JP5678623B2 - 減速機、これを備える電動パワーステアリング装置、ならびに減速機の製造方法 - Google Patents
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Description
減速機のハウジング110には、電動モータ100の出力軸101に連結されるウォーム軸120と、このウォーム軸120を回転可能に支持する転がり軸受130とが収容されている。ハウジング110の開口部111には、ウォーム軸120とウォームホイール140とが設けられている。ウォーム軸120とウォームホイール140とは互いに噛み合わせられている。
予め設定された規定量に達するまで予圧付与部材150をねじ込んだ後、ウォーム軸120を回転させてその回転トルクを測定する。そして、測定した回転トルクが所定範囲内のとき、転がり軸受130の予圧の調整が完了した旨判定して調整作業を終了する。一方、測定した回転トルクが所定範囲外のとき、転がり軸受130の予圧の調整が完了していない旨判定し、再び予圧付与部材150を所定量ねじ込んだ後、回転トルクを測定する。そして、測定した回転トルクが所定範囲内のとき、調整作業を終了する。一方、回転トルクが所定範囲外のとき、回転トルクが所定範囲内になるまで予圧付与部材150のねじ込み作業およびウォーム軸120の回転トルクの測定を繰り返し行う。
(2)前記減速機の一例によれば、前記予圧付与部材は、前記転がり軸受における前記駆動機構側の部分に隣接して配置され、前記爪部は、前記本体部から径方向内方かつ前記転がり軸受の側面に向けて延びている。
(3)前記減速機の一例によれば、前記爪部は、前記本体部から径方向内方に延びる腕部と、前記腕部から前記転がり軸受まで延びる接触部とを有する。
(4)前記減速機の一例によれば、前記腕部は、前記本体部から径方向内方かつ前記転がり軸受に向けて延び、前記接触部は、前記転がり軸受の側面と接触し、前記腕部から前記本体部側に曲がる。
(5)前記減速機の一例によれば、前記ハウジングは、前記転がり軸受を保持する内周面と、前記内周面よりも前記駆動機構側に形成され、前記内周面と隣接し、径方向外方に窪んだ取付部とを有し、前記本体部は、前記取付部の窪みに取り付けられ、前記爪部は、弾性変形することにより前記取付部の窪みに入り込むことが可能である。
(6)電動パワーステアリング装置の一例は、ステアリングシャフトと、前記駆動機構である電動モータと、前記減速機であって前記ステアリングシャフトにトルクを伝達する減速機とを備える。
(7)前記減速機の製造方法の一例は、前記予圧付与部材の本体部を前記ハウジングに取り付ける工程と、前記工程の後に行われる工程であって、前記予圧付与部材の爪部に前記転がり軸受を接触させて前記爪部を弾性変形させながら前記転がり軸受を前記ハウジングに取り付ける工程とを備える。
図1に示されるように、電動パワーステアリング装置1には、ステアリング2の回転を転舵輪3に伝達する操舵角伝達機構10が設けられている。操舵角伝達機構10には、ステアリング2の操作を補助するための力(以下、「アシスト力」)を付与するアクチュエータ20が連結されている。
運転者がステアリング2を回転させたとき、ステアリング2の回転にともないステアリングシャフト11が回転する。このとき、電動モータ21が駆動するとともに減速機22を介してステアリングシャフト11にアシスト力が付与される。ステアリングシャフト11の回転は、ラックアンドピニオン機構12により転舵シャフト13の往復直線運動に変換される。そして転舵シャフト13の往復直線運動により転舵輪3の舵角が変更される。
アクチュエータ20のハウジング23には、電動モータ21が取り付けられている。また、ハウジング23には減速機22が収容されている。減速機22には、ウォーム軸31と、このウォーム軸31と噛み合うウォームホイール32とが設けられている。ウォーム軸31は、電動モータ21の出力軸21Aに円筒形状の軸継手21Bを介して連結されている。ウォームホイール32は、ステアリングシャフト11と一体に回転する。
D4≦(T1−T2)/(T3/(T3+T4))
ここで、上記計算式の右辺は、歯車形成部41Aから切り上げ部41Bのうちの先端方向の切り上げ部41Bまでの軸方向の長さである。すなわち、ウォーム軸31がウォームホイール32に対して軸方向に移動することにより回転可能状態から回転不能状態に移行するまでに必要なるウォーム軸31の移動量である噛合距離である。
図3(a)に示されるように、予圧付与部材35には、平面視において円環形状の本体部61が設けられている。本体部61には、本体部61の端部61Aと端部61Bとを離間する空間である切欠部61Cが設けられている。
接続部分65から腕部63の先端方向の端部までの腕部63の長さを第1長さL1とし、腕部63の先端方向の端部から接触部64の先端方向の端部までの接触部64の長さを第2長さL2としたとき、第1長さL1は、第2長さL2よりも長い(L1>L2)。
図4(a)に示されるように、取付部54は、軸方向に対向する一対の側面55A,55Bと、軸方向において側面55Aと側面55Bとの間に形成された取付底面56と、側面55A,55Bおよび取付底面56とをそれぞれ接続する曲面57とにより構成されている。側面55Aと側面55Bとの軸方向の距離D1は、本体部61の軸方向の距離D2よりも大きい(D1>D2)。取付底面56の軸方向の距離D3は、距離D2よりも小さい(D3<D2)。
まず、本体部61の両端部61A,61Bを互いに接触させることにより、本体部61の径方向に小さくなるように弾性変形させた状態で予圧付与部材35をハウジング23のウォーム軸収容部51に挿入する。
図5(a)に示されるように、予圧付与部材35を取り付けたハウジング23のウォーム軸収容部51に各玉軸受33,34が取り付けられたウォーム軸31(以下、図5の説明では、単にウォーム軸31とする)を挿入する。この挿入過程において、第1玉軸受33の外輪33Bが予圧付与部材35の腕部63に接触する。このため、腕部63が外輪33Bに押されることにより、腕部63は接続部分65を支点として径方向の内方から外方に向けて弾性変形する。これにともない、接触部64が径方向の内方から外方に向けて移動する。
(1)減速機22においては、爪部62が弾性変形した状態で第1玉軸受33に接触している。これにより、爪部62が弾性変形前の状態に復元しようとする力により各玉軸受33,34に予圧が付与されるため、すなわち第1玉軸受33と爪部62とが接触するように減速機22を組み立てることにより、必要とされる予圧が各玉軸受33,34に付与されるため、減速機22の組み立て後に予圧の大きさを確認する作業を省略することができる。したがって、減速機22の組み立て後にウォーム軸31の回転トルクを測定して予圧の大きさを確認する方法と比較して、各玉軸受33,34の予圧の調整にかかる時間を短くすることができる。
本発明の実施態様は、上記実施形態の内容に限定されるものではなく、例えば以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
・上記実施形態において、予圧付与部材35の爪部62から接触部64を省略することもできる。この場合、腕部63の先端方向の端部が第1玉軸受33の外輪33Bに接触することにより、各玉軸受33,34に予圧が付与される。
・上記実施形態において、第2玉軸受34に代えて、第2取付部43を外囲する円筒形状のすべり軸受を用いることもできる。また、第2玉軸受34に代えて、第2取付部43の先端方向の端面に対向するウォーム軸収容部51の面により回転可能に支持するピボット軸受を用いることもできる。
・上記実施形態では、電動パワーステアリング装置1の減速機22に対して本発明を適用したが、電動パワーステアリング装置1の減速機22以外の減速機、例えばパワーウィンドウ駆動用のギヤユニットの減速機に本発明を適用することもできる。また、ウォーム軸31およびウォームホイール32を用いた減速機に限られず、平歯車やはすば歯車等の他の歯車を用いた減速機に本発明を適用することもできる。
Claims (7)
- 駆動機構の出力軸に連結されるウォーム軸と、
前記ウォーム軸に噛み合うウォームホイールと、
前記ウォーム軸および前記ウォームホイールを収容するハウジングと、
前記ハウジングに対して前記ウォーム軸を回転可能に支持する転がり軸受と、
軸方向に作用する予圧を前記転がり軸受を介して前記ウォーム軸に付与する予圧付与部材と
を備える減速機において、
前記予圧付与部材は、
前記転がり軸受よりも径方向外方に配置され、前記ハウジングに取り付けられる本体部と、
前記本体部から前記転がり軸受まで延び、前記転がり軸受よりも径方向外方に移動するように弾性変形が可能であり、前記転がり軸受と接触して弾性変形することにより前記転がり軸受に前記予圧を付与する爪部と
を有する
ことを特徴とする減速機。 - 請求項1に記載の減速機において、
前記予圧付与部材は、前記転がり軸受における前記駆動機構側の部分に隣接して配置され、
前記爪部は、前記本体部から径方向内方かつ前記転がり軸受の側面に向けて延びている
ことを特徴とする減速機。 - 請求項1または2に記載の減速機において、
前記爪部は、前記本体部から径方向内方に延びる腕部と、前記腕部から前記転がり軸受まで延びる接触部とを有する
ことを特徴とする減速機。 - 請求項3に記載の減速機において、
前記腕部は、前記本体部から径方向内方かつ前記転がり軸受に向けて延び、
前記接触部は、前記転がり軸受の側面と接触し、前記腕部から前記本体部側に曲がる
ことを特徴とする減速機。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の減速機において、
前記ハウジングは、前記転がり軸受を保持する内周面と、前記内周面よりも前記駆動機構側に形成され、前記内周面と隣接し、径方向外方に窪んだ取付部とを有し、
前記本体部は、前記取付部の窪みに取り付けられ、
前記爪部は、弾性変形することにより前記取付部の窪みに入り込むことが可能である
ことを特徴とする減速機。 - ステアリングシャフトと、
前記駆動機構である電動モータと、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の減速機であって、前記ステアリングシャフトにトルクを伝達する減速機と
を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の減速機の製造方法において、
前記予圧付与部材の本体部を前記ハウジングに取り付ける工程と、
前記工程の後に行われる工程であって、前記予圧付与部材の爪部に前記転がり軸受を接触させて前記爪部を弾性変形させながら前記転がり軸受を前記ハウジングに取り付ける工程と
を備える減速機の製造方法。
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