JP2008230199A - 包装材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温ヒートシールが可能であり様々な内容物に対しての優れた耐性を有する包装材料を提供する。
【解決手段】バリア層、シーラント層、好ましくは、基材、バリア層、シーラント層がこの順に積層されてなる包装材料であって、前記シーラント層として190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが20g/分以下である酸変性ポリオレフィン樹脂であって、シーラント層の厚みが1〜10μmの範囲であることを特徴とする包装材料。また、前記包装材料の製造方法であって、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが20g/分以下である酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体をバリア層上に塗布し、乾燥することを特徴とする包装材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、包装材料に関するものであり、特に、低温のヒートシール性、耐内容物性に優れた包装材料に関するものである。
一般的に使用される包装材料は、基材に接着剤層または厚さ15μm以上のポリエチレン樹脂層を介しガスバリア層を積層し、さらにその上にシーラント層としてポリオレフィン系樹脂フィルムを積層した構成のものが多く使用されている。この包装材料を用いた袋に揮発性を有するメントールやナフタレン、その他香り成分や薬効成分を含有している内容物を包装した場合、それらの成分が最内層のシーラント層のフィルムに吸着されてしまうことが多い。これらの吸着を防ぐ為にシーラント層のフィルムを薄肉化する方法やポリエステル系フィルムを使用する方法、あるいはシーラント層としてヒートシール剤を全面コートあるいはパートコートする方法が検討されてきた。
しかしながら、前記シーラントフィルムを薄肉化する方法は、フィルムの製膜技術の限界により、最低の厚みが15μm程度となってしまうことが現状であり、ポリエステル系フィルムは現状コストが高く、また耐内容物性に関しても能力不足であった。また、シーラント層としてヒートシール剤を塗布する場合、ヒートシール剤として用いる樹脂の耐内容物性に問題があり、メントールやナフタレンなどの揮発性を有する物質や、香り成分や薬効成分を含有している内容物や、固体有機電解質を含有する二次電池等を包装した場合、保存中にそれらの物質や成分がシーラント層を膨潤化したり、溶解させたりするため、接着強度が経時的に低下したり、両層が剥がれてしまう(デラミ)といった問題があった。これらの問題を解決するために特許文献1に示すように、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂分散液を塗布することによる改善が行われてきたが、低温でのヒートシール性は改善の余地があった。さらに無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂は融点が高く、乾燥温度も高くする必要があり、基材がダメージを受けるといった問題があった。
特開2002−355925号公報
本発明は、上記のような問題に対して、様々な内容物に対して耐性が改良された包装材料を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、シーラント層として特定組成のポリオレフィン樹脂を用いることにより得られた包装材料において、低温でのヒートシール性が良好であり、耐内容物性が著しく向上することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、第一に、バリア層およびシーラント層、好ましくは、基材、バリア層およびシーラント層がこの順に積層されてなる包装材料であって、前記接着層として、その厚みが1〜10μmの範囲であり、樹脂として190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが20g/分以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を用いたことを特徴とする包装材料であり、第二に、前記包装材料の製造方法であって、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが20g/分以下である酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体をバリア層上に塗布し、乾燥することを特徴とする包装材料の製造方法である。
本発明の包装材料は、低温ヒートシール性に優れており、しかも様々な内容物に対する優れた耐性を有しており、長期間保存しても接着強度の低下が小さい。そのため、内容物を長期間にわたり、液体や気体から遮蔽することができ、内容物の商品価値を損なわない。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の包装材料は、バリア層、シーラント層からなり、バリア層の上面にさらに基材層を設けて、基材層、バリア層、シーラント層がこの順に積層された構成としてもよい。
バリア層としては、アルミニウム箔などの軟質金属箔や、アルミ蒸着、シリカ蒸着、アルミナ蒸着、シリカアルミナ2元蒸着などの蒸着層が挙げられる。また、塩化ビニリデン系樹脂、変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、MXDナイロンなどからなる有機バリア層を例示することができる。
蒸着層を積層するには、市販の蒸着フィルムを使用することが簡便であり、そのような蒸着層を有するフィルムとしては、例えば、大日本印刷社製の「IBシリーズ」、凸版印刷社製の「GL、GXシリーズ」、東レフィルム加工社製の「バリアロックス」、VM−PET、YM−CPP、VM−OPP、三菱樹脂社製「テックバリア」、東セロ社製「メタライン」、尾池工業社製「MOS」「テトライト」、「ビーブライト」などを例示することができる。蒸着層の上には保護コート層を有していてもよい。
有機バリア層を積層するためには、バリア性を有する樹脂を含む塗剤をフィルムにコーティングする方法、前記樹脂を共押し出し法により積層する方法などがあるが、これも市販の有機バリア層を有するフィルムを使用する方法が簡便である。そのような有機バリア層を有するフィルムとしては、クラレ社製の「クラリスタ」、「エバール」、呉羽化学工業社製の「ベセーラ」、三菱樹脂社製の「スーパーニール」、興人社製の「コーバリア」、ユニチカ社製の「セービックス」、「エンブロンM」、「エンブロンE」、「エンブレムDC」、「エンブレットDC」、「NV」、東セロ社製の「K−OP」、「A−OP」、ダイセル社製の「セネシ」などが例示できる。
バリア層のバリア性は、包装する内容物や保存期間など用途によって適宜選択するが、おおむね、水蒸気透過度として、100g/m・day(40℃、90%RH)以下が好ましく、20g/m・day以下がより好ましく、10g/m・day以下がさらに好ましく、1g/m・day以下が特に好ましい。酸素透過度としては、100ml/m・day・MPa(20℃、90%RH)以下が好ましく、20ml/m・day・MPa以下がより好ましく、10ml/m・day・MPa以下がさらに好ましく、1ml/m・day・MPa以下が特に好ましい。
バリア層としては、バリア性の点から、アルミニウム箔、アルミニウム、シリカ、アルミナ等の蒸着層が好ましく、安価である点からアルミニウム箔がより好ましい。アルミニウム箔の厚みは特に限定されないが、経済的な面から3〜50μmの範囲が好ましい。
本発明の包装材料において、シーラント層の厚みは1〜10μmの範囲とする必要があり、1〜8μmであることが好ましく、2〜7μmであることがより好ましく、2〜6μmであることが特に好ましい。1μm未満では十分なヒートシール性(接着性)が得られず、10μmを超える場合は経済的に不利であるばかりか、内容物の吸着量が増加することが懸念される。
シーラント層に用いる酸変性ポリオレフィン樹脂に関しては、分子量が高い方が耐内容物性は良好である。従って分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートは、20g/分以下である必要があり、0.01〜20g/10分が好ましく、0.1〜10g/10分が特に好ましい。メルトフローレートが20g/分を超える場合は耐内容物性が低下する傾向にあり、0.1g/分未満の場合は樹脂を高分子量化する際の製造面に制約を受ける。
酸変性ポリオレフィン樹脂の融点は、低温ヒートシール性の点から、150℃以下が好ましく、50〜140℃がより好ましく、耐ブロッキング性を考慮した場合、70〜140℃がさらに好ましく、80〜140℃が特に好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂の主成分であるオレフィン成分は特に限定されないが、エチレン、プロピレン、イソブチレン、2−ブテン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが好ましく、これらの混合物を用いてもよい。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のアルケンがより好ましく、エチレン、プロピレンがさらに好ましく、エチレンが最も好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸成分により酸変性されたものである。不飽和カルボン酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また、不飽和カルボン酸成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などが挙げられる。
不飽和カルボン酸成分の含有量は、バリア層とシーラント層との接着性のバランスから、0.01〜15質量%が好ましく、0.1〜12質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましく、1〜4質量%が特に好ましい。含有量が0.01質量未満の場合はアルミニウム箔等のバリア層との十分な接着性が得られない場合がある。また、15質量%を超える場合はシーラント層の耐水性や耐内容物性が低下したりする場合がある。
シーラント層に用いられる酸変性ポリオレフィン樹脂は、バリア層との接着性が良好になる点から、(メタ)アクリル酸エステル成分を含有していることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル成分としては、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられ、中でも入手のし易さの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。(メタ)アクリル酸エステル成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、入手の容易さと接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。(なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。)
酸変性ポリオレフィン樹脂における(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量は、接着性が向上する点から、0.1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることが特に好ましい。(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量が0.1質量%未満の場合はアルミニウム箔との接着性が低下する傾向にあり、20質量%を超える場合は耐内容物性が低下する傾向がある。また、(メタ)アクリル酸エステル成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)等が挙げられる。
シーラント層には、酸変性ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を少量(20質量%以下)含有していてもよい。その他の樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、変性ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらその他の樹脂の数平均分子量は耐内容物性の点から、1万以上が好ましく、3万以上がより好ましい。
シーラント層は、酸変性ポリオレフィン樹脂を架橋するための架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、イソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、アジリジン化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が挙げられる。これらの含有量は耐内容物性を考慮し、適宜、決めればよい。
シーラント層には、必要に応じて、ブロッキング防止剤、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の各種薬剤や、酸化スズ、コロイダルシリカなどの無機化合物を添加してもよい。
本発明において、シーラント層を設ける方法は特に限定されないが、例えば、酸変性ポリオレフィン樹脂を溶解または分散させて塗工剤とし、これをバリア層に塗布して媒体を乾燥させる方法、剥離紙上に酸変性ポリオレフィン樹脂を溶解または分散させた塗工剤を塗布して媒体を乾燥させた樹脂層をバリア層上に転写する方法、Tダイにより酸変性ポリオレフィン樹脂をバリア層上に溶融押出する方法等が挙げられる。中でも、環境面や性能面の点から、酸変性ポリオレフィン樹脂を水性媒体中に溶解または分散させた水性分散体を塗工剤としてバリア層に塗布して媒体を乾燥させる方法が、シーラント層となる酸変性ポリオレフィン樹脂の量を調整しやすく、特に、厚みを薄く制御し易い点から好ましい。
上記のような方法に適した酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体としては、例えば、国際公開02/055598号パンフレットに記載されたものが挙げられる。
水性分散体を用いる場合、その塗布方法としては、公知の方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等が挙げられ、これらの方法により基材表面に均一にコーティングし、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥処理又は乾燥のための加熱処理に供することにより、均一な接着層をバリア層表面に密着させて形成することができる。
水性分散体を用いる場合、耐内容物性を低下させないために、乳化剤あるいは保護コロイド作用を有する化合物の使用はできるだけ少量にとどめることが好ましく、使用しないことが最も好ましい。
本発明の包装材料は、通常、バリア層を外側、シーラント層を内側(内容物側)として使用される。包装材料の用途、或いは包装材料として要求される剛性や耐久性などを考慮した場合、バリア層の上面にさらに基材を積層することが好ましい。特に、バリア層とシーラント層との積層化工程においては、バリア層は前記基材との積層体として工程に供されるのが一般的である。基材としては熱可塑性樹脂フィルム、合成紙、紙等を挙げることができる。基材層の厚さは特に制限されないが、包装材料としての適性、他の層と積層する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜300μmの範囲で、用途によって5〜30μmがより好ましい。
基材に用いる熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)などのポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、6−ナイロン、ポリ−p−キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)等のポリアミド樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリアクリルニトリル樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、これらの複層体(例えば、ナイロン6/MXD/ナイロン6、ナイロン6/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体等が挙げられ、機械的強度や寸法安定性を有するものがよい。特に、これらの中で二軸方向に任意に延伸されたフィルムが好ましく用いられる。また、前記熱可塑性樹脂フィルムが公知の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などを含んでいてもよく、その他の材料と積層する場合の密着性を良くするために、フィルムの表面に、前処理としてコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理等を施しておいてもよい。
これらのフィルムには前述したバリア層を設けてもよい。また、易接着コーティング、帯電防止コーティングなどの各種コーティングを施されていてもよい。
基材層とバリア層の間、またはバリア層とシーラント層の間に、耐衝撃性や耐ピンホール性などの特性をさらに高める目的でポリアミドフィルムやポリオレフィンフィルムなどの層を積層したり、易引裂性やハンドカット性を向上させる目的で易引裂性やハンドカット性を有するフィルムを積層してもよい。
アルミニウム箔バリア層と熱可塑性樹脂フィルム、合成紙、紙等基材層を積層する方法は特に限定されないが、例えば、水酸基やカルボキシル基を有する主剤とイソシアネート化合物とを混合した二液混合型接着剤のような、公知の接着剤を用いることができる。各種基材に蒸着層を設ける場合は公知の方法で行うことができる。また、基材に有機バリア層を設ける場合も公知の方法で行うことができる。
本発明の包装材料を製袋する時の形態は、三方シール袋、四方シール袋、ガセット包装袋、ピロー包装袋など種々あり、最内層のシーラント層にポリプロピレン樹脂製チャックを設けて、チャック付き包装袋とすることもできる。
本発明の包装材料は様々な内容物に対して良好な耐性を有していることから、特に、揮発性を有する内容物の包装材料として好適であり、中でも香り成分、香辛料成分、薬効成分を有する製品の包装材料として最適である。具体的には、芳香剤、香料、入浴剤、香辛料、湿布剤、医薬品、二次電池、トイレタリー製品、界面活性剤、シャンプー、リンス、洗剤、防虫剤、殺虫剤、消臭剤、育毛剤、食酢、歯磨き剤、化粧品の包装材料に好適に使用される。
バリア性の包装材料において層間の接着強度が低下する原因の詳細は不明であるが、内容物の揮発成分がバリア層に遮蔽され、バリア層とシーラント層の界面付近に蓄積されることによりシーラント層が膨潤、溶解等の劣化を起すためと考られる。本発明の包装材料のような特定組成のシーラント層を用いることにより、その劣化が軽減され、結果として良好な耐内容物性が得られたものと推定される。
以下に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(1)酸変性ポリオレフィン樹脂の酸成分の含有量
ポリオレフィン樹脂0.5gを50mlのトルエン/エタノール=10/1(体積比)に溶解し、メタノール性KOHで滴定を行い、中和に消費されたKOHのmg数からポリオレフィン樹脂中の酸性基量を求めた。
(2)酸変性ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)
JIS 6730記載(190℃、2160g荷重)の方法で測定した。
(3)酸変性ポリオレフィン樹脂の融点
ポリオレフィン樹脂10mgをサンプルとし、DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製 DSC7)を用いて昇温速度10℃/分の条件で測定を行って融点を求めた。
(4)ヒートシール強度(耐内容物試験前)
実施例で得られた積層体を120℃または150℃でヒートシールした。幅15mmの試験片を採取し、引張り試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、Tピール法により試験片の端部からバリア層とシーラント層の界面を剥離して強度を測定した。測定は20℃、65%RHの雰囲気中、引張速度200mm/分で行った。
(5)耐内容物試験
10cm角の積層体を2枚用い、積層体のシーラント層を内側とし、内容物として、酢酸1gを染み込ませた脱脂綿を入れ、シール幅10mmで四方を150℃でヒートシールして密封し、これを40℃で2週間保存した。内容物の酢酸1gに代えて、L−メントール1g、リモネン1gとしたものについても、それぞれ同様に密封、保存した。その後、密封した各包装材を開封し、前記(4)と同様にして、包装材から試験片を採取して、ヒートシール強度を測定した。
(6)引き裂き性
L−メントールの耐内容物試験後の袋を開封する際、切り目を入れて手で引き裂いた場合の状況を目視で評価した。
○:引き裂き性良好でありフィルム間の剥離なし
×:引き裂き性不良でありフィルム間の剥離あり
実施例、比較例で用いたフィルムのガスバリア性能は下記のとおりである。
・アルミニウム蒸着フィルム(東セロ社製メタラインML−PET)
酸素透過度 :10ml/m・day・MPa(JIS K7126)
水蒸気透過度:1g/m・day(JIS Z0208)
・シリカ蒸着フィルム(三菱樹脂社製テックバリアVX)
酸素透過度 :5ml/m・day・MPa(25℃、90%RH)
水蒸気透過度:0.5g/m・day(40℃、90%)
・アルミナ蒸着フィルム(凸版社製GL−AE)
酸素透過度 :5ml/m・day・MPa(30℃、70%RH)
水蒸気透過度:0.6g/m・day(40℃、90%RH)
・バリアフィルム(ユニチカ社製エンブレットDC KPT)
酸素透過度 :95ml/m・day・MPa(20℃、65%RH)
水蒸気透過度:13g/m・day(40℃、90%RH)
参考例1
〔酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の製造〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの酸変性ポリオレフィン樹脂(アルケマ社製ボンダインLX−4110、無水マレイン酸共重合ポリエチレン樹脂)、90.0gのイソプロパノール、3.0gのトリエチルアミンおよび147.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1(固形分濃度は20質量%)を得た。
参考例2
〔酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2の製造〕
酸変性ポリオレフィン樹脂としてボンダインTX−8030(アルケマ社製)を用い、水性分散体E−1の製造と同様の操作を行って酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2(固形分濃度は20質量%)を得た。
参考例3
〔酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3の製造〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの酸変性ポリオレフィン樹脂(三井・デュポンケミカル社製ニュクレルN1525、エチレン−メタクリル酸共重合体)、90.0gのイソプロパノール、12.0gのトリエチルアミンおよび138.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに3時間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3(固形分濃度は20質量%)を得た。
水性分散体E−1〜E−3の製造に使用した酸変性ポリオレフィン樹脂の組成を表1に示した。
実施例1
厚さ12μmの二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(ユニチカ社製「エンブレットPET−12」)を使用し、グラビアコート機を用いてポリエステル樹脂フィルムのコロナ処理面に二液硬化型のポリウレタン系接着剤(東洋モートン社製)を乾燥後の塗布量が5g/m2 になるように塗布、乾燥し、この接着層上にバリア層として厚さ7μmのアルミニウム箔を貼り合わせ、バリア性基材を得た。次いで、このバリア性基材のアルミニウム箔面に酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の10%希釈液を乾燥後の塗膜厚みが5μm となるように塗布し、乾燥させシーラント層を形成させて積層体を得た。
実施例2、3
実施例1において、形成するシーラント層の厚みを2μm(実施例2)、8μm(実施例3)とした以外は実施例1と同様の操作で積層体を得た。
実施例4
実施例1において、E−1に代えてE−2を用いた以外は実施例1と同様の操作で積層体を得た。
比較例1
実施例1において、形成するシーラント層の厚みを0.5μmとした以外は実施例1と同様の操作で積層体を得た。
比較例2
実施例1において、E−1に変えてE−3を用いた以外は実施例1と同様の操作で積層体を得た。
比較例3
実施例1において、接着層として、酸変性ポリオレフィン樹脂に代えてポリウレタン樹脂を用いた。すなわち、実施例1と同様の操作を、E−1に代えてポリウレタン樹脂水性分散体(旭電化社製、アデカボンタイターHUX380)を用いて行い積層体を得た。
実施例1〜4および比較例1〜3で得られた各積層体からなる包装材料について、耐内容物試験の前後においてヒートシール強度、引き裂き性を測定した。結果を表2に示す。
実施例5
アルミニウム蒸着フィルム(東セロ社製メタラインML−PET)のバリア層面(蒸着面)に酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2を乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布し、乾燥させシーラント層を形成させ、積層体を得た。
実施例6
実施例5においてアルミ蒸着フィルムに変えてシリカ蒸着フィルム(三菱樹脂社製テックバリアVX)を用いた以外は同様の操作で積層体を得た。
実施例7
実施例5においてアルミ蒸着フィルムに変えてアルミナ蒸着フィルム(凸版印刷社製GL−AE)を用いた以外は同様の操作で積層体を得た。
実施例8
実施例5においてアルミ蒸着フィルムに変えて有機バリア層を形成させたバリアフィルム(ユニチカ社製エンブレットDC KPT)を用いた以外は同様の操作で積層体を得た。
実施例5〜8で得られた各積層体からなる包装材料について、耐内容物試験の前後においてヒートシール強度、引き裂き性を測定した。結果を表3に示す。
実施例1〜8のように、特定組成の酸変性ポリオレフィン樹脂を特定厚みで積層した積層体から得られる包装材料は、低温でのヒートシール性が良好であった。しかも各種内容物に対して良好な耐性を示した。
一方、シーラント層の厚みが本発明で規定する範囲を下回った場合は、ヒートシール強度は大きく低下した(比較例1)。また、構成が本発明の範囲外の樹脂を用いた場合は、耐内容物性が大きく低下した(比較例2、3)。

Claims (7)

  1. バリア層およびシーラント層を積層してなる包装材料であって、前記シーラント層が、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが20g/分以下である酸変性ポリオレフィン樹脂からなり、かつ前記シーラント層の厚みが1〜10μmの範囲であることを特徴とする包装材料。
  2. 請求項1記載の包装材料において、バリア層の上面にさらに基材層を設けてなる包装材料。
  3. シーラント層における酸変性ポリオレフィン樹脂の融点が150℃以下であることを特徴とする請求項1または2記載の包装材料。
  4. シーラント層の酸変性ポリオレフィン樹脂がポリエチレンを主成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の包装材料。
  5. シーラント層の酸変性ポリオレフィン樹脂が(メタ)アクリル酸エステル成分を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の包装材料。
  6. バリア層がアルミニウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の包装材料。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載の包装材料の製造方法であって、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが20g/分以下である酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体をバリア層上に塗布し、乾燥することを特徴とする包装材料の製造方法。
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