JP5674823B2 - 芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法に関する。
ある種の芳香族ハロゲン化物誘導体を、パラジウム化合物を触媒とし、塩基と水の存在下、一酸化炭素を挿入する芳香族カルボン酸誘導体の製造方法が知られている(例えば、特開平8-104661号公報、特開2003−48859号公報、特開2005−220107号公報参照)。
さらにアミド結合、ハロゲン原子等を分子内に有する芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法が知られている(例えば、国際公開第2010/18857号パンフレット参照)。
本発明者等は、これら先行技術に記載の方法を利用し、工業的な芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造の検討を行った。しかし、反応が非常に多工程に及び、工業的な製造方法として満足のいくものではなかった。
すなわち、本発明は、ハロゲン原子等を有する芳香族アミドカルボン酸誘導体を、短工程で製造可能な製造方法を提供すること、及び当該製造方法に使用される有用な製造中間体を提供することを課題とする。
本発明者等は、短工程且つ工業的にも利用できるハロゲン原子等を有する芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、課題を解決する新規な製造方法を見出し、本発明を完成させた。さらに、本発明に係わる芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法に有用な中間体を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を包含する。
<1>下記一般式(1)
(一般式(1)中、Rは水素原子又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xはフッ素原子を示し、X塩素原子を示す。nは0又は1を示す。)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体と、一酸化炭素と水とを、パラジウム又はパラジウム化合物の 少なくとも1種、ホスフィン化合物の少なくとも1種、並びに無機塩基、有機塩基及び金 属アルコラートからなる群より選択される少なくとも1種の存在下で反応させる工程を含む、下記一般式(2)
(一般式(2)中、R、X、及びnは前記と同様である。)で表される芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法である。
<2> 前記一般式(1)においてRが炭素数1〜6のアルキル基である場合、下記一般式(3)
(一般式(3)中、X、X、及びnは前記と同様である。)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体をアルキル化する工程を更に含む、前記<1>に記載の芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法である。
<3> 下記一般式(4)
(一般式(4)中、R及びXは前記と同様である。)で表されるアニリン誘導体と、下記一般式(5)
(一般式(5)中、X及びnは前記と同様である。Yはフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子を示す。)で表される芳香族カルボン酸誘導体と、を反応させて前記一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体を得る工程を更に含む前記<1>に記載の芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法である。
<4> 下記一般式(1)
(一般式(1)中、Rは水素原子又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xはフッ素原子を示し、X塩素原子を示す。nは0又は1を示す。)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体である。
<5> 前記一般式(1)において、Rがメチル基を示す前記<4>に記載の芳香族アミドハロゲン化物誘導体である。
本発明によれば、ハロゲン原子等を有する芳香族アミドカルボン酸誘導体を、短工程で製造可能な製造方法を提供することができる。また当該製造方法に使用される有用な製造中間体を提供することができる。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書の一般式において使用される文言は、その定義においてそれぞれ以下に説明されるような意味を有する。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。「n−」はノルマルを意味し、「i−」はイソを意味し、「s−」はセカンダリーを意味し、「t−」はターシャリーを意味する。
「炭素数1〜6のアルキル基」とは例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、4−メチル−2−ペンチル、n−ヘキシル、3−メチル−n−ペンチル等の直鎖状または分岐状の炭素原子数が1〜6のアルキル基を示す。
一般式(1)及び一般式(2)のRにおける「炭素数1〜6のアルキル基」は、それぞれ置換基を有していてもよい。該置換基としては、無置換の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素原子数が1〜6個のアルキル基、無置換の環状の炭素原子数3〜8のシクロアルキル基、無置換の直鎖状もしくは分岐鎖状もしくは環状の炭素原子数が2〜6個のアルケニル基、無置換の直鎖状もしくは分岐鎖状もしくは環状の炭素原子数が2〜6個のアルキニル基、ハロゲン原子、フェニル基、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アルキルオキシ基、ベンジルオキシ基、アルキルチオ基、カルボキシ基、ベンジル基、複素環基、フェニルスルホニル基、フェニルカルボニル基、及びフェニルアミノ基からなる群より選択される1以上の置換基を挙げることができる。
置換基が2以上ある場合には、それぞれの置換基は同一であっても異なっていても良い。また、これらの置換基は、可能であればさらに置換基を有していても良く、その置換基の具体例は上記と同様である。
「炭素数1〜6のアルキル基」が置換基を有している場合の具体例としては、例えば、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、フェナシル基、p−ブロモフェナシル基、p−メトキシフェナシル基、トリクロロエチル基、2−クロロエチル基、2−メチルチオエチル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、シンナミル基、ベンジル基、2,4,6−トリメチルベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、p−メトキシベンジル基、4−ピコリル基等を例示できる。
本発明における一般式(1)及び一般式(2)等で表される化合物は、その構造式中に1個または複数個の不斉炭素原子または不斉中心を含む場合があり、2種以上の光学異性体が存在する場合もある。本発明は各々の光学異性体及びそれらが任意の割合で含まれる混合物をも全て包含するものである。
また、本発明における一般式(1)及び一般式(2)等で表される化合物は、その構造式中に、炭素−炭素二重結合に由来する2種以上の幾何異性体が存在する場合もある。本発明は各々の幾何異性体が任意の割合で含まれる混合物をも全て包含する。
以下に本発明の芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法、さらに、該製造方法に好適に用いることができる製造中間体となる化合物及びその製造方法を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の下記一般式(2)で表される芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法は、下記一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体と、一酸化炭素とを反応させるカルボキシ化工程を含む。前記製造方法は、更に必要に応じてその他の工程を含んでいてもよい。
前記カルボキシ化工程を含むことにより、短工程で所望の芳香族アミドカルボン酸誘導体を製造することができる。またこの製造方法は工業的にも利用可能である。
前記製造方法におけるカルボキシ化工程は、下記一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体と、一酸化炭素とが反応可能であれば特に制限されない。前記カルボキシ化工程は、反応収率の観点から、パラジウム又はパラジウム化合物の少なくとも1種、ホスフィン化合物の少なくとも1種、及び水の存在下に反応させる工程であることが好ましく、パラジウム又はパラジウム化合物の少なくとも1種、ホスフィン化合物の少なくとも1種、無機塩の少なくとも1種、及び水の存在下に反応させる工程であることがより好ましい。
また本発明の製造方法で製造される一般式(2)で表される芳香族アミドカルボン酸誘導体は、国際公開第2010/013567号パンフレット、国際公報第2010/018714号パンフレット等に記載された、有害生物防除作用に卓効を示すアミド誘導体の製造中間体として好適に用いられる。
一般式(1)及び一般式(2)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xはフッ素原子又はシアノ基を示し、Xはハロゲン原子を示す。nはXで示される置換基の数を表し、0〜3の整数を示す。
前記製造方法におけるカルボキシ化工程には、パラジウム又はパラジウム化合物の少なくとも1種を用いることが好ましい。
使用されるパラジウム又はパラジウム化合物の形態としては、無機酸類、有機酸類、担体付パラジウム、コロイド金属等を挙げることができる。パラジウム又はパラジウム化合物はその形態にとらわれことなく使用可能である。
パラジウム又はパラジウム化合物として具体的には、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、ヨウ化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)、プロピオン酸パラジウム(II)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ブロマイド、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)クロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)アセテート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、金属パラジウム、パラジウムカーボン、パラジウムアルミナ、パラジウムシリカ、パラジウム−炭酸バリウム、パラジウム黒、コロイドパラジウム等が挙げられる。好ましくは酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、パラジウムカーボン等である。
カルボキシ化工程にパラジウム又はパラジウム化合物を用いる場合、パラジウム又はパラジウム化合物の使用量は特に限定されない。通常、一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体に対して、パラジウムの使用量として0.01モル%〜10モル%であり、好ましくは、0.03モル%〜2モル%である。
本発明の製造方法におけるカルボキシ化工程には、ホスフィン化合物の少なくとも1種用いることが好ましい。ホスフィン化合物は、例えばパラジウム又はパラジウム化合物の配位子として機能し、目的物である芳香族アミドカルボン酸誘導体の収率が向上する。
ホスフィン化合物としては例えば、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(2−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、1,1−ビス(ジメチルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジエチルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジエチルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジメチルホスフィノ)ブタン、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン等が挙げられる。好ましくは、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンである。
前記製造方法においては、パラジウム又はパラジウム化合物とホスフィン化合物とをそれぞれ単独で使用してもよく、予めパラジウム又はパラジウム化合物とホスフィン化合物の錯体の形で調製したものを用いてもよい。
パラジウム又はパラジウム化合物を単独で使用する場合、ホスフィン化合物の添加量は特に限定されない。例えばパラジウム又はパラジウム化合物1当量に対して、ホスフィン化合物を1当量以上とすることができ、通常2当量〜100当量である。好ましくは4当量〜50当量である。
前記製造方法におけるカルボキシ化工程には、必要に応じて無機塩基の少なくとも1種を用いることが好ましい。より好ましくは、リン酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、及び炭酸塩からなる群より選ばれる無機塩基の少なくとも1種を用いる。
無機塩基としては例えば、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸三カリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸一水素二アンモニウム、リン酸二水素一アンモニウム、リン酸三アンモニウム等のリン酸塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム等の酢酸塩、ギ酸カリウム、ギ酸ナトリウム等のギ酸塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属塩などを挙げることができる。これらの無機塩基は1種単独でも、複数を組み合わせて用いることもできる。
カルボキシ化工程に無機塩基を用いる場合、無機塩基の使用量は特に制限されない。一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体に対して0.1倍モル〜100倍モルとすることができる。好ましくは1倍モル〜10倍モルである。
前記カルボキシ化工程は、リン酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、及び炭酸塩からなる群より選ばれる無機塩基の少なくとも1種を、一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体に対して0.1倍モル〜100倍モル用いることが好ましく、リン酸塩、酢酸塩、及び炭酸塩からなる群より選ばれる無機塩基の少なくとも1種を、一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体に対して1倍モル〜10倍モル用いることがより好ましい。
前記カルボキシ化工程においては、必要に応じて無機塩基以外の塩基を併用してもよい。無機塩基以外の塩基としては例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピペリジン、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、2,6−ルチジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、ジイソプロピルエチルアミン、3−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、4-ジメチルアミノピリジン等の有機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコラートなどを例示することができる。
これらの塩基を使用する場合、その使用量は、一般式(1)で表される芳香族ハロゲン化物誘導体に対して0.1倍モル〜100倍モルとすることができる。好ましくは1倍モル〜10倍モルである。
前記製造方法におけるカルボキシ化工程に使用される一酸化炭素は、通常、有機合成反応に用いることができるものであればどのようなものでも用いることができる。前記カルボキシ化工程は、常圧から加圧下に行われる。例えば、一酸化炭素の圧力は0.1〜30MPaの範囲で適宜選択すればよい。好ましくは、一酸化炭素の圧力は0.2MPa〜20MPaである。
前記カルボキシ化工程に使用される一酸化炭素の使用量は特に制限されない。例えば一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体に対する一酸化炭素のモル比は0.1〜50であり、好ましくは1.0〜20.0である。
反応器への一酸化炭素の装入方法は、反応を阻害せず、安全な方法であればどのような方法でもよい。反応開始時に一括装入する方法、反応中に分割装入する方法、圧力を一定にして装入する方法等を挙げることができる。
前記カルボキシ化工程は水の存在下で行われることが好ましい。使用する水としては、反応に影響を与えないものであればどのような水でも使用できる。
水を使用する場合、その使用量は特に制限されない。通常、一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体に対して0.1質量倍〜10質量倍であり、0.1質量倍〜2質量倍であることが好ましい。
前記カルボキシ化工程は、水に加えて有機溶剤存在下で行うことができる。使用できる有機溶剤としては、本反応の進行を著しく阻害しないものであればよい。例えばベンゼン、トルエン、キシレン等のアルキル化された芳香族炭化水素溶剤、シアノベンゼン、ニトロベンゼン等の置換された芳香族炭化水素溶剤、n−ヘプタン、n−テトラデカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−デカノール、ベンジルアルコール等のアルコール溶剤、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、t−ブチルメチルエーテル等の鎖状または環状エーテル溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、ブタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極性非プロトン性溶剤などを挙げることができる。
これらの中でも、生成物の収率の観点から、アルキル化された芳香族炭化水素溶剤、鎖状または環状エーテル溶剤、及び極性非プロトン溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、アルキル化された芳香族炭化水素溶剤から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
尚、これらの有機溶剤は1種単独もしくは2種以上を混合して使用できる。
有機溶剤を使用する場合、その使用量は、特に限定されない。通常、一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体に対して1〜10質量倍である。
また有機溶剤を用いる場合、有機溶剤の使用量に対する水の使用量の比率は、質量基準で10%〜80%であることが好ましく、10%〜70%であることがより好ましい。
前記カルボキシ化工程は、溶媒として水と有機溶剤の少なくとも1種とを用い、有機溶剤に対する水の使用比率が質量基準で10%〜80%であることが好ましく、水と有機溶剤としてアルキル化された芳香族炭化水素類の少なくとも1種とを用い、有機溶剤に対する水の使用比率が質量基準で10%〜70%であることがより好ましい。
前記カルボキシ化工程における反応温度は、反応圧下で室温から適宜選択すればよい。通常50℃〜250℃の範囲で行うことができ、好ましくは100℃〜200℃の範囲である。
反応時間は、反応規模、反応温度等に応じて適宜選択できる。数分〜96時間の範囲で適宜選択すればよく、好ましくは1時間〜24時間である。
またカルボキシ化工程が終了後、有機溶剤層から生成した芳香族アミドカルボン酸誘導体を分離し、残った有機溶剤層に一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体と無機塩とをさらに添加し、上記のカルボキシ化工程を繰り返すことも可能である。
かくして得られる一般式(2)で表される芳香族アミドカルボン酸誘導体は、反応終了後、反応混合物から通常の分離精製手段、例えば抽出、濃縮、中和、濾過、再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留等の手段を用いることによって単離することができる。また、反応系から目的物を単離せずに次の反応工程に供することも可能である
本発明の一般式(2)で表される芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法は、一般式(1)におけるRが炭素数1〜6のアルキル基である場合、下記一般式(3)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体をアルキル化して、一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体を得るアルキル化工程をさらに含むことが好ましい。
一般式(3)中、Xはフッ素原子又はシアノ基を示し、Xはハロゲン原子を示す。nは0〜3の整数を示す。
一般式(3)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体をアルキル化して一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体を得る方法としては、アミド基のアルキル化方法として通常用いられる方法を特に制限なく用いることができる。
例えば、一般式(3)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体に、溶媒中で塩基を用いて、所定の反応剤を反応させることで、Rがアルキル基である一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体を製造できる。
溶媒としては、本反応を阻害しないものであればよい。例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、t−ブチルメチルエーテル等の鎖状または環状エーテル溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、ブタノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極性非プロトン性溶剤、水などを挙げることができる。これらの溶媒は1種単独もしくは2種以上の溶媒を混合して使用できる。溶媒の使用量は、特に限定されないが、通常、一般式(3)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体に対して1質量倍〜10質量倍である。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三アンモニウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸一水素二アンモニウム等のリン酸塩類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム等の酢酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコラート類、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属などを例示することができる。これらの塩基の使用量は、一般式(3)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体に対して0.01倍モル〜100倍モル、好ましくは0.1倍モル〜5倍モルである。
反応剤としてはアルキル化剤を用いることができる。例えば、ヨウ化メチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、ヨウ化n−プロピル、ヨウ化2,2,2−トリフルオロエチル等のハロゲン化アルキル化合物、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のアルキル硫酸エステルなどを用いることができる。
これらの反応剤の使用量は、一般式(3)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体に対して1〜5倍モル当量の範囲で適宜選択することができる。またこれらの反応剤を溶媒として使用することでもできる。
反応温度及び反応時間は特に制限されない。例えば反応温度は−80℃から使用する溶媒の還流温度とすることができる。反応時間は数分間から96時間の範囲とすることができる。反応温度及び反応時間はそれぞれ適宜選択すればよい。
前記一般式(2)で表される芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法は、下記一般式(4)で表されるアニリン誘導体と、下記一般式(5)で表される芳香族カルボン酸誘導体とを反応させて、一般式(3)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体を得るアミド化工程をさらに含むことが好ましい。
一般式(4)及び一般式(5)中、Xはフッ素原子又はシアノ基を示し、Xはハロゲン原子を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。nは0〜3の整数を示す。Yはフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子を示す。
一般式(4)で表されるアニリン誘導体と、一般式(5)で表される芳香族カルボン酸誘導体とを適当な溶媒中または無溶媒でアミド化反応を行なうことにより、一般式(3)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体を製造することができる。アミド化工程では適当な塩基もしくは溶媒を用いることが可能である。
アミド化工程で使用する溶媒としては、本反応の進行を著しく阻害しないものであればよい。例えばベンゼン、トルエン、キシレン等のアルキル化された芳香族炭化水素溶剤、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化された芳香族炭化水素溶剤、シアノベンゼン、ニトロベンゼン等の置換された芳香族炭化水素溶剤、n−ヘプタン、n−テトラデカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、ニトロメタン等の置換脂肪族炭化水素溶剤、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、t−ブチルメチルエーテル等の鎖状または環状エーテル溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、ブタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等の極性非プロトン性溶剤、水などを挙げることができる。これらの溶媒は、1種単独もしくは2種以上の溶媒を混合して使用できる。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、通常、一般式(4)で表されるアニリン誘導体に対して1質量倍〜10質量倍である。
アミド化工程で使用する塩基としては例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピペリジン、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、2,6−ルチジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、ジイソプロピルエチルアミン、3−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アリカリ金属塩類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩類等、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三アンモニウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸一水素二アンモニウム、リン酸二水素一アンモニウム等のリン酸塩類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム等の酢酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコラート類などを例示することができる。
これらの塩基は、一般式(5)で表される芳香族カルボン酸誘導体に対して0.01倍モル〜100倍モル、好ましくは0.1倍モル〜5倍モルである。
また、窒素、アルゴン等の不活性ガスを通気させながら、副生する酸性ガスを除去することにより、塩基を用いずに芳香族アミドハロゲン化物誘導体を製造することもできる。
アミド化工程における反応温度及び反応時間は特に制限されない。例えば反応温度は−20℃から使用する溶媒の還流温度とすることができる。反応時間は数分間から96時間の範囲とすることができる。反応温度及び反応時間はそれぞれ適宜選択すればよい。
一般式(5)で表される芳香族カルボン酸誘導体は、対応する芳香族カルボン酸化合物からハロゲン化剤を使用する常法により容易に製造することができる。ハロゲン化剤としては、例えば塩化チオニル、オキザリルクロリド、ホスゲン、オキシ塩化リン、五塩化リン、三塩化リン、臭化チオニル、三臭化リン等のハロゲン化剤を示すことができる。
一方、一般式(5)で表される芳香族カルボン酸誘導体に対応する芳香族カルボン酸化合物と、一般式(4)で表されるアニリン誘導体とから、ハロゲン化剤を使用せずに、一般式(3)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体を製造することもできる。
その方法としては、例えば、Chem.Ber.788ページ(1970)に記載の方法に従うことができる。
具体的には、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシスクシンイミド等の添加剤を適宜使用し、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド系縮合剤を用いる方法を示すことができる。カルボジイミド系縮合剤以外の他の縮合剤としては、N,N’−カルボニルジ−1H−イミダゾール、ジフェニルリン酸アジド、シアノリン酸ジエチル等のペプチド縮合試薬を挙げることができる。これらの縮合剤は単独で用いてもよい。
縮合剤の使用量は特に制限されない。例えば、1倍モル〜5倍モルとすることができる。
溶媒としては、反応の進行を著しく阻害しない不活性溶媒を使用すればよく、上述した溶媒から適宜選択して用いることができる。
反応温度は、通常、−50℃〜+100℃であり、好ましくは−20℃〜+80℃である。
また、一般式(4)で表されるアニリン誘導体のうち、Rがアルキル基である化合物は、一般式(4)で表されるアニリン誘導体のうち、Rが水素原子である化合物を溶媒中、アルデヒド化合物またはケトン化合物と反応させ、触媒を添加し、水素雰囲気下で反応させることにより得られる。
溶媒としては、本反応の進行を著しく阻害しないものであればよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶剤、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、t−ブチルメチルエーテル等の鎖状または環状エーテル溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極性非プロトン性溶剤、水などを挙げることができる。これらの溶媒は1種単独もしくは2種以上の溶媒を混合して使用できる。
触媒としては、パラジウムカーボン、水酸化パラジウム−カーボン等のパラジウム触媒、ラネーニッケル等のニッケル触媒、コバルト触媒、プラチナ触媒、ルテニウム触媒、ロジウム触媒等を示すことができる。
触媒の使用量は特に制限されない。例えば、0.05倍モル〜0.5倍モルとすることができる。
アルデヒド化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、フルオロアセトアルデヒド、ジフルオロアセトアルデヒド、トリフルオロアセトアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、ジクロロアセトアルデヒド、トリクロロアセトアルデヒド、ブロモアセトアルデヒド等のアルデヒド化合物を示すことができる。
アルデヒド化合物の使用量は特に制限されない。例えば、1倍モル〜3倍モルとすることができる。
ケトン化合物としては、例えば、アセトン、ブタノン、メチルイソブチルケトン等を挙げることができる。
ケトン化合物の使用量は特に制限されない。例えば、1倍モル〜3倍モルとすることができる。
反応圧力は1気圧から100気圧の範囲でそれぞれ適宜選択すればよい。反応温度は、−20℃から使用する溶媒の還流温度、反応時間は、数分から96時間の範囲で適宜選択すればよい。
さらに、一般式(4)で表されるアニリン誘導体のうち、Rがアルキル基である化合物は、一般式(4)で表されるアニリン誘導体のうち、Rが水素原子である化合物を溶媒中、アルデヒド化合物またはケトン化合物と反応させ、還元剤で処理することにより得ることができる。
溶媒としては、本反応の進行を著しく阻害しないものであればよい。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶剤、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、t−ブチルメチルエーテル等の鎖状または環状エーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極性非プロトン性溶剤、水などを挙げることができる。これらの溶媒は1種単独もしくは2種以上の溶媒を混合して使用できる。
アルデヒド化合物及びケトン化合物としては、上記と同様のものを挙げることができる。
還元剤としては、ソディウムボロハイドライド、ソディウムシアノボロハイドライド、ソディウムトリアセテートボロハイドライド等のボロハイドライド類等を示すことができる。
還元剤の使用量は特に制限されない。例えば、1倍モル〜3倍モルとすることができる。
反応温度及び反応時間は特に制限されない。例えば反応温度は−20℃から使用する溶媒の還流温度とすることができる。反応時間は数分間から96時間の範囲とすることができる。反応温度及び反応時間はそれぞれ適宜選択すればよい。
さらに、一般式(4)で表されるアニリン誘導体のうち、Rがアルキル基である化合物は、一般式(4)で表されるアニリン誘導体のうち、Rが水素原子である化合物を溶媒中、または無溶媒でアルデヒド類と反応させることにより得ることができる。
溶媒としては、本反応の進行を著しく阻害しないものであればよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶剤、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、t−ブチルメチルエーテル等の鎖状または環状エーテル溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極性非プロトン性溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール溶剤、硫酸、塩酸等の無機塩基類、蟻酸、酢酸等の有機酸溶剤、水などを挙げることができる。これらの溶媒は1種単独もしくは2種以上の溶媒を混合して使用できる。
アルデヒド化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等を示すことができる。
アルデヒド化合物の使用量は特に制限されない。例えば、1倍モル〜3倍モルとすることができる。
反応温度及び反応時間は特に制限されない。例えば反応温度は−20℃から使用する溶媒の還流温度とすることができる。反応時間は数分間から96時間の範囲とすることができる。反応温度及び反応時間はそれぞれ適宜選択すればよい。
本発明の芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法で製造される一般式(2)で表される芳香族アミドカルボン酸誘導体は、これを酸クロリド等に変換し、パーフルオロアルキルアニリン誘導体と反応することで有害生物防除作用に卓効を示すアミド誘導体を効率的に製造することが可能である。
本発明の一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体は、前記一般式(2)で表される芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法に好適に用いることができる。従って、一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体は、有害生物防除作用に卓効を示すアミド誘導体を効率的に製造する上で有用な製造中間体となる。
以下の表1に、本発明の一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体の代表的な例を示すが、本発明の化合物はこれらに限定されるものではない。なお、表中、「n−」はノルマルを、「i−」はイソプロピルを、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を、「n−Pr」はノルマルプロピル基を、「i−Pr」はイソプロピル基を、「n−Bu」はノルマルブチル基を、「n−Pn」はノルマルペンチル基を、「n−hex」はノルマルヘキシル基を、「CN」はニトリル基を、「F」はフッ素原子を、「Cl」は塩素原子を、「Br」は臭素原子を、「I」はヨウ素原子を意味する。
次の実施例により本発明の代表的な実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。H−NMRの化学シフト値は、テトラメチルシランを基準として低磁場側にppm単位で示される。また「s」は一重項を意味し、「d」は二重項を意味し、「t」は三重項を意味し、「m」は多重項を意味し、「brs」は幅の広い一重項を意味する。また、特記しない限り「%」は質量基準である。
<実施例1>
[N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ベンズアミドの製造]
3−クロロ−4−フルオロアニリン50.0g(0.34mol)へ、トルエン(250g)、水(150g)を加え、60℃に加熱した。この反応液の中に安息香酸クロリド50.7g(0.36mol)を滴下した。この際、10%水酸化ナトリウム水溶液を同時滴下し、pHを8付近に保った。滴下終了後、2時間攪拌し、反応液を氷冷した。析出物を濾過し、水で洗浄した後、乾燥することにより表題化合物74.8g(収率87%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl,δppm)7.11−7.18(2H,m),7.50−7.61(3H,m),7.88−7.90(2H,m),8.05(1H,brs),8.38−8.42(1H,m).
<実施例2>
[N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−N−メチルベンズアミドの製造]
トルエン(60g)に85%水酸化カリウム(2.8g,0.05mol)、上記で得られたN−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ベンズアミド10.0g(0.40mol)を加え、加熱還流下、ジメチル硫酸6.1g(0.50mol)を滴下した。この際、ディーンスタークトラップを用いて生成した水を除去した。滴下終了後、1時間攪拌を続けた後、室温まで放冷した。反応液に5%水酸化ナトリウム水溶液20gを加え1時間攪拌した。分液して得られたトルエン層を水40gで洗浄した。トルエン層を減圧下濃縮し、濃縮残渣をn−ヘキサンで洗浄することにより、表題化合物9.97g(収率94%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl,δppm)3.42(3H,s),6.89−6.93(2H,m),7.19−7.33(6H,m).
<実施例3>
[2−フルオロ−3−(N−メチルベンズアミド)安息香酸の製造]
上記で得られたN−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−N−メチルベンズアミド1.98g(0.0075mol)、リン酸三カリウム1.91g(0.009mol)、トルエン3.0g、水2.0g、酢酸パラジウム15.2mg(0.0677mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン163mg(0.395mmol)をステンレス製オートクレーブ(100ml)に装入し、一酸化炭素0.6MPaを封入した後に180℃で3時間攪拌した。室温に冷却後、酢酸エチル、水を加えて分液し、水層を希塩酸で酸性(pH2〜3)にして酢酸エチルで抽出した。その後、水層を炭酸水素ナトリウムでpH=5〜6.5に調整し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過し、濾液を濃縮した後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−へキサン:酢酸エチル=1:2)で精製することにより表題化合物1.25g(収率61.0%)を白色個体として得た。
H−NMR(CDCl,δppm)3.45(3H,s),7.08(1H,brs),7.21−7.33(5H,m),7.85−7.88(1H,brs).カルボン酸のプロトンは観測されなかった。
<実施例4>
[2−フルオロ−3−(N−メチルベンズアミド)安息香酸の製造]
上記で得られたN−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−N−メチルベンズアミド15.0g(0.055mol)、酢酸カリウム16.19g(0.165mol)、炭酸水素カリウム9.36g(0.0935mol)、トルエン32.8g、水3.95g、Pd/C(55.25%wet)2.37g、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン0.949g(0.0023mol)をステンレス製オートクレーブ(200ml)に装入し、一酸化炭素1.4MPaを封入した後に180℃で7時間攪拌した。室温に冷却後、トルエン、水、20%KOH水溶液を加えて分液した。水層を6N塩酸でpH=1にして析出した固体をろ過、乾燥することで表題化合物13.46g(収率90%)を白色固体として得た。
<実施例5>
[2−フルオロ−3−ベンズアミド安息香酸の製造]
上記で得られたN−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ベンズアミド1.87g(0.0075mol)、リン酸三カリウム1.91g(0.009mol)、トルエン3.0g、水2.0g、酢酸パラジウム15.2mg(0.0677mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン163mg(0.395mmol)をステンレス製オートクレーブ(100ml)に装入し、一酸化炭素0.6MPaを封入した後に180℃で3時間攪拌した。室温に冷却後、酢酸エチル、水を加えて分液し、有機層を5%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。水層を濃塩酸でpH=1に調整し、析出した固体をろ過、乾燥することで表題化合物0.93g(収率48%)を淡灰色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d,δppm)7.31(1H,m),7.55(2H,m),7.62(1H,m),7.72(1H,m),7.82(1H,m),7.99(2H,m),10.2(1H,s).
<実施例6>
[N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロベンズアミドの製造]
3−クロロ−4−フルオロアニリン50.0g(0.34mol)、p−フルオロ安息香酸クロリド57.0g(0.36mol)、トルエン300gを用いて実施例1と同様の方法にて、表題化合物82.9g(収率90%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl,δppm)7.13−7.22(4H,m),7.89−7.92(3H,m),8.35−8.38(1H,m).
<実施例7>
[N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロ−N−メチルベンズアミドの製造]
上記で得られたN−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロベンズアミド40.0g(0.15mol)、ジメチル硫酸26.3g(0.21mol)、85%水酸化カリウム13.4g(0.24mol)、トルエン190gを用いて実施例2と同様の方法にて、表題化合物35.9g(収率94.5%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl,δppm)3.41(3H,s),6.88−6.91(2H,s),6.95−6.98(2H,m),7.24−7.28(1H,m),7.31−7.34(2H,m).
<実施例8>
[2−フルオロ−3−(4−フルオロ−N−メチルベンズアミド)安息香酸の製造]
上記で得られたN−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロ−N−メチルベンズアミド1.69g(0.006mol)、リン酸一水素二カリウム3.66g(0.021mol)、トルエン3.60g、水1.85g、酢酸パラジウム12.2mg(0.0543mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン130mg(0.315mmol)をステンレス製オートクレーブ(100ml)に装入し、一酸化炭素0.6MPaを封入した後、170℃で8時間攪拌した。室温に冷却後、酢酸エチル、水を加えて分液し、水層を希塩酸で酸性(pH=2〜3)にして酢酸エチルで抽出した。水層を炭酸水素ナトリウムでpH=5〜6.5に調整し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過し、濾液を減圧下濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−へキサン:酢酸エチル=1:2)で精製することにより表題化合物1.55g(収率88.7%)を得た。
H−NMR(CDCl,δppm)3.45(3H,s),6.88−6.91(2H,brs),7.11−7.14(1H,m),7.27−7.35(3H,m),7.88−7.91(1H,m)カルボン酸のプロトンは観測されなかった。
<実施例9>
[2−フルオロ−3−(4−フルオロ−N−メチルベンズアミド)安息香酸の製造]
上記で得られたN−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロ−N−メチルベンズアミド15.49g(0.05mol)、酢酸カリウム16.19g(0.165mol)、炭酸水素カリウム9.36g(0.0935mol)、トルエン32.8g、水3.95g、Pd/C(55.25%wet)2.37g、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン0.949g(0.0023mol)をステンレス製オートクレーブ(200ml)に装入し、一酸化炭素1.4MPaを封入した後に180℃で7時間攪拌した。室温に冷却後、トルエン、水、20%KOH水溶液を加えて分液した。水層を6N塩酸でpH=1にして析出した固体をろ過、乾燥することで表題化合物13.46g(収率84%)を白色固体として得た。
<実施例10>
[2−フルオロ−3−(4−フルオロベンズアミド)安息香酸の製造]
上記で得られたN−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロベンズアミド1.61g(0.006mol)、リン酸一水素二カリウム3.66g(0.021mol)、トルエン3.60g、水1.85g、酢酸パラジウム12.2mg(0.0543mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン130mg(0.315mmol)をステンレス製オートクレーブ(100ml)に装入し、一酸化炭素0.6MPaを封入した後に180℃で5.5時間攪拌した。室温に冷却後、酢酸エチル、水を加えて分液し、有機層を5%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。水層を濃塩酸でpH=1に調整し、析出した固体を濾過、乾燥することにより表題化合物0.75g(収率45%)を淡灰色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d,δppm)8.07−7.38(7H,m),10.3(1H,s),13.3(1H,s).
<実施例11>
[N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−フルオロベンズアミドの製造]
3−クロロ−4−フルオロアニリン10.0g(0.069mol)、m−フルオロ安息香酸クロリド13.1g(0.082mol)、トルエン50gを用いて実施例1と同様の方法にて、表題化合物16.9g(収率92%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl,δppm)7.12−7.20(2H,m),7.26−7.32(1H,m),7.49−7.53(1H,m),7.61−7.65(2H,m),8.01(1H,s),8.35−8.37(1H,m).
<実施例12>
[N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−フルオロ−N−メチルベンズアミドの製造]
トルエン60gに上記で得られたN−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−フルオロベンズアミド10.0g(0.037mol)、85%水酸化カリウム3.21g(0.047mol)を加え、加熱還流下、ジメチル硫酸6.13g(0.047mol)を滴下した。この際、ディーンスタークトラップを用いて生成する水を脱水した。滴下終了後、1.5時間攪拌し室温まで放冷した。反応液に5%水酸化ナトリウム水溶液30gを加え1時間攪拌し、分液をした。トルエン層を減圧下濃縮し、濃縮残渣をNHシリカを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−へキサン:酢酸エチル=4:1→2:1)で分離精製することにより表題化合物8.98g(収率85%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl,δppm)3.42(3H,s),6.97−7.00(3H,m),7.00−7.08(2H,m),7.17−7.18(1H,m),7.25−7.28(1H,m).
<実施例13>
[N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミドの製造]
3−クロロ−4−フルオロアニリン10.0g(0.069mol)、m−フルオロ安息香酸クロリド14.5g(0.082mol)、トルエン50gを用いて実施例1と同様の方法にて、表題化合物18.8g(収率96%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl,δppm)7.02−7.06(2H,m),7.12−7.20(2H,m),7.44−7.50(1H,m),7.90(1H,s),8.34−8.43(1H,m).
<実施例14>
[N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−2,6−ジフルオロ−N−メチルベンズアミドの製造]
トルエン60gに上記で得られたN−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミド10.0g(0.039mol)、85%水酸化カリウム3.22g(0.050mol)を加え、加熱還流下、ジメチル硫酸6.34g(0.050mol)を滴下した。この際、ディーンスタークトラップを用いて生成する水を脱水した。滴下終了後、2時間攪拌し室温まで放冷した。反応液に5%水酸化ナトリウム水溶液30gを加え1時間攪拌し、分液をした。トルエン層を減圧下濃縮し、濃縮残渣をNHシリカを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−へキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)により精製することにより、表題化合物9.92g(収率86%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl,δppm)3.42(3H,s),6.72−6.75(2H,m),6.90−6.94(1H,m),7.07−7.10(1H,m),7.16−7.25(1H,m).
<実施例15>
[2−フルオロ-3-(2,6−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド)安息香酸の製造]
上記で得られたN−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−2,6−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド1.80g(0.006mol)、リン酸一水素二カリウム3.66g(0.021mol)、トルエン3.60g、水1.85g、酢酸パラジウム12.2mg(0.0543mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン130mg(0.315mmol)をステンレス製オートクレーブ(100ml)に装入し、一酸化炭素0.6MPaを封入した後、180℃で5.5時間攪拌した。室温に冷却後、酢酸エチル、水を加えて分液し、有機層を5%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。水層を濃塩酸でpH=1に調整し、析出した固体をろ過、乾燥することで表題化合物1.57g(収率85%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl,δppm)3.20(3H,s),6.99−7.00(2H,m),7.18−7.22(1H,m),7.32−7.38(1H,m),7.53−7.71(1H,m),7.72−7.74(1H,m).
<実施例16>
[N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−シアノベンズアミドの製造]
3−クロロ−4−フルオロアニリン7.0g(0.048mol)、m−シアノ安息香酸クロリド9.55g(0.058mol)、トルエン35gを用いて実施例1と同様の方法にて、表題化合物13.4g(定量的)を白色固体として得た。この化合物は、追加精製をすることなく次の反応に用いた。
H−NMR(CDCl,δppm)7.14−7.18(1H,m),7.20−7.23(1H,m),7.66−7.69(1H,m),7.88−7.89(1H,m),8.01(1H,s),8.10−8.11(1H,m),8.20(1H,s),8.32−8.35(1H,m).
<実施例17>
[N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−シアノ−N−メチルベンズアミドの製造]
トルエン60gに上記で得られたN−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−シアノベンズアミド7.0g(0.026mol)、85%水酸化カリウム2.19g(0.033mol)を加え、加熱還流下、ジメチル硫酸4.19g(0.033mol)を滴下した。この際、ディーンスタークトラップを用いて生成する水を脱水した。滴下終了後、2時間攪拌し室温まで放冷した。反応液に5%水酸化ナトリウム水溶液30gを加え1時間攪拌し、分液をした。トルエン層を減圧下濃縮し、濃縮残渣をNHシリカを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−へキサン:酢酸エチル=3:1→2:1)で精製することにより、表題化合物3.05g(収率44%)を淡桃色オイルとして得た。
H−NMR(CDCl,δppm)3.44(3H,s),7.01−7.02(2H,m),7.28−7.31(1H,m),7.33−7.36(1H,m),7.52−7.53(1H,m),7.57−7.59(1H,m),7.63(1H,s).
<実施例18>
[2−フルオロ-3-(3−シアノ−N−メチルベンズアミド)安息香酸の製造]
上記で得られたN−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−シアノ−N−メチルベンズアミド1.65g(0.006mol)、リン酸一水素二カリウム3.66g(0.021mol)、トルエン3.60g、水1.85g、酢酸パラジウム12.2mg(0.0543mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン130mg(0.315mmol)をステンレス製オートクレーブ(100ml)に装入し、一酸化炭素0.6MPa封入した後、180℃で5時間攪拌した。室温に冷却後、酢酸エチル、水を加えて分液し、有機層を5%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。水層を濃塩酸でpH=1に調整し、析出した固体を濾過、乾燥することで表題化合物0.73g(収率41%)を淡緑色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d,δppm)3.34(3H,s),7.13−7.99(7H,m).
以上から、本発明の芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法により、短工程で目的とする芳香族アミドカルボン酸誘導体を得ることができた。
日本国特許出願2011−013410号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)


    (一般式(1)中、Rは水素原子又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xはフッ素原子を示し、X塩素原子を示す。nは0又は1を示す。)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体と、一酸化炭素と水とを、パラジウム又はパラジウム化合物の 少なくとも1種、ホスフィン化合物の少なくとも1種、並びに無機塩基、有機塩基及び金 属アルコラートからなる群より選択される少なくとも1種の存在下で反応させる工程を含む、下記一般式(2)


    (一般式(2)中、R、X、及びnは前記と同様である。)で表される芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法。
  2. 前記一般式(1)においてR無置換の炭素数1〜6のアルキル基である場合、下記一般式(3)


    (一般式(3)中、X、X、及びnは前記と同様である。)で表される芳香族アミドハロゲン化合物をアルキル化する工程を更に含む、請求項1に記載の芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法。
  3. 下記一般式(4)


    (一般式(4)中、R及びXは前記と同様である。)で表されるアニリン誘導体と、下記一般式(5)


    (一般式(5)中、X及びnは前記と同様である。Yはフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子を示す。)で表される芳香族カルボン酸誘導体と、を反応させて前記一般式(1)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体を得る工程を更に含む請求項1に記載の芳香族アミドカルボン酸誘導体の製造方法。
  4. 下記一般式(1)


    (一般式(1)中、Rは水素原子又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xはフッ素原子を示し、X塩素原子を示す。nは0又は1を示す。)で表される芳香族アミドハロゲン化物誘導体。
  5. 前記一般式(1)において、Rがメチル基を示す請求項4に記載の芳香族アミドハロゲン化物誘導体。
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