JP2017066526A - 金属複合体層を有する部材の製造方法、及び、アルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材 - Google Patents

金属複合体層を有する部材の製造方法、及び、アルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材 Download PDF

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Abstract

【課題】例えば、アルミニウム系の軸受の欠点である、軸受軌道面及び案内面の耐摩耗性を、簡便な方法で向上させる。【解決手段】第1の金属材料を含有する基材10と、基材10の表層部に形成された金属複合体層20と、を有する部材30を製造する方法が提供される。この方法は、基材10の少なくとも一部分の表面に機械加工により凹凸面11を形成する工程と、基材10の表面に形成された凹凸面11に第1の金属材料とは異種の第2の金属材料を含有する粒子13を塗布する工程と、機械的圧入処理により粒子13を基材10の表層部に圧入する工程と、200℃〜550℃の範囲内の温度で熱処理を行うことにより第1の金属材料と第2の金属材料を合金化して基材10の表層部に金属複合体層20を形成する工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばベアリングの軸受け、シリンダー、ピストンなど摺動部材を構成する軸受軌道面、案内面などの用途に利用可能なアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材、及び、金属複合体層を有する部材の製造方法に関する。
ベアリングの軸受、シリンダー、ピストンなどの摺動部材は、自動車、船舶、航空機、産業機械等の移動用装置において、動力を発生させるために必要不可欠である。この摺動部材は、主に、回転運動または直線運動する軸、並びに、前記軸の運動及びその運動により作用する荷重を保持する軸受から構成される。この軸受は、特に、前記軸が回転運動をする場合、単に軸受といい、その回転運動の性質により名称が細分化され、転がり軸受、すべり軸受等がある。一方、前記軸が直線運動をする場合、案内または直線軸受といい、その直線運動の性質により名称が細分化され、すべり案内、転がり案内、静圧案内、磁気浮上案内等がある。
例えば、すべり軸受及びすべり案内では、軸が直接、軸受及び案内に接触する。また、転がり軸受及び転がり案内では、軸と軸受の間に転動体が存在し、転動体が軸受及び案内に接触する。前記軸受及び案内において、軸又は転動体と接触する面を総称して、それぞれ、軸受軌道面及び案内面という。
ところで、前記移動用装置において、低燃費化の要求が高まっており、この要求に対応するために、前記移動用装置の軽量化がすすめられている。その一環として、軸受及び案内において、鉄系(比重7.9)の材料に代わり、より軽量なアルミニウム(比重2.7)系の材料が検討されている。
しかし、前記軸受軌道面及び案内面は、軸の直線又は回転運動を支えるために、耐摩耗性に優れることが必要であるが、アルミニウムは鉄と比較して耐摩耗性が悪く、アルミニウム単独では前記軸の回転運動及び直線運動により、前記軸受軌道面及び案内面が摩耗してしまう問題があった。
このアルミニウム系の材料の軸受軌道面及び案内面の耐摩耗性を改善するために、様々な検討が行われている。
例えば、特許文献1では、アルミニウム合金の表面に形成されたニッケル−リン層と、
ニッケル−リン層の表面に形成されたクロム層と、クロム層の表面に形成された硬質炭素膜層とを備えたことを特徴とする摺動部材を開示しており、前記ニッケル−リン層は、無電解めっきにより形成されている。また、特許文献2では、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材上に、亜鉛置換層、無電解ニッケルめっき層、硬質クロムめっき層、及び非晶質炭素膜又はシリコン含有非晶質炭素膜がこの順に形成されていることを特徴とする多層膜構造体を開示している。
しかし、これらのいずれの方法でも、めっき層の剥離等の問題があり、耐摩耗性は十分ではないと考えらえる。
また、特許文献3では、アルミニウム合金製部材の強度を向上するために、ショットピーニング法により、ショット材と微粒子(ともに硬鋼球等)を混合し同時に投射することで、前記微粒子を部材の表面部に分散状態で埋め込ませる方法を開示している。
また、特許文献4では、表面硬さ、耐摩耗性、疲労強度に優れた表面改質アルミニウム系金属部材を提供することを目的として、アルミニウム又はアルミニウム合金から成る基材の表面に、鉄族元素又は鉄族元素を主成分とする合金から成る金属粒子が基材金属中に分散して成る分散層を備え、該分散層における基材母相の平均結晶粒径が1μm未満であると共に、上記分散層の下側に基材母相の平均結晶粒径が5μm以下に微細化されて成る硬化層を備えていることを特徴とする表面改質アルミニウム系金属部材を開示しており、前記金属粒子として、ニッケル粒子が開示されている。また、前記基材金属中に前記ニッケル粒子を分散させる方法として、重力式ブラスト加工装置が開示されている。
これらの方法は、高硬度の金属粒子を、アルミニウム系金属部材の表面に直接投射し、前記表面を塑性変形させて、埋め込むため、アルミニウム系金属部材の耐摩耗性及び疲労強度が向上するとされている。しかし、これらの方法でも、前記高硬度の金属粒子の分散が十分ではないため、耐摩擦性や疲労強度に関して、依然として改善の余地があると考えられる。
特開2009−149955号公報 特開2013−91811号公報 特開平5−86443号公報 特開2011−52322号公報
本発明は、例えば、アルミニウム系の軸受の欠点である、軸受軌道面及び案内面の耐摩耗性を、簡便な方法で向上させることを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、金属製の基材の表層部に、異種金属を含有する粒子を圧入し、適切な熱処理を施して合金化し、金属複合体層を形成することによって、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の金属複合体層を有する部材の製造方法は、第1の金属材料を含有する基材と、該基材の表層部に形成された金属複合体層と、を有する部材の製造方法である。そして、本発明の金属複合体層を有する部材の製造方法は、前記基材の表面に形成された凹凸面に、前記第1の金属材料とは異種の第2の金属材料を含有する粒子を塗布する工程、
機械的圧入処理により、前記粒子を前記基材の表層部に圧入する工程、
200℃〜550℃の範囲内の温度で熱処理を行うことにより、前記第1の金属材料と前記第2の金属材料を合金化して前記基材の表層部に前記金属複合体層を形成する工程、
を含むことを特徴とする。
本発明の金属複合体層を有する部材の製造方法は、前記基材の少なくとも一部分の表面に、機械加工により前記凹凸面を形成する工程、をさらに含んでいてもよい。
本発明の金属複合体層を有する部材の製造方法は、前記第1の金属材料がアルミニウムであって、前記基材がアルミニウムを50wt%以上含有するアルミニウム含有基材であってもよく、
前記第2の金属材料がニッケルであって、前記粒子がニッケルを50wt%以上含有するニッケル含有粒子であってもよく、
前記金属複合体層が、アルミニウム−ニッケル複合体層であってもよい。
本発明の金属複合体層を有する部材の製造方法は、前記アルミニウム含有基材が、銅を0.01wt%〜5wt%の範囲内で含有するものであってもよい。
本発明の金属複合体層を有する部材の製造方法は、前記ニッケル含有粒子が、
ニッケル;
ニッケルと鉄、銅、コバルト、金、銀、白金もしくはパラジウムとの合金;
又は、
ニッケルもしくは前記合金を含む炭化ニッケル;
のいずれかを含有するものであってもよい。
本発明の金属複合体層を有する部材の製造方法は、前記機械加工がショットピーニング法であってもよい。
本発明の金属複合体層を有する部材の製造方法は、前記機械的圧入処理が、ローラーバニシング法であってもよい。
本発明のアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材は、アルミニウム含有基材と、該アルミニウム含有基材の表層部に形成されたアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材である。そして、本発明のアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材は、前記アルミニウム−ニッケル複合体層は、アルミニウムの含有率が60wt%〜99wt%の範囲内であり、表面から深さ方向に200μmの範囲におけるニッケルの含有率が0.05〜30wt%の範囲内であり、かつ、ビッカース硬さが200Hv以上である。
本発明のアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材において、前記アルミニウム−ニッケル複合体層は、その表面から深さ方向に、ニッケル原子の存在比率が徐々に減少し、アルミニウム原子の存在比率が徐々に増加する傾斜組成構造を有するものであってもよい。
本発明のアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材は、前記アルミニウム−ニッケル複合体層の表面が、軸受軌道面又は案内面を形成するものであってもよい。
本発明のアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材は、軸受であってもよい。
本発明のアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材は、案内であってもよい。
本発明によれば、金属製の基材の表層部に異種金属を含有する粒子を機械的圧入処理により圧入し、熱処理して合金化する、という簡便な方法により、例えばアルミニウム含有基材の表層部に耐摩耗性に優れるニッケルを十分に導入し、分散するなどして、金属複合体層を有する部材を製造することができる。
また、本発明方法では、異種金属を含有する粒子の組成を変えることで、前記金属複合体の機械的特性、電気的特性等の各種特性を制御することができる。
また、本発明のアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材は、表層部の耐摩耗性に優れることから、ベアリングの軸受、シリンダー、ピストンなどの摺動部材において必要不可欠な、軸受及び軸受における軸受軌道面及び案内面に好適に使用できる。そして、このような軸受軌道面及び案内面は、軽量かつ耐摩耗性が要求される、自動車、船舶、航空機、産業機械等の移動用装置における、ベアリングの軸受、シリンダー、ピストンなどの摺動部材に好適に使用できる。
本発明の一実施の形態の金属複合体層を有する部材の製造方法の工程図である。 ニッケル含有粒子AのSEM写真(倍率50000倍)である。 ショットピーニング処理装置の模式図である。 ショットピーニング処理前のアルミニウム含有材料の表面のSEM写真(倍率1000倍)である。 ショットピーニング処理後のアルミニウム含有材料の表面のSEM写真(倍率1000倍)である。 ローラーバニシング処理後のアルミニウム含有材料の表面の光学顕微鏡写真(倍率1000倍)である。 300℃、100時間の熱処理後のアルミニウム−ニッケル複合体の表面のSEM写真である。 図6Aのアルミニウム−ニッケル複合体を、さらに500℃、3時間熱処理した後のアルミニウム−ニッケル複合体の表面のSEM写真である。 300℃、100時間の熱処理後のアルミニウム−ニッケル複合体のEDX画像である。 図7Aのアルミニウム−ニッケル複合体を、さらに500℃、3時間熱処理した後のアルミニウム−ニッケル複合体のEDX画像である。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態の金属複合体層を有する部材の製造方法の工程図である。本実施の形態の金属複合体層を有する部材の製造方法は、第1の金属材料を含有する基材10と、該基材10の表層部に形成された金属複合体層20と、を有する部材30を製造する方法であり、以下の工程A乃至Dを含むことができる。
工程A)基材10の少なくとも一部分の表面に、機械加工により凹凸面11を形成する工程[図1(a)及び(b)を参照]。
工程B)基材10の表面に形成された凹凸面11に、第1の金属材料とは異種の第2の金属材料を含有する粒子13を塗布する工程[図1(c)を参照]。
工程C)機械的圧入処理により、粒子13を基材10の表層部に圧入する工程[図1(d)を参照]。
工程D)200℃〜550℃の範囲内の温度で熱処理を行うことにより、第1の金属材料と第2の金属材料を合金化して基材10の表層部に金属複合体層20を形成する工程[図1(e)を参照]。
本実施の形態において、第1の金属材料と第2の金属材料は、互いに合金を形成し得る金属種の組み合わせであれば特に制限はないが、例えば、第1の金属材料がアルミニウム、マグネシウム、チタン、亜鉛、銅、鉄、炭素鋼、合金鋼等であり、第2の金属材料がニッケル、銅、コバルト等であることが好ましい。以下、基材10が第1の金属材料であるアルミニウムを50wt%以上含有するアルミニウム含有基材であり、粒子13が第2の金属材料であるニッケルを50wt%以上含有するニッケル含有粒子であり、金属複合体層20が、アルミニウム−ニッケル複合体層である場合を例に挙げて説明する。
本発明の実施の形態のアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材の製造方法は、以下の工程a乃至dを含むことができる。
a)アルミニウムを50wt%以上含有するアルミニウム含有基材の少なくとも一部の表面に、機械加工により凹凸面を形成する工程。
b)前記凹凸面に、ニッケルを50wt%以上含有するニッケル含有粒子を塗布する工程、
c)機械的圧入処理により、前記ニッケル含有粒子を前記アルミニウム含有材料の表層部に圧入する工程。
d)200℃〜550℃の熱処理により、アルミニウムとニッケルを合金化して、基材の表層部にアルミニウム−ニッケル複合体層を形成する工程。
[工程a;凹凸面形成工程]
工程aの目的は、アルミニウム含有基材の表面に凹凸面を形成することで、ニッケル含有粒子を表層部に塗布及び圧入しやすくすることである。
工程aで用いるアルミニウムを50wt%以上含有するアルミニウム含有材料(以下、単に「アルミニウム含有材料」ともいう。)は、アルミニウムを50wt%以上含有していれば、その組成は限定しない。例えば、純アルミニウム及びアルミニウム合金が挙げられる。アルミニウム合金は、例えば、展伸材であっても鋳物材であっても良い。鋳物材は、金型鋳造法によって作製されたものであっても、ダイカスト法によって作製されたものであっても良い。この中でも、軽量であり、加工性に優れるという理由から、アルミニウムを80wt%以上含有することが好ましい。より好ましくは、95wt%以上である。このような条件を満たす前記アルミニウム含有材料は、展伸材としては、例えば、JIS H 4000において規定される、1000系材料(純アルミニウム)、2000系材料(Al−Cu−Mg系合金)、3000系材料(Al−Mn系合金)、4000系材料(Al−Si系合金)、5000系材料(Al−Mg系合金)、6000系材料(Al−Mg−Si系合金)、7000系材料(Al−Zn−Mg系合金)、8000系材料(Al−Li系合金)等が挙げられる。また、鋳物材としては、例えば、JIS H 5202又はJIS H 5302において規定される、AC1A系材料(Al−Cu系合金)、AC1B系材料(Al−Cu−Mg系合金)、AC2A、AC2B系材料(Al−Cu−Si系合金)、AC3A系材料(Al−Si系合金)、AC4A、AC4C、AC4CH系材料(Al−Si−Mg系合金)、AC4B系材料(Al−Si−Cu系合金)、AC4D系材料(Al−Si−Mg−Cu系合金)AC5A系材料(Al−Cu−Ni−Mg系合金)、AC7A系材料(Al−Mg系合金)、AC8A、AC8B、AC8C系材料(Al−Si−Cu−Ni−Mg系合金)、AC9A、AC9B(Al−Si−Cu−Mg−Ni系合金)、ADC1系材料、ADC3系材料、ADC5系材料、ADC6系材料、ADC10系材料、ADC10Z系材料、ADC12系材料、ADC12Z系材料、ADC14系材料等が挙げられる。この中でも、硬度及び耐摩耗性に優れるという理由から、銅を0.01wt%〜5wt%含有することがより好ましい。
また、工程aにおいて行われる機械加工は、前記アルミニウム含有基材の表面に、機械的に凹凸面を形成できる加工方法であれば、制限はない。凹凸を形成しない場合、後述する工程cにおいて、第2の金属材料を含有する粒子が、第1の金属材料の表層部に十分圧入されないので好ましくない。機械加工としては、例えば、アブレシブブラスト法、ビードブラスト法、ガラスビードブラスト法、カットワイヤブラスト法、グリッドブラスト法、サンドブラスト法、ショットブラスト法、ウエットブラスト、研磨、ショットピーニング法が挙げられる。また、これらの加工方法を組み合わせても良い。より好ましくは、形成する凹凸面の大きさ、形成速度に優れるのに加え、凹凸形成に伴い、凹凸面近傍に圧縮残留応力を付与することができ、その結果、凹凸面近傍の疲労強度、耐摩耗性及び耐応力腐食割れ性が向上することから、ショットピーニング法である。
前記機械加工における加工方法が、ショットピーニング法である場合、前記ショットピーニングの際に使用される投射粒子としては、例えば、鉄、ステンレス鋼などの金属製の球、ジルコニア、シリカ、アルミナ等のセラミックス製の球、ガラス製の球が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。また、複数種類の投射粒子の混合粒子でも良い。好ましくは、エロージョンの抑制という観点から、平均硬さが150Hv〜550Hvのものである、ステンレスショット、ガラスビーズである。投射粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、後述する工程b及び工程cにおいて、ニッケル含有粒子を前記アルミニウム含有基材の表層部に塗布及び圧入するのに十分な凹凸を形成する観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上である。一方で、加工面の平滑化を担保するという観点から、好ましくは1000μm以下、より好ましくは100μm以下である。
また、エロージョンの抑制という観点から、投射粒子の投射時のガス圧は、粒子加速圧力が0.3MPa〜0.6MPaであり、投射距離は、20mm〜100mmであることが好ましい。また、使用するガスは限定しないが、経済性という理由から、圧縮空気が好ましい。また、粒子流量は、エロージョン抑制等の観点から、1〜10g/minであることが好ましい。
前記工程aにより形成される凹凸面の形状は、後述する工程b及び工程cにおいて、ニッケル含有粒子を前記アルミニウム含有基材の表層部に塗布及び圧入するのに十分な形状である。具体的には、溝状、ディンプル状又は条痕状であり、好ましくは、ナノ粒子分散量の均一化という観点から、ディンプル状又は条痕状である。
凹凸面のラフネスは、例えば、JIS B 0601:2001で定める算術平均粗さ(Ra)が0.2〜20μmであることが好ましい。
[工程b;塗布工程]
工程bでは、工程aで形成した凹凸面に、ニッケルを50wt%以上含有するニッケル含有粒子を塗布する。
工程bで用いるニッケルを50wt%以上含有するニッケル含有粒子(以下、単に「ニッケル含有粒子」ともいう。)は、ニッケルを50wt%以上含有していれば、その組成は限定しない。例えば、ニッケル、ニッケルと鉄、銅、コバルト、金、銀、白金もしくはパラジウムとの合金又はニッケルもしくは前記合金を含む炭化ニッケルが挙げられる。この中でも、アルミニウムと合金を形成しやすく、硬度が高いという理由から、ニッケルを70wt%以上含有する粒子が好ましい。より好ましくは、80wt%以上である。このような条件を満たす前記ニッケル含有粒子は、例えば、ニッケルが70wt%以上の、ニッケル、ニッケル銅、ニッケル鉄、ニッケルコバルト、炭化ニッケルの粒子である。
前記ニッケル含有粒子の粒子径は、アルミニウム含有基材の表層部に機械的に圧入できる程度であれば制限はない。好ましくは、より低温度でアルミニウム中にニッケルが拡散して均一に合金化、複合化しやすいという理由から、平均粒子径が1nm〜10μmであり、より好ましくは、10nm〜1μmであり、さらに好ましくは、30nm〜1μmである。
また、前記ニッケル含有粒子の、前記凹凸面への塗布方法は、前記凹凸面の表面、特に凹部に前記ニッケル含有粒子を保持させることが可能であれば限定されない。例えば、公知の分散媒に前記ニッケル含有粒子を分散させたスラリー、ペースト、インク等の分散体を調整し、これを刷毛、ヘラ、スキージ、スプレー等の公知の方法で塗布しても良いし、分散媒に分散させず、前記ニッケル含有粒子を粉体の状態で、高圧ガスで吹付けても良い。好ましくは、簡便性という理由から、スラリー、ペースト、インク等の分散体を刷毛で塗布するものである。なお、前記ペーストの濃度は、前記ニッケル含有粒子の組成及び平均粒子径、並びに前記分散媒の種類に応じて、任意に選択できる。
[工程c;圧入工程]
工程cの目的は、アルミニウム含有基材の表層部にニッケル含有粒子を圧入し、特に、前記アルミニウム含有基材の表層部において、アルミニウム−ニッケル合金を形成しやすくすることである。
次に、前記凹凸面に塗布した前記ニッケル含有粒子を、機械的圧入処理により、前記アルミニウム含有基材の表層部に圧入する。前記機械的圧入処理により、前記凹凸面の凸部を押しつぶし、平滑にするとともに、前記ニッケル含有粒子が、前記アルミニウム含有基材の表層部に確実に入り込む。さらに、後述する工程dにより、前記アルミニウム含有基材の表層部において効率的にアルミニウム−ニッケルの混合組織(合金層)が形成する。そのため、アルミニウム−ニッケル間の剥離が起こりにくい。ここで、表層部とは、前記アルミニウム含有基材の表面から深さ方向に1μmから500μmの範囲のことを表す。
一方、前記機械的圧入処理を行わない場合、前記ニッケル含有粒子が、前記アルミニウム含有基材の表面に留まるため、後述する工程dにより、前記アルミニウム含有基材の表面近傍においてのみアルミニウム−ニッケルの混合組織(合金層)が形成する。その場合、アルミニウム−ニッケル間の接触面積が小さいため、アルミニウム−ニッケル間の剥離が起こりやすい。
機械的圧入処理の方法は、公知の方法が使用でき、例えば、機械式プレス、液圧式プレス等により圧入するプレス法、金属ローラーにより圧入する転圧法が挙げられる。好ましくは、加工効率が良く、加工後の表面の平滑性に優れ、表面を塑性変形させることで表面改質効果(表面層の高硬度化,圧縮残留応力の付与)にも優れるという点で、転圧法の一種であるローラーバニシング法である。
前記ローラーバニシング法を使用する場合、圧入時の圧力は、前記ニッケル含有粒子及び前記アルミニウム含有材料の組成により適宜選択できる。
例えば、圧入時の圧力として、1GPa程度とすることが好ましい。
[工程d;合金化工程]
工程dの目的は、アルミニウム含有基材の表層部において、アルミニウムと、圧入したニッケル含有粒子のニッケルとを合金化することである。
200℃〜550℃の熱処理により、アルミニウムとニッケルが合金化し、アルミニウム−ニッケル複合体層を形成する。その際、アルミニウム層中にニッケル原子が拡散し、アルミニウムの層とニッケルの層間において、アルミニウム層側からニッケル層側に向けて、アルミニウムの存在比率が徐々に減少する傾斜組成構造を形成する。ここで、前記の各層は、いわゆる層状(ラメラ状)であっても良いし、球状、多角形状、柱状、不定形状等の、層状以外の形状であっても良い。後述する酸化物等の層も同様である。つまり、ある特定の組成がドメインを形成している場合、「層」とすることができる。
また、前記ニッケル含有粒子が、鉄、銅、コバルト、金、銀、白金、パラジウム、炭素等の他の原子を含む場合、前記アルミニウム層中に前記他の原子が拡散し、アルミニウムの層と前記他の原子の層間において、アルミニウム層側から前記他の原子側に向けて、アルミニウムの存在比率が徐々に減少する傾斜組成構造を形成する。
前記アルミニウム含有基材の表層部において、これらの組成構造が形成されることで、アルミニウム含有材料の層−ニッケル含有粒子の層間の剥離が抑制される。
前記熱処理の温度は、200℃〜550℃である。なお、200℃未満である場合は、アルミニウムとニッケルが十分に合金化せず、一方、550℃を超える場合は、アルミニウムが溶解するため、好ましくない。好ましくは、アルミニウムとニッケルの合金化が十分に進行し、得られるアルミニウム−ニッケル複合体層の硬度を高くできる350℃〜550℃であり、より好ましくは400℃〜550℃である。
また、前記熱処理の時間は、熱処理温度に応じて適宜設定することができる。長い程アルミニウムとニッケルの合金化が進行するため、例えば熱処理温度が450℃〜550℃である場合は、1時間以上が好ましく、2時間以上がより好ましい。ただし、熱処理時間が長すぎると、アルミニウム−ニッケル複合体を構成する各金属原子の偏析が顕著になるため、10時間以下が好ましい。
また、前記熱処理は、常圧、減圧、加圧のいずれの条件で行ってもよい。また、空気中、窒素ガス中、アルゴンガス中のいずれの条件で行っても良い。好ましくは、製造コストが低く、合金化が効率よく進行する、空気中常圧で行うことが好ましい。
また、アルミニウム−ニッケル複合体層を形成する際、空気中等の酸素の存在下で前記熱処理をすることで、アルミニウム−ニッケル合金以外にも、アルミニウムの酸化物、ニッケルの酸化物、並びに、アルミニウム及びニッケルの複合酸化物(以下、合わせて「酸化物等」という。)が形成される。なお、前記アルミニウム及びニッケルの複合酸化物は、例えば、NiAlが挙げられる。
さらに、アルミニウム、ニッケル、アルミニウム−ニッケル合金、前記酸化物等のそれぞれの層間において、傾斜組成構造を形成する。つまり、アルミニウム層−ニッケル層間の傾斜組成構造だけでなく、前記酸化物等を含んだ傾斜組成構造も形成する。言い換えると、酸化を伴う傾斜組成構造を形成する。このような酸化を伴う傾斜組成構造を形成することで、アルミニウム−ニッケル複合体層において、硬度、耐磨耗性が付与される。一方で、前記酸化物等の形成量が多すぎると、アルミニウム−ニッケル複合体層が脆くなる傾向にある。従って、前記酸化物等の形成量は、アルミニウム−ニッケル複合体層の用途によって、適宜選択される。
[アルミニウム−ニッケル複合体層]
前記工程a乃至dにより製造されたアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材は、特に、その表面から深さ方向に200μmの範囲において、アルミニウム−ニッケル合金を形成する。そのため、軽量なアルミニウム系材料の特長を維持し、かつその表層部において硬度に優れるニッケルの特長を付与することができる。特に、アルミニウム−ニッケル複合体層におけるアルミニウムの含有率が60wt%〜99wt%であり、かつ前記アルミニウム−ニッケル複合体層の表面から深さ方向に200μmの範囲におけるニッケルの含有率が0.05〜30wt%である場合、軽量性と表層部の硬度のバランスが良く好ましい。軽量性と表層部の硬度のバランスは、アルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材の用途によって、適宜調整することができる。例えば、ベアリングの軸受、シリンダー、ピストンなどの摺動部材における軸受軌道面及び案内面として使用する場合は、耐摩擦性が高いことが要求されることから、荷重が0.002kgにおけるビッカース硬さが200Hv以上であることが好ましい。より好ましくは500Hv以上であり、さらに好ましくは800Hv以上である。さらに好ましくは1000Hv以上である。
また、必要に応じて、前記アルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材に対し、公知の表面加工又は表面処理を行ってもよい。例えば、表面を研磨し平滑にしてもよい。また、表面にメッキ、スパッタ、酸処理等を行ってもよい。また、表面に、さらに工程a乃至dを繰り返してもよい。これらの公知の表面加工は、アルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材の用途に応じて、適宜施すことができる。
このようなアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材は、軽量のアルミニウム系材料と硬度に優れるニッケル材料の長所を併せ持ち、特に表層部の耐摩耗性に優れる。また、前記ニッケル含有粒子の組成を変えることで、前記アルミニウム−ニッケル複合体層の機械的特性、電気的特性等の各種特性を制御することができる。そのため、アルミニウム−ニッケル複合体層は、例えばベアリングの軸受、シリンダー、ピストンなどの摺動部材において必要不可欠な、軸受及び軸受における軸受軌道面及び案内面に好適に使用できる。そして、このような軸受軌道面及び案内面は、軽量かつ耐摩耗性が要求される、自動車、船舶、航空機、産業機械等の移動用装置における、ベアリングの軸受、シリンダー、ピストンなどの摺動部材に好適に使用できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[平均粒子径の測定]
SEM(走査型電子顕微鏡、株式会社日立製作所製S−4700)により試料の写真を撮影して、その中から無作為に200個を抽出してそれぞれの面積を求め、真球に換算したときの粒子径を個数基準として一次粒子の平均粒子径D50を算出した。また、CV値(変動係数)は、(標準偏差)÷(平均粒子径)によって算出した。なお、CV値が小さいほど、粒子径がより均一であることを示す。
[硬さ測定]
試料を微小硬さ試験機(アカシ株式会社製HM−115、印加荷重0.002kg、ビッカース圧子)で、JIS Z 2244:2009に基づきビッカース硬さを測定した。
[ニッケル含有粒子の合成]
(合成例1)
150gのオレイルアミンに20gの酢酸ニッケル四水和物を加え、窒素フロー下で、120℃で20分間加熱することによって、酢酸ニッケルをオレイルアミンに溶解させ、錯化反応液を得た。
前記錯化反応液にマイクロ波を照射して280℃、10分間加熱して、炭化ニッケル微粒子スラリー(1−A)を調製した。得られた炭化ニッケル微粒子スラリー(1−A)の一部を分取して、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ2回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥して、ニッケル含有粒子Aを作製した。ニッケル含有粒子Aの物性値を表1に、SEM写真を図2に示す。
[アルミニウム−ニッケル複合体層を有する軸受の製造]
(実施例1)
先ず、アルミニウム含有基材として、AC8A製のリング状の軸受(外径44mm、内径20mm、厚さ8mm、アルミニウム含有率85wt%、銅含有率1.0wt%、平均硬さ100から200Hv)を用意した。
この軸受の摺動面(軸受軌道面)に、図3に示すショットピーニング処理装置を用いて、ショットピーニング処理を施した。図3に示すように、ゴムボールを内蔵した粒子タンク内に収納された微粒子状の投射材は、タンク底部から低圧ガス(圧縮空気)を間欠的に供給することで、タンク内部で吹き上げられ、同心円2重管構造の投射ノズル内に搬送される。この時、ゴムボールがタンク内で運動することにより、投射材を撹拌し、凝集を防ぐことができる。投射ノズル内に搬送された微粒子状の投射材は、投射ノズルの外側から導入される高圧ガス(圧縮空気)とノズル先端部で混合され加速され、試験片の表面に向けて高速で供給される。このような装置構造とすることで、投射材の流量と投射速度を、低圧ガスと高圧ガスのガス圧によって独立して制御することができる。
このショットピーニング処理の条件(投射条件)としては、微粒子状の投射材として平均粒径が約50μmのガラスビーズ(平均硬さ:500Hv)を用い、圧力0.6MPa、ノズルから試験片までの投射距離100mmの条件で行った。ショットピーニング処理により、前記摺動面には凹凸面が形成され、その凹凸面の形状は、ディンプル状であった。ショットピーニング処理前のアルミニウム含有基材の表面のSEM写真(倍率1000倍)を図4Aに、ショットピーニング処理後のSEM写真(倍率1000倍)を図4Bに示す。
次に、ショットピーニング処理後の基材の凹凸面(軸受の摺動面となる面)に、前記ニッケル含有粒子をトルエンに懸濁した懸濁液(20wt%)を刷毛で塗布した。乾燥させてトルエンを揮発させてから、ローラーバニシング装置を用いて凹凸面を転圧加工し平滑化した。ローラーバニシング処理後のアルミニウム含有基材の表面の光学顕微鏡写真(倍率1000倍)を図5に示す。ローラーバニシング処理によって凹凸が平坦化され、平滑な摺動面が形成されていることがわかる。
次に、このローラーバニシング処理後のアルミニウム含有基材(軸受)を常圧、空気中で、300℃で100時間熱処理し、その表層部にアルミニウム−ニッケル複合体層A1を形成した。これを、さらに500℃で3時間熱処理して、アルミニウム−ニッケル複合体層A2を形成した。アルミニウム−ニッケル複合体層A1の表面のSEM写真を図6Aに、アルミニウム−ニッケル複合体層A2の表面のSEM写真を図6Bに示す。また、アルミニウム−ニッケル複合体層A1のEDX分析(エネルギー分散型X線分光分析、島津製作所社製SSX−550)によるマッピング画像を図7A、アルミニウム−ニッケル複合体層A2のEDX分析によるマッピング画像を図7Bに示す。EDX分析の結果から、軸受の表層部において、アルミニウム−ニッケル化合物および、酸化アルミニウム、酸化ニッケル化合物が形成されていることが観察された。
ローラーバニシング処理後のアルミニウム含有基材(軸受)ならびに形成されたアルミニウム−ニッケル複合体層A1及びA2の硬さ測定を行った結果を表2に示す。
(実施例2)
アルミニウム含有基材として、A2017製のリング状の軸受(外径44mm、内径20mm、厚さ8mm、アルミニウム含有率94.5wt%、銅含有率4.0wt%、平均硬さ100から200Hv)を用意した他は、実施例1と同様の方法で、アルミニウム含有基材(軸受)の表層部にアルミニウム−ニッケル複合体層B1を形成し、さらに、アルミニウム−ニッケル複合体層B2を形成した。
ローラーバニシング処理後のアルミニウム含有基材(軸受)ならびに形成されたアルミニウム−ニッケル複合体層B1及びB2の硬さ測定を行った結果を表2に示す。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはない。
10…基材、11…凹凸面、13…粒子、20…金属複合体層、30…部材

Claims (12)

  1. 第1の金属材料を含有する基材と、該基材の表層部に形成された金属複合体層と、を有する部材の製造方法であって、
    前記基材の表面に形成された凹凸面に、前記第1の金属材料とは異種の第2の金属材料を含有する粒子を塗布する工程、
    機械的圧入処理により、前記粒子を前記基材の表層部に圧入する工程、
    200℃〜550℃の範囲内の温度で熱処理を行うことにより、前記第1の金属材料と前記第2の金属材料を合金化して前記基材の表層部に前記金属複合体層を形成する工程、
    を含むことを特徴とする、金属複合体層を有する部材の製造方法。
  2. 前記基材の少なくとも一部分の表面に、機械加工により前記凹凸面を形成する工程、をさらに含む請求項1に記載の金属複合体層を有する部材の製造方法。
  3. 前記第1の金属材料がアルミニウムであって、前記基材がアルミニウムを50wt%以上含有するアルミニウム含有基材であり、
    前記第2の金属材料がニッケルであって、前記粒子がニッケルを50wt%以上含有するニッケル含有粒子であり、
    前記金属複合体層が、アルミニウム−ニッケル複合体層である、請求項2に記載の金属複合体層を有する部材の製造方法。
  4. 前記アルミニウム含有基材が、銅を0.01wt%〜5wt%の範囲内で含有する、請求項3に記載の金属複合体層を有する部材の製造方法。
  5. 前記ニッケル含有粒子が、
    ニッケル;
    ニッケルと鉄、銅、コバルト、金、銀、白金もしくはパラジウムとの合金;
    又は、
    ニッケルもしくは前記合金を含む炭化ニッケル;
    のいずれかを含有するものである、請求項3に記載の金属複合体層を有する部材の製造方法。
  6. 前記機械加工がショットピーニング法である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の金属複合体層を有する部材の製造方法。
  7. 前記機械的圧入処理が、ローラーバニシング法である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属複合体層を有する部材の製造方法。
  8. アルミニウム含有基材と、該アルミニウム含有基材の表層部に形成されたアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材であって、
    前記アルミニウム−ニッケル複合体層は、アルミニウムの含有率が60wt%〜99wt%の範囲内であり、表面から深さ方向に200μmの範囲におけるニッケルの含有率が0.05〜30wt%の範囲内であり、かつ、ビッカース硬さが200Hv以上であることを特徴とする、アルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材。
  9. 前記アルミニウム−ニッケル複合体層は、その表面から深さ方向に、ニッケル原子の存在比率が徐々に減少し、アルミニウム原子の存在比率が徐々に増加する傾斜組成構造を有するものである、請求項8に記載のアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材。
  10. 前記アルミニウム−ニッケル複合体層の表面が、軸受軌道面又は案内面を形成するものである請求項8又は9に記載のアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材。
  11. 軸受である、請求項8又は9に記載のアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材。
  12. 案内である、請求項8又は9に記載のアルミニウム−ニッケル複合体層を有する部材。

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