JP4868455B2 - タイヤ用ゴム組成物、タイヤ部材およびタイヤ - Google Patents
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Description
また、本発明は、上記のいずれかのタイヤ用ゴム組成物からなるトレッドである。
さらに、本発明は、上記のトレッド、サイドウォール、およびクリンチからなる群から選択された少なくとも1種を用いて製造されたタイヤである。
本発明においては、ゴム成分として、天然ゴム若しくはエポキシ化天然ゴムのいずれか一方のゴム、または天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの双方を混合した混合ゴム等が用いられる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上記のゴム成分100質量部に対してシリカが10質量部以上含まれる。このような構成とすることによって、充填剤としてのカーボンブラックの使用量を低減することができるため、石油資源に由来する成分の使用量を低減することができるとともに、シリカによる十分な補強効果を得ることができる。なお、シリカとしては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、無水シリカおよび/または含水シリカ等を用いることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、天然系ワックスが本発明のタイヤ用ゴム組成物の全質量の1.2質量%以上2質量%未満含まれている。これにより、本発明のタイヤ用ゴム組成物を用いて作製したタイヤ部材において十分な耐オゾン性および非ブルーミング性が得られるとともに、石油を原料とするワックスの使用量を低減することができるため石油資源に由来する原料の使用量を低減することができる。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物には、シランカップリング剤が含まれることが好ましい。ここで、シランカップリング剤としては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン等のクロロ系が挙げられる。なお、上記のシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、石油資源に由来する従来から公知のカーボンブラックを含んでいてもよいが、石油資源に由来する成分の使用量を低減する観点からは、上記のゴム成分100質量部に対してカーボンブラックの含有量は5質量部以下であることが好ましく、全く含まれていないことが最も好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上記の成分以外にも、たとえば、タイヤ工業において一般的に用いられている老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、オイル、硫黄または加硫促進剤等の各種成分が適宜配合されていてもよい。
上記の本発明のタイヤ用ゴム組成物は、未加硫の状態で押出し加工等により所定の形状に加工されて、トレッド、サイドウォールおよびクリンチが形成される。そして、これらのタイヤ部材を所定の位置に配置すること等によってグリーンタイヤを作製し、その後、グリーンタイヤの各部材を構成するゴム組成物を加硫すること等によって、本発明のタイヤが製造される。
(注2)エポキシ化天然ゴム:MRB(エポキシ化率:50モル%)
(注3)カーボンブラック:三菱化学(株)製のN220
(注4)シリカ:ローディアジャパン(株)製のZEOSIL−195GR(BET比表面積:180m2/g)、ZEOSIL−215GR(BET比表面積:248m2/g)
(注5)シランカップリング剤:デグッサ社製のSi75
(注6)オイル:ジャパンエナジー社製のプロセス140
(注7)石油系ワックス;大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
(注8)カルナバワックス:東亜化成(株)製
(注9)キャンデリラワックス:東亜化成(株)製
(注10)老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
(注11)ステアリン酸:日本油脂(株)製
(注12)酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
(注13)硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
(注14)加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
なお、上記の石油系ワックスは石油から製造されたワックスであり、炭素数5〜55までの広がりを持った成分からなる石油系ワックスである。
上記のようにして得られた参考例1〜3、実施例2、3、5および7ならびに比較例1〜8の加硫ゴムシートをそれぞれ20%伸長させた状態で3ヶ月間屋外曝露し、3ヶ月後の各加硫ゴムシートの表面を目視で観察してクラック発生の有無を確認した。その結果を表1に示す。
上記の静的オゾンテスト後の各加硫ゴムシートの表面について、ワックスの表面への移行による表面の白変化の有無を目視で観察して確認した。その結果を表1に示す。
(1)トレッド用途
表1に示すように、カルナバワックスおよび/またはキャンデリラワックスからなる天然系ワックスの含有量が未加硫ゴム組成物の全質量の1.2質量%以上2質量%未満である未加硫ゴム組成物を加硫して作製された参考例1、実施例2〜3の加硫ゴムシートは、静的オゾンテストにおいてクラックが発生せず、白変化テストでも表面の白変化がないことが確認された。
表1に示すように、天然系ワックスの含有量が未加硫ゴム組成物の全質量の1.2質量%以上2質量%未満である未加硫ゴム組成物を加硫して作製された参考例2、実施例5の加硫ゴムシートは、静的オゾンテストにおいてクラックが発生せず、白変化テストでも表面の白変化がないことが確認された。
表1に示すように、天然系ワックスの含有量が未加硫ゴム組成物の全質量の1.2質量%以上2質量%未満である未加硫ゴム組成物を加硫して作製された参考例3、実施例7の加硫ゴムシートは、静的オゾンテストにおいてクラックが発生せず、白変化テストでも表面の白変化がないことが確認された。
以上の結果から、天然系ワックスの含有量が未加硫ゴム組成物の全質量の1.2質量%以上2質量%未満である未加硫ゴム組成物を加硫して作製された加硫ゴムシートは、トレッド用途、サイドウォール用途およびクリンチ用途のいずれの用途のゴム配合にも対応して耐オゾン性および非ブルーミング性に優れることが確認された。
Claims (8)
- 天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくとも一方を含有するゴム成分と、シリカと、キャンデリラワックスを含む天然系ワックスと、を含むタイヤ用ゴム組成物であって、
前記シリカは、前記ゴム成分100質量部に対して10質量部以上含まれており、
前記天然系ワックスは、前記タイヤ用ゴム組成物の全質量の1.2質量%以上2質量%未満含まれていることを特徴とする、タイヤ用ゴム組成物。 - 前記天然系ワックスは、カルナバワックス、ライスワックスおよびジャパンワックスの群から選択された少なくとも1種をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- カーボンブラックが前記ゴム成分100質量部に対して5質量部以下含まれていることを特徴とする、請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- シランカップリング剤を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物からなる、トレッド。
- 請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物からなる、サイドウォール。
- 請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物からなる、クリンチ。
- 請求項5に記載のトレッド、請求項6に記載のサイドウォール、および請求項7に記載のクリンチからなる群から選択された少なくとも1種を用いて製造された、タイヤ。
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