JP5679746B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート等の記録材上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
近年、例えば、電子写真方式を採用した画像形成装置は、高速化、高機能化、及びカラー化が進められており、各種のプリンタ、複写機等が市場に出ている。電子写真方式のカラー画像形成装置としては、高速でカラー画像の形成が可能なことから、タンデム方式が今後のカラープリンタの主力になるものとして有望視されている。
又、電子写真方式のカラー画像形成装置には、直接転写方式と中間転写方式がある。近年では、画像形成装置の高機能化の観点から、記録材のサイズ、厚み(坪量)、及び表面性(例えば、表面の粗いラフ紙)等において扱える用紙(メディア)の多様性が求められている。そのため、メディアフレキシビリティに優れた中間転写方式が主流になりつつある。
一方、画像形成装置が使用される環境も、従来のように空調設備が完備されたオフィスばかりではなくなってきている。SOHO(スモールオフィスホームオフィス)化の流れにより、個人事務所や自宅等の種々の環境下においても、良好な出力画像が得られることが望まれる。
このように、画像形成装置には、メディアフレキシビリティ、使用環境等の観点から、益々高い性能が求められるようになっている。
しかしながら、記録材、中間転写体方式における中間転写ベルト(以下、ITB)や直接転写方式における転写搬送ベルト(以下、ETB)は、環境(温度、湿度)の変化によって抵抗値的に不安定な要素を有する。そのために、装置の置かれている環境変動や記録材の種類によって、安定して良好な画像を出力するのが難しい場合がある。
ITBやETBとしては、例えば、樹脂に電気抵抗の調整のためのカーボンブラック等の電子導電剤やイオン導電剤が添加されたフィルム状の部材が用いられる。電子導電剤が添加されたITBやETBでは、製造時の分散不良により電気抵抗値が不均一化することがある。又、イオン導電剤が添加されたITBやETBでは、環境条件により温度や含有する水分量の変動によって、電気抵抗値の環境ばらつきが発生することがある。
一方、記録材として例えば紙の主成分は吸湿性の高いセルロースであり、その吸湿状態によって電気抵抗値が大きく変化する。例えば、紙が水分を吸収する高温高湿環境(H/H環境(30℃/80%RH))では、その電気抵抗は10Ωcm程度まで低下する。一方、低温低湿環境(L/L環境(15℃/10%RH))では、紙の電気抵抗が1012Ωcm程度にまで上昇してしまう。
このように、電気抵抗の変動要因を有するITB、ETB及び記録材に対してトナー像の転写を行うと、電気抵抗が高くなっている場合には、転写電流が流れ難いことによる転写不良が発生する。逆に、電気抵抗が低くなっている場合には、転写電流が流れ過ぎて、感光体またはITBから記録材に転写されたトナー像が放電により逆帯電を受けて極性が反転し易くなる。そして、この帯電極性が反転したトナーが感光体またはITBに逆転写して転写効率が低下する。
このような問題を鑑みて特許文献1では、記録材の坪量、環境条件に応じて転写高圧の設定を変更する次のような方法を開示している。即ち、転写部位が非画像形成領域時に定電流制御を行い、且つ、転写部位が非画像形成領域時で非通紙時に生じる電圧と、転写部位が非画像形成領域時で通紙時に生じる電圧とを検知し、ついで、それぞれの電圧を基に画像形成領域時の転写電圧を決定する。
特開平8−190285号公報
しかしながら、上記のような従来技術では、以下のような問題が生じることが懸念される。
それは、高湿環境下において電気抵抗が低下した用紙を用い、用紙の幅方向、即ち用紙の搬送方向と垂直の方向において、トナーが存在しない空白部が大きい画像を印刷した場合、トナー部に流れる転写電流が不足し、転写不良が発生してしまう問題である。なお、以下の説明において空白部とは、記録材のうち、記録材搬送方向に直交する幅方向の長さに対して、トナーが存在しない部分のことを指すものとする。
一方、上記問題を解決すべく、空白部が大きい画像で転写不良が発生しないよう十分な転写電流を供給した場合、長手方向の空白部が小さい画像において転写電流過多となり、トナー帯電極性の反転による逆転写など、別の画像不良が発生してしまう。
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、像担持体に形成されたトナー像が、転写部材との間のニップ部で記録材に転写される場合に、トナー像が存在しない空白部の大きさによらず、より良好な転写を行うことを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にあっては、
トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体との間でニップ部を形成する転写部材であって、前記像担持体が担持するトナー像を、前記ニップ部で挟持搬送される記録材に転写する転写部材と、
前記転写部材に電圧を供給する電圧供給手段と、
を有し、
前記電圧供給手段は、前記像担持体からトナー像を記録材に転写する際に前記転写部材に印加する電流を定電流制御する画像形成装置であって、
前記電圧供給手段は、
記録材の電気的な抵抗が所定の抵抗より低い場合、記録材の搬送方向と直交する方向に関する空白部の総和が第1の総和の時に設定する第1の目標電流値を、前記空白部の総和
が前記第1の総和よりも大きい第2の総和の時に設定する第2の目標電流値よりも小さく設定する前記制御を行い
記録材の電気的な抵抗が所定の抵抗より高い場合、前記空白部の総和に関わらず設定された一定の目標電流値が前記転写部材に流れるように前記制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、像担持体に形成されたトナー像が、転写部材との間のニップ部で記録材に転写される場合に、トナー像が存在しない空白部の大きさによらず、より良好な転写を行うことが可能となる。
実施例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図 2次転写高圧電源について説明するための図 2次転写部の模式図 図3に示す2次転写部を等価回路で表した図 空白部幅が増大した場合の等価回路を示す図 空白部幅を求める方法について説明するための図 画像パターン(トナー部の幅)と2次転写バイアスとの関係を示す図 用紙の抵抗検知位置について説明するための図 現像電流の測定方法について説明するための図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
参考例1
図1は、本発明の参考例1に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。本参考例では、画像形成装置として、電子写真方式でタンデム方式のカラー(多色)レーザプリンタについて説明する。以下に、画像形成装置の構成について、画像形成の行われるプロセスにしたがって順に説明する。
図1に示すように、像担持体としての中間転写体(中間転写ベルト、以下、ITB)5の平面部に沿って、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナー用の各画像形成ユニットUy、Um、Uc、Ukが配置されている。各画像形成ユニットの基本的な構成は同じであるので、以下に述べる画像形成ユニットの説明は、イエロー用画像形成ユニットUyについてのみ行うこととする。
図1中のイエロー用画像形成ユニットUyにおいて、円筒形の感光体1yは、矢印a方向に周速100mm/secで回転駆動されている。感光体1yの表面には、帯電手段としての帯電器2yが圧接するように配置されている。そして、帯電器2yは、感光体1yの回転と共に従動回転しつつ、不図示の帯電高圧電源からACあるいはDC電圧が印加されることで、感光体1y表面を所望の電位に帯電している。
次いで、感光体1yは、潜像形成手段としての画像露光部3によって、記録される画像情報に応じて露光される。露光はレーザビームスキャナ、LEDなどにより行われる。
現像手段としての一成分非磁性接触現像器4yは、現像剤(トナー)を感光体1y表面に搬送する現像ローラ41y、現像ローラ41yの表面へトナーを再塗布するためのトナー供給ローラ42yで構成されている。
表面をトナーで均一にコートされた現像ローラ41yは、感光体1yに軽圧接され、順
方向に速度差を有して回転し、現像高圧電源43から所定のDC電圧が印加されることにより、感光体1y上の潜像がトナー像として顕像化される。
また、現像ローラ41yには現像ローラ41yにトナーを供給するトナー供給ローラ42yが接している。なお、本参考例では、一成分非磁性接触現像法を採用したが、二成分非磁性接触/非接触現像法を採用してもよい。また、本参考例の現像剤は重合法により生成された重合トナーである。また本参考例では、感光体1yと現像ローラ41yは離接可能な構成となっており、画像形成中のみ現像ローラ41yが感光体1yに当接される構成となっている。
現像器4yによって顕像化された感光体1y上のトナー像は、感光体1yの回転にしたがってITB5と感光体1y間で形成される1次転写部へ搬送される。ITB5は、感光体1yに接触して矢印bの方向に駆動されている。
1次転写手段としての1次転写ローラ8yは、ITB5を介して感光体1yと互いに押圧するように配設されている。1次転写ローラ8yに1次転写高圧電源81より1次転写電圧が印加されることで、1次転写部には転写電界が形成される。1次転写部に到達したトナー像は、この転写電界の作用によりITB5の表面に転写される。
1次転写後の感光体1yの帯電状態は、トナー像の有無や1次転写電圧の影響により不安定となっている。そこで本参考例では、LED等を用いた不図示の帯電露光装置によって、1次転写後に感光体1yを照射することにより、感光体1yの帯電状態を安定化させ、均一な帯電が行われるように構成されている。
参考例の1次転写ローラ8yは、芯金の周囲にEPDMゴムの層が形成されることで、ローラ形状に構成されたものである。このEPDMゴムの層は、カーボンが分散され、体積抵抗値10Ω以下になるよう導電化され、また発泡されたものである。
また、1次転写高圧電源81からの電圧は、芯金に印加されている。なお、本参考例ではローラ形状のものを使用したが、シート、ブレード、あるいはブラシ形状で構成されたものでも使用可能である。
参考例では、ITB5は、体積抵抗値10Ω以下のものを使用している。ベルト構成は、樹脂やゴム材に導電粒子を分散させ、抵抗値調整をした単層ベルトでもよい。また、10Ω以下の抵抗値の樹脂又はゴムベルトの表層に、離型性を向上させるためのPTFE、PFA、ETFEなどのフッ素樹脂を数十μmコーティングしたような複数層構成のものでもよい。ここで、PTFEはポリテトラフルオロエチレンであり、PFAはテトラフルオロエチレン パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体であり、ETFEは
エチレン・4フッ化共重合樹脂である。
このITB5は、駆動ローラ6、支持ローラ7、2次転写対向ローラ92に張架・駆動され中間転写ユニットとして構成されている。画像形成ユニットUyと同様に他の画像形成ユニットUm、Uc、Ukユニットで形成されたトナー像が、順次ITB5上に重ねられフルカラートナー像が形成される。ここで、駆動ローラ6/支持ローラ7には、電気的にフロートかもしくは1次転写高圧に準ずる高圧が印加されている。また、2次転写対向ローラ92の抵抗値は、10Ω以下に調整され、接地されている。
ITB5上(像担持体上)のフルカラートナー画像は、転写部材としての2次転写ローラ(2次転写手段)9とITB5で形成されるニップ部としての2次転写部に到達すると、これに合わせて給送部10から記録材Pが給送される。2次転写部に記録材Pが到達するタイミングで、2次転写ローラ9に電圧供給手段としての2次転写高圧電源91より所定の電圧が印加されることで、2次転写部で挟持搬送される記録材Pにトナー像が転移する。
2次転写ローラ9は1次転写ローラ8と同様、芯金9aの周囲にEPDMゴムの層9bが形成され、ローラ形状に構成されたものであるが、EPDMゴムの層9bの体積抵抗値
は10〜1013Ωに調整されている。また1次転写ローラ8と同様、2次転写高圧電源91からの電圧は、芯金9aに印加されている。
2次転写電圧の作用により、2次転写ローラ9−記録材P−ITB5−2次転写対向ローラ92の経路に2次転写電流が流れ、2次転写に必要な電界が形成される。
フルカラートナー画像が転写された記録材Pは、2次転写対向ローラ92の曲率によってITB5から分離され、トナー像を記録材Pにのせた状態で、定着器11へ搬送される。定着器11により、熱や圧力の作用が加えられることで、記録材P上のトナー像が記録材Pに定着される。ここで定着器11は、定着スリーブ111と加圧ローラ112からなる。
一方、1次転写終了後の転写残トナーは、感光体クリーナ12yによってクリーニングされ、2次転写後の中間転写体上の残トナーは、クリーニング装置13によって除去される。ここで、クリーニング装置13は、クリーニングブレード131と廃トナー容器132とを有している。
次に、本参考例における2次転写高圧電源91の制御について説明する。
参考例では、2次転写高圧電源91の制御として、定電圧制御を採用している。ここで、2次転写ローラ9に高圧を印加する2次転写高圧電源91について図2を用いて説明する。
2次転写高圧電源91は、高圧一次側出力回路91aと、出力電流検知手段としての電流検知回路を含む高圧二次側出力回路91bとにより概略構成される。
2次転写ローラ9には正極性の電圧が印加されるものとし、その電圧はインバータートランス911から出力される。インバータートランス911は、電源電圧V[V]にて駆動される電圧制御手段としての高圧制御部(CPU)14からのパルス信号OSCにより高圧一次側出力回路91aのトランジスタ912を介して駆動される。パルス信号OSCは、インバータートランス911の高圧二次側出力回路91bでダイオード913及びコンデンサ914で整流されて2次転写ローラ9に印加される。
高圧制御部14において、HVTINはDCレベル信号のD/A出力、HVTOUTは高圧出力のA/D入力である。
2次転写出力の直流レベルは、トランジスタ915のエミッタ電圧に比例する。また、高圧制御部14からの出力HVTINは、オペアンプ918において増幅されてトランジスタ915のベースに入力される。したがって、HVTIN増加に伴い転写出力電圧は増加する。
このときの出力電流は、オペアンプ916により抵抗917(r[Ω])の電圧降下をみることにより検知できる。
高圧制御部14は、オペアンプ916の出力(HVTOUT)から出力電流Itを、
It[A]=(V−HVTOUT)[V]/r[Ω]
として算出する。
It[A]の値に基づいて、高圧制御部14によりHVTIN(D/A)の値を制御する。
なお、1次転写高圧電源81及び現像高圧電源43についても、構成としては2次転写高圧電源91と同様である。
次に、本参考例における特徴部分について説明する。
図3に2次転写部の模式図を示す。記録材として高湿環境下において吸湿した用紙を用いた場合、用紙の電気抵抗が低下しているため、図3に示した矢印cの方向、即ちトナー層Tの位置からトナーが存在しない空白部に向かう方向に転写電流が流れやすくなる。そ
の結果、図3中に示すAの位置(以下、位置A)の電位が低下してしまうため、トナーの転写に必要な電位差が得られず、転写不良が発生してしまうことが懸念される。さらに、トナーが存在しない空白部が大きい場合、位置Aの電位がより低下するため、転写不良はさらに顕著となってしまうことが懸念される。
一方、空白部幅が増大した際に発生する転写不良を防止するべく転写電圧を大きくした場合、空白部幅が小さい画像を印刷した際に電圧過多となってしまう。この場合、トナー帯電極性の反転による逆転写により、画像濃度低下などの問題が発生することが懸念される。
そこで、本参考例は空白部の大きさによらず、転写不良及び逆転写の発生を防止することを目的としている。
図4は、図3に示す2次転写部を等価回路で表した図である。図4を用い、さらに説明する。
トナーの転写(移動)はコンデンサの充電と等価と考えることができる。トナーの移動を充分に行うには、トナー層Tにトナーが持つ電荷に応じた電圧ΔVがかかるようにする必要がある。そのためには、図4に示した位置Aの電位を、充分な値にする必要がある。図4から分かるように、この位置Aの電位はトナー層Tの位置からトナーが存在しない空白部に向かう部分の用紙の抵抗値とそこに流れる電流値とによって定まる。
ここで、用紙の幅方向の空白部幅が変化した場合について考えてみる。用紙の幅方向とは、トナー像が転写される記録材の面(画像面)のうち記録材搬送方向に直交する幅方向をいう。また、空白部幅とは、記録材の幅方向の長さに対して、トナー像が存在しない空白部の長さの総和をいう。
まず、空白部幅の変化とトナーを転写するために必要なΔVの関係について考えてみる。トナーの転写(移動)はコンデンサの充電と等価と考えることができるので、移動するトナーの電荷量Qと必要なΔVには、
Q=C(トナー層の静電容量)×ΔV
の関係が成り立っている。
空白部幅が変化した場合、当然それにつれてトナー部分の幅も変化する。例えば、トナー部分の幅が1/mになった場合、移動するトナーの電荷量Qも1/mになるが、トナー部分の断面積も1/mとなるため、静電容量Cも1/mとなる。したがって、トナー移動(転写)に必要なQを満足するためのΔVは、トナー部分の幅によらず一定となる。
次に、空白部幅の変化とΔVの関係について考えてみる。
図5(a)は空白部幅が増大した場合の等価回路を示す図である。空白部幅が増大することとは、空白部分の断面積も増大することと等価である。等価回路を用いて考えると、このことは図5(a)に示すように、空白部分が並列回路となり空白部分の電気抵抗が減少することを意味する。したがって、従来公知の定電圧制御を行った場合、空白部分の持つ分圧が減少、即ち位置Aの電位低下が発生する。よってΔVが減少し、転写不良が発生することが懸念される。また、これも従来公知の定電流制御を行った場合、空白部分の電気抵抗による電圧降下量が減少するため、この場合も位置Aの電位低下が発生しΔVが減少し、転写不良が発生することが懸念される。
したがって、空白部幅が増大することでΔVが減少した場合、転写(移動)できる電荷量Qが不十分となり、転写不良が発生することが懸念される。一方、空白部幅が増大した際に発生する転写不良を防止するべく転写電圧を大きくした場合、空白部幅が小さい画像を印刷した際にΔVが不要に大きくなってしまう。この場合、トナー帯電極性の反転による逆転写により、画像濃度低下などの問題が発生することが懸念される。したがって、転写不良と逆転写の問題を同時に解決するには、空白部幅に応じて2次転写電圧を補正し、
ΔVが過大にも過小にもならないようにする必要がある。具体的には、空白部幅が増大した場合には、より大きな2次転写電圧を印加する必要がある。
そこで本参考例では、空白部幅の検知を行い、空白部幅の変化に応じて充分なΔVを得るべく逐次、2次転写電圧(制御電圧値)を補正し、転写不良の発生を防止している。より具体的には、空白部幅が増大した場合に制御電圧値を大きくするよう補正を行うことで、位置Aの電位低下、即ちΔVの減少を抑え、転写不良の発生を防止している。
以下に、本参考例の特徴について詳細に説明する。
まず記録材として基準となる用紙を用い、空白部幅が基準であるy[mm](第1基準値、本参考例では10mm)の時に転写性が最適となる制御電圧値Vff(基準電圧)を予め設定する。このVffは、雰囲気環境及びプリントモード毎に測定/設定され、記憶装置15に記憶されている。
高圧制御部14はプリントを行う際に、雰囲気環境検知手段16より雰囲気環境情報を取得し、記憶装置15より雰囲気環境及びプリントモードに応じた制御電圧値Vffの値を取得する。空白部が幅y[mm]の時に印加される制御電圧値Vは、この制御電圧値Vffに空白部幅y[mm]に応じた係数Y(y)を乗じることで求められ、
=Y(y)×Vff
となる。
本発明者らの検討によれば、空白部幅y[mm]に応じた係数Y(y)を以下に示した表1のように設定することで、空白部幅によらず充分なΔVが得られ、転写不良を防止できた。この係数Y(y)は、2次転写ローラ9の抵抗など2次転写部の構成によって変化するものであり、機種固有の数値である。
ここで、高圧制御部14は、トナー像が2次転写部で記録材に転写される場合であって、該トナー像が存在しない空白部の長さの総和が第1基準値(y[mm])よりも大きい場合に、2次転写電圧を補正する補正手段に相当する。そして、高圧制御部14は、2次転写電圧を補正する場合、第1基準値に対応して予め設定された制御電圧値Vffと同極性で、かつ絶対値が制御電圧値Vffの絶対値よりも大きくなるように2次転写電圧を補正する。
Figure 0005679746
なお、高湿環境以外の環境下では、用紙の抵抗が高いため、図3における矢印cの方向、即ちトナー層Tの位置からトナーが存在しない空白部に向かう方向に転写電流が流れ難い。等価回路を用いて考えると図5(b)のようになり、位置Aの電位は空白部の抵抗に左右され難くなる。即ち、空白部幅が変化しても、ΔVは低下せず、転写不良は発生し難い。よってこの場合は、空白部幅によらず一定の制御電圧値で制御することができるので、係数Y(y)を1としている。なお、本参考例では、雰囲気環境検知手段16の出力に基づき、雰囲気環境の絶対水分量が16[g/m]以上(予め設定された湿度以上)であるときに高湿度環境下にあると判断して、補正を行っている。ここで、雰囲気環境検知手段16は、画像形成装置が設置された環境の湿度を検出する湿度検出手段に相当する。
次に、空白部幅y[mm]を求める方法について、図6を用いて説明する。
高圧制御部14はコントローラ17より、イエロー/マゼンタ/シアン/ブラックの各色について、図6に示したような長手方向のレーザ発光状態情報を取得する。このとき高
圧制御部14は、イエローの1次転写部を基準として、マゼンタ/シアン/ブラックの1次転写部との距離に応じた位相差をもって、マゼンタ/シアン/ブラックのレーザ発光状態情報を取得している。即ち、最終出力画像の同じ位置におけるレーザ発光状態情報を取得している。ここで、長手方向とは、感光体1yの回転軸方向(記録材の幅方向)をいう。
高圧制御部14は、各色のレーザ発光状態情報に基づき、図6の“4色合計”に示したすべての色についてレーザが発光していない領域、即ちトナーが存在しない空白部分の領域を求め、この総和を計算し空白部幅y[mm]としている。ここで、高圧制御部14及びコントローラ17は、トナー像が2次転写部で記録材Pに転写される前に、記録材Pの幅方向の長さに対して、トナー像が存在しない空白部の長さの総和を導出する導出手段を構成している。
高圧制御部14は、このレーザ発光状態情報取得〜空白部幅y[mm]計算のプロセスを1ライン毎に行い、空白部が幅y[mm]の時に印加される制御電圧値Vを上記の通り計算し、図7に示すように制御電圧値Vffを逐次補正している。図7(a)は、記録材P(用紙)に形成された画像パターン(トナー部の幅)を示し、図7(b)は、用紙に形成された画像パターン(トナー部の幅)と2次転写バイアスとの関係を示す図である。
以上に示したような構成をとることによって、空白部幅が変化した場合でも、トナー層Tにかかる電圧ΔVを適正にすることができるので、転写不良の発生を防止することができた。
一方、空白部幅が小さい画像をプリントした場合も、トナー層Tにかかる電圧ΔVが不要に大きな値になることがないので、トナー帯電極性の反転による逆転写など、別の画像不良が発生してしまうこともない。
このように、本参考例によれば、特に高湿環境下において、吸湿した用紙を用いた場合でも、空白部の大きさによらず、常に良好な転写を行うことができる。
なお、本参考例では、1ライン毎に空白部の幅を求める構成で説明したが、例えば空白部の多いテキスト画像、空白部の少ないグラフィック/イメージ画像等、画像のタイプ毎に係数を設定し、画像毎に2次転写電流の補正を行う構成としてもよい。
また、本参考例では制御電圧値Vffを求める際、雰囲気環境検知手段16の出力に基づき記憶装置15から取得する構成としたが、これに限るものではない。例えば非通紙時に所定の転写電流値で定電流制御を行いその結果から制御電圧を決定する従来公知の構成を用い、その結果を制御電圧値Vffとしてもよい。またさらに、この定電流制御の結果に基づいて、雰囲気環境を判断する構成としてもよい。
参考例2
参考例2においては、参考例1において記録材の電気抵抗が変動した場合について説明する。なお、本参考例における画像形成装置の構成及び動作は参考例1と同様であり、同様の構成部分については同一の符号を付してその説明は省略する。
記録材として市場には様々な種類の用紙が販売されており、それらの特性は様々である。電気抵抗の特性もその一つであり、高湿環境下における用紙の電気抵抗はその種類によって異なっているのが一般的である。
そこで本参考例は、用紙抵抗の変化によらず転写不良やトナー帯電極性の反転による逆転写などの画像不良を防止することを目的としている。
参考例1で説明した通り、トナーの移動(転写)を充分に行うには、トナー層Tにトナーが持つ電荷に応じた電圧ΔVがかかるようにする必要がある。このΔVの値は図3,4に示した位置Aの電位によって定まり、位置Aの電位はトナー層Tの位置からトナーが存在しない空白部に向かう部分の用紙の抵抗値とそこに流れる電流値とによって定まる。例
えば、用紙の抵抗がVffを設定する際に用いた基準用紙よりも低下しているときに、参考例1で求めた制御電圧値で制御を行うと、図3,4から分かるように、基準用紙を用いたときよりも位置Aの電位が減少してしまう。よって、ΔVの値が低下してしまい、転写不良が発生してしまうことが懸念される。
したがってこの場合、より大きな2次転写電圧を印加する必要がある。逆に用紙の抵抗が基準用紙よりも上昇している場合、基準用紙を用いたときよりもAの位置の電位が上昇してしまう。よって、ΔVの値が過剰に大きくなり、トナー帯電極性の反転による逆転写など、別の画像不良が発生してしまうことが懸念される。したがってこの場合、より小さな2次転写電圧を印加する必要がある。
そこで本参考例では、参考例1で説明した空白部幅変化に応じた制御電圧値Vffの補正に加え、用紙の電気抵抗を検知し、その検知結果に応じた補正を行う。より具体的には、用紙の電気抵抗が低いと判断される場合、より大きな2次転写電圧を印加するよう補正を行うことで、Aの部分の電位低下、即ちΔVの減少を抑え、転写不良の発生を防止している。
以下に、本参考例の特徴について具体的に説明する。用紙の電気抵抗検知の方法について説明する。用紙の電気抵抗検知は、記録材の電気抵抗値を測定する測定手段を構成する高圧制御部14により実行される。図8は、用紙の抵抗検知位置について説明するための図である。
まず、2次転写ニップ部に用紙が存在しない状態で所定の2次転写電圧U[V](本参考例では1kV)を印加し、その際の電流値jを測定する。続いて、図8に示した用紙先端の非印字領域が2次転写ニップ部に突入した状態で、j測定時と同じ2次転写電圧(本参考例では1kV)を印加し、その際の電流値jを測定する。この2つの電流値を用いて、次の式から、用紙の抵抗(以下、用紙抵抗)Rの値を求めることができる。
R=U×(1/j−1/j
この用紙抵抗Rの値は記憶装置15に一時記憶される。
また同様の手順で、参考例1で制御電圧値Vffを設定する際に使用した基準用紙の抵抗R(第2基準値)が予め測定され、記憶されている。なお、この基準用紙の抵抗Rは、雰囲気環境及びプリントモード毎に測定/設定され、記憶装置15に記憶されている。
高圧制御部14はプリントを行う際に、雰囲気環境検知手段16より雰囲気環境情報を取得し、記憶装置15より雰囲気環境及びプリントモードに応じた制御電圧値Vffの値を取得する。そして参考例1と同様、空白部幅y[mm]に応じた補正を行った後、さらに用紙抵抗Rに基づいた補正を行う。空白部が幅y[mm]の時に印加される制御電圧値Vは、参考例1で求められた制御電圧値に、用紙抵抗Rに応じた係数fを乗じることで求められ、
=f×Y(y)×Vff
とすればよい。
本発明者らの検討によれば、用紙抵抗Rに応じた係数fを以下に示した表2のように設定することで、用紙抵抗Rによらず充分なΔVが得られ、転写不良を防止できた。この係数fは、ITB5の抵抗など2次転写部の構成によって変化するものであり、機種固有の数値である。
このように、高圧制御部14は、用紙抵抗Rが第2基準値(抵抗R)よりも小さい場合に2次転写電圧を補正する。このような補正を行う場合、高圧制御部14は、制御電圧値Vffと同極性で、かつ絶対値が、用紙抵抗Rが第2基準値以上(抵抗R以上)の場合の2次転写電圧の絶対値よりも大きくなるように2次転写電圧を補正する。
Figure 0005679746
なお、この用紙抵抗Rの測定はプリント毎に行われ、測定結果はプリント終了まで保持される。次プリント時には、改めて用紙抵抗Rの測定を行い、用紙抵抗Rの値は更新され、記憶装置15に一時記憶される。
高圧制御部14は、このレーザ発光状態情報取得〜空白部幅y[mm]計算〜用紙の電気抵抗に基づく補正のプロセスを1ライン毎に行う。高圧制御部14は、空白部が幅y[mm]の時に印加される制御電圧値Vを上記の通り計算し、図7のように制御電圧値Vffを逐次補正している。
以上に示したような構成をとることによって、空白部幅y[mm]及び用紙抵抗Rが変化した場合でも、トナー層Tにかかる電圧ΔVを適正にすることができるので、転写不良の発生を防止することができた。一方、空白部幅が小さい画像をプリントした場合も、トナー層Tにかかる電圧ΔVが不要に大きな値になることがないので、トナー帯電極性の反転による逆転写など、別の画像不良が発生してしまうこともない。
参考例においても高湿環境以外の環境下では、用紙の抵抗が高いため、図3における矢印cの方向、即ちトナー層Tの位置からトナーが存在しない空白部に向かう方向に転写電流が流れ難い。等価回路を用いて考えると図5(b)のようになり、位置Aの電位は空白部の抵抗に左右され難くなる。
即ち、空白部幅が変化しても、ΔVは低下せず、転写不良は発生し難い。よってこの場合は、空白部幅によらず一定の制御電圧値で制御することができる。なお、本参考例でも雰囲気環境検知手段16の出力に基づき、雰囲気環境の絶対水分量が16[g/m]以上であるときに高湿度環境下にあると判断して、補正を行っている。
また、本参考例でも制御電圧値Vffを求める際、雰囲気環境検知手段16の出力に基づき記憶装置15から取得する構成としたが、これに限るものではない。例えば非通紙時に所定の転写電流値で定電流制御を行いその結果から制御電圧を決定する従来公知の構成を用い、その結果を制御電圧値Vffとしてもよい。またさらに、この定電流制御の結果に基づいて、雰囲気環境を判断する構成としてもよい。
参考例3
参考例3においては、参考例1においてトナーの帯電特性や載り量(単位面積あたりのトナー重量)が変動した場合について説明する。なお、本参考例における画像形成装置の構成及び動作は参考例1と同様であり、同様の構成部分については同一の符号を付してその説明は省略する。
本来、最適な転写電圧は転写されるトナーの状態(帯電量等)によっても異なるものである。例えば、耐久劣化等によってトナー帯電量が低下した場合を考えてみる。参考例1で説明した通り、トナーの転写に必要なΔVとトナーの持つ電荷量Qには、
Q=C(トナー層の静電容量)×ΔV
の関係が成り立っている。
トナー帯電量が低下するということは、トナーの持つ電荷量Qの低下を意味するので、トナーの転写に必要なΔVも低下する。
したがって例えば、初期状態のトナー帯電量に合わせて2次転写電圧を設定すると、耐久が進んだ(長期にわたって使用した)場合に、転写電圧が大きくなり過ぎて転写不良が
発生してしまうことが懸念される。逆に、耐久が進んだ状態のトナー帯電量に合わせて2次転写電圧を設定すると、初期状態のトナーにおいて、トナー帯電極性の反転による逆転写などの画像不良が発生してしまうことが懸念される。また、トナー帯電量の変動は、印字画像や画像モード等の使用履歴によっても異なるために、予測することは困難である。
また、最適な転写電圧は転写されるトナーの載り量によっても異なる。例えば、トナーの載り量が増大することとは、トナーの持つ電荷量Qが増大することであるため、トナーの転写に必要なΔVも増大する。
参考例は、耐久劣化等によってトナーの状態(帯電量など)が変化した場合でも、最適転写電圧を設定して良好な転写を行うことを目的としている。
参考例では、トナー帯電量及び載り量の変化を検知し、その検知結果に応じた補正を行う。より具体的には、トナー帯電量と載り量の積が上昇していると判断される場合、より大きな2次転写電圧を印加するよう補正を行うことで、位置Aの電位、即ちΔVを適正な値にし、転写不良の発生を防止している。
以下に、本参考例の特徴について具体的に説明する。
参考例1で説明したように、トナーの転写(移動)はコンデンサの充電と等価と考えることができるので、移動するトナーの電荷量Qと必要なΔVには、
Q=C(トナー層の静電容量)×ΔV
の関係が成り立っている。
そのため、たとえばトナー帯電量もしくは載り量が上昇しトナーの電荷量Qがn倍になった場合、必要なΔVもn倍となる。
参考例では、トナー帯電量及び載り量変化の検知を、現像電流を測定することによって行う。現像ローラに印加される現像電圧と、感光体の露光部電位との電位差は、一般的に放電閾値以下であるため、現像時に流れている電流は電荷の移動量、即ちトナーの単位重量当たりの帯電量と移動(現像)されたトナーの重量との積と等価である。したがって、現像電流を測定することによりトナー帯電量及び載り量変化の検知を行うことができる。ここで、トナーの単位重量当たりの帯電量と移動(現像)されたトナーの重量との積は、2次転写部で記録材Pに転写されるトナー像の帯電量に相当する。
参考例における現像電流の測定方法について、図9に基づき説明する。
現像電流の測定方法はすべての色について同じであるので、イエローについてのみ説明を行うこととする。まず、空白部幅が0mmの静電潜像を感光体1y上に形成し、現像ローラ41yで現像する。その時の現像電流q1yを、帯電量導出手段としての現像高圧電源中の電流検知回路にて測定する。この測定は電源投入時など、非印字動作中に行われる。なお、この現像電流q1yは、記憶装置15に一時記憶される。
また、同様の手順で、参考例1で制御電圧値Vffを設定する際の現像電流q0y(第3基準値)が予め測定され、記憶されている。このq0yは、雰囲気環境毎に測定され、記憶装置15に記憶されている。他の色についても同様の手順でq0m、q0c、q0k、q1m、q1c、q1kが測定され、記憶装置15に記憶されている。
高圧制御部14はプリントを行う際に、雰囲気環境検知手段16の情報に基づき及び記憶装置15より雰囲気環境及びプリントモードに応じたVff、R、R、q0y、q0m、q0c、q0k及びq1y、q1m、q1c、q1kの値を取得する。その後、参考例2と同様の手順で空白部幅y[mm]時に印加される制御電圧値Vを求め、さらにトナー状態変化に基づいた補正を行う。
ここで、高圧制御部14は、現像電流q1yが第3基準値(現像電流q0y)よりも大きい場合に2次転写電圧を補正する。このような補正を行う場合、高圧制御部14は、制御電圧値Vffと同極性で、かつ絶対値が、現像電流q1yが第3基準値以下(現像電流
0y以下)の場合の2次転写電圧の絶対値よりも大きくなるように2次転写電圧を補正する。
参考例におけるトナー状態変化に基づいた補正手順について説明する。
まず、これらの現像電流q(q0y、q0m、q0c、q0k)及びq(q1y、q1m、q1c、q1k)の比q=q1y/q0y;q=q1m/q0m;q=q1c/q0c;q=q1k/q0kを求める。そして、このq、q、q、qをトナー状態変化パラメータとして用いる。
ところで、2次転写部ではイエロー/マゼンタ/シアン/ブラックのトナーが混在している。通常、それぞれのトナーの耐久度合い等は異なっており、トナーの状態もまちまちである。また、それぞれのトナーが存在する比率も、画像によってまちまちである。そのため、たとえばいずれか1色のトナー状態変化パラメータのみを用いて、2次転写電圧の制御値を補正することはできない。
そこで本参考例では、トナー状態変化パラメータの加重平均Nを求め、2次転写電圧の制御値を補正している。
以下に、加重平均Nを求める方法について説明する。
参考例1同様、高圧制御部14はコントローラ17より、イエロー/マゼンタ/シアン/ブラックの各色について、図5(a)に示したような長手方向のレーザ発光状態情報を取得する。このとき高圧制御部14は、イエローの1次転写部を基準として、マゼンタ/シアン/ブラックの1次転写部との距離に応じた位相差をもって、マゼンタ/シアン/ブラックのレーザ発光状態情報を取得している。即ち、最終出力画像の同じ位置におけるレーザ発光状態情報を取得している。
高圧制御部14は各色のレーザ発光状態情報に基づき、それぞれの色について、レーザが発光している領域の時間の総和、T、T、T、T[sec]を求める。このT、T、T、T[sec]を用いてトナー状態変化パラメータの加重平均Nは求められ、
Figure 0005679746

となる。
2次転写電圧の制御電圧値Vはトナー状態変化パラメータの加重平均Nを用いて補正され、
=N×f×Y(y)×Vff
となる。
このような構成をとることで、より多く存在するトナーの状態を反映した2次転写電圧の制御電圧値の補正を行うことができる。
高圧制御部14は、このレーザ発光状態情報取得〜空白部幅y[mm]計算〜用紙の電気抵抗及びトナー状態変化に基づく補正のプロセスを1ライン毎に行う。高圧制御部14は、空白部が幅y[mm]の時に印加される制御電圧値Vを上記の通り計算し、図7に示すように制御電圧値Vffを逐次補正している。
以上のような構成をとることによって、空白部幅y[mm]、用紙抵抗及びトナーの状態(帯電量、載り量等)が変化した場合でも、トナー層Tにかかる電圧ΔVをトナーの転写に必要な値に維持することができるので、転写不良の発生を防止することができる。
一方、空白部幅が小さい画像をプリントした場合も、トナー層Tにかかる電圧ΔVが不要に大きな値になることがないので、トナー帯電極性の反転による逆転写など、別の画像不良が発生してしまうこともない。
また、本参考例においても高湿環境以外の環境下では用紙の抵抗が高いため、図3における矢印cの方向、即ちトナー層Tの位置からトナーが存在しない空白部に向かう方向に転写電流が流れ難い。等価回路を用いて考えると図5(b)のようになり、位置Aの電位は空白部の抵抗に左右され難くなる。即ち空白部幅が変化しても、ΔVは低下せず、転写不良は発生し難い。よってこの場合は、空白部幅によらず一定の制御電圧値で制御することができる。
また本参考例でも制御電圧値Vffを求める際、雰囲気環境検知手段16の出力に基づき記憶装置15から取得する構成としたが、これに限るものではない。例えば非通紙時に所定の転写電流値で定電流制御を行いその結果から制御電圧を決定する従来公知の構成を用い、その結果を制御電圧値Vffとしてもよい。またさらに、この定電流制御の結果に基づいて、雰囲気環境を判断する構成としてもよい。
実施例では、2次転写高圧電源91が定電流制御される場合について説明する。本実施例における画像形成装置の構成及び動作は参考例1と同様であり、同様の構成部分については同一の符号を付してその説明は省略する。ここで、本実施例における2次転写高圧電源91の構成も参考例1と同様であるが、本実施例では定電流制御が行われている。本実施例では、2次転写高圧電源91は電流供給手段に相当する。
以下、本実施例における特徴部分について説明する。本実施例における課題及びそのメカニズムは参考例1と同様であるので、再び図3,4を用いて説明する。
記録材として高湿環境下において吸湿した用紙を用いた場合、用紙の電気抵抗が低下しているため、図3に示した矢印cの方向、即ちトナー層Tの位置からトナーが存在しない空白部に向かう方向に転写電流が流れやすくなる。その結果、図3中における位置Aの電位が低下してしまうため、トナーの転写に必要な電位差が得られず、転写不良が発生してしまうことが懸念される。さらに、トナーが存在しない空白部が大きい場合、位置Aの電位がより低下するため、転写不良はさらに顕著となってしまうことが懸念される。
一方、空白部幅が増大した際に発生する転写不良を防止するべく転写電流を大きくした場合、空白部幅が小さい画像を印刷した際に電流過多なってしまう。この場合、トナー帯電極性の反転による逆転写により、画像濃度低下などの問題が発生することが懸念される。
そこで、本実施例は空白部の大きさによらず、転写不良及び逆転写の発生を防止することを目的としている。
図3,4を用いて参考例1で説明したように、空白部幅が増大することでΔVが減少してしまい、転写(移動)できる電荷量Qが不十分となるため、転写不良が発生してしまうことが懸念される。一方、空白部幅が増大した際に発生する転写不良を防止するべく転写電圧を大きくした場合、空白部幅が小さい画像を印刷した際にΔVが不要に大きくなってしまう。この場合、トナー帯電極性の反転による逆転写により、画像濃度低下などの問題が発生することが懸念される。
したがって、転写不良と逆転写の問題を同時に解決するには、空白部幅に応じて2次転写電流を補正し、ΔVが過大にも過小にもならないようにする必要がある。具体的には、空白部幅が増大した場合には、より大きな2次転写電流を供給する必要がある。
定電流制御を行っている場合について、図5(a)を用いてさらに考える。
先述したように、空白部の幅が大きくなるということは、図5(a)のように空白部の
抵抗が並列回路になることと等価である。即ち、空白部の幅がn倍になることは、空白部抵抗の並列回路がn個並ぶことと等価であり、空白部の抵抗は1/nとなる。したがって、一定の電流値で定電流制御を行った場合、位置Aの電位は1/nとなりΔVの値も1/nとなってしまうため、転写不良が発生してしまうことが懸念される。よって、空白部の幅がn倍の時にΔVを一定の値に保つには、位置Aの電位がn倍となるよう、空白部に流す電流値をn倍してやればよい。
そこで本実施例では、空白部幅の検知を行い、空白部幅の変化に応じて充分なΔVを得るべく逐次制御電流値を補正し、転写不良の発生を防止している。より具体的には、空白部幅が増大した場合に制御電流値を大きくするよう補正を行うことで、Aの部分の電位低下、即ちΔVの減少を抑え、転写不良の発生を防止している。
以下、本実施例の特徴について具体的に説明する。
まず、空白部に流れる電流について考える。空白部幅が基準であるy[mm](本実施例では10mm)に対してy[mm]に変化した場合、空白部に流れる電流は先述したとおり
(y/y)×(空白部幅y[mm]時の空白部電流)
とする必要がある。ここで、空白部幅y[mm]時の空白部電流は以下の手順で求められる。
まず、空白部幅が0[mm]時に画像を転写する際に必要な電流値Isolidを、予め測定する。この電流値には空白部に流れる電流値が含まれないので、トナーの移動のみに必要な電流値となる。
次に、基準となる用紙を用い、空白部幅が基準であるy[mm](本実施例では10mm)の時に転写性が最適となる制御電流値Iff(基準電流値)を予め設定する。なお、このIsolid及びIffは、雰囲気環境及びプリントモード毎に測定/設定され、記憶装置15に記憶されている。
高圧制御部14はプリントを行う際に、雰囲気環境検知手段16の情報に基づき、記憶装置15より雰囲気環境及びプリントモードに応じたIsolid及びIffの値を取得し、以下の式に基づいて空白部幅y[mm]時の空白部電流を求める。
空白部幅y[mm]時の空白部電流は、制御電流値Iffからトナー移動分を除いた電流値であるので、
ff−((L−y)/L)×Isolid
(L:用紙の幅方向の長さ)
となる。したがって、ΔVを一定にするべく、空白部幅y[mm]の時に空白部に流す電流は、
(Iff−((L−y)/L)×Isolid)×y/y
となる。
次に、トナー移動に必要な電流値について考える。
空白部幅が変化した場合、当然それにつれてトナー部分の幅も変化する。トナー部分の幅が1/mになった場合、移動するトナーの電荷量Qも1/mになるので、トナー移動に必要な電流値も1/mになる。したがって、空白部幅y[mm]の時にトナー移動に必要な電流は、用紙の幅方向において、トナー部分の幅が紙の幅Lである時の電流値、即ち空白部幅が0[mm]時の電流値Isolidに、トナー部分の幅と紙の幅Lの比を乗じたものとなる。すなわち、
((L−y)/L)×Isolid
となる。
以上から、空白部幅y[mm]の時の制御電流値Iは、空白部電流と、トナー(電荷)移動分の電流との和とし求められ、
Figure 0005679746
・・・(式1)
となる。
空白部幅y[mm]を求める方法は、参考例1と同様であるので、説明は省略する。
高圧制御部14はこのレーザ発光状態情報取得〜空白部幅y[mm]計算のプロセスを1ライン毎に行い、制御電流値Iを上記式1に基づいて計算し、図7に示すように制御電流値Iffを逐次補正している。
このように本実施例では、高圧制御部14は、トナー像が2次転写部で記録材に転写される場合であって、該トナー像が存在しない空白部の長さの総和が第1基準値(y[mm])よりも大きい場合に、2次転写電流(定電流制御値)を補正する。そして、高圧制御部14は、2次転写電流を補正する場合、第1基準値に対応して予め設定された制御電流値Iffと同極性で、かつ絶対値が制御電流値Iffの絶対値よりも大きくなるように2次転写電流を補正する。
以上に示したような構成をとることによって、空白部幅が変化した場合でも、トナー層Tにかかる電圧ΔVを適正にすることができるので、転写不良の発生を防止することができた。一方、空白部幅が小さい画像をプリントした場合も、トナー層Tにかかる電圧ΔVが不要に大きな値になることがないので、トナー帯電極性の反転による逆転写など、別の画像不良が発生してしまうこともない。
また、本実施例においても高湿環境以外の環境下では、用紙の抵抗が高いため、図3における矢印cの方向、即ちトナー層Tの位置からトナーが存在しない空白部に向かう方向に転写電流が流れ難い。等価回路を用いて考えると図5(b)のようになり、位置Aの電位は空白部の抵抗に左右され難くなる。
即ち、空白部幅が変化しても、ΔVは低下せず、転写不良は発生し難い。よってこの場合は、空白部幅によらず一定の制御電流値で制御することができる。なお、本実施例でも雰囲気環境検知手段16の出力に基づき、雰囲気環境の絶対水分量が16[g/m]以上であるときに高湿度環境下にあると判断して、補正を行っている。
実施例においても、実施例同様、2次転写高圧電源91が定電流制御される場合について説明する。本実施例における画像形成装置の構成及び動作は参考例1,2,実施例1と同様であり、同様の構成部分については同一の符号を付してその説明は省略する。ここで、本実施例における2次転写高圧電源91の構成も参考例1と同様であるが、本実施例では定電流制御が行われている。
参考例2で説明した通り、市場には様々な種類の記録材が販売されており、その特性も様々である。電気抵抗の特性もその一つであり、高湿環境下における用紙の電気抵抗は種類によって異なっているのが一般的である。
そこで本実施例においても、記録材の抵抗の変化によらず転写不良やトナー帯電極性の反転による逆転写などの画像不良を防止することを目的としている。
参考例2で説明した通り、トナーの移動(転写)を充分に行うには、トナー層Tにトナーが持つ電荷に応じた電圧ΔVがかかるようにする必要があり、このΔVの値は空白部分
の抵抗値とそこに流れる電流値とによって定まる。図3から分かる通り位置Aの電位は、用紙部分での電圧降下、即ち用紙の抵抗と用紙に流れる電流の積によって変化する。例えば用紙の抵抗が低下しているときに、実施例で求めた制御電流値で制御を行うと、Aの位置の電位が基準用紙に比べ低下し、ΔVの値が不十分となり転写不良が発生してしまうことが懸念される。逆に、用紙の抵抗が増大している場合、位置Aの電位が基準用紙に比べ上昇し、ΔVの値が過剰になるためトナー帯電極性の反転による逆転写など、別の画像不良が発生してしまうことが懸念される。
したがって、この問題を解決するには、用紙抵抗の変動に応じて制御電流値を補正する必要がある。そこで本実施例では、実施例で説明した空白部幅変化に応じた制御電流値Iffの補正に加え、用紙抵抗を検知し、その検知結果に応じた補正を行う。より具体的には、用紙の抵抗が低いと判断される場合、2次転写電流をより多くするよう補正を行うものである。
以下、本実施例の特徴について具体的に説明する。
用紙抵抗の検知方法は参考例2と同様であるので、説明は略す。参考例2と同様、用紙抵抗Rの値は記憶装置15に一時記憶され、基準用紙の抵抗Rは、雰囲気環境及びプリントモード毎に測定/設定され、記憶装置15に記憶されている。
高圧制御部14はプリントを行う際に、雰囲気環境検知手段16の情報に基づき、記憶装置15より雰囲気環境及びプリントモードに応じたIsolid、Iff、R及びRの値を取得し、実施例と同様の手順で空白部幅y[mm]時の空白部電流を求める。その後さらに用紙抵抗に基づいた補正を行い、空白部に流すべき電流を決定する。
空白部が幅y[mm]の時に流すべき電流は、実施例で求められた空白部電流、用紙抵抗に応じた係数gを乗じることで求められる。よって空白部に流れる電流値は、
g×(Iff−((L−y)/L)×Isolid)×y/y
とすればよい。
本発明者らの検討によれば、用紙抵抗に応じた係数fを以下に示した表3のように設定することで、用紙抵抗によらず充分なΔVが得られ、転写不良を防止できた。この係数fは、ITB5の抵抗など2次転写部の構成によって変化するものであり、機種固有の数値である。
このように、高圧制御部14は、用紙抵抗Rが第2基準値(抵抗R)よりも小さい場合に2次転写電流(定電流制御値)を補正する。このような補正を行う場合、高圧制御部14は、制御電流値Iffと同極性で、かつ絶対値が、用紙抵抗Rが第2基準値(抵抗R)以上の場合の2次転写電流の絶対値よりも大きくなるように2次転写電流を補正する。
Figure 0005679746
一方で、トナー移動分の電流は用紙抵抗の影響を受けないので、実施例と同じである。以上から、空白部幅y[mm]の時の制御電流値Iは、空白部電流と、トナー(電荷)移動分の電流との和とし求められ、
Figure 0005679746

・・・(式2)
とすればよい。
なお、この用紙抵抗Rの測定はプリント毎に行われ、測定結果はプリント終了まで保持される。次プリント時には、改めて用紙抵抗Rの測定を行い、用紙抵抗Rの値は更新され、記憶装置15に一時記憶される。
高圧制御部14は、このレーザ発光状態情報取得〜空白部幅y[mm]計算〜用紙の電気抵抗に基づく補正のプロセスを1ライン毎に行う。そして、高圧制御部14は、空白部が幅y[mm]の時の制御電流値Iを上記式2に基づいて計算し、図7に示すように制御電流値Iyを逐次補正している。
以上に示したような構成をとることによって、空白部幅y[mm]及び用紙抵抗が変化した場合でも、トナー層Tにかかる電圧ΔVを適正にすることができるので、転写不良の発生を防止することができた。一方、空白部幅が小さい画像をプリントした場合も、トナー層Tにかかる電圧ΔVが不要に大きな値になることがないので、トナー帯電極性の反転による逆転写など、別の画像不良が発生してしまうこともない。
また、本実施例においても高湿環境以外の環境下では用紙の抵抗が高いため、図3における矢印cの方向、即ちトナー層Tの位置からトナーが存在しない空白部に向かう方向に転写電流が流れ難い。等価回路を用いて考えると図5(b)のようになり、位置Aの電位は空白部の抵抗に左右され難くなる。
即ち、空白部幅が変化しても、ΔVは低下せず、転写不良は発生し難い。よって、この場合は、空白部幅によらず一定の制御電流値で制御することができる。なお、本実施例でも雰囲気環境検知手段16の出力に基づき、雰囲気環境の絶対水分量が16[g/m]以上であるときに高湿度環境下にあると判断して、補正を行っている。
実施例においても、2次転写高圧電源91が定電流制御される場合について説明する。本実施例における画像形成装置の構成及び動作は参考例1,3,実施例1と同様であり、同様の構成部分については同一の符号を付してその説明は省略する。ここで、本実施例における2次転写高圧電源91の構成も参考例1と同様であるが、本実施例では定電流制御が行われている。
参考例3同様、最適な2次転写電流値は、転写されるトナーの載り量や帯電状態によって異なる。そこで本実施例においても、耐久劣化等によってトナーの状態(帯電量など)が変化した場合でも、最適な2次転写電流値を設定して良好な転写を行うことを目的としている。
参考例1で説明したように、トナーの転写(移動)はコンデンサの充電と等価と考えることができるので、移動するトナーの電荷量Qと必要なΔVには、
Q=C(トナー層の静電容量)×ΔV
の関係が成り立っている。そのため、たとえばトナー帯電量もしくは載り量が上昇しトナーの電荷量Qがz倍になった場合、必要なΔVもz倍となる。よって、図3から分かるように、空白部分に流す電流値もz倍にする必要がある。また同時に、移動するトナーの電荷量が増加するため、トナー移動分の電流値もz倍となる。
そこで本実施例では参考例3同様、トナー帯電量及び載り量の変化を検知し、その検知結果に応じた補正を行う。より具体的には、トナー帯電量及び載り量が上昇していると判断される場合、2次転写電流をより多くするよう補正を行うものである。
以下、本実施例の特徴について具体的に説明する。
本実施例におけるトナー状態変化パラメータの加重平均Nの求め方は参考例3と同様であるので、説明は省略する。
高圧制御部14はプリントを行う際に、雰囲気環境検知手段16の情報に基づき、記憶装置15より雰囲気環境及びプリントモードに応じたIsolid、Iff、R及びRの値を取得し、実施例と同様の手順で空白部幅y[mm]時の空白部電流を計算する。その後、高圧制御部14は2次転写電流の制御電流値I参考例3と同様の手順で求められたトナー状態変化パラメータの加重平均Nを用いて補正される。
まず、トナー移動分の電流値について考える。先に説明した通り、トナーの帯電量と載り量の積がN倍となっているので、トナー移動分の電流値もN倍となる。よってトナー移動分の電流値は、
N×((L−y)/L)×Isolid
となる。
次に、空白部に流れる電流値について考える。トナーの帯電量と載り量の積がN倍となっているので、先に説明した通り、トナーの転写に必要なΔVの値もN倍となっている。ΔVの値をN倍にするには、空白部に流す電流値をN倍にする補正を行えばよい。よって空白部に流すべき電流値は、
N×g×(Iff−((L−y)/L)×Isolid
となる。
したがって、2次転写電流の制御電流値Iはトナー移動分の電流値と空白部に流すべき電流値の和となるので、
Figure 0005679746

・・・(式3)
となる。
このような構成をとることで、より多く存在するトナーの状態を反映した2次転写電流の制御電流値の補正を行うことができる。
高圧制御部14は、このレーザ発光状態情報取得〜空白部幅y[mm]計算〜用紙の電気抵抗及びトナー状態変化に基づく補正のプロセスを1ライン毎に行う。高圧制御部14は、空白部が幅y[mm]の時に印加される空白部が幅y[mm]の時の制御電流値Iを上記式3に基づいて計算し、図7に示すように制御電流値Iffを逐次補正している。
このように、高圧制御部14は、現像電流q1yが第3基準値(現像電流q0y)よりも大きい場合に2次転写電流を補正する。このような補正を行う場合、高圧制御部14は、制御電流値Iffと同極性で、かつ絶対値が、現像電流q1yが第3基準値(現像電流q0y)以下の場合の2次転写電流の絶対値よりも大きくなるように2次転写電流を補正する。
以上示したような構成をとることによって、空白部幅y[mm]、用紙抵抗及びトナーの状態(帯電量、載り量等)が変化した場合でも、トナー層Tにかかる電圧ΔVをトナー
の転写に必要な値に維持することができるので、転写不良の発生を防止することができる。一方、空白部幅が小さい画像をプリントした場合も、トナー層Tにかかる電圧ΔVが不要に大きな値になることがないので、トナー帯電極性の反転による逆転写など、別の画像不良が発生してしまうこともない。
ここで、上述した参考例1〜3、実施例1〜3においては、ITB5と2次転写ローラ9との間の2次転写部で、記録材Pにトナー像が転写される場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、他の形態における転写部で、記録材Pにトナー像が転写される場合においても好適に適用できる。他の形態としては、直接転写方式において、像担持体としての感光体と、転写部材としてのETBとの間のニップ部で、記録材Pにトナー像が転写される形態が挙げられる。また、感光体と、転写部材としての転写ローラとの間のニップ部で、記録材Pにトナー像が転写される形態が挙げられる。
5 中間転写ベルト(ITB) ; 9 2次転写ローラ ; 91 2次転写高圧電源 ; 14 高圧制御部(CPU) ; 17 コントローラ ; P 記録材

Claims (7)

  1. トナー像を担持する像担持体と、
    前記像担持体との間でニップ部を形成する転写部材であって、前記像担持体が担持するトナー像を、前記ニップ部で挟持搬送される記録材に転写する転写部材と、
    前記転写部材に電圧を供給する電圧供給手段と、
    を有し、
    前記電圧供給手段は、前記像担持体からトナー像を記録材に転写する際に前記転写部材に印加する電流を定電流制御する画像形成装置であって、
    前記電圧供給手段は、
    記録材の電気的な抵抗が所定の抵抗より低い場合、記録材の搬送方向と直交する方向に関する空白部の総和が第1の総和の時に設定する第1の目標電流値を、前記空白部の総和が前記第1の総和よりも大きい第2の総和の時に設定する第2の目標電流値よりも小さく設定する前記制御を行い
    記録材の電気的な抵抗が所定の抵抗より高い場合、前記空白部の総和に関わらず設定された一定の目標電流値が前記転写部材に流れるように前記制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
  2. 記録材の電気的な抵抗を測定する測定手段を備え、
    前記電圧供給手段は、前記測定手段の測定結果に基づいて記録材の電気的な抵抗が前記所定の抵抗より低いと判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 画像形成装置が設置された環境の湿度を検出する湿度検出手段を備え、
    前記電圧供給手段は、前記湿度検知手段が高湿環境を検出した場合に、記録材の電気的な抵抗が前記所定の抵抗より低いと判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記空白部の総和は、前記直交方向に関して、前記像担持体からトナー像が転写されない記録材の領域の総和であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 複数の感光体と、前記複数の感光体に露光する露光手段と、を有し、前記像担持体は前記複数の感光体からトナー像が一次転写される中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記電圧供給手段は、前記露光手段が各感光体に対して発光した領域に関する情報から前記空白部の総和を判断することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記電圧供給手段は、記録材の電気的な抵抗が前記所定の抵抗より高い場合、前記空白部の総和が第1の総和の時に設定する第1の目標電流値を、前記空白部の総和が前記第1の総和よりも大きい第2の総和の時に設定する第2の目標電流値と同じ値にすることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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