JP5677142B2 - インホイール型の車輪駆動装置 - Google Patents
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Description
このインホイール型の車輪駆動装置は、例えば、四輪車両に用いることでエンジンルームの廃止によるキャビン空間の拡大や、駆動ユニットの低重心配置による車両運動性能の向上等の多くのメリットがある。また、前輪駆動車両の従動輪(後輪)に適用すれば、FF車両のプラットフォームで容易に四輪駆動車を開発することができる等、車両開発投資の面でも大きくメリットがある。
請求項1に係る発明は、車輪のホイールハブ(例えば、実施形態のホイールハブ19c)に車幅方向内側で結合されるとともに車体側に軸受(例えば、実施形態の軸受24)を介して回転自在に支持される駆動ハブ(例えば、実施形態の外輪ハブ21)と、この駆動ハブの車幅方向内側に配置されて駆動力を発生するモータと、このモータと前記駆動ハブの間に介装され、このモータの回転を減速して前記駆動ハブに伝達する減速機と、を備えたインホイール型の車輪駆動装置であって、前記モータは、各出力軸にモータ歯車(例えば、実施形態のモータ歯車30)が設けられた第1のモータ(例えば、実施形態の第1のモータ11A)及び第2のモータ(例えば、実施形態の第2のモータ11B)と、から成り、前記駆動ハブには、入力歯車(例えば、実施形態の入力歯車25)が設けられ、前記減速機は、入力側ピニオン(例えば、実施形態の入力側ピニオン32)が前記第1のモータのモータ歯車に噛合されるとともに出力側ピニオン(例えば、実施形態の出力側ピニオン33)が前記駆動ハブの入力歯車に噛合される第1の2連ピニオン歯車(例えば、実施形態の第1の2連ピニオン歯車31A)と、入力側ピニオンが前記第2のモータのモータ歯車に噛合されるとともに出力側ピニオンが前記駆動ハブの入力歯車に噛合される第2の2連ピニオン歯車(例えば、実施形態の第2の2連ピニオン歯車31B)と、を備え、前記第1のモータと第2のモータは、各出力軸が前記駆動ハブの回転軸線(例えば、実施形態の回転軸線P)に対してオフセットし、かつ、各モータケース(例えば、実施形態のモータケース26A,26B)が前記駆動ハブの回転軸線を挟んで相互に離間して配置され、前記第1のモータと第2のモータのモータケースは、前記駆動ハブの回転軸線を挟んで上下に離間して配置されており、前記両モータケース間にできる空間部(例えば、実施形態の離間スペースS)の車両前後方向の一方側にディスクブレーキ装置のキャリパ(例えば、実施形態のキャリパ45)が配置され、前記第1のモータと第2のモータのモータケース同士を結合するギヤケース(例えば、実施形態のギヤケース22)には、サスペンションのアーム部材(例えば、実施形態のトレーリングアーム16)が、前記空間部の車両前後方向の他方側から前記両モータケース間に延出して結合されていることを特徴とするものである。
これにより、第1のモータと第2のモータが駆動されると、これらの各回転が第1の2連ピニオン歯車と第2のピニオン歯車を介して駆動ハブに伝達され、車輪のホイールが駆動ハブと一体に回転するようになる。また、駆動ハブの車幅方向内側には、第1のモータのモータケースと第2のモータのモータケースの間の離間スペースが位置されることになる。
また、第1のモータのモータケースと第2のモータのモータケースの間にできる空間部に、ディスクブレーキ装置のキャリパとサスペンションのアーム部材がコンパクトに配置されることになる。
これにより、第1のモータと第2のモータが駆動されると、これらの各回転が第1の2連ピニオン歯車と第2のピニオン歯車を介して駆動ハブに伝達され、車輪のホイールが駆動ハブと一体に回転するようになる。また、駆動ハブの車幅方向内側には、第1のモータのモータケースと第2のモータのモータケースの間の離間スペースが位置されることになる。
また、第1のモータと第2のモータのいずれか一方に設けられた回転センサの検出信号が共通のインバータの制御部に入力されると、制御部はその検出信号を基にして共通のインバータを制御して両モータを同様に駆動させる。
さらに、請求項2に係る発明によれば、第1のモータと第2のモータに対し、一つの回転センサと共通の一つのインバータを用いて駆動制御を行うことができるため、部品点数を削減して、車両の軽量化と低コスト化を図ることができる。
図1は、モータを動力源とする四輪駆動の電気自動車1の概略構成を示すものであり、この電気自動車1の左右の前輪Wfは、キャビンの前方に配置されているメインモータユニット2によって駆動されるようになっている。メインモータユニット2のモータ3は、PDU4(パワー・ドライブ・ユニット)を介して車両後部に配置された高圧バッテリ5に接続されている。左右の各後輪Wr(車輪)の車幅方向内側の後輪支持部には、それぞれインホイール型の車輪駆動装置10が設置されている。各車輪駆動装置10は、後に詳述するようにモータ動力を駆動源とし、インバータを備えたPDU13(パワー・ドライブ・ユニット)を介して高圧バッテリ5から電力を供給されるようになっている。
なお、左右の後輪Wrの各車輪駆動装置10は同様の構成であるため、以下では一方の車輪駆動装置10についてのみ説明する。また、各モータは、高圧バッテリ5の電力を受けて駆動を行うだけでなく、車両の制動時等には適宜回生発電も行う。
図1,図2に示すように、この電気自動車1では、後輪Wr側のサスペンションとしてトレーリングアーム式のものが用いられ、車幅方向に亙って延出するトーションビーム14の左右の端部の車両前方側がピボット軸15を介して車体に取り付けられるとともに、トーションビーム14の左右の端部にピボット軸15から車体後方側に延出するトレーリングアーム16(アーム部材)が連結されている。各トレーリングアーム16と車体の間には、サスペンションスプリング17とショックアブソーバ50(図6参照)が介装されている。車輪駆動装置10と後輪Wrは、左右のトレーリングアーム16に取り付けられている。
また、車両の図示しないトランクルームの下方位置には、PDU13やその他の電装装置を収容する電装収容室18が、図2に示すように、車体の下方側に膨出して設けられている。左右の各トレーリングアーム16と後輪Wr及び車輪駆動装置10は、この電装収容室18の車幅方向外側に隣接して配置されている。
後輪Wrのホイール19は、外周面でタイヤTを保持するホイールリム19aと、ホイールリム19aの車外側の端面に設けられたホイールディスク19bと、ホイールディスク19bの径方向内側に設けられたホイールハブ19cと、を備え、このホイールハブ19cの車幅方向内側に車輪駆動装置10が配置されている。
車輪駆動装置10は、ホイールハブ19cの車幅方向内側にディスブレーキ装置のブレーキディスク20とともに外輪ハブ21(駆動ハブ)が一体に結合されている。外輪ハブ21は、ギヤケース22の軸心部に突設されたスピンドル23の先端部に軸受24を介して回転自在に支持されている。ギヤケース22は、後述するようにトレーリングアーム16に結合されている。外輪ハブ21は、軸受24に支持される円筒部21aを備え、その円筒部21aの後端(ホイールハブ19cと逆側の端部)の外周には入力歯車25が設けられている。
なお、第1のモータ11Aと第2のモータ11B(モータケース26A,26B)の外径は、少なくとも前端部側がホイールリム19aの内周側に収容し得る外径であることが望ましい。この実施形態の場合、第1のモータ11Aと第2のモータ11Bの前端部がホイールリム19aの内周面の内側に入り込むようになっている。
第1の2連ピニオン歯車31Aの入力側ピニオン32は、第1のモータ11Aのモータ歯車30に噛合され、第2の2連ピニオン歯車31Bの入力側ピニオン32は、第2のモータ11Bのモータ歯車30に噛合されている。一方、両2連ピニオン歯車31A,31Bの出力側ピニオン33は、鉛直方向の上下で対向する位置において、外側ハブ21の入力歯車25にそれぞれ噛合されている。
また、トレーリングアーム16は、車両前方側から第1のモータ11Aと第2のモータ11Bのモータケース26A,26Bの離間スペースSに向かって延出し、その延出端のフランジ部がギヤケース22の後部壁に重合されてボルト締結によって固定されている。
また、ギヤケース22の下端後部にはブラケット34を介してショックアブソーバ50の下端が連結されている。
11A…第1のモータ
11B…第2のモータ
13…PDU(インバータ)
16…トレーリングアーム(アーム部材)
19c…ホイールハブ
20…ブレーキディスク
21…外輪ハブ(駆動ハブ)
22…ギヤケース
24…軸受
25…入力歯車
26A,26B…モータケース
29A,29B…出力軸
30…モータ歯車
31A…第1の2連ピニオン歯車
31B…第2の2連ピニオン歯車
32…入力側ピニオン
33…出力側ピニオン
35…回転センサ
45…キャリパ
P…回転軸線
S…離間スペース
Wr…後輪
Claims (2)
- 車輪のホイールハブに車幅方向内側で結合されるとともに車体側に軸受を介して回転自在に支持される駆動ハブと、
この駆動ハブの車幅方向内側に配置されて駆動力を発生するモータと、
このモータと前記駆動ハブの間に介装され、このモータの回転を減速して前記駆動ハブに伝達する減速機と、を備えたインホイール型の車輪駆動装置であって、
前記モータは、各出力軸にモータ歯車が設けられた第1のモータ及び第2のモータと、から成り、
前記駆動ハブには、入力歯車が設けられ、
前記減速機は、入力側ピニオンが前記第1のモータのモータ歯車に噛合されるとともに出力側ピニオンが前記駆動ハブの入力歯車に噛合される第1の2連ピニオン歯車と、入力側ピニオンが前記第2のモータのモータ歯車に噛合されるとともに出力側ピニオンが前記駆動ハブの入力歯車に噛合される第2の2連ピニオン歯車と、を備え、
前記第1のモータと第2のモータは、各出力軸が前記駆動ハブの回転軸線に対してオフセットし、かつ、各モータケースが前記駆動ハブの回転軸線を挟んで相互に離間して配置され、
前記第1のモータと第2のモータのモータケースは、前記駆動ハブの回転軸線を挟んで上下に離間して配置されており、
前記両モータケース間にできる空間部の車両前後方向の一方側にディスクブレーキ装置のキャリパが配置され、
前記第1のモータと第2のモータのモータケース同士を結合するギヤケースには、サスペンションのアーム部材が、前記空間部の車両前後方向の他方側から前記両モータケース間に延出して結合されていることを特徴とするインホイール型の車輪駆動装置。 - 車輪のホイールハブに車幅方向内側で結合されるとともに車体側に軸受を介して回転自在に支持される駆動ハブと、
この駆動ハブの車幅方向内側に配置されて駆動力を発生するモータと、
このモータと前記駆動ハブの間に介装され、このモータの回転を減速して前記駆動ハブに伝達する減速機と、を備えたインホイール型の車輪駆動装置であって、
前記モータは、各出力軸にモータ歯車が設けられた第1のモータ及び第2のモータと、から成り、
前記駆動ハブには、入力歯車が設けられ、
前記減速機は、入力側ピニオンが前記第1のモータのモータ歯車に噛合されるとともに出力側ピニオンが前記駆動ハブの入力歯車に噛合される第1の2連ピニオン歯車と、入力側ピニオンが前記第2のモータのモータ歯車に噛合されるとともに出力側ピニオンが前記駆動ハブの入力歯車に噛合される第2の2連ピニオン歯車と、を備え、
前記第1のモータと第2のモータは、各出力軸が前記駆動ハブの回転軸線に対してオフセットし、かつ、各モータケースが前記駆動ハブの回転軸線を挟んで相互に離間して配置され、
前記第1のモータと第2のモータは共通のインバータによって駆動され、このインバータの制御部に回転情報をフィードバックするための回転センサが前記第1のモータと第2のモータのいずれか一方に設けられていることを特徴とするインホイール型の車輪駆動装置。
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