JP6197579B2 - 金属の表面処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は金属の表面処理方法に関し、特に金型表面の処理方法に関する。
特許文献1は、金型表面を被覆している非晶質カーボンにフラーレンを供給し、被覆部材を金型表面に接触させた状態で加熱する、金型の処理方法を示している。
特開2011−092972号公報
上記方法では非晶質カーボンに対し、フラーレンを浸透させるために加熱が必要である。このため、上記処理方法を、変形、摩耗が生じやすい金型部位に適用することは困難である。本発明は加熱に依存せず、フラーレンを基材表層内部に浸透させることのできる、金属の表面処理方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかる金属の表面処理方法は、金属製の基材表層のポーラス層上にフラーレンを含有する液体を塗布する塗布工程を有するものである。前記ポーラス層は、前記基材表層を窒化して得られる層であることが好ましい。前記窒化は、シアン系処理液中での塩浴窒化であることがさらに好ましい。
本発明の他の態様にかかる金属の表面処理方法は、基材表層にポーラス層を形成するポーラス層形成工程と、前記ポーラス層上にフラーレンを含有する液体を塗布する塗布工程と、を有する。前記塗布工程の後、さらに潤滑剤を浸透させる浸透工程を有することが好ましい。さらに、前記浸透工程の後、潤滑剤を基材表層に擦り込む、拡散工程をさらに備えることが好ましい。
前記ポーラス層形成工程は、基材表層を窒化する工程であることが好ましい。前記基材表層を窒化する工程、すなわち窒化工程として、シアン系処理液中で塩浴窒化処理を行うことが好ましい。前記フラーレンはフラーレンC60、フラーレンC70、及び炭素数76以上の高次フラーレンからなる群から選ばれる一以上のフラーレンであることが好ましい。
前記フラーレンを含有する液体は、フラーレンがトルエン及び/又はキシレンに分散した分散液であることが好ましい。前記浸透工程の後、潤滑剤を前記基材表層に擦り込む、拡散工程をさらに備えることが好ましい。
本発明の金属の表面処理方法により、加熱に依存せず、フラーレンを基材表層内部に浸透させることができる。フラーレンが基材表層内部に浸透していることで、基材表層が摩耗してもフラーレンが残存するので、基材表層の摩擦の増大を抑制できる。
実施形態にかかる塗布工程後の基材の断面図である。 実施形態にかかる塩浴窒化層の断面図である。 実施形態にかかる拡散工程後の基材の断面図である。 実施例1にかかるポーラス層の断面SEM像である。 実施例2にかかる窒化工程後の基材の断面SEM像である。 実施例2にかかる窒化工程後の基材の拡大断面SEM像である。 実施例2にかかる基材表層の断面ビッカース硬さ分布のグラフである。 実施例2にかかる窒化工程後の基材の表面SEM像である。 実施例2にかかるポーラス層の拡大断面SEM像その1である。 実施例2にかかるポーラス層の拡大断面SEM像その2である。 実施例2にかかる基材表層のX線回折グラフである。 窒化工程後の基材の断面EDX・EPMA分析像及び摺動特性グラフである。 塗布工程後の基材の断面EDX・EPMA分析像及び摺動特性グラフである。 ボールオンプレート型往復摩擦試験機の模式図である。 比較例にかかる拡散工程後の基材の断面図である。 チップ潤滑剤の顕微鏡写真である。 比較例にかかる浸透工程後の基材表層の摺動特性のグラフである。 実施例2にかかる基材の窒化層の深さと破壊靭性の関係示すグラフである。 実施例2にかかる基材のプレス試験の外観写真である。 実施例2及び比較例にかかる鋳型作成時の外観写真である。
以下、実施形態及び実施例について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同等の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
[概要]
図1に示すように、本実施形態の、金属の表面処理方法は、分散液45を基材表層35に浸透させる塗布工程40を備える。本実施形態において基材表層35は、基材36の基材表面37、及び基材表面37から数十〜数百nmの深さまでの領域を含む。基材表面37は基材36と外界38との界面である。例えば基材36を鋳型として用いる場合、外界38には鋳物が形成される。
塗布工程40に用いる分散液45中ではフラーレンは分散媒に分散している、又は溶媒に溶解している。分散媒又は溶媒はトルエン及び/又はキシレンを含有することが好ましい。基材表層35はポーラス層41を備える。本実施形態では、分散液45の分散媒はキシレンからなることが好ましい。すなわちフラーレンを混合したキシレンをポーラス層41に浸透させることが好ましい。
[詳細]
本実施形態の金属の表面処理方法の流れは以下の通りとなる。
開始->窒化->塗布->終了
図2に示すように本実施形態の金属又は基材36の表面処理方法は、基材表層35を塩浴窒化処理する窒化工程30を備える。窒化工程30により基材表層35にポーラス層41を形成することが出来る。
基材36は国際規格(ISO 4957:1999)においてX40CrMoV5−1と表される鋼材が好ましい。なおX40CrMoV5−1はJIS規格においてSKD61と表される。塩浴窒化処理はシアン系処理液中にて、500℃以上で、1〜20時間行うことが好ましい。
ポーラス層41は数百nmの厚さを有する粒子状又は積層状のポーラス体であることが好ましい。ポーラス体は鉄系化合物からなることが好ましく、窒化化合物であることが特に好ましい。ポーラスの空間は数十nmであることが好ましい。ここでポーラスの空間とはポーラス層41の深さ方向の中央部位又はポーラス層41の内部を表す。
窒化工程30により、ポーラス層41よりも深い領域に化合物層42を、また化合物層42よりも深い領域に窒化層43を、それぞれ形成することが出来る。化合物層42は主として窒化鉄Fe2−3Nを含有する層である。窒化層43はFeNを含有する硬化層である。
なお本実施形態では窒化層43よりも深い領域にある基材層44は上述の塩浴窒化がほとんどなされていない。上述のポーラス体は基材層44に間接的に結合していることが好ましい。
図1に示すポーラス層41として、塩浴窒化層を用いることが好ましい。ここで塩浴窒化層とは、基材36の、基材表層35を上述の通り、塩浴窒化処理して得られる層である。塩浴窒化層は酸化窒化層である。
窒化工程30により基材表層35を窒化処理した基材36は、次の塗布工程以降のベース材料となる。ポーラス層41上の基材表面37にフラーレンを含有する液体を塗布、浸透させる(塗布工程40)。なお塗布工程は、分散液45を刷毛塗りにより又はスプレー塗工により基材表面37に塗布することで行う。
本実施形態では、トルエン又はキシレンを分散媒とする。したがって、分散媒中でフラーレンはファンデルワールス力によって結合し、又は凝集することが少ない。このため、フラーレンの基材36への浸透性が高い。このため、フラーレンは基材表層35の細部又は奥まで浸透する。
塗布工程40では、好ましくはポーラス層41よりも、さらに好ましくは化合物層42よりも深くまで分散液45又はフラーレンを浸透させることが好ましい。好ましくは窒化層43まで分散液45又はフラーレンを浸透させることが好ましい。
フラーレンを含有する液体は、フラーレンだけでなく、数nmの粒子、繊維及び片を具備するものとすることができる。これらは分子間結合力を強化するものであることが好ましい。ここで分子間結合力によって結合される分子とは、C60、C70、フレライト等を主体とするフラーレンのことである。
上記塗布工程40により、基材表層35に対し、化学的自己修復機能及び階層的高靱化機構という特性を付与することが出来る。これらの特性については後述する。
かかる炭素系材料を備えるポーラス層41は加熱により、又は他の手段により自己補修できる。かかる炭素系材料はポーラス層41の熱伝導率の調整をすることが出来る。ここで熱伝導率の調整とは断熱作用を有する空気層を別物質で置換することによる調整である。
例えば、空気の常温における熱伝導率は0.024W/mKに対し、シリコーン油の熱伝導率は0.10〜0.16W/mKである。このため空気層を油で置換するだけでも熱伝導率を制御できる。またフラーレンは0.4W/mK、カーボンナノチューブやファイバー等は配向性にもよるが24〜3000W/mKの熱伝導率を有する。
またフラーレンは低温浸炭作用を有する。通常浸炭は900℃のガス雰囲気中で行われる。これに対してフラーレンを塗布した基材に600℃前後のアルミ溶湯が付与されると浸炭がおこる。このような作用を低温浸炭作用という。
上記の作用は以下のメカニズムにより説明される。すなわちフラーレンの昇華温度は大気中で300℃(C60フラーレン)、又は350℃(C70フラーレン)と言われている。一方、窒素雰囲気において、C60フラーレンは600℃で昇華を開始すると言われている。
上述のアルミ溶湯の表層は酸化が極めて早いため、アルミ溶湯で鉄基材を密閉すると界面の酸素をアルミが奪い、無酸素雰囲気となる。その結果、アルミ溶湯による密閉昇華状態となり、昇華したフラーレンは相性の良い鉄基材の方に浸炭する。
かかるフラーレンの低温浸炭作用により、基材表層35において被膜耐久性が向上する。ここで被膜耐久性とは耐摩耗性および靱性のことである。
塗布工程40の後、乾燥工程として、分散液45を自然乾燥させることが好ましい。本実施形態において、自然乾燥とは常温常圧の大気中で、上述の分散媒を蒸発させることをいう。
次に図3に示すように、塗布工程40の後、さらに潤滑剤を浸透させる(浸透工程)ことが好ましい。浸透工程とは、潤滑剤を基材表面に塗布し、基材表面付近に浸透させる工程である。浸透工程の後、潤滑剤を拡散させる(拡散工程)ことが好ましい。
拡散工程50では、分散液45を浸透させた基材表層35に、基材表面37より、潤滑剤を擦り込み、基材内部まで潤滑剤を浸透させることである。潤滑剤を擦り込む方法としては、具体的には鉄基材で摩擦拡散する方法やアルミニウム合金溶湯を付与し,その後アルミを滑らせることが好ましい。
拡散工程50に用いる潤滑剤は、植物油及び/又は鉱物油を含有する潤滑油、又はかかる潤滑油を含有する液体又は油剤である。なお拡散工程50は上述の乾燥工程を経ずに行ってもよい。
ポーラス層41は拡散工程50によって、ナノグレイン層51となる。ナノグレイン層51は潤滑剤の油分、及び分散液45のフラーレンを含有するポーラス層である。
上述のポーラス体を有するポーラス層41は、一旦破壊が生じても、破壊が非連続となり亀裂伸展が少ない。このため、ポーラス層41から形成されるナノグレイン層51はナノグレイン構造及び有機相、すなわち潤滑剤を、破壊の前後にわたり保持することが出来る。破壊は例えば基材56を鋳型とした場合に、鋳造の繰り返しにより生じる。
有機相は毛細管現象によりナノグレイン構造に吸着する。また基材56は基材層44により全体剛性を維持することができる。また上述のナノグレイン層51と基材層44との結合性は、例えば窒化化合物層(Fe2-3N)と比較しても高い。
フラーレンと潤滑剤とが有機相としてポーラス層空間又はポーラスの空間に停滞又は存在することで、ナノグレイン層51はナノグレイン構造を有する。ここで各種油脂が潤滑剤の代わりになってもよい。基材表層35はナノグレイン層51を得て、基材表層55となる。基材36は基材表層55を得て、基材56となる。
有機相はポーラス体を上述のポーラス体を物理的な衝撃、又は化学的な浸食から保護する。有機相は基材表層55又は基材56における錆の発生を防止する。有機相は上述の粒子、繊維及び片を上述の亀裂部に運搬する。
かかる有機相はポーラス層41の熱伝導率の調整をすることが出来る。ここで熱伝導率の調整とは断熱作用を有する空気層を別物質で置換することによる調整である。空気、シリコーン油、フラーレン、カーボンナノチューブやファイバー等の熱伝導率は上述の通りである。
かかる有機相はナノグレイン層51をブリッジングすることが出来る。このためナノグレイン層51は、単なるポーラス層41に比べ、上述の破壊そのものが起こりにくい。ブリッジングとは層を変形させる外力を分散させる作用である。またブリッジングは上述のナノグレイン構造中で数十nmの有機物が粒子界面の結合や滑りを制御し得る状態をいう。
なお本実施形態ではさらに拡散工程50に用いる潤滑剤中では黒鉛が潤滑油に分散している。ナノグレイン層51は黒鉛の擦り込み度合が互いに異なる外ポーラス層52及び内ポーラス層53を備える。ナノグレイン層51中、外ポーラス層52は基材表面37側の層である。ナノグレイン層51中、内ポーラス層53は化合物層42側の層である。
外ポーラス層52は内ポーラス層53よりも多くの黒鉛を含有する。内ポーラス層53は外ポーラス層52よりも少ない黒鉛を含有するか、ほとんど黒鉛を含有しない。これらの効果については実施例で詳述する。
[効果]
本実施形態の方法により表面処理された、金属の基材表層55又はナノグレイン層51は、層状あるいは粒子状のナノグレイン構造を有する。例えば基材56を鋳型として用いる場合、外界38には鋳物が形成される。このときナノグレイン構造は金型表面と鋳造物との間の摩擦係数を低減することが出来る。
上述のナノグレイン構造は数百nmの厚さを有する。従来、金属の基材表層の構造においては、高強度・高剛性と、高靱性とは互いに相反する特性と考えられていた。しかしながら上述のナノグレイン構造は、これら相反する特性を併せ持つ。
上述のナノグレイン構造は、比較例の金属の基材表層の構造に比べ、これと同等以上の強度又は剛性を有し、同時に、これと同等以上の靱性を有する。かかる特性はナノグレイン構造において起きる有機/無機複合構造の累積的破壊に基づく。
上述のナノグレイン構造は、上述のブリッジング作用、及び上述の化学的自己修復機能又は自己修復機能を有する。かかる作用又は機能はナノグレイン構造において起きる有機/無機複合構造の累積的破壊に基づく。このため、例えば基材56を鋳型として用いる場合、従来の鋳型に比べ、変形・摩耗が激しい部位においても、耐久性が高い。
例えばダイカスト射出系は、型締め、熱膨張差に起因する大きな変形が伴う。また、チップ・アルミバリ摺動部位の存在により、鋳型の摩耗が生じやすい。またダイカスト型及び射出系の多くの箇所でヒートクラック、応力割れを初めとする破損が発生しやすい。
基材56は、上記の変形・摩耗・破損に対して耐久性が高いので、ダイカスト射出系の鋳型、特にスプルブッシュとして好適である。
なお、本発明は上記実施形態や下記実施例に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。なお本明細書では、フラーレン粒子が媒体中に均等に混合されていることを便宜的に「分散」と呼び、かかる媒体を「分散媒」と呼び、混合液を「分散液」と呼んでいる。
しかしながら、フラーレン粒子は分子であるがため、他の観点においてはフラーレン分子の分散は「溶解」でもあり、分散媒は「溶媒」でもあり、分散液は「溶液」でもある。従ってかかる用語の差異は本発明の範囲を制限するものではないことを強調する。
図4は、塩浴窒化処理をした基材の基材表層105を示す。基材はSKD61材であった。塩浴窒化処理はシアン系処理液体にて、560℃で、1.5時間行った。基材表層105は、ポーラス層101、化合物層102、拡散層103を備えていた。拡散層103は、上述の窒化層43に相当する。
ポーラス層101には粒子状のポーラス体が表れている。ポーラス層101は化合物層102の表面上に形成していた。粒子の状態は図4のSEM観察像からはポーラスの大きさ、又はポーラスの空間寸法が特定できないほど細かかった。
ポーラス層101は、例えば浸硫窒化処理により生じるポーラス層に比べて、ポーラス状態の均一性が高く、中間部での層の形態が一様であった。
また、ポーラス層101は、外界側の表面の凹凸が少なく、硬質であった。例えばカーボンナノファイバーより生じるポーラス層に比べても、ポーラス層101の表面の凹凸は少なく、より硬質であった。
本実施例の方法により、上記特徴を有するポーラス層101を生成することが出来た。このため塩浴窒化処理は階層的高靱化機構鋳造界面のベース又は基材表層となるポーラス体の形成に好適であることが分かった。ここで階層的高靱化機構鋳造界面とは酸化ポーラス層にフラーレンを具備し、その上に鉱物油に黒鉛を分散した潤滑油を繰り返し擦りつけた状態の界面を表す。
本実施例では、上述の実施形態に従い、フラーレンを混合したキシレンをポーラス層101に浸透させることができる。
[1.窒化工程]
硬化層又は窒化層の厚さを所定の厚さとするための、塩浴窒化処理の時間を実施例1よりも長い12時間とした。基材は上述のSKD61材からなる供試片(test piece)であった。他の条件は実施例1と同様であった。
図5に示すように硬化層又は窒化層113の厚さは約200μmであった。図6に示すように、表層又はポーラス層111の厚さは約40μmであった。ポーラス層111は表面側の粒子部121及び、ポーラス層111の内部側の中央部122を有していた。化合物層112の厚さは約10μmであった。
図7に示すように、基材表面からの距離(μm)40〜240μm付近にはビッカース硬度約1000Hvの硬質層が観察された。かかる硬質層は図5,6の窒化層113に相当する。このため本実施例にかかる塩浴窒化処理方法は、スリーブ又はブッシュ用の、ベース又は基材表層の形成に好適であることが分かった。
図8に示すように、粒子部121の表面には数μmの物体又は粒子が集合していた。図9に示すように、かかる物体の中には長さ、幅又は奥行が数百nm〜数μmの空間が見られた。また図10に示すように中央部122には、長さ、幅又は奥行が数十nmの空間があった。
図11に示すように、ポーラス層111は主としてマグネタイト(Fe,FeO・Fe)を含有する、酸化層であった。ポーラス層111は酸化窒化状態であった。
本実施例にかかる塩浴窒化処理によりポーラス層111は酸化窒化ポーラス層として形成された。以下、塩浴窒化処理を酸化窒化処理と呼び、塩浴窒化処理をした層を酸化窒化処理層と呼ぶ場合がある。
なお塩浴窒化処理表層、すなわち非晶質層中にはSiOのピークも認められた。かかるピークは上述のシアン系処理液中に含まれる添加剤であると推察した。
ポーラス層111のポーラス幅は理想構造と近いものであった。ここでポーラス幅は100nmの幅を表す。また、理想構造とは、貝類のアワビの真珠層の構造のような、ポーラス状態の均一性が高い構造を示す。
このため、ポーラス層111は、階層的高靱化構成のベース又は基材表層として好適であることが分かった。ここで階層的高靱化構成とは、上述の階層的高靱化機構鋳造界面と関連し、連続体と非連続体が混合したポーラス体をベースとし、微細粒子を有する有機体がポーラス体に浸透した状態を表わす。
[2.塗工・浸透工程]
炭素系材料として、フロンティアカーボン社製のnanom mix STを使用した。かかる炭素系材料は、C60フラーレン若しくはバックミンスターフラーレン、フレライト、フラーレンエクストラクト、及びその他のフラーレンを含有する。
上記炭素系材料はフラーレンを95%よりも多く含有する。フラーレンの内訳は、上記炭素系材料の総重量に対して、フラーレンC60が約60%、フラーレンC70が約25%である。またその他の炭素数76以上の高次フラーレンが上記炭素系材料に含まれる。上記炭素系材料は2%よりも少ない量の1,2,4トリメチルベンゼンを含有する。
発明者らはかかる炭素系材料がC60フラーレン、C70フラーレン及びフレライトが混在していることに注目した。かかる炭素系材料は分子間結合力を強化する性質、反応を制御する性質、及び拡散を制御する性質を有している。また物質の粒子の大きさが数nmである。
また発明者らは上記炭素系材料を選択することで、一定の品質の炭素系材料を所定量準備することができた。また上記炭素系材料は安全性の面でも一定の品質を満たすものであった。
上記炭素系材料は5%程度の不純物を含有していた。このため不純物を除去する必要があった。また炭素系材料中でフラーレンが凝集していた。このためフラーレンを分散させる必要があった。発明者らは不純物を除去しかつフラーレンを分散させることで、フラーレンを数nm〜数mmの空隙に浸透させることができると考えた。
発明者らは蒸発しやすい分散媒では、基材表層に浸透する前に、分散液が蒸発・乾燥すると予想した。トルエン及びキシレンは例えばアルコールよりも沸点が高く蒸発しにくいため、分散媒として好適であると考えた。
またトルエン及びキシレンはアルコールよりも不純物除去能力が高いため、この点でも好適であると考えた。トルエンとキシレンとを比較した場合、本実施例ではトルエンの方がより安全性で優れると考えた。
また分散媒に対してフラーレンが飽和状態である場合、フラーレンは、よりポーラス層に浸透しやすい状態である。以下のような状態で、飽和状態を判断することができる。フラーレンを混合した分散媒におけるフラーレンの沈降具合を検討し、分散媒にフラーレンを飽和濃度以上入れておけば、フラーレンが底に沈殿する。フラーレンは分散媒に自己拡散するので、上澄みは飽和濃度に近い濃度になる。フラーレンを分散媒に混合した後、下部にフラーレンが沈殿した状態をつくり、上澄みを使用すれば安定的な飽和フラーレン溶液を使用することができる。
本実施例ではキシレンに2.5重量%のnanom mix STを分散させた。かかる分散液中で、不純物は分散することなく沈殿した。またフラーレンの分散状態の外観も良好であった。
キシレン+2.5重量% nanom mix STの分散液を酸化窒化処理層の表面に刷毛で塗布した。以下、かかる分散液をフラーレン液という。フラーレン液は塗布後、酸化窒化処理層の内部に浸透した。分散液が浸透しきった後、1分ほど自然乾燥した。
[3.浸透具合の評価]
図12(a)、図13(a)において炭素系材料に由来する成分の浸透具合を観察した。図12(a)に示すように、フラーレンの浸透前の酸化窒化処理層には、炭素系材料に由来する成分を示す明るい点がほとんど見られなかった。
これに対して図13(a)に示すように、フラーレンを塗布した後は、明るい点が数多く認められた。明るい点はポーラス層111よりもさらに深い領域にも認められた。発明者らの予想通り、上記分散液はポーラス空間にフラーレンを浸透させることが出来たことを示す。
図12(b)、図13(b)においてフラーレンの浸透具合をさらに詳細に検討した。当該試験では直径20mm、高さ7mmの供試片に、2〜3滴のフラーレン液を滴下し、自然乾燥させた。図12(b)は、フラーレン塗布前の酸化窒化処理層を示している。図13(b)はフラーレン液をポーラス層へ塗布しナノグレイン化した酸化窒化処理層を示している。なお両図においてポーラス層111は樹脂116と接する。
図13(b)の右側の方が、図12(b)の右側よりも、ポーラス層111及び窒化層112に明るい部分が多い。図13(b)において、特に図中の上方の基材表面より20〜30μm程度の深さの領域に、より明るい部分が観察された。かかる結果は明るい部分に炭素が多く生じていることを示す。またポーラス層111と窒化層112の境にも炭素成分が図12(b)に比べ、図13(b)ではより多く現れていた。
一方、窒化層113の内部はかもめマークと呼ばれる析出物が明るい部分として観察された。これは基材内部の炭化物が窒化物に変化した際に押出された炭素が,母材の結晶粒界にFe系炭化物となって析出したものであると考えられた。図12(a)(b)及び図13(a)(b)の観察結果は、本実施例の浸透工程により、ポーラス層のみならず、窒化層までにフラーレンを浸透させることが出来ることを示す。
[4.摺動特性の評価]
上記基材表層の摺動特性又は摩擦摩耗特性を摩擦試験によって評価した。摩擦試験は図14に示す摩擦試験機により行った。図14に示すように、摩擦試験機60は支柱61及びアーム62に支えられた胴体65を備える。ひずみゲージ63はアーム62内に位置する。
ボール把持部は、図中の上方の端部64から下方の端部66に至るまでの部分で、胴体65を貫通している。下方の端部66はボール材67を把持する。ボール材67は基材68の図中の上面に接している。ボール材67は基材68に対し、基材68の表面に対し所定の荷重を加える。基材68は上述の供試片である。
基材68はプレート69の図中の上面に載置又は保持されている。プレート69はステージ70の図中の上面に保持されている。プレート69は摺動方向75に従い往復運動する。このため基材68はボール材67に対して摺動する。
基材68とボール材67との間の摩擦力は、ボール材67、ボール把持部の端部66を通じて、ひずみゲージ63にひずみを生じる。ひずみゲージ63はひずみの大きさを連続的に検知する。ひずみの大きさからボール材67と基材68との間の摩擦力を連続的に算出することができる。
試験条件は下記であった。

ボール材の材料 高炭素クロム軸受鋼
(ISO;B1又は100Cr6,JIS;SUJ2)
荷重 10N
すべり速度 15 mm/秒
摺動幅 9 mm
摺動時間 30 分
雰囲気 大気中、湿度50%
基材68の表面に対し、所定の荷重が垂直に加わっているものとすると、摩擦係数μは下記式より得られる。
μ=F/W μ;摩擦係数, F;摩擦力(N), W;荷重(N)
また摺動距離は摺動方向75の往復距離及び往復回数から定まる。摺動距離と摩擦係数の関係を表したグラフは図12(c)、図13(c)、図17である。
図12(c)は、フラーレン塗布前の酸化窒化処理層の摩擦係数を示している。摩擦係数μは約1.2であった。図13(c)はフラーレン液をポーラス層へ塗布しナノグレイン化した酸化窒化処理層の摩擦係数を示している。摩擦係数μは約0.6であった。
図12(c)に示すように、浸透工程を実施する前の酸化窒化処理層においては、摺動距離が延びるほど摩擦係数が上昇した。さらに摩擦係数は摺動距離5mで飽和した。ここで摺動距離とは、試験中に摺動方向75に沿ってプレートが摺動した長さの総和をいう。
図13(c)に示すように、浸透工程を実施した酸化窒化処理層でも、摺動距離が延びるほど摩擦係数が上昇した。しかしながら摩擦係数は浸透工程前(図12(c))に比べ、半減した。また摩擦係数が飽和するのに摺動距離12mを要した。
上記の結果は、浸透工程が、酸化窒化処理層の摩擦係数を軽減することを示している。さらに浸透工程により、耐摩耗性が向上することも示している。
[5.潤滑剤の評価]
図15に示すように、比較例として酸化窒化処理のみを施した基材表層に、潤滑剤を塗布し、さらに擦り込んだもの作成した。本比較例は上記塗布工程を行わず、浸透工程、及び拡散工程のみ行ったものである。潤滑剤として、黒鉛の粒子を含有する潤滑剤を選択した。
上記潤滑剤は、図16に示すように、平均粒径5±2μmの黒鉛を含有する潤滑剤である。上記潤滑剤は植物油、鉱物油、ベントナイトを含有する。このため黒鉛は潤滑剤中に浮遊する。潤滑剤中でベントナイトは増粘剤として機能する。黒鉛は粒子径15μmほどの塊状のものも数多く見られた。
このため浸透工程後には、ポーラス層81は黒鉛を部分的に捕獲した。しかしながら、黒鉛の浸透は基材表層の最も表面側、すなわち後述する外ポーラス層82に限定された(図15)。一方、潤滑剤中の油分は毛細管現象によりポーラス層81に浸透するが化合物層42にはほとんど浸透しなかった。
拡散工程により黒鉛は潤滑剤と共にポーラス層81に浸透した。図15に示すポーラス層81は潤滑剤の油分、及び黒鉛を含有するものであった。
拡散工程後の基材は、図15に示すように、ポーラス層81は黒鉛の擦り込み度合が互いに異なる外ポーラス層82及び内ポーラス層83を備えるものであった。外ポーラス層82は内ポーラス層よりも多くの黒鉛を含有していた。内ポーラス層83は外ポーラス層82よりも少ない黒鉛を含有していた。
上記比較例の方法により作成した供試片についても、上記同様に摩擦係数を測定した。図17に示すように摩擦係数μは約0.15であった。摩擦係数は摺動距離に関わらず一定であった。
このことは基材表面で摩耗又は油切れの生じていないことを示す。このため上記窒化工程により形成されたポーラス層は、優れた含油作用及びカーボン捕獲作用を有することが示唆された。
上記結果から拡散工程により階層的高靭化構成を有する基材表層を得られることが示唆された。上記の結果は潤滑剤を擦り込んでポーラス層81中に拡散させる、拡散工程の有効性を示す。ポーラス層81中ではナノグレインと有機相がポーラス層の空間に停滞した。ナノグレインとはフラーレン及び黒鉛からなる。有機相とは潤滑剤中の油分を示す。
[6.高靭化の評価]
一発破壊を行う試験により破壊靭性値を測定した。破壊靭性値(MPa/m)とは破壊靭性を表す指標である。本実施例において破壊靭性値とは一方向の衝撃負荷に対する亀裂材の抵抗値のことをいう。
ここで亀裂材とは、塑性変形を起こすような材料であって亀裂が存在するものである。またその亀裂に対する応力拡大係数が材料の限界値を超えるほどの上記負荷がかかった場合、亀裂の急速な伝播が起こり材料は破壊される。抵抗値とは、かかる限界値を示す。
上述の通り基材はSKD61であった。衝撃試験条件は下記のとおりであった。測定項目は破壊靭性であった。SKD61の硬さは43±1であった。さらに試験条件を下記に示す。
試験片形状:JIS Z2242 2mm−U ノッチサブサイズの試験片
JIS Z2242はISO/DIS 148−1相当の試験である。
試験機 :衝撃試験機
東京衝撃製造所、シャルピー式、JIS型、容量300J
試験温度 :23℃(室温)
試験は本実施例にかかる浸透工程前後の基材に対して行った。図18に示すようにいずれにおいても窒化層が深くなるほど破壊靭性が小さくなった。四角で表されるようにナノグレイン化した浸透工程後の基材は、丸で表される浸透工程前の基材に比べて、破壊靭性が向上していた。破壊靭性の向上は窒化層の深さに関わりなく見られた。
上述のとおり、本実施例の表面処理方法を施すことにより、硬質層を形成することが出来た。このため、本実施例の表面処理方法により、基材において高強度・高剛性と高靱性を両立し得ることが示された。
プレス用部品を作成し、プレス工程における使用の適性を評価した(図19)。窒化工程後、浸透工程によりナノグレイン化を行っていない、又は行ったプレス用部品を作成した。
ナノグレイン化していない部品は、使用に際しプレス工程を10回繰り返した(10shot、左欄)。ナノグレイン化した部品は、使用に際しプレス工程を50回繰り返した(50shot、右欄)。最下段は同様のプレス工程に供した供試片を示す。
ナノグレイン化した部品は耐久性が高く、50回の繰り返し使用後にも、ナノグレイン化していない部品と同等の引っかき傷しか生じなかった。供試片において同様であった。
鋳造用のボアピンを作成し、鋳造工程における使用の適性及び自己補修機能を評価した(図20)。窒化工程後、浸透工程によりナノグレイン化を行った、又は行っていないボアピンを作成した。鋳造工程として鋳造冷熱サイクルを行う試験により評価した。
図20(a)〜(b)に示すように、ナノグレイン化したボアピン91及びナノグレイン化していないボアピン92で鋳型を形成した。6回(6shot)鋳造工程を行った。鋳造後のボアピンの側面は、ナノグレイン化の有無にかかわらず、目視できるほど傷が増えていた。
上記6回鋳造後のボアピンに自己再生剤を塗布した。自己再生剤は、アルミナ、黒鉛、ワックスを含む組成物である。
さらにボアピンで1回だけ鋳造工程を行った。図20(c)に示すように、鋳造後のボアピンの側面は、ナノグレイン化した場合は(左側)、ナノグレイン化していない場合(右欄)に比べて、大きな傷も再生修復できる点が異なっていた。上記の試験結果より、本実施例の浸透工程により基材表層の自己修復機能が向上することが分かった。
30 窒化工程 35 基材表層
36 基材 37 基材表面
38 外界 40 塗布工程
41 ポーラス層 42 化合物層
43 窒化層 44 基材層
45 分散液 50 拡散工程
51 ナノグレイン層 52 外ポーラス層
53 内ポーラス層 55 基材表層
56 基材 60 摩擦試験機
61 支柱 62 アーム
63 ゲージ 64 端部
65 胴体 66 端部
67 ボール材 68 基材
69 プレート 70 ステージ
75 摺動方向 81 ポーラス層
82 外ポーラス層 83 内ポーラス層
91 ボアピン 92 ボアピン
101 ポーラス層 102 化合物層
103 拡散層 105 基材表層
106 樹脂 111 ポーラス層
112 化合物層 113 窒化層
116 樹脂 121 粒子部
122 中央部

Claims (7)

  1. 金属製の基材表層の鉄系化合物からなるポーラス体を有するポーラス層上に、フラーレンを含有する液体を塗布する塗布工程を有する金属の表面処理方法。
  2. 前記ポーラス層は、金属製の基材表層を窒化して得られる層である、
    請求項1に記載の金属の表面処理方法。
  3. 前記窒化は、シアン系処理液中での塩浴窒化である、
    請求項2に記載の金属の表面処理方法。
  4. 前記塗布工程の後、さらに潤滑剤を浸透させる浸透工程を有する、
    請求項2〜3のいずれかに記載の、金属の表面処理方法。
  5. 前記浸透工程の後、潤滑剤を前記基材表層に擦り込む、拡散工程をさらに備える、
    請求項4に記載の、金属の表面処理方法。
  6. 前記フラーレンはフラーレンC60、フラーレンC70、及び炭素数76以上の高次フラーレンからなる群から選ばれる一以上のフラーレンである、
    請求項1〜5のいずれかに記載の、金属の表面処理方法。
  7. 前記フラーレンを含有する液体は、フラーレンがトルエン及び/又はキシレンに分散した分散液である、
    請求項1〜6のいずれかに記載の、金属の表面処理方法。
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