以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図9は、本発明の画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体の一実施例を適用した画像処理装置1のブロック構成図である。
図1において、画像処理装置1は、高速の複写装置や複合装置等の画像処理装置であり、エンジンユニット10とコントローラユニット20を備えているとともに、図示しないが、操作表示部、通信部等の画像処理装置として必要な各部を備えている。
エンジンユニット10は、表面用スキャナ11、裏面用スキャナ12、画像処理部13、両面読取制御部14、ページメモリ15、スキャナ画像処理部16、エンジンCPU17、プリンタ画像処理部18及び書き込み部19等を搭載しており、コントローラユニット20は、コントローラ21、ハードディスク22及びメインメモリ23等を備えている。また、コントローラ21は、コントローラCPU24を搭載している。
表面用スキャナ11は、例えば、CCD(Charge Coupled Device )を用いたスキャナが用いられており、原稿の表面を主走査及び副走査して該原稿の表面の画像データを読み取ってデジタルの画像データを画像処理部13に出力する。画像処理部13は、表面用スキャナ11から送られてくる表面の画像データに対して、スキャナ特性の補正等の画像処理(例えば、原稿を照射する光源の照射ムラやCCDの感度バラツキ等を補正するシェーディング補正等の画像処理)を施して、両面読取制御部14に出力する。なお、この画像処理部13は、表面用スキャナ11に内蔵されていてもよい。
裏面用スキャナ12は、表面用スキャナ11と同様のCCDを用いたスキャナであってもよいし、例えば、光電変換素子としてCMOS(complementary MOS)を用いたCIS(Contact Image Sensor:密着イメージセンサ)であってもよい。裏面用スキャナ12は、原稿の裏面を主走査及び副走査して該原稿の裏面を読み取って両面読み取り制御部14に出力する。この裏面用スキャナ12は、スキャナ特有のバラツキ等を補正するシェーディング補正等を施す画像処理部を内蔵しているが、画像処理部が、表面用スキャナ11と同様に、裏面用スキャナ12の外部に配置されていてもよい。上記表面用スキャナ11及び裏面用スキャナ12は、全体としてデータ入力手段として機能する。
両面読み取り制御部(データ転送制御手段)14は、図2に示すように、ページメモリ書き込み制御部14w、ページメモリ読み出し制御部14r及びデータバス14dw、14dr、14dc等を備えている。ページメモリ15は、最低限4面分のメモリ領域(原稿2枚の表裏の画像データを格納する分のメモリ領域P1〜P4)を有し、両面読み取り制御部14は、ページメモリ15内の枚数情報(ページ情報)、表裏情報(表面用画像データであるか、裏面用画像データであるかの情報)を把握して、ページメモリ15の各メモリ領域P1〜P4への画像データの書き込み及び読み出しを制御する。
ページメモリ書き込み制御部14wには、スキャナ11、12の読み取った表面画像データと裏面画像データが入力され、ページメモリ15にデータバス14dwで接続されている。ページメモリ読み出し制御部14rは、ページメモリ15にデータバス14dwで接続されているとともに、データバス14dtでスキャナ画像処理部16に接続されている。
ページメモリ書き込み制御部14wは、表面用スキャナ11及び裏面用スキャナ12から入力される表面画像データと裏面画像データを、データバス14dwを介してページメモリ15に転送し、ページメモリ読み出し制御部14rは、ページメモリ15に蓄積された連続する原稿2枚の表面2ページと裏面2ページの4ページ分の画像データから、最初の原稿の表面画像データ、次の原稿の表面画像データを読み出して、次に、最初の原稿の裏面画像データ、次の原稿の裏面画像データの順に読み出して、データバス14dr及びデータバス14dtを介してスキャナ画像処理部16に転送する。
すなわち、両面読み取り制御部14は、スキャナ11、12から送られてくる表面画像データと裏面画像データを同時にページメモリ15へ格納し、ページメモリ15に格納した表面と裏面の画像データのうち、表面の画像データをコントローラユニット20へ転送しながら、次の原稿の両面画像データをページメモリ15の別アドレスへ格納する。両面読み取り制御部14は、1枚目原稿の表面画像データの転送が完了すると、続けて2枚目原稿の表面画像データをコントローラユニット20へ転送する。両面読み取り制御部14は、表面2枚分の画像データの転送を完了すると、ページメモリ15上に2面分の空きができるため、その空きメモリ領域に、更に次の原稿の両面画像データを格納するとともに、この間に、先の原稿の残りの裏面2面分の画像データを連続してコントローラ15へ転送する。両面読み取り制御部14は、裏面2面分の画像データの転送が完了すると、ページメモリ15上に更に2面分の空きができるので、以下上記同様の処理を繰り返し行う。
すなわち、両面読み取り制御部14は、後述するように、ページメモリ15へ表裏両面の画像データを、原稿2枚分格納して、コントローラユニット20への転送時に、書き込み部19での書き込み順に合わせて、コントローラユニット20への画像データの転送順序を入れ替えている。
スキャナ画像処理部16は、両面読み取り制御部14から送られてくる画像データに対して、ディザ処理、フィルタ処理、変倍処理等の各種指定された画像処理を施してコントローラユニット20に出力する。
エンジンCPU17は、コントローラCPU24からの指示に応じて、両面読み取り制御部14の動作を制御する。すなわち、両面読み取り制御部14は、表面用スキャナ11及び裏面用スキャナ12による原稿読み取り終了をエンジンCPU17に通知し、また、ページメモリ15内の状態(次原稿の読み取りが可能であるか否かの状態)をエンジンCPU17に通知する。エンジンCPU17は、この両面読み取り制御部14からの通知に基づいて、次の原稿の読み取りタイミングを制御し、読み取り原稿が全部で奇数枚であると、次の偶数枚目の読み取りを待つことなく、表面用スキャナ11及び裏面用スキャナ12による読み取りを終了させる。
また、エンジンCPU17は、コントローラCPU24からの指示に基づいて、両面読み取り制御部14による画像データのコントローラユニット20側への転送を制御する。すなわち、両面読み取り制御部14は、原稿読み取り終了及びページメモリ15内の状態(次原稿の読み取りが可能であるか否かの状態)をエンジンCPU17に通知する。エンジンCPU17は、この両面読み取り制御部14からの通知に基づいて、コントローラユニット20側への画像データの転送タイミングを制御し、読み取り原稿が全部で奇数枚であると、偶数枚目の画像データのコントローラユニット20側への転送待ちを行うことなく、転送処理を終了させる。
すなわち、両面読み取り制御部14は、エンジンCPU17からコントローラユニット20への転送指示があると、ページメモリ15内の所定の画像データをレジスタ設定あるいは自身で選択して、コントローラユニット20へ転送する。このとき、両面読み取り制御部14は、レジスタ設定で与えられる転送速度(ライン周期)に合わせて、ページメモリ15から画像データを読み出してコントローラユニット20側へ転送する。また、両面読み取り制御部14は、画像データを読み取りながらコントローラユニット20へ転送する処理を行うことができ、この場合ページメモリ15に書き込んだ画像データをアンダーランを起こさないように読み出してコントローラユニット20側へ出力する。両面読み取り制御部14は、制御タイミングを通知するために、「コントローラへの転送終了」、「原稿読み取り終了」、「ページメモリ15内のページと裏表の状況」等の情報を、割り込みやレジスタ値で通知する。
プロッタ画像処理部18は、コントローラユニット20から送られてきた画像データに対して書き込み部19に応じた画像処理を施して書き込み部19に送信する。
書き込み部(データ出力手段)19は、所定の画像形成方式、例えば、電子写真方式でカラー画像を用紙(印刷媒体)の片面に印刷出力する印刷部(印刷手段)と、印刷部で片面(表面)に画像の印刷された用紙を表裏反転させて印刷部に再度送り込む表裏反転機構部(表裏反転手段)と、を備えており、例えば、印刷部が電子写真方式の場合には、回転駆動される感光体を中心に、光書き込み部、現像部及び転写部、定着部、帯電部及びクリーニング部等が配設されている各色(例えば、CMYK色)の印刷ユニットが搬送路上に所定間隔空けて並んで配設されている。このような電子写真方式の書き込み部19は、その各色の印刷ユニットが、帯電部で一様に帯電された感光体上に、光書き込み部がプロッタ画像処理部18からの画像データに基づいて変調した書き込み光を照射して、静電潜像を形成する。各色の印刷ユニットは、この静電潜像の形成された感光体に現像部から該印刷ユニットに対応する色のトナー(現像剤)を供給して現像し、感光体上のトナー画像を転写部と感光体との間に給紙カセットから用紙搬送部によって搬送されてきた用紙に、各色の印刷ユニットで、各色のトナー画像を重ね合わせるように転写して、カラートナー画像の転写の完了した用紙を定着部に搬送して、定着部で定着させる。なお、以下の説明では、書き込み部19の印刷部が電子写真方式の印刷部であるとして説明するが、他の印刷方式の印刷部であっても、同様に適用することができる。
そして、書き込み部19は、高速で印刷するために、その用紙搬送路上を所定の短い間隔で用紙を搬送させて、複数の印刷ユニットで複数枚の用紙に同時に印刷する。例えば、C色の印刷ユニットとK色の印刷ユニットにおいて、同時に異なる用紙に印刷する。
また、書き込み部19は、両面印刷を行う場合には、印刷部で表面画像の印刷の完了した用紙を表裏反転機構部によって表裏面を反転させて、再度、印刷部に搬送し、印刷部で該用紙の裏面に裏面画像を印刷出力させた後、排紙トレイまたは後段の後処理装置に排出する。すなわち、書き込み部19は、奇数・偶数連続出力機能を有しており、例えば、連続ページ数、例えば、2枚の用紙の表面を連続して印刷して、表裏反転機構部で反転した該2枚の義則面に連続して印刷する。
そして、コントローラ21は、コントローラCPU24が図示しないROM(Read Only Memory)に格納されている基本プログラムに基づいてRAM(Random Access Memory)をワークメモリとして利用しつつ複合装置1の各部を制御して複合装置1としての基本処理を実行するとともに、ROM内の本発明の画像処理プログラムに基づいて後述するページメモリ15からメインメモリ23への画像データの転送順を制御することで、安価か津高速な画像処理を行う画像処理方法を実行する。
ハードディスク22は、コントローラ21の制御下で、画像データ等の各種データを蓄積する。
メインメモリ(画像データ記憶手段)23は、RAM等で構成され、コントローラCPU24の制御下で、処理途中の画像データ、特に、スキャナ11、12で読み取られて書き込み部19で印刷出力する画像データが一時的に格納される。
すなわち、複合装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像処理方法を実行する画像処理プログラムを読み込んでコントローラユニット20のROMやハードディスク22等に導入することで、後述するページメモリ15からコントローラユニット20への画像データの転送順序を適切に制御する画像処理方法を実行する画像処理装置として構築されている。この画像処理プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置1は、表面用スキャナ11と裏面用スキャナ12で同時に読み取った両面原稿の表面画像データと裏面画像データを少なくとも原稿2枚分ページメモリ15に格納して、ページメモリ15からコントローラユニット20のメインメモリ23に転送する際に、書き込み部19での書き込み順に合わせて転送する。なお、以下の説明では、書き込み部19において、両面印刷を行う場合、原稿の表面画像から先に2枚の用紙の表面に印刷して、2枚の用紙の表裏反転後に、裏面画像を該2枚の用紙の裏面に印刷するものとして説明するが、先に、原稿の裏面画像から印刷する場合にも、画像データの転送順を変更するだけで、同様に適用することができる。
複合装置1は、両面原稿の画像を用紙の両面に印刷する場合、以下の手順によって、両面印刷を行う。すなわち、複合装置1は、両面原稿の表裏面を表面スキャナ11と裏面スキャナ12で同時に読み取り、書き込み部19で、用紙の片面(以下、表面という。)に印刷して、該表面に印刷した用紙を表裏反転機構部で表裏反転させて、書き込み部19に再度送り込んで、用紙の裏面に書き込み部19で原稿の裏面画像を印刷するが、書き込み部19においては、印刷部に同時に複数枚(以下の説明では、説明を明確にするために、2枚とする。)の用紙を搬送して、連続する2枚の原稿の表面画像を、2枚の用紙の表面に連続して印刷し、表面印刷済みの用紙を表裏反転機構部で反転させて、再度、該2枚の用紙の裏面に、同じ2枚の原稿の裏面画像を印刷部で連続して印刷する。書き込み部19は、その後、次の連続する2枚の原稿の表面画像から同様に印刷する。
書き込み部19において、連続する2枚の原稿の表面画像を2枚の用紙の表面に連続して印刷し、同じ2枚の用紙の裏面に連続して同じ2枚の原稿の裏面画像を印刷する場合、この印刷順序に合わせてコントローラユニット20のメインメモリ23からプロッタ画像処理部18に画像データを転送する必要がある。
ところが、メインメモリ23に格納される画像データの順序が書き込み部19へ転送する画像データの順序と異なると、図12に示したように、メモリスワップを行う必要があるとともに、該メモリスワップを行うための待避バッファを必要とし、コストが高くなるとともに、処理効率が悪化する。
そこで、本実施例の複合装置1は、ページメモリ15からメインメモリ23に画像データを転送する際に、両面読み取り制御部14が書き込み部19の書き込み順(印刷順)に合わせて画像データを転送する。
すなわち、複合装置1は、操作表示部で両面印刷が指定されると、セットされた原稿を1枚ずつ搬送して、表面用スキャナ11と裏面用スキャナ12によって該原稿の表裏面の画像を同時に読み取って、両面読み取り制御部14に転送し、両面読み取り制御部14が、図3に示すように、1枚目原稿の奇数ページの画像データである表面画像データ(1オモテ)をページメモリ15のメモリ領域(ページメモリ)P1に、1枚目原稿の偶数ページの画像データである裏面画像データ(1ウラ)をページメモリ15のメモリ領域(ページメモリ)P2に、それぞれ格納する。両面読み取り制御部14は、次に、表面用スキャナ11と裏面用スキャナ12に、2枚の原稿の読み取りを行わせ、表面用スキャナ11と裏面用スキャナ12から送られてきた2枚目の原稿の表面画像データ(2オモテ)をページメモリ15のメモリ領域(ページメモリ)P3に、2枚目の原稿の裏面画像データ(2ウラ)をページメモリ15のメモリ領域(ページメモリ)P4に、それぞれ格納する。そして、両面読み取り制御部14は、1枚目原稿の表面画像データ(1オモテ)のメモリ領域P1への格納が完了すると、該1枚目原稿の表面画像データ(1オモテ)のコントローラユニット20側への転送を開始し、該1枚目原稿の表面画像データ(1オモテ)の転送が完了すると、2枚目の原稿の表面画像データ(2オモテ)をメモリ領域P3からコントローラユニット20側への転送を開始する。両面読み取り制御部14は、2枚目原稿の表面画像データ(2オモテ)のコントローラユニット20側への転送を完了すると、3枚目の原稿の読み取りをスキャナ11、12に行わせて3枚目原稿の表裏面の画像データ(3オモテ、3ウラ)を、それぞれページメモリ15のメモリ領域P1とメモリ領域P3に格納するとともに、1枚目原稿の裏面画像データ(1ウラ)のコントローラユニット20側への転送を開始し、該転送が完了すると、2枚目原稿の裏面画像データ(2ウラ)のコントローラユニット20側への転送を開始する。両面読み取り制御部14は、2枚目原稿の裏面画像データ(2ウラ)のコントローラユニット20側への転送を完了すると、4枚目原稿の読み取りをスキャナ11、12に行わせて4枚目原稿の表裏面の画像データ(4オモテ、4ウラ)を、それぞれページメモリ15のメモリ領域P2とメモリ領域P4に格納するとともに、3枚目原稿の表面画像データ(3オモテ)のコントローラユニット20側への転送を開始し、該転送が完了すると、4枚目原稿の表面画像データ(4オモテ)のコントローラユニット20側への転送を開始する。両面読み取り制御部14は、以降、上記同様に、原稿の表裏面のスキャナ11、12による同時読み取りとページメモリ15への格納及び連続した2枚の原稿における同じ面同士の画像データのページメモリ15からコントローラユニット20側への転送を繰り返し行う。
そして、両面読み取り制御部14は、上記原稿読み取り処理を、図4に示すように行う。すなわち、両面読み取り制御部14は、原稿の読み取りが可能な状態になると、表面用スキャナ11及び裏面用スキャナ12による表裏面同時原稿読み取りを開始し(ステップS101)、該原稿の読み取りが完了するのを待って(ステップS102)、次の読み取り原稿があるかチェックする(ステップS103)。
ステップS103で、次の原稿があるときには、両面読み取り制御部14は、ページメモリ15の空きメモリ領域をチェックして次の原稿の読み取りが可能かどうか判断して(ステップS104)、次の原稿の読み取りが可能であると、次の原稿の読み取りを開始し(ステップS105)、該原稿の読み取りが完了するのを待って(ステップS106)、次の読み取り原稿があるかチェックする(ステップS107)。
ステップS107で、次の原稿があるときには、両面読み取り制御部14は、ページメモリ15の空きメモリ領域をチェックして次の原稿の読み取りが可能かどうか判断して(ステップS108)、次の原稿の読み取りが可能になると、ステップS101に戻って、該次の原稿の読み取りを開始する処理から上記同様に処理する(ステップS101〜S108)。
ステップS103、または、ステップS107で、次の読み取り原稿がないときには、両面読み取り制御部14は、原稿読み取り処理を終了する。
そして、両面読み取り制御部14は、ページメモリ15からコントローラユニット20側への画像データの転送処理を図5及び図6に示すように行う。
すなわち、両面読み取り制御部14は、1枚目の原稿(図5及び図6では、原稿1と記載。)の読み取りが完了してページメモリ15に転送が完了するのを待って(ステップS201)、1枚目原稿の表面画像データをページメモリ15から読み出してコントローラユニット20への転送を開始し(ステップS202)、1枚目原稿のページメモリ15からコントローラユニット20への転送が完了するのを待って(ステップS203)、未転送の読み取り原稿の画像データがあるかチェックする(ステップS204)。
ステップS204で、未転送の画像データがページメモリ15にないときには、両面読み取り制御部14は、図6に示すように、1枚目原稿が表面にのみ画像のある片面原稿であると判断して、コントローラユニット20のコントローラCPU24に転送制御終了通知を行い(ステップS214)、画像データ転送処理を終了する。
図5のステップS204で、未転送の画像データがページメモリ15にあるときには、両面読み取り制御部14は、次の2枚目原稿(図5及び図6では、原稿2と記載。)の読み取りをスキャナ11、12で開始しているかチェックし(ステップS205)、原稿の読み取りを開始していないときには、原稿の読み取りを開始するのを待って、該2枚目原稿の表面画像データをページメモリ15からコントローラユニット20へ転送を開始して(ステップS206)、該2枚目原稿の表面画像データの転送が完了するのを待つ(ステップS207)。
両面読み取り制御部14は、ステップS207で、2枚目原稿の表面画像データの転送が完了すると、1枚目原稿の裏面画像データをページメモリ15からコントローラユニット20への転送を開始し(ステップS208)、図6に示すように、1枚目原稿の裏面画像データの転送が完了するのを待って(ステップS209)、未転送の読み取り原稿があるかチェックする(ステップS210)。
ステップS210で、未転送の読み取り原稿画像データがないときには、両面読み取り制御部14は、2枚目原稿が表面にのみ画像のある片面原稿であると判断して、コントローラユニット20のコントローラCPU24に転送制御終了通知を行い(ステップS214)、画像データ転送処理を終了する。
ステップS210で、未転送の画像データがページメモリ15にあるときには、両面読み取り制御部14は、2枚目原稿の裏面画像データをページメモリ15からコントローラユニット20へ転送を開始して(ステップS211)、該2枚目原稿の裏面画像データの転送が完了するのを待ち(ステップS212)、2枚目原稿の裏面画像データの転送が完了すると、未転送の読み取り原稿があるかチェックする(ステップS213)。
ステップS213で、未転送の画像データがページメモリ15にあるときには、両面読み取り制御部14は、ステップS201に戻って、次の3枚目の原稿の読み取りを完了したかのチェックから上記同様に処理する(ステップS201〜S213)。
ステップS203で、未転送の読み取り原稿がないときには、全ての原稿の表面画像データと裏面画像データをページメモリ15からコントローラユニット20へ転送したと判断して、コントローラユニット20のコントローラCPU24に転送制御終了通知を行い(ステップS214)、画像データ転送処理を終了する。
そして、複合装置1は、図7に示すように両面同時読み取り両面印刷処理を行う。すなわち、複合装置1は、スキャナ11、12で読み取ってページメモリ15に格納した奇数枚目の原稿の表面画像データ(図7では、奇数用紙表面と記載。)、例えば、1枚目原稿の表面画像データをコントローラユニット20のメインメモリ23へ転送し(ステップS301)、次に、偶数枚目の原稿の表面画像データ(図7では、偶数用紙表面と記載。)、例えば、2枚目の表面画像データをページメモリ12からコントローラユニット20のメインメモリ23に転送する(ステップS302)。コントローラユニット20のメインメモリ23に2枚分の表面画像データを転送すると、複合装置1は、該コントローラユニット20のメインメモリ23に格納した奇数枚目の原稿の表面画像データを書き込み部19に転送して印刷出力させ(ステップS303)、次に、メインメモリ23の偶数枚目の原稿表面画像データを書き込み部19に転送して印刷させる(ステップS304)。書き込み部19で2枚分の表面画像データの書き込みが完了すると、片面に画像を形成した2枚の用紙を用紙反転機構部で表裏反転させて再度印刷部に送り込む(ステップS305)。
複合装置1は、奇数枚目の原稿の裏面画像データ(図7では、奇数用紙裏面と記載。)、例えば、1枚目の裏面画像データをページメモリ15からコントローラユニット20のメインメモリ23に転送し(ステップS306)、次に、偶数枚目の原稿の裏面画像データ(図7では、偶数用紙裏面と記載。)、例えば、2枚目の裏面画像データをページメモリ15からコントローラユニット20のメインメモリ23に転送して格納する(ステップS307)。複合装置1は、コントローラユニット20のメインメモリ23に2枚分の裏面画像データをメインメモリ23に転送して格納すると、該コントローラユニット20のメインメモリ23に格納した奇数枚目の裏面画像データを書き込み部19に転送して印刷出力させ(ステップS308)、次に、メインメモリ23の偶数枚目の裏面画像データを書き込み部19に転送して印刷させる(ステップS309)。
複合装置1は、2枚の用紙の表裏面に対する画像の印刷が完了すると、スキャナ11、12での原稿の読み取りが終了したかチェックし(ステップS310)、まだ、次の原稿があるときには、ステップS301に戻って、上記同様の処理を行う(ステップS301〜S310)。ステップS310で、原稿の読み取りが完了すると、処理を終了する。
すなわち、複合装置1は、図8に示すように2枚ずつ両面印刷する場合には、ページメモリ15からコントローラユニット20のメインメモリ23に、書き込み部19で利用する画像データの順序、すなわち、表面の画像データを2枚分(1枚目表面画像データと2枚目表面画像データ)だけページメモリ15からメインメモリ23に転送し、次に、裏面の画像データを2枚分(1枚目の裏面画像データと2枚目の裏面画像データ)だけページメモリ15からメインメモリ23に転送する。複合装置1は、以下、同様に、表面の画像データを2枚分(3枚目の表面画像データと4枚目の表面画像データ)をページメモリ15からメインメモリ23に転送し、次に、裏面の画像データを2枚分(3枚目の裏面画像データと4枚目の裏面画像データ)をページメモリ15からメインメモリ23に転送するという処理を繰り返し行う。そして、コントローラ21は、ページメモリ15から2枚分ずつ画像データが送られてくると、メインメモリ23のメモリ領域M1とメモリ領域M2に順次格納し、1枚目の表面画像データがメモリ領域M1に格納されて、書き込み部19への転送が可能なタイミングになると、メモリ領域M1に格納されている1枚目の表面画像データの書き込み部19への転送を開始する。複合装置1は、1枚目の表面画像データのメモリ領域M1から書き込み部19への転送が完了すると、2枚目の表面画像データのメモリ領域M2から書き込み部19への転送を開始するとともに、メモリ領域M1への3枚目の裏面の画像データのページメモリ15からの転送を開始するという処理を順次繰り返し行う。
したがって、図9に示すように、図12に示した従来のようなメインメモリ23にメモリ領域M3とメモリ領域M4が不要となり、メインメモリ23の画像データ保存用のメモリ領域を削減することができ、コストを低減することができる。
また、複合装置1は、メインメモリ23において、入力画像データをその順番を入れ替えて書き込み部19へ転送する必要がないため、図9に示すように、入出力順序を入れ替えるためのメモリスワップ処理を必要とせず、また、メモリスワップ処理を行うための待避バッファを必要としない。すなわち、例えば、1枚目の表面画像データ(1オモテ)を入力バッファから出力バッファに移してそのまま転送出力し、2枚目の表面画像データ(2オモテ)を2つ目の入力バッファから出力バッファに移してそのまま転送出力することができる。したがって、メインメモリ23やハードディスク22に待避バッファ用のメモリ領域を確保する必要がなく、メモリ領域を有効活用することができ、コストを低減することができるとともに、メモリスワップ処理を行わない分だけ、処理速度を向上させることができる。
このように、本実施例の複合装置1は、所定のページ順に入力される複数ページの画像データを、ページメモリ15に保管した後、メインメモリ23に一時記憶させて、2ページ分(所定ページ数)だけ表面(奇数ページ)の画像データを順次ページ順に連続させて出力した後に同じ連続ページ数である2ページ分だけ裏面(偶数ページ)の画像データを順次ページ順に連続させて出力する奇数・偶数連続出力機能を有する書き込み部19に出力する際に、ページメモリ15に書き込んだ画像データを、書き込み部19での奇数・偶数連続出力における出力順に合わせて、2ページ分の表面画像データと2ページ分の偶数画像データを順次読み出してメインメモリ23に転送して記憶させている。
したがって、メインメモリ23で書き込み部19の出力順に合わせてデータの入れ替えるメモリスワップ処理を行うことなく、書き込み部19へ画像データを出力することができ、処理速度を向上させることができるとともに、メモリスワップ用にバッファを設ける必要がなくコストを低減することができる。
また、本実施例の複合装置1は、表面用スキャナ11と裏面用スキャナ12によって原稿の表面と裏面を同時に読み取って表面画像データと裏面画像データを両面読み取り制御部14に入力し、書き込み部19が、2ページ分の連続する画像データに基づいて2枚の用紙の同じ片面(表面)に連続して画像を印刷する印刷部と、印刷部で片面に画像の印刷された2枚の用紙を表裏反転させて順次印刷部に送り込む表裏反転機構部と、を備えている。
したがって、スキャナ11、12によって複数枚の両面原稿を同時読み取りして、読み取った両面原稿の画像データを、複数枚(上記例では、2枚)同時に搬送して表裏反転機構部を利用して両面に画像を印刷する場合に、メインメモリ23で書き込み部19の出力順に合わせてデータの入れ替えるメモリスワップ処理を行うことなく、書き込み部19へ画像データを出力することができ、処理速度を向上させることができるとともに、メモリスワップ用にバッファを設ける必要がなくコストを低減することができる。
さらに、本実施例の複合装置1は、スキャナ11、12が両面原稿を読み取って書き込み部19が奇数・偶数連続出力機能によってデータ出力するデータ処理モード以外の処理モードであると、スキャナ11、12から入力される画像データをページメモリ15から該入力順に読み出してメインメモリ23に転送している。
したがって、スキャナ11、12によって複数枚の両面原稿を同時読み取りして、読み取った両面原稿の画像データを、複数枚(上記例では、2枚)同時に搬送して表裏反転機構部を利用して両面に画像を印刷するデータ処理モード以外の片面印刷、データ転送、データ蓄積等の処理モードのときには、その処理モードに応じたページメモリ15からメインメモリ23へのデータ転送を行うことができ、利用性を向上させることができる。
また、本実施例の複合装置1は、画像処理モードに応じて、両面読み取り制御部14がページメモリ15からコントローラユニット20へのデータ転送を、画像処理モードに応じて制御する。
すなわち、両面同時読み取りで、両面高速印刷以外の画像処理モード、例えば、スキャナ11、12で読み取った画像データをネットワーク上のコンピュータ等に送信するスキャナモード、片面原稿を表面用スキャナ11または裏面用スキャナ12で読み取って書き込み部19で印刷する片面コピーモード、スキャナ11、12で読み取った原稿の画像データをハードディスク22等に蓄積するドキュメント蓄積モード等においては、スキャナ11、12で読み取った順序(1枚目表面、1枚目裏面、2枚目表面、2枚目裏面、・・・等)でコントローラユニット20に転送する必要がある。
そこで、両面読み取り制御部14は、エンジンCPU17からの設定パラメータに応じて、ページメモリ15からコントローラユニット20への画像データの順序を読み取り順に変更して転送する。
このようにすると、画像処理モードに応じた画像データの順序でページメモリ15からコントローラユニット20に画像データを転送することができ、生産性を向上させることができる。
また、本実施例の複合装置1は、使用可能なページメモリサイズをレジスタ設定や端子設定で設定可能とし、両面読み取り制御部14が、設定された使用可能ページメモリサイズと原稿サイズから原稿読み取り制御を行うようにしてもよい。
このようにすると、ページメモリ15を有効利用することができ、安価により一層処理速度を向上させて、生産性をより一層向上させることができる。
さらに、本実施例の複合装置1は、両面読み取り制御部14は、ページメモリ15のメモリサイズとともに原稿サイズを設定するレジスタ設定を備えて、ページメモリ15のメモリサイズを適宜設定可能としてもよい。
すなわち、複合装置1は、ページメモリ15の使用するメモリサイズは、原稿の大きさによって変わるため、原稿サイズに応じて、エンジンCPU17によるメモリサイズ設定レジスタへのメモリサイズ設定や端子設定によって設定する。両面読み取り制御部14は、このメモリサイズ設定レジスタや端子設定のメモリサイズに応じてページメモリ15のメモリサイズを制御して、ページメモリ15のメモリ領域の分割数等を制御し、分割した該メモリ領域に応じて、画像データの書き込み及び読み出しを変更するようにしてもよい。
また、両面読み取り制御部14が、原稿サイズだけでなく、原稿ページ数を設定レジスタや設定入力から取得できるようにしてもよい。
このようにすると、使用するページメモリ15のメモリ量を原稿サイズと原稿枚数に基づいて細かく管理して、空き容量から原稿の読み取り制御を行うことができ、より一層生産性を向上させることができる。
さらに、両面読み取り制御部14は、画像データを圧縮する圧縮器と圧縮画像データを伸長する伸長器を内蔵していてもよい。そして、両面読み取り制御部14は、スキャナ11、12から送られてきた画像データをページメモリ15に格納する際に圧縮器で所定の圧縮方式(JPEG等)で圧縮して、ページメモリ15に格納し、ページメモリ15からコントローラユニット20に転送する際に伸長器で伸長して転送するようにしてもよい。
このようにすると、ページメモリ15内のデータ量を小さくして、ページメモリ15を有効利用することができ、生産性、特に、読み取り生産性を向上させることができる。
また、この両面読み取り制御部14における画像データの圧縮/伸長機能を、操作表示部の該機能のオン/オフ操作や画質設定操作等によってオン/オフ可能としてもよい。
すなわち、複合装置1は、操作表示部の操作等に応じて、原稿読み取り時やコントローラ転送時に画像圧縮/伸長をする/しないを両面読み取り制御部14のレジスタに設定し、両面読み取り制御部14が、該レジスタ設定に応じて、画像データの圧縮/伸長を実行するか否か決定する。
このようにすると、圧縮画像は画質が劣化するため、ユーザの利用環境や画質優先モード等においては、圧縮しない設定とする等の処理を行うことによって、ユーザの利用性や画質の向上を図りつつ、生産性を向上させることができる。
さらに、両面読み取り制御部14の伸長機能を、画像処理モードや操作表示部の操作等によってオン/オフ可能としてもよい。
すなわち、複合装置1は、操作表示部の操作や転送モード等の画像処理モード等に応じて、ページメモリ15へ格納する際に圧縮した圧縮画像データをコントローラユニット20へ転送する際に、伸長器によって転送する/しないを両面読み取り制御部14のレジスタに設定し、両面読み取り制御部14が、該レジスタ設定に応じて、圧縮画像データの伸長を実行するか否か決定する。
このようにすると、画像転送処理等の画像処理モードによっては、圧縮画像が必要な場合があり、このような場合、ページメモリ15から圧縮画像データをそのままコントローラユニット20へ転送することで、コントローラユニット20における圧縮処理を省略することができ、生産性をより一層向上させることができる。
また、両面読み取り制御部14は、主副変倍機能を備えていてもよい。
すなわち、両面読み取り制御部14は、レジスタ設定に従って、ページメモリ15に一旦格納した原稿画像データを再び読み出して、画像の主走査方向及び副走査方向の変倍処理を行って、ページメモリ15に書き戻す主副変倍機能を備えていてもよい。
このようにすると、拡大/縮小コピーや拡大/縮小スキャナ処理をページメモリ15を利用して行うことができ、従来のように、スキャナ画像処理やコントローラで画像の変倍処理を行う際に必要であったラインメモリを不要なものとして、コストを削減することができる。
さらに、両面読み取り制御部14は、ページメモリ15を利用して画像編集、画像集約機能を備えていてもよい。
すなわち、両面読み取り制御部14は、レジスタ設定に従って、ページメモリ15に一旦格納した画像データをコントローラユニット20へ転送する際に、アドレスを制御することで複数の原稿画像を並べ替えて、画像編集を行い、また、集約画像を生成することができる。
このようにすると、従来、コントローラユニット20でメインメモリ23で画像編集や画像集約処理するために行っていた画像ハンドリングを省くことができ、生産性を向上させることができる。
また、両面読み取り制御部14は、ページメモリ15の画像データをコントローラユニット20へ転送する際に、画像を90度/180度/270度回転させる機能を備えていてもよい。
すなわち、両面読み取り制御部14は、レジスタ設定に従って、ページメモリ15の画像データをコントローラユニット20へ転送するときに、メモリアドレスを制御することで、画像を90度/180度/270度回転した画像データをコントローラユニット20のメインメモリ23上に展開して保管させることができる。
このようにすると、従来、コントローラユニット20で画像の回転処理を行うためにメインメモリ13で行っていた画像ハンドリングを省くことができ、生産性を向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。