JP6350671B2 - ウォーム減速機およびウォーム減速機の組立方法 - Google Patents
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Description
前記ハウジングは、ホイール収容部と、前記ホイール収容部に対し捩れの位置に存在して前記ホイール収容部にその一部を連続させたウォーム収容部とを有する。
前記ウォームホイールは、前記ホイール収容部内に回転可能に支持されている。
前記ウォームは、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けられ、前記ウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、前記ウォーム歯を挟んだ軸方向の2位置を1対の軸受により前記ウォーム収容部内に回転可能に支持されている。
そして、前記1対の軸受のうち前記ウォームの挿入方向前側に外嵌された軸受を、前記ウォームホイールの外周縁(歯先円)の前記ウォーム収容部内に最も突出した部分の外径側を通過させる。その後、前記ウォームを、前記ウォームホイールの径方向内方に変位させ、前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとを噛合させ、前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとを噛合させながら、前記ウォーム収容部内の所定位置までこのウォームを更に挿入する事により、前記ウォームを前記1対の軸受により前記ウォーム収容部に対し回転可能に支持する。
上述の組み立て方法において、前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとの間にバックラッシュを設けなくてもよい。この場合、より具体的には、前記ウォーム歯をこのウォームホイールに向け弾性的に押圧する為の予圧付与機構を設けなくてもよい。
また、前記ウォーム収容部の奥端部に設けた前記一方の軸受保持部は、前記ウォーム収容部の内周面よりも小径の内周面を有し、前記ウォーム収容部は、その内周面から前記軸受保持部に向かって縮径するガイド部を有し、前記ウォームの挿入方向前側に外嵌された軸受を、前記ガイド部に当接させながら前記ウォームを、前記ウォームホイールの径方向内方に変位させ、前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとを噛合させるようにしてもよい。
この場合、前記一方の転がり軸受の外径は、前記歯先円直径よりも小さくしてもよい。
また、前記一方の転がり軸受の外径は、前記ウォーム歯の歯底円直径よりも大きくしてもよい。
また、前記ウォーム収容部の内周面上部に径方向外方に凹んだ逃げ凹部を形成してもよく、前記逃げ凹部は第1の半径を有する円弧形状を有し、前記第1の半径は、前記ウォームの外半径である第2の半径以上であってもよい。
又、前記ウォームを、ウォーム歯とウォームホイールとが干渉しない様に、このウォームホイールの径方向外方にオフセットさせた状態で前記ウォーム収容部内に挿入し、前記両軸受のうち前記ウォームの挿入方向前側に存在する軸受を、前記ウォームホイールのうち前記ウォーム収容部内に最も突出した部分の外径側を通過させた後、前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとを噛合させる。この為、前記ウォームの前記ウォーム収容部内への組み付け時に、これらウォーム歯とウォームホイールとを噛合させた状態での前記ウォームの軸方向変位量を、このウォームをオフセットせず、組み付け作業の開始当初から前記ウォーム歯とウォームホイールとを噛合させた場合(ウォームをオフセットさせるスペースが存在しない様な場合)と比較して、少なく抑えられる。この結果、例えば前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとの間にバックラッシュを設けない場合にも、これらウォーム歯やウォームホイールに傷等の損傷を生じ難くできる。
又、上述のウォーム減速機は、上述の様な組立方法により組み立てられる為、製造コストを低減する事ができる。
即ち、本実施形態のウォーム減速機21aは、電動モータ10aに固定した、減速機用のハウジング11aの内側に設けられており、ウォーム軸12の軸方向中間部にウォーム歯13を形成したウォーム14aと、ウォーム歯13と噛合するウォームホイール15とを備える。ハウジング11aは、ウォームホイール15を収容するホイール収容部19と、ホイール収容部19に一部が連続(開口)した状態で設けられたウォーム収容部17aとを備える。ホイール収容部19の中心軸とウォーム収容部17aの中心軸とは、互いに捩れの位置関係にある。ウォーム14aは、先端部(図1,2,4〜6の右端部)と基端寄り部分(図1,2,4〜6の左端寄り部分)とを、深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受16c、16dにより、ハウジング11aのウォーム収容部17aの内側に回転可能に支持している。即ち、1対の転がり軸受16c、16dのうちの先端側(前記ウォーム減速機21aを組み立てる際のウォーム収容部17aに対するウォーム14aの挿入方向前側で、図1、2、4〜6の右側)の転がり軸受16cを構成する内輪を、ウォーム14aの先端部に外嵌固定(締り嵌めで外嵌)すると共に、先端側の転がり軸受16cを構成する外輪を、ウォーム収容部17aの奥端部(図1、2、4〜6の右端部)に設けた奥側の軸受保持部22cに隙間嵌めで内嵌している。但し、先端側の転がり軸受16cを構成する外輪を、この奥側の軸受保持部22cに締り嵌めで内嵌しても良い。又、1対の転がり軸受16c、16dのうちの基端側(前記ウォーム減速機21aを組み立てる際のウォーム収容部17aに対するウォーム14aの挿入方向後側で、図1、2、4〜6の左側)の転がり軸受16dを構成する内輪を、ウォーム14aの基端寄り部分に外嵌固定すると共に、この基端側の転がり軸受16dを構成する外輪を、ウォーム収容部17aの開口部に設けた開口側の軸受保持部22dに隙間嵌めで内嵌している。そして、この開口側の軸受保持部22dのうちで基端側の転がり軸受を内嵌した部分と軸方向に隣接する部分に係止した止め輪(スナップリング)等により、基端側の転がり軸受16dを構成する外輪が開口側の軸受保持部22dから抜け出るのを防止している。但し、この基端側の転がり軸受16dを構成する外輪を、開口側の軸受保持部22dに締り嵌めで内嵌しても良い。ウォーム収容部17aの内周面のうちの上部(このウォーム収容部17aの径方向に関して、前記ウォームホイール15側と反対側に位置する部分)には、径方向外方(図1〜6の上方)に凹んだ逃げ凹部28が設けられている。又、ウォーム14aの基端部を電動モータ10aの出力軸18(図15参照)に接続して、ウォーム14aを回転駆動可能にしている。
このような関係を有することで、ウォーム14aをウォーム収容部17aと干渉しないように適切に逃げ凹部28に逃がしつつ、ウォーム14aを軸方向に変位させることができる。
このため、ウォーム収容部の奥端部に設けた一方の軸受保持部22cは、ウォーム収容部17aの内周面よりも小径の内周面を有し、ウォーム収容部17aの内周面よりもホイール収容部19側に形成されている。また、ウォーム収容部の開口側に設けた一方の軸受保持部22dは、ウォーム収容部17aの内周面よりも大径の内周面を有し、一方の軸受保持部22cと同心に形成される。
なお、軸受保持部22cは、常時塞がった有底円筒状に限らず、底部22c1を蓋など別部材で構成することで、有底円筒状としてもよく、メンテナンスの際などに、底部22c1を開口させてもよい。
又、本実施形態の場合、ウォーム14aを、ウォーム収容部17aの中心軸に対して、ウォームホイール15の径方向外方にオフセットさせた状態でウォーム収容部17a内に挿入し、ウォーム14aの先端部に外嵌した先端側の転がり軸受16cと、ウォームホイール15のうちウォーム収容部17a内に最も突出した部分の外径側とを干渉しない様に通過させた後、ウォーム歯13とウォームホイール15の歯部20とを噛合させる様にしている。この為、ウォーム14aのウォーム収容部17a内への組み付け時に、ウォーム歯13と歯部20とを噛合させた状態でのウォーム14aの軸方向変位量を、ウォームをオフセットせず、組み付け作業の開始当初からウォーム歯とウォームホイールの歯部とを噛合させた場合(ウォームをオフセットするスペースが存在しない様な場合)と比較して、少なく抑えられる。従って、本実施形態のウォーム減速機21aの様に、ウォーム歯13と歯部20との間にバックラッシュを設けていない場合にも、ウォーム減速機21aの組立時に、ウォーム歯13や歯部20に傷等の損傷を生じ難くできる。特にウォーム減速機21aは、ウォームホイール15の歯部20を合成樹脂により構成している為、組立時の損傷防止効果を顕著に得る事ができる。
図7〜10は、本発明の第2実施形態を示している。第1実施形態では、ウォーム14aに固定された1対の転がり軸受16c、16d間の長さが、ウォーム収容部17bの段差部26から他方の軸受保持部22dの開口端までの長さより長いが、本実施形態では、ウォーム14bに固定された1対の転がり軸受16c、16d間の長さが、ウォーム収容部17bの段差部26から他方の軸受保持部22dの開口端までの長さより短い場合を示している。
その他の部分の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
例えば、本発明の実施の形態に係るウォーム減速機の組立方法により、ウォームをウォーム収容部に組み付けた状態で、ウォームをウォームホイールに対して押圧する為に、図11に示す予圧機構を追加することもできる。図11において、転がり軸受16cの外周部の上部には、板ばね収容部42がハウジング11aに形成されている。転がり軸受16cの外周部の下半部に相当するハウジング11aの部分には、転がり軸受16cの水平方向の外径部を摺動可能に案内する、互いに平行な平面部43を設けている。板ばね収容部に波形形状の板ばね41を収容し、この板ばね41によって転がり軸受16cを図11において、下方へ移動させる付勢力を発生させている。この付勢力によって軸端の一端を転がり軸受16cの内輪に挿入されたウォーム14aがウォームホイール15に対して付勢される。
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a ステアリングシャフト
6 ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10、10a 電動モータ
11、11a ハウジング
12 ウォーム軸
13、13a ウォーム歯
14、14a、14b ウォーム
15 ウォームホイール
16a〜16c 転がり軸受
17、17a、17b ウォーム収容部
18 出力軸
19 ホイール収容部
20 歯部
21、21a ウォーム減速機
22a〜22d 軸受保持部
23 係止溝
24 止め輪
25 モータケース
26 段差部
27 段差部
28 逃げ凹部
29 ホイール部
30 スプライン軸部
31 ガイド部
41 板ばね
42 板ばね収容部
43 平面部
Claims (9)
- ホイール収容部と、前記ホイール収容部に対し捩れの位置に存在して前記ホイール収容部にその一部を連続させたウォーム収容部とを有するハウジングと、
前記ホイール収容部内に回転可能に支持されたウォームホイールと、
ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けられ、前記ウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、前記ウォーム歯を挟んだ軸方向の2位置をそれぞれ1対の軸受により前記ウォーム収容部内に回転可能に支持されたウォームと
を備えるウォーム減速機の組立方法であって、
前記ウォームホイールを前記ホイール収容部内に回転可能に支持させ、
前記ウォームの前記ウォーム歯を挟んだ軸方向の前記2位置に前記1対の軸受を外嵌し、
その後、前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとが干渉しない様に、前記ウォームを前記ウォームホイールの径方向外方にオフセットさせた状態で、前記ウォーム収容部内に前記ウォーム収容部の開口側から挿入し、
前記1対の軸受のうち前記ウォームの挿入方向前側に外嵌された軸受を、前記ウォームホイールの外周縁の前記ウォーム収容部内に最も突出した部分の外径側を通過させ、
前記ウォームを、前記ウォームホイールの径方向内方に変位させ、
前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとを噛合させ、
前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとを噛合させながら、前記ウォーム収容部内の所定位置まで前記ウォームを更に挿入する事により、前記ウォームを前記1対の軸受により前記ウォーム収容部に対し回転可能に支持する、ウォーム減速機の組立方法。 - 前記1対の軸受がいずれも外輪と内輪との間に複数の転動体を設けて成る転がり軸受であり、前記ウォームの軸方向に関して、前記ウォーム収容部の内周面の2位置に前記1対の転がり軸受の外輪をそれぞれ保持する為の1対の軸受保持部を設けており、
前記1対の転がり軸受のうちの一方の転がり軸受の外輪を、前記1対の軸受保持部のうちの一方の軸受保持部に内嵌し始めた後で、前記1対の転がり軸受のうちの他方の転がり軸受の外輪を、前記1対の軸受保持部のうちの他方の軸受保持部に内嵌し始める、請求項1に記載のウォーム減速機の組立方法。 - 前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとの間にバックラッシュを設けない、請求項1または2に記載のウォーム減速機の組立方法。
- 前記ウォーム収容部の奥端部に設けた前記一方の軸受保持部は、前記ウォーム収容部の内周面よりも小径の内周面を有し、
前記ウォーム収容部は、その内周面から前記軸受保持部に向かって縮径するガイド部を有し、
前記ウォームの挿入方向前側に外嵌された軸受を、前記ガイド部に当接させながら前記ウォームを、前記ウォームホイールの径方向内方に変位させ、前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとを噛合させる、請求項2又は3に記載のウォーム減速機の組立方法。 - ホイール収容部と、前記ホイール収容部に対し捩れの位置に存在してこのホイール収容部にその一部を連続させたウォーム収容部とを有するハウジングと、
前記ホイール収容部内に回転可能に支持されたウォームホイールと、
ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けられ、前記ウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、前記ウォーム歯を挟んだ軸方向の2位置を1対の軸受により前記ウォーム収容部の内周面の2位置に回転可能に支持されたウォームと
を備えるウォーム減速機に於いて、
前記1対の軸受がいずれも外輪と内輪との間に複数の転動体を設けて成る転がり軸受であり、
前記ウォームを、前記1対の転がり軸受により、前記ウォーム収容部の内周面の前記2位置に設けた1対の軸受保持部に回転可能に支持しており、
前記1対の軸受保持部のうち前記ウォーム収容部の奥端部に設けた一方の軸受保持部が有底円筒状であり、
前記1対の転がり軸受のうち前記ウォームの先端部にその内輪を外嵌固定した一方の転がり軸受の外輪を、前記一方の軸受保持部に直接内嵌固定しており、
前記一方の転がり軸受の外輪の外径が、前記ウォームの径方向に関する、前記ウォームホイールの外周縁のうち前記ウォーム収容部内に最も突出した部分と、前記ウォーム収容部の内面との間の距離よりも小さく、
前記ウォーム収容部の奥端部に設けた前記一方の軸受保持部は、前記ウォーム収容部の内周面よりも小径の内周面を有し、
前記ウォーム収容部は、その内周面から前記軸受保持部に向かって縮径するガイド部を有する、ウォーム減速機。 - 前記ウォームの挿入方向前側に外嵌された軸受の外径は、前記ウォーム歯の歯先円直径よりも小さい、請求項5に記載のウォーム減速機。
- 前記ウォームの挿入方向前側に外嵌された軸受の外径は、前記ウォーム歯の歯底円直径よりも大きい、請求項5または6に記載のウォーム減速機。
- 前記ウォーム収容部の内周面上部に径方向外方に凹んだ逃げ凹部を形成しており、
前記逃げ凹部は第1の半径を有する円弧形状を有し、前記第1の半径は、前記ウォームの外半径以上である、請求項5〜7のうち何れか1項に記載のウォーム減速機。 - 前記ウォーム収容部の開口側の前記他方の軸受保持部の内径をd22dとし、前記ウォームの挿入方向前側の転がり軸受の外輪の外径をD16cとし、前記ウォームホイールの外径をD15とし、前記ウォームホイールの中心軸と前記ウォーム収容部の中心軸との間の距離をLとした場合、次の(1)式の関係を満たす、請求項5〜8のうち何れか1項に記載のウォーム減速機。
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