JP2017036366A - 包装材料用接着剤および包装材料 - Google Patents
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Description
上記のようなシーラント層を有する包装材料を作製する方法として、主に、熱可塑性樹脂フィルムとシーラント樹脂フィルムとを、接着層(接着層のことを一般にアンカーコート層、プライマー層などと呼ぶこともある)を介してラミネートする、ドライラミネート法や、熱可塑性樹脂フィルムの上に接着層を設け、さらにその接着層の上に溶融したシーラント樹脂を押出し、冷却固化させてシーラント層を積層する、押出しラミネート法が一般に採用されている。中でも、接着層を薄くしても良好な接着性が確保できることや、シーラント樹脂フィルムを使用せずに、原料樹脂の押出しによりシーラント層が形成できて低コストであることから、押出しラミネート法が特に好ましいとされている。
また、液体洗剤などの詰め替え容器として使用されているスタンディングパウチなどの包装材料の作製には、通常の包装材料用接着剤より強い接着力が求められている。そして、液体洗剤を内容物とする包装材料においては、ポリアミドフィルムとシーラント層との間の接着強度が経時的に低下するのを防ぐ性能(以下、耐内容物性と呼ぶ)が十分であることが求められている。
(1)酸変性ポリオレフィン樹脂(A)100質量部と、脂肪族ポリグリシジルエーテル(B)0.01〜30質量部と、水性媒体とを含有する水性分散体からなり、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)が、不飽和カルボン酸成分を0.1〜10質量%含有することを特徴とする包装材料用接着剤。
(2)さらにポリウレタン樹脂および/または多価ヒドラジド化合物0.1〜100質量部を含有することを特徴とする(1)に記載の包装材料用接着剤。
(3)脂肪族ポリグリシジルエーテル(B)を構成する脂肪族ポリオール成分が、ポリオール重合体および/または糖アルコールであることを特徴とする(1)または(2)に記載の包装材料用接着剤。
(4)少なくとも基材層、接着層、シーラント層がこの順に積層されてなる包装材料であって、前記接着層が、(1)〜(3)のいずれかに記載の包装材料用接着剤から形成された層であることを特徴とする包装材料。
(5)基材層を構成する樹脂がポリエステルまたはポリアミドであることを特徴とする(4)に記載の包装材料。
本発明の本発明の包装材料用接着剤は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(B)および水性媒体を含有する水性分散体からなるものである。
不飽和カルボン酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、フマル酸、クロトン酸などのほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミドなどが挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、(無水)マレイン酸が好ましい。なお、「(無水)〜酸」とは、「〜酸または無水〜酸」を意味する。すなわち、(無水)マレイン酸とは、マレイン酸または無水マレイン酸を意味する。
不飽和カルボン酸成分は、オレフィン成分と共重合されていればよく、その形態は限定されず、共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物でもよい。中でも、入手の容易さと接着性の観点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがさらに好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。
これら(メタ)アクリル酸エステル成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などが挙げられる。
脂肪族ポリグリシジルエーテル(B)は、脂肪族ポリオールの水酸基の一部または全部がグリシジルエーテル化された化合物である。
本発明において、脂肪族ポリグリシジルエーテル(B)を構成する脂肪族ポリオール成分としては、直鎖状、分岐鎖状および環状の炭化水素の2以上の水素原子を水酸基に置換した化合物や、その重合体であって重合度が2以上であるポリオール重合体などが挙げられる。
脂肪族ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどのジオールや、トリメチロールプロパンなどのトリオールや、グリセリン、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ペンタエリスリトールなどの糖アルコールなどが挙げられる。またポリオール重合体としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリンなどが挙げられる。
ポリウレタン樹脂は、接着性や水性媒体への分散性の点から陰イオン性基を有していることが好ましい。陰イオン性基とは水性媒体中で陰イオンとなる官能基のことであり、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などである。この中でもカルボキシル基を有していることが好ましい。
多価ヒドラジド化合物の例としては、オキサリルジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、サリチル酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、ブタントリカルボン酸トリヒドラジドなどが挙げられる。中でも、水溶性の観点から、オキサリルジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドが好ましく、アジピン酸ジヒドラジドが最も好ましい。
他の樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、変性ナイロン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂などが挙げられる。
他の添加剤としては、例えば、金属酸化物微粒子、粘着付与剤、ワックス類、紫外線吸収剤、レベリング剤、ヌレ剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料、染料、分散剤などが挙げられる。
これらは単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。また、これらは水溶性または水分散性のものが混合安定性の観点から好ましく、水性分散体または水溶液として用いることがより好ましい。
この様な方法で得られる酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体は、水性媒体中で酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の不飽和カルボン酸成分を塩基性化合物によって中和することで得られるアニオン性の水性分散体となっていることが好ましい。中和によって生成したカルボキシルアニオン間の電気反発力によって微粒子間の凝集が防がれ、水性分散体に安定性が付与される。
塩基性化合物としては、接着層形成時に揮発するアンモニアまたは有機アミン化合物が、水性分散体の乾燥性の観点から好ましく、中でも沸点が30〜250℃、さらには沸点が50〜200℃の有機アミン化合物がより好ましい。沸点が30℃未満であると、樹脂の水性化時に揮発する割合が多くなり、水性化が完全に進行しない場合がある。沸点が250℃を超えると、乾燥によって接着層を形成する際に、塩基性化合物を飛散させることが困難となり、接着層の耐内容物性が低下する場合がある。
ストリッピングの方法としては、常圧または減圧下で水性分散体を攪拌しながら加熱し、有機溶剤を留去する方法が挙げられる。また、水性媒体が留去されることにより、固形分濃度が高くなるので、水性分散体の固形分濃度は、このようなストリッピングによって有機溶剤を留去することや、水性媒体を添加して希釈することにより調整することができる。
本発明の包装材料は、少なくとも基材層、接着層、シーラント層がこの順に積層されたものであり、接着層は、本発明の包装材料用接着剤から形成された層である。
中でも、ポリエステル樹脂フィルムや、耐突き刺し性、耐衝撃性などに優れるポリアミド樹脂フィルムが特に好ましく、二軸方向に延伸されたフィルムであることが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムは、公知の添加剤や安定剤、例えば、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などを含有するものでもよく、また、その他の材料と積層する場合の密着性を向上させるために、フィルムの表面に、前処理としてコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理等が施されたものでもよい。またこれらのフィルムは、易接着コーティング、帯電防止コーティングなどの各種コーティングが施されたものでもよい。
熱可塑性樹脂フィルムの厚さは特に制限されないが、包装材料としての適性、他の層と積層する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜300μmであることが好ましく、用途によって、5〜30μmであることがより好ましい。
接着層は、後述するように、包装材料用接着剤を基材層の少なくとも一方の面に塗布し乾燥することで、形成することが可能である。
接着層の厚さは、0.001〜5μmであることが好ましく、0.01〜3μmであることがより好ましく、0.02〜2μmであることがさらに好ましく、0.03〜1μmであることが特に好ましく、0.05〜1μmであることが最も好ましい。接着層の厚さが0.001μm未満では、十分な耐内容物性が得られない傾向が生じることがあり、接着層の厚さ5μmを超えると、経済的に不利となることがある。
シーラント層の厚さは、特に限定されないが、包装材料への加工性やヒートシール性などを考慮して、10〜60μmであることが好ましく、15〜40μmであることがより好ましい。
また、シーラント層に、高低差が5〜20μmの凸凹を設けることで、シーラント層に滑り性や包装材料の引き裂き性を付与することが可能である。
上記方法により、包装材料用接着剤を基材層の表面に均一に塗布し、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥処理または乾燥のための加熱処理に供する。この加熱処理によって、水性媒体の一部または全てを乾燥することで、均一な塗膜を形成することができ、基材層表面に接着層を密着させて形成することができる。
包装材料用接着剤の乾燥温度は、製造設備の能力と基材の耐熱性を勘案して適宜選択すればよく、中でも、60〜140℃であることが好ましく、60〜120℃であることがより好ましく、60〜100℃であることが最も好ましい。乾燥温度が140℃を超えると、基材が熱収縮やたるみなどを起こしたり、製造コストが増加する傾向にあり、乾燥温度が60℃未満であると、得られる接着層は、耐内容物性が低下する傾向にある。
機能層を積層する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、機能層とそれが積層される層との層間に接着剤層を設けて、ドライラミネート法、熱ラミネート法、ヒートシール法、押出しラミネート法などにより積層することができる。接着剤としては、1液タイプのウレタン系接着剤、2液タイプのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、酸変性ポリオレフィンの水性分散体などを用いることが可能である。本発明の包装材料用接着剤を用いてもよい。
機能層の厚さは、包装材料としての適性、積層する場合の加工性を考慮して選択すればよく、特に制限されず、実用的には1〜300μmであることが好ましく、用途によっては300μmを超えてもよい。
各種の特性について、以下の方法で測定または評価した。
1.酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の特性
(1)構成
1H−NMR分析装置(日本電子社製、ECA500、500MHz)より求めた。テトラクロロエタン(d2)を溶媒とし、120℃で測定した。
(2)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210:1999に基づき、190℃、2160g荷重で測定した。
(3)融点
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)10mgをサンプルとし、DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製 DSC7)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
(1)接着性(耐内容物試験前の接着強度測定)
実施例ならびに比較例で作製したラミネートフィルムの中央付近から幅15mmの試験片を採取し、引張り試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、T型剥離試験により試験片の端部から基材層とシーラント層との界面を剥離して強度を測定した。測定は、20℃、65%RHの雰囲気中、引張速度200mm/分で行った。測定はサンプル数5で行い、その平均値を接着強度として、接着性を評価した。
10cm×15cm角のラミネートフィルムを用い、ラミネートフィルムのシーラント層を内側とし折り曲げた後に2辺をシール幅10mmでヒートシールした。
内容物として洗濯用洗剤(花王社製、アタック 高浸透バイオジェル)4gを入れ、残りの1辺をヒートシールして、洗濯用洗剤を密封した包装袋(三方シール袋)を得た。これを50℃で2週間保存した。洗濯用洗剤に代えて、台所用洗剤(プロクター・アンド・ギャンブルジャパン社製、除菌ジョイコンパクト)4g、70%エタノール水溶液4g、トルエン4gを内容物として、それぞれ同様に包装袋に密封し、保存した。
2週間保存後、内容物を密封した各包装袋を開封し、前記(1)と同様にして、包装材料のラミネートフィルムから試験片を採取して、接着強度を測定して、耐内容物性を評価した。
なお、本発明においては、耐内容物試験前後で2N/15mm以上の接着強度が保持されていることが必要であり、3N/15mm以上の接着強度が保持されていることがより好ましい。接着強度がより高い場合には、測定時にシーラントフィルムに伸び、切れなどが発生して剥離が不可能となることがある(表2において「剥離不可」と記載)。このような現象は、ラミネート状態として最も好ましいものである。一方、接着層が、内容物への耐性が十分でない場合には、剥離強度を測定する前から、基材層とシーラント層が剥がれている(デラミネーションしている)ことがある(表2において「デラミ」と記載)。このような現象は、ラミネート状態として最も劣るものである。
<酸変性ポリオレフィン樹脂(A1)の製造>
英国特許第2091745号明細書、米国特許第4617366号明細書および米国特許第4644044号明細書に記載された方法をもとに、酸変性ポリオレフィン樹脂(A1)として、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体を得た。その後、密閉できる1リットルのガラス容器を備えた撹拌機にペレット状にした酸変性ポリオレフィン樹脂(A1)を150g、水とアセトンが各300gからなる洗浄液を容器内に仕込み、60℃で60分撹拌し樹脂の洗浄を行った。次いで洗浄後の酸変性ポリオレフィン樹脂(A1)を減圧乾燥機中で40℃、100mmHgの雰囲気下、16時間減圧乾燥して、酸変性ポリオレフィン樹脂(A1)を得た。
<酸変性ポリオレフィン樹脂(A2)〜(A4)の製造>
エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体における無水マレイン酸含有量を変更した以外は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A1)と同様にして、酸変性ポリオレフィン樹脂(A2)〜(A4)を製造した。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A1)〜(A4)のモノマー構成と特性を表1に示す。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの酸変性ポリオレフィン樹脂(A1)、90.0gのイソプロパノール、3.0gのトリエチルアミンおよび147.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌した。そうしたところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、粒状物は浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140〜145℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂(A1)の水性分散体を得た。
<酸変性ポリオレフィン樹脂(A2)〜(A4)の水性分散体の製造>
酸変性ポリオレフィン樹脂(A1)に代えて、酸変性ポリオレフィン樹脂(A2)〜(A4)を用いた以外は、同様の方法により、酸変性ポリオレフィン樹脂(A2)〜(A4)の水性分散体を製造した。
<脂肪族ポリグリシジルエーテル(B)>
B1:ソルビトールポリグリシジルエーテル(DIC社製CR−5L、エポキシ当量170g/eq.)
B2:ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製SR−8EG、エポキシ当量285g/eq.)
B3:エチレングリコールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製SR−EGM、エポキシ当量130g/eq.)
R600:水溶性ウレタン樹脂(楠本化成社製ネオレッツR−600、固形分濃度33質量%)
ADH:アジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製)
IS1:ヘキサメチレンジイソシアネート(BASF社製)
JER:ビスフェノールAポリグリシジルエーテル(三菱化学社製JER825、芳香族ポリグリシジルエーテル、エポキシ当量175g/eq.)
VC−10:ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製VC−10、重合度1000、けん化度99.5モル%)
WBR:ポリウレタン樹脂(大成ファインケミカル社製WBR−2018、水性分散液、固形分濃度33質量%)
Ny6:二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ社製エンブレム、厚さ15μm、コロナ処理有)
PET:二軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製エンブレット、厚さ25μm、コロナ処理有)
MXD:MXD6ナイロンフィルム(三菱ガス化学社製S6007、厚み15μm、コロナ処理有)
酸変性ポリオレフィン樹脂(A1)の水性分散体と、脂肪族ポリグリシジルエーテル(B1)を用いて、酸変性ポリオレフィン樹脂(A1)100質量部に対して、脂肪族ポリグリシジルエーテル(B1)が5質量部となるように、撹拌しながら混合し、酸変性ポリオレフィン樹脂(A1)と脂肪族ポリグリシジルエーテル(B1)とを含有する水性分散体からなる包装材料用接着剤を得た。
次いで、基材層として二軸延伸ナイロンフィルム(Ny6)を用い、そのコロナ処理面に上記包装材料用接着剤を塗布し、その後100℃で10秒間乾燥することで、厚さ0.3μmの接着層を形成した。続いて、シーラント樹脂としてのポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製ノバテックLC600A)を、押出機を備えたラミネート装置を用いて、上記接着層の表面に320℃で溶融押出し、厚さ30μmのシーラント層を備えたラミネートフィルムからなる包装材料を得た。
得られたラミネートフィルムについて、接着強度、耐内容物性試験後の接着強度を測定し、接着性と耐内容物性の評価を行った。結果を表2に示す。
表2に示すように、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体の種類、脂肪族ポリグリシジルエーテル(B)の種類と質量部、基材層の種類を変更し、また、添加剤を添加した以外は実施例1と同様の操作を行って、包装材料用接着剤とラミネートフィルムを得て、同様に評価を行った。
比較例2〜5において、包装材料用接着剤に脂肪族ポリグリシジルエーテル(B)を含有させずに、代わりに、ビスフェノールAポリグリシジルエーテル(JER)、ヘキサメチレンジイソシアネート(IS1)、ウレタン樹脂(R−600)、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)をそれぞれ添加しても、接着層は耐内容物性に劣るものであった。
比較例6において、包装材料用接着剤に脂肪族ポリグリシジルエーテル(B)を含有させずに、代わりに、ウレタン樹脂(WBR)およびポリビニルアルコール(VC−10)を添加したところ、エタノール水溶液やトルエンを内容物とした際の耐内容物性は良好であったものの、洗剤を内容物とした際の耐内容物性は劣るものとなった。
比較例7は、脂肪族ポリグリシジルエーテル(B)の含有量が、本発明で規定する量より少ないため、接着層は接着性と耐内容物性に劣り、比較例8では、脂肪族ポリグリシジルエーテル(B)の含有量が、本発明で規定する量を超えたため、接着層は、耐内容物性が劣るものとなった。
Claims (5)
- 酸変性ポリオレフィン樹脂(A)100質量部と、脂肪族ポリグリシジルエーテル(B)0.01〜30質量部と、水性媒体とを含有する水性分散体からなり、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)が、不飽和カルボン酸成分を0.1〜10質量%含有することを特徴とする包装材料用接着剤。
- さらにポリウレタン樹脂および/または多価ヒドラジド化合物0.1〜100質量部を含有することを特徴とする請求項1に記載の包装材料用接着剤。
- 脂肪族ポリグリシジルエーテル(B)を構成する脂肪族ポリオール成分が、ポリオール重合体および/または糖アルコールであることを特徴とする請求項1または2に記載の包装材料用接着剤。
- 少なくとも基材層、接着層、シーラント層がこの順に積層されてなる包装材料であって、前記接着層が、請求項1〜3のいずれかに記載の包装材料用接着剤から形成された層であることを特徴とする包装材料。
- 基材層を構成する樹脂がポリエステルまたはポリアミドであることを特徴とする請求項4に記載の包装材料。
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