JP5670970B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
ゴム組成物、とりわけタイヤに用いられるゴム組成物においては、耐候性(耐オゾン性)、即ち大気中のオゾンによるゴムの亀裂・劣化を防止することが求められており、そのため、これらのゴム組成物にはワックスが配合されている。
従来、ゴム組成物に配合されるワックスとしては、パラフィンワックスが主に用いられてきた。しかしこれは化石由来資源である石油を原料として合成されたワックスであるため、地球環境の点からは好ましいとはいえない。加えて、石油系ワックスは、耐候性には優れるものの、ブルームによる変色により美観性(タイヤの外観)が損なわれるという問題があった。また、石油系ワックスは、極性が小さいため、シリカ配合など、近年の低燃費配合系においては、多く配合すると低燃費性に劣るという問題もある。
そこで、近年、天然由来のワックス、例えばカルナバワックス、ホホバワックス、米糠ワックスを用いた配合例が提示されている(例えば、特許文献1、2)。
しかし、ブロードな炭素数分布を有しているワックスを配合すると広い温度範囲で耐候性が発揮されるが、天然系ワックスの炭素数分布(分子量分布)、すなわち軟化点分布は、由来生物によって異なり、広い温度域の軟化点成分を持つ天然系ワックスは少ない。そのため、天然系ワックスをタイヤに使用する場合、広い温度域、特に低温部での耐候性が問題となる。またこれらのワックスは、エステル成分が主成分であり、炭化水素の含有量が少なく、石油由来のものに比べてゴム成分(例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム等の低極性ゴム)との相溶性に劣ることから、充分な耐候性が得られないという問題もあった。加えて、樹木などの植物資源を原料としており、生産性が気候に左右され、人的コストも掛かるという、入手性およびコストの点で問題があった。
一方、耐候性の向上のために、キャンデリラワックスとカルナバワックスを併用する試みも行われている(例えば、特許文献2)が、2種の天然ワックスを配合してもなお、耐候性(特に低温時)や変色への対策が不充分であり、改善が望まれている。
また、植物などから抽出されたイソプレノイドなどを適宜混合して、より優れた性能を持たせた配合例も提示されている(例えば、特許文献3)。
しかし、これらイソプレノイドは、植物や微生物中における含有量が非常に少ないことから、大量生産が難しく実用化例も報告されていない。このことから入手性およびコストの点で問題があった。
特開2008−297392号公報 特開2008−303249号公報 特開2011−80022号公報
本発明は、前記課題を解決し、タイヤの外観を損なうことなく長時間耐候性を維持することができるとともに、石油資源の使用量を少なくすることができ、原料の確保も容易なタイヤ用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、微細藻類由来の天然ワックスとを含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記微細藻類が、Euglenophyceae網に属する微細藻類であることが好ましい。
上記微細藻類が、ユーグレナ属に属する微細藻類であることが好ましい。
上記微細藻類由来の天然ワックスが、上記微細藻類を培養した後、精製することにより得られたワックス成分であることが好ましい。
上記微細藻類由来の天然ワックスが、上記微細藻類を、好気性条件で培養した後、嫌気性条件で培養することにより得られたものであることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分と、微細藻類由来の天然ワックスとを含有するタイヤ用ゴム組成物であるので、タイヤの外観を損なうことなく長時間耐候性を維持することができる。また、上記天然ワックスは、微細藻類由来であるため、石油資源の使用量を少なくすることができ、環境へ配慮できる。さらに、様々な微細藻類が池、湖沼、汽水域、海水中などに生息しており、また、様々な微細藻類の工業的規模での培養も盛んに行われているため、原料の確保も容易である。また、微細藻類由来の天然ワックスを配合することにより、低燃費性も改善できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分と、微細藻類由来の天然ワックスとを含有する。
本発明では、池、湖沼、汽水域、海水中などに存在する微細藻類を用いて、工業的規模の培養槽、湖沼、池などを利用して安価・容易かつ大量に得られる天然ワックスを使用しており、植物由来のワックスと比べてコストや入手性の面からも有利である。更に、植物由来のワックスに比べて、耐候性に優れ、タイヤの外観を損なうことなく長時間耐候性を維持することができる。これは、微細藻類由来の天然ワックスは、ブロードな炭素数分布を有しているため、広い温度範囲で(低温でも)耐候性が発揮されるためであると考えられる。また、低燃費性も改善できる。
本発明で使用できるゴム成分としては、特に限定されず、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ジエン系合成ゴム(イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)など)等が使用される。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、タイヤの各部材において必要な性能を容易に確保できるという理由から、NR、ENR、BR、SBRが好ましく、NR、BRがより好ましい。
ジエン系合成ゴムについては、将来の石油資源の枯渇を想定した場合、ジエン系合成ゴムを使用しない、又は再生可能な生物由来原料をモノマーとして使用して得られたジエン系合成ゴムを使用することが好ましい。このような生物由来原料から製造されたジエン系合成ゴムとしては、例えばBRの場合、バイオエタノールに触媒を作用させてブタジエンを得て、それを重合する等の方法により得ることができる。
BRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上である。30質量%未満であると、耐摩耗性が低下する傾向がある。該BRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。90質量%を超えると、加工性が悪化するおそれがある。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
NRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。10質量%未満であると、加工性の悪化、低温脆化温度が高くなる傾向がある。該NRの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。70質量%を超えると、耐摩耗性能が低下する傾向がある。
ENRのエポキシ化率は、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましい。ENRのエポキシ化率が5モル%未満であると、ゴム組成物に対する改質効果が小さい傾向がある。また、ENRのエポキシ化率は、80モル%以下であることが好ましく、60モル%以下であることがより好ましい。ENRのエポキシ化率が、80モル%を超えると、ポリマー成分がゲル化する傾向がある。
ENRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のENRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満であると、加工性が低下する傾向がある。該ENRの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。70質量%を超えると、耐摩耗性能が低下する傾向がある。
本発明では、微細藻類由来の天然ワックスが使用される。これにより、タイヤの外観を損なうことなく長時間耐候性を維持することができるとともに、石油資源の使用量を少なくすることができ、原料の確保も容易なタイヤ用ゴム組成物を提供できる。また、低燃費性も改善できる。
本発明において、微細藻類由来の天然ワックスとは、微細藻類により産生される脂肪族系炭化水素を意味する。脂肪族系炭化水素としては、微細藻類が産生する脂肪族系炭化水素であれば特に限定されず、例えば、n−ヘプタデセン等の炭素数が15〜50の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素;n−エイコサジエン等の炭素数が15〜50の飽和又は不飽和の脂肪酸;ラウリン酸メチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸メチル等の炭素数が15〜50の飽和又は不飽和の脂肪酸エステル等が挙げられる。また、これらをフィッシャー・トロプシュ法などにより炭素数を改変したり、水添により二重結合を飽和させたものであってもよい。なかでも、炭素数が15〜50(好ましくは炭素数が15〜40)の飽和又は不飽和の脂肪酸エステル(特に、(高級)脂肪酸と(高級)脂肪族アルコールとのエステル)が好ましい。
微細藻類由来の天然ワックスの融点は、40〜120℃であることが好ましく、50〜100℃であることがより好ましく、60〜90℃であることがさらに好ましい。40℃未満では、高温での耐候性が充分でなく、120℃を超えると、タイヤ表面への析出が充分でなく耐候性が充分でない可能性がある。
なお、本明細書において、融点は、DSC(示差走査熱量測定)におけるピーク温度であり、複数のピークがある場合は、最も融解熱量ΔH(J/g)が大きいピーク温度を融点とする。
微細藻類としては、体内の栄養分の一部を炭化水素(脂肪族系炭化水素)に変換する性質を有する藻類であれば特に限定されず、二酸化炭素を資化できる藻類が好ましい。具体的には、Euglenophyceae網に属する微細藻類、クロレラ (Chlorella)属に属する微細藻類、イカダモ(Scenedesmus)属に属する微細藻類、デスモデスムス(Desmodesmus)属に属する微細藻類、スピルリナ(Spirulina)属に属する微細藻類、アルスロスピラ(オルソスピラ)(Arthrospira)属に属する微細藻類、ボツリオコッカス(Botryococcus)属に属する微細藻類(特に、ボツリオコッカス・ブラウニー(Botryococcus braunii ))、シュードコリシスチス(Pseudochoricystis)属に属する微細藻類(特にシュードコリシスチスエリプソイディア(Pseudochoricystis ellipsoidea))等が挙げられる。これらの微細藻類は、天然ワックス(脂肪族系炭化水素)を生合成できることが知られている。なかでも、天然ワックスの生産性の観点からEuglenophyceae網に属する微細藻類が好ましい。
Euglenophyceae網に属する微細藻類としては、例えば、ユーグレナ(Euglena)属、アスタシア属、カウキネア属、トックリヒゲムシ属、ペラネマ属、ウチワヒゲムシ属、レボキンクリス属、ストロンボモナス属に属する微細藻類等が挙げられる。なかでも、ユーグレナ属に属する微細藻類が好ましい。
これは、ユーグレナ属に属する微細藻類は、培養が容易な上、好気性条件下で培養すると、炭水化物としてパラミロンを細胞内に蓄積し、その後、嫌気性条件下で培養することにより、蓄積されたパラミロンが分解されてワックス((高級)脂肪酸と(高級)脂肪族アルコールとのエステル)が生成すること、及び当該製法により得られたワックスは、不飽和結合が少ないことが知られており(特開昭59−118090号公報)、更に、本発明者らが該ワックスをタイヤ用ゴム組成物に配合することにより、本発明の効果が好適に得られ、タイヤ用ゴム組成物に耐候性の向上を目的として配合されるワックスとして、該ワックスを好適に使用可能であることを見出したからである。
また、ユーグレナ属に属する微細藻類は、培養条件によっては、乾燥菌体質量の50質量%にも達する極めて高い生産効率でワックス((高級)脂肪酸と(高級)脂肪族アルコールとのエステル)を生産することが知られており(特開昭59−118090号公報)、生産効率の点でも、他の天然由来ワックス類と比較して優れている。
ユーグレナ属に属する微細藻類は、動物学ではミドリムシ目、植物学ではEuglenophyceae網、ミドリムシ目に属する鞭毛虫の一群であり、池や沼等の天然水系に自然に生息している採取、培養が容易なものである。代表的なものとして、ユーグレナ・グラシリス・Z株、ユーグレナ・グラシリス・バシラリス変株、ユーグレナ・ビリディス、アスタシア・ロンガ等が挙げられるが、これらに限定されるものでなく、また公知の方法で処理した各種変異株も使用することができる。
微細藻類の培養には、各種微生物を培養する公知の方法が適用できる。具体的には、炭素源、窒素源、無機塩、ビタミン類を適量加えた培地であれば良く、公知のものとしては、コーレン・ハットナー培地(Korren and Hutner,J.Protozool.14,Supple.17(1967))、ハットナー培地(Hutner,J.Protozool,6,23(1959))、クレマー・マイヤー培地(Cramer and Myers,Arch.Mikrobiol,17,384,(1952))等が挙げられるが、この限りではない。
また微細藻類の培養、微細藻類からの天然ワックスの抽出に関しては、公知の方法、例えば、北岡らの成書(「ユーグレナ」北岡正三郎編、学会出版センター(1989年))や、化学と工業(谷口道子、化学と工業、52巻、262項(1999))などに詳しくまとめられている方法に基づいて行うことができる。また、上記微細藻類のなかでも、ユーグレナ属、クロレラ属、スピルリナ属、アルスロスピラ属に属する微細藻類等は、既に工業的規模で培養されている。
炭素源としては、グルコース、澱粉水解物、糖蜜、グルタミン酸、酢酸、エタノールなどが好ましく、2種類以上を組み合わせて用いてもかまわない。
窒素源としては、アンモニア、アンモニウム塩、グルタミン酸、アスバラギン酸などが好ましく、2種類以上を組み合わせて用いてもかまわない。また前記炭素源と窒素源の質量比(C/N)は4〜30が好ましい。
無機塩としては、カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄類を含む無機塩を組み合わせることが望ましい。
ビタミン類としては、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンB16等を組み合わせて加えることが好ましい。
培養温度は20℃〜35℃が好ましく、27℃〜33℃がより好ましい。20℃未満でも35℃を超えても培養は可能であるが、成長が遅くなりワックスの生成効率が悪くなる傾向がある。
培養は、暗所で行っても明所で行ってもよい。すなわち、光照射を行ってもよく、暗黒下や、室内光下でもよい。
液体又は懸濁液で培養する際には、適度の振とう、若しくは攪拌を行うことが望ましい。また、培養は好気性条件下で行うことが望ましく、通気は、培養液1リットル、1分間あたり0.4〜2リットルが、生育上望ましい。
また、特開昭59−118090号公報に記載のように、パラミロンのワックスへの変換を促進するため、ユーグレナ属に属する微細藻類を好気性条件下で一定期間培養してパラミロンを細胞内に蓄積した後、嫌気性条件下に移行させて培養し、ワックス((高級)脂肪酸と(高級)脂肪族アルコールとのエステル)を生成させることが望ましい。この場合、4日〜7日間好気性条件下で培養し、成長の定常期に達したところで、嫌気性条件下に変換して1〜3日間培養することが望ましい。これにより、多量のワックスを効率良く生成できる。
嫌気性条件下に変換する方法としては、例えば、好気性条件下で培養した細胞を遠心分離等で集めた後、リン酸緩衝液等の溶液に懸濁し、窒素ガスを通気する方法等が挙げられる。
また、ワックス((高級)脂肪酸と(高級)脂肪族アルコールとのエステル)は、構成する脂肪酸、脂肪族アルコールの炭素数が小さいほど、また不飽和度が大きいほど低い融点を示す傾向がある。そのため、特開昭61−254193号公報に記載のように、微細藻類の培養の際に、脂肪酸を添加することによって、生成するワックスの融点を目的に応じて制御することができる。
従って、上記添加物とは別に、特定の組成のワックス(例えば、特定の炭素数を有するワックスや特定数の不飽和結合を有するワックス)を生成させる目的で、脂肪酸を添加しても構わない。脂肪酸を添加するタイミングとしては、特に限定されない。ただし、本発明のように、得られたワックスを耐候性の向上を目的としてタイヤ用ゴム組成物に配合する場合、ユーグレナ属に属する微細藻類を通常の培地(脂肪酸が添加されていない培地)で培養することにより、不飽和結合が少ないワックス(25℃で固形状の脂肪酸エステル)が得られるため、培養液に、脂肪酸を添加しないことが好ましい。
脂肪酸の炭素数としては、生成するワックス(例えば、脂肪酸エステル)の望ましい融点を考慮すると、8〜40が好ましく、10〜20がより好ましい。
上記脂肪酸としては、特に限定されず、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレインン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
培養した微細藻類(細胞)からワックス成分を精製する方法としては、公知のいずれの方法を用いても構わない。例えば、培養液よりろ過、及び/又は遠心分離により細胞を集め、有機溶媒により抽出する方法、細胞を超音波等で破砕し、遠心分離することによりワックス成分を分離する方法、細胞を超音波等で破砕し、有機溶媒により抽出する方法等が挙げられる。また、カラムクロマトグラフィー等で、さらに精製しても構わない。
精製することにより得られたワックス成分は、ゴム成分や他の配合物と混練することにより、本発明の効果が好適に得られるタイヤ用ゴム組成物が得られる。
微細藻類由来の天然ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。1質量部未満であると、耐候性を充分に向上できないおそれがある。該含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。100質量部を超えると、破断強度、ゴム剛性が低下する傾向がある。
微細藻類由来の天然ワックスと共に、天然由来のワックスとして、極性基(エステル基、ケトン基等)の比率が高い天然ワックス(カルナバワックス、蜜蝋、ライスワックス等)や、炭化水素分が比較的高い天然ワックス(キャンデリラワックスなど)、分岐炭化水素分が多いもの(炭素数20〜60の天然イソプレノイド及び/またはその水添物など)を適宜配合してもよい。また、微細藻類由来の天然ワックスと共に、石油系ワックスを配合してもよい。なかでも、微細藻類由来の天然ワックスと併用することにより、耐候性を相乗的に向上できることから、極性基の比率が高い天然ワックスが好ましく、カルナバワックスがより好ましい。
なお、本発明において、微細藻類由来の天然ワックスと共に、他の天然由来のワックスを配合する場合においても、ワックスの合計含有量は、微細藻類由来の天然ワックスを単独で配合する場合と同様に上記範囲内であることが好ましい。
また、耐候性をより好適に得られるという理由から、「微細藻類由来の天然ワックスの配合量>極性基の比率が高い天然ワックス(好ましくはカルナバワックス)の配合量」を満たすことが好ましい。さらに、配合量の差(微細藻類由来の天然ワックスの配合量−極性基の比率が高い天然ワックス(好ましくはカルナバワックス)の配合量)は、4以上が好ましく、10以上がより好ましい。
本発明のゴム組成物は、充填剤を含むことが好ましい。充填剤としては、タイヤにおいて公知に使用されているものであれば、限定無く使用できる。前記充填剤としては、特に限定されず、例えば、シリカ、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、クレー、炭酸カルシウム、モンモリロナイト、セルロース、ガラスバルーン、各種短繊維等が挙げられる。前記充填剤としては、シリカ、カーボンブラック、水酸化アルミニウムがタイヤ物性の面で、特に好ましい。これらは、単独で用いても、2種以上を併用しても構わない。
上記充填剤の含有量は、ゴム100質量部に対して、好ましくは10〜200質量部、より好ましくは20〜180質量部、更に好ましくは30〜150質量部である。10質量部未満であると、ゴム組成物の強度が不十分であり、200質量部を超えると、充填剤がゴムに充分に分散せず、ゴム物性が低下する傾向がある。
上記充填剤のなかでも、シリカを含むことが、タイヤの低燃費性向上の上で、特に好ましい。シリカとしては、特に制限はなく、湿式法または乾式法により調製されたものを用いることができる。
シリカのBET法によるチッ素吸着比表面積は、50m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましい。50m/g未満では、ゴム強度が低下する傾向がある。また、シリカのBET法によるチッ素吸着比表面積は250m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましい。250m/gを超えると、加工性が悪化する傾向にある。なお、シリカのBET法によるチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準拠した方法により測定することができる。
シリカを含有する場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5〜200質量部、より好ましくは15〜150質量部、更に好ましくは25〜100質量部である。この範囲内であれば、燃費特性を良好としながらゴムの力学強度を確保でき、さらに、良好な耐候性と微細藻類由来の天然ワックスとの相容性が得られる。
シリカを含有する場合、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系等が挙げられる。なかでも、スルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドがより好ましい。なお、シランカップリング剤の配合量は、シリカ100質量部に対して、5〜15質量部が好ましい。
また、所望に応じて補強剤としてシリカに加えてカーボンブラックを使用する事も可能であるが、将来の石油資源の枯渇を想定した場合、カーボンブラックを使用しない、又は再生可能な生物由来原料を使用したカーボンブラックを使用する事が好ましい。カーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましい。この範囲内であれば、ゴムの力学強度を確保でき、さらに、良好な耐候性と微細藻類由来の天然ワックスとの相容性が得られる。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、クレーなどの補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加工助剤、各種老化防止剤、軟化剤、可塑剤、粘着付与剤、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。該ゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッドやサイドウォールなどのタイヤ表面に位置し、耐候性が求められる部材に好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等として用いられる。なお、本明細書における高性能タイヤとは、グリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例1〜4及び比較例1〜5で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:SIR20
BR:宇部興産(株)製のBR150B
石油系ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
カルナバワックス:東亜化成(株)製のTOA−131
ユーグレナワックス:北岡らの成書(「ユーグレナ」北岡正三郎編、学会出版センター(1989年))に記載の方法に基づいて製造したワックス(ユーグレナ属に属する微細藻類由来の天然ワックス)
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製の椿
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックI(ISAF、N220、NSA:114m/g、DBP:114ml/100g)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(実施例及び比較例)
表1に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を160℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃の条件下で30分間プレス加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を得た。
得られた試験用タイヤについて下記の評価を行った。結果を表1に示した。
(静的オゾンテスト)
試験用タイヤをリム(5J×13)に組み付け、内圧200kPa、温度25℃及びオゾン濃度50pphmの条件下のオゾンチャンバー中に並置し、クラックが発生するまでの日数を測定した。表中「>120日」は、120日を過ぎてもクラックが発生しなかったことを示し、「<1日」は、1日未満でクラックが発生したことを示す。日数が長いほど、耐候性を長時間維持でき、耐候性に優れることを示す。
(暴露試験)
試験用タイヤにホイールを取り付け、雨水が掛からないように屋外に3ヶ月間放置し、その後の変色度合いを確認した。
○:変色なし、△:わずかに変色、×:激しく変色
Figure 0005670970
表1の結果より、ゴム成分と、微細藻類由来の天然ワックス(ユーグレナワックス)とを含有する実施例は、タイヤの外観を損なうことなく長時間耐候性を維持することができた。また、上記天然ワックスは、微細藻類由来であるため、石油資源の使用量を少なくすることができ、環境へ配慮できる。さらに、様々な微細藻類が池、湖沼、汽水域、海水中などに生息しており、また、様々な微細藻類の工業的規模での培養も盛んに行われているため、原料の確保も容易である。また、微細藻類由来の天然ワックスと、カルナバワックスを併用した実施例4において、耐候性が非常に優れていた。
一方、石油系ワックスを配合した比較例1、2では、タイヤの外観が実施例に比べて劣っていた。また、カルナバワックスを配合した比較例3、4では、実施例に比べて耐候性が大きく劣っていた。
(微細藻類由来の天然ワックスの調製)
(ワックス製造例1)
ユーグレナ・グラシリス・Z株の野生株を、1%グルコースを炭素源とするコーレン・ハットナー培地300mlに接種し、25℃、初期pH3.5で1分間に120回振とう、培養液1リットル、1分間当たり0.5リットルの空気通気下、2000ルックスの光照射下で、6日間培養した。
その後、遠心分離により培養細胞を採取し、pH6.8のリン酸緩衝液100mlに懸濁し、1分間あたり20mlの窒素ガス通気下、室内光下、上記同様の振とう条件で2日間培養した。
その後、超音波処理で細胞を破断し、クロロホルム−メタノール(1:2)溶液にて抽出、抽出液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することにより、ワックス成分(ワックス1)を1.5g得た。
(ワックス製造例2)
ユーグレナ・グラシリス・Z株の葉緑体欠損株細胞を用いたことと、暗黒下で行った点以外は製造例1と同様の条件で、6日間培養した。
その後、製造例1と同様にしてワックス成分(ワックス2)を2.3g得た。
得られたワックスの組成を、ガスクロマトグラフィーにより測定した。また、軟化点分布について、示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて、−30℃から100℃まで5℃/minの昇温速度でヒートフロー(mW/g)を測定した。結果を表2に示した。
また、各ワックスの融点については、示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて、−100℃から100℃まで5℃/minの昇温速度でヒートフロー(mW/g)を測定した。ヒートフロー曲線の最大ピーク温度を融点として記載した。結果を表2に示した。
Figure 0005670970
ワックス1は、0℃以下においてもなだらかにDSCの吸収カーブを示し、約−15℃程度まで吸収が観察された。これは、融点の低い不飽和脂肪酸エステルが生成していることによると思われる。一方、ワックス2は、ワックス1と比較して、低温領域に吸収が少なく、高温領域に吸収がシフトしていた。組成分析においても、ワックス2のほうが、炭素数の多い組成が多くなっている。ただ、いずれのワックスも広い温度領域においてDSC吸収を示し、軟化点が広範囲に分布していることが判明した。また、ワックス1、2は、その融点から25℃で固形状であることが明らかである。
得られたワックス1、2を用いてゴム組成物を作製し、物性評価を行った。以下、実施例5、6及び比較例6〜8で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴム(NR):RSS#3
ポリブタジエン(BR):宇部興産(株)製のUBEPOL BR150B(シス1,4結合量97%、ML1+4(100℃)40、Mw/Mn3.3)
シリカ:EVONIK−DEGUSSA社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
カーボンブラック:新日化カーボン(株)製のニテロン#55S(NSA:28×103m/kg)
シランカップリング剤:EVONIK−DEGUSSA社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
石油系ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
モンタンワックス:東亜化成(株)製(融点 約68℃)
カルナバワックス:東亜化成(株)製(融点 約82℃)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「桐」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製酸化亜鉛2種。
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(実施例及び比較例)
表3の配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を充填率が58%になるように充填し、80rpmで140℃に到達するまで混練りして混練り物を得た。
次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加して混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を所定のサイズに成形し、150℃の条件下で20分間プレス加硫することにより加硫ゴム組成物を得、約2mm×130mm×130mmの加硫ゴムスラブシートを作成し、試験用サンプルとした。
また、得られた未加硫ゴム組成物をサイドウォール形状に成形して、他のタイヤ部材と貼り合わせ、170℃で15分間加硫することにより、試験用タイヤを作製した。
得られた加硫ゴムスラブシート、試験用タイヤについて、以下に示す評価を行った。結果を表3に示した。
(粘弾性試験)
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターVESを用いて、温度70℃、初期歪10%、動歪2%および周波数10Hzの条件下で加硫ゴムスラブシートの損失正接(tanδ)を測定し、比較例6の転がり抵抗指数を100とし、下記計算式により、転がり抵抗を指数表示した。転がり抵抗指数が大きいほど、転がり抵抗が低減され、低燃費性に優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例6のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(耐オゾン性試験)
JIS K 6259「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐オゾン性の求め方」に基づき、オゾン濃度50±5pphm、各温度(低温:0℃、中温:25℃、高温:50℃)、伸張歪20±2%の条件下で、48時間試験した後の亀裂の状態を観察することで、耐オゾン性(耐候性)を評価した。なお、評価方法は、JISに記載の方式に従い、亀裂の数と大きさを表した。アルファベット(A、B及びC)は、Aが亀裂の数が少なく、Cが亀裂の数が大きいことを示し、数字(1〜5)は、大きいほど、亀裂の大きさが大きいことを示し、「クラックなし」は、クラックが発生しなかったことを示す。
(屋外暴露試験:白色化)
試験用タイヤにホィールを取り付け、2.2気圧の空気を封入して、屋外(神戸市内)に3ヶ月間放置し、その後の変色度合いを目視で評価した。
○:変色なし △:わずかに白色化 ×:激しく白色化
Figure 0005670970
石油系ワックスを3部配合した比較例6では、充分な耐候性が得られず、また、変色も見られた。また、比較例6より石油系ワックスを多く配合した比較例7では、比較例6に比べて耐候性は改善したものの、低燃費性が悪化し、変色も激しくなった。さらに、植物由来の天然ワックスを2種併用した比較例8では、低燃費性は改善したものの、耐候性が低く、変色も見られた。これらに対し、微細藻類由来の天然ワックス(ワックス1、2)を配合した実施例では、幅広い温度領域において優れた耐候性が得られ、低燃費性も改善された。また、変色も見られなかった。

Claims (6)

  1. ゴム成分と、微細藻類由来の天然ワックスとを含み、
    前記ゴム成分100質量部に対して、前記微細藻類由来の天然ワックスを1〜100質量部含有するタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記微細藻類が、Euglenophyceae網に属する微細藻類である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記微細藻類が、ユーグレナ属に属する微細藻類である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記微細藻類由来の天然ワックスが、前記微細藻類を培養した後、精製することにより得られたワックス成分である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記微細藻類由来の天然ワックスが、前記微細藻類を、好気性条件で培養した後、嫌気性条件で培養することにより得られたものである請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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