JP5677733B2 - 蒸着膜積層体の製造方法 - Google Patents
蒸着膜積層体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5677733B2 JP5677733B2 JP2009180880A JP2009180880A JP5677733B2 JP 5677733 B2 JP5677733 B2 JP 5677733B2 JP 2009180880 A JP2009180880 A JP 2009180880A JP 2009180880 A JP2009180880 A JP 2009180880A JP 5677733 B2 JP5677733 B2 JP 5677733B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyolefin resin
- resin
- film
- deposited film
- vapor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)基材の上に、ポリオレフィン樹脂を含む樹脂層、蒸着膜がこの順に積層された積層体の製造方法であって、ポリオレフィン樹脂を塩基性化合物とともに水性媒体に分散したポリオレフィン樹脂水性分散体を基材上に塗布、乾燥することによってポリオレフィン樹脂を含む樹脂層を形成し、次いで蒸着膜を形成することを特徴とする蒸着膜積層体の製造方法。
本発明の蒸着膜積層体は、基材の上に、ポリオレフィン樹脂を含む樹脂層、蒸着膜がこの順に積層された積層体である。つまり、様々な素材からなる基材と蒸着膜層との密着性を向上させるために、ポリオレフィン樹脂を含む樹脂層を基材と蒸着膜との間に設ける必要がある。
主成分であるオレフィン成分(A)は、モノマー単位として炭素数2〜4のアルケン成分からなる必要がある。炭素数2〜4のアルケンとしては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等などが挙げられ、これらのモノマーは2種以上を用いてもよい。特に、基材および蒸着膜に対する良好な密着性、耐屈曲性の観点から、エチレン、プロピレンが好ましい。炭素数が4を超えると、生産性に乏しく高価になり、基材および蒸着膜との密着性が低下する場合がある。
なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜」または「メタクリル酸〜」を意味する。
本発明においては、環境への影響を考慮し、液状媒体としては水を用いた水性媒体(水または、水と水溶性の有機溶媒との混合液をいう)を用いることが好ましい。水溶性の有機溶媒としては、イソプロパノール(IPA)やノルマルプロパノール等が挙げられる。
このような成分としては、例えば、1−ペンテン、4−メチルー1−ペンテン、3−メチルー1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのアルケン類やジエン類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどのマレイン酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル類、ビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、置換スチレン、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビニリデン類、一酸化炭素、二酸化硫黄など、およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明の蒸着膜積層体の基材の素材は特に限定されないが、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートポリエチレンサクシネート、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂などの樹脂、またはこれらの樹脂の混合物や積層体などが挙げられる。
本発明における蒸着膜は、アルミニウムなどの金属層、酸化ケイ素や酸化アルミニウムなどの金属酸化物、窒化ケイ素や窒化アルミニウムなどの金属窒化物からなる無機物層、ダイヤモンドライクカーボン層、フッ素などの各種元素をドーピングしたダイヤモンドライクカーボン層、金属めっき層などが挙げられる。
本発明の製造方法は、基材の上に、ポリオレフィン樹脂を含む樹脂層、蒸着膜がこの順に積層された本発明の蒸着膜積層体の製造方法であるが、ポリオレフィン樹脂を塩基性化合物とともに水性媒体に分散したポリオレフィン樹脂水性分散体を基材上に塗布、乾燥することによってポリオレフィン樹脂を含む樹脂層を形成し、次いで蒸着膜を形成する製造方法である。
ここで、「乳化剤あるいは保護コロイド作用を有する化合物を実質的に含有しない」とは、水性分散体の製造において、水性化促進や水性分散体の安定化の目的で積極的にこれらの不揮発性の薬剤や化合物を系に添加せずに、結果的にこれらを含有しないことを意味し、添加量がゼロであることが特に好ましいが、本発明の効果を損ねない範囲で樹脂成分に対して0.1質量%未満添加しても差し支えない。
保護コロイドを有する化合物としては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの数平均分子量が通常は5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の不飽和カルボン酸含有量が10質量%以上のカルボキシル基含有ポリマーおよびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物が挙げられる。
塩基性化合物の中でも被膜形成時に揮発する化合物が被膜の耐水性の面から好ましく、沸点が30〜250℃の有機アミン化合物、より好ましくは30〜200℃の有機アミン化合物が好ましい。沸点が30℃未満の場合は、ポリオレフィン樹脂を水性分散体とする際に揮発する割合が多くなり、水性化が完全に進行しない場合がある。沸点が250℃を超えると塗布後に乾燥によって有機アミン化合物を揮発させることが困難になり、衛生的に好ましくない場合がある。
なお、水性分散体中に含有される有機溶媒は、ポリオレフィン樹脂の水性分散体を塗布した後、必要に応じて、脱溶剤処理によってその一部または全てを除去しても構わない。脱溶剤処理は、加熱や減圧などの方法によって実施することができる。
オルトジクロロベンゼン(d4)中、120℃にて1H−NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い求めた。
(2)ポリオレフィン樹脂の融点
ポリオレフィン樹脂の融点を示差走査熱量測定に基づいて測定した。
(3)ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)
JIS 6730記載の方法(190℃、2160g荷重)で測定した。
(4)ポリオレフィン樹脂水性分散体の固形分濃度
ポリオレフィン樹脂水性分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、ポリオレフィン樹脂固形分濃度を求めた。
(5)ポリオレフィン樹脂水性分散体の粘度
株式会社トキメック社製、DVL−BII型デジタル粘度計(B型粘度計)を用い、温度20℃における水性分散体の回転粘度を測定した。
(6)ポリオレフィン樹脂水性分散体における樹脂粒子の平均粒径
日機装株式会社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340)を用い、数平均粒子径(mn)、体積平均粒子径(mv)を求めた。
(7)ポリオレフィン樹脂水性分散体中の有機溶媒の含有率
島津製作所社製、ガスクロマトグラフGC−8A[FID検出器使用、キャリアーガス:窒素、カラム充填物質(ジーエルサイエンス社製):PEG−HT(5%)−Uniport HP(60/80メッシュ)、カラムサイズ:直径3mm×3m、試料投入温度(インジェクション温度):150℃、カラム温度:60℃、内部標準物質:n-ブタノール]を用い、水性分散体または水性分散体を水で希釈したものを直接装置内に投入して、有機溶媒の含有率を求めた。検出限界は0.01質量%であった。
(8)蒸着膜積層体のヘイズ(曇価)
JIS K7105 に準じて、日本電色工業株式会社製のNDH2000「濁度、曇り度計」を用いて、得られた蒸着膜積層体全体の「ヘイズ(%)」を測定した。なお、蒸着膜積層体としては、基材がポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのもののみを用いて測定した。
(9)蒸着膜積層体の密着性評価
得られた蒸着膜積層体の蒸着面にセロハンテープ(ニチバン社製TF-12)を貼り付け、テープを一気に剥がした場合の剥がれの程度を目視で評価した。なお、実施例15〜17、比較例3においては、蒸着膜積層体として基材がPETフィルムのものとポリプロピレン(PP)フィルムのもののみを評価した。
○:全く剥がれなし、△:一部剥がれ、×:全て剥がれ
(10)蒸着膜積層体の酸素透過度
モコン社製酸素バリア測定器(OX−TRAN 2/20)により、得られた蒸着膜積層体の酸素透過度を20℃、85%RHの条件で測定した。なお、蒸着膜積層体としては、基材がPETフィルムのものとナイロン6(N6)フィルムのもののみを用いて測定した。
(11)蒸着膜積層体の水蒸気透過度
モコン社製の透湿度測定器(PERMATRAN−W3/31MW)により、得られた蒸着膜積層体の水蒸気透過度を、40℃、100%RHの条件で測定した。なお、蒸着膜積層体としては、基材がPETフィルムのものとPPフィルムのもののみを用いて測定した。
(12)蒸着膜積層体の耐屈曲性
上記の(10)の酸素透過度、又は(11)の水蒸気透過度を測定した後の蒸着膜積層体に、ゲルボフレックス100回(20℃、65%RH、約15cmのストロークで1分間に40往復)の処理を行い、処理後の蒸着膜積層体の酸素透過度又は水蒸気透過度を処理前と同様にして測定した。
処理後の蒸着膜積層体の酸素透過度又は水蒸気透過度と、基材(PETフィルムとN6フィルム)の酸素透過度又は水蒸気透過度を用いて、下式によって処理後の蒸着膜積層体の酸素透過度および水蒸気透過度の指標をそれぞれ算出し、以下の4段階で耐屈曲性を評価した。
(a)処理後の酸素透過度の指標(%)=〔(処理後の蒸着膜積層体の酸素透過度)/(基材の酸素透過度)〕×100
◎:指標が5%未満
○:指標が5%以上、10%未満
△:指標が10%以上、20%未満
×:指標が20%以上
(b)処理後の水蒸気透過度の指標(%)=〔(処理後の蒸着膜積層体の水蒸気透過度)/(基材の水蒸気透過度)〕×100
◎:指標が5%未満
○:指標が5%以上、10%未満
△:指標が10%以上、20%未満
×:指標が20%以上
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の製造)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのポリオレフィン樹脂〔ボンダインHX−8290(ア)、アルケマ社製〕、有機溶媒として60.0gのイソプロパノール(以下、IPA)、塩基性化合物として3.0g(樹脂中の無水マレイン酸のカルボキシル基に対して1.2倍当量)のトリエチルアミン(以下、TEA)および177.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を得た。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2の製造)
ポリオレフィン樹脂としてボンダインHX−8210(イ)(アルケマ社製)を用いた以外は参考例1と同様にしてポリオレフィン樹脂水性分散体E−2を得た。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3の製造)
ポリオレフィン樹脂としてボンダインTX−8030(ウ)(アルケマ社製)を用い、有機溶媒(IPA)量を表2のように変更した以外は参考例1と同様にしてポリオレフィン樹脂水性分散体E−3を得た。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E−4の製造)
参考例1で得られたポリオレフィン樹脂水性分散体(E−1)を250g、蒸留水40gを0.5リットルの2口丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ型冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱していき、水性媒体を留去した。約95gの水性媒体を留去したところで、加熱を終了し、室温まで冷却した。冷却後、フラスコ内の液状成分を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、濾液の固形分濃度を測定したところ、25.8質量%であった。この濾液を攪拌しながら蒸留水を添加し、固形分濃度が25.0質量%になるように調整し、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−4を得た。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E−5の製造)
ポリオレフィン樹脂としてエチレン−アクリル酸共重合体樹脂〔プリマコール5980I(エ)、アクリル酸20質量%共重合体、ダウケミカル製〕を用いた。ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのエチレン−アクリル酸共重合体樹脂〔プリマコール5980I(エ)、ダウケミカル社製〕、有機溶媒として16.8g(樹脂中のアクリル酸のカルボキシル基に対して1.0倍当量)のTEA、および223.2gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を100℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、微白濁のポリオレフィン樹脂水性分散体E−5を得た。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E−6の製造)
参考例1で得られたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を攪拌しておき、E−1の固形分100質量部に対してポリウレタン樹脂水性分散体(アデカボンタイターHUX−380、アデカ社製)を固形分換算で15質量部添加し、室温で30分間、撹拌してポリオレフィン樹脂水性分散体(E−6)を得た。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体(E−7)〜(E−11)の製造)
添加剤として、ポリウレタン樹脂水性分散体(NeoRez R−600、楠本化成社製)、ロジン系エマルション(スーパーエステルE−720、荒川化学工業社製)、テルペン系エマルション(タマノルE−100、荒川化学工業社製)、メラミン化合物(サイメル327、三井サイテック社製)、オキサゾリン基含有化合物(エポクロスWS−700、日本触媒社製)を固形分換算で表3に示す量を添加した以外は水性分散体E−6の製造と同様にしてポリオレフィン樹脂水性分散体(E−7)〜(E−11)を得た。
基材として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(2軸延伸フィルム:エンブレットPET12、厚み12μm、ユニチカ社製、酸素透過度850ml/m2・day・MPa)、ナイロン6(N6)フィルム(2軸延伸フィルム:エンブレム、厚み15μm、ユニチカ社製、酸素透過度800ml/m2・day・MPa)、ポリプロピレン(PP)フィルム(OP U−1、厚み20μm、東セロ社製、水蒸気透過度10g/m2・day)の3種類の熱可塑性樹脂からなるフィルムを用いた。
それぞれの基材にポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を乾燥後の厚みが1μmになるようにマイヤーバーでコート(塗布)した後、100℃で1分間、乾燥させ、ポリオレフィン樹脂を含む樹脂層を形成した。
次にポリオレフィン樹脂を含む樹脂層の上に、酸化珪素の蒸着膜(膜厚0.03μm)を真空蒸着法により形成させ、蒸着膜積層体(蒸着膜積層フィルム)を得た。
使用するポリオレフィン樹脂水性分散体を表4に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にして蒸着膜積層体を得た。
酸化珪素の蒸着膜に変えて窒化珪素の蒸着膜(膜厚0.02μm)を真空蒸着法により形成した以外は、実施例1と同様にして蒸着膜積層体を得た。
ポリオレフィン樹脂を含む樹脂層を形成せず、基材に直接、酸化珪素の蒸着膜(膜厚0.03μm)を真空蒸着法により形成させた以外は、実施例1と同様にして蒸着膜積層体を得た。
酸化珪素の蒸着膜に変えて窒化珪素の蒸着膜(膜厚0.02μm)を真空蒸着法により形成した以外は、比較例1と同様にして蒸着膜積層体を得た。
PET樹脂を、Tダイを備えた押出機(75mm径、L/Dが45の緩圧縮タイプ単軸スクリュー)を用いて、シリンダー温度260℃、Tダイ温度280℃でシート状に押し出し、表面温度10℃に調節された冷却ロール上に密着させて急冷し、厚み120μmの未延伸フィルムを得、これを基材とした。
続いて、未延伸フィルムをグラビアロール式コーターに導きポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を水で希釈した液をコート(塗布)し、80℃の熱風ドライヤー中で45秒間乾燥した。次に、フィルムをテンター式同時2軸延伸機に供給し、温度100℃で2秒間予熱した後、95℃で縦方向に3倍、横方向に3.5倍の倍率で延伸した。なお、横方向弛緩率は5%であった。延伸後形成されたポリオレフィン樹脂を含む樹脂層の厚みは0.1μmであった。
次にポリオレフィン樹脂を含む樹脂層の上に、酸化珪素の蒸着膜(膜厚0.03μm)を真空蒸着法により形成させ、蒸着膜積層体を得た。
N6樹脂を、Tダイを備えた押出機(75mm径、L/Dが45の緩圧縮タイプ単軸スクリュー)を用いて、シリンダー温度260℃、Tダイ温度270℃でシート状に押し出し、表面温度10℃に調節された冷却ロール上に密着させて急冷し、厚み150μmの未延伸フィルムを得、これを基材とした。基材を変更した以外は実施例12と同様にしてポリオレフィン樹脂を含む樹脂層と蒸着膜を形成し、蒸着膜積層体を得た。
一方、比較例1、2の蒸着膜積層体は、ポリオレフィン樹脂を含む樹脂層が形成されておらず、基体と蒸着膜との密着性が十分でなく、耐屈曲性に劣るものであった。比較例3の蒸着膜積層体は、(メタ)アクリル酸エステル成分(B)を含有しないポリオレフィン樹脂を用いたものであったため、基体と蒸着膜との密着性が十分でなく、耐屈曲性に劣るものであった。
基材として、PETフィルム(2軸延伸フィルム:エンブレットPET100、厚み100μm、ユニチカ社製、水蒸気透過度10g/m2・day)、実施例1と同様のPPフィルムを用いた。
それぞれの基材にポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を乾燥後の厚みが0.5μmになるようにマイヤーバーでコート(塗布)した後、100℃で1分間、乾燥させ、ポリオレフィン樹脂を含む樹脂層を形成した。
次にポリオレフィン樹脂を含む樹脂層の上に、膜厚0.05μmのダイヤモンドライクカーボン膜をプラズマCVD法を用いて蒸着した蒸着膜積層体を得た。
使用するポリオレフィン樹脂水性分散体を表5に示すものに変更した以外は、実施例14と同様にして蒸着膜積層体を得た。
ポリオレフィン樹脂を含む樹脂層を形成せず、基材に直接、膜厚0.05μmのダイヤモンドライクカーボン膜をプラズマCVD法を用いて蒸着した以外は、実施例14と同様にして蒸着膜積層体を得た。
一方、比較例4の蒸着膜積層体は、ポリオレフィン樹脂を含む樹脂層が形成されておらず、基体と蒸着膜との接着性が十分でなく、水蒸気透過度が高くバリア性に劣るとともに、耐屈曲性にも劣るものであった。
基材として、ポリエステル系熱可塑性エラストマー樹脂成型体(プリマロイA1700N、三菱化学社製)を用い、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を乾燥後の厚みが1μmになるようにアプリケーターでコート(塗布)した後、100℃で1分間、乾燥させ、ポリオレフィン樹脂を含む樹脂層を形成した。
次にポリオレフィン樹脂を含む樹脂層の上に、膜厚0.1μmのアルミニウム層を蒸着した蒸着膜積層体(アルミニウム蒸着樹脂成型体)を得た。得られた蒸着膜積層体は、樹脂の変形を繰り返してもアルミニウム蒸着膜が剥がれることがなく、良好な金属光沢外観を示した。
使用するポリオレフィン樹脂水性分散体をE−7に変更した以外は、実施例17と同様に行い、蒸着膜積層体を得た。得られた蒸着膜積層体は、樹脂の変形を繰り返してもアルミニウム蒸着膜が剥がれることがなく、極めて良好な金属光沢外観を示した。
ポリオレフィン樹脂を含む樹脂層を形成せず、基材に直接、膜厚0.1μmのアルミニウム層を蒸着した以外は、実施例17と同様に行い、蒸着膜積層体を得た。得られた蒸着膜積層体は、樹脂の変形を繰り返すと、アルミニウム蒸着膜が剥がれ、良好な金属光沢性外観を維持することができなかった。
Claims (1)
- 基材の上に、ポリオレフィン樹脂を含む樹脂層、蒸着膜がこの順に積層された積層体の製造方法であって、ポリオレフィン樹脂を塩基性化合物とともに水性媒体に分散したポリオレフィン樹脂水性分散体を基材上に塗布、乾燥することによってポリオレフィン樹脂を含む樹脂層を形成し、次いで蒸着膜を形成することを特徴とする蒸着膜積層体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009180880A JP5677733B2 (ja) | 2009-08-03 | 2009-08-03 | 蒸着膜積層体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009180880A JP5677733B2 (ja) | 2009-08-03 | 2009-08-03 | 蒸着膜積層体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011031526A JP2011031526A (ja) | 2011-02-17 |
JP5677733B2 true JP5677733B2 (ja) | 2015-02-25 |
Family
ID=43761081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009180880A Active JP5677733B2 (ja) | 2009-08-03 | 2009-08-03 | 蒸着膜積層体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5677733B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5619106B2 (ja) * | 2012-10-29 | 2014-11-05 | ユニチカ株式会社 | 包装材料及びその製造方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3793922B2 (ja) * | 2002-10-24 | 2006-07-05 | 三井・デュポンポリケミカル株式会社 | 水分散体及びその用途 |
JP2006123222A (ja) * | 2004-10-26 | 2006-05-18 | Sekisui Film Kk | 金属調化粧シート及び化粧金属板 |
JP2007203536A (ja) * | 2006-01-31 | 2007-08-16 | Dainippon Printing Co Ltd | 積層体およびそれを用いた包装袋 |
JP5183048B2 (ja) * | 2006-09-14 | 2013-04-17 | ユニチカ株式会社 | 水性接着剤およびそれを用いた積層体 |
JP5036333B2 (ja) * | 2006-10-16 | 2012-09-26 | ユニチカ株式会社 | 包装材料 |
JP5101139B2 (ja) * | 2007-03-19 | 2012-12-19 | ユニチカ株式会社 | 包装材料 |
JP2008230199A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-02 | Unitika Ltd | 包装材料 |
JP2008266446A (ja) * | 2007-04-19 | 2008-11-06 | Unitika Ltd | 水性コート剤および積層体 |
-
2009
- 2009-08-03 JP JP2009180880A patent/JP5677733B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011031526A (ja) | 2011-02-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5371082B2 (ja) | 包装材料 | |
JP2010005802A (ja) | 包装材料 | |
JP4615927B2 (ja) | 水性分散体および水性ヒートシール剤 | |
EP2914670A1 (en) | Primer coating for metallized gas barrier films | |
JP6799171B2 (ja) | 積層体 | |
CN103998516B (zh) | 阻气性树脂组合物和阻气性复合膜 | |
KR20200076697A (ko) | 접착력이 양호한 프라이머 코팅된 기판을 함유한 타일 | |
JP2005125693A (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP5677733B2 (ja) | 蒸着膜積層体の製造方法 | |
JP2011042725A (ja) | 金属蒸着層保護コート剤及び積層体 | |
JP2011195691A (ja) | 水性分散体及び塗膜、積層体並びに水性分散体の製造方法 | |
JP6864906B2 (ja) | 積層フィルムおよびその製造方法 | |
JP5037012B2 (ja) | ポリオレフィン樹脂水性分散体の製造方法 | |
TW200424062A (en) | Gas barrier laminated film and a process for producing same | |
JP2013241514A (ja) | コーティング組成物、塗膜及び積層体 | |
JP4270790B2 (ja) | 紙用水性接着剤及び積層体 | |
JP2016047647A (ja) | 積層フィルム | |
JP2011057804A (ja) | 植毛用水性接着剤 | |
JP6745096B2 (ja) | 透明蒸着用アンカーコート剤、及び積層体 | |
JP4270791B2 (ja) | 合成紙用水性接着剤及び積層体 | |
JP2012233019A (ja) | 水性分散体および積層体 | |
JP2007211135A (ja) | 粘着フィルムおよびその用途 | |
JP2009286919A (ja) | 電気・電子機器部材用コーティング剤 | |
JP6830238B2 (ja) | 接着剤およびそれを用いてなる積層体 | |
JP2010095590A (ja) | 含フッ素樹脂コート層およびそれが形成されてなるコート材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120731 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130430 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130924 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140715 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141008 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20141017 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141209 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150105 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Ref document number: 5677733 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |