JP5769689B2 - 包装材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、包装材料とその製造方法とに関するものであり、詳しくは特定内容物に対し優れた耐内容物性を発現する包装材料、並びにその製造方法に関するものである。
従来から包装材料として、アルミニウム箔などのバリア層の上にシーラント層としてポリオレフィン系樹脂フィルムを積層したものが多く使用されている。この場合、シーラント層は、接着層(プライマー、アンカーコートなどとも呼ばれる)を介して積層されるのが一般的である。
しかし、こうした包装材料を用いて、メントールやナフタレンなどの揮発性を有する物質、香り成分や薬効成分を含有している内容物、もしくは固体有機電解質を含有する二次電池などを包装した場合、保存中にそれらの物質や成分がバリア層とシーラント層との間の接着層に作用しバリア層とシーラント層との間の接着強度が経時的に低下したり、両層が剥がれてしまう(デラミ)といった問題があった。
そこで、このような問題を解決するため、特許文献1〜3に、包装材料において内容物に対する耐性(保存中にバリア層とシーラント層との間の接着強度低下を抑制する性能、以下、耐内容物性ということがある)を維持するための技術が提案されている。
特開平11−254595号公報 特開2001−322221号公報 特開2008−127042号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3記載の包装材料は、一般内容物に対しては十分な耐内容物性を発揮するものの、刺激性の強い内容物に対しては十分な耐内容物性を示さず、包装材料の適用範囲が限られる点で改良の余地を残していた。また、同包装材料は、その製造過程で接着層が大きく収縮して反り返ることがあり、品質の点で改良の余地を残していた。
本発明は、上記のような問題点を解決するものであって、一般内容物だけでなく刺激性の強い内容物に対しても優れた耐内容物性を示すと共に形状の反り返りが少ない包装材料と、その包装材料を安定的に低コストで得る方法とを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定組成のポリオレフィン樹脂を特定量用いて接着層を形成すれば、包装材料において上記課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、バリア層、接着層及びシーラント層がこの順に積層されてなる包装材料であって、前記接着層が、酸変性ポリオレフィン樹脂から構成されており、前記酸変性ポリオレフィン樹脂は、オレフィン成分がエチレンであり、(無水)マレイン酸からなる不飽和カルボン酸成分を10質量%を超え、15質量%以下含有し、(メタ)アクリル酸エステル成分を含有し、前記接着層の量が0.01〜5g/mの範囲にあることを特徴とする包装材料を要旨とするものであり、さらに、バリア層に上に接着層を形成した後、その上からシーラント樹脂を押出ラミネーションにより積層する包装材料の製法を好ましい態様として含むものである。
本発明によれば、刺激性の強い内容物に対して優れた耐内容物性を発揮する包装材料が提供できる。このため、内容物の品質を長期にわたり維持することができる。また、本発明の包装材料は、形状の反り返りが少なく平坦な形状をなしていることから、品質がよく、包装材料としての適用範囲が広い。
さらに、本発明の包装材料は、押出ラミネーションを利用して効率的に製造できるため、工程が安定しており、コストの点でも有利である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の包装材料は、バリア層、接着層及びシーラント層がこの順に積層された包装材料である。
まず、本発明における接着層は、不飽和カルボン酸成分を特定量含有する酸変性ポリオレフィン樹脂から構成されている(以下、不飽和カルボン酸成分を特定量含有する酸変性ポリオレフィン樹脂を、単に「酸変性ポリオレフィン樹脂」ということがある)。
酸変性ポリオレフィン樹脂の主成分たるオレフィン成分としては、特に限定されないが、エチレン、プロピレン、イソブチレン、2−ブテン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどの炭素数2〜6のアルケンが接着性の観点から好ましく、これらの混合物を用いてもよい。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテンなどの炭素数2〜4のアルケンがより好ましく、エチレン、プロピレンがさらに好ましく、エチレンが最も好ましい。
また、不飽和カルボン酸成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂の酸変性成分として使用するものである。不飽和カルボン酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、フマル酸、クロトン酸などのほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミドなどがあげられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸がバリア層との接着性の観点から好ましく、特にアクリル酸、(無水)マレイン酸が好ましい。また、不飽和カルボン酸成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などがあげられる。なお、「(無水)〜酸」とは、「〜酸又は無水〜酸」を意味する。すなわち、(無水)マレイン酸とは、マレイン酸又は無水マレイン酸を意味する。
不飽和カルボン酸成分の含有量としては、バリア層とシーラント層との接着性のバランスから、6〜15質量%である必要があり、6〜10質量%が好ましく、6〜9質量%がさらに好ましく、7〜9質量%が特に好ましい。含有量が6質量%未満になると、総じて接着性(ラミネート強度、耐内容物性等)が低下すると共に形状の反り返りが大きくなる。一方、15質量%を超えると、接着性が低下すると共に接着層の耐水性も低下する。
さらに、接着層に用いられる酸変性ポリオレフィン樹脂には、(メタ)アクリル酸エステル成分が含有されていることが好ましい。この成分を含有させることで、バリア層やシーラント層との接着性をより高めることができる。(メタ)アクリル酸エステル成分としては、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物があげられ、中でも入手し易いなどの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。(メタ)アクリル酸エステル成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどがあげられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、入手の容易さと接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。
酸変性ポリオレフィン樹脂における(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量としては、0.1〜25質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、2〜18質量%がさらに好ましく、3〜15質量%が特に好ましい。(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量が0.1質量%未満になると、バリア層やシーラント層との接着性向上にかかる効果が飽和する傾向にある。一方、25質量%を超えると、耐内容物性の向上効果が飽和する傾向にある。
(メタ)アクリル酸エステル成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は特に限定されない。共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などがあげられる。
酸変性ポリオレフィン樹脂の具体例としては、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(無水)マレイン酸共重合体が最も好ましい。上記のように共重合体の形態はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などのいずれでもよいが、入手が容易という点でランダム共重合体、グラフト共重合体が好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、分子量が高くなるにつれ耐内容物性が向上する傾向にある。したがって分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートとしては、30g/10分以下が好ましく、0.001〜20g/10分がさらに好ましく、0.01〜10g/10分が特に好ましい。メルトフローレートが30g/10分を超えると、耐内容物性の向上効果が飽和する傾向にある。一方、メルトフローレートが0.001g/分未満になると、製造条件にもよるが、樹脂を高分子量化するにあたり稀に制約を受けることがある。
本発明では、上記酸変性ポリオレフィン樹脂を固形のまま直に用いて接着層を構成してもよいが、薄く均一な接着層を形成する観点から、水性分散体又は溶剤溶液に加工したうえで用いることが好ましい。中でも水性分散体に加工して用いることが好ましく、環境保全の観点から特に好ましいといえる。
酸変性ポリオレフィン樹脂を水性分散体に加工するにあたっては、自己乳化法や強制乳化法など公知の分散方法を採用すればよい。具体的には、所定量の酸変性ポリオレフィン樹脂と後述する水性媒体とを必要に応じてその他の原料と共に一括して容器へ仕込み、加熱撹拌するなどしてこれらを同時に水性分散化する方法が好適である。
酸変性ポリオレフィン樹脂を水性分散化させる際に用いる水性媒体としては、水又は、水を含む液体からなる媒体が使用でき、必要に応じて水溶性の有機溶媒や分散安定化に寄与する中和剤などが含まれていてもよい。
水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体;さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等があげられる。なお、これら有機溶媒は2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、沸点が140℃以下の揮発性の水溶性有機溶媒を用いることが、接着層を形成する際に残存を少なくするために好ましい。具体的には、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどがあげられる。
分散安定化に寄与する中和剤としては、一般に塩基性化合物が用いられる。塩基性化合物を用いることで、酸変性ポリオレフィン樹脂の不飽和カルボン酸成分が中和され、結果、中和により生成したアニオン間の電気反発力により樹脂の凝集が解かれ、水性分散体にさらなる安定性が付与される。
塩基性化合物としては、アンモニア、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属等があげられる。なお、塩基性化合物は2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、沸点が140℃以下の揮発性の塩基性化合物を用いることが、接着層を形成する際に残存を少なくするために好ましい。具体的には、アンモニア、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどがあげられる。
水性分散体中の樹脂粒子の数平均粒子径としては、500nm以下であることが好ましく、10〜200nmであることがより好ましい。数平均粒子径が500nmを超えると、水性分散体の保存安定性が低下し易いことに加え、接着層の厚みを均一なものにし難い傾向にある。
水性分散体の固形分濃度(不揮発成分濃度)としては、水性分散体100質量部に対し1〜50質量%の範囲にあることが好ましい。
本発明における水性分散体には、本発明の効果を損ねない限りにおいて酸変性ポリオレフィン樹脂以外の樹脂が含有されていてもよい。含有量としては、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対し30質量部以下が好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、変性ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などがあげられる。かかるその他の樹脂の数平均分子量としては、耐内容物性の観点から、10000以上が好ましく、30000以上がより好ましい。
また、水性分散体には、必要に応じて、酸変性ポリオレフィン樹脂を架橋するための架橋剤が含有されていてもよい。架橋剤としては、多価イソシアネート化合物、多価メラミン化合物、尿素化合物、多価エポキシ化合物、多価カルボジイミド化合物、多価オキサゾリン基含有化合物、多価ヒドラジド化合物、多価ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤などがあげられる。
この他、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、粘着付与剤、顔料、染料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、増粘剤、耐候剤、難燃剤などの添加剤も適宜含有されていてもよい。
当該その他の樹脂、架橋剤及び添加剤の含有量は、耐内容物性を考慮して適宜決定すればよいが、具体的には酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対し20質量%以下の範囲で含有されていることが好ましい。そして、当該その他の樹脂、架橋剤及び添加剤は、水性分散体への添加、混合のし易さの観点から、水溶性又は水性分散性のものを用いることが好ましい。
次に、本発明の包装材料を構成する各部材について説明する。
本発明の包装材料は、バリア層、接着層及びシーラント層がこの順に積層されてなる包装材料である。
バリア層としては、液体や気体を遮断できる材料であればどのような材料から構成されていてもよく、具体的には、アルミニウム箔などの軟質金属箔の他、アルミ蒸着、シリカ蒸着、アルミナ蒸着、シリカアルミナ2元蒸着などの蒸着層、さらには塩化ビニリデン系樹脂、変性乳化剤、エチレンビニルアルコール共重合体、MXDナイロンなどからなる有機バリア層などが採用できる。
バリア層として蒸着層を適用する場合には、市販の蒸着フィルムを使用することが簡便である。そのような蒸着層を有するフィルムとしては、例えば、大日本印刷社製の「IBシリーズ」、凸版印刷社製の「GL、GXシリーズ」、東レフィルム加工社製の「バリアロックス」、VM−PET、YM−CPP、VM−OPP、三菱樹脂社製「テックバリア」、東セロ社製「メタライン」、尾池工業社製「MOS」「テトライト」、「ビーブライト」などが例示できる。なお、蒸着層の上には保護コート層を設けてもよい。
また、バリア層として有機バリア層を適用する場合にも、有機バリア層を有するフィルムを使用することが簡便である。この場合、当該フィルムとして、バリア性を有する樹脂を含む塗剤をフィルムにコーティングする方法、前記樹脂を共押し出し法により積層する方法などを採用して別途作製したものを用いてもよいが、市販の有機バリア層を有するフィルムを使用することが簡便であり、好ましい。そのような有機バリア層を有するフィルムとしては、クラレ社製の「クラリスタ」、「エバール」、呉羽化学工業社製の「ベセーラ」、三菱樹脂社製の「スーパーニール」、興人社製の「コーバリア」、ユニチカ社製の「セービックス(登録商標)」、「エンブロンM」、「エンブロンE」、「エンブレムDC」、「エンブレットDC」、「NV」、東セロ社製の「K−OP」、「A−OP」、ダイセル社製の「セネシ」などが例示できる。
本発明では、バリア層として、バリア性の点から、アルミニウム箔の他、アルミニウム、シリカ、アルミナなどの蒸着層が一般に好ましく、特に安価である点から、アルミニウム箔、アルミニウムの蒸着層といったアルミニウムから構成されるものが好ましい。バリア層の厚みとしては、特に限定されないが、例えばアルミニウム箔の場合には、経済的な面から3〜50μmの範囲が好ましい。
バリア層におけるバリア性については、包装する内容物や保存期間などに応じて最適範囲を適宜選択すればよいが、おおむね、水蒸気透過度として、100g/m・day(40℃、90%RH)以下が好ましく、20g/m・day以下がより好ましく、10g/m・day以下がさらに好ましく、1g/m・day以下が特に好ましい。酸素透過度としては、100mL/m・day・MPa(20℃、90%RH)以下が好ましく、20mL/m・day・MPa以下がより好ましく、10mL/m・day・MPa以下がさらに好ましく、1mL/m・day・MPa以下が特に好ましい。
さらに、本発明では、バリア層に他の基材を貼り合わせて用いてもよい。例えば、ポリウレタン系接着剤などを介して、バリア層としてのアルミニウム箔などの軟質金属箔とポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の各種基材とを貼り合わせて用いてもよい。
接着層は、後述するように上記水性分散体を用いて形成することが可能である。
接着層の量としては、接着面の面積に対して、0.01〜5g/mの範囲とすることが必要であり、0.01〜3g/mであることが好ましく、0.02〜2g/mであることがさらに好ましく、0.03〜1g/mであることが特に好ましく、0.05〜1g/mであることが最も好ましい。0.01〜5g/mの範囲を外れると、十分な耐内容物性が得られない。特に0.01g/mを下回ると、接着層としての機能が著しく低下するので、総じて接着性(ラミネート強度、耐内容物性等)が低減し、包装材料の引き裂き性も低減する。一方、5g/mを上回ると、コスト面で不利となる他、包装材料が外力を受けた際、接着層が塊となって挙動し易くなることから、形状の反り返りが大きくなることがあり、同時に耐内容物性も低減することがある。
シーラント層としては、従来から知られたシーラント樹脂が使用できる。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)などポリエチレン、酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体などのポリオレフィン樹脂などがあげられる。中でも低温シール性からポリエチレンが好ましい。
シーラント層の厚みとしては、特に限定されないが、包装材料への加工性やヒートシール性などを考慮して10〜60μmの範囲が好ましく、15〜40μmの範囲がより好ましい。さらに、シーラント層に5〜20μmの凸凹を設けることで、シーラント層に滑り性や包装材料に引き裂き性を付与することも可能である。
本発明において、接着層を形成する方法としては、上記水性分散体をバリア層の少なくとも一方の面に塗布し、水性媒体の一部又は全てを乾燥し塗膜を形成させる方法、剥離紙上に上記水性分散体を塗布し、水性媒体の一部又は全てを乾燥させて一旦塗膜を形成し、後にバリア層の少なくとも一方の面にこれを転写する方法などがあげられる。中でも、環境面や性能面、接着層の量の調整し易さなどの点から、当該水性分散体を、バリア層の少なくとも一方の面に塗布して水性媒体の一部又は全てを乾燥させる方法が好ましい。
水性分散体の塗布方法としては、公知の方法が採用できる。例えば、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法などによりバリア層表面に上記水性分散体を均一にコーティングし、必要に応じて室温付近でセッティングする。その後、乾燥処理又は乾燥のための加熱処理に供することにより、水性媒体の一部又は全てを乾燥し、均一な塗膜すなわち接着層をバリア層表面に密着させて形成することができる。乾燥の際は、水性媒体の全てを乾燥させることが、接着性や耐内容物性を良好にする観点から好ましい。
本発明において、接着層上にシーラント層を積層する方法としては、特に限定されないが、例えば、接着層とシーラント樹脂フィルムとを熱によってラミネートする方法(熱ラミネート、ドライラミネート)、シーラント樹脂を溶融させて接着層上に押出し、冷却固化させて積層する方法(押出ラミネーション法)などがあげられる。中でも、接着層を薄くできること、耐内容物性を向上させ易いことなどの点から、押出ラミネーション法が好ましい。押出しの際のシーラント樹脂の溶融温度としては、接着性や耐内容物性を良好にする観点から、200〜400℃の範囲が好ましく、250〜350℃の範囲がより好ましく、280〜330℃の範囲がさらに好ましい。また、押出しの際の溶融シーラント樹脂に対し、接着性や耐内容物性を向上させること、ライン速度を向上させること等を目的に、樹脂表面をオゾン処理等してもよい。
本発明では、バリア層の少なくとも一方の面に水性分散体を塗布、乾燥して接着層を形成し、次いで接着層の上にインラインでシーラント樹脂を溶融押出(押出ラミネート)することによってシーラント層を積層する方法が簡便であり、かつ耐内容物性がより向上することから、特に好ましいといえる。
本発明の包装材料は、通常、バリア層を外側、シーラント層を内側(内容物側)として使用される。また、包装材料としての用途、必要な性能(易引裂性やハンドカット性)、包装材料として要求される剛性や耐久性(例えば、耐衝撃性や耐ピンホール性など)などを考慮した場合、必要に応じてバリア層の外側又は内側に他の層を積層することもできる。通常は、バリア層の外側に基材層、紙層、第2のシーラント層、不職布層などを伴って使用される。他の層を積層する方法としては、公知の方法が採用できる。例えば、他の層との層間に接着剤層を設けてドライラミネート法、熱ラミネート法、ヒートシール法、押出ラミネート法などにより積層すればよい。接着剤層を構成するための接着剤としては、1液タイプのウレタン系接着剤、2液タイプのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤などが使用可能である。無論、かかる接着剤として本発明における水性分散体を用いてもよい。
他の層を伴った包装材料の具体的な構成としては、基材層/バリア層/接着層/シーラント層なる構成のものが、一般的な包装材料、蓋材、詰め替え容器などに好適である。また、シーラント層/紙層/バリア層/接着層/シーラント層、シーラント層/紙層/ポリオレフィン樹脂層/基材層/バリア層/接着層/シーラント層、紙層/バリア層/接着層/シーラント層、基材層/紙層/バリア層/基材層/接着層/シーラント層なる構成のものが、それぞれ紙容器、紙カップなどに好適である。さらに、シーラント層/バリア層/接着層/シーラント層なる構成のものが、チューブ容器などに好適である。これら包装材料には必要に応じて、印刷層やトップコート層などが設けられていてもよい。
基材層としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)などのポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、6−ナイロン、ポリ−p−キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)などのポリアミド樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリアクリルニトリル樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルムの他、これらの複層体(例えば、ナイロン6/MXD/ナイロン6、ナイロン6/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体などが用いられ、機械的強度や寸法安定性を有するものが好ましい。特に、これらの中で二軸方向に任意に延伸されたフィルムが好ましく用いられる。
また、紙層としては、紙や合成紙などがあげられる。
基材層及び紙層には、公知の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、易接着コート剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などが含まれていてもよく、他の材料と積層する場合の密着性を向上させるために、前処理としてその表面をコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理などしてもよい。なお、これらの前処理は、必要に応じて接着層、シーラント層に対しても施してよい。
基材層及び紙層の厚みとしては、包装材料としての適性、積層する場合の加工性等を考慮して適宜決定すればよく、特に制限されないが、実用的には1〜300μmの範囲で、用途によっては300μm以上のものを使用してもよい。
本発明の包装材料の使用態様としては、三方シール袋、四方シール袋、ガセット包装袋、ピロー包装袋、ゲーベルトップ型の有底容器、テトラクラッシク、ブリュックタイプ、チューブ容器、紙カップ(胴部と底部のブランク板を各々作製し、該ブランク板をカップ成形機で筒状の胴部となし、該胴部の一方の開口端に底部を成形、熱接着してなる紙カップ容器など)、蓋材など種々のものがあげられる。この他、最内層のシーラント層にポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂製チャックを取り付けて、チャック付き包装袋とすることもできる。この場合、上記水性分散体を接着剤に用いてチャックを取り付けてもよい。また、目的に応じて深絞り成形して用いてもよい。
本発明の包装材料は様々な内容物に対して良好な耐性を有し、特に、揮発性を有する内容物や刺激性の強い内容物の包装材料として好適であり、中でも香り成分、香辛料成分、薬効成分を有する製品の包装材料として最適である。具体的には、アルコール(例えば50質量%以上の高濃度アルコール)、アルコール飲料、酸化防止剤、亜硫酸塩、芳香剤、香料、入浴剤(液体タイプ、粉末タイプ)、香辛料(チョウジ、唐辛子)、湿布剤、貼付剤、医薬品、電池電解液、トイレタリー製品、界面活性剤、シャンプー、リンス、洗剤、車用洗浄剤、パーマ液、防虫剤、殺虫剤、消毒液、消臭剤、育毛剤、食酢、歯磨き剤、化粧品、現像液、毛染め剤、歯磨き粉、マスタード、食酢、油、カレー、粉末キムチの素、タバスコ(キダチトウガラシを原料とした香辛料、登録商標)、塩基性又は酸性の物質を含んだ物の包装材料に好適である。
バリア性を有する包装材料において、層間の接着強度が低下する原因については、詳細不明であるが、バリア層によって遮蔽された内容物の揮発成分がバリア層と接着層の界面付近に蓄積し、これにより接着層が膨潤、溶解などの劣化を起すためと推察される。本発明の包装材料には、特定組成の接着層が形成されているため、当該劣化が軽減され、結果として良好な耐内容物性が奏されると推察される。
以下に実施例によって本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1.水性分散体の特性
(1)酸変性ポリオレフィン樹脂の構成
H−NMR分析装置(日本電子社製、ECA500、500MHz)より求めた。テトラクロロエタン(d)を溶媒とし、120℃で測定した。
(2)酸変性ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)
JIS K7210:1999記載の方法に準じて、190℃、2160g荷重で測定した。
(3)酸変性ポリオレフィン樹脂粒子の数平均粒子径
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340)を用い、数平均粒子径(nm)を求めた。なお、樹脂の屈折率は1.5とした。
2.接着層の特性
(1)接着層の量(乾燥後の塗布量)
包装材料を得る過程で測定した。まず、予め面積及び質量を計測したバリア層に酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体を所定量塗布し、100℃で2分間乾燥した。得られた積層体の質量を測定し、塗布前のバリア層の質量を差し引くことで塗布量を求めた。塗布量と塗布面積から単位面積当りの層量(g/m)を計算した。
(2)耐水性
まず、ポリテトラフルオロエチレン製シートの上に水性分散体を塗布し、120℃で5時間乾燥して、厚み100〜120μmの樹脂層(接着層)を形成した。次に、得られた樹脂層をポリテトラフルオロエチレン製シートから剥がし、樹脂層を40℃で3日間水に浸漬した。その後、樹脂層を取り出して水分を拭き取り、このときの樹脂層の状態を目視にて下記4段階で評価した。
◎:全く変化なし
○:微かに白化がある
△:白化がある
×:少なくとも一部に接着層の溶解がある
3.包装材料の特性
(1)ラミネートフィルム(包装材料)の反り
作製直後から1時間、20℃、65%RHの環境下に放置した後のラミネートフィルムの形状を、目視にて下記3段階で評価した。
○:ほとんど反りがない
△:反りが一部認められる
×:大きな反りがある
(2)ラミネート強度(耐内容物試験前)
ラミネートフィルム(包装材料)から幅15mmの試験片を採取し、引張り試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、Tピール法により試験片の端部からバリア層とシーラント層との界面を剥離して強度を測定した。測定は20℃、65%RHの雰囲気中、引張速度200mm/分で行った。なお、ラミネート強度が高い場合には、測定時にシーラントフィルムに伸び、切れなどが発生して剥離が不可能となることがあるが、このような現象はラミネート状態として最も好ましい。
(3)耐内容物試験
10cm角のラミネートフィルム(包装材料)を2枚用い、ラミネートフィルムのシーラント層を内側とし、内容物としてタバスコ(登録商標)1gを染み込ませた脱脂綿を使用し、シール幅10mmで四方をヒートシールすることでこれを密封した。そしてこの状態を50℃で2週間保持した。他方、内容物としてタバスコに代えてトルエン1gを使用し、同様に密封、保持した。その後、密封した各包装材料を開封し、前記(2)と同様にして、ラミネートフィルム(包装材料)から試験片を採取して、ラミネート強度を測定した。
(4)引き裂き性
タバスコを使用した耐内容物試験後の袋を開封する際、切り目を入れて手で引き裂いた場合の状況を目視で評価した。
○:引き裂き性良好でありフィルム間の剥離なし
×:引き裂き性不良でありフィルム間の剥離あり
(製造例1)
〔水性分散体E−1の製造〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの酸変性ポリオレフィン樹脂(エチレン/アクリル酸エチル/無水マレイン酸=85質量%/6質量%/9質量%、MFR:10g/10分)、90.0gのイソプロパノール、3.0gのトリエチルアミン及び147.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140〜145℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な水性分散体E−1を得た。
(製造例2)
〔水性分散体E−2の製造〕
酸変性ポリオレフィン樹脂として、エチレン/アクリル酸エチル/無水マレイン酸の成分含有比が80質量%/6質量%/14質量%であってMFRが25g/10分である酸変性ポリオレフィン樹脂を用いた以外は、製造例1と同様の方法で、乳白色の均一な水性分散体E−2を得た。
(製造例3)
〔水性分散体E−3の製造〕
酸変性ポリオレフィン樹脂として、エチレン/アクリル酸エチル/無水マレイン酸の成分含有比が82質量%/12質量%/6質量%であってMFRが5g/10分である酸変性ポリオレフィン樹脂を用いた以外は、製造例1と同様の方法で、乳白色の均一な水性分散体E−3を得た。
(製造例4)
〔水性分散体E−4の製造〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの酸変性ポリオレフィン樹脂(エチレン/アクリル酸=80質量%/20質量%、MFR:30g/10分)、16.8gのトリエチルアミン及び223.2gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そしてこれ以降は、製造例1と同様の方法で、微白濁の均一な水性分散体E−4を得た。
(製造例5)
〔水性分散体E−5の製造〕
酸変性ポリオレフィン樹脂として、エチレン/アクリル酸エチル/アクリル酸の成分含有比が85質量%/12質量%/3質量%であってMFRが27g/10分である酸変性ポリオレフィン樹脂を用いた以外は、製造例1と同様の方法で、乳白色の均一な水性分散体E−5を得た。
(製造例6)
〔樹脂水性分散体E−6の製造〕
酸変性ポリオレフィン樹脂として、エチレン/アクリル酸エチル/無水マレイン酸の成分含有比が74質量%/6質量%/20質量%であってMFRが60g/10分である酸変性ポリオレフィン樹脂を用いた以外は、製造例1と同様の方法で、乳白色の均一な水性分散体E−6を得た。
参考例1)
まず、厚み12μmの二軸延伸PETフィルムと、厚み7μmのアルミニウム箔とを二液混合型ポリウレタン系接着剤を介して貼り合わせた。
次に、バリア層であるアルミニウム箔面に乾燥後の塗布量が0.5g/mになるように水性分散体E−1を塗布し、120℃で120秒間乾燥することで接着層を形成した。そして、ポリエチレン樹脂を接着層の上に押出ラミネートし、PETフィルム/ポリウレタン系接着剤/バリア層/接着層/シーラント層からなる構成のラミネートフィルム(包装材料)を得た。なお、シーラント層の厚みは30μmであった。
(実施例1〜4、参考例2〜10、比較例1〜5)
水性分散体の種類、乾燥後の塗布量を表1記載のように変更した以外は、参考例1と同様の方法でラミネートフィルム(包装材料)を得た。
水性分散体、接着層及びラミネートフィルム(包装材料)の評価結果を表1に示す。
Figure 0005769689
実施例1〜4、参考例1〜10にかかるラミネートフィルム(包装材料)は、刺激性の強い内容物に対し優れた耐内容物性を奏するものであった。また、反りも少なく、引き裂き性も良好であり、各種包装袋として好適に使用できるものであった。さらに、製造工程が安定しており、コストの点でも有利であった。
一方、比較例1にかかるラミネートフィルムは、酸変性ポリオレフィン樹脂に含まれる不飽和カルボン酸成分の量が少なすぎたため、耐内容物性に劣り、形状の反り返りが大きいものであった。他方、不飽和カルボン酸成分の含有量が多すぎた比較例2では、接着層の耐水性が劣っており、また、不飽和カルボン酸成分の含有量が多すぎたことと、MFRが高すぎたこととが要因となり、耐内容物性に劣る結果となった。
比較例3では、比較例2と同様の理由から、耐内容物性に劣り、接着層の耐水性も劣る結果となった。さらに、比較例3における酸変性ポリオレフィン樹脂には(メタ)アクリル酸エステル成分が含まれていなかったため、これが含まれていた比較例2と比べ、総じて接着性(ラミネート強度、耐内容物性等)に劣る結果となった。
比較例4では、接着層の量が少なすぎたため、接着性に劣る結果となった。同時に引き裂き性も劣っていた。他方、接着層の量が多すぎた比較例5では、所望の耐内容物性が得られず、反り返りも大きいものであった。

Claims (6)

  1. バリア層、接着層及びシーラント層がこの順に積層されてなる包装材料であって、前記接着層が、酸変性ポリオレフィン樹脂から構成されており、前記酸変性ポリオレフィン樹脂は、オレフィン成分がエチレンであり、(無水)マレイン酸からなる不飽和カルボン酸成分を10質量%を超え、15質量%以下含有し、(メタ)アクリル酸エステル成分を含有し、前記接着層の量が0.01〜5g/mの範囲にあることを特徴とする包装材料。
  2. 前記酸変性ポリオレフィン樹脂の190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが30g/10分以下であることを特徴とする請求項1記載の包装材料。
  3. 前記バリア層がアルミニウムから構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の包装材料。
  4. 前記シーラント層がポリオレフィン樹脂から構成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の包装材料。
  5. 前記シーラント層のポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン又はポリプロピレンを主成分とすることを特徴とする請求項4記載の包装材料。
  6. バリア層の上に接着層を形成した後、接着層の上に溶融したシーラント樹脂を押出ラミネーションにより積層することを特徴とする請求項1記載の包装材料の製造方法。
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