JP2909361B2 - チタン金属の表面処理方法 - Google Patents
チタン金属の表面処理方法Info
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- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Description
理方法に関する。
強度もほぼ炭素鋼に等しく、また表面に酸化被膜を形成
するので、耐食性に優れた性質を有することが知られて
いる。
スズ、鉄、アルミニウム、バナジウム、クロム、コバル
ト、モリブデン、タングステンなどと合金をつくり、そ
の加工性や機械的強度を種々改良することが可能であ
る。
なるチタン金属の用途としては、たとえば、耐食性容
器、メガネフレーム、医科・歯科材料などが一般的であ
る。
にチタン金属は、耐食性や機械的強度などに優れた性質
を有するが、そのような性質を維持しながら摺動特性を
発揮する材料用途としては、未だ充分に改良されたもの
ではなかった。
・ナットなどの締結材としては、そのような材料に要求
される低摩擦係数、耐摩耗性を充分に満足できるものと
はいえない。
を劣化させることなく、その表面に耐久性のある摺動処
理を施して、摩擦係数および摩耗量を低減させることを
課題としている。
め、この発明においては、水素ガスを含有するクリーニ
ング用ガス雰囲気中でチタン金属を700〜1100℃
に加熱し、200〜1500Vの直流電圧を印加して表
面をクリーニング処理した後、前記チタン金属を炭化水
素ガスを含有する0.5〜15torr、700〜11
00℃の雰囲気内でプラズマ浸炭処理する手段を採用し
たのである。
いるチタン金属は、純チタンまたはチタンと他の金属成
分との合金のいずれであってもよく、特に合金の組成を
限定して行なうものではない。市販のチタン金属のチタ
ニウムの純度は、99.9〜99.5%程度であるが、
このような純チタンを用いることもできる。
したようにチタン金属が全ての金属と合金を形成するこ
とから、特に限定されるものではないが、たとえば銅、
スズ、鉄、アルミニウム、バナジウム、クロム、コバル
ト、モリブデン、タングステンなどを挙げることができ
る。
理の前にその表面を有機溶媒に浸漬し、また超音波によ
る洗浄処理を行なうことが望ましい。
にグラファイトファイバー等の断熱材で囲まれた処理室
を形成し、この処理室内をロッドグラファイトからなる
発熱体で加熱すると共に、処理室内の上部に直流グロー
放電の正極を接続し、かつ処理品の載置台に陰極を接続
し、また処理室内の要所にはガスマニホールドを設置し
て炭化水素、窒素、アルゴン、水素などのプロセスガス
またはクリーニング用ガスを適宜分散させながら導入す
るようにした公知の浸炭処理装置(日本電子工業社製)
を用いることができる。
下の操作を行なって処理することができる。
した後、ヒータにより700〜1100℃の浸炭温度に
まで加熱し、水素、アルゴン、窒素などの希釈またはク
リーニング用ガスを導入し、200〜1500Vの直流
高電圧を印加して10〜30分保持する。
るが、プラズマ中の電位は陽極から陰極までの大部分で
ほぼ一様であり、陰極付近で急激に電位が低下する。こ
のため、プラズマ中の水素イオンH + やアルゴンイオン
Ar+ は、陰極降下によって加速され、チタン金属表面
に衝突して表面の酸化物その他の付着物を跳ね飛ばすな
どしてチタン金属表面をクリーニングする。
0.5〜15torrの範囲で導入すると、プラズマガ
ス中には、イオン化した活性化炭素C+ が発生し、これ
がチタン金属表面に付着してさらに内部に拡散するか、
スパッタリング、または打込みの作用によって浸炭反応
が進行する。
は、Cn H2n+2で示されるメタン同属体であって前記浸
炭温度において気体であるものを、特にその種類を限定
することなく使用することができる。特に、常温で気体
のメタン、エタン、プロパン、ブタンは、使用に際して
気化設備が不要であるので、好ましいものであるといえ
る。
における炭化水素ガスの圧力は0.5〜15torrで
ある。このような炭化水素ガスの圧力は、チタン金属表
面に主にTiCからなる処理層を形成するために必要で
あって、0.5torr未満の低圧では処理層の炭素量
が少なく、摺動特性の改善が充分でない。また、15t
orrを越える高圧では、浸炭層の炭素量が飽和値とな
って、これ以上の浸炭効果が向上せず、実用的でなくな
るからである。
気温度は、700〜1100℃である。なぜなら、70
0℃未満の低温では、チタン金属表面にスーティング
(煤)の発生が起こりやすく、そのため希釈用のガス
(アルゴン、窒素など)の分圧が高くなりすぎて処理効
率が極端に低下するからである。また、1100℃を越
える高温では、チタン金属が例えば950℃で六方晶系
(α型)から体心立方晶系(β型)に変態し(因みに純
チタンでは変態点は885℃である)、強度特性を確保
するためにも前記高温の処理温度は実用的でないからで
ある。
ン金属を所定の圧力および温度でプラズマ浸炭処理する
ので、チタン金属の表面に、活性化された炭素イオンが
付着し、またはチタン金属の表面から飛び出したTi原
子が活性化された炭素イオンと結合してチタン金属表面
に被着して内部に拡散するか、または陰極の近傍で加速
された炭素イオンが直接にチタン金属内に打込まれる作
用によって、主に炭化チタンからなる処理層が形成され
ることとなる。
の処理層は、炭化されたことによってその炭化物が潤滑
性を発揮すると考えられ、摩擦係数および摩耗量を低減
させるようになり、またチタン金属の耐食性を低下させ
ることもない。また、処理層は、たとえば70μm 程度
の比較的厚い層に形成することができるので、耐久性の
ある表面処理層を形成することができる。
板状の純チタン(神戸製鋼所社製)を240エメリー研
磨後、アセトン中で超音波洗浄し、以下の装置および条
件でプラズマ浸炭処理を行なった。
バー等の断熱材で囲まれた処理室を有し、この処理室内
をロッドグラファイトからなる発熱体で加熱すると共
に、処理室内の上部に直流グロー放電の正極を接続し、
かつ処理品の載置台に陰極を接続し、また処理室内の要
所にはガスマニホールドを設置して炭化水素、窒素、ア
ルゴン、水素などのプロセスガスを適宜導入するように
した公知の浸炭処理装置(日本電子工業社製)を用い
た。
を100%プロパンガスとし、ガス圧力1Torr、処
理時間1時間、処理温度950℃として、処理後に窒素
ガスを処理室内に圧入して常温に冷却した。
線回折および光学顕微鏡を用いて処理層の結晶構造と厚
さを観察測定し、摩擦・摩耗試験を行なった。
置および条件で行ない、その結果を図2(a)および図
3(a)に示した。
一端に1.96Nの荷重が掛かるように支持されたアー
ムの一端下面に、ピン型の摺動相手材(軸受鋼:SUS
J2または試験片と同じ材質からなるもの)を固定し、
この摺動相手材を前記荷重にて平板状の試料片表面に押
しつけた状態で、この試料片をアームの長手方向と直角
方向に強制的に速度20mm/秒、5mmのストローク
で往復運動させた。このとき、摺動相手材と試料片間に
働く摩擦力をアームに生じた歪みとして歪みゲージによ
って検出し、その歪み量をA/D変換器を介してコンピ
ュータに入力して摩擦係数を算出した。
相対湿度50〜60%、室温、大気中の条件下で行なっ
た。なお、上記実験の摩擦係数の測定値については、実
験開始当初から60分間の摩擦係数の時間変化を求め、
結果を図4のグラフに示した。
よって測定した試料片の摩耗痕の断面形状、または実験
前後の試料片の重量変化から摩耗重量量または摩耗体積
を求め、摩擦実験後の比摩耗量(mm3 /Nm)を求め
た。
に代えて、チタン合金(Ti−6Al−4V)(神戸製
鋼所社製、同寸法)を用いたこと以外は、実施例1と全
く同じ条件にてプラズマ浸炭処理を行なって試験片を製
造し、かつ同じ実験を行ない、その結果を図2(b)、
図3(b)に示した。
による耐食性の比較を行ない、3wt%塩化ナトリウム
溶液、21℃、通気なしの条件で、電流密度(μA/c
m2)と電位(mV VS.SCE)の関係を測定し、
これを図1に示した。
を行なうことに代えて、下記の条件でプラズマ窒化処理
を行なうこと以外は、実施例1と全く同様にして試験片
を製造し、かつ同じ実験を行ない、その結果を図2
(a)、図3(a)、図4に示した。
による耐食性の比較を行ない、この結果を図1に示し
た。
組成を100%窒素ガスとし、ガス圧力2Torr、処
理時間3時間、処理温度790℃として、処理後に炉内
で常温にまで冷却した。
を行なうことに代えて、プラズマ窒化処理(比較例1と
同じ条件)を行なうこと以外は、実施例2と全く同様に
して試験片を製造し、かつ同じ実験を行ない、その結果
を図2(b)、図3(b)に示した。
で試験片を製造し、このもの(表面処理を行わない状
態)に対して実施例1と同じ実験を行ない、その結果を
図2(a)、図3(a)または図4に示した。
による耐食性の比較を行ない、この結果を図1に示し
た。
4V)(神戸製鋼所社製)で試験片を製造し、このもの
(表面処理を行わない状態)に対して実施例1と同じ実
験を行ない、その結果を図2(b)、図3(b)に示し
た。
の結果について、以下に述べる。
た処理層の結晶構造と厚さについてみると、Ti合金:
Ti2 N>TiN、純Ti:TiN>Ti2 Nであり、
純チタン、チタン合金表面に形成された浸炭層の厚さは
70μm であった。この場合、純チタンは処理層が明瞭
であるのに対し、チタン合金の処理層は、拡散層が発達
しており、やや不明瞭であった。これらの処理層は主に
TiCであった。
の比較試験については、図1の結果から明らかなよう
に、プラズマ浸炭処理を施したチタン合金からなる実施
例2は、プラズマ窒化処理したチタン合金である比較例
1または未処理の純チタンである比較例3に比べて、電
位は上昇し電流も少なくなり、耐食性が向上していた。
図3の結果から明らかなように、純チタンまたはチタン
合金をプラズマ窒化した比較例1または比較例2の摩擦
・摩耗特性は、純チタンで未処理の比較例3またはチタ
ン合金で未処理の比較例4にそれぞれ比べて改善されて
いなかった。
非常に薄いために、摩擦初期に剥離または摩耗してしま
い、その後は母材との摩擦に移行してしまうためと考え
られた。
理した実施例1またはチタン合金をプラズマ浸炭処理し
た実施例2は、処理済の試料片同士を摩擦した場合(図
2)、試料片と軸受鋼を摩擦した場合(図3)のいずれ
の場合でも摩擦係数、比摩耗量共にかなり低下し、摩擦
・摩耗特性が改善されていた。
プラズマ浸炭処理を施したチタン金属は、摩擦係数の値
が小さいだけでなく、経時的にみてもこれらの値の変動
が非常に小さかった。
の方法でクリーニング処理した後、チタン金属を所定の
圧力および温度でプラズマ浸炭処理するので、純チタン
またはチタン合金のいずれのチタン金属の耐食性をも劣
化させることなく、その表面に比較的厚い耐久性のある
摺動処理層が形成可能な方法を提供し、摩擦係数および
摩耗量を安定した状態で低減させることができるという
利点がある。
係を示す図表
同士の摩擦係数と比摩耗量を示す図表 (b)実施例2、比較例2、比較例4の同種材同士の摩
擦係数と比摩耗量を示す図表
に対する摩擦係数と比摩耗量を示す図表 (b)実施例2、比較例2、比較例4の軸受材に対する
摩擦係数と比摩耗量を示す図表
る摩擦係数と摩擦時間の関係を示す図表
Claims (1)
- 【請求項1】 水素ガスを含有するクリーニング用ガス
雰囲気中でチタン金属を700〜1100℃に加熱し、
200〜1500Vの直流電圧を印加して表面をクリー
ニング処理した後、前記チタン金属を炭化水素ガスを含
有する0.5〜15torr、700〜1100℃の雰
囲気内でプラズマ浸炭処理することからなるチタン金属
の表面処理方法。
Priority Applications (2)
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JP5234735A JP2909361B2 (ja) | 1993-09-21 | 1993-09-21 | チタン金属の表面処理方法 |
US08/307,447 US5466305A (en) | 1993-09-21 | 1994-09-21 | Method of treating the surface of titanium |
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