JP2018016370A - アルコール含有物用包装袋 - Google Patents

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祐也 高杉
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弘 松嵜
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Abstract

【課題】耐アルコール性、ヒートシール性に優れ、開封の際手切れ性に優れたアルコール含有物用包装袋を提供する。
【解決手段】基材層、接着層、バリア層、アンカーコート層、ポリオレフィン系樹脂層を順に積層した積層体で形成され、バリア層は、アルミニウム箔、又はアルミニウム酸化物、珪素酸化物の蒸着フィルムで、アンカーコート層は、不飽和カルボン酸又はその無水物及びアクリル酸エステルを含み、特定の融点及びメルトフローレートを有するポリオレフィン共重合樹脂を数平均粒子径が1μm以下に分散した不揮発性水性化助剤を含まない水性分散液をバリア層面に乾燥時の厚みが0.1〜2μmに塗布、加熱乾燥で形成し、ポリオレフィン系樹脂層は、アンカーコート層面にポリオレフィン系樹脂を押出しコートするか、ポリオレフィン系樹脂フィルムを同様のポリオレフィン系樹脂をで押出しラミネートして形成することを特徴とするアルコール含有物用包装袋。
【選択図】図1

Description

本発明は、医薬品、化粧品、化成品、食品等の内容物に含有される有機化合物等の成分、特に高濃度のアルコールに対し高い耐性を有することから、高い層間接着強度を長期にわたり保持し、且つ、ヒートシール性に優れたシーラント層を有する、耐アルコール性に優れた包装材料、及び、それを用いた包装容器、すなわち、アルコール含有物用包装袋等に関する発明である。
従来、アルコール含有物を密封包装する包装袋として、例えば、基材層、バリア層、シーラント層等を、それぞれ接着層を介して積層した積層体を、ヒートシールして作製した包装袋が使用されていた。
しかしながら、包装される内容物が、例えば50質量%以上の高濃度アルコールである場合は、長期保存中に、アルコール成分が積層体に浸透し、特にバリア層とシーラント層の間の接着層を侵す結果、シーラント層がバリア層から剥離(デラミネーション)して包装袋が破損するという問題があった。
バリア層にシーラント層を積層する方法として、一般的には、バリア層面に接着層としてアンカーコート層を設け、その上にシーラント層の樹脂を押し出してコートとして積層する方法、あるいはバリア層面に予めフィルム上に製膜したシーラント層のフィルムを、二液硬化型ポリウレタン系接着剤等のドライラミネート用接着剤を用いて、ドライラミネート法で貼り合せて積層する方法が用いられている。
そして、上記アンカーコート層に用いるアンカーコート剤(AC剤)として、有機チタン系AC剤、イソシアネート系AC剤(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系AC剤、ポリブタジエン系AC剤等のAC剤が市販されている。
しかしながら、これらはいずれも内容物が高濃度のアルコールである場合は、その耐アルコール性が不足し、前記内容物を密封包装した包装材料の保存性の試験、例えば、加速試験として、温度が60℃で一ヶ月程度の保存試験を行うと、バリア層がシーラント層から剥離するという問題があった。
また、バリア層に、シーラント層を前記ドライラミネート法で貼り合せる場合も同様に、前記ドライラミネート用接着剤の耐アルコール性が不足して、前記保存試験によるとシーラント層がバリア層から剥離するという問題があった。
また、前記AC剤やドライラミネート用接着剤は、一部のものを除いて、その塗布液に有機溶剤を使用しており、塗布の際に有機溶剤を排出して環境に悪影響を及ぼす問題もあった。
そして、これらに関連した技術としては、以下のものが知られている。
例えば、尿素結合を含むポリウレタン接着剤層およびシーラントフィルムで積層されたフィルムにより、強浸透性物質、酸性物質、アルカリ性物質、香料、油、界面活性剤、高沸点有機溶剤を含有する物質を収納する包装袋が知られている。
すなわち、インクジェット装置用インク袋や食品、洗剤、家庭用品および健康・医療関連製品等の可撓性包装袋に関する発明であって、収納する内容物が、アルコール類、浴用剤や湿布薬等強い浸透力をもつ揮発性成分を含む強浸透性物質等を含有する場合であっても、上記袋を構成しているプラスチック積層フィルムの接着剤層の接着強度を低下させることなく、デラミネーションを引き起こさない内容物の保存性に優れた可撓性包装袋を提供することを目的とし、基材フィルムと、添加剤が無添加のポリエチレンフィルムよりな
るシーラントフィルムを、尿素結合を含むポリウレタン接着剤層を介してラミネートした積層フィルムにより、可撓性包装袋を得る発明が知られている(特許文献1参照)。
また、アンカーコート層が、イソシアネート基を2つ以上有する化合物を85質量%以上含有するアンカーコート剤で構成されている包材により、アルコールを充填しても内容物のラミネート強度が低下しない積層体が知られている。
すなわち、ガスバリア性等に優れるアルミニウム箔層を有する積層体であって、特に、各種包装材料として用い、アルコール等の揮発性物質を含む強浸透性物質を包装したとしても、当初の優れたラミネート強度を維持し続け、各層間のラミネート強度が低下しないようにした積層体の提供を目的とし、そのために、アルミニウム箔層の少なくとも一方の面には熱水変性処理により熱水変性処理層が形成されていて、この熱水変性処理層上には、アンカーコート層と接着性樹脂層とアンカーコート層とプラスチック基材層とがこの相対的順序で少なくとも積層されていると共に、アンカーコート層がイソシアネート基を2つ以上有する化合物を85質量%以上含有するアンカーコート剤で構成し積層体とする発明が知られている(特許文献2参照)。
さらに、基材シートの少なくとも内容物側に、ヒートシール性の樹脂層を積層した容器用積層体において、内容物側の最内層のヒートシール性樹脂層の基材シート側に直接接着して珪素酸化物蒸着層が設けられている容器用積層体が知られている。
しかしながら、これらの技術においても、耐アルコール性やヒートシール性において、充分満足できるものではなかった。
さらにまた、バリア層にシーラント層の樹脂を押し出しコートして積層する積層体において、バリア層面にアンカーコート層を設けずに、バリア層としてアルミニウム箔を使用すると共に、アルミニウム箔等の金属に優れた接着性を示すとされるエチレン−メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA樹脂)をシーラント層の樹脂として使用し、それを直接アルミニウム箔面に押し出しコートして得られる積層体が知られている。
しかしながら、EMAA樹脂は、ポリエチレン等の樹脂に比べて高価であり、また、シール性に劣り、さらに、包装袋を開封する際の引き裂き性、即ち、手切れ性がよくないという問題があった。
特開2013−95454号公報 特開2009−172824号公報
本発明は、上記の問題点を解決して、耐アルコール性に優れ、且つ、ヒートシール性に優れ、また、袋を開封する際の手切れ性に優れたアルコール含有物用包装袋を提供することを課題とする。
本発明者は、種々研究の結果、少なくとも、基材層、接着層、アルミニウム箔等のバリア層、アンカーコート層、ポリオレフィン系樹脂層をこの順に積層してなる積層体で形成された包装袋であって、該アンカーコート層は、不飽和カルボン酸又はその無水物と(メタ)アクリル酸エステルとを含むポリオレフィン共重合樹脂を含む特定の水性分散液を、バリア層上に塗布し乾燥させてなる層であることを特徴とする包装袋が、上記の目的を達成することを見出した。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.アルコール濃度が50質量%以上の液体、又は該液体の含浸物を包装する包装袋であって、該包装袋が、少なくとも基材層、接着層、バリア層、アンカーコート層、ポリオレフィン系樹脂層をこの順に積層してなる積層体で形成され、
前記バリア層は、アルミニウム箔、又はアルミニウム酸化物もしくは珪素酸化物を基材フィルムに蒸着してなる蒸着フィルムであり、
前記アンカーコート層は、ポリオレフィン共重合樹脂をその数平均粒子径が1μm以下となるように分散した水性分散液であって、且つその水性分散液中には不揮発性水性化助剤を含まないように形成された水性分散液を、前記バリア層面に乾燥時の厚みが0.1〜2μmとなるように塗布し、加熱乾燥して形成され、アルコールに対する遮断性を向上させるものであり、
該ポリオレフィン共重合樹脂は、不飽和カルボン酸又はその無水物を0.01〜5質量%含み、且つ、(メタ)アクリル酸エステルを1〜20質量%含み、融点が90〜110℃であり、メルトフローレート(MFR)が1〜10g/10分であり、
また、前記ポリオレフィン系樹脂層は、前記アンカーコート層面にポリオレフィン系樹脂を押し出しコートする方法、又はポリオレフィン系樹脂フィルムを同様のポリオレフィン系樹脂を用いて押し出しラミネートする方法で形成されていることを特徴とする、アルコール含有物用包装袋。
2.前記基材層が二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、バリア層がアルミニウム箔であり、ポリオレフィン系樹脂層が低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンからなる層であることを特徴とする、上記1に記載のアルコール含有物用包装袋。
以上のとおり、本発明の包装袋は、基材層、接着層、バリア層、アンカーコート層、ポリオレフィン系樹脂層をこの順に積層してなるアルコール含有物用積層体をヒートシールすることにより形成し、前記アンカーコート層は、特定のポリオレフィン共重合樹脂をその数平均粒子径が1μm以下となるように分散した水性分散液を用いて形成するものである。
そして、該特定のポリオレフィン共重合樹脂は、不飽和カルボン酸又はその無水物を0.01〜5質量%の範囲で含み、且つ、(メタ)アクリル酸エステルを1〜20質量%の範囲で含み、且つ、融点が90〜110℃であり、MFRが1〜10g/10分であり、また、その水性分散液中には不揮発性水性化助剤を実質的に含まないように形成し、望ましくは、前記バリア層面に乾燥時の厚みが0.1〜2μmとなるように塗布、加熱乾燥して形成することを特徴とする発明である。
また、前記バリア層は、アルミニウム箔、又はアルミニウム酸化物もしくは珪素酸化物を基材フィルムに蒸着してなる蒸着フィルムであり、前記ポリオレフィン系樹脂層は、前記アンカーコート層面にポリオレフィン系樹脂を押し出しコートする方法、またはポリオレフィン系樹脂フィルムを同様のポリオレフィン系樹脂を用いて押し出しラミネートする方法で形成されることを特徴とする、アルコール含有物用包装袋である。
本発明のアルコール含有物用包装袋のアンカーコート層は、上記のとおりの特定のポリオレフィン共重合樹脂を含むが、不揮発性水性化助剤を含まない水性分散液であって、該ポリオレフィン共重合樹脂をその数平均粒子径が1μm以下となるように水性溶媒中に分散させてなる水性分散液を、アルミニウム箔等のバリア層上に塗布し乾燥させて硬化させてなる層である。
そのため、ピンホール等の欠陥のない均一なアンカーコート層が形成され、医薬品、化
粧品、食品等の内容物に含有されるアルコールに対する耐性が向上し、強アルコール成分の内容物の長期保存を行っても、安定したラミネート強度や、シール強度を維持することができる。
また、バリア層が、アルミニウム箔であっても、アルミニウム酸化物もしくは珪素酸化物を蒸着した蒸着フィルムであっても、高い層間接着強度を示し、さらには、優れた初期接着性を示し、製造工程において意図しない剥離が生じるのを防ぐことができる。また、ポリオレフィン系樹脂層(シーラント層)は、アンカーコート層面に強固に熱接着されるため、優れた層間接着強度を示す。
さらに、本発明の包装袋は、製造時の有機溶剤の排出量を低減することができ、また、開封時の手切れ性に優れる。
本発明のアルコール含有物用包装袋に使用する積層体の層構成について一例を示す概略的断面図である。 本発明のアルコール含有物用包装袋に使用する積層体の層構成について一例を示す概略的断面図である。
(1)アルコール含有物用包装袋及びそれに使用する積層体の構成
本発明のアルコール含有物用包装袋は、包装袋の製造に用いる積層体の構成に特徴を有するものであり、例えば、図1に示すような構成の積層体を袋状にヒートシールして製造することができる。従って、袋自体の形式は、特に限定はされず、例えば、三方シール形式や四方シール形式の袋、或いは、ピロー形式の袋等の平袋のほか、スタンディングパウチ等の自立袋、更にはガセット袋等いずれの形式の袋でもよい。
また、本発明のアルコール含有物用包装袋に密封包装される内容物は、先にも記載したように、アルコール濃度が50質量%以上の液体、又はその液体の含浸物であるが、そのアルコール自体については、特に限定はされず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、各種異性体を含むプロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール等の一価アルコールのほか、エチレングリコール、ポリメチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール等いずれであってもよい。
図1は、本発明のアルコール含有物用包装袋に使用する積層体の基本構成を示す概略的断面図である。
図1に示した積層体10は、図において上側から、基材層1、接着層2、バリア層3、アンカーコート層4、ポリオレフィン系樹脂層5が順に積層されて構成されている。
この積層体10を用いてアルコール含有物用包装袋を製造する際には、ポリオレフィン系樹脂層5をシーラント層として使用するもので、ポリオレフィン系樹脂層5が袋の内面側になるように向けて積層体10を配置し、ヒートシールして製袋するものである。この点は、次の図2に示す積層体20においても同様である。
図2に示した積層体20は、その積層構成自体は、前記図1に示した積層体10と同様に、図において上側から、基材層1、接着層2、バリア層3、アンカーコート層4、ポリオレフィン系樹脂層5が順に積層された構成であるが、図1に示した積層体10と異なる点は、積層体20を用いてアルコール含有物用包装袋を製造する際に、袋の内面側となるポリオレフィン系樹脂層5の表面全体に、高さが数μm〜20μmの凹凸6が設けられていることである。
次に本発明のアルコール含有物用包装袋を構成する各層について具体的に説明する。
(2)基材層
本発明のアルコール含有物用包装袋を構成する基材層は、包装材としての強度を確保できるフィルムやシートであればよい。
このようなフィルムやシートとしては、具体的には、紙、アルミニウム箔ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、延伸ポリプロピレン、Kコート延伸ポリプロピレン、環状ポリオレフィン系樹脂、Kコート延伸ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、低結晶性の飽和ポリエステルまたは非晶性のポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン樹脂、ポリエチレンテトラフルオロエチレン樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等を用いることができる。
本発明においては、上記の樹脂の中でも、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシートを使用することが好ましく、特に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等の二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等、特に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。
本発明において、基材フィルムの厚さは、成形性や透明性の観点から、好ましくは0.1〜300μmであり、より好ましくは1〜100μmの範囲である。基材は接着層側にコロナ、オゾン、フレーム処理などの濡れ性を向上させる処理をすることが好ましい。
(3)接着層
前記基材層とバリア層との間の接着層は、基材層とバリア層とを貼り合わせる方法によって異なり、両者をドライラミネーション法で貼り合わせることが接着強度を強くでき、引き裂き性も向上できる点で好ましいが、その場合は接着層として、例えば、ドライラミネート用の二液硬化型ポリウレタン系接着剤等を使用することができる。
また、基材層とバリア層とを押し出しラミネート法で貼り合わせることも可能であり、その場合は接着層として、ポリオレフィン系の熱接着性樹脂、例えば、低密度ポリエチレンのほか、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー等の単体、又はこれらにハードレジン等の接着性向上剤をブレンドした樹脂等を使用することができる。
(4)バリア層
バリア層としては、アルミニウム箔、又はアルミニウム酸化物若しくは珪素酸化物を二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等の蒸着基材フィルムに蒸着した蒸着フィルムを使用する。前記蒸着フィルムを使用する場合、蒸着層の厚みは150〜2000Åの範囲が適当である。
蒸着基材フィルムとしては、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミド系樹脂フィルム等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらのバリアフィルムは、酸素及び水蒸気に対して高いガスバリア性を示すだけでなく、内容物となる高濃度アルコールに対して、隣接するアンカーコート層と相俟って、高い不透過性を発揮する。
従来、これらのバリアフィルムは、シーラント層とのラミネートにおいて十分な層間接
着強度が得られず、内容物から滲出したアルコールが、シーラント層に浸透し、バリアフィルムとシーラント層との間の界面を侵す結果、層間剥離が起きることが知られていた。また、シーラント層とのラミネート時に、十分な初期接着強度が得られず、製造途中で、意図しない剥離やずれが発生するという問題があった。
これに対し、本願発明の特定の水性分散液からなるアンカーコート層を組み合わせることにより、上記の問題が解決され、高い層間接着強度及び初期接着強度が達成される。
通常、バリア層の厚さは、好ましくは0.01〜500μmであり、より好ましくは1〜300μmの範囲である。
(5)アンカーコート層
本発明において、アンカーコート層は、アルミニウム箔等からなるバリア層と、ポリオレフィン系樹脂層からなるシーラント層とを強固に接着するためのものである。
本発明のアンカーコート層は、特定のポリオレフィン共重合樹脂を含むが、ただし不揮発性水性化助剤を含まない水性分散液であって、該ポリオレフィン共重合樹脂を、その数平均粒子径が1μm以下、例えば50〜200nmとなるように水性溶媒中に分散させてなる水性分散液を、前記バリア層上に0.1〜2μm塗布し、加熱乾燥させてなる層であることを特徴とする。
ここで、該ポリオレフィン共重合樹脂は、ポリオレフィン系樹脂と、不飽和カルボン酸又はその無水物及び(メタ)アクリル酸エステルとが共重合したものであって、共重合樹脂中における不飽和カルボン酸又はその無水物の割合は、0.01〜5質量%であり、(メタ)アクリル酸エステルの割合は、1〜20質量%である。このような共重合としては、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)等が挙げられ、好ましくはグラフト共重合が挙げられる。
また、ポリオレフィン共重合樹脂の融点は、90〜110℃であり、そのMFRは1〜10g/10分である。
そして、上記アンカーコート層が、アルミニウム箔等からなるバリア層とポリオレフィン系樹脂層等からなるシーラント層との間で、両層とそれぞれ強く反応して結合するように作用することから、3層は強固に接着することができる。
また、本発明においては、ポリオレフィン共重合樹脂をその数平均粒子径が1μm以下となるように水性溶媒中に分散させたことから、耐アルコール性が向上して、アルミニウム箔や蒸着フィルム等のバリアフィルム、及び、ポリオレフィン系樹脂からなるシーラント層との接着力が増し、これにより内容物を長期保存した場合も、安定したラミネート強度やシール強度を維持することができる。
一方、数平均粒子径が1μmより大きな粒子を用いた場合は、接着強度が十分なものとならないことから耐アルコール性が向上しない。
さらに、不飽和カルボン酸又はその無水物を、0.01〜5質量%含み、且つ、(メタ)アクリル酸を1〜20質量%含むポリオレフィン共重合樹脂とした理由は、不飽和カルボン酸量が0.01質量%より低い場合は、基材との十分な接着強度が発揮されず、接着強度が低いことから、十分な耐アルコール性を確保することが出来ない。また、不飽和カルボン酸量が5質量%より高い場合は、接着強度は十分発揮されるもののアルコールに対する相溶性が上がり、十分な耐アルコール性を確保することが出来ない。
また、(メタ)アクリル酸量が1質量%より低い場合は、ラミネート時に、アルミニウム箔等との十分な初期密着が得られず、製造途中で意図しない剥離やずれが発生し得る。逆に、(メタ)アクリル酸量が20質量%より高い場合は、耐アルコール性が低下する。
またさらに、ポリオレフィン共重合樹脂の融点が90〜110℃であることにより、アンカーコート層のアルコールに対する防御率が一層高まる。融点が90℃より低い場合は、樹脂の密度が小さいために遮蔽効果が低く、耐アルコール性が低下する。逆に、融点が
110℃より高いと、ポリオレフィン系樹脂層を押し出しコートで積層する際に、十分な密着性が得られないため、やはりアルコールの浸透を十分に防ぐことができない。
なお、本願明細書において、ポリオレフィン共重合樹脂の融点は、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度である。
また、ポリオレフィン共重合樹脂のMFRが1〜10g/10分であることにより、積層体の製造時に良好な加工適性が得られ、バリア層及びポリオレフィン系樹脂層との高い密着性が得られる。MFRが1g/10分より小さいと、ポリオレフィン系樹脂層を押し出しコートで積層する際に、十分な密着性が得られない。逆に、10g/10分より大きいと、塗工時に膜厚ムラが発生し、均質な表面が形成できず、やはり十分な密着性が得られない。
なお、本願明細書において、MFRとは、JIS K7210に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。
本発明のアンカーコート層に用いるポリオレフィン共重合樹脂は、酸変性されたポリオレフィン樹脂である。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン等のポリエチレン、及び、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられるが、後述のポリオレフィン系樹脂層と高い接着性が得られることから、ポリエチレンを特に好ましく使用することができる。
不飽和カルボン酸成分としては、不飽和カルボン酸や、その無水物が挙げられ、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。
本発明のアンカーコート層に用いる(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数が1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。ポリオレフィン樹脂の変性において、(メタ)アクリル酸エステルは1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、「アクリル酸エステル」または「メタアクリル酸エステル」を意味する。
本発明のアンカーコート層は、乾燥時の厚みが0.1〜2μmとなるように薄く塗布することにより、バリア層やポリオレフィン系樹脂層との接着性に優れるものなる。
アンカーコート層の乾燥時の厚みを0.1〜2μmとした理由は、厚みが0.1μmより薄い場合、溶融押し出ししたポリオレフィン系樹脂と十分な密着強度を得ることが出来ない。また、厚みが2μmより厚い場合は、ドライラミネート接着剤と同等の塗布量となるため、コストアップとなり実際の生産に使用することはできないという問題がある。
また、乳化剤等の不揮発性水性化助剤は、乾燥後も塗膜中に残存し、たとえ少量であっても接着界面に大きな影響を与え、接着性や耐水性を低下させるが、上記のアンカーコート層にあっては、水性分散体の製造工程において水性化促進や水性分散体の安定化の目的で乳化剤等の不揮発性水性化助剤は添加されていない。このため、層間剥離が起こることなく、バリア層との接着性に優れると共にポリオレフィン系樹脂層との接着性にも優れる
ものとすることができる。
アンカーコート層の形成に使用する上記水性分散液の塗布量は、0.1g/m2以下、より好ましくは、0.05〜0.1g/m2である。これは通常の接着剤の使用量と比較して1/10以下であり、しかも、前記水性分散体中に含まれる低分子量の微量成分は、ポリオレフィン系樹脂層をほとんど通過しないことから、水性分散体に含まれる微量成分は、内容物中に漏出せず、内容物の劣化を防止することができる。
(6)ポリオレフィン系樹脂層
シーラント層として機能するポリオレフィン系樹脂層は、熱によって溶融し相互に融着し得る各種のシーラント性を有するポリオレフィン系樹脂を使用することができる。
本発明において好適に使用されるポリオレフィン系樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の1種ないしそれ以上からなる樹脂を挙げることができるが、シール性、耐アルコール性及びアンカーコート層との接着性等の理由から、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンが特に好ましく使用される。
また、ポリオレフィン系樹脂層の厚みは特に限定されないが、好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜250μmである。5μmより薄いと、ヒートシールしても充分なラミネート強度が得られず、包装袋として機能しない。500μmより厚いと、コスト高になるとともに、フィルムが硬くなり作業性が悪くなる。
本発明においては、特に、ポリオレフィン系樹脂を溶融押し出ししてアンカーコート層上に該樹脂層を設けることが望ましく、これにより、高い層間接着強度が達成される。
また、本発明のポリオレフィン系樹脂層には、適宜、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、架橋剤、着色剤等の添加剤の1種ないし2種以上を添加してもよい。
ポリオレフィン系樹脂層は、同様のポリオレフィン系樹脂、例えば低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等を接着層として用いて、上記アンカーコート層上に押し出しラミネートする方法で形成してもよい。このような接着層の厚みは、0.1〜200μmであることが好ましく、より好ましくは1〜100μmである。
上記範囲以下の膜厚では容易に押し出すことが困難であり、かつ接着力が発揮されない。上記範囲以上の膜厚では、接着強度などの問題は解決されるが過剰に樹脂を使用することによるコストの上昇をまねく。
本発明の接着層としては、押し出し適性、接着性の点から低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
また、図2に示した積層体20のようにポリオレフィン系樹脂層の表面全体に高さが数μm〜20μmの凹凸を設けることもできる。この構成により、手切れ性を一層高めることができる。
このような凹凸を設けるには、ポリオレフィン系樹脂層の積層を押し出しコート法で行い、その際に使用する冷却ロールに、高さが数μm〜20μmの凹凸の賦型が可能な凹凸を設けた冷却ロールを使用することにより、生産性よく表面に高さが数μm〜20μmの凹凸を設けたポリオレフィン系樹脂層を積層することができる。
只、押し出しラミネート法でも、ポリオレフィン系樹脂層の表面全体に高さが数μm〜20μmの凹凸を設けることは可能であるが、その場合は、押し出しラミネートで貼り合わせるポリオレフィン系樹脂フィルムの表面に予め前記凹凸を形成しておくか、またはポ
リオレフィン系樹脂フィルムをそれと同様なポリオレフィン系樹脂を用いて押し出しラミネート法で貼り合わせた後、熱エンボスなどの方法でポリオレフィン系樹脂フィルム面に前記凹凸を設ける必要があり、その分、積層体の製造工程が増すため、生産性が低下し経済性の面で不利である。
前記ポリオレフィン系樹脂層の表面全体に設ける高さが数μm〜20μmの凹凸は、積層体で作製された包装袋に充填、密封された内容物を取り出す際に、袋を手で引き裂いて開封する時の手切れ性を向上させるために設けるものであり、そのためには、前記凹凸は、例えば、四角錐台形状、ピラミッド形などの小さな凸部が碁盤目状などに密に配列され、その凹部が袋の引き裂き方向に直線状につながる形状、または細長い畝状の凸部が密に配列され、その凹部が引き裂き方向に一致するように形成された形状の凹凸であることが一層好ましい。
また、凹凸の高さは、ポリオレフィン系樹脂層の厚みによっても異なるが、数μm〜20μmの高さが好ましく、10μm〜20μmの高さが更に好ましい。
凹凸の高さが数μm、例えば、7〜8μmより小さい場合は手切れ性の向上効果を得にくくなり、また、凹凸の高さが20μmを超える場合はヒートシール部の均一性が損なわれ易くなるため好ましくない。
(7)印刷層
本発明においては、包装材料を構成するいずれかの層間に所望の印刷模様層を形成することができる。上記の印刷模様層としては、例えば、基材層の上に、通常のグラビアインキ組成物、オフセットインキ組成物、凸版インキ組成物、スクリーンインキ組成物等のインキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、シルクスクリーン印刷方式等の印刷方式を使用し、例えば、文字、図形、絵柄、記号等からなる所望の印刷絵柄を形成することにより構成することができる。
印刷層は、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を表刷り印刷しても、あるいは、基材層として透明なプラスチック基材等を使用する場合には、プラスチック基材に裏刷り印刷してもよい。
次に本発明について、実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤をコートし、330℃で溶融押し出しした低密度ポリエチレンを介して、厚さ7μmのアルミニウム箔をラミネートした。
次いで、アルミニウム箔の非ラミネート面に、アンカーコート層として、無水マレイン酸2質量%及びアクリル酸エチル18質量%を含有するポリエチレン共重合樹脂(融点105℃、MFR1〜7g/10分)を水中に分散させた水性分散液(分散樹脂の数平均粒子径0.6μm、乳化剤不使用)を使用し、これを乾燥時の厚みが0.5μmとなるように塗布し、加熱乾燥してアンカーコート層を形成した。
次いで、このアンカーコート層の上に、低密度ポリエチレンを押し出し温度330℃で厚み25μmに押し出して、押し出しラミネート法によりポリオレフィン系樹脂層(シーラント層)を積層し、本発明の包装袋を形成するアルコール含有物用積層体を製造した。
次いで、この積層体2枚をシーラント層が対向するように重ね合せ、縦170mm、横130mmの長方形となるように4方シール形式でヒートシールし、本発明のアルコール含有物用包装袋を作製した。
(実施例2)
アンカーコート層を形成する水性分散液として、無水マレイン酸3質量%及びアクリル酸エチレン12質量%を含有するポリエチレン共重合樹脂(融点95℃、MFR2〜9g/10分)を水中に分散させた水性分散液(分散樹脂の数平均粒子径0.6μm、乳化剤不使用)を使用し、また、ポリオレフィン系樹脂層(シーラント層)を形成する樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレンを使用して厚み25μmに押し出した以外は、実施例1と同様にして、本発明のアルコール含有物用包装袋を作製した。
(比較例1)
アンカーコート層を介してポリオレフィン系樹脂層を押し出しラミネート法により積層する代わりに、アルミニウム箔の非ラミネート面に、ドライラミネート用二液硬化型ポリウレタン系接着剤を乾燥時の塗布量が3.0g/m2となるように塗布し、次いで、厚み70μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネート法により積層した以外は、実施例1と同様にして、積層体及び包装袋を作製した。
(比較例2)
アンカーコート層として、ウレタン系アンカーコート剤(A3210/A3075 三井化学(株)製)を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体及び包装袋を作製した。
(比較例3)
アンカーコート層を介してポリオレフィン系樹脂層を積層する代わりに、アルミニウム箔の非ラミネート面に、EMAAを、押し出し温度295℃で厚み25μmに押し出しした以外は、実施例1と同様にして、積層体及び包装袋を作製した。
(比較例4)
アンカーコート層を形成する水性分散液として、融点80℃のポリエチレン共重合樹脂を分散させた水性分散液を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体及び包装袋を作製した。
(比較例5)
アンカーコート層を形成する水性分散液として、融点120℃のポリエチレン共重合樹脂を分散させた水性分散液を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体及び包装袋を作製した。
(比較例6)
アンカーコート層を形成する水性分散液として、MFR0.8g/10分のポリエチレン共重合樹脂を分散させた水性分散液を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体及び包装袋を作製した。
(比較例7)
アンカーコート層を形成する水性分散液として、MFR15g/10分のポリエチレン共重合樹脂を分散させた水性分散液を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体及び包装袋を作製した。
(比較例8)
アンカーコート層を形成する水性分散液として、アクリル酸エステル量が0.5質量%であるポリエチレン共重合樹脂を分散させた水性分散液を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体及び包装袋を作製した。
(比較例9)
アンカーコート層を形成する水性分散液として、アクリル酸エステル量が25質量%であるポリエチレン共重合樹脂を分散させた水性分散液を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体及び包装袋を作製した。
(比較例10)
アンカーコート層を形成する水性分散液として、無水マレイン酸量が0質量%であるポリエチレン共重合樹脂を分散させた水性分散液を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体及び包装袋を作製した。
(比較例11)
アンカーコート層を形成する水性分散液として、無水マレイン酸量が10質量%であるポリエチレン共重合樹脂を分散させた水性分散液を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体及び包装袋を作製した。
(評価試験)
(1)耐アルコール性及び初期密着性の試験方法
実施例1〜2及び比較例1〜11の各包装袋について、初期密着性(アルミニウム箔とシーラント層とのラミネート強度)を測定した。次いで、下記の試験条件で内容物の保存試験を行い、試験後の包装袋の層間剥離、特にシーラント層の剥離の有無を調べた。また、シーラント層が剥離していない場合は、アルミニウム箔とシーラント層とのラミネート強度を調べた。
試験条件1:各包装袋に内容物としてエチルアルコール80質量%水溶液を200ml充填し、脱気シールにより密封した後、60℃で1ヶ月間の保存試験を行った。
試験条件2:各包装袋に内容物としてエチルアルコール80質量%水溶液を含浸させた脱脂綿を十分な量に充填し、脱気シールにより密封した後、60℃で1ヶ月間の保存試験を行った。
尚、シーラント層のラミネート強度は、JIS K 6854に従って、引張試験装置(テンシロン)を用いて引張速度50mm/分、90度方向、試料幅15mmで測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2018016370
(2)開封時の手切れ性の試験方法
上記の耐アルコール性試験において保存試験を行った後の、実施例1〜2及び比較例3の各包装袋について、包装袋上部の一方の側部のヒートシール部にノッチを設け、そのノッチを始点として袋の上部を横方向に手で引き裂き、その引裂き時の引き裂き抵抗の大きさ、引き裂き方向の直線性、引き裂かれた引き裂端にシーラント層の剥がれが発生しているか否かを統合的に調べ、下記の基準で手切れ性を評価した。
<手切れ性の評価基準>
優れる:引き裂き抵抗が小さく、引き裂き方向が略直線状で、引き裂き端にシーラント層の剥がれが殆ど発生していないもの
良好:引き裂き抵抗が中程度で、引き裂き方向に大きな曲りがなく、引き裂き端のシーラント層の剥がれが僅かなもの。
劣る:引き裂き抵抗がやや大きく、引き裂き方向に曲がりがあり、引き裂き端のシーラント層の剥がれがやや多いもの
結果を表2に示す。
Figure 2018016370
(評価結果)
表1に示されたとおり、実施例1及び2の包装袋は、60℃で1ヶ月間、各種条件下で保存した後も、優れたラミネート強度を維持しており、高濃度のアルコールに対して優れた耐性を示すものであった。また、表2に示されたとおり、包装袋として使用するのに十分に良好な手切れ性を有するものであった。
これに対し、比較例1〜2、9、11の包装袋は、アルコール保存試験前は十分に高いラミネート強度を示したものの、保存試験後には大幅に低下し、シーラント層が剥離した。
比較例3〜5の包装袋は、剥離はしないものの、ラミネート強度が小さいか、あるいは保存試験後に大幅に低下した。さらに、比較例3の包装袋は、手切れ性に劣るものであった。
比較例6の包装袋は、シーラント層を積層する際に十分な密着性が得られず、耐アルコール性に劣るものであった。比較例7の包装袋は、ラミネート時にアンカーコート剤が流れ、十分な密着性が得られなかった。
比較例8、10の包装袋は、初期密着性に劣り、十分なラミネート強度が得られなかった。
1…基材層
2…接着層
3…バリア層
4…アンカーコート層
5…ポリオレフィン系樹脂層
6…高さが数μm〜20μmの凹凸
10、20…積層体

Claims (2)

  1. アルコール濃度が50質量%以上の液体、又は該液体の含浸物を包装する包装袋であって、該包装袋が、少なくとも基材層、接着層、バリア層、アンカーコート層、ポリオレフィン系樹脂層をこの順に積層してなる積層体で形成され、
    前記バリア層は、アルミニウム箔、又はアルミニウム酸化物もしくは珪素酸化物を基材フィルムに蒸着してなる蒸着フィルムであり、
    前記アンカーコート層は、ポリオレフィン共重合樹脂をその数平均粒子径が1μm以下となるように分散した水性分散液であって、且つその水性分散液中には不揮発性水性化助剤を含まないように形成された水性分散液を、前記バリア層面に乾燥時の厚みが0.1〜2μmとなるように塗布し、加熱乾燥して形成され、アルコールに対する遮断性を向上させるものであり、
    該ポリオレフィン共重合樹脂は、不飽和カルボン酸又はその無水物を0.01〜5質量%含み、且つ、(メタ)アクリル酸エステルを1〜20質量%含み、融点が90〜110℃であり、メルトフローレートが1〜10g/10分であり、
    また、前記ポリオレフィン系樹脂層は、前記アンカーコート層面にポリオレフィン系樹脂を押し出しコートする方法、又はポリオレフィン系樹脂フィルムを同様のポリオレフィン系樹脂を用いて押し出しラミネートする方法で形成されていることを特徴とする、アルコール含有物用包装袋。
  2. 前記基材層が二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、バリア層がアルミニウム箔であり、ポリオレフィン系樹脂層が低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンからなる層であることを特徴とする、請求項1に記載のアルコール含有物用包装袋。
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