JP4868456B2 - ベーストレッド用ゴム組成物、ベーストレッドおよびタイヤ - Google Patents
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本発明において、ジエン系ゴムとしては、従来から公知のジエン系ゴムを単独で若しくは2種以上を組み合わせて用いることができ、たとえば、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)の群から選択された少なくとも1種のジエン系ゴムを用いることができる。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物には、上記のジエン系ゴム100質量部に対して20質量部以上70質量部以下のシリカが含まれる。このような構成とすることによって、充填剤としてのカーボンブラックの使用量を低減することができるため、石油資源に由来する成分の使用量を低減することができるとともに、シリカによる十分な補強効果を得ることができ、さらには車両の低燃費性も実現することが可能となる。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物には、上記のジエン系ゴム100質量部に対して2質量部以上15質量部以下の植物性ワックスが含まれる。これにより、石油資源に由来する成分の使用量を低減することができるとともに、本発明のベーストレッド用ゴム組成物により形成されたベーストレッドを用いたタイヤに優れた耐候性が発現し、加硫後のベーストレッドの強度(破断強度)も優れたものとなる。
また、本発明のベーストレッド用ゴム組成物には、シランカップリング剤が含まれることが好ましい。ここで、シランカップリング剤としては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン等のクロロ系が挙げられる。なお、上記のシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、石油資源に由来する従来から公知のカーボンブラックを含んでいてもよいが、石油資源に由来する成分の使用量を低減する観点からは、カーボンブラックの含有量は、上記のジエン系ゴム100質量部に対して25質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、全く含まれていないことが最も好ましい。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物には、上記の成分以外にも、たとえば、タイヤ工業において一般的に用いられている老化防止剤、オイル、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄または加硫促進剤等の各種成分が適宜配合されていてもよい。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、少なくとも、上記のジエン系ゴムと、シリカと、植物性ワックスとを混練り等により混合することによって作製することができる。
表1に示す配合に従って、硫黄および加硫促進剤以外の成分を神戸製鋼製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、排出温度を155℃に設定して混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、90℃で2分間混練りして、未加硫ゴム組成物を得た。
(注2)ブタジエンゴム(BR):宇部興産(株)製のブタジエンゴム
(注3)N339:三菱化学(株)製のカーボンブラック
(注4)シリカVN3:デグサ社製のシリカ(BET比表面積:210m2/g)
(注5)シランカップリング剤Si266:デグサ社製のシランカップリング剤
(注6)カルナバワックス:東亜化成(株)製のカルナバワックス
(注7)石油系ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
(注8)老化防止剤6PPD:住友化学(株)製
(注9)プロセスオイル:JOMO(株)製のアロマオイル
(注10)ステアリン酸:日本油脂(株)製の椿
(注11)酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製
(注12)硫黄:鶴見化学(株)製
(注13)促進剤TBBS:大内新興化学工業(株)製の加硫促進剤
<静的オゾンテスト>
上記の実施例1〜5および比較例1〜5の未加硫ゴム組成物を用いてベーストレッドをそれぞれ作製し、それぞれのベーストレッドを用いて195/65R15の乗用車タイヤを作製し、静的オゾンテストの評価を行なった。なお、実施例1〜5および比較例1〜5の未加硫ゴム組成物のいずれを用いて乗用車タイヤを作製した場合でも、乗用車タイヤのキャップトレッドについては、同一配合のゴムを用いることによって同一の条件としている。
プライ
コード角度 タイヤ周方向に90度
コード材料 ポリエステル
ベルト
コード角度 タイヤ周方向に25度×25度
コード材料 スチール(真鍮メッキ(銅−亜鉛合金メッキ))
ジョイントレスバンド
コード角度 タイヤ周方向に0度
コード材料 ナイロン
そして、上記で作製した乗用車タイヤをそれぞれ、リム:15×6JJ、内圧:200kPaの条件で、50pphmのオゾンチャンバーに放置して、乗用車タイヤにクラックが発生するまでの日数を測定した。その結果を表1に示す。
上記の実施例1〜5および比較例1〜5のそれぞれの未加硫ゴム組成物をそれぞれ150℃で30分間加硫することによって実施例1〜5および比較例1〜5のそれぞれの加硫ゴムシートを得た。
静的オゾンテストのときと同様にして、実施例1〜5および比較例1〜5の未加硫ゴム組成物を用いてベーストレッドをそれぞれ作製し、それぞれのベーストレッドを用いて静的オゾンテストのときと同様の構成の乗用車タイヤを作製した。なお、実施例1〜5および比較例1〜5の未加硫ゴム組成物のいずれを用いて乗用車タイヤを作製した場合でも、乗用車タイヤのキャップトレッドについては、同一配合のゴムを用いることによって同一の条件としている。
表1に示すように、ジエン系ゴム100質量部に対して20質量部以上70質量部以下のシリカと、ジエン系ゴム100質量部に対して2質量部以上15質量部以下のカルナバワックスとを含む実施例1〜5の未加硫ゴム組成物を用いてベーストレッドが作製された乗用車タイヤについては、静的オゾンテスト、引張強度および転がり抵抗のいずれの試験においても良好な結果が得られていることが確認された。
Claims (5)
- タイヤのベーストレッドの形成に用いられるベーストレッド用ゴム組成物であって、
ジエン系ゴムと、前記ジエン系ゴム100質量部に対して20質量部以上70質量部以下のシリカと、前記ジエン系ゴム100質量部に対して10質量部以上15質量部以下のカルナバワックスと、を含む、ベーストレッド用ゴム組成物。 - カーボンブラックが前記ジエン系ゴム100質量部に対して5質量部以下含まれていることを特徴とする、請求項1に記載のベーストレッド用ゴム組成物。
- シランカップリング剤を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のベーストレッド用ゴム組成物。
- 請求項1から3のいずれかに記載のベーストレッド用ゴム組成物から形成された、ベーストレッド。
- 請求項4に記載のベーストレッドを用いて形成された、タイヤ。
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