JP5672272B2 - 建設機械の上部旋回体 - Google Patents
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Description
また、建設機械が備える全てのエンジン33(例えば2台)を備えたものを1つの油圧ユニットとした場合、この油圧ユニットは大きなもの(固まり)となる。その結果、「別の用途」に使うときの油圧ユニットの占有スペースが広くなる。また、油圧ユニットの輸送寸法および質量が大きくなり、その結果、例えば特別なトレーラが必要になるおそれがある。
なお、動力ユニット30Aの各構成要素31A〜38Aと、動力ユニット30Bの各構成要素31B〜38Bとは、性能等が同一である必要はない。具体的には例えば、エンジン33Aとエンジン33Bとは最大出力が異なるものでもよく、また例えば、作動油タンク38Aと作動油タンク38Bとは容量が異なるものでもよい。
動力ユニット30Bは、組み立てられた状態の建設機械1の動力源として使用される(言わば本来の用途に使用される)。この場合、動力ユニット30Bは、旋回フレーム21に取り付けられた状態で、建設機械1の動作用の油圧アクチュエータ(図示なし)を動作させる。建設機械1の動作用の油圧アクチュエータは、例えば、クローラ13を駆動するモータ、上部旋回体20を下部本体10に対して旋回させるモータ、ブーム又はアーム(図示なし)を起伏させるシリンダ又はウインチ、または、建設機械1がクレーンの場合に吊荷を巻き上げるウインチなどである。例えば、動力ユニット30A及び動力ユニット30Bが、1つの油圧アクチュエータを動作させる。また例えば、動力ユニット30Aが一の油圧アクチュエータを動作させるとともに、動力ユニット30Bが他の油圧アクチュエータを動作させる。
図3に示すように、動力ユニット30Bは、建設機械1の組立や分解を補助するための(組立補助用の)油圧アクチュエータ(図示なし)の動力源、すなわち組立補助用の油圧ユニットとして使用できる。この場合、油圧ポンプ36Bから油圧ホースHを介して組立補助用の油圧アクチュエータ(図示なし)へ作動油が供給される。この作業を行うときには、作業足場60B(図2参照)を動力ユニット30Bに対して取り外し又は収納しておく。なお、図3では組立や分解の途中の建設機械1として下部本体10のみ図示している。
(ア)建設機械1の構成要素同士を結合する結合ピンの着脱用のシリンダ。具体的には例えば、動力ユニット着脱装置40A及び40B(図1参照)に取り付けられる結合ピン(図示なし)の着脱用のシリンダ。また例えば、ブーム又はアーム(図示なし)と旋回フレーム21(図1参照)とを連結する結合ピンの着脱用のシリンダなど。なお、大型の建設機械1では結合ピンも大型なので、結合ピンを人力で抜き差しするのは困難または不可能である。
(イ)図3に示すカーボディ11に対してクローラ13を着脱するときに、カーボディ11をジャッキアップするためのシリンダなど。
図4に示すように、動力ユニット30Bは、例えば建設機械1とは異なる現場の、建設機械1とは別の建設機械401の組立補助用の油圧ユニットとして使用できる。これと同時に、動力ユニット30Aを、建設機械1(の動力ユニット30Bを除く部分)の動力源とすることができる。なお、この場合は、図2に示すように動力ユニット30A及び30Bを建設機械1の動力源とする場合(上記「使用方法1」)に比べ、建設機械1の動力は例えば半分などに減る。また、図4では、組立や分解の途中の建設機械401として下部本体410のみ図示している。また、動力ユニット30Bを建設機械401の組立補助用の油圧ユニットとして使用するときに、動力ユニット30Aを待機保管させてもよい。
次に、図2に示す建設機械1の上部旋回体20による効果を説明する。上部旋回体20は、旋回フレーム21と、旋回フレーム21に取り付けられる動力ユニット30Aと、動力ユニット30Aとは別体であるとともに旋回フレーム21に対して着脱自在に構成された動力ユニット30Bと、を備える。
この構成では、動力ユニット30A及び動力ユニット30Bそれぞれは、独立して稼働するのに必要な機器を備える。よって、次の(a)及び(b)の効果を奏する。
(a)動力ユニット30Bは、独立して稼働可能であるとともに、旋回フレーム21に対して着脱自在に構成される。よって、旋回フレーム21から動力ユニット30Bを取り外せば、組み立てられた状態の建設機械1の動作とは別の用途(以下、「別の用途」)に動力ユニット30Bを転用できる。
(b)動力ユニット30Aは独立して稼働可能なので、旋回フレーム21から動力ユニット30Bを取り外した状態でも、動力ユニット30Aのみで建設機械1(動力ユニット30Bを除く部分)を動作させることができる。
上記(a)及び(b)のように動力ユニット30A及び30Bを使用できるので、上部旋回体20の構成要素の運用の自由度が高い。例えば、動力ユニット30Aと動力ユニット30Bとを異なる現場で同時に使用することも可能である。
(c)上部旋回体20の保有者は、上部旋回体20とは別に「別の用途」のための油圧ユニットを購入および保管する必要がない。この効果は、特に、結合ピンの着脱用の油圧シリンダが建設機械1に備え付けられた場合により有効である。より有効である理由は次の通りである。建設機械1が組み立てられた状態のときには、結合ピンの着脱用の油圧シリンダのロッドは、通常、伸長状態(いわば飛び出した状態)に維持される。ロッドが伸長状態のときは、縮小状態のときに比べ、作動油タンク(38B)から作動油が減る。この減少分を見越して、作動油タンク(38B)の容量を大きくする必要があるので、「別の用途」のための油圧ユニットが大きくなる。その結果、この油圧ユニットの保有者にかかる金銭的負担がより大きくなる。一方、上部旋回体20の保有者は、上部旋回体20とは別に「別の用途」のための油圧ユニットを購入および保管する必要がないので、この油圧ユニットによる金銭的負担を負う必要がない。
(d)動力ユニット30Bは「別の用途」に転用できるので、動力ユニット30A及び30Bを備えた建設機械1としての仕事がなくても、動力ユニット30Bを活用できる。よって、上部旋回体20の保有者の保有機械の活用機会(稼働率)を増やせる。
動力ユニット30Aと動力ユニット30Bとが一体の場合(例えば、分割不能な一つのフレーム上に動力ユニット30A及び30Bの構成要素が搭載された場合)に比べ、動力ユニット30Bをコンパクトにできる。その結果、動力ユニット30Bの輸送寸法および輸送質量を低減できる。また、「別の用途」に転用しているときの動力ユニット30Bの占有スペースを小さくできる。
上部旋回体20は、旋回フレーム21または動力ユニット30Aに取り付けられた運転室50を備える。
この構成では、動力ユニット30Bには運転室50を取り付ける必要がない。よって、運転室50を取り付けた状態で動力ユニット30Bを「別の用途」に転用する必要がある場合に比べ、「別の用途」に転用しているときの動力ユニット30Bの占有スペースを小さくできる(特に、狭い現場で有利である)。また、動力ユニット30Bを「別の用途」に転用する前に動力ユニット30Bから運転室50を取り外し、「別の用途」に転用した後に動力ユニット30Bに運転室50を取り付ける、という作業が不要である。
図2に示すように、上部旋回体20は、動力ユニット30Bの周囲に取り付けられる作業足場60Bを備える。作業足場60Bは、動力ユニット30Bに対して着脱自在または収納可能に構成される。
動力ユニット30Bから作業足場60Bを取り外した状態、または、動力ユニット30Bに作業足場60Bを収納した状態では、「別の用途」に使用している動力ユニット30Bの占有スペースを小さくできる。またこれらの状態では、動力ユニット30Bに油圧ホースH(図3参照)等の油圧配管を接続しやすい。
図5に、変形例1の建設機械101の上部旋回体120を示す。図2に示す上部旋回体20では、動力ユニット30Aは、旋回フレーム21の横に着脱可能に取り付けられた。一方、図5に示す上部旋回体120では、動力ユニット130A(第1動力ユニット)は、旋回フレーム21内に配置される。動力ユニット130Aと動力ユニット30A(図2参照)との相違点は次の通りである。
図6に、変形例2の建設機械201の上部旋回体220を示す。図2に示す上部旋回体20では、動力ユニット30Bは、旋回フレーム21の横に着脱可能に取り付けられた。一方、図6に示す上部旋回体220では、動力ユニット230B(第2動力ユニット)は、旋回フレーム21上に搭載される(配置される、取り付けられる)。動力ユニット230Bと動力ユニット30B(図2参照)との相違点は次の通りである。
図7〜図9を参照して、第2実施形態の上部旋回体320について、第1実施形態の上部旋回体20(図1参照)との相違点を説明する。図7に示す上部旋回体320は、図1に示す上部旋回体20に対し、動力ユニット30A及び30Bの稼働時間を計測する構成および稼働時間情報を表示する構成を付加したものである。
図9を参照して、図7に示す旋回フレーム21と動力ユニット30Bとを接続した時の上部旋回体320の動作を説明する(以下、動力ユニット30A、動力ユニット30B、及び運転室50については図7を参照)。
次に、図7に示す上部旋回体320による効果を説明する。
上部旋回体320は、動力ユニット30Bに取り付けられるとともに動力ユニット30Bの稼働時間を計測する稼働時間計測手段371Bと、動力ユニット30Bに取り付けられるとともに稼働時間計測手段371Bにより計測された稼働時間情報を表示する稼働時間表示手段377Bと、を備える。
よって、動力ユニット30Bの使用者は、稼働時間表示手段377Bに表示された稼働時間情報に応じて、動力ユニット30Bの定期点検や消耗部品交換を適切なタイミングでできる。その結果、動力ユニット30Bの故障を抑制できる。
よって、動力ユニット30Bが旋回フレーム21から取り外されているときでも、動力ユニット30Bの使用者は動力ユニット30Bの稼働時間情報を確認できる。
上部旋回体320は、動力ユニット30Bに取り付けられるとともに動力ユニット30Bの稼働時間を計測する稼働時間計測手段371Bと、稼働時間計測手段371Bにより計測された稼働時間情報を転送可能な通信装置379B(図8参照)と、運転室50内に設けられるとともに通信装置379B(図8参照)から転送された稼働時間情報を表示する稼働時間表示手段383と、を備える。
この構成では、運転室50内の稼働時間表示手段383に、動力ユニット30Bの稼働時間情報が表示される。よって、運転室50内の使用者は、運転室50から動力ユニット30Bまで行かなくても、動力ユニット30Bの稼働時間情報を容易に確認できる。よって、上部旋回体320は使用者にとって利便性が高い。
上部旋回体320は、旋回フレーム21と動力ユニット30Bとが接続されているか否かを検出する接続検出手段385(図8参照)を備える。旋回フレーム21と動力ユニット30Bとが接続されていることを図8に示す接続検出手段385が検出した場合、通信装置379Bは、図7に示す動力ユニット30Bの稼働時間情報を稼働時間表示手段383に自動的に転送する。
この構成では、上部旋回体320の使用者の特別な操作を要することなく、動力ユニット30Bの稼働時間情報が稼働時間表示手段383に転送される。よって、上部旋回体320は使用者にとって利便性がさらに高い。
なお、旋回フレーム21と動力ユニット30Bとが接続されたときに、上部旋回体320の使用者が所定の操作をすることで、動力ユニット30Bの稼働時間情報が稼働時間表示手段383に転送されるようにしてもよい。上記所定の操作とは、例えば、運転室50に設けられた稼働時間情報転送スイッチ(図示なし)の操作などである。
20、120、220、320 上部旋回体
21 旋回フレーム
30A、130A 動力ユニット(第1動力ユニット)
30B、230B 動力ユニット(第2動力ユニット)
33A、33B エンジン
34A、34B 制御装置
36A、36B 油圧ポンプ
37A、37B 燃料タンク
38A、38B 作動油タンク
50 運転室
60B 作業足場
371B 稼働時間計測手段
377B 稼働時間表示手段(第1稼働時間表示手段)
379B 通信装置
383 稼働時間表示手段(第2稼働時間表示手段)
385 接続検出手段
Claims (7)
- 旋回フレームと、
前記旋回フレームに取り付けられる第1動力ユニットと、
前記第1動力ユニットとは別体であるとともに前記旋回フレームに対して着脱自在に構成された第2動力ユニットと、
を備え、
前記第1動力ユニット及び前記第2動力ユニットそれぞれは、
エンジンと、
前記エンジンを制御する制御装置と、
前記エンジンに駆動される油圧ポンプと、
前記エンジンに接続された燃料タンクと、
前記油圧ポンプに接続された作動油タンクと、
を備え、
前記第2動力ユニットは、前記旋回フレームから前記第2動力ユニットが取り外された状態で稼働可能に構成される、
建設機械の上部旋回体。 - 前記第2動力ユニットは、組み立てられた状態の建設機械の動作とは別の用途に使用可能に構成される、請求項1に記載の建設機械の上部旋回体。
- 前記第2動力ユニットに取り付けられるとともに前記第2動力ユニットの稼働時間を計測する稼働時間計測手段と、
前記第2動力ユニットに取り付けられるとともに前記稼働時間計測手段により計測された稼働時間情報を表示する第1稼働時間表示手段と、
を備える、請求項1または2に記載の建設機械の上部旋回体。 - 前記旋回フレームまたは前記第1動力ユニットに取り付けられた運転室を備える、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の建設機械の上部旋回体。 - 前記第2動力ユニットに取り付けられるとともに前記第2動力ユニットの稼働時間を計測する稼働時間計測手段と、
前記稼働時間計測手段により計測された稼働時間情報を転送可能な通信装置と、
前記運転室内に設けられるとともに前記通信装置から転送された前記稼働時間情報を表示する第2稼働時間表示手段と、
を備える、請求項4に記載の建設機械の上部旋回体。 - 前記旋回フレームと前記第2動力ユニットとが接続されているか否かを検出する接続検出手段を備え、
前記旋回フレームと前記第2動力ユニットとが接続されていることを前記接続検出手段が検出した場合、前記通信装置は、前記稼働時間情報を前記第2稼働時間表示手段に自動的に転送する、
請求項5に記載の建設機械の上部旋回体。 - 前記第2動力ユニットの周囲に取り付けられる作業足場を備え、
前記作業足場は、前記第2動力ユニットに対して着脱自在または収納可能に構成される、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の建設機械の上部旋回体。
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