JP5674180B2 - ステンレス材料の表面改質方法 - Google Patents

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本発明は、ステンレス材料の表面に浸炭層を形成させて、ステンレス材料の硬度、潤滑性、耐食性を向上させる表面改質方法、特に摺動時に潤滑特性を付与できる表面改質方法に関するものである。
ステンレス材料は、高耐食性材料として広く適用されている。しかしながら、比較的軟質材料であることから、摺動や外部圧力を伴う環境下で適用された場合、変形や摩耗が問題とされていた。変形や摩耗は、材料表面の硬度を向上させることで軽減できることから、熱処理技術、特に窒化処理による検討がなされてきた。窒化処理は、480℃〜580℃の雰囲気下でオーステナイト系ステンレス中に窒素を拡散させて、硬質な窒素化合物を形成させて材料の表面硬度を向上させるものである。しかしながら、逆に、耐食性は未処理材よりも低下してしまうことから、オーステナイト系ステンレスの優れた耐食性と表面硬度の向上を両立することは不可能と考えられてきた。
このような状況下、1980年代から、世界的にオーステナイト系ステンレスの表面改質方法が盛んに研究されるようになり、1984年、プラズマ窒化処理により、オーステナイト系ステンレス表面に、高硬度、且つ高耐食性の表面組織が形成できることを市井らが発見して、この表面改質層をS相と命名した(非特許文献1及び2)。市井らによると、S相は、通常の窒化温度よりも低温である450℃以下で窒化処理した場合に、材料表面に形成されたM4N型{M=(Fe,Cr,Ni・・・・)}の耐食性に優れた窒素化合物(中間層)からなる層と定義している。このS相を形成させるプラズマ窒化処理技術は、材料表面を高硬度化すると共に、オーステナイト系ステンレス以上の耐食性を付与することから、摺動用途以外に、より過酷な腐食環境など、オーステナイト系ステンレス材料の適用分野を広げる役割を果たした。市井らの発見以降、様々な手法で研究開発が行なわれ、プラズマ窒化以外に塩浴軟窒化やガス窒化でS相を形成させる技術や、更には、窒化ではなく、浸炭による炭素拡散でS相を形成する技術も開発されている。
例えば、非特許文献3と4、特許文献1と2に記載されている低温ガス窒化による方法が開発されている。この低温ガス窒化は、フッ素系ガス(NF3等)を添加した300℃〜500℃の雰囲気中にオーステナイト系ステンレスを十数分から数十分保持して、不動態膜をフッ化物に置換・除去するフッ化処理を前処理として行なった後に、450℃以下の雰囲気中にアンモニアガスを添加してガス窒化を行なう技術である。また、場合によっては、後処理として、窒化処理時に形成された発錆の原因になる酸化スケールを、硝酸を含有する強混酸で酸洗除去する工程を必要している。
非特許文献3と4、特許文献3と4には、低温ガス浸炭による技術が記載されている。この低温ガス浸炭は、フッ素系ガス(NF3等)を添加した200℃〜450℃の雰囲気中にオーステナイト系ステンレスを10数分から数時間保持して、不動態膜をフッ化物に置換・除去するフッ化処理を前処理として行なった後に、400℃〜680℃の雰囲気中に浸炭性ガスを添加して炭素拡散させる技術である。
また、酸化スケールや、わずかな炭化クロム、スーティングによる煤の除去を目的として、硝酸を含有する強酸やショットブラストの後工程を必要とする場合がある。
しかしながら、非特許文献3と4、特許文献1と2に記載の低温ガス窒化や、非特許文献3と4、特許文献3と4に記載の低温ガス浸炭は、オーステナイト系ステンレスの不動態膜を除去するためにフッ素系ガスを適用しているが、このフッ素系ガスは、有毒ガスであると共に、高温下で水素化物と爆発的に反応することから、取扱いが困難であり、特殊な安全装置が必要である。また、非特許文献4より、低温ガス窒化の場合、410℃でSUS316に20μmのS相を形成するのに36時間、低温ガス浸炭の場合は、470℃でSUS316に30μmのS相を形成するのに20時間を要しており、生産効率が著しく悪い。更には、酸素の存在する大気雰囲気下で処理することから、低温ガス窒化や低温ガス浸炭処理直後はS相上に強固な酸化膜が生成している。そのため、硝酸を含有する強酸で表面酸化膜を除去しているが、その結果、摺動性能に悪影響を与えるほど表面粗さが著しく向上するために、研磨などの仕上げ工程が必要であり、やはり生産効率の面で課題が残る。
プラズマ窒化でS相を形成させる技術は、無公害で汚水などの排出もなく、アルゴン等の不活性ガスのイオン衝撃によるスパッタリングで、オーステナイト系ステンレスの不動態膜を容易に除去でき、更には、活性な窒素雰囲気中で窒化処理が行なえることから材料表面の窒素ポテンシャルが高く窒化速度も速い。上記、ガス窒化やガス浸炭と比較するとプラズマ窒化は、環境配慮型の有効な技術のひとつと言える。しかしながら、プラズマ窒化で形成されたS相は靭性に乏しく、強酸環境下の耐食性能に課題が認められている。これに対して、プラズマ浸炭で形成されたS相は高硬度でありながら靭性に富み、耐酸性にも優れていることから、オーステナイト系ステンレスの耐食性を維持して、摺動性能を向上させる表面改質法として注目されつつある。しかし、残念ながらプラズマ窒化ほど研究されていないのが現状である。玉本らは非特許文献6において、低温プラズマ浸炭による表面硬度Hv600程度のS相を紹介しているが、500℃で20時間の長時間処理であり、生産性の向上を課題としている。
また、オーステナイト系ステンレスは耐食性が求められる環境で適用されることから、防錆効果の期待できる潤滑油中で適用されることは少ない。つまり、上記のガス窒化、ガス浸炭、プラズマ窒化、プラズマ浸炭を行って、ただ表面硬度を向上させても、潤滑性の乏しい環境下においては、単に相手攻撃性が高まるだけであり、摺動環境の改善どころか悪化するケースも多々認められる。摺動環境を円滑にするには、相手攻撃性を低減するための平滑化や潤滑性の付与が不可欠であるが、これらパラメータを考慮して表面形態にまで注力した取組みはなされていない。
非特許文献7は、浸炭によるS相を形成後、UBMSにてDLCコーティングをする技術が報告されているが、S相の膜厚や硬度の特性に関する詳細な検討がなされておらず、またDLCコーティングの前処理工程でSiCショットピーニングを行なうことで、Siが材料に押し込まれて、DLCが密着性よく蒸着できたと結論づけており、非特許文献7の複合プロセスを成立たせるためには、S相形成前にSiCショットピーニングが必要になっている。そのためプラズマ浸炭以外にショットピーニングとUBMSの2種の装置が必要であり、装置コストや生産効率に、依然として課題が残されている。
以上のように、ステンレスの耐食性を維持、向上しながら、表面硬度を高める検討は実施されてきたが、摺動目的で使用する場合は、単に表面硬度を高めて一方的に耐摩耗性を向上させれば良いものではない。相手あっての摺動であり、硬さだけでは、かえって相手攻撃性を高める結果にもなりかねない。実際、耐食性に優れたステンレスに防錆効果の期待できる潤滑油を塗布する使用方法は殆ど考えられず、摺動条件としては厳しい環境で適用されることからも、材料表面の潤滑性や表面形態にまで配慮する必要がある。
また、耐食性と耐摩耗性を兼ね備えた浸炭層や窒化層を厚膜・高硬度とするに、20〜30時間を要したり、前処理や後処理で有毒ガスや強酸の使用が必要であったり、複数の装置を要したり、生産効率や環境負荷の課題も多い。
前述の課題に対して近年、特許文献5で提唱されている高周波電源を用いたプラズマ処理装置による窒化及び浸炭処理とDLC成膜を連続に処理する方法では、連続処理による密着性の向上を明記している。しかしながら、非特許文献8において窒化+硬質皮膜の連続処理で密着性が向上することは周知の事実である。また、特許文献5ではイオン窒化、ラジカル窒化、ラジカル浸炭の処理に長時間を要すると明記しているが、金型・機械部品・工具等で使用される場合の面強度を考慮して、厚い表面改質層を形成する必要があるためであり、特許文献5の実施の形態で示されている窒化層と浸炭層の厚さ、それぞれ0.7μm、1.5μm程度ならば、従来技術でも短時間処理が可能である。従って、当該処理法は実用的でない部分を多く含んでいる。
市井一男;表面技術,Vol.54 No.3 Page.200-203 (2003.03.01) 市井一男;ふぇらむ,Vol.9 No.2 Page.80-83 (2004.02.01) 青木寛治;熱処理,Vol.45 No.5 Page.303-310 (2005.10.28) 青木寛治;表面技術,Vol.54 No.3 Page.209-211 (2003.03.01) 玉本圭司,北田智也,舟木義行;熱処理,Vol.45 No.3 Page.128-132 (2005.06.28) 野口慎一;日本鋳造工学会全国講演大会講演概要集,Vol.147th, Page127 (2005.10.11) 特開2001-214256号公報 特開平6-256927号公報 特開平9-268364号公報 特開2005-200674号公報 特開2008-38217号公報
本発明は、ステンレス材料の硬度、耐食性及び潤滑性を向上させることができる表面改質方法を提供することを目的とする。
本発明においては、表面の不動態膜を除去したステンレス材料を、特定の温度のプラズマ浸炭雰囲気に接触させて、ステンレス材料の表層に浸炭層を形成させた後、引き続き処理を継続して特定量の炭素物質をステンレス材料の表面に析出付着させると、上記課題を効率的に解決できるとの知見に基づいてなされたのである。
すなわち、本発明は、表面の不動態膜を除去したステンレス材料を、280℃以上、580℃未満の温度のプラズマ浸炭雰囲気に接触させて、ステンレス材料の表層に浸炭層を形成させると共に、0.0001〜1g/m2の量の炭素物質をステンレス材料の表面に析出付着させることを特徴とするステンレス材料の表面改質方法を提供する。
本発明は、又、表面の不動態膜を除去したステンレス材料をプラズマ浸炭雰囲気に接触させてステンレス材料の表層に浸炭層を形成させた後、次いで、大気接触させることなく連続的にさらにダイヤモンド状炭素膜を浸炭層上に形成させることを特徴とするステンレス材料の表面改質方法を提供する。
本発明により、ステンレスの特性(耐食性)を維持しつつ、摺動用途で適用するために必要となる機能性(耐摩耗性、潤滑性、低相手攻撃性)を環境負荷に配慮した技術で簡便に付与することが可能となった。特に、本発明では、プラズマ浸炭を用いるので、減圧雰囲気中で表面改質が可能であり、大気中の酸素の影響を受けずに浸炭層が形成できる利点がある。このために、浸炭処理後に表面酸化膜を除去する後工程を必要とせず、経済的に大きな効果が得られる。また、後工程で強酸を使用する際、エッチングに伴う面粗度の増加が、摺動時の相手材攻撃性の悪化を招いていたが、これらの問題が解消できるようになり、簡便に高機能表面を提供できるようになった。
本発明の方法では、炭素の拡散に伴う固溶強化で材料硬度が向上するため、焼入れ操作を必要としない。このため油冷や加圧ガス冷却等の大掛りな焼入れ設備がなくても処理が行えるという利点がある。
また、一般的に、浸炭処理で生成する煤をスーティングと呼び、トラブルの1つに数えていたが、この煤自体が潤滑性に優れるグラファイトであることに着目して、研究を重ねた結果、炭素物質を制御しながら、浸炭層上に密着性よく形成することが可能になり、過酷な摺動環境で使用されるステンレス材料の潤滑性を飛躍的に向上することに成功した。
更には、400℃以上580℃未満のプラズマ浸炭雰囲気に1〜10時間接触させた後、引続き280℃以上400℃未満のプラズマ浸炭雰囲気に接触させる可変温度制御により、浸炭初期に材料内部まで短時間で炭素を拡散させた後、炭素拡散速度を落として材料表面の炭素濃度の向上を図り、浸炭層の表面硬度を向上させる可変温度制御型の浸炭プロセスを発明した。本発明により、必要以上に厚膜の浸炭層を形成しなくとも表面硬度を高めることができるようになり、また炭素物質の析出も容易に行えるようになった。
更には、プラズマ浸炭処理が可能な熱処理装置を用いて、プラズマCVD方式によるダイヤモンド状炭素膜のコーティングが可能であることを発見して、プラズマ浸炭後のステンレス材料を大気接触させることなく、最適化された浸炭層表面に、直接、ダイヤモンド状炭素をコーティングする本発明により、さらに飛躍的な機能性(耐食性・摺動性)の向上が可能となった。
本発明で対象とするステンレス材料はオーステナイト系ステンレスであることが好ましく、SUS301、SUS302、SUS303、SUS303Se、SUS303Cu、SUS304、SUS304L、SUS04N1、SUS304N2、SUS304LN、SUS304J3、SUS305、SUS309S、SUS310S、SUS316、SUS316L、SUS316N、SUS316LN、SUS316Ti、SUS316J1、SUS316J1L、SUS316F、SUS317、SUS317L、SUS317LN、SUS317J1、SUS836L、SUS890L、SUS321、SUS347、SUSXM7、SUSXM15J1が挙げられる。尚、材料本来のオーステナイト組織を有する場合、事前に固溶化熱処理を行う必要はない。
本発明では、表面の不動態膜を除去したステンレス材料を使用する。ここで、表面の不動態膜の除去は、プラズマ浸炭処理に先立って、スパッタリングで容易に行える。場合によっては、酸や反応性ガスを用いた化学的手法や、研磨、ショットピーニング等による機械的手法により、又はこれらの複数の併用やスパッタリングとの併用も有効である。
スパッタリングは、気密容器内のヒータを用いてスパッタリング開始温度まで加温して、気密容器内にアルゴンと水素の混合ガスをガス供給手段を介して導入後、プラズマ発生可能な圧力に調整してプラズマ電圧を印加して行うのが好ましい。プラズマ浸炭で用いるグロー放電プラズマは、比較的電離度の低い弱電離プラズマであるため、電流密度の向上に寄与するアルゴン添加によりスパッタリング効果を高めることができ、表面酸化膜の還元作用が期待される水素にアルゴンを混合している。アルゴン添加量は、少なすぎると効果が得られず、多すぎるとアーク放電発生の原因となるために、混合ガス中のアルゴン濃度は50〜85容量%で、残部が水素ガスであるのが好ましい。
スパッタリング時のプラズマ電圧は、は80〜1000Vが好ましく、100〜700Vがより好ましい。
スパッタリング時の気密容器内の温度は、200℃以上浸炭開始温度以下、例えば250℃以上450℃以下であるのが好ましい。また、浸炭開始温度以下でスパッタリングをはじめる場合、浸炭開始温度まで雰囲気を加熱しながらスパッタリングを行うのが好ましく、浸炭開始温度に到達後も材料の均熱を目的に、浸炭開始温度でスパッタリングを5〜60分間行うのが更に好ましい。
プラズマ浸炭雰囲気は、減圧下、炭素供給源の供給により形成される。ここで、炭素供給源が、気密容器内の電極に接触した黒鉛と炭化水素ガスであるのが好ましい。具体的には、浸炭雰囲気は、アルゴン濃度50〜85容量%、炭化水素ガス濃度0.001〜10容量%、残量が水素ガスであるのが好ましい。炭化水素ガスは、特に限定するものではないが、取扱いや経済性を考慮するとプロパンを用いることが好ましい。
ここで、減圧としては、圧力50〜1000Paの範囲とするのが好ましい。
プラズマ浸炭雰囲気は、浸炭雰囲気にグロー放電プラズマを用いて形成するのが好ましい。ここで用いるのは、比較的電離度の低い弱電離プラズマであるため、浸炭原料が混合ガス中の炭化水素ガスのみの場合、気密容器室内に添加された炭化水素ガスの多くは浸炭処理に寄与することなく、そのまま廃棄される課題があった。本発明においては、黒鉛を気密容器内の電極に設置することで、浸炭処理時、黒鉛から浸炭反応に寄与するイオン化した炭素が放出されることから、無駄な炭化水素ガスを添加することなく、浸炭処理が可能となった。黒鉛は陰極と接触させることが好ましく、黒鉛で作製された電極を陰極とすることも可能である。
このように気密容器内に浸炭雰囲気ガスを添加してプラズマ発生可能な圧力に調整後、浸炭温度で電圧を印加してプラズマ浸炭雰囲気を形成することができる。
本発明では、表面の不動態膜を除去したステンレス材料を、280℃以上、580℃未満の温度のプラズマ浸炭雰囲気に接触させて、ステンレス材料の表層に浸炭層を形成させると共に、0.0001〜1g/m2の量の炭素物質をステンレス材料の表面に析出付着させる。ここで、400〜480℃が更に好ましい。浸炭処理時のプラズマ電圧は80〜600Vが好ましく、100〜500Vがより好ましい。
本発明では、400℃以上、580℃未満の温度のプラズマ浸炭雰囲気にステンレス材料を1〜10時間接触させる第1の工程と、次いで280℃以上400℃未満の温度のプラズマ浸炭雰囲気にステンレス材料を接触させる第2の工程とを採用するのが好ましい。この方法によると、浸炭初期400〜580℃で迅速に材料中に炭素を拡散させて、効率よく厚膜の浸炭層を形成後、400℃未満280℃以上の浸炭温度で、浸炭層中の炭素が材料内部へ拡散するのを抑制しながら、浸炭層表面の炭素濃度を高めるので、必要最小限の厚さの浸炭層の表面硬度を効率よく高めることができ、また、400℃未満280℃以上の浸炭温度を用いるので、潤滑性に寄与する炭素物質の付着量を効率よく向上させることができるという利点がある。この方法では、第2の工程を0.0001〜1g/m2の量の炭素物質をステンレス材料の表面に析出付着するまで行う。通常、1〜3時間行うのが好ましい。
本発明では、又、400℃〜500℃の範囲内の温度のプラズマ浸炭雰囲気にステンレス材料を接触させる定温接触工程を採用するのが好ましい。この方法によると、均熱性に優れた浸炭理が可能となり、品質安定化の利点が得られる。この方法では、定温接触工程を0.0001〜1g/m2の量の炭素物質をステンレス材料の表面に析出付着するまで行う。通常、5〜10時間行うのが好ましい。
浸炭処理後に自然冷却で取出し温度まで放置することもできるが、生産効率の点から、急速冷却や何らかの強制的な冷却手段を採用するのが好ましく、表面清浄度、ダイヤモンド状炭素膜の密着性を考慮すると、ガス冷却およびそれに伴う設備を有することが好ましい。
本発明の方法により形成される浸炭層は、表面硬度550〜1100Hv、膜厚7〜25μm、塩水噴霧試験による赤錆発生までの時間が500時間以上、表面改質前後の面粗度の増加量が浸炭後に面粗度を整えることなくRz(JIS)0.4μm以内とすることで、耐食性と耐摩耗性、低相手攻撃性を兼ね備えることができる。
浸炭層上に析出させる炭素物質は、グラファイト粒子、グラファイトフィルム、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ及びフラーレンからなる群から撰ばれる少なくとも1種であり、付着量は0.0001〜1g/m2であり、好ましくは0.01〜0.5g/m2である。この炭素物質は潤滑性能の向上に寄与することから、厳しい無潤滑環境下の摺動用途で適用されるステンレス材料の摺動性能を飛躍的に高めることができる。また、浸炭層生成後の炭素濃度の高まった材料表面に、上記の浸炭処理中に析出させることから、効率良く潤滑効果が得られる。炭素物質の付着量は使用目的に応じて異なるが、付着量が多いほど潤滑性能も期待できる。しかしながら、後工程でダイヤモンド状炭素膜を被覆する場合、炭素物質の付着量が多すぎると、ダイヤモンド炭素膜の密着不良やピンホールの原因となることから、付着量は0.0001〜0.1g/m2であることが好ましい。
また、本発明においては、表面の不動態膜を除去したステンレス材料をプラズマ浸炭雰囲気に接触させてステンレス材料の表層に浸炭層を形成させた後、次いで、大気接触させることなく連続的にさらにダイヤモンド状炭素膜を浸炭層上に形成させることも可能である。被覆方法は、特に限定するものではないが、プラズマ浸炭処理と技術的な類似点の多いプラズマCVD法を適用すると、浸炭後、連続的な被覆処理が簡便に行うことができる。浸炭後、連続的にダイヤモンド状炭素膜を被覆する際は、工程間で浸炭層表面が大気接触しないように雰囲気を減圧状態で保持して、材料表面の清浄度を保つことができ、特殊な洗浄工程を行わなくとも、ダイヤモンド状炭素膜の密着性を確保することができる。また、セット工程や洗浄工程が簡略化できるため、断続処理よりも生産性の向上を図ることができる。
ダイヤモンド状炭素膜を被覆する浸炭層の表面硬度は、浸炭層の表面硬度は700〜1100Hvであることが好ましい。これにより、ダイヤモンド状炭素膜の密着性を確保することができる。また、浸炭層の厚さは7〜25μmであるのが好ましい。ダイヤモンド状炭素膜は、Hv800〜Hv2000が好ましい。この範囲にあると、ダイヤモンド状炭素膜が摺動時に摩耗しにくく、剥離しにくくなる。ダイヤモンド状炭素膜組成は、特に限定する必要はないが、無潤滑下の摺動性能を重視すると水素を含有したダイヤモンド状炭素膜が好ましい。
次に実施例により本発明を説明する。比較例及び実施例で得られた浸炭試料の特性を以下の方法により評価した。
浸炭硬度
JIS Z 2244(ビッカース硬さ試験)に準じて測定した。すなわち、ビッカース硬さ試験機を用いて、浸炭試料の表面にダイヤモンド圧子を50gの荷重で押込んで硬度測定を実施した。1試料あたり5回測定して、最大値と最小値を除く3点の平均値を求めて、浸炭硬度とした。
浸炭層厚さ
浸炭試料の断面研磨後、マーブル氏腐食液でエッチングして組織観察用サンプルを作製して、光学顕微鏡にて浸炭層厚さを実測した。
表面粗さ
接触型の表面粗さ形状測定機で測定スピード0.3mm/s、カットオフ0.8mmの条件で浸炭処理前後の表面粗さRz(JIS)を測定して、粗さの変化量を算出した。
炭素付着量
マーカス型高周波グロー放電発光表面分析装置を用いて、浸炭層表面の炭素の検出強度を測定して、検量線を用いて炭素付着量を換算した。
耐食性
JIS規格(JIS Z 2371:塩水噴霧試験方法)に準じた塩水噴霧試験室に浸炭試料を設置して、錆発生までの時間を測定した。
比較例1
気密容器1の金属材料部材4の位置にSUS316材を配置した。排気手段5の真空ポンプで不要気体を排気して、気密容器内の圧力を0.05Torr以下とした後、加熱体3のヒータで600℃まで昇温した。その後、ガス供給手段2からアルゴンと水素を1:1の混合比で添加しながら、プラズマ発生手段6を用いてグロー放電プラズマを印加して、30分間スパタリングを行ない、材料表面の酸化物除去、清浄化、均熱化を図った。スパタリング終了後は、排気手段5の真空ポンプで排気を開始して、1分後にガス供給手段2から浸炭原料ガスであるメタンと水素をそれぞれ0.01l/min、1.00l/minの流量で添加した。ガス添加後、2分間放置して、雰囲気を安定させた後に、プラズマ発生手段6でグロー放電プラズマを印加して、浸炭処理を開始した。この状態で5時間保持後、ガス供給とプラズマ印加を停止した。冷却は、ガス供給手段2から窒素ガスを添加して、炉圧を1barにして放置するガス冷却を行なった。炉内温度が70℃以下になった時点で、試料を取出した。図2に断面組織写真を示す。表面硬度は510Hv、浸炭層の厚さは46μmであった。浸炭表面に炭素物質の生成は認められなかった。塩水噴霧試験では500hr以内に腐食生成物が発生した。
比較例2
表面粗さRz(JIS)0.090μmのSUS316に470℃でガス浸炭処理を行い浸炭層の形成後、最表面に生成した酸化膜を強酸で除去したところ、Rz(JIS)1.46μmまで増加した。浸炭層の表面硬度は1292Hv、膜厚は24μmであった。浸炭表面に炭素物質の生成は認められなかった。塩水噴霧試験を行なったところ、500hr経過時も腐食生成物は析出しておらず安定した耐食性が認められた。
実施例1
陰極側に黒鉛源7を配置した気密容器1の金属材料部材4に表面粗さRz(JIS)0.090μmのSUS316材を設置した。排気手段5の真空ポンプで不要気体を排気して、気密容器内の圧力を0.05Torr以下とした後、加熱体3のヒータで450℃まで40分間要して昇温した。その後、ガス供給手段2からアルゴンと水素を4:1の混合比で添加しながら、プラズマ発生手段6を用いてグロー放電プラズマを印加して15分間スパタリングを行なった。その後、スパッタリングガス中に2%のプロパンを混合してガス供給手段2から気密容器内に導入して、プラズマ発生手段6でグロー放電プラズマを印加して浸炭処理を開始した。プラズマ印加状態のまま540分保持した後、ガス供給とプラズマ印加を停止した。冷却は、排気手段5の真空ポンプで排気しながら70℃になるまで放置して、その後、試料を取出した。図3に断面組織写真を示す。表面硬度735Hv、浸炭層の厚さは16μmであり、浸炭層表面にはグラファイト粒子が析出していた。炭素付着量としては0.045g/m2であった。浸炭処理後の表面粗度はRz(JIS)0.091μmであった。また、塩水噴霧試験を行ったところ、500hr経過時も腐食生成物は析出しておらず安定した耐食性が認められた。
実施例2
陰極側に黒鉛源7を配置した気密容器1の金属材料部材4に表面粗さRz(JIS)0.10μmのSUS316材を設置した。排気手段5の真空ポンプで不要気体を排気して、気密容器内の圧力を0.05Torr以下とした後、加熱体3のヒータで350℃まで15分間要して昇温した。その後、ガス供給手段2からアルゴンと水素を3:1の混合比で添加しながら、プラズマ発生手段6を用いてグロー放電プラズマを印加して15分間スパタリングを行ないながら575℃まで昇温した。その後、スパッタリングガス中に2%のプロパンを混合してガス供給手段2から気密容器内に導入して、雰囲気を安定させた後に、プラズマ発生手段6でグロー放電プラズマを印加して浸炭処理を開始した。プラズマ印加状態のまま480℃まで60分で冷却後、更に、プラズマ印加状態のまま280℃まで120分要して冷却して、ガス供給とプラズマ印加を停止した。280℃からの冷却は、排気手段5の真空ポンプで排気しながら、70℃になるまで放置後、試料を取出した。図4に断面組織写真を示す。表面硬度724Hv、浸炭層の厚さは22μmであり、浸炭層表面にはグラファイト粒子が析出していた。炭素付着量としては0.098g/m2であった。浸炭処理後の表面粗度はRz(JIS)0.13μmであった。また、塩水噴霧試験を行ったところ、500hr経過時も腐食生成物は析出しておらず安定した耐食性が認められた。
実施例3
陰極側に黒鉛源7を配置した気密容器1の金属材料部材4に表面粗さRz(JIS)0.09μmのSUS316材を配置した。排気手段5の真空ポンプで不要気体を排気して、気密容器内の圧力を0.05Torr以下とした後、加熱体3のヒータで250℃まで15分間要して昇温した。その後、ガス供給手段2からアルゴンと水素を3:1の混合比で添加しながら、プラズマ発生手段6を用いてグロー放電プラズマを印加して15分間スパタリングを行ないながら500℃まで昇温した。その後、スパッタリングガス中に2%のプロパンを混合してガス供給手段2から気密容器内に導入して、雰囲気を安定させた後に、プラズマ発生手段6でグロー放電プラズマを60分間印加して浸炭処理を開始した。一旦、ガス供給とプラズマ印加を停止して、450℃まで放置冷却した後、プラズマ発生手段6でグロー放電プラズマを60分間印加して浸炭処理行なった。その後、一旦、ガス供給とプラズマ印加を停止して、400℃まで放置冷却した後、プラズマ発生手段6でグロー放電プラズマを60分間印加して浸炭処理行なった。再度、一旦、ガス供給とプラズマ印加を停止して、350℃まで放置冷却した後、プラズマ発生手段6でグロー放電プラズマを60分間印加して浸炭処理行なった。350℃からの冷却は、排気手段5の真空ポンプで排気しながら、70℃になるまで放置後、試料を取出した。図5に断面組織写真を示す。表面硬度852Hv、浸炭層の厚さは13μmであり、浸炭層表面にはグラファイト粒子が析出していた。炭素付着量としては、0.068g/m2であった。浸炭処理後の表面粗度はRz(JIS)0.095μmであった。塩水噴霧試験を行ったところ、500hr経過時も腐食生成物は析出しておらず安定した耐食性が認められた。
実施例4
陰極側に黒鉛源7を配置した気密容器1の金属材料部材4に表面粗さRz(JIS)0.10μmのSUS316材を設置した。排気手段5の真空ポンプで不要気体を排気して、気密容器内の圧力を0.05Torr以下とした後、加熱体3のヒータで350℃まで15分間要して昇温した。その後、ガス供給手段2からアルゴンと水素を3:1の混合比で添加しながら、プラズマ発生手段6を用いてグロー放電プラズマを印加して15分間スパタリングを行ないながら575℃まで昇温した。その後、スパッタリングガス中に2%のプロパンを混合してガス供給手段2から気密容器内に導入して、雰囲気を安定させた後に、プラズマ発生手段6でグロー放電プラズマを印加して浸炭処理を開始した。そして、プラズマ印加状態のまま480℃まで60分で冷却後、更に、プラズマ印加状態のまま280℃まで120分要して冷却して、ガス供給とプラズマ印加を停止した。その後、排気手段5の真空ポンプで排気しながら200℃まで放置冷却して、引続きプラズマCVD法によるダイヤモンド状炭素膜(a-C:H)を被覆した。炭素膜コーティングはメタンガスを添加しながらグロー放電プラズマ電圧を200V印加して180分間保持して行なった。炭素膜コーティング終了後は、排気手段5の真空ポンプで排気しながら、70℃になるまで放置して、試料を取出した。本実施例4は、実施例2の浸炭後、連続的にダイヤモンド状炭素膜を被覆した事例である。図6はロックウェル圧痕押込みによるダイヤモンド状炭素膜の密着性評価結果であるが、皮膜剥離は認められず、優れた密着性が認められる。
実施例5
本発明の実施例1と従来技術の比較例2の無潤滑条件下の摺動特性をBall on Disk摩擦摩耗試験機で比較した。摺動条件は、負荷荷重2N、摺動半径5mm、周速300rpm、相手材にはφ5mmのSUJ2製の鋼球を使用した。図7に未処理のステンレス脱脂板(SUS316)、図8と図9に比較例2と実施例1の摺動試験時の摩擦係数を示す。未処理のステンレス脱脂板は、試験開始直後から急激な摩擦係数の上昇が認められており、瞬間的に焼付きを起こした。図8は従来技術の比較例2の試験結果であるが、ガス浸炭処理で形成された浸炭層により多少の耐久性は認められるが、摩擦係数が高く、不安定であり、焼付きと摩耗を繰り返していた。これに対して、本発明の図9は、摺動初期の摩擦係数が無潤滑下で0.2と低く安定しており、時間経過と共に摩擦係数が上昇するものの、図7の未処理材、図8の比較例2と比較しても顕著に優れる摺動性を発揮している。浸炭層の硬度と膜厚を比較すると、実施例1(735Hv、16μm)は比較例2(1292Hv、24μm)よりも硬度が低く、膜厚も薄いが、浸炭層の平滑性と炭素物質の潤滑性が、摺動時の摩擦係数を著しく低減する効果をもたらしている。本発明により摺動性能を飛躍的に向上することに成功した。
実施例6
実施例4で作製した試料の無潤滑条件下の摺動特性をBall on Disk摩擦摩耗試験機で評価した。摺動条件は、負荷荷重2N、摺動半径5mm、周速300rpm、摺動距離40mとして、相手材にはφ6mmのSUS440製のBallを使用した。図10に未処理のステンレス材、図11に本発明の浸炭後にダイヤモンド状炭素膜を被覆した実施例4の摺動試験時の摩擦係数を示す。未処理のステンレス脱脂板は、試験開始直後から急激な摩擦係数の上昇が認められており、瞬間的に焼付きを起こした。これに対して、浸炭層上に炭素膜コーティングを施した実施例4は、図11に示すように、終始0.2〜0.3と低い摩擦係数で安定しており、焼付きの発生は認められなかった。浸炭層に直接、ダイヤモンド状炭素膜を被覆することにより、摺動特性を飛躍的に向上させることに成功した。
表1
本発明で使用する金属の表面改質装置を示す。 比較例1で処理したステンレス材料の断面組織写真(1000倍)を示す。 実施例1で処理したステンレス材料の断面組織写真(1000倍)を示す。 実施例2で処理したステンレス材料の断面組織写真(1000倍)を示す。 実施例3で処理したステンレス材料の断面組織写真(1000倍)を示す。 実施例4のロックウェル圧痕押込みによる密着性評価結果(100倍)を示す。 ステンレス脱脂板のBall on Disk摩擦摩耗試験中の摩擦係数を示す。 比較例2のBall on Disk摩擦摩耗試験中の摩擦係数を示す。 実施例1のBall on Disk摩擦摩耗試験中の摩擦係数を示す。 ステンレス脱脂板のBall on Disk摩擦摩耗試験中の摩擦係数を示す。 実施例4のBall on Disk摩擦摩耗試験中の摩擦係数を示す。

Claims (6)

  1. 表面の不動態膜を除去したステンレス材料を、280℃以上、580℃未満の温度のプラズマ浸炭雰囲気に接触させて、ステンレス材料の表層に浸炭層を形成させると共に、0.0001〜1g/m2の量のグラファイト粒子、グラファイトフィルム、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ及びフラーレンからなる群から撰ばれる少なくとも1種である炭素物質をステンレス材料の表面に析出付着させることを特徴とするステンレス材料の表面改質方法。
  2. プラズマ浸炭雰囲気との接触が、400℃以上、580℃未満の温度のプラズマ浸炭雰囲気にステンレス材料を1〜10時間接触させる第1の工程と、次いで280℃以上400℃未満の温度のプラズマ浸炭雰囲気にステンレス材料を接触させる第2の工程とからなる請求項1記載の表面改質方法。
  3. プラズマ浸炭雰囲気との接触が、400℃〜500℃の範囲内の温度のプラズマ浸炭雰囲気にステンレス材料を接触させる定温接触工程からなる請求項1記載の表面改質方法。
  4. プラズマ浸炭雰囲気が、減圧下、炭素供給源の供給により形成される請求項1〜3のいずれか1項記載の表面改質方法。
  5. 炭素供給源が、気密容器内の電極に接触した黒鉛と炭化水素ガスである請求項4記載の表面改質方法。
  6. ステンレス材料が、オーステナイト系ステンレスである請求項1〜5のいずれか1項記載の表面改質方法。
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