JP5675404B2 - 銅合金板材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、銅合金板材およびその製造方法に関し、特に、バスバー、リードフレーム、端子などの電気電子機器の通電部品に適したCu−Cr−Zr系の銅合金板材およびその製造方法に関する。
バスバー、リードフレーム、端子などの電気電子機器の通電部品に使用される材料には、通電によるジュール熱の発生を抑制するために良好な導電性を有することが要求されるとともに、電気電子機器の組立時や作動時に付与される応力に耐え得る高い強度を有することが要求される。また、これらの通電部品は、一般に、板材の曲げ加工などの成形加工により作製されることから、優れた加工性を有することも要求される。
特に、近年では、電気自動車やハイブリッドカー(所謂EVやHEV)などの普及に伴って、燃費の向上やセンサーなどの機能の増加に対応するために、電気電子機器の通電部品は高集積化、小型化および軽量化が進む傾向にあり、それに伴って、通電部品の素材である銅や銅合金の板材には薄肉化の要求が高まっている。このような要求から素材を薄肉化すると、素材に流れる電流密度が増大して発生した熱を放散するために、従来より高い導電性が要求される。また、素材を薄肉化すると、素材に要求される強度レベルも一層厳しくなる。さらに、通電部品の形状の複雑化に対応するために、板材の曲げ加工などの成形加工による形状や寸法の精度の向上が要求される。具体的には、引張強さが600N/mm以上、導電率が75%IACS以上で、良好な曲げ加工性を有する素材が望まれている。
強度と導電性が比較的高い素材として、0.1〜0.4質量%のCrと0.1〜0.4質量%のZrを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなるCu−Cr−Zr系合金が知られている。Cu−Cr−Zr系合金は、合金成分であるCrやZrが単独または化合物の形で母相となるCu相中に析出する析出硬化型の合金であり、導電率が70%IACS以上で引張強さが500N/mm以上の板材を得ることができる。
しかし、Cu−Cr−Zr系合金は、Cu−Ni−Si系合金に代表される他の析出硬化型の合金と比較して、析出硬化による強度の大幅な上昇が見込めない。そのため、Cu−Cr−Zr系合金では、加工硬化による強度の向上を図っているが、強加工により過剰に蓄積された歪が曲げ加工性を著しく悪化させるので、高強度で良好な曲げ加工性を実現することは困難であり、特に、引張強さが600N/mmを超えると曲げ加工性が著しく悪化する。
Cu−Cr−Zr系合金の冷間圧延の加工硬化による曲げ加工性の悪化を改善するために、0.1〜0.4質量%のCrと0.02〜0.2質量%のZrを含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物からなる銅合金の素材を熱間圧延した後、加工度20〜60%の冷間圧延と350〜600℃で10〜600秒間加熱する析出硬化処理とを組み合わせた圧延・析出硬化工程を3回以上行うことにより、Cu−Cr−Zr系合金材の延性の低下を抑えて曲げ加工性の悪化を防止しながら強度を高める方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この方法では、Cu−Cr−Zr系合金材の曲げ加工性の悪化を防止しながら高める強度は、引張り強さ580〜600N/mm程度であり、それ以上に強度を高めるためにさらに加工硬化を行うと、急激に曲げ加工性が悪化する。
一般に、銅合金板材の曲げ加工性を改善するためには、結晶粒を微細化することが有効である。そのため、銅合金板材の結晶粒の粗大化を防ぐために、溶体化処理を比較的低温域で行うのが望ましい。しかし、Cu−Cr−Zr系の銅合金板材の溶体化処理を低温域で行うと、全ての析出物が固溶する高温域ではないため、結晶粒を微細化することができても、CrとZrの固溶量が少なくなり、その後の時効処理による強度の向上が期待できない。
また、Cu−Zr合金は、Cu中へのZrの固溶度が極めて小さいため、Cu母相と、Cu母相およびCuZrからなる共晶相との二相組織を形成して、高強度と高導電性を兼ね備えた銅合金になる。このようなCu−Zr合金として、Cu−Zr二元系あるいはCu−Zr−B三元系からなる単純な合金組成において、Cu母相と、Cu母相とCu−Zr間あるいはCu−Zr−B間のいずれかまたは双方の化合物との共晶相とが互いに層状になる組織で構成され、隣り合うCu母相の結晶粒同士が断続的に接する二相組織を呈する銅合金が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−19239号公報(段落番号0008−0010) 特開2005−281757号公報(段落番号0010−0011)
しかし、特許文献2の銅合金を製造する方法では、引張強さが600N/mm以上且つ導電率が75%IACS以上の銅合金を製造することができず、また、過剰にZrを添加して共晶相の割合が増加することによって粗大な析出物が残存し、この析出物が割れの起点となって曲げ加工性の悪化を招いてしまう。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、高強度且つ高導電率で良好な曲げ加工性を有するCu−Cr−Zr系の銅合金板材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、0.25〜1.5質量%のZrと0.01〜1.0質量%のCrを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造することにより得られた鋳片を900〜1080℃に加熱した後、最終パスの圧延率を20%以上として熱間圧延を行い、次いで、圧延率80%以上で冷間圧延を行った後、350〜450℃で保持して時効処理を行い、次いで、圧延率0〜40%で仕上げ冷間圧延を行うことにより、高強度且つ高導電率で良好な曲げ加工性を有するCu−Cr−Zr系の銅合金板材を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による銅合金板材の製造方法は、0.25〜1.5質量%のZrと0.01〜1.0質量%のCrを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造することにより得られた鋳片を900〜1080℃に加熱した後、最終パスの圧延率を20%以上として熱間圧延を行い、次いで、圧延率80%以上で冷間圧延を行った後、350〜450℃で保持して時効処理を行い、次いで、圧延率0〜40%で仕上げ冷間圧延を行うことを特徴とする。
この銅合金板材の製造方法において、銅合金の原料の組成が、Ceを含む希土類金属とSi、Sn、Mg、BおよびPからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計0.3質量%以下の範囲でさらに含んでもよい。また、時効処理の保持時間が1〜20時間であるのが好ましい。また、熱間圧延の終了温度を700〜800℃に設定し、熱間圧延終了後に急冷するのが好ましく、この急冷が水冷によって行われるのが好ましい。また、仕上げ冷間圧延を行う場合には、圧延率10〜30%で仕上げ冷間圧延を行うのが好ましく、その後、350〜425℃で低温焼鈍を行うのが好ましい。
また、本発明による銅合金板材は、0.25〜1.5質量%のZrと0.01〜1.0質量%のCrを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる組成を有し、引張強さが600N/mm以上、導電率が75%IACS以上であり、長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の曲げ試験片についてJIS H3110に準拠して90°W曲げ試験を行った後に割れが発生しない最小曲げ半径Rと銅合金板材の厚さtとの比R/tが1.0未満であることを特徴とする。
この銅合金板材において、銅合金の組成が、Ceを含む希土類金属とSi、Sn、Mg、BおよびPからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計0.3質量%以下の範囲でさらに含んでもよい。また、銅合金がCu母相と第二相からなる二相組織を有するのが好ましく、Cu母相の平均結晶粒径が5〜20μmであるのが好ましい。また、銅合金板材の表面に存在する共晶相の面積の比率が4〜25%であるのが好ましく、銅合金板材の表面に存在する1μm以下の微細共晶相の面積の割合が共晶相の全面積の40%以上であるのが好ましい。さらに、第二相が、Cu母相とCu−ZrおよびCu−Cr−Zrの少なくとも一方の化合物との共晶相と、Cu母相中に析出したCr、Zr、Cr−Zr、Cr−Cu、
Zr−CuおよびCr−Zr−Cuのいずれか1つ以上を含む化合物から構成されるのが好ましい。
本発明によれば、高強度且つ高導電率で良好な曲げ加工性を有するCu−Cr−Zr系の銅合金板材を製造することができる。特に、引張強さが600N/mm以上、導電率が75%IACS以上であり、長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の曲げ試験片についてJIS H3110に準拠して90°W曲げ試験を行った後に割れが発生しない最小曲げ半径Rと銅合金板材の厚さtとの比R/tが1.0未満になる良好な(BadWayの)曲げ加工性を有するCu−Cr−Zr系の銅合金板材を製造することができる。
本発明による銅合金板材の製造方法の実施の形態では、0.25〜1.5質量%のZrと0.01〜1.0質量%のCrを含み、必要に応じてCeを含む希土類金属とSi、Sn、Mg、BおよびPからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計0.3質量%以下の範囲で含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造することにより鋳片を得る工程(溶解・鋳造工程)と、得られた鋳片を900〜1080℃に加熱した後、最終パスの圧延率20%以上として5〜10パスの熱間圧延を行う工程(熱間圧延工程)と、この熱間圧延後に圧延率80%以上で冷間圧延を行う工程(冷間圧延工程)と、この冷間圧延後に350〜450℃で1〜20時間保持する時効処理を行う工程(時効処理工程)と、この時効処理後に圧延率0〜40%(「圧延率0%」は仕上げ冷間圧延を行わない場合を意味する。)で仕上げ冷間圧延を行う工程(仕上げ冷間圧延工程)を備えている。なお、仕上げ冷間圧延を行う場合には、圧延率10〜30%で仕上げ冷間圧延を行うのが好ましく、その後に350〜425℃で低温焼鈍を行う工程(低温焼鈍工程)を備えているのが好ましい。また、熱間圧延の前後には、必要に応じて面削を行い、熱処理後には、必要に応じて酸洗、研磨、脱脂を行ってもよい。
本発明による銅合金板材の製造方法の実施の形態では、Cu−Cr−Zr系の銅合金が従来よりも過剰なZrを含有しても、CuZrからなる強固な共晶相などの析出物を粗大化させずに微細に分散させることができるとともに、Cu母相の結晶粒を微細化することができる。そのため、本発明による銅合金板材の製造方法の実施の形態では、Cu母相と共晶相との二相組織による強度の向上と、析出硬化による強度の向上を組み合わせて、高強度且つ高導電率で良好な曲げ加工性を有するCu−Cr−Zr系の銅合金板材を製造することができる。
以下、本発明による銅合金板材の製造方法の実施の形態の各工程について詳細に説明する。
(合金組成)
銅合金板材の原料として、0.25〜1.5質量%、好ましくは0.3〜1.2質量%のZrと、0.01〜1.0質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%のCrとを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金の原料を使用する。また、銅合金板材の強度を高めるために、Ceを含む希土類金属とSi、Sn、Mg、B及びPからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計0.3質量%以下、好ましくは0.01〜0.3質量%の範囲でさらに含んでもよい。このように微量のZrやCrなどの添加元素がCu母相中に析出することによって、銅合金板材の強度を向上させることができる。
銅合金の原料としてZrを添加するのは、Cu母相と共晶相との二相組織による強度の向上を図るためであり、Zr含有量を0.25〜1.5質量%としたのは、0.25質量%より少ないと、共晶相の割合が低くなって二相組織による強度の向上を十分に図ることができず、1.5質量%を超えると、粗大な共晶相が過剰に存在して曲げ加工性を著しく悪化させる原因となるからである。
また、銅合金の原料としてCrを添加するのは、析出硬化による強度の向上を図るためであり、Cr含有量を0.01〜1.0質量%としたのは、0.01質量%より少ないと、十分な析出硬化が得られないために析出硬化による強度の向上を図ることができず、1.0質量%を超えると、Crの析出物が粗大化して割れの起点となり易いからである。また、Cr含有量を0.5質量%より多くしてもさらに強度を向上させることができないので、Cr含有量を0.01〜0.5質量%の範囲にするのが好ましい。
さらに、銅合金の原料としてCeを含む希土類金属とSi、Sn、Mg、B及びPからなる群から選ばれる1種以上の元素を添加するのは、これらの析出強化元素により、さらに析出硬化による強度の向上を図るためであり、0.01質量%より少ないと、さらに析出硬化による強度の向上を図ることができず、0.3質量%を超えると、強度の向上に寄与しない粗大な析出物が増加して曲げ加工性を悪化させるからである。
(溶解・鋳造工程)
高周波真空溶解炉を用いて上記の組成の銅合金の原料を溶解した後、鋳片を製造する。
(熱間圧延工程)
得られた鋳片を900〜1080℃に設定した炉に30分〜1時間保持して加熱する。この加熱により、鋳造時に析出した粗大なZrやCrなどの添加元素を一旦Cu母相中に強制的に固溶させて溶体化の効果を得ることができる。この加熱の適正な温度は、共晶温度である980℃近傍であるのが好ましいが、銅合金の結晶粒が粗大化するため、930〜960℃の範囲であるのがさらに好ましい。このように900〜1080℃の温度域で加熱した後、熱間圧延を複数パス、好ましくは5〜10パス程度行う。この熱間圧延の最終パスは、700〜800℃の温度域において圧延率20%以上に設定して行う。最終パスの圧延率を20%以上に設定するのは、大きな歪を形成させて結晶粒の成長を抑制して、結晶粒を微細化する効果を得るためである。この熱間圧延の終了直後の温度を再結晶温度である700〜800℃に保ち、その後、水冷による急冷を行うのが好ましい。
(冷間圧延工程)
熱間圧延後に圧延率80%以上で冷間圧延を行う。この冷間圧延により、Cu母相の粒界に偏析した共晶相を均一に分散させる効果と、Cu母相中に固溶したCrやZrなどの添加元素のいずれかを含む化合物を効率良く析出させる効果を得ることができる。共晶相をさらに分散させるためには、冷間圧延の圧延率を90%以上にするのが好ましく、95%以上するのがさらに好ましい。
(時効処理工程)
冷間圧延後に350〜450℃で1〜20時間保持する時効処理を行う。この時効処理により、Cu母相中に固溶したCrやZrなどの添加元素の単体またはいずれかを含む化合物を析出させ、強度と導電率を向上させることができる。これらの特性の向上させるためには、350〜450℃で時効処理を行うのが好ましく、350℃より低いと、析出に要する時間が極端に長くなり、450℃より高いと、析出物が粗大化して強度の低下と曲げ加工性の悪化を招く。また、効率良く析出させて結晶粒の粗大化を防ぎ、高強度且つ高導電率で良好な曲げ加工性を有する銅合金板材を得るためには、時効処理を375〜425℃で行うのが好ましい。
(仕上げ冷間圧延工程)
時効処理後にさらに強度の向上を図るために圧延率0〜40%、好ましくは10〜30%で仕上げ冷間圧延を行う。なお、冷間圧延の圧延率の増大に伴って析出物の周辺に蓄積される転位により曲げ加工性が悪化するので、高強度と良好な曲げ加工性を両立させるのは困難であるため、曲げ加工性の極端な悪化を防ぐために、仕上げ冷間圧延の圧延率を30%以下にするのが好ましい。
(低温焼鈍工程)
仕上げ冷間圧延を行う場合には、仕上げ冷間圧延後に350〜425℃で低温焼鈍を行ってもよい。この低温焼鈍により、銅合金板材の強度をほとんど低下させずに、残留応力の低減による曲げ加工性を向上させることができるとともに、導電率を上昇させることができる。この低温焼鈍の温度が高過ぎると、短時間で軟化して特性のバラツキが生じ易くなり、低過ぎると、これらの特性の改善の効果を十分に得ることができない。
上述した銅合金板材の製造方法の実施の形態により、0.25〜1.5質量%のZrと0.01〜1.0質量%のCrを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる組成を有し、引張強さが600N/mm以上(好ましくは610N/mm以上、さらに好ましくは620N/mm以上)、導電率が75%IACS以上であり、長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の曲げ試験片についてJIS H3110に準拠して90°W曲げ試験を行った後に割れが発生しない最小曲げ半径Rと銅合金板材の厚さtとの比R/tが1.0未満である銅合金板材を製造することができる。この銅合金板材の銅合金の組成が、Ceを含む希土類金属とSi、Sn、Mg、BおよびPからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計0.3質量%以下の範囲でさらに含んでもよい。また、この銅合金板材の銅合金がCu母相と第二相からなる二相組織を有し、Cu母相の平均結晶粒径が5〜20μmになるようにすることができる。
なお、Cu−Zr二元系状態図およびCu−Cr−Zr三元系状態図から、0.172〜12.27質量%のZrと0.01〜0.5質量%のCrを含み、残部がCuからなる銅合金では、二相組織の第二相が、Cu母相とCu−Zr(CuZr)およびCu−Cr−Zrの少なくとも一方の化合物との共晶相からなることが推測される。また、微量のCrおよびZrがCuに固溶するため、Cu母相中にCr、Zr、Cr−Zr、Cr−Cu、Zr−Cu、Cr−Zr−Cuの少なくとも1つ以上の化合物が析出すると推測され、これらも第二相に含まれる。
以下、本発明による銅合金板材およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1〜11]
0.53質量%のZrと0.86質量%のCrを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(実施例1)、1.05質量%のZrと0.31質量%のCrを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(実施例2)、1.38質量%のZrと0.02質量%のCrを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(実施例3)、0.45質量%のZrと0.11質量%のCrと0.18質量%のSiを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(実施例4)、0.40質量%のZrと0.09質量%のCrと0.14質量%のSnを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(実施例5)、0.39質量%のZrと0.14質量%のCrと0.04質量%のMgを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(実施例6)、0.46質量%のZrと0.13質量%のCrと0.05質量%のBを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(実施例7)、0.34質量%のZrと0.10質量%のCrと0.03質量%のPを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(実施例8)、0.41質量%のZrと0.08質量%のCrと0.08質量%のCeを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(実施例9)、0.28質量%のZrと0.51質量%のCrと0.22質量%のSiを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(実施例10)、0.37質量%のZrと0.49質量%のCrと0.17質量%のSiを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(実施例11)の原料をそれぞれ溶製し、高周波真空溶解炉を用いて鋳造して得られた鋳塊から鋳片を切り出した。
次いで、それぞれの鋳片をそれぞれ950℃(実施例1、2、7〜11)、900℃(実施例3)、970℃(実施例4)、1000℃(実施例5)、925℃(実施例6)に設定した炉に30分間保持して加熱した後、それぞれの加熱保持温度を開始温度として熱間圧延を8パス行った。なお、それぞれの熱間圧延の最終パスは、731℃で圧延率25%(実施例1)、722℃で圧延率25%(実施例2)、713℃で圧延率30%(実施例3)、728℃で圧延率25%(実施例4)、715℃で圧延率25%(実施例5)、710℃で圧延率25%(実施例6)、724℃で圧延率20%(実施例7)、730℃で圧延率30%(実施例8)、721℃で圧延率35%(実施例9)、762℃で圧延率25%(実施例10)、746℃で圧延率25%(実施例11)に設定して行った。その後、それぞれ水冷による急冷を行った。
次いで、それぞれ圧延率97.1%(実施例1〜3)、90.0%(実施例4〜7、9)、95.0%(実施例8、10、11)で冷間圧延を行った。
次いで、それぞれ400℃で5時間(実施例1、2、4、5)、425℃で11時間(実施例3)、350℃で20時間(実施例6)、425℃で3時間(実施例7、10)、375℃で17時間(実施例8)、450℃で2時間(実施例9)、375℃で8時間(実施例11)保持して時効処理を行った。
なお、実施例10および11では、時効処理後に圧延率30%で仕上げ圧延を行い、その後、それぞれ400℃で30分間(実施例10)、350℃で1時間(実施例11)保持して低温焼鈍を行った。
これらの実施例で得られた板厚0.2mmの銅合金板材から試料を採取し、結晶粒組織、平均結晶粒径、共晶相の比率、微細共晶相の割合、引張強さ、導電率、曲げ加工性の評価を以下のように行った。
まず、得られた銅合金板材の試料の表面(圧延面)を研磨した後、エッチングし、その表面を光学顕微鏡で結晶粒組織を観察して、JIS H0501の切断法により平均結晶粒径を求めた。その結果、銅合金板材の試料は、Cu母相と第二相からなる二相組織を有し、そのCu母相の平均結晶粒径は、それぞれ6μm(実施例1)、9μm(実施例2、4、9)、8μm(実施例3)、11μm(実施例5〜7)、12μm(実施例8)、13μm(実施例10)、16μm(実施例11)であった。
また、得られた銅合金板材の試料の表面(圧延面)を研磨した後、エッチングし、その表面の100μm×50μmの測定領域について電子プローブ微量分析を行った。この電子プローブ微量分析では、100μm×50μmの測定領域を1μm×1μmの5000個の正方形の微小領域に分割し、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いて、加速電圧15kV、照射電流300nA、積算速度30ms、プローブ径1μmの条件で、各々の微小領域の中心にプローブ径1μmの電子線を照射して、それぞれのZr元素の積分強度を測定した。この電子プローブ微量分析によってZr元素が検出された微小領域を共晶相が存在する微小領域として、そのZr元素が検出された微小領域の合計数を求め、その合計数を測定領域内の微小領域の数(5000)で割った値を共晶相の比率(測定領域の全面積に対する共晶相が占める面積の比率)とした。また、ある微小領域(1つの微小領域)でZr元素が検出され、その微小領域を取り囲む8つの微小領域(上下左右の4つの微小領域と対角線方向に存在する4つの微小領域)でZr元素が検出されなかった場合に、そのZr元素が検出された微小領域に1μm以下の微細共晶相が存在するとし、そのような1μm以下の微細共晶相が存在する微小領域の合計数をZr元素が検出された微小領域の合計数で割った値を1μm以下の微細共晶相の割合α/X(αは1μm以下の微細共晶相が占める面積、Xは共晶相が占める合計面積)として評価した。その結果、共晶相の比率は、それぞれ4.8%(実施例1)、16.9%(実施例2)、21.3%(実施例3)、4.1%(実施例4)、5.3%(実施例5)、4.3%(実施例6)、8.5%(実施例7)、5.1%(実施例8)、6.7%(実施例9)、10.3%(実施例10)、12.7%(実施例11)であり、微細共晶相の割合(α/X)は、それぞれ71%(実施例1)、66%(実施例2)、51%(実施例3)、53%(実施例4)、50%(実施例5)、55%(実施例6)、54%(実施例7)、47%(実施例8)、60%(実施例9)、65%(実施例10)、68%(実施例11)であった。
また、銅合金板材の引張強さとして、得られた銅合金板材の試料から長手方向が圧延方向(LD)の引張試験用の試験片(JIS Z2241の5号試験片)をそれぞれ3個ずつ採取し、JIS Z2241に準拠した引張試験を行い、平均値によって引張強さを求めた。その結果、引張強さは、それぞれ622N/mm(実施例1)、620N/mm(実施例2)、617N/mm(実施例3)、613N/mm(実施例4)、621N/mm(実施例5)、618N/mm(実施例6)、628N/mm(実施例7)、620N/mm(実施例8)、633N/mm(実施例9)、618N/mm(実施例10)、631N/mm(実施例11)であった。
また、銅合金板材の試料の導電率は、JIS H0505の導電率測定方法に従って測定した。その結果、導電率は、それぞれ76.3%IACS(実施例1)、75.2%IACS(実施例2)、77.1%IACS(実施例3)、78.2%IACS(実施例4)、75.1%IACS(実施例5)、76.1%IACS(実施例6)、75.5%IACS(実施例7)、77.5%IACS(実施例8)、75.3%IACS(実施例9)、77.6%IACS(実施例10)、76.1%IACS(実施例11)であった。
また、銅合金板材の曲げ加工性を評価するために、銅合金板材から長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の曲げ試験片(幅10mm)をそれぞれ3個ずつ採取し、それぞれの試験片について、JIS H3110に準拠した90°W曲げ試験を行った。これらの試験後の試験片の各々について、光学顕微鏡によって曲げ加工部の表面および断面をそれぞれ20倍および50倍の倍率で観察して、割れが発生しない最小曲げ半径Rを求め、この最小曲げ半径Rを銅合金板材の板厚tで除することによって、TDのR/t値を求めた。それぞれ3個の試験片のうち、それぞれ最も悪い結果の試験片の結果を採用してR/t値とした。その結果、実施例1、2および4〜9では、R/t=0.0であり、優れた曲げ加工性を有していた。また、実施例10では、R/t=0.5であり、実施例3および11では、R/t=0.6であった。
[比較例1〜11]
0.21質量%のZrと0.14質量%のCrを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(比較例1)、1.65質量%のZrと0.43質量%のCrを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(比較例2)、0.48質量%のZrと1.25質量%のCrを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(比較例3)、1.05質量%のZrと0.31質量%のCrを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(比較例4〜8)、0.40質量%のZrと0.13質量%のCrと0.44質量%のSiを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(比較例9)、0.28質量%のZrと0.15質量%のCrと0.22質量%のSiを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(比較例10)、0.11質量%のZrと0.23質量%のCrを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金(比較例11)をそれぞれ溶製し、高周波真空溶解炉を用いて鋳造して得られた鋳塊から鋳片を切り出した。
次いで、それぞれの鋳片をそれぞれ950℃(比較例1、3〜6、8〜11)、900℃(比較例2)、850℃(比較例7)に設定した炉に30分間保持して加熱した後、それぞれの加熱温度を開始温度として熱間圧延を8パス行った。なお、それぞれの熱間圧延の最終パスは、712℃で圧延率25%(比較例1)、705℃で圧延率30%(比較例2)、742℃で圧延率25%(比較例3)、735℃で圧延率25%(比較例4)、718℃で圧延率25%(比較例5)、718℃で圧延率25%(比較例6)、718℃で圧延率25%(比較例7)、745℃で圧延率15%(比較例8)、733℃で圧延率25%(比較例9)、738℃で圧延率25%(比較例10)、727℃で圧延率25%(比較例11)に設定して行った。その後、それぞれ水冷による急冷を行った。
次いで、それぞれ圧延率90.5%(比較例1)、99.2%(比較例2)、83.0%(比較例3)、62.5%(比較例4)、97.1%(比較例5〜8)、90.0%(比較例9)、95.0%(比較例10、11)で冷間圧延を行った。
次いで、それぞれ375℃で15時間(比較例1)、450℃で3時間(比較例2)、400℃で5時間(比較例3、7〜9)、400℃で3時間(比較例4)、475℃で1時間(比較例5)、325℃で20時間(比較例6)、425℃で3時間(比較例10)、400℃で2時間(比較例11)保持して時効処理を行った。
なお、比較例10では、時効処理後に圧延率50%で仕上げ冷間圧延を行い、その後、それぞれ400℃で1時間保持して低温焼鈍を行った。
これらの比較例で得られた板厚0.2mmの銅合金板材から試料を採取し、実施例1〜11と同様の方法により結晶粒組織、平均結晶粒径、共晶相の比率、微細共晶相の割合、引張強さ、導電率、曲げ加工性の評価を行った。
その結果、銅合金板材の試料は、Cu母相と第二相からなる二相組織を有し、そのCu母相の平均結晶粒径は、それぞれ8μm(比較例1)、24μm(比較例2)、31μm(比較例3)、20μm(比較例4)、29μm(比較例5)、8μm(比較例1)、10μm(比較例7)、35μm(比較例8)、30μm(比較例9)、18μm(比較例10)、11μm(比較例11)であった。
また、銅合金板材の共晶相の比率は、それぞれ2.5%(比較例1)、28.3%(比較例2)、5.9%(比較例3)、13.1%(比較例4)、14.3%(比較例5)、12.0%(比較例6)、15.3%(比較例7)、11.9%(比較例8)、4.3%(比較例9)、2.7%(比較例10)であり、微細共晶相の割合(α/X)は、それぞれ45%(比較例1)、24%(比較例2)、45%(比較例3)、15%(比較例4)、68%(比較例5)、62%(比較例6)、50%(比較例7)、41%(比較例8)、51%(比較例9)、61%(比較例10)であった。
また、銅合金板材の引張強さは、それぞれ557N/mm(比較例1)、660N/mm(比較例2)、608N/mm(比較例3)、564N/mm(比較例4)、603N/mm(比較例5)、521N/mm(比較例6)、561N/mm(比較例7)、615N/mm(比較例8)、611N/mm(比較例9)、641N/mm(比較例10)、565N/mm(比較例11)であった。
また、銅合金板材の試料の導電率は、それぞれ82.5%IACS(比較例1)、71.5%IACS(比較例2)、80.9%IACS(比較例3)、82.1%IACS(比較例4)、80.1%IACS(比較例5)、71.1%IACS(比較例6)、81.5%IACS(比較例7)、76.5%IACS(比較例8)、76.0%IACS(比較例9)、76.2%IACS(比較例10)、80.5%IACS(比較例11)であった。
また、銅合金板材のR/tは、比較例1、6、7および11では、R/t=0.0であり、優れた曲げ加工性を有していたが、比較例4ではR/t=0.6、比較例9ではR/t=1.2、比較例3、5および8ではR/t=1.5、比較例2および10ではR/t=2.0であった。
これらの実施例および比較例の銅合金の組成を表1に示し、銅合金板材の製造条件を表2に示し、銅合金板材の組織および特性についての結果を表3に示す。
Figure 0005675404
Figure 0005675404
Figure 0005675404
また、実施例および比較例で得られた銅合金板材の引張強さ、導電率および曲げ加工性について、引張強さが620N/mm以上の場合に◎、600〜620N/mm未満の場合に○、600N/mmより低い場合に×とし、導電率が80%IACS以上の場合に◎、75〜80%IACS未満の場合に○、75%IACSより低い場合に×とし、R/tが0の場合に◎、0より大きく1以下の場合に○、1より大きい場合に×と評価して表4に示す。
Figure 0005675404
表3および表4に示すように、実施例1、2、5、7および9では、1μm以下の微細共晶相の割合(α/X)が50%以上であり、導電率が75%IACS以上、引張強さが620N/mm以上、R/t=0の極めて良好な曲げ加工性を有していた。実施例8では、1μm以下の微細共晶相の割合(α/X)が45%以上であり、導電率が75%IACS以上、引張強さが620N/mm以上、R/t=0の極めて良好な曲げ加工性を有していた。実施例4および6では、1μm以下の微細共晶相の割合(α/X)が50%以上であり、導電率が75%IACS以上、引張強さが600N/mm以上、R/t=0の極めて良好な曲げ加工性を有していた。実施例3および10では、1μm以下の微細共晶相の割合(α/X)が50%以上であり、導電率が75%IACS以上、引張強さが600N/mm以上、R/t=0.5〜0.6の良好な曲げ加工性を有していた。実施例11では、1μm以下の微細共晶相の割合(α/X)が50%以上であり、導電率が75%IACS以上、引張強さが620N/mm以上、R/t=0.6の良好な曲げ加工性を有していた。
比較例1では、Zr含有量が0.21質量%と少なかったので、1μm以下の微細共晶相の割合が45%と高いものの、共晶相の比率が2.5%と低かったため、Cu母相と共晶相との二相組織による強度の向上の効果が十分に得られず、導電率は82.5%IACSと高く且つ曲げ加工性が極めて良好であったものの、引張強さが557N/mmと低かった。
比較例2では、Zr含有量が1.65質量%と多かったので、平均結晶粒径が24μmと粗大化し、共晶相の比率が28.3%と高く、1μm以下の微細共晶相の割合が24%と低かったため、分散されずに残存した粗大な共晶相が割れの起点となり、R/t=2と曲げ加工性が悪化した。また、引張強さは660N/mmと高かったものの、導電率は71.5%IACSと低かった。
比較例3では、Cr含有量が1.25質量%と多かったので、平均結晶粒径が31μmと粗大化し、強度の向上に寄与しない過剰なCrが粗大化したため、引張強さが608N/mmと高く且つ導電率が80.9%IACSと高かったものの、R/t=1.5と曲げ加工性が悪化した。
比較例4では、冷間圧延の圧延率が62.5%と低かったので、導電率が82.1%IACSと高く且つR/t=0.6と曲げ加工性が良好であったものの、1μm以下の微細共晶相の割合が15%と低いため、共晶相が十分に分散されず、引張強さが564N/mmと低かった。
比較例5では、時効処理温度が475℃と高かったので、平均結晶粒径が29μmと粗大化したため、引張強さが603N/mmと高く且つ導電率が80.1%IACSと高かったものの、R/t=1.5と曲げ加工性が悪化した。
比較例6では、時効処理温度が325℃と低かったので、Cu母相に固溶したCrおよびZrが完全に析出しなかったため、R/t=0.0と曲げ加工性が極めて良好であったものの、引張強さが521N/mmと低く、導電率が71.1%IACSと低かった。
比較例7では、熱間圧延時の開始温度が850℃と低かったので、溶体化の際のCu母相へのCrおよびZrの固溶量が少なくなったため、導電率が81.5%IACSと高く且つR/t=0.0と曲げ加工性が極めて良好であったものの、時効処理後の強度の向上が少なく、引張り強さが561N/mmと低かった。
比較例8では、熱間圧延の最終パスの圧延率が15%と低かったので、平均結晶粒径が35μmと粗大化したため、引張強さが615N/mmと高く且つ導電率が76.5%IACSと高かったものの、R/t=1.5と曲げ加工性が悪化した。
比較例9では、Si含有量が0.44質量%と多かったので、平均結晶粒径が30μmと粗大化し、強度の向上に寄与しない過剰なSi析出物が粗大化したため、引張強さが611N/mmと高く且つ導電率が76.0%IACSと高かったものの、R/t=1.2と曲げ加工性が悪化した。
比較例10では、仕上げ冷間圧延の圧延率が50%と高かったので、引張強さが641N/mmと高く且つ導電率が76.2%IACSと高かったものの、R/t=2.0と曲げ加工性が悪化した。
比較例11は、従来のCu−Cr−Zr合金を使用した例であるが、Zr含有量が0.11質量%と低かったので、導電率が80.5%IACSと高く且つR/t=0.0と曲げ加工性が極めて良好であったが、引張り強さが565N/mmと低かった。

Claims (12)

  1. 0.25〜1.5質量%のZrと0.01〜1.0質量%のCrを含み、Ceを含む希土類金属とSi、Sn、Mg、BおよびPからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計0.3質量%以下の範囲で含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造することにより得られた鋳片を900〜1080℃に加熱した後、最終パスの圧延率を20%以上として熱間圧延を行い、次いで、圧延率80%以上で冷間圧延を行った後、350〜450℃で保持して時効処理を行い、次いで、圧延率0〜40%で仕上げ冷間圧延を行うことを特徴とする、銅合金板材の製造方法。
  2. 前記時効処理の保持時間が1〜20時間であることを特徴とする、請求項に記載の銅合金板材の製造方法。
  3. 前記熱間圧延の終了温度を700〜800℃に設定し、前記熱間圧延終了後に急冷することを特徴とする、請求項1または2に記載の銅合金板材の製造方法。
  4. 前記急冷が水冷によって行われることを特徴とする、請求項に記載の銅合金板材の製造方法。
  5. 前記時効処理後に圧延率10〜30%で仕上げ冷間圧延を行った後、350〜425℃で低温焼鈍を行うことを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の銅合金板材の製造方法。
  6. 0.25〜1.5質量%のZrと0.01〜1.0質量%のCrを含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる組成を有し、引張強さが600N/mm以上、導電率が75%IACS以上であり、長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の曲げ試験片についてJIS H3110に準拠して90°W曲げ試験を行った後に割れが発生しない最小曲げ半径Rと銅合金板材の厚さtとの比R/tが1.0未満であることを特徴とする、銅合金板材。
  7. 前記銅合金の組成が、Ceを含む希土類金属とSi、Sn、Mg、BおよびPからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計0.3質量%以下の範囲でさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の銅合金板材。
  8. 前記銅合金がCu母相と第二相からなる二相組織を有することを特徴とする、請求項またはに記載の銅合金板材。
  9. 前記Cu母相の平均結晶粒径が5〜20μmであることを特徴とする、請求項に記載の銅合金板材。
  10. 前記銅合金板材の表面に存在する共晶相の面積の比率が4〜25%であることを特徴とする、請求項8またはに記載の銅合金板材。
  11. 前記銅合金板材の表面に存在する1μm以下の微細共晶相の面積の割合が共晶相の全面積の40%以上であることを特徴とする、請求項乃至10のいずれかに記載の銅合金板材。
  12. 前記第二相が、Cu母相とCu−ZrおよびCu−Cr−Zrの少なくとも一方の化合物との共晶相と、前記Cu母相中に析出したCr、Zr、Cr−Zr、Cr−Cu、 Zr−CuおよびCr−Zr−Cuのいずれか1つ以上を含む化合物から構成されることを特徴とする、請求項乃至11のいずれかに記載の銅合金板材。
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