JP5674353B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚外用剤に関する。
皮膚の水分蒸散を抑制し、保湿効果を得るため、種々の皮膚外用剤が用いられている。皮膚外用剤の剤型としては、水中油型乳化組成物や油中水型乳化組成物が代表的なものであるが、このうち、油中水型乳化組成物は、皮膚に塗布した後の被膜感の持続性が高いものの、油性成分がベタつき、使用感に劣るという問題があった。また、形成された塗布膜は水をはじくため、更に水分を補給しようとしても肌にうるおいを与えることは難しかった。
これに対し、水中油型乳化組成物は、ベタつきがなくさっぱりとした使用感であるが、水で流れ落ちやすく、残留性が低かった。
また、皮膚外用剤にワックス等を配合して保湿効果を高めることが行われている。しかしながら、ワックスは皮膚に被膜を形成して水分蒸散を抑制する作用に優れているものの、結晶性が高いため、特に、水中油型乳化組成物に配合すると、高温・サイクルにおいてワックスの結晶が成長してしまい、安定に配合することは困難であった。
そこで、組成物中にワックスを安定に分散させることが検討されている。
例えば、特許文献1には、炭化水素類等の固体脂及び/又は半固体脂にシリコーンを組合せ、アルキルアクリレートクロスポリマー及びアクリル酸−長鎖アルキルメタクリレート共重合体で乳化することで、皮膚水分蒸散抑制作用に優れる上、安定性にも優れる乳化化粧料が記載されている。また、特許文献2には、固体炭化水素等の室温で固形状である油性成分を、アルキル変性カルボキシビニルポリマーにより乳化する水中油型乳化組成物が記載されている。ここでは、活性剤を用いることなく、高圧乳化法等によりワックスを乳化することにより、使用感に優れる乳化組成物を得ている。さらに、特許文献3には、少なくとも2種の非イオン性界面活性剤を含み、HLBが6〜13である常温で液体の非イオン性界面活性剤の混合物により、冷却条件下で高濃度のワックスを分散させることが記載されている。
しかしながら、特許文献1は親油性成分のうちの固体脂および半固体脂成分が多く、べたつきや使用感が重いものであり、肌に艶を持たせることが難かしい。特許文献2は、さらに高圧乳化機の利用など特殊な乳化装置を必要とすることに加え、高分子のゲル化やワックス析出等の可能性がある。また、特許文献3では製剤の伸び等の使用感が十分ではなく、これらいずれの文献であっても、ワックスを安定に分散させ、さらに外用剤の塗布(使用)時の伸びがよく、かつさっぱりとした感触とその後の保湿効果の相反する感触を兼ね備えた使用感が十分ではなかった。
特許第3515154号公報 特開平9−255529号公報 特開2000−178133号公報
本発明は、ワックスが結晶化せず安定に含有され、使用感が良好で、保湿効果に優れた皮膚外用剤を提供することにある。
本発明者らは、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ワックス、特定の油剤、アルカリ金属塩及びHLBの低い非イオン界面活性剤を、特定の割合で組み合わせて用いれば、前記課題を解決した皮膚外用剤が得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)アルキル変性カルボキシビニルポリマー、
(B)融点が60℃以上で、常温で固形の油性成分、
(C)屈折率が1.46以上で、かつ、SP値が17.1以上の油剤、
(D)アルカリ金属塩、
(E)HLB1〜4.5の非イオン界面活性剤
を含有し、成分(A)、(B)及び(D)の質量割合が、(D)/((A)+(B))=1/1〜1/30である皮膚外用剤を提供するものである。
本発明の皮膚外用剤は、ワックスが結晶化せず安定に含有され、のびが良く、べたつきがなく、使用感が良好であり、被膜感及びツヤ感が高く、保湿効果に優れたものである。
本発明で用いる成分(A)のアルキル変性カルボキシビニルポリマーとしては、通常の皮膚外用剤に用いられるものであれば特に制限されないが、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体が好ましいものとして挙げられる。
具体的には、ペムレンTR−1、ペムレンTR−2、カーボポールETD2020、カーボポール1382、カーボポール1342(以上、Lubrizol Advanced Materials社)、AQUPEC HV−501ER(住友精化社)などの市販品を使用することができる。
成分(A)のアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜2質量%、特に0.2〜1.5質量%、更に0.2〜0.9質量%含有するのが、ワックスの結晶化を抑制し、皮膚外用剤中の極性油や金属塩等の他の成分と安定に配合(乳化)でき、かつ優れた使用感を呈するので好ましい。
本発明で用いる成分(B)の油性成分は、融点が60℃以上で、常温(25℃)で固体のものであり、好ましくは融点が60〜110℃のものである。
このような高融点の油性成分を用いることにより、高被膜性・高残留性による優れた保湿効果や、なめらかな使用感を得ることができる。
本発明において、融点は、医薬部外品原料規格I(一般試験法、70.融点測定法 第1法)により測定した値のものである。
かかる油性成分としては、通常の皮膚外用剤に用いられるもので、炭化水素類、ロウ類、エステル類、シリコーン類等の固形油が挙げられ、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、合成ワックス、これらの混合物等から選ばれる。例えば、パラフィン、セレシン、合成炭化水素ワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、キャンデリラロウ、ミツロウ、カルナバロウ等を用いることができる。
これらのうち、炭化水素類が好ましく、特にセレシン(融点72−76℃)、マイクロクリスタリンワックス(融点60−85℃)、ポリエチレンワックス、(融点75−105℃)、パラフィンワックス(融点70−78℃)が、被膜感や保湿効果の点で好ましい。
成分(B)の油性成分は、1種又は2種以上を用いることができ、全組成中に0.5〜10質量%、特に0.5〜8質量%、更に1〜6質量%含有するのが、被膜性や使用感、また外用剤の安定性の点で好ましい。
本発明で用いる成分(C)の油剤は、屈折率が1.46以上で、かつSP値が17.1J/cm3以上のものである。ここで、屈折率は、25℃において、アッベ屈折計(NAR-2T、株式会社アタゴ)により求めた値である。
また、SP値は、溶解度パラメーターδを示し、液体の分子凝集エネルギーEと分子容Vからδ=(E/V)1/2で与えられる物質定数である。SP値は、篠田耕三著「溶液と溶解度 第3版」(丸善株式会社、1991年発行)78頁〜に記載の溶解度パラメーターの求め方により、求めることができる。
このような高い屈折率と極性を有する油剤を用いることにより、光の反射により肌上で高いツヤを引き出すことができるので、肌のツヤ感を高めることができる。
かかる油剤としては、通常の皮膚外用剤に用いられるもので、例えば、安息香酸アルキル(C12−15)、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルアミンとアセトンの反応物、ジフェニルサルファイド、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−フェニルエチルアルコール、フェニルキシリルエタン、フェニルグリシジルエーテル、フェニル酢酸エチル、フェニルホスホン酸ジクロライド、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、2−フェノキシエタノール、フェノキシエチルアクリレート、フェニルアセトアルデヒド、p−メチルフェニルアセトアルデヒド、メチルフェニルグリシッド酸エチル、〔モノ(ジ又はトリ)〕(α−メチルベンジル)フェノール、〔モノ(ジ又はトリ)〕(α−メチルベンジル)フェノール、[モノ(ジ又はトリ)](α−メチルベンジル)フェノール、ロジノール、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、リン酸(トリスイソプロピルフェニル)、ノニルフェニル;オクチルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等のフェニルホスフェート;ジフェニルイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ又はジノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト等のホスファイトなどが挙げられる。
これらのうち、安息香酸アルキル(C12−15)(屈折率1.48、SP値19.0J/cm3)、メチルフェニルポリシロキサン(屈折率1.58、SP値20.3J/cm3)が好ましい。
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができ、全組成中に1〜20質量%、特に1〜15質量%、更に1〜10質量%含有するのが、肌の艶を引き出す点から好ましい。
本発明で用いる成分(D)のアルカリ金属塩としては、例えば、第一リン酸、第二リン酸、第三リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、炭酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸等の酸のナトリウム塩又はカリウム塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。これらのうち、特にリン酸二水素カリウム、乳酸カリウムが好ましい。
本発明においては、アルカリ金属塩を用いることにより、角層での保水性を向上させることができ、肌にうるおいを与える効果を高めることができる。
成分(D)は、1種又は2種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜5質量%、特に0.1〜3質量%、更に0.2〜1.5質量%含有するのが、保湿効果の点で好ましい。
本発明において、成分(A)、(B)及び(D)の質量割合は、(D)/((A)+(B))=1/1〜1/30、好ましくは1/1〜1/15である。成分(A)、成分(B)、成分(D)をこの範囲内とすることで、成分(A)と(B)の濃度が高くなることによるゲル化を抑制して、ワックスが安定に乳化できる。また、なめらかな指どれのクリームを実現でき、のびが良く、高い被膜感を得ることができる。
本発明で用いる成分(E)の非イオン界面活性剤は、HLB1〜4.5のものである。
ここで、HLB(親水性・親油性バランス)は、以下のグリフィンの式により計算されるものである。
Figure 0005674353
具体的には、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロースエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。また、脂肪酸部分は炭素数8〜24の飽和又は不飽和の脂肪酸残基で構成されたものが好ましい。これらのうち、グリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
成分(E)の非イオン界面活性剤を用いることにより、ワックスの結晶化を抑制しつつ、成分(C)の極性油を安定に乳化することができる。
成分(E)は、1種又は2種以上を用いることができ、全組成中に0.5〜10質量%、特に0.5〜5質量%含有するのが、被膜感に高く、伸びが良くベタツキがない使用感も良好であるので好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、更に(F)アニオン界面活性剤、及び(G)HLB8〜16の非イオン界面活性剤を含有することができ、安定性をより高めることができる。
成分(F)アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム等の高級脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩;N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;モノステアリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩;リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン塩等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩などが挙げられる。
これらのうち、モノステアリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩が好ましい。ポリオキシエチレン付加モル数が3〜30のものが好ましい。
成分(F)のアニオン界面活性剤は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.05〜10質量%、特に0.1〜3質量%含有するのが、のびが良くべたつきのない使用感に優れるので好ましい。
成分(G)の非イオン界面活性剤は、HLB8〜16のもので、通常の皮膚外用剤に用いられるものを使用することができる。HLBについては、前記のとおりである。
具体的には、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロースエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
成分(G)の非イオン界面活性剤は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.05〜10質量%、特に0.1〜3質量%含有するのが、のびが良くべたつきのない使用感に優れるので好ましい。
また、本発明においては、成分(B)、(C)及び(G)の質量割合が、(C)/((B)+(G))=1/6〜3/1、特に1/4〜2/1であるのが、十分なツヤ感が得られるので好ましい。高い屈折率を有する油剤は、光の反射により肌上で高いツヤを引き出すことができるが、肌表面への残留が多くなると、むしろ肌にテカリが生じて、自然なツヤと言うことができなくなる。本発明では、このような範囲で使用することにより、ワックスの被膜により適度に肌の表面に油剤を抱え込むことにより、肌内部から自然なツヤを導くことができる。
本発明の皮膚外用剤は、前記成分のほか、通常の皮膚外用剤に用いられるその他の成分を含有することができる。例えば、低級アルコール、保湿剤、酸化防止剤、防腐剤、キレート剤、美白剤、紫外線吸収剤、ビタミン類、その他各種薬効成分、粉体、香料、色材などが挙げられる。
本発明の皮膚外用剤は、更に、水を配合し、通常の方法により、水中油型乳化組成物として製造される。水は、全組成中に30〜90質量%含有するのが好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、成分(B)の固形状の油性成分を、特定の比率で成分(A)および成分(C)〜成分(E)と組合せて水中油型乳化組成物とすることにより、なめらかな指どれのクリームを実現でき、ベタつきが少なく、なめらかで良好な使用感と、被膜性とその残留性の高さを両立することができるものである。
成分(A)と成分(B)の相互作用により、成分(B)の結晶化が抑制され、安定な水中油型乳化組成物を得ることができる。すなわち、本発明の組成物中には、成分(A)と成分(B)の相互作用で構成されるゲル状の大きな分散滴と、成分(C)の油剤が活性剤により乳化された小粒径乳化滴とが、特定の配合により共存しており、それにより、のびが良く、高い被膜感を得ることができるものである。
実施例1〜9、比較例1〜6
表1に示す組成の皮膚外用剤を製造し、安定性、剤ののび、被膜感及びツヤ感を評価した。結果を表1に併せて示す。
(製造方法)
(1)水溶性成分((A)アルキル変性カルボキシビニルポリマー、(D)アルカリ金属塩、その他の水溶性高分子)を水と合し、70〜80℃で攪拌溶解して、水相部とする。
(2)次に、油性成分((B)固形の油性成分、(C)油剤、その他の油性成分)と界面活性剤類((E)非イオン界面活性剤、その他の界面活性剤)を、70〜80℃で攪拌溶解し、油相部とする。
(3)水相部に油相部を80℃で攪拌混合し、冷却して水中油型乳化化粧料を作成し、皮膚外用剤を得た。
(評価方法)
(1)安定性:
得られた皮膚外用剤の安定性を、ワックスの結晶析出に着目して、初期状態と室温6ヶ月後の状態について、外観・性状を評価した。
◎;初期状態と変わらない。
○;初期状態と多少異なるが差がわかりにくい。
△;初期状態と異なるが、商品として問題ない。
×;初期状態と大きく異なり、商品として問題がある。
(2)剤ののび:
得られた皮膚外用剤を手の甲に0.5g塗布し、手の甲の上で剤を馴染ませ、手の甲での伸びの良さを専門パネル(N=5)にて、以下の基準で5段階の官能評価を行った。結果を平均値で示す。点数が小さいほうが、より伸びが良いことを示す。
1;伸びに優れる。
2;伸びがよい。
3;ふつう。
4;やや伸びない。
5;伸びが悪い。
(3)被膜感:
(1)の評価で、皮膚外用剤を手の甲に塗布した5分後、手の甲に製剤が乗っている感じを手で触り、肌が覆われている感じを(1)と同様に、専門パネル(N=5)で被膜感として以下の基準で5段階評価した。結果を平均値で示す。点数が小さいほうが十分な被膜感を有するものである。
1;被膜感が高い。
2;やや被膜感がある。
3;どちらとも言えない。
4;やや被膜感がない。
5;被膜感がない。
(5)ツヤ感:
(1)の評価で手の甲に塗布した後5分後、手の甲の見た目の艶を蛍光灯下にて評価した。(1)と同様に専門パネル(N=5)で見た目の艶感として以下の基準で5段階評価した。結果を平均値で示す。点数が小さいほうが、塗布部にツヤがあることを示す。
1;艶がある。
2;やや艶がある。
3;どちらとも言えない。
4;やや艶がない。
5;艶がない。
Figure 0005674353
表1の結果より、本発明の皮膚外用剤は、ワックスが結晶化せず安定に含有され、使用感(剤ののびやツヤ感)が良好であり、また保湿効果に優れたものであった。本発明の成分(A)であるアルキル変性カルボキシビニルポリマーを他の水溶性高分子にした比較例1は、HLBの低い界面活性剤と併用しても、ワックスの結晶化を抑制できず、時間経過により結晶が析出した。成分(B)に代えて融点が60℃未満のワセリンを配合した比較例2は、経時変化による組成物の安定性(乳化分散状態)はよいものの、使用感(剤ののびやツヤ感)や保湿効果のいずれも十分でなかった。成分(C)の代わりにSP値の低い非極性油を用いた比較例3は、ワックスの乳化安定性に劣り、またツヤ感がほとんど出なかった。アルカリ金属塩を含まない比較例4は、ワックスの安定性に劣り、また剤の伸びが悪かった。HLBの低い界面活性剤を含まずに水溶性高分子のみでワックスと極性油を乳化分散させた比較例5は、ワックスの結晶化を抑制できず、時間経過により結晶が析出した。アルキル変性カルボキシビニルポリマーとワックスに対してアルカリ金属塩を多く配合した比較例6では、ワックスの安定性が悪く、また使用感(剤ののびやツヤ感)や保湿効果のいずれも十分でなかった。

Claims (5)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
    (A)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.1〜2質量%
    (B)融点が60℃以上で、常温で固形の油性成分 0.5〜10質量%
    (C)屈折率が1.46以上で、かつ、SP値が17.1以上の油剤 1〜20質量%
    (D)アルカリ金属塩 0.1〜5質量%
    (E)HLB1〜4.5の非イオン界面活性剤 0.5〜10質量%
    を含有し、成分(A)、(B)及び(D)の質量割合が、(D)/((A)+(B))=1/1〜1/30である皮膚外用剤。
  2. 更に、水を全組成中に30〜90質量%含有する請求項1記載の皮膚外用剤。
  3. 成分(C)の油剤が、安息香酸アルキル及びメチルフェニルポリシロキサンから選ばれるものである請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
  4. 更に、(F)アニオン界面活性剤、及び(G)HLB8〜16の非イオン界面活性剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の皮膚外用剤。
  5. 成分(B)、(C)及び(G)の質量割合が、(C)/((B)+(G))=1/6〜3/1である請求項4記載の皮膚外用剤。
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