JP5619106B2 - 包装材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、包装材料とその製造方法とに関するものであり、詳しくは特定内容物に対し優れた耐内容物性を発現する包装材料、並びにその製造方法に関するものである。
従来から包装材料として、アルミニウム箔などのバリア層の上にシーラント層としてポリオレフィン系樹脂フィルムを積層したものが多く使用されている。この場合、シーラント層は、接着層(プライマー、アンカーコートなどとも呼ばれる)を介して積層されるのが一般的である。
しかし、こうした包装材料を用いて、メントールやナフタレンなどの揮発性を有する物質、香り成分や薬効成分を含有している内容物、もしくは固体有機電解質を含有する二次電池などを包装した場合、保存中にそれらの物質や成分がバリア層とシーラント層との間の接着層に作用しバリア層とシーラント層との間の接着強度が経時的に低下したり、両層が剥がれてしまう(デラミ)といった問題があった。
そこで、このような問題を解決するため、特許文献1〜3に、包装材料において内容物に対する耐性(保存中にバリア層とシーラント層との間の接着強度低下を抑制する性能、以下、耐内容物性ということがある)を維持するための技術が提案されている。
さらに、特許文献4において、特定組成の水性分散体をバリア層に塗布、乾燥することで接着層を形成し、接着層を介してシーラント層を積層する方法が提案されている。
特開平11−254595号公報 特開2001−322221号公報 特開2008−127042号公報 特開2008−94471号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3記載の技術では、包装材料において、一般内容物に対しては十分な耐内容物性が認められるものの、刺激性の強い内容物に対しては十分な耐内容物性が期待できず、包装材料の適用範囲が限られる点で改良の余地を残していた。
また、特許文献4記載の発明では、水性分散体をバリア層上に塗布する際にグラビアコーターなどの公知のコーターを用いているが、通常、製造現場においては、塗料の種類に応じてコーターを使い分けることはせず、水系塗料の場合も溶剤系塗料の場合も同一のコーターが用いられる。このとき、コーター備え付けの塗料貯蔵タンク、塗料供給ライン、塗料供給パンなどに溶剤系塗料に由来する非水溶性の溶剤が残存していると、水系塗料に置き換えた際に水系塗料中に微細な樹脂凝集物が発生し、均一な接着層の形成が困難となるという問題がある。
本発明は、上記のような問題点を解決するものであって、一般内容物に対しては無論のこと、刺激性の強い内容物に対しても優れた耐内容物性を発揮し、さらには接着層形成時に非水溶性の溶剤が混入しても樹脂を凝集させずに均一な接着層の形成が可能な包装材料と、その包装材料を安定的に低コストで製造する方法とを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定組成のポリオレフィン樹脂とノニオン性乳化剤とを特定割合で含有する特定量の接着層を形成すれば、包装材料において上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、バリア層、接着層及びシーラント層がこの順に積層されてなる包装材料であって、前記接着層が(メタ)アクリル酸エステル成分を含有する酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とノニオン性乳化剤(B)としてポリオキシエチレン脂肪酸アミドを含有し、(A)と(B)の質量比(A/B)が(A)100質量部に対し(B)が0.1〜5質量部であり、かつ接着層の量が0.001〜5g/mの範囲にあることを特徴とする包装材料を要旨とするものであり、さらに、バリア層上に接着層を形成した後、その上にシーラント樹脂を押出ラミネーションにより積層する包装材料の製法を好ましい態様として含むものである。
本発明によれば、刺激性の強い内容物に対して優れた耐内容物性を発揮する包装材料が提供できる。このため、内容物の品質を長期にわたり維持することができる。また、本発明では、接着層を形成する際に非水溶性の溶剤が混在しても樹脂が凝集し難く、より均一な接着層の形成が可能となる。
そして、本発明の積層体は、押出ラミネーションを利用して効率的に製造できるため、工程が安定しており、コストの点でも有利となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の包装材料は、バリア層、接着層及びシーラント層がこの順に積層された包装材料である。
まず、本発明における接着層は、(メタ)アクリル酸エステル成分を含有する酸変性ポリオレフィン樹脂(A)(以下、単に「酸変性ポリオレフィン樹脂」ということがある)と、ノニオン性乳化剤(B)(以下、単に「ノニオン性乳化剤」ということがある)とをそれぞれ所定量含有するものである。
酸変性ポリオレフィン樹脂の主成分たるオレフィン成分としては、特に限定されないが、エチレン、プロピレン、イソブチレン、2−ブテン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどの炭素数2〜6のアルケンが接着性の観点から好ましく、これらの混合物を用いてもよい。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテンなどの炭素数2〜4のアルケンがより好ましく、エチレン、プロピレンがさらに好ましく、エチレンが最も好ましい。
また、酸変性ポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸成分により酸変性されている。不飽和カルボン酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、フマル酸、クロトン酸などのほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミドなどがあげられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸がバリア層との接着性の観点から好ましく、特にアクリル酸、(無水)マレイン酸が好ましい。また、不飽和カルボン酸成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などがあげられる。なお、「(無水)〜酸」とは、「〜酸または無水〜酸」を意味する。すなわち、(無水)マレイン酸とは、マレイン酸または無水マレイン酸を意味する。
不飽和カルボン酸成分の含有量としては、バリア層とシーラント層との接着性のバランスから、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.5〜4質量%がさらに好ましく、1〜4質量%が特に好ましい。含有量が0.01質量%未満になると、バリア層としてアルミニウム箔などを使用した場合において十分な接着性が得難い傾向にある。一方、10質量%を超えると、シーラント層との接着性が低下すると共に接着層の耐水性も低下する傾向にある。
さらに、接着層に用いられる酸変性ポリオレフィン樹脂には、(メタ)アクリル酸エステル成分が含有されている必要がある。この成分を含有していないと、バリア層やシーラント層との十分な接着性が得られない。(メタ)アクリル酸エステル成分としては、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物があげられ、中でも入手のし易さの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。(メタ)アクリル酸エステル成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどがあげられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、入手の容易さと接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。
酸変性ポリオレフィン樹脂における(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量としては、耐内容物性を向上させる点から、0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、2〜18質量%であることがさらに好ましく、3〜15質量%であることが特に好ましい。(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量が0.1質量%未満の場合は、バリア層やシーラント層との接着性が低下する傾向にあり、25質量%を超える場合は、耐内容物性が低下する傾向にある。また、(メタ)アクリル酸エステル成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などがあげられる。
酸変性ポリオレフィン樹脂の具体例としては、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(無水)マレイン酸共重合体が最も好ましい。共重合体の形態はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などのいずれでもよいが、入手が容易という点でランダム共重合体、グラフト共重合体が好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、分子量が高くなるにつれ耐内容物性が向上する傾向にある。したがって分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートとしては、100g/10分以下が好ましく、30g/10分以下がより好ましく、0.001〜20g/10分がさらに好ましく、0.01〜10g/10分が特に好ましい。メルトフローレートが100g/10分を超える場合は、耐内容物性が低下する傾向にあり、0.001g/分未満の場合は、樹脂を高分子量化する際の製造面に制約を受けることがある。
次に、ノニオン性乳化剤について説明する。
本発明に使用するノニオン性乳化剤としては、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やソルビタン誘導体等があげられる。中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドが好ましく、特に接着層の耐水性向上の点からポリオキシエチレン脂肪酸アミドが好ましい。
なお、本発明では、発明の効果を低減させない範囲でノニオン性乳化剤以外の乳化剤が併用されていてもよい。かかる乳化剤としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、両性乳化剤等があげられる。
例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等があげられる。
また、両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等があげられる。
さらに本発明における接着層には、発明の効果を低減させない限りにおいて、保護コロイド作用を有する化合物が併用されていてもよい。かかる保護コロイド作用を有する化合物としては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの数平均分子量が通常は5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類及びその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の不飽和カルボン酸含有量が10質量%以上のカルボキシル基含有ポリマー及びその塩、ポリイタコン酸及びその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物があげられる。
接着層におけるノニオン性乳化剤の含有量としては、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部である必要があり、0.1〜3質量部がより好ましく、0.5〜1質量部が特に好ましい。ノニオン性乳化剤の含有量をこの範囲に設定することで、接着層の耐水性、密着性さらには耐内容物が向上する。これは、接着層に耐水性を与えることで、例えば、大気中の水分を吸収することにより接着層が膨潤・劣化する、シーラント層と接着層と界面に内容物の揮発成分が混在することで両層の剥離が促進するという現象が抑えられるからである。さらに、当該含有量をこの範囲に設定することで、後述する接着剤中に非水溶性溶剤が混入しても良好な分散安定性が確保できる。この点についてさらに述べると、ノニオン性乳化剤の含有量がかかる範囲を上回る場合、接着剤の分散安定性は十分確保できるものの、包装材料の耐水性、密着性、耐内容物等が低減する。一方、かかる範囲を下回る場合は、耐水性、密着性、耐内容物等はあまり低減しないものの、接着剤中に非水溶性溶剤が混入すると、接着剤の分散状態が著しく悪化してしまう。
なお、樹脂の凝集を解くことは、種類によらず乳化剤を所定量使用さえすれば一応可能といえる。しかしながら、ノニオン性乳化剤以外の乳化剤のみを使用しても接着層において良好な耐水性は得られず、所望の耐内容物性も得られない。ゆえに、ノニオン性乳化剤以外の乳化剤を使用する場合はノニオン性乳化剤との併用が必須となる。
ノニオン性乳化剤としては、市販のものが使用できる。具体的には、三洋化成社製の「ナローアクティー」、ライオン社製の「エソマイドシリーズ」などが好適に用いることができる。
また、ノニオン性乳化剤以外の乳化剤や保護コロイド作用を有する化合物を使用する場合には、これらの含有量は合計して、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対し0.1〜5質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部がより好ましく、0.5〜1質量部が特に好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂及び乳化剤を使用するにあたっては、水性媒体中にこれらを分散又は溶解したうえで用いることが好ましく、そのような水性分散体(接着剤)では、水性媒体中で、酸変性ポリオレフィン樹脂が主に分散した状態で、乳化剤が主に溶解した状態で混在している。ここで、水性媒体とは、水又は、水を含む液体からなる媒体であり、酸変性ポリオレフィン樹脂の分散安定化に寄与する中和剤や水溶性の有機溶媒などが適宜含まれていてもよい。
接着剤の調製方法としては、特に限定されないが、酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体と乳化剤の溶液とを予め個別に作製しておき、後にこれらを適量混合する方法や、水性媒体に固形の酸変性ポリオレフィン樹脂と乳化剤とを一括して仕込み、同一の系内で両者を分散、溶解する方法などを採用することができる。通常は後者の調製方法が好適である。
次に、酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体について説明する。
酸変性ポリオレフィン樹脂を使用する際は、これを水性媒体に分散したうえで用いることが好ましい。分散させる方法としては、自己乳化法や強制乳化法など公知の分散方法を採用すればよい。なお、上述したように、酸変性ポリオレフィン樹脂の分散の際に、予め乳化剤を原料として特定量仕込み、酸変性ポリオレフィン樹脂と一括して水性分散化させる方法を採用してもよい。
酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体は、水性媒体中で酸変性ポリオレフィン樹脂の不飽和カルボン酸成分を塩基性化合物によって中和することで得られるアニオン性の水性分散体を使用すること好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂を水性分散化させる際に用いる水性媒体は、水又は、水を含む液体からなる媒体であり、分散安定化に寄与する中和剤や水溶性の有機溶媒などが含まれていてもよい。水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体;さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等があげられる。なお、これら有機溶媒は2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、沸点が140℃以下の揮発性の水溶性有機溶媒を用いることが、接着層を形成する際に残存を少なくするために好ましい。具体的には、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどがあげられる。
また、酸変性ポリオレフィン樹脂の不飽和カルボン酸成分を中和するのに用いる塩基性化合物としては、アンモニア、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属等があげられる。なお、塩基性化合物は2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、沸点が140℃以下の揮発性の塩基性化合物を用いることが、接着層を形成する際に残存を少なくするために好ましい。具体的には、アンモニア、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどがあげられる。
乳化剤の水性媒体への溶解方法としては、公知の方法を採用すればよく、具体的には、水性媒体として水を用い、乳化剤を水に仕込み攪拌しながら加熱し溶解させる方法が一般的である。このようにして得られた乳化剤の溶液を、酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体に特定量添加することで、本発明における接着剤(酸変性ポリオレフィン樹脂と乳化剤と水性媒体とを含有する水性分散体)を得ることが可能となる。乳化剤の溶液の添加の際は、酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体を攪拌しながら添加することが好ましい。
接着剤中の分散粒子の数平均粒子径としては、500nm以下であることが好ましく、50〜200nmであることがより好ましい。数平均粒子径が500nmを超えると、接着剤の保存安定性が低下する傾向にあり、均一な厚みの塗布が困難となり、その結果、安定した効果が得られなくなることがある。なお、接着剤における分散粒子とは、通常、酸変性ポリオレフィン樹脂の分散粒子のことを意味する。
接着剤の固形分濃度(不揮発成分濃度)としては、包装材料に使用される接着剤全体に対して1〜50質量%の範囲であることが好ましい。
本発明における接着剤には、本発明の効果を損ねない限りにおいて酸変性ポリオレフィン樹脂、乳化剤以外の樹脂が含有されていてもよく、具体的には酸変性ポリオレフィン樹脂に対して30質量%以下の範囲で含有されていることが好ましい。その他の樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、変性ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などがあげられる。その他の樹脂の数平均分子量としては、耐内容物性の観点から、10000以上が好ましく、30000以上がより好ましい。
さらに、接着剤には、酸変性ポリオレフィン樹脂を架橋するための架橋剤が含有されていてもよい。架橋剤としては、多価イソシアネート化合物、多価メラミン化合物、尿素化合物、多価エポキシ化合物、多価カルボジイミド化合物、多価オキサゾリン基含有化合物、多価ヒドラジド化合物、多価ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤などがあげられる。これらの含有量は、耐内容物性を考慮して、適宜決定すればよいが、具体的には酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して20質量%以下の範囲で含有されていることが好ましい。
当該その他の樹脂及び当該架橋剤は、本発明における接着剤への添加、混合のし易さの観点から、水溶性又は水性分散性のものを用いることが好ましい。
本発明における接着剤を用いることで、バリア層とシーラント層との間を強固に接着することができる。
次に、本発明の包装材料を構成する各部材について説明する。
本発明の包装材料は、バリア層、接着層及びシーラント層がこの順に積層されてなる包装材料である。
バリア層としては、液体や気体を遮断できる材料であればどのような材料から構成されていてもよく、具体的には、アルミニウム箔などの軟質金属箔の他、アルミ蒸着、シリカ蒸着、アルミナ蒸着、シリカアルミナ2元蒸着などの蒸着層、さらには塩化ビニリデン系樹脂、変性乳化剤、エチレンビニルアルコール共重合体、MXDナイロンなどからなる有機バリア層などが採用できる。
バリア層として蒸着層を適用する場合には、市販の蒸着フィルムを使用することが簡便である。そのような蒸着層を有するフィルムとしては、例えば、大日本印刷社製の「IBシリーズ」、凸版印刷社製の「GL、GXシリーズ」、東レフィルム加工社製の「バリアロックス」、VM−PET、YM−CPP、VM−OPP、三菱樹脂社製「テックバリア」、東セロ社製「メタライン」、尾池工業社製「MOS」「テトライト」、「ビーブライト」などが例示できる。なお、蒸着層の上には保護コート層を設けてもよい。
また、バリア層として有機バリア層を適用する場合にも、有機バリア層を有するフィルムを使用することが簡便である。この場合、当該フィルムとして、バリア性を有する樹脂を含む塗剤をフィルムにコーティングする方法、前記樹脂を共押し出し法により積層する方法などを採用して別途作製したものを用いてもよいが、市販の有機バリア層を有するフィルムを使用することが簡便であり、好ましい。そのような有機バリア層を有するフィルムとしては、クラレ社製の「クラリスタ」、「エバール」、呉羽化学工業社製の「ベセーラ」、三菱樹脂社製の「スーパーニール」、興人社製の「コーバリア」、ユニチカ社製の「セービックス(登録商標)」、「エンブロンM」、「エンブロンE」、「エンブレムDC」、「エンブレットDC」、「NV」、東セロ社製の「K−OP」、「A−OP」、ダイセル社製の「セネシ」などが例示できる。
本発明では、バリア層として、バリア性の点から、アルミニウム箔の他、アルミニウム、シリカ、アルミナなどの蒸着層が一般に好ましく、特に安価である点から、アルミニウム箔、アルミニウムの蒸着層といったアルミニウムから構成されるバリア層が好ましい。バリア層の厚みとしては、特に限定されないが、例えばアルミニウム箔の場合には、経済的な面から3〜50μmの範囲が好ましい。
バリア層におけるバリア性については、包装する内容物や保存期間などに応じて最適範囲を適宜選択すればよいが、おおむね、水蒸気透過度として、100g/m・day(40℃、90%RH)以下が好ましく、20g/m・day以下がより好ましく、10g/m・day以下がさらに好ましく、1g/m・day以下が特に好ましい。酸素透過度としては、100mL/m・day・MPa(20℃、90%RH)以下が好ましく、20mL/m・day・MPa以下がより好ましく、10mL/m・day・MPa以下がさらに好ましく、1mL/m・day・MPa以下が特に好ましい。
さらに、本発明では、バリア層に他の基材を貼り合わせて用いてもよい。例えば、ポリウレタン系接着剤などを介して、バリア層としてのアルミニウム箔などの軟質金属箔とPETフィルム等の各種基材とを貼り合わせて用いてもよい。
接着層は、上記接着剤より得られる塗膜である。詳しくは、接着層の組成は、酸変性ポリオレフィン樹脂とノニオン性乳化剤とを含み、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してノニオン性乳化剤の含有量が0.1〜5質量部のものである。
接着層は、後述するように、上記接着剤をバリア層の少なくとも一方の面に塗布し乾燥することで形成することが可能である。
接着層の量としては、接着面の面積に対して、0.001〜5g/mの範囲とすることが必要であり、0.01〜3g/mであることがより好ましく、0.02〜2g/mであることがさらに好ましく、0.03〜1g/mであることが特に好ましく、0.05〜1g/mであることが最も好ましい。0.001〜5g/mの範囲を外れると、十分な耐内容物性が得られない。特に0.001g/mを下回ると、接着層としての機能し難くなるので、耐水性は一応確保できるものの、総じて接着性(ラミネート強度、耐内容物性等)は低減する。一方、5g/mを上回ると、包装材料が外力を受けた際、接着層が塊となって剥がれ易くなることから、耐水性と共に接着性も低減する。
シーラント層としては、従来から知られたシーラント樹脂が使用できる。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)などポリエチレン、酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのポリオレフィン樹脂などがあげられ、中でも低温シール性からポリエチレン樹脂が好ましく、安価であることからポリプロピレンが好ましい。シーラント層の厚みとしては、特に限定されないが、包装材料への加工性やヒートシール性などを考慮して10〜60μmの範囲が好ましく、15〜40μmの範囲がより好ましい。また、シーラント層に5〜20μmの凸凹を設けることで、シーラント層の滑り性や包装材料の引き裂き性を付与することが可能である。
本発明において、接着層を形成する方法としては、上記接着剤をバリア層の少なくとも一方の面に塗布し、水性媒体の一部又は全てを乾燥し塗膜を形成させる方法、剥離紙上に上記接着剤を塗布し、水性媒体の一部又は全てを乾燥させて一旦塗膜を形成し、後にバリア層の少なくとも一方の面にこれを転写する方法などがあげられる。中でも、環境面や性能面、接着層の量を調整しやすくする点などから、当該接着剤を、バリア層の少なくとも一方の面に塗布して水性媒体の一部又は全てを乾燥させる方法が好ましい。
接着剤の塗布方法としては、公知の方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法などにより基材表面に均一にコーティングし、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥処理又は乾燥のための加熱処理に供することにより水性媒体の一部又は全てを乾燥し、均一な塗膜、すなわち接着層をバリア層表面に密着させて形成することができる。乾燥の際は、水性媒体の全てを乾燥させることが、接着性や耐内容物性を良好にする観点から好ましい。
本発明において、接着層上にシーラント層を積層する方法としては、特に限定されないが、例えば、接着層とシーラント樹脂フィルムとを熱によってラミネートする方法(熱ラミネート、ドライラミネート)、シーラント樹脂を溶融させて接着層上に押出し、冷却固化させて積層する方法(押出ラミネーション法)などがあげられる。中でも、接着層を薄くできること、耐内容物性を向上させ易いことなどの点から、押出ラミネーション法が好ましい。押出しの際の溶融シーラント樹脂温度としては、接着性や耐内容物性を良好にする観点から、200〜400℃の範囲が好ましく、250〜350℃の範囲がより好ましく、280〜330℃の範囲がさらに好ましい。また、押出しの際の溶融シーラント樹脂には、接着性や耐内容物性を向上させたりライン速度を向上させるために、オゾン処理などの処理を施しても構わない。
以上の点から、本発明では、バリア層の少なくとも一方の面に接着剤を塗布、乾燥して接着層を形成し、次いで接着層の上にインラインでシーラント樹脂を溶融押出(押出ラミネート)することによってシーラント層を積層する方法が簡便であり、かつ耐内容物性の効果を向上させるため、特に好ましいといえる。
本発明の包装材料は、通常、バリア層を外側、シーラント層を内側(内容物側)として使用される。また、包装材料としての用途、必要な性能(易引裂性やハンドカット性)、包装材料として要求される剛性や耐久性(例えば、耐衝撃性や耐ピンホール性など)などを考慮した場合、必要に応じてバリア層の外側又は内側に他の層を積層することもできる。通常は、バリア層の外側に基材層、紙層、第2のシーラント層、不職布層などを伴って使用される。他の層を積層する方法としては公知の方法、たとえば、他の層との層間に接着剤層を設けてドライラミネート法、熱ラミネート法、ヒートシール法や押出しラミネート法などを採用すればよい。接着剤としては、1液タイプのウレタン系接着剤、2液タイプのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、酸変性ポリオレフィンの水性分散体などを用いることが可能である。また、本発明における接着層の形成に使用される接着剤を他の層の接着に用いても特に構わない。
具体的な積層体構成としては、基材層/バリア層/接着層/シーラント層なる構成のものが、一般的な包装材料、蓋材、詰め替え容器などに好適である。また、シーラント層/紙層/バリア層/接着層/シーラント層、シーラント層/紙層/ポリオレフィン樹脂層/基材層/バリア層/接着層/シーラント層、紙層/バリア層/接着層/シーラント層、基材層/紙層/バリア層/基材層/接着層/シーラント層なる構成のものが、それぞれ紙容器、紙カップなどに好適である。さらに、シーラント層/バリア層/接着層/シーラント層なる構成のものが、チューブ容器などに好適である。これら積層体には必要に応じて、印刷層やトップコート層などが設けられていてもよい。
基材層としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)などのポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、6−ナイロン、ポリ−p−キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)などのポリアミド樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリアクリルニトリル樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、これらの複層体(例えば、ナイロン6/MXD/ナイロン6、ナイロン6/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体などが用いられ、機械的強度や寸法安定性を有するものが好ましい。特に、これらの中で二軸方向に任意に延伸されたフィルムが好ましく用いられる。
また、紙層としては、紙や合成紙などがあげられる。
基材層及び紙層には、公知の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、易接着コート剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などが含まれていてもよく、他の材料と積層する場合の密着性を向上させるために、前処理としてその表面をコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理などしてもよい
基材層及び紙層の厚みは、包装材料としての適性、積層する場合の加工性を考慮して決定すればよく、特に制限されないが、実用的には1〜300μmの範囲で、用途によっては300μm以上のものを採用してもよい。
本発明の包装材料の使用態様としては、三方シール袋、四方シール袋、ガセット包装袋、ピロー包装袋、ゲーベルトップ型の有底容器、テトラクラッシク、ブリュックタイプ、チューブ容器、紙カップ(胴部と底部のブランク板を作製し、該ブランク板をカップ成形機で筒状の胴部と、該胴部の一方の開口端に底部を成形、熱接着してなる紙カップ容器など)、蓋材など種々のものがあり、最内層のシーラント層にポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂製チャックを設けて、チャック付き包装袋とすることもできる。本発明における接着層の形成に使用される接着剤は、そのようなチャックとの接着性にも優れる。さらに深絞り成型にも適している。
本発明の包装材料は様々な内容物に対して良好な耐性を有していることから、特に、揮発性を有する内容物や刺激性の強い内容物の包装材料として好適であり、中でも香り成分、香辛料成分、薬効成分を有する製品の包装材料として最適である。具体的には、アルコール(例えば50質量%以上の高濃度アルコール)、アルコール飲料、酸化防止剤、亜硫酸塩、芳香剤、香料、入浴剤(液体タイプ、粉末タイプ)、香辛料(チョウジ、唐辛子)、湿布剤、貼付剤、医薬品、電池電解液、トイレタリー製品、界面活性剤、シャンプー、リンス、洗剤、車用洗浄剤、パーマ液、防虫剤、殺虫剤、消毒液、消臭剤、育毛剤、食酢、歯磨き剤、化粧品、現像液、毛染め剤、歯磨き粉、マスタード、食酢、油、カレー、粉末キムチの素、タバスコ(キダチトウガラシを原料とした香辛料、登録商標)、塩基性物質を含んだ物、酸性物物質を含んだ物の包装材料に好適に使用される。
バリア性の包装材料において層間の接着強度が低下する原因の詳細は不明であるが、内容物の揮発成分がバリア層に遮蔽され、バリア層と接着層の界面付近に蓄積されることにより接着層が膨潤、溶解などの劣化を起すためと考えられる。本発明の包装材料のような特定組成の接着層を用いることにより、その劣化が軽減され、結果として良好な耐内容物性が得られたものと推定される。
以下に実施例によって本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1.接着層の形成に使用される接着剤の特性
(1)酸変性ポリオレフィン樹脂の構成
1H−NMR分析装置(日本電子社製、ECA500、500MHz)より求めた。テトラクロロエタン(d2)を溶媒とし、120℃で測定した。
(2)酸変性ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)
JIS K7210:1999記載の方法に準じて、190℃、2160g荷重で測定した。
(3)非水溶性の溶剤との分散安定性
内容量30mLの透明ガラス瓶に、20gの接着剤及び0.5gのトルエン(非水溶性の溶剤)を入れた後、ガラス瓶の蓋をしめた。その後、ガラス瓶を激しく振ることで、接着剤及びトルエンを混合した。混合後、容器内の液状物の状態を目視で観察し、以下の指標で評価した。
○:凝集物なし
△:微かに凝集物あり
×:凝集物あり
(4)耐水性
コロナ処理した二軸延伸PETフィルムのコロナ処理面に、乾燥後の接着層の厚みが1μmになるようにマイヤーバーを用いて接着剤を塗布し、100℃で2分間乾燥し、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを40℃で3日間水に浸漬した後、接着層面にセロハンテープ(ニチバン社製TF−12)を貼り付け、テープを一気に剥がした場合の剥がれの程度を目視にて、下記の3段階で評価した。
○:全く剥がれなし。
△:一部、剥がれた。
×:全て剥がれた。
2、包装材料の特性
(1)接着層の量(乾燥後の塗布量)
予め面積及び質量を計測した基材に酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体を所定量塗布し、100℃で2分間乾燥した。得られた積層体の質量を測定し、塗布前の基材の質量を差し引くことで塗布量を求めた。塗布量と塗布面積から単位面積当りの層量(g/m)を計算した。
(2)ラミネート強度(耐内容物試験前)
ラミネートフィルム(包装材料)から幅15mmの試験片を採取し、引張り試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、Tピール法により試験片の端部からバリア層とシーラント層との界面を剥離して強度を測定した。測定は20℃、65%RHの雰囲気中、引張速度200mm/分で行った。なお、ラミネート強度が高い場合には、測定時にシーラントフィルムに伸び、切れなどが発生して剥離が不可能となることがあるが、このような現象はラミネート状態として最も好ましい。
(3)耐内容物試験
10cm角のラミネートフィルム(包装材料)を2枚用い、ラミネートフィルムのシーラント層を内側とし、内容物として、タバスコ(登録商標)1gを染み込ませた脱脂綿を使用し、シール幅10mmで四方をヒートシールすることで密封した。これを50℃で2週間保存した。さらに、内容物のタバスコに代えてトルエン1gを使用し、同様に密封、保存した。その後、密封した各包装材料を開封し、前記(2)と同様にして、ラミネートフィルム(包装材料)から試験片を採取して、ラミネート強度を測定した。
(4)引き裂き性
タバスコを使用した耐内容物試験後の袋を開封する際、切り目を入れて手で引き裂いた場合の状況を目視で評価した。
○:引き裂き性良好でありフィルム間の剥離なし
×:引き裂き性不良でありフィルム間の剥離あり
(参考例1)
〔接着剤E−1の製造〕
撹拌機とヒーターを備えた密閉できる耐圧1L容ガラス容器に、60.0gの酸変性ポリオレフィン樹脂(A)(ボンダインTX8030、住友化学社製)、60.0gのイソプロパノール(以下、IPA)、4.5g(樹脂中の無水マレイン酸のカルボキシル基に対して1.2倍当量)のトリエチルアミン(以下、TEA)、0.06g(0.1質量部)のノニオン性乳化剤(B)たるポリオキシエチレンオレイン酸アミド(エソアマイド0/15、ライオン社製)及び175.44gの蒸留水を仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140〜145℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な接着剤E−1を得た。
(参考例2)
〔接着剤E−2〜E−18の製造〕
まず、酸変性ポリオレフィン樹脂として、ボンダインHX8290(住友化学社製)及びプリマコール5980I(ダウケミカル社製)を準備した。次に、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体の種類、乳化剤の種類とその仕込み量、蒸留水の仕込み量等を表2記載のように変更した以外は、参考例1と同様の方法で接着剤E−2〜E−18を得た。なお、表2中、アニオン性乳化剤として、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム(サンデットAL、三洋化成社製)を使用した。
ここで、上記接着剤E−1〜E−18の製造に使用した酸変性ポリオレフィン樹脂の組成等を表1に示す。また、接着剤E−1〜E−18の組成を表2にまとめた。
(実施例1)
まず、厚み12μmの二軸延伸PETフィルムと、厚み7μmのアルミニウム箔とを二液混合型ポリウレタン系接着剤を介して貼り合わせた
次に、バリア層であるアルミニウム箔面に乾燥後の塗布量が0.5g/mになるように接着剤E−1を塗布し、乾燥することで接着層を形成した。そして、ポリエチレン樹脂を接着層の上に押出ラミネートし、PETフィルム/ポリウレタン系接着剤/バリア層/接着層/シーラント層からなる構成のラミネートフィルム(包装材料)を得た。
(実施例2〜16、比較例1〜6)
接着剤の種類、乾燥後の塗布量を表3記載のように変更した以外は、実施例1と同様の方法でラミネートフィルム(包装材料)を得た。
ラミネートフィルム(包装材料)の評価結果を表3に示す。
実施例1〜16にかかるラミネートフィルム(包装材料)は、刺激性の強い内容物に対し優れた耐内容物性を奏するものであった。また、引き裂き性も良好であり、各種包装袋として好適に使用できるものであった。さらに、使用した接着剤は、非水溶性の溶剤が混入しても分散状態が安定しており、製造現場での取扱い並びに均一な接着層の形成において大いに好ましいものであった。
一方、比較例1においては、アニオン性乳化剤を含む接着剤を使用したため、所望の耐水性が得られず、所望の耐内容物性も得られなかった。比較例2においては、酸変性ポリオレフィン樹脂中にアクリル酸エステルが含まれていなかったため、総じて所望の接着性(ラミネート強度、耐内容物性等)が得られなかった。
比較例3においては、接着剤に含まれる乳化剤の量が本発明の規定範囲に満たなかったため、接着剤に少量の非水溶性溶剤が混入しただけで分散状態が悪化した。一方、比較例4では、乳化剤の含有量が多すぎたため、耐水性に加え接着性(ラミネート強度、耐内容物性等)も低下した。さらに、比較例5、6では、接着層の量が本発明の規定範囲を外れていたため、十分な耐内容物性が得られなかった。

Claims (6)

  1. バリア層、接着層及びシーラント層がこの順に積層されてなる包装材料であって、前記接着層が(メタ)アクリル酸エステル成分を含有する酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とノニオン性乳化剤(B)としてポリオキシエチレン脂肪酸アミドを含有し、(A)と(B)の質量比(A/B)が(A)100質量部に対し(B)が0.1〜5質量部であり、かつ接着層の量が0.001〜5g/mの範囲にあることを特徴とする包装材料。
  2. バリア層がアルミニウムから構成されることを特徴とする請求項1記載の包装材料。
  3. シーラント層がポリオレフィン樹脂から構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の包装材料。
  4. ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン又はポリプロピレンを主成分とする樹脂であることを特徴とする請求項記載の包装材料。
  5. 接着層をバリア層の上に形成した後、接着層の上に溶融したシーラント樹脂を押出ラミネーションにより積層することを特徴とする請求項1記載の包装材料の製造方法。
  6. (メタ)アクリル酸エステル成分を含有する酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とノニオン性乳化剤(B)としてポリオキシエチレン脂肪酸アミドを含有し、(A)と(B)の質量比(A/B)が(A)100質量部に対し(B)が0.1〜5質量部である水性分散体をバリア層の上に塗布し、乾燥することにより接着層を形成することを特徴とする請求項記載の包装材料の製造方法。
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