぐことができる。
イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進行させ、前記の酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することで、PZT前駆体溶液を得た。なお、PZT前駆体溶液の固形分濃度は、0.5モル/リットルとなるように調製した。また、安定剤として、アセチルアセトンを添加した。
得られたPZT前駆体溶液に、平均粒径400nm(最大粒径700nm、最小粒径5nm)のPZT微粒子粉体を混合した。本実施形態においては、1μm乃至1.5μm程度の電気機械変換膜を製造するために、ゾルゲル液と微粒子との混合比を、重量比で1:2とした。より具体的には、ゾルゲル液堆積に対する微粒子粉体の濃度を、0.86g/mlとなるように、調整した。混合としては、ボールミル法にて6時間混合処理し、微粒子粉体を前駆体溶液中に分散させた。
また、比較例1として、平均粒径1μm(最大粒径10μm、最小粒径10nm)のPZT微粒子粉体を混合した前駆体溶液も作製した。なお、比較例1では、平均粒径が1μmのPZT微粒子粉体を混合した以外は、第1の実施形態と同様の方法で、前駆体溶液を作製した。
さらに、参考例1として、粒径400nm(単分散で、実質粒径分布を有さない)のPZT微粒子粉体を混合した前駆体溶液も作製した。なお、参考例1では、粒径が400nmのPZT微粒子粉体を混合した以外は、第1の実施形態と同様の方法で、前駆体溶液を作製した。
[微粒子混合PZT前駆体溶液の塗布]
予め保護膜が形成された基板上に、第1の電極としてPt層、LNO層及びPt層を、スパッタ法により成膜した。図3で説明したように、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程でLNO層をパターニングし、LNO層が露出する領域と、Pt層が残留する領域と、を有する基板を得た。
次に、基板に対して前述のSAM処理を施した。前述した通り、SAM材料は、Pt層とは高い反応性を有するが、LNO層とは反応性が低い。そのため、SAM処理により、露出したPt層上にのみ選択的にSAM膜が形成された。SAM処理のアルカンチオール液としては、テトラデカンチオールを使用した。SAM処理後の基板上のSAM膜の、純水に対する接触角は125度であり、LNO層の接触角は10度以下であった。なお、本実施形態においては、LNO膜のパターニング(即ち、親水性領域)は、図1の水平方向に50μm、図1の奥行き方向に1500μmとした。また、LNO膜のパターニングは複数行い、図1の水平方向に100μmのピッチで形成した。
前述のPZT微粒子粉体が混合された前駆体溶液を、インクジェット方式により、基板上の親水性領域(SAM膜が形成されないLNO層が露出している領域)に塗布した。
図5に、第1の実施形態における、前駆体溶液の着弾の様子を説明するための概略図を示す。図5(a)は、第1の実施形態のPZT微粒子粉体が混合された前駆体溶液を塗布した後の基板の写真であり、図5(b)は、比較例1のPZT微粒子粉体が混合された前駆体溶液を塗布した後の基板の写真である。
図5(a)に示す通り、第1の実施形態の前駆体溶液は、基板の親水性領域に正確に着弾し、所望のパターンの微粒子混合前駆体溶液膜が得られていることがわかる。一方、図5(b)に示す通り、比較例1においては、ゾルゲル液の塗布抜けが見受けられ、また、疎水性領域への前駆体溶液の着弾が見受けられた。これは、比較例1で使用した微粒子が、平均粒径が1μmと大きかったため、インクジェットヘッドにおいてノズルの詰まりが生じ、また、微粒子混合前駆体溶液の液滴の吐出曲がりが生じたと考えられる。
[電気機械変換素子の製造]
微粒子混合した前駆体溶液膜を、基板の前駆体溶液膜側から、レーザー照射装置を用いてレーザー照射した。レーザーの照射は、第1の電極層であるLNO層表面と前駆体溶液膜との界面に対して行った。レーザーの照射により、前駆体溶液膜が熱処理(結晶化処理)され、電気機械変換膜が形成される。レーザー照射後は、基板を300℃で数秒加熱することで、Pt層上の形成されていたSAM膜を除去した。
レーザー照射装置としては、発振波長532nmのYAGレーザーを使用し、レーザー光の照射スポット径は50μm、照射レーザー出力は100mW、走査速度は500μm/sとした。また、本実施形態において、走査方向は、図1の奥行き方向とした。
第1の実施形態及び参考例1で得られた電気機械変換膜の膜厚は、1.3μmであった。第1の実施形態で得られた電気機械変換膜は、クラックが発生していなかったが、参考例1で得られた電気機械変換膜は、クラック不良が少し見受けられた。第1の実施形態で得られた電気機械変換膜は、使用した微粒子が粒径分布を有するため、前駆体溶液膜中での微粒子粉体の充填率が大きい。一方、参考例で使用した微粒子は、粒径分布を有さないため、前記充填率が小さい。この充填率の差が、クラックの発生率に影響を及ぼしたと考えられる。
第1の実施形態及び参考例1で得られた電気機械変換膜上に、上部電極としてPt膜を成膜し、電気機械変換素子を作製した。得られた電気機械変換素子は、電気特性及び電気機械変換能(圧電定数)を測定した。
図6に、第1の実施形態の電気機械変換素子のP−Eヒステリシス曲線の例を示す。第1の実施形態の電気機械変換素子は、比誘電率が1450、誘電損失が0.04であった。また、第1の実施形態の電気機械変換素子の残留分極は、22μC/cmであり、抗電界は35.6kV/cmであった。一方、参考例1の電気機械変換素子は、比誘電率が950であり、誘電損失は0.13であった。また、第1の実施形態で得られた電気機械変換素子については、電界印加による変形量をレーザードップラー振動計で計測し、シミュレーションによる合わせ込みから、圧電定数d31を算出した。第1の実施形態の電気機械変換素子の圧電定数d31は、125pm/Vであった。これにより、第1の実施形態及び参考例1で得られた電気機械変換素子の各種特性は、液滴吐出ヘッドとして使用するのに十分な特性を有していることが確認できた。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、前述した実施形態の電気機械変換素子を液滴吐出ヘッドに適用した実施形態について、説明する。
前述した実施形態の電気機械変換素子を適用した液滴吐出ヘッドの構成については、図1などで説明した。
本実施形態の液滴吐出ヘッドは、図1の液滴吐出ヘッドを複数配置した構成のものを使用することができる。
本実施形態の液滴吐出ヘッドは、前述までの実施形態で述べた電気機械変換素子を製造した後、液室21の形成のために、裏面からエッチングし、ノズル孔11を有するノズル板12を接合することで作成することができる。そのため、簡便な製造工程で、従来の液滴吐出ヘッドと同等の性能を有する液滴吐出ヘッドを製造することができる。
また、図1及び本実施形態においては、液滴吐出ヘッドとしての一使用例として、インクジェットヘッドに適用する場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、マイクロポンプ、超音波モータ、加速度センサ、プロジェクタ用2軸スキャナ、輸液ポンプなどの用途にも、適用することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第2の実施形態の液滴吐出ヘッドを搭載した、インクジェット用記録装置の一例について、図7及び図8を参照して説明する。なお、図7は、本実施形態のインクジェット記録装置を説明するための概略図であり、図8は、本実施形態のインクジェット記録装置を説明するための他の概略図である。
本実施形態に係るインクジェット記録装置は、記録装置本体81の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ93、キャリッジ93に搭載した本発明の一実施形態であるインクジェット用記録ヘッド94、インクジェット用記録ヘッド94へインクを供給するインクカートリッジ95等で構成される印字機構部82等を収納する。記録装置本体81の下方部には、多数枚の用紙83を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)84を抜き差し自在に装着することができる。また、用紙83を手差しで給紙するための手差しトレイ85を開倒することができる。給紙カセット84或いは手差しトレイ85から給送される用紙83を取り込み、印字機構部82によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ86に排紙する。
印字機構部82は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド91と従ガイドロッド92とでキャリッジ93を主走査方向に摺動自在に保持する。キャリッジ93にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係るインクジェット用記録ヘッド94を、複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ93は、インクジェット用記録ヘッド94に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ95を交換可能に装着している。
インクカートリッジ95は、上方に大気と連通する図示しない大気口、下方にはインクジェット用記録ヘッド94へインクを供給する図示しない供給口を、内部にはインクが充填された図示しない多孔質体を有している。多孔質体の毛管力によりインクジェット用記録ヘッド94へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、インクジェット用記録ヘッド94としてここでは各色のヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
キャリッジ93は、用紙搬送方向下流側を主ガイドロッド91に摺動自在に嵌装し、用紙搬送方向上流側を従ガイドロッド92に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ93を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ97で回転駆動される駆動プーリ98と従動プーリ99との間にタイミングベルト100を張装し、主走査モータ97の正逆回転によりキャリッジ93が往復駆動される。タイミングベルト100は、キャリッジ93に固定されている。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置は、給紙カセット84から用紙83を分離給装する給紙ローラ101、フリクションパッド102、用紙83を案内するガイド部材103、給紙された用紙83を反転させて搬送する搬送ローラ104、この搬送ローラ104の周面に押し付けられる搬送コロ105、搬送ローラ104からの用紙83の送り出し角度を規定する先端コロ106、を設けている。これにより、給紙カセット84にセットした用紙83を、インクジェット用記録ヘッド94の下方側に搬送される。搬送ローラ104は副走査モータ107によってギヤ列を介して回転駆動される。
用紙ガイド部材である印写受け部材108は、キャリッジ93の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ104から送り出された用紙83を記録ヘッド94の下方側で案内する。この印写受け部材108の用紙搬送方向下流側には、用紙83を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ111、拍車112を設けている。さらに、用紙83を排紙トレイ86に送り出す排紙ローラ113及び拍車114と、排紙経路を形成するガイド部材115、116とを配設している。
画像記録時には、キャリッジ93を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド94を駆動することにより、停止している用紙83にインクを吐出して1行分を記録し、用紙83を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙83の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙83を排紙する。
キャリッジ93の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド94の吐出不良を回復するための回復装置117を有する。回復装置117はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有する。キャリッジ93は、印字待機中に回復装置117側に移動されてキャッピング手段でヘッド94をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに、記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド94の吐出口を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出す。また、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。さらに、吸引されたインクは、本体下部に設置された図示しない廃インク溜に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
本実施形態に係るインクジェット記録装置においては、第2の実施形態の液滴吐出ヘッドを搭載しているので、振動板駆動不良によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られて、画像品質が向上する。
10 液滴吐出ヘッド
11 ノズル孔
12 ノズル板
20 液室基板
21 液室
30 振動板
40 電気機械変換素子
41 密着層
42 第1の電極
43 電気機械変換膜
44 第2の電極
特許第3477724号公報 特開2006−100337号公報

Claims (5)

  1. 下地上の少なくとも一部に電気機械変換膜を形成る方法であって、 前記下地を所定のパターンに表面改質する工程と、 前記下地の表面改質されていない領域に、前記電気機械変換膜と同じ組成で、かつ、平均粒径が1μm未満の微粒子と、前記電気機械変換膜の前駆体と、を含むゾルゲル液を、インクジェット方式により塗布する工程と、 塗布された前記ゾルゲル液を加熱する工程と、を含み、 前記微粒子は、5nmから1000nmまでの範囲内で粒径分布を有し、20nm以下の粒径を有する微粒子を含み、 前記加熱する工程は、塗布された前記ゾルゲル液にレーザー光を照射する工程である、電気機械変換膜の形成方法。
  2. 前記レーザー光を照射する工程は、塗布された前記ゾルゲル液と前記下地との界面にレーザーを照射する工程である、請求項に記載の電気機械変換膜の形成方法。
  3. 請求項1又は2に記載の電気機械変換膜の形成方法により、前記下地上の少なくとも一部に電気機械変換膜を形成する工程を含み、 前記下地が第1の電極であり、 前記電気機械変換膜上に第2の電極を形成する工程をさらにを含む電気機械変換素子の製造方法
  4. 請求項に記載の電気機械変換素子の製造方法により、電気機械変換素子を製造する工程を含む液滴吐出ヘッドの製造方法
  5. 請求項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法により、液滴吐出ヘッドを製造する工程を含む画像形成装置の製造方法
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