JP2004094731A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】原稿の一部が破損或いは紛失した場合も全原稿の情報を復元して印刷する。
【解決手段】電子情報を記録可能な記録媒体1602、1605に原稿1601、1604に関する情報を記録しておき、その記録媒体1602、1605から原稿1601、1604に関する情報を取得し、その情報に基づいて原稿用紙1403、1405に画像形成を行う。
【選択図】 図16
【解決手段】電子情報を記録可能な記録媒体1602、1605に原稿1601、1604に関する情報を記録しておき、その記録媒体1602、1605から原稿1601、1604に関する情報を取得し、その情報に基づいて原稿用紙1403、1405に画像形成を行う。
【選択図】 図16
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子情報を記録可能な記録媒体が付加された原稿の画像形成を行う画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
原稿の複製を行うためには、一度原稿を複写機付属のスキャナ部で読み取り、読み取った原稿の画像情報に基づき、複写機付属のプリンタ部で印刷するなどの手順が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、複写しようとする原稿がオリジナルとなるため、その原稿の一部が破損或いは紛失していると、完全な原稿の再現は不可能であった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、原稿の一部が破損或いは紛失した場合も全原稿の情報を復元して画像形成することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、電子情報を記録可能な記録媒体が付加された原稿の画像形成を行う画像形成装置であって、前記記録媒体から前記原稿に関する情報を取得する取得手段と、前記取得手段で取得した原稿に関する情報に基づいて画像形成を行う画像形成手段とを有することを特徴とする。
【0006】
また、上記目的を達成するために、本発明は、電子情報を記録可能な記録媒体が付加された原稿の画像形成を行う画像形成方法であって、前記記録媒体から前記原稿に関する情報を取得する取得工程と、前記取得工程で取得した原稿に関する情報に基づいて画像形成を行う画像形成工程とを有することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。
【0008】
近年、コピー用紙に付加できるほど小型な記録媒体が開発され、その記録媒体に記録できる情報容量も年々増加している。そこで、本実施形態では複数ページに渡る原稿を構成するための全情報が記録された記録媒体を原稿自身に付加するものである。具体的には、複数ページからなる原稿の各ページに原稿全ページの情報を記憶した記録媒体を付加しておき、原稿の一部が破損、紛失した場合でも全原稿の情報を復元し印刷することを可能とするものである。
【0009】
以下の説明では、カラー複写機を例にとり説明するが、本発明は、これだけに限らず、画像形成装置全般(複写機、プリンタ、FAX、これらの複合機など)に適用することも可能である。
【0010】
図1は、本実施形態における画像入出力システムの全体構成を示す図である。図1に示すように、リーダー部(画像入力装置)200は、原稿画像を光学的に読み取り、画像データに変換して出力する。このリーダー部200は、原稿を読み取るための機能を持つスキャナユニット210と、原稿用紙を搬送するための機能を持つ原稿給紙ユニット(DFユニット)250とで構成される。
【0011】
一方、プリンタ部(画像出力装置)300は、記録紙を搬送し、記録紙上に画像データを可視画像として印字して装置外に排紙する。このプリンタ部300は、複数種類の記録紙カセットを持つ給紙ユニット360と、画像データを記録紙に転写、定着させる機能を持つマーキングユニット310と、印字された記録紙をソート、ステイプルして機外へ出力する機能を持つ排紙ユニット370とで構成される。
【0012】
また、制御装置110は、リーダー部200及びプリンタ部300と電気的に接続され、更にネットワーク400を介してホストコンピュータ(PC)401,402と接続されている。この制御装置110は、リーダー部200を制御して原稿の画像データを読み込み、プリンタ部300を制御して画像データを記録用紙に出力するコピー機能を提供する。また、リーダー部200から読み取った画像データを、コードデータに変換し、ネットワーク400を介してホストコンピュータへ送信するスキャナ機能、ホストコンピュータからネットワーク400を介して受信したコードデータを画像データに変換し、プリンタ部300に出力するプリンタ機能を提供する。
【0013】
また、操作部150は、制御装置110に接続され、液晶タッチパネルで構成され、画像入出力システムを操作するためのユーザI/Fを提供する。
【0014】
図2は、リーダー部200及びプリンタ部300の側断面図である。リーダー部200の原稿給送ユニット250は、原稿を先頭順に1枚ずつプラテンガラス211上へ給送し、原稿の読み取り動作が終了した後、プラテンガラス211上の原稿を排出するものである。原稿がプラテンガラス211上に搬送されると、ランプ212を点灯し、そして光学ユニット213の移動を開始させて原稿を露光走査する。この時の原稿からの反射光は、ミラー214、215、216及びレンズ217によってCCDイメージセンサ(以下、CCDという)218へと導かれる。このように、走査された原稿の画像はCCD218によって読み取られる。
【0015】
リーダー部200において、222はリーダー画像処理回路部であり、CCD218から出力される画像データに所定の処理を施し、スキャナI/Fを介して制御装置110へ出力するところである。
【0016】
プリンタ部300において、352はプリンタ画像処理回路部であり、プリンタI/Fを介して制御装置110から送られる画像信号をレーザドライバ317へ出力するところである。このレーザドライバ317は、レーザ発光部313、314、315、316を駆動するものであり、プリンタ画像処理部352から出力された画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部313、314、315、316に発光させる。このレーザ光はミラー340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351によって感光ドラム325、326、327、328に照射され、感光ドラム325、326、327、328にはレーザ光に応じた潜像が形成される。321、322、323、324は、それぞれブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のトナーによって潜像を現像するための現像器であり、現像された各色のトナーは用紙に転写されフルカラーのプリントアウトがなされる。
【0017】
用紙カセット360、361及び手差しトレイ362のいずれかより、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで給紙された用紙は、レジストローラ333を経て転写ベルト334上に吸着され、搬送される。そして、感光ドラム325、326、327、328に付着された現像剤を記録紙に転写する。現像剤の乗った記録紙は定着部335に搬送され、定着部335の熱と圧力により現像剤は記像紙に定着される。定着部335を通過した記録紙は排出ローラ336によって排出され、排紙ユニット370が排出された記録紙を束ねて記録紙の仕分けを行ったり、仕分けされた記録紙のステイプルを行った後、トレイ371上に載置する。
【0018】
また、両面記録が設定されている場合は、排出ローラ336のところまで記録紙を搬送した後、排出ローラ336の回転方向を逆転させ、フラッパ337によって再給紙搬送路338へ導く。再給紙搬送路338へ導かれた記録紙は上述したタイミングで転写ベルト334へ給紙される。
【0019】
<リーダー画像処理部の説明>
図3は、リーダー画像処理部222の詳細な構成を示すブロック図である。このリーダー画像処理部222では、プラテンガラス211上の原稿はCCD218によって読み取られて電気信号に変換される(CCD218はカラーセンサの場合、RGBのカラーフィルタが1ラインCCD上にRGB順にインラインに乗ったものでも、3ラインCCDでそれぞれRフィルタ・Gフィルタ・BフィルタをそれぞれのCCD毎に並べたものでも構わないし、フィルタがオンチップ化又はフィルタがCCDと別構成になったものでも構わない)。そして、その電気信号(アナログ画像信号)はリーダー画像処理部222に入力され、クランプ&Amp.&S/H&A/D部301でサンプルホールド(S/H)され、アナログ画像信号のダークレベルを基準電位にクランプし、所定量に増幅され(上記処理順番は表記順とは限らない)、A/D変換され、例えばRGB各8ビットのデジタル信号に変換される。そして、RGB信号はシェーディング部302で、シェーディング補正及び黒補正が施された後、制御装置110へと出力される。
【0020】
<制御装置の説明>
次に、制御装置110の機能を、図4に示すブロック図を用いて説明する。図4に示すように、メインコントローラ111は、主にCPU112、バスコントローラ113、各種I/Fコントローラ回路から構成される。
【0021】
CPU112とバスコントローラ113は制御装置110全体の動作を制御するものであり、CPU112はROM114からROMI/F115を経由して読み込んだプログラムに基づいて動作する。また、ホストコンピュータから受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスターイメージデータに展開する動作もこのプログラムに記述されており、ソフトウェアによって処理される。バスコントローラ113は各I/Fから入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時の調停やDMAデータ転送の制御を行う。
【0022】
DRAM116はDRAMI/F117によってメインコントローラ111と接続されており、CPU112が動作するためのワークエリアや画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
【0023】
Codec118は、DRAM116に蓄積されたラスターイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の方式で圧縮し、また逆に、圧縮され蓄積されたコードデータをラスターイメージデータに伸長する。SRAM119はCodec118の一時的なワーク領域として使用される。Codec118はI/F120を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御され、DMA転送される。
【0024】
Graphic Processor135は、DRAM116に蓄積されたラスターイメージデータに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化の処理をそれぞれ行う。SRAM136はGraphic Processor135の一時的なワーク領域として使用される。このGraphic Processor135はI/F137を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されてDMA転送される。
【0025】
Network Contorller121はI/F122によってメインコントローラ111と接続され、コネクタ122によって外部ネットワークと接続される。尚、このネットワークとしては一般的にイーサネット(登録商標)があげられる。
【0026】
汎用高速バス125には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ124とI/O制御部126とが接続される。汎用高速バスとしては一般的にPCIバスがあげられる。
【0027】
I/O制御部126には、リーダー部200、プリンタ部300の各CPUと制御コマンドを送受信するための調歩同期シリアル通信コントローラ127とが2チャンネル装備されており、I/Oバス128によって外部I/F回路140,145に接続されている。
【0028】
パネルI/F132は、LCDコントローラ131に接続され、操作部150上の液晶画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーから入力を行うためのキー入力I/F130とから構成される。
【0029】
操作部150は、液晶表示部とその液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーを有する。タッチパネル又はハードキーにより入力された信号は前述したパネルI/F132を介してCPU112に伝えられ、液晶表示部はパネルI/F132から送られてきた画像データを表示するものである。液晶表示部には、本画像形成装置の操作における機能表示や画像データ等を表示する。
【0030】
リアルタイムクロックモジュール133は、本装置内で管理する日付と時刻を更新/保存するためのものであり、バックアップ電池134によってバックアップされている。
【0031】
E−IDEインタフェース161は、外部記憶装置を接続するためのものである。尚、本実施形態においては、このI/Fを介してハードディスクドライブ160を接続し、ハードディスク162へ画像データを記憶させたり、ハードディスク162から画像データを読み込む動作を行う。
【0032】
コネクタ142,147は、それぞれリーダー部200とプリンタ部300とに接続され、同調歩同期シリアルI/F(143,148)とビデオI/F(144,149)とから構成される。
【0033】
スキャナI/F140は、コネクタ142を介してリーダー部200と接続され、またスキャナバス141によってメインコントローラ111と接続されており、リーダー部200から受け取った画像に対して所定の処理を施す機能を有し、更にリーダー部200から送られたビデオ制御信号に基づき生成した制御信号をスキャナバス141に出力する機能も有する。
【0034】
スキャナバス141からDRAM116へのデータ転送は、バスコントローラ113によって制御される。
【0035】
プリンタI/F145は、コネクタ147を介してプリンタ部300と接続され、またプリンタバス146によってメインコントローラ111と接続されており、メインコントローラ111から出力された画像データに所定の処理を施して、プリンタ部300へ出力する機能を有し、更にプリンタ部300から送られたビデオ制御信号に基づき生成した制御信号をプリンタバス146に出力する機能も有する。
【0036】
DRAM116上に展開されたラスターイメージデータのプリンタ部への転送は、バスコントローラ113によって制御され、プリンタバス146、ビデオI/F149を経由してプリンタ部300へDMA転送される。
【0037】
<スキャナI/Fの説明>
次に、スキャナI/F140の詳細な説明を行う。図5はスキャナI/F140の画像処理を担う部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【0038】
リーダー部200からコネクタ142を介して送られる画像信号に対して、つなぎ&MTF補正部501でCCD218が3ラインCCDの場合、つなぎ処理はライン間の読取位置が異なるため、読取速度に応じてライン毎の遅延量を調整し、3ラインの読取位置が同じになるように信号タイミングを補正し、MTF補正は読取速度によって読取のMTFが変るため、その変化を補正する。読取位置タイミングが補正されたデジタル信号は入力マスキング部502によってCCD218の分光特性、及びランプ212及びミラー214、215、216の分光特性を補正する。入力マスキング部502の出力はACSカウント部503及びメインコントローラ111へと送られる。
【0039】
<ACSカウント部の説明>
ここで、ACS(オートカラーセレクト)カウント部503の説明を、図6を用いて行う。
【0040】
オートカラーセレクト(以下、ACS)は、原稿がカラーなのか白黒なのかを判定することである。つまり、画素毎の彩度を求めてある閾値以上の画素がどれだけ存在するかでカラー判定を行うものである。しかし、白黒の原稿であっても、MTF等の影響により、ミクロ的に見るとエッジ周辺に色画素が多数存在し、単純に画素単位でACS判定を行うのは難しい。このACS手法は様々な方法が提供されているが、本実施形態では、ACSの方法にはこだわらないため、ごく一般的な手法で説明を行う。
【0041】
上述したように、白黒画像でもミクロ的に見ると色画素が多数存在するわけであるから、その画素が本当に色画素であるかどうかは、注目画素に対して周辺の色画素の情報で判定する必要がある。図6において、601は判定用のフィルタであり、注目画素に対して周辺画素を参照するためにFIFOの構造をとるものである。602はメインコントローラ111からセットされた607〜610のレジスタに設定された値とリーダー部200から送られたビデオ制御信号612とに基づき、ACSをかける領域信号605を作成する回路である。603は色判定部で、ACSをかける領域信号605に基づき、注目画素に対してフィルタ601のメモリ内の周辺画素を参照し、注目画素が色画素か白黒画素かを決定するための色判定部である。604は色判定部603が出力した色判定信号の個数を数えるカウンタである。
【0042】
メインコントローラ111は読み込み範囲に対してACSをかける領域を決定し、レジスタ607〜610に設定する(尚、本実施形態では、原稿に対して独立で範囲を決める構成をとる)。また、メインコントローラ111はACSをかける領域内での色判定信号の個数を計数するカウンタの値を、所定の閾値と比較し、当該原稿がカラーなのか白黒なのかを判定する。
【0043】
レジスタ607〜610には、主走査方向、副走査方向それぞれについて、色判定部603が判定を開始する位置、判定を終了する位置を、リーダー部200から送られたビデオ制御信号612に基づいて設定しておくものとする。本実施形態では、実際の原稿の大きさよりもそれぞれ10mm程度小さめに設定している。
【0044】
<プリンタI/Fの説明>
次に、プリンタI/F145の詳細な説明を行う。図7はプリンタI/F145の画像処理を担う部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【0045】
Graphic Processor135から、プリンタバス146を介して送られる画像信号は、まずLOG変換部701に入力される。LOG変換部701では、LOG変換でRGB信号からCMY信号に変換する。次に、モアレ除去部702でモアレが除去される。モアレ除去されたCMY信号はUCR&マスキング部703に入力され、UCR処理されCMYK信号が生成され、マスキング処理部でプリンタの出力にあった信号に補正される。UCR&マスキング部703で処理された信号はγ補正部704で濃度調整された後、フィルタ部705でスムージング又はエッジ処理される。これらの処理を経て、コネクタ147を介してプリンタ部300へと画像が送られる。
【0046】
<Graphic Processorの説明>
次に、Graphic Processor135についての詳細な説明を行う。図8はGraphic
Processor135の詳細な構成を示すブロック図である。
【0047】
Graphic Processor135は、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化の処理をそれぞれ行うモジュールを有する。SRAM136は、Graphic Processor135の各々のモジュールの一時的なワーク領域として使用される。尚、各々のモジュールが用いるSRAM136のワーク領域が競合しないよう、予め各々のモジュール毎にワーク領域が静的に割り当てられているものとする。Graphic Processor135はI/F137を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0048】
バスコントローラ113は、GraphicProcessor135の各々のモジュールにモード等を設定する制御及び各々のモジュールに画像データを転送するためのタイミング制御を行う。
【0049】
以下、GraphicProcessor135における画像回転部801、画像変倍部802、色空間変換部803、画像二値化部805の各処理手順について詳細に説明する。
【0050】
<画像回転部の説明>
まず、画像回転部801における処理手順を示す。I/F137を介してCPU112からバスコントローラ113に画像回転制御のための設定を行う。この設定によりバスコントローラ113は画像回転部801に対して画像回転に必要な設定(例えば、画像サイズや回転方向・角度等)を行う。必要な設定を行った後に、再度CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113はDRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。尚、ここでは回転を行う画像サイズを32画素×32ラインとし、また画像バス上に画像データを転送させる際に、24byte(RGB各々8bitで1画素分)を単位とする画像転送を行うものとする。
【0051】
上述したように、32画素×32ラインの画像を得るには、上述の単位データ転送を32×32回行う必要があり、且つ、不連続なアドレスから画像データを転送する必要がある(図9参照)。
【0052】
この不連続アドレッシングにより転送された画像データは、読み出し時に所望の角度に回転されているようにSRAM136に書き込まれる。例えば、90度反時計方向回転であれば、転送される画像データを、図10に示すようにY方向に書き込んでいき、読み出し時にX方向に読み出すことで、画像が回転される。
【0053】
32画素×32ラインの画像回転(DRAM116への書き込み)が完了した後、画像回転部801はDRAM116から上述した読み出し方法で画像データを読み出し、バスコントローラ113に画像を転送する。そして、回転処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は連続アドレッシングにより、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
【0054】
こうした一連の処理は、CPU112からの処理要求が無くなるまで(必要なページ数の処理が終わったとき)繰り返される。
【0055】
<画像変倍部の説明>
次に、画像変倍部802における処理手順を示す。I/F137を介してCPU112からバスコントローラ113に画像変倍制御のための設定を行う。この設定によりバスコントローラ113は画像変倍部802に対して画像変倍に必要な設定(主走査方向の変倍率、副走査方向の変倍率、変倍後の画像サイズ等)を行う。必要な設定を行った後に、再度CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113はDRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。
【0056】
画像変倍部802は、受け取った画像データを一時DRAM116に格納し、これを入力バッファとして用い、格納したデータに対して主走査、副走査の変倍率に応じて必要な画素数、ライン数分だけ補間処理を行って画像を拡大もしくは縮小することで、変倍処理とする。変倍後のデータは再度DRAM116へ書き戻し、これを出力バッファとして画像変倍部802はDRAM116から画像データを読み出し、バスコントローラ113に転送する。
【0057】
上述のように変倍処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
【0058】
<色空間変換部の説明>
次に、色空間変換部803における処理手順を示す。I/F137を介してCPU112からバスコントローラ113に色空間変換制御のための設定を行う。この設定によりバスコントローラ113は色空間変換部803及びLUT(ルックアップテーブル)804に対して色空間変換処理に必要な設定(後述のマトリックス演算の係数、LUT804のテーブル値等)を行う。必要な設定を行った後、再度CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113はDRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。
【0059】
色空間変換部803は、受け取った画像データ1画素毎に対して、まず下記の式で表される3×3のマトリックス演算を施す。
【0060】
【数1】
【0061】
上記式において、R、G、Bが入力、X、Y、Zが出力、a11、a12、a13、a21、a22、a23、a31、a32、a33、b1、b2、b3、c1、c2、c3がそれぞれ係数である。
【0062】
上記式の演算によって、例えばRGB色空間からYuv色空間への変換など、各種の色空間変換を行うことができる。
【0063】
次に、マトリックス演算後のデータに対してLUT804による変換を行う。これにより、非線形の変換も行うことができる。当然、スルーのテーブルを設定することにより実質的にLUT変換を行わないようにしても良い。その後、色空間変換部803は色空間変換処理された画像データをバスコントローラ113に転送する。
【0064】
上述のように色空間変換処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
【0065】
<画像二値化部の説明>
次に、画像二値化部805における処理手順を示す。I/F137を介してCPU112からバスコントローラ113に二値化制御のための設定を行う。この設定によりバスコントローラ113は画像二値化部805に対して二値化処理に必要な設定(変換方法に応じた各種パラメータ等)を行う。必要な設定を行った後に、再度CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113はDRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。
【0066】
画像二値化部805は、受け取った画像データに対して二値化処理を施す。尚、本実施形態では、二値化の手法としては、画像データを所定の閾値と比較して単純に二値化するものとする。もちろん、ディザ法、誤差拡散法、誤差拡散法又は改良したものなど、何れの手法によってもかまわない。
【0067】
その後、画像二値化部805は二値化処理された画像データをバスコントローラ113に転送する。二値化処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
【0068】
<PDL画像出力時のシーケンス>
図11は、本実施形態におけるPDL画像の出力処理を示すフローチャートである。尚、図中のS1101〜S1108は各ステップを示す。
【0069】
PDL画像を出力する場合、まずS1101において、PC401上のアプリケーションでユーザがそのPDL画像出力ジョブのプリント設定を行う。プリント設定内容は、部数、用紙サイズ、片面/両面、ページ出力順序、ソート出力、ステイプル止めの有無等である。そして、S1102において、PC401上のアプリケーションで印刷指示が与えられると、PC401上にインストールされているドライバソフトウェアが、印刷対象となるPC401上のコードデータを、いわゆるPDLデータに変換し、S1101で設定したプリント設定パラメータとともに、本画像入出力装置の制御装置110にネットワーク400を介してPDLデータを転送する。
【0070】
次に、S1103において、制御装置110におけるメインコントローラ111のCPU112がコネクタ122及びNetworkController121を介して転送されたPDLデータを上述のプリント設定パラメータに基づいて画像データに展開(ラスタライズ)する。この画像データの展開は、DRAM116上に行われる。そして、画像データの展開が完了するとS1104へ進む。このS1104では、メインコントローラ111がDRAM116上に展開された画像データをGraphic Processor135に転送する。
【0071】
次に、S1105において、Graphic Processor135はプリント設定パラメータとは独立に画像処理を行う。例えば、上述のプリント設定パラメータで指定された用紙サイズがA4であるにもかかわらず、プリンタ部300の給紙ユニット360にはA4R用紙しかない場合には、Graphic Processor135で画像を90度回転することによって出力用紙に合わせた画像出力を行うことができる。この画像データの画像処理が完了するとS1106へ進む。このS1106では、Graphic Processor135はメインコントローラ111へ画像処理後の画像データを転送する。メインコントローラ111は転送されてきた画像データをDRAM116上に記憶する。
【0072】
次に、S1107において、メインコントローラ111はプリンタI/F145及びコネクタ147を介してプリンタ部300を制御しつつ、適切なタイミングでDRAM116上の画像データをプリンタ部300へと転送する。そして、S1108において、制御装置110がプリンタ部300を制御して画像データをプリント出力する。この画像データの転送が完了すると、即ち当該PDLジョブが終了すると、プリント出力を終了する。
【0073】
<コピー画像出力時のシーケンス>
図12は、本実施形態におけるコピー画像出力の手順を示すフローチャートである。尚、図中のS1201〜S1207は各ステップを示す。
【0074】
コピー画像を出力する場合、まずS1201において、操作部150上でユーザが当該コピー画像出力ジョブのコピー設定を行う。コピー設定内容は、部数、用紙サイズ、片面/両面、拡大/縮小率、ソート出力、ステイプル止めの有無等である。次に、S1202において、操作部150上でコピー開始指示を与えると、制御装置110のメインコントローラ111はスキャナI/F140及びコネクタ142を介してリーダー部200を制御し、原稿の画像データの読み込み動作を行う。ここでは、原稿給送ユニット250が載置された原稿を1枚ずつプラテンガラス211上へ給送し、その際同時に原稿のサイズを検知する。検知された原稿のサイズに基づいて原稿を露光走査することにより、画像データが読み取られる。この読み取られた画像データはDRAM116上に記憶される。従来のコピー機では、コピー設定の拡大/縮小率の設定に応じて、即ち副走査方向の変倍率に応じて光学ユニット213の移動速度を変化させることにより、副走査方向の変倍処理を実現していた。
【0075】
しかしながら、本実施形態では、コピー設定の拡大/縮小率の設定にかかわらず、必ず等倍(100%)で画像データを読み取り、変倍処理については主走査方向、副走査方向ともに、後述するGraphic Processor135によって行うものとする。
【0076】
次に、S1203において、メインコントローラ111がDRAM116上の画像データをGraphic Processor135に転送する。そして、S1204において、Graphic Processor135はコピー設定パラメータに基づいて画像処理を行う。例えば、拡大400%の設定がなされているときには、Graphic Processor135内のモジュールである画像変倍部802を用いて主走査方向、副走査方向、双方への変倍処理を行う。画像データの画像処理が完了するとS1205へ進む。このS1205において、Graphic Processor135はメインコントローラ111へ画像処理後の画像データを転送する。メインコントローラ111は転送されてきた画像データをDRAM116上に記憶する。
【0077】
次に、S1206において、メインコントローラ111はプリンタI/F145及びコネクタ147を介してプリンタ部300を制御しつつ、適切なタイミングでDRAM116上の画像データをプリンタ部300へと転送する。そして、S1207において、制御装置110がプリンタ部300を制御して画像データをプリント出力する。この画像データの転送が完了すると、即ち当該コピージョブが終了すると、プリント出力を終了する。
【0078】
<原稿用紙に付加する記録媒体の構成説明>
図13は、本実施形態で用いる原稿用紙に埋め込む記録媒体の概念図である。図13において、1301は原稿であり、例えば1302及び1303の2ページからなり、2ページに渡って情報が印刷されているものとする。1302を「原稿1」、1303を「原稿2」、1301を「全原稿」と呼ぶことにする。尚、本実施形態では、原稿が2ページから構成されている場合を例に説明するが、1ページ以上の原稿であれば、この方式は適用できる。
【0079】
1304は原稿1に印刷された情報であり、1305は原稿2に印刷された情報であり、これらは絵や文字から構成される。1306は原稿1に、1307は原稿2にそれぞれ付加された小型の記録媒体であり、図13に示すように原稿1ページ当たり1個乃至数個付加されているものである。尚、記録媒体1306、1307には、電子情報を記録することができ、1ページ乃至複数ページからなる原稿の一部又は全ページの情報を十分に記録できる容量を持つものとする。例えば、原稿1に印刷されている印刷情報1304と共に、それ以外の情報も記録媒体1306に記録することを特徴としている。
【0080】
尚、上述のそれ以外の情報とは、本実施形態の場合、印刷情報1304以外にこの全原稿1301の全ページを構成するのに必要である原稿2に印刷されている情報、即ち印刷情報1305を指す。また、原稿2に付加された記録媒体1307には原稿2に印刷されている印刷情報と共に、全原稿1301の全ページを構成するのに必要である原稿1に印刷されている印刷情報1304も一緒に記録されている。尚、記録媒体1つに全原稿の全ページ分の情報が収まりきらない場合には、原稿1ページ当たりに複数の記録媒体1306、1307を埋め込み、複数の記録媒体で全原稿全ページ分の情報を記憶することも可能である。
【0081】
つまり、複数ページからなる全原稿の各ページに付加された、記録媒体1306、1307のどちらにも、全原稿ページを構成するための全情報が記憶される。
【0082】
全原稿を構成するための全情報が記録された記録媒体を各原稿自身に付加することにより、複数ページ原稿の一部が破損、紛失した場合も全原稿の情報を復元し印刷することが可能となる。
【0083】
以下に全原稿を構成するための情報としてPDLデータを用いる場合について記述するが、本発明はPDLデータに特化したものではなく、PDL、ラスター形式、既存のアプリケーションファイル形式など複数考えられる。これらの情報は以下に示す手段により、記録媒体に記録される。
【0084】
<原稿に付加された記録媒体に情報を記録する手段の説明>
図14は、印刷対象である白紙の原稿用紙に付加された記録媒体に、印刷するデータを記述する仕組みの概念図である。図14において、1401は複写機、1402は複写機に設置されたアンテナ、1403、1405は印刷対象である白紙の原稿用紙、1404、1406はそれぞれ原稿用紙1403、1405に付加された記録媒体である。図14に示す(A)と(B)のアンテナ1402は同一のものであり、記録媒体1404と無線通信を行い、電子情報を記録媒体1404に記録することができる。また、アンテナ1402の位置は特に図の通りである必要はなく、記録媒体1404と無線通信が行える位置にあれば良い。
【0085】
尚、本実施形態では、アンテナ1402と書き込み対象となる記録媒体1404との間で無線通信を行い、所望の情報を記録媒体1404に記録する方法について説明するが、特にこの方法に限定されるものではなく、特定された記録媒体に対して情報が書き込めれば良い。
【0086】
例えば、2ページからなるPDLデータを記録媒体に書き込む場合を例にとり説明する。複写機1401は原稿用紙1403、1405に対し、PDLデータから解析された印刷情報を印刷するが、そのとき併せて記録媒体1404、1406に全原稿全ページのPDLデータを記録するものである。
【0087】
基本的なPDL画像出力時のシーケンスについては、前述した<PDL画像出力時のシーケンス>において説明した通りだが、本実施形態では、更に図15に示すような以下の処理を行う。
【0088】
図15は、図11に示した基本的なPDL画像出力時のシーケンスに、本実施形態特有の処理を加えたものである。図15に示す例では、本実施形態特有の処理は図11に示したS1107とS1108の間で行うように記載されているが、特にこの間で処理を行う必要は無く、図11中のどの部分で行ってもかまわない。
【0089】
ここでは、図1に示すPC401から2ページのPDLデータが複写機に送られた場合について説明する。また、PDLデータが原稿用紙に印刷されるが、記録媒体1404に1ページ目のデータ、記録媒体1406に2ページ目のデータが印刷されるものとする。尚、図11に示したS1101〜S1107、S1108のシーケンスに関しては、前述したので詳しい説明はここでは省く。
【0090】
図15に示すS1501において、複写機1401の内部に存在する原稿用紙は、原稿用紙1と原稿用紙2というように複数枚存在することもあるため、アンテナ1402は原稿用紙1403、1405にそれぞれ付加された記録媒体1404、1406と通信を行い、全原稿の全ページのPDLデータを記録する対象となる記録媒体を特定する。尚、記録媒体特定の手段については、ここではこだわらないこととする。例えば、原稿用紙に付加された記録媒体それぞれが固有のIDを持ち、それにより情報記録対象となる記録媒体を特定する、或いは単純にアンテナに近いものを情報記述対象にするなど様々考えられる。
【0091】
次に、S1502において、S1501で特定された記録媒体に対し、全原稿の全ページ分のPDLデータを書き込む処理を行う。そして、上述のS1501及びS1502の各処理を原稿用紙枚数分だけ繰り返し行い、全ての原稿用紙の記録媒体に対し、全原稿全ページのPDLデータを書き込む。
【0092】
その後、図11に示したS1108において、制御装置110が、プリンタ部300を制御して画像データをプリント出力する。画像データの転送が完了すると、即ち当該PDLジョブが終了すると、プリント出力を終了する。1ページ目には、PDLデータの1ページ目のデータが印刷され、2ページ目には、PDLデータの2ページ目のデータがそれぞれ印刷され、前述した図13のような状態となる。
【0093】
<原稿に付加された記録媒体から情報を読み取る手段の説明>
図16は、原稿に付加された記録媒体に記録されている電子情報の読取方法を説明するための概念図である。図16において、1402は図14に示す複写機に設置されたアンテナ、1601は原稿1、1604は原稿2であり、コピー元となる原稿で2ページから構成されている。1602は原稿1に付加された記録媒体、1605は原稿2に付加された記録媒体であり、1603は原稿1に印刷されている情報、1604は原稿2に印刷されている情報を表している。
【0094】
尚、記録媒体1602、1605には、既に原稿1、原稿2に印刷されている全原稿全ページ情報が書き込まれており、<原稿用紙に付加する記録媒体の構成説明>の項で説明したような図13に示した原稿であるとする。
【0095】
1403、1405は、コピー先となる白紙の原稿用紙であり、1404、1406はそれぞれ原稿用紙に付加された記録媒体である。これらは図14に示したものと同一のものである。
【0096】
いま、図1に示す原稿給紙ユニット250上に1601、1604の2枚からなる原稿が載置され、コピー動作を行った場合を例にとり原稿に付加された記録媒体から情報を読み取る手段について説明する。
【0097】
基本的なコピー動作時のシーケンスについては、前述した<コピー画像出力時のシーケンス>において示した通りだが、本実施形態でのコピー動作は図17に示すようなシーケンスとなる。尚、図中のS1701〜S1711は各ステップを示す。
【0098】
コピー画像を出力する場合、S1701において、操作部150上でユーザが当該コピー画像出力ジョブのコピー設定を行う。コピー設定内容は、部数、用紙サイズ、片面/両面、拡大/縮小率、ソート出力、ステイプル止めの有無等である。次に、S1702において、操作部150上でコピー開始指示を与えると、記録媒体1602、1605とアンテナ1402が通信を行い、1ページ目の情報が印刷されている原稿1上の記録媒体1602を特定する。本実施形態では、記録媒体1602、記録媒体1605両方ともに全原稿の全ページデータが書き込まれているため、特に1ページ目を特定し、そこから全原稿の情報を読み取る必要は無いが、ここでは1ページ目から全原稿の情報を読み取るものとする。
【0099】
次に、S1703において、S1702で特定された記録媒体1602から、無線通信を利用して全原稿の全ページのPDLデータを読み取る。もしコピー時に、2ページで構成される原稿1601、1604のうち原稿2が紛失していたとする。その場合、原稿2に付加された記録媒体1605は存在しないが、原稿1に付加された記録媒体1602に、記録媒体1605に記録されている情報と全く同一の全原稿全ページのPDL情報が書き込まれているため、そこから原稿2に印刷されている情報の復元が可能である。
【0100】
次に、S1704において、S1701で設定したコピー設定パラメータと共に、本画像入出力装置の制御装置110にS1703で得られた全原稿全ページのPDLデータを転送する。そして、S1705では、制御装置110のメインコントローラ111のCPU112が、コネクタ122及びNetworkController121を介して転送されたPDLデータをコピー設定パラメータに基づいて画像データに展開(ラスタライズ)する。画像データの展開は、DRAM116上に行われる。画像データの展開が完了するとS1706へ進む。このS1706では、メインコントローラ111がDRAM116上に展開された画像データを、Graphic Processor135に転送する。
【0101】
次に、S1707において、Graphic Processor135がコピー設定パラメータとは独立に画像処理を行う。例えば、コピー設定パラメータで指定された用紙サイズがA4であるにもかかわらず、プリンタ部300の給紙ユニット360にはA4R用紙しかない場合、Graphic Processor135で画像を90度回転することにより出力用紙にあわせた画像出力を行うことができる。画像データの画像処理が完了するとS1708へ進む。このS1708では、Graphic Processor135がメインコントローラ111へ画像処理後の画像データを転送し、メインコントローラ111が転送されてきた画像データをDRAM116上に記憶する。次に、S1709において、メインコントローラ111はプリンタI/F145及びコネクタ147を介してプリンタ部300を制御しつつ、適切なタイミングでDRAM116上の画像データをプリンタ部300へと転送する。
【0102】
次に、S1710において、図15のS1501〜S1503の処理を行い、S1703の処理で読み取った記録媒体1602上の全情報をコピー先の原稿用紙1上の記録媒体1404へ書き込む処理を行う。これらの処理を行ったときに、1ページ目の原稿用紙1上の記録媒体1404には、全原稿全ページのPDL情報が書き込まれる。そして、S1711において、制御装置110がプリンタ部300を制御して画像データをプリント出力する。画像データの転送が完了すると、即ち当該ジョブが終了すると、プリント出力を終了する。
【0103】
これら図17に示すシーケンス処理を行った結果、コピー元の原稿1601の記録媒体1602に書き込まれた内容と、コピー先の原稿1403の記録媒体1404に書き込まれた内容は完全に一致する。また、コピー元の原稿1604の記録媒体1605に書き込まれた内容と、コピー先の原稿1405の記録媒体1406に書き込まれた内容も完全に一致する。
【0104】
このように、図17に示すシーケンスにより、複数ページ原稿の一部が破損、紛失した場合でも全原稿の情報を復元し印刷することが可能となる。
【0105】
尚、本発明は複数の機器(例えば、ホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
【0106】
また、本発明の目的は前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0107】
この場合、記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0108】
このプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0109】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0110】
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数ページからなる原稿の各ページに原稿全ページの情報を記録した記録媒体を付加しておくことにより、原稿の一部が破損或いは紛失した場合も全原稿の情報を復元して画像形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における画像入出力システムの全体構成を示す図である。
【図2】リーダー部200及びプリンタ部300の側断面図である。
【図3】リーダー画像処理部222の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】制御装置110の機能を説明するためのブロック図である。
【図5】スキャナI/F140の画像処理を担う部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【図6】ACS(オートカラーセレクト)カウント部503を説明するための図である。
【図7】プリンタI/F145の画像処理を担う部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【図8】Graphic Processor135の詳細な構成を示すブロック図である。
【図9】不連続なアドレスから画像データを転送する際の動作を示す図である。
【図10】画像回転部801における回転動作を示す図である。
【図11】本実施形態におけるPDL画像の出力処理を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態におけるコピー画像出力の手順を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態で用いる原稿用紙に埋め込む記録媒体の概念図である。
【図14】印刷対象である白紙の原稿用紙に付加された記録媒体に、印刷するデータを記述する仕組みの概念図である。
【図15】図11に示した基本的なPDL画像出力時のシーケンスに、本実施形態特有の処理を加えたものである。
【図16】原稿に付加された記録媒体に記録されている電子情報の読取方法を説明するための概念図である。
【図17】本実施形態におけるコピー動作時のシーケンスを示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子情報を記録可能な記録媒体が付加された原稿の画像形成を行う画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
原稿の複製を行うためには、一度原稿を複写機付属のスキャナ部で読み取り、読み取った原稿の画像情報に基づき、複写機付属のプリンタ部で印刷するなどの手順が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、複写しようとする原稿がオリジナルとなるため、その原稿の一部が破損或いは紛失していると、完全な原稿の再現は不可能であった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、原稿の一部が破損或いは紛失した場合も全原稿の情報を復元して画像形成することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、電子情報を記録可能な記録媒体が付加された原稿の画像形成を行う画像形成装置であって、前記記録媒体から前記原稿に関する情報を取得する取得手段と、前記取得手段で取得した原稿に関する情報に基づいて画像形成を行う画像形成手段とを有することを特徴とする。
【0006】
また、上記目的を達成するために、本発明は、電子情報を記録可能な記録媒体が付加された原稿の画像形成を行う画像形成方法であって、前記記録媒体から前記原稿に関する情報を取得する取得工程と、前記取得工程で取得した原稿に関する情報に基づいて画像形成を行う画像形成工程とを有することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。
【0008】
近年、コピー用紙に付加できるほど小型な記録媒体が開発され、その記録媒体に記録できる情報容量も年々増加している。そこで、本実施形態では複数ページに渡る原稿を構成するための全情報が記録された記録媒体を原稿自身に付加するものである。具体的には、複数ページからなる原稿の各ページに原稿全ページの情報を記憶した記録媒体を付加しておき、原稿の一部が破損、紛失した場合でも全原稿の情報を復元し印刷することを可能とするものである。
【0009】
以下の説明では、カラー複写機を例にとり説明するが、本発明は、これだけに限らず、画像形成装置全般(複写機、プリンタ、FAX、これらの複合機など)に適用することも可能である。
【0010】
図1は、本実施形態における画像入出力システムの全体構成を示す図である。図1に示すように、リーダー部(画像入力装置)200は、原稿画像を光学的に読み取り、画像データに変換して出力する。このリーダー部200は、原稿を読み取るための機能を持つスキャナユニット210と、原稿用紙を搬送するための機能を持つ原稿給紙ユニット(DFユニット)250とで構成される。
【0011】
一方、プリンタ部(画像出力装置)300は、記録紙を搬送し、記録紙上に画像データを可視画像として印字して装置外に排紙する。このプリンタ部300は、複数種類の記録紙カセットを持つ給紙ユニット360と、画像データを記録紙に転写、定着させる機能を持つマーキングユニット310と、印字された記録紙をソート、ステイプルして機外へ出力する機能を持つ排紙ユニット370とで構成される。
【0012】
また、制御装置110は、リーダー部200及びプリンタ部300と電気的に接続され、更にネットワーク400を介してホストコンピュータ(PC)401,402と接続されている。この制御装置110は、リーダー部200を制御して原稿の画像データを読み込み、プリンタ部300を制御して画像データを記録用紙に出力するコピー機能を提供する。また、リーダー部200から読み取った画像データを、コードデータに変換し、ネットワーク400を介してホストコンピュータへ送信するスキャナ機能、ホストコンピュータからネットワーク400を介して受信したコードデータを画像データに変換し、プリンタ部300に出力するプリンタ機能を提供する。
【0013】
また、操作部150は、制御装置110に接続され、液晶タッチパネルで構成され、画像入出力システムを操作するためのユーザI/Fを提供する。
【0014】
図2は、リーダー部200及びプリンタ部300の側断面図である。リーダー部200の原稿給送ユニット250は、原稿を先頭順に1枚ずつプラテンガラス211上へ給送し、原稿の読み取り動作が終了した後、プラテンガラス211上の原稿を排出するものである。原稿がプラテンガラス211上に搬送されると、ランプ212を点灯し、そして光学ユニット213の移動を開始させて原稿を露光走査する。この時の原稿からの反射光は、ミラー214、215、216及びレンズ217によってCCDイメージセンサ(以下、CCDという)218へと導かれる。このように、走査された原稿の画像はCCD218によって読み取られる。
【0015】
リーダー部200において、222はリーダー画像処理回路部であり、CCD218から出力される画像データに所定の処理を施し、スキャナI/Fを介して制御装置110へ出力するところである。
【0016】
プリンタ部300において、352はプリンタ画像処理回路部であり、プリンタI/Fを介して制御装置110から送られる画像信号をレーザドライバ317へ出力するところである。このレーザドライバ317は、レーザ発光部313、314、315、316を駆動するものであり、プリンタ画像処理部352から出力された画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部313、314、315、316に発光させる。このレーザ光はミラー340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351によって感光ドラム325、326、327、328に照射され、感光ドラム325、326、327、328にはレーザ光に応じた潜像が形成される。321、322、323、324は、それぞれブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のトナーによって潜像を現像するための現像器であり、現像された各色のトナーは用紙に転写されフルカラーのプリントアウトがなされる。
【0017】
用紙カセット360、361及び手差しトレイ362のいずれかより、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで給紙された用紙は、レジストローラ333を経て転写ベルト334上に吸着され、搬送される。そして、感光ドラム325、326、327、328に付着された現像剤を記録紙に転写する。現像剤の乗った記録紙は定着部335に搬送され、定着部335の熱と圧力により現像剤は記像紙に定着される。定着部335を通過した記録紙は排出ローラ336によって排出され、排紙ユニット370が排出された記録紙を束ねて記録紙の仕分けを行ったり、仕分けされた記録紙のステイプルを行った後、トレイ371上に載置する。
【0018】
また、両面記録が設定されている場合は、排出ローラ336のところまで記録紙を搬送した後、排出ローラ336の回転方向を逆転させ、フラッパ337によって再給紙搬送路338へ導く。再給紙搬送路338へ導かれた記録紙は上述したタイミングで転写ベルト334へ給紙される。
【0019】
<リーダー画像処理部の説明>
図3は、リーダー画像処理部222の詳細な構成を示すブロック図である。このリーダー画像処理部222では、プラテンガラス211上の原稿はCCD218によって読み取られて電気信号に変換される(CCD218はカラーセンサの場合、RGBのカラーフィルタが1ラインCCD上にRGB順にインラインに乗ったものでも、3ラインCCDでそれぞれRフィルタ・Gフィルタ・BフィルタをそれぞれのCCD毎に並べたものでも構わないし、フィルタがオンチップ化又はフィルタがCCDと別構成になったものでも構わない)。そして、その電気信号(アナログ画像信号)はリーダー画像処理部222に入力され、クランプ&Amp.&S/H&A/D部301でサンプルホールド(S/H)され、アナログ画像信号のダークレベルを基準電位にクランプし、所定量に増幅され(上記処理順番は表記順とは限らない)、A/D変換され、例えばRGB各8ビットのデジタル信号に変換される。そして、RGB信号はシェーディング部302で、シェーディング補正及び黒補正が施された後、制御装置110へと出力される。
【0020】
<制御装置の説明>
次に、制御装置110の機能を、図4に示すブロック図を用いて説明する。図4に示すように、メインコントローラ111は、主にCPU112、バスコントローラ113、各種I/Fコントローラ回路から構成される。
【0021】
CPU112とバスコントローラ113は制御装置110全体の動作を制御するものであり、CPU112はROM114からROMI/F115を経由して読み込んだプログラムに基づいて動作する。また、ホストコンピュータから受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスターイメージデータに展開する動作もこのプログラムに記述されており、ソフトウェアによって処理される。バスコントローラ113は各I/Fから入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時の調停やDMAデータ転送の制御を行う。
【0022】
DRAM116はDRAMI/F117によってメインコントローラ111と接続されており、CPU112が動作するためのワークエリアや画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
【0023】
Codec118は、DRAM116に蓄積されたラスターイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の方式で圧縮し、また逆に、圧縮され蓄積されたコードデータをラスターイメージデータに伸長する。SRAM119はCodec118の一時的なワーク領域として使用される。Codec118はI/F120を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御され、DMA転送される。
【0024】
Graphic Processor135は、DRAM116に蓄積されたラスターイメージデータに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化の処理をそれぞれ行う。SRAM136はGraphic Processor135の一時的なワーク領域として使用される。このGraphic Processor135はI/F137を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されてDMA転送される。
【0025】
Network Contorller121はI/F122によってメインコントローラ111と接続され、コネクタ122によって外部ネットワークと接続される。尚、このネットワークとしては一般的にイーサネット(登録商標)があげられる。
【0026】
汎用高速バス125には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ124とI/O制御部126とが接続される。汎用高速バスとしては一般的にPCIバスがあげられる。
【0027】
I/O制御部126には、リーダー部200、プリンタ部300の各CPUと制御コマンドを送受信するための調歩同期シリアル通信コントローラ127とが2チャンネル装備されており、I/Oバス128によって外部I/F回路140,145に接続されている。
【0028】
パネルI/F132は、LCDコントローラ131に接続され、操作部150上の液晶画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーから入力を行うためのキー入力I/F130とから構成される。
【0029】
操作部150は、液晶表示部とその液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーを有する。タッチパネル又はハードキーにより入力された信号は前述したパネルI/F132を介してCPU112に伝えられ、液晶表示部はパネルI/F132から送られてきた画像データを表示するものである。液晶表示部には、本画像形成装置の操作における機能表示や画像データ等を表示する。
【0030】
リアルタイムクロックモジュール133は、本装置内で管理する日付と時刻を更新/保存するためのものであり、バックアップ電池134によってバックアップされている。
【0031】
E−IDEインタフェース161は、外部記憶装置を接続するためのものである。尚、本実施形態においては、このI/Fを介してハードディスクドライブ160を接続し、ハードディスク162へ画像データを記憶させたり、ハードディスク162から画像データを読み込む動作を行う。
【0032】
コネクタ142,147は、それぞれリーダー部200とプリンタ部300とに接続され、同調歩同期シリアルI/F(143,148)とビデオI/F(144,149)とから構成される。
【0033】
スキャナI/F140は、コネクタ142を介してリーダー部200と接続され、またスキャナバス141によってメインコントローラ111と接続されており、リーダー部200から受け取った画像に対して所定の処理を施す機能を有し、更にリーダー部200から送られたビデオ制御信号に基づき生成した制御信号をスキャナバス141に出力する機能も有する。
【0034】
スキャナバス141からDRAM116へのデータ転送は、バスコントローラ113によって制御される。
【0035】
プリンタI/F145は、コネクタ147を介してプリンタ部300と接続され、またプリンタバス146によってメインコントローラ111と接続されており、メインコントローラ111から出力された画像データに所定の処理を施して、プリンタ部300へ出力する機能を有し、更にプリンタ部300から送られたビデオ制御信号に基づき生成した制御信号をプリンタバス146に出力する機能も有する。
【0036】
DRAM116上に展開されたラスターイメージデータのプリンタ部への転送は、バスコントローラ113によって制御され、プリンタバス146、ビデオI/F149を経由してプリンタ部300へDMA転送される。
【0037】
<スキャナI/Fの説明>
次に、スキャナI/F140の詳細な説明を行う。図5はスキャナI/F140の画像処理を担う部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【0038】
リーダー部200からコネクタ142を介して送られる画像信号に対して、つなぎ&MTF補正部501でCCD218が3ラインCCDの場合、つなぎ処理はライン間の読取位置が異なるため、読取速度に応じてライン毎の遅延量を調整し、3ラインの読取位置が同じになるように信号タイミングを補正し、MTF補正は読取速度によって読取のMTFが変るため、その変化を補正する。読取位置タイミングが補正されたデジタル信号は入力マスキング部502によってCCD218の分光特性、及びランプ212及びミラー214、215、216の分光特性を補正する。入力マスキング部502の出力はACSカウント部503及びメインコントローラ111へと送られる。
【0039】
<ACSカウント部の説明>
ここで、ACS(オートカラーセレクト)カウント部503の説明を、図6を用いて行う。
【0040】
オートカラーセレクト(以下、ACS)は、原稿がカラーなのか白黒なのかを判定することである。つまり、画素毎の彩度を求めてある閾値以上の画素がどれだけ存在するかでカラー判定を行うものである。しかし、白黒の原稿であっても、MTF等の影響により、ミクロ的に見るとエッジ周辺に色画素が多数存在し、単純に画素単位でACS判定を行うのは難しい。このACS手法は様々な方法が提供されているが、本実施形態では、ACSの方法にはこだわらないため、ごく一般的な手法で説明を行う。
【0041】
上述したように、白黒画像でもミクロ的に見ると色画素が多数存在するわけであるから、その画素が本当に色画素であるかどうかは、注目画素に対して周辺の色画素の情報で判定する必要がある。図6において、601は判定用のフィルタであり、注目画素に対して周辺画素を参照するためにFIFOの構造をとるものである。602はメインコントローラ111からセットされた607〜610のレジスタに設定された値とリーダー部200から送られたビデオ制御信号612とに基づき、ACSをかける領域信号605を作成する回路である。603は色判定部で、ACSをかける領域信号605に基づき、注目画素に対してフィルタ601のメモリ内の周辺画素を参照し、注目画素が色画素か白黒画素かを決定するための色判定部である。604は色判定部603が出力した色判定信号の個数を数えるカウンタである。
【0042】
メインコントローラ111は読み込み範囲に対してACSをかける領域を決定し、レジスタ607〜610に設定する(尚、本実施形態では、原稿に対して独立で範囲を決める構成をとる)。また、メインコントローラ111はACSをかける領域内での色判定信号の個数を計数するカウンタの値を、所定の閾値と比較し、当該原稿がカラーなのか白黒なのかを判定する。
【0043】
レジスタ607〜610には、主走査方向、副走査方向それぞれについて、色判定部603が判定を開始する位置、判定を終了する位置を、リーダー部200から送られたビデオ制御信号612に基づいて設定しておくものとする。本実施形態では、実際の原稿の大きさよりもそれぞれ10mm程度小さめに設定している。
【0044】
<プリンタI/Fの説明>
次に、プリンタI/F145の詳細な説明を行う。図7はプリンタI/F145の画像処理を担う部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【0045】
Graphic Processor135から、プリンタバス146を介して送られる画像信号は、まずLOG変換部701に入力される。LOG変換部701では、LOG変換でRGB信号からCMY信号に変換する。次に、モアレ除去部702でモアレが除去される。モアレ除去されたCMY信号はUCR&マスキング部703に入力され、UCR処理されCMYK信号が生成され、マスキング処理部でプリンタの出力にあった信号に補正される。UCR&マスキング部703で処理された信号はγ補正部704で濃度調整された後、フィルタ部705でスムージング又はエッジ処理される。これらの処理を経て、コネクタ147を介してプリンタ部300へと画像が送られる。
【0046】
<Graphic Processorの説明>
次に、Graphic Processor135についての詳細な説明を行う。図8はGraphic
Processor135の詳細な構成を示すブロック図である。
【0047】
Graphic Processor135は、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化の処理をそれぞれ行うモジュールを有する。SRAM136は、Graphic Processor135の各々のモジュールの一時的なワーク領域として使用される。尚、各々のモジュールが用いるSRAM136のワーク領域が競合しないよう、予め各々のモジュール毎にワーク領域が静的に割り当てられているものとする。Graphic Processor135はI/F137を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0048】
バスコントローラ113は、GraphicProcessor135の各々のモジュールにモード等を設定する制御及び各々のモジュールに画像データを転送するためのタイミング制御を行う。
【0049】
以下、GraphicProcessor135における画像回転部801、画像変倍部802、色空間変換部803、画像二値化部805の各処理手順について詳細に説明する。
【0050】
<画像回転部の説明>
まず、画像回転部801における処理手順を示す。I/F137を介してCPU112からバスコントローラ113に画像回転制御のための設定を行う。この設定によりバスコントローラ113は画像回転部801に対して画像回転に必要な設定(例えば、画像サイズや回転方向・角度等)を行う。必要な設定を行った後に、再度CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113はDRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。尚、ここでは回転を行う画像サイズを32画素×32ラインとし、また画像バス上に画像データを転送させる際に、24byte(RGB各々8bitで1画素分)を単位とする画像転送を行うものとする。
【0051】
上述したように、32画素×32ラインの画像を得るには、上述の単位データ転送を32×32回行う必要があり、且つ、不連続なアドレスから画像データを転送する必要がある(図9参照)。
【0052】
この不連続アドレッシングにより転送された画像データは、読み出し時に所望の角度に回転されているようにSRAM136に書き込まれる。例えば、90度反時計方向回転であれば、転送される画像データを、図10に示すようにY方向に書き込んでいき、読み出し時にX方向に読み出すことで、画像が回転される。
【0053】
32画素×32ラインの画像回転(DRAM116への書き込み)が完了した後、画像回転部801はDRAM116から上述した読み出し方法で画像データを読み出し、バスコントローラ113に画像を転送する。そして、回転処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は連続アドレッシングにより、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
【0054】
こうした一連の処理は、CPU112からの処理要求が無くなるまで(必要なページ数の処理が終わったとき)繰り返される。
【0055】
<画像変倍部の説明>
次に、画像変倍部802における処理手順を示す。I/F137を介してCPU112からバスコントローラ113に画像変倍制御のための設定を行う。この設定によりバスコントローラ113は画像変倍部802に対して画像変倍に必要な設定(主走査方向の変倍率、副走査方向の変倍率、変倍後の画像サイズ等)を行う。必要な設定を行った後に、再度CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113はDRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。
【0056】
画像変倍部802は、受け取った画像データを一時DRAM116に格納し、これを入力バッファとして用い、格納したデータに対して主走査、副走査の変倍率に応じて必要な画素数、ライン数分だけ補間処理を行って画像を拡大もしくは縮小することで、変倍処理とする。変倍後のデータは再度DRAM116へ書き戻し、これを出力バッファとして画像変倍部802はDRAM116から画像データを読み出し、バスコントローラ113に転送する。
【0057】
上述のように変倍処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
【0058】
<色空間変換部の説明>
次に、色空間変換部803における処理手順を示す。I/F137を介してCPU112からバスコントローラ113に色空間変換制御のための設定を行う。この設定によりバスコントローラ113は色空間変換部803及びLUT(ルックアップテーブル)804に対して色空間変換処理に必要な設定(後述のマトリックス演算の係数、LUT804のテーブル値等)を行う。必要な設定を行った後、再度CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113はDRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。
【0059】
色空間変換部803は、受け取った画像データ1画素毎に対して、まず下記の式で表される3×3のマトリックス演算を施す。
【0060】
【数1】
【0061】
上記式において、R、G、Bが入力、X、Y、Zが出力、a11、a12、a13、a21、a22、a23、a31、a32、a33、b1、b2、b3、c1、c2、c3がそれぞれ係数である。
【0062】
上記式の演算によって、例えばRGB色空間からYuv色空間への変換など、各種の色空間変換を行うことができる。
【0063】
次に、マトリックス演算後のデータに対してLUT804による変換を行う。これにより、非線形の変換も行うことができる。当然、スルーのテーブルを設定することにより実質的にLUT変換を行わないようにしても良い。その後、色空間変換部803は色空間変換処理された画像データをバスコントローラ113に転送する。
【0064】
上述のように色空間変換処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
【0065】
<画像二値化部の説明>
次に、画像二値化部805における処理手順を示す。I/F137を介してCPU112からバスコントローラ113に二値化制御のための設定を行う。この設定によりバスコントローラ113は画像二値化部805に対して二値化処理に必要な設定(変換方法に応じた各種パラメータ等)を行う。必要な設定を行った後に、再度CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113はDRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。
【0066】
画像二値化部805は、受け取った画像データに対して二値化処理を施す。尚、本実施形態では、二値化の手法としては、画像データを所定の閾値と比較して単純に二値化するものとする。もちろん、ディザ法、誤差拡散法、誤差拡散法又は改良したものなど、何れの手法によってもかまわない。
【0067】
その後、画像二値化部805は二値化処理された画像データをバスコントローラ113に転送する。二値化処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
【0068】
<PDL画像出力時のシーケンス>
図11は、本実施形態におけるPDL画像の出力処理を示すフローチャートである。尚、図中のS1101〜S1108は各ステップを示す。
【0069】
PDL画像を出力する場合、まずS1101において、PC401上のアプリケーションでユーザがそのPDL画像出力ジョブのプリント設定を行う。プリント設定内容は、部数、用紙サイズ、片面/両面、ページ出力順序、ソート出力、ステイプル止めの有無等である。そして、S1102において、PC401上のアプリケーションで印刷指示が与えられると、PC401上にインストールされているドライバソフトウェアが、印刷対象となるPC401上のコードデータを、いわゆるPDLデータに変換し、S1101で設定したプリント設定パラメータとともに、本画像入出力装置の制御装置110にネットワーク400を介してPDLデータを転送する。
【0070】
次に、S1103において、制御装置110におけるメインコントローラ111のCPU112がコネクタ122及びNetworkController121を介して転送されたPDLデータを上述のプリント設定パラメータに基づいて画像データに展開(ラスタライズ)する。この画像データの展開は、DRAM116上に行われる。そして、画像データの展開が完了するとS1104へ進む。このS1104では、メインコントローラ111がDRAM116上に展開された画像データをGraphic Processor135に転送する。
【0071】
次に、S1105において、Graphic Processor135はプリント設定パラメータとは独立に画像処理を行う。例えば、上述のプリント設定パラメータで指定された用紙サイズがA4であるにもかかわらず、プリンタ部300の給紙ユニット360にはA4R用紙しかない場合には、Graphic Processor135で画像を90度回転することによって出力用紙に合わせた画像出力を行うことができる。この画像データの画像処理が完了するとS1106へ進む。このS1106では、Graphic Processor135はメインコントローラ111へ画像処理後の画像データを転送する。メインコントローラ111は転送されてきた画像データをDRAM116上に記憶する。
【0072】
次に、S1107において、メインコントローラ111はプリンタI/F145及びコネクタ147を介してプリンタ部300を制御しつつ、適切なタイミングでDRAM116上の画像データをプリンタ部300へと転送する。そして、S1108において、制御装置110がプリンタ部300を制御して画像データをプリント出力する。この画像データの転送が完了すると、即ち当該PDLジョブが終了すると、プリント出力を終了する。
【0073】
<コピー画像出力時のシーケンス>
図12は、本実施形態におけるコピー画像出力の手順を示すフローチャートである。尚、図中のS1201〜S1207は各ステップを示す。
【0074】
コピー画像を出力する場合、まずS1201において、操作部150上でユーザが当該コピー画像出力ジョブのコピー設定を行う。コピー設定内容は、部数、用紙サイズ、片面/両面、拡大/縮小率、ソート出力、ステイプル止めの有無等である。次に、S1202において、操作部150上でコピー開始指示を与えると、制御装置110のメインコントローラ111はスキャナI/F140及びコネクタ142を介してリーダー部200を制御し、原稿の画像データの読み込み動作を行う。ここでは、原稿給送ユニット250が載置された原稿を1枚ずつプラテンガラス211上へ給送し、その際同時に原稿のサイズを検知する。検知された原稿のサイズに基づいて原稿を露光走査することにより、画像データが読み取られる。この読み取られた画像データはDRAM116上に記憶される。従来のコピー機では、コピー設定の拡大/縮小率の設定に応じて、即ち副走査方向の変倍率に応じて光学ユニット213の移動速度を変化させることにより、副走査方向の変倍処理を実現していた。
【0075】
しかしながら、本実施形態では、コピー設定の拡大/縮小率の設定にかかわらず、必ず等倍(100%)で画像データを読み取り、変倍処理については主走査方向、副走査方向ともに、後述するGraphic Processor135によって行うものとする。
【0076】
次に、S1203において、メインコントローラ111がDRAM116上の画像データをGraphic Processor135に転送する。そして、S1204において、Graphic Processor135はコピー設定パラメータに基づいて画像処理を行う。例えば、拡大400%の設定がなされているときには、Graphic Processor135内のモジュールである画像変倍部802を用いて主走査方向、副走査方向、双方への変倍処理を行う。画像データの画像処理が完了するとS1205へ進む。このS1205において、Graphic Processor135はメインコントローラ111へ画像処理後の画像データを転送する。メインコントローラ111は転送されてきた画像データをDRAM116上に記憶する。
【0077】
次に、S1206において、メインコントローラ111はプリンタI/F145及びコネクタ147を介してプリンタ部300を制御しつつ、適切なタイミングでDRAM116上の画像データをプリンタ部300へと転送する。そして、S1207において、制御装置110がプリンタ部300を制御して画像データをプリント出力する。この画像データの転送が完了すると、即ち当該コピージョブが終了すると、プリント出力を終了する。
【0078】
<原稿用紙に付加する記録媒体の構成説明>
図13は、本実施形態で用いる原稿用紙に埋め込む記録媒体の概念図である。図13において、1301は原稿であり、例えば1302及び1303の2ページからなり、2ページに渡って情報が印刷されているものとする。1302を「原稿1」、1303を「原稿2」、1301を「全原稿」と呼ぶことにする。尚、本実施形態では、原稿が2ページから構成されている場合を例に説明するが、1ページ以上の原稿であれば、この方式は適用できる。
【0079】
1304は原稿1に印刷された情報であり、1305は原稿2に印刷された情報であり、これらは絵や文字から構成される。1306は原稿1に、1307は原稿2にそれぞれ付加された小型の記録媒体であり、図13に示すように原稿1ページ当たり1個乃至数個付加されているものである。尚、記録媒体1306、1307には、電子情報を記録することができ、1ページ乃至複数ページからなる原稿の一部又は全ページの情報を十分に記録できる容量を持つものとする。例えば、原稿1に印刷されている印刷情報1304と共に、それ以外の情報も記録媒体1306に記録することを特徴としている。
【0080】
尚、上述のそれ以外の情報とは、本実施形態の場合、印刷情報1304以外にこの全原稿1301の全ページを構成するのに必要である原稿2に印刷されている情報、即ち印刷情報1305を指す。また、原稿2に付加された記録媒体1307には原稿2に印刷されている印刷情報と共に、全原稿1301の全ページを構成するのに必要である原稿1に印刷されている印刷情報1304も一緒に記録されている。尚、記録媒体1つに全原稿の全ページ分の情報が収まりきらない場合には、原稿1ページ当たりに複数の記録媒体1306、1307を埋め込み、複数の記録媒体で全原稿全ページ分の情報を記憶することも可能である。
【0081】
つまり、複数ページからなる全原稿の各ページに付加された、記録媒体1306、1307のどちらにも、全原稿ページを構成するための全情報が記憶される。
【0082】
全原稿を構成するための全情報が記録された記録媒体を各原稿自身に付加することにより、複数ページ原稿の一部が破損、紛失した場合も全原稿の情報を復元し印刷することが可能となる。
【0083】
以下に全原稿を構成するための情報としてPDLデータを用いる場合について記述するが、本発明はPDLデータに特化したものではなく、PDL、ラスター形式、既存のアプリケーションファイル形式など複数考えられる。これらの情報は以下に示す手段により、記録媒体に記録される。
【0084】
<原稿に付加された記録媒体に情報を記録する手段の説明>
図14は、印刷対象である白紙の原稿用紙に付加された記録媒体に、印刷するデータを記述する仕組みの概念図である。図14において、1401は複写機、1402は複写機に設置されたアンテナ、1403、1405は印刷対象である白紙の原稿用紙、1404、1406はそれぞれ原稿用紙1403、1405に付加された記録媒体である。図14に示す(A)と(B)のアンテナ1402は同一のものであり、記録媒体1404と無線通信を行い、電子情報を記録媒体1404に記録することができる。また、アンテナ1402の位置は特に図の通りである必要はなく、記録媒体1404と無線通信が行える位置にあれば良い。
【0085】
尚、本実施形態では、アンテナ1402と書き込み対象となる記録媒体1404との間で無線通信を行い、所望の情報を記録媒体1404に記録する方法について説明するが、特にこの方法に限定されるものではなく、特定された記録媒体に対して情報が書き込めれば良い。
【0086】
例えば、2ページからなるPDLデータを記録媒体に書き込む場合を例にとり説明する。複写機1401は原稿用紙1403、1405に対し、PDLデータから解析された印刷情報を印刷するが、そのとき併せて記録媒体1404、1406に全原稿全ページのPDLデータを記録するものである。
【0087】
基本的なPDL画像出力時のシーケンスについては、前述した<PDL画像出力時のシーケンス>において説明した通りだが、本実施形態では、更に図15に示すような以下の処理を行う。
【0088】
図15は、図11に示した基本的なPDL画像出力時のシーケンスに、本実施形態特有の処理を加えたものである。図15に示す例では、本実施形態特有の処理は図11に示したS1107とS1108の間で行うように記載されているが、特にこの間で処理を行う必要は無く、図11中のどの部分で行ってもかまわない。
【0089】
ここでは、図1に示すPC401から2ページのPDLデータが複写機に送られた場合について説明する。また、PDLデータが原稿用紙に印刷されるが、記録媒体1404に1ページ目のデータ、記録媒体1406に2ページ目のデータが印刷されるものとする。尚、図11に示したS1101〜S1107、S1108のシーケンスに関しては、前述したので詳しい説明はここでは省く。
【0090】
図15に示すS1501において、複写機1401の内部に存在する原稿用紙は、原稿用紙1と原稿用紙2というように複数枚存在することもあるため、アンテナ1402は原稿用紙1403、1405にそれぞれ付加された記録媒体1404、1406と通信を行い、全原稿の全ページのPDLデータを記録する対象となる記録媒体を特定する。尚、記録媒体特定の手段については、ここではこだわらないこととする。例えば、原稿用紙に付加された記録媒体それぞれが固有のIDを持ち、それにより情報記録対象となる記録媒体を特定する、或いは単純にアンテナに近いものを情報記述対象にするなど様々考えられる。
【0091】
次に、S1502において、S1501で特定された記録媒体に対し、全原稿の全ページ分のPDLデータを書き込む処理を行う。そして、上述のS1501及びS1502の各処理を原稿用紙枚数分だけ繰り返し行い、全ての原稿用紙の記録媒体に対し、全原稿全ページのPDLデータを書き込む。
【0092】
その後、図11に示したS1108において、制御装置110が、プリンタ部300を制御して画像データをプリント出力する。画像データの転送が完了すると、即ち当該PDLジョブが終了すると、プリント出力を終了する。1ページ目には、PDLデータの1ページ目のデータが印刷され、2ページ目には、PDLデータの2ページ目のデータがそれぞれ印刷され、前述した図13のような状態となる。
【0093】
<原稿に付加された記録媒体から情報を読み取る手段の説明>
図16は、原稿に付加された記録媒体に記録されている電子情報の読取方法を説明するための概念図である。図16において、1402は図14に示す複写機に設置されたアンテナ、1601は原稿1、1604は原稿2であり、コピー元となる原稿で2ページから構成されている。1602は原稿1に付加された記録媒体、1605は原稿2に付加された記録媒体であり、1603は原稿1に印刷されている情報、1604は原稿2に印刷されている情報を表している。
【0094】
尚、記録媒体1602、1605には、既に原稿1、原稿2に印刷されている全原稿全ページ情報が書き込まれており、<原稿用紙に付加する記録媒体の構成説明>の項で説明したような図13に示した原稿であるとする。
【0095】
1403、1405は、コピー先となる白紙の原稿用紙であり、1404、1406はそれぞれ原稿用紙に付加された記録媒体である。これらは図14に示したものと同一のものである。
【0096】
いま、図1に示す原稿給紙ユニット250上に1601、1604の2枚からなる原稿が載置され、コピー動作を行った場合を例にとり原稿に付加された記録媒体から情報を読み取る手段について説明する。
【0097】
基本的なコピー動作時のシーケンスについては、前述した<コピー画像出力時のシーケンス>において示した通りだが、本実施形態でのコピー動作は図17に示すようなシーケンスとなる。尚、図中のS1701〜S1711は各ステップを示す。
【0098】
コピー画像を出力する場合、S1701において、操作部150上でユーザが当該コピー画像出力ジョブのコピー設定を行う。コピー設定内容は、部数、用紙サイズ、片面/両面、拡大/縮小率、ソート出力、ステイプル止めの有無等である。次に、S1702において、操作部150上でコピー開始指示を与えると、記録媒体1602、1605とアンテナ1402が通信を行い、1ページ目の情報が印刷されている原稿1上の記録媒体1602を特定する。本実施形態では、記録媒体1602、記録媒体1605両方ともに全原稿の全ページデータが書き込まれているため、特に1ページ目を特定し、そこから全原稿の情報を読み取る必要は無いが、ここでは1ページ目から全原稿の情報を読み取るものとする。
【0099】
次に、S1703において、S1702で特定された記録媒体1602から、無線通信を利用して全原稿の全ページのPDLデータを読み取る。もしコピー時に、2ページで構成される原稿1601、1604のうち原稿2が紛失していたとする。その場合、原稿2に付加された記録媒体1605は存在しないが、原稿1に付加された記録媒体1602に、記録媒体1605に記録されている情報と全く同一の全原稿全ページのPDL情報が書き込まれているため、そこから原稿2に印刷されている情報の復元が可能である。
【0100】
次に、S1704において、S1701で設定したコピー設定パラメータと共に、本画像入出力装置の制御装置110にS1703で得られた全原稿全ページのPDLデータを転送する。そして、S1705では、制御装置110のメインコントローラ111のCPU112が、コネクタ122及びNetworkController121を介して転送されたPDLデータをコピー設定パラメータに基づいて画像データに展開(ラスタライズ)する。画像データの展開は、DRAM116上に行われる。画像データの展開が完了するとS1706へ進む。このS1706では、メインコントローラ111がDRAM116上に展開された画像データを、Graphic Processor135に転送する。
【0101】
次に、S1707において、Graphic Processor135がコピー設定パラメータとは独立に画像処理を行う。例えば、コピー設定パラメータで指定された用紙サイズがA4であるにもかかわらず、プリンタ部300の給紙ユニット360にはA4R用紙しかない場合、Graphic Processor135で画像を90度回転することにより出力用紙にあわせた画像出力を行うことができる。画像データの画像処理が完了するとS1708へ進む。このS1708では、Graphic Processor135がメインコントローラ111へ画像処理後の画像データを転送し、メインコントローラ111が転送されてきた画像データをDRAM116上に記憶する。次に、S1709において、メインコントローラ111はプリンタI/F145及びコネクタ147を介してプリンタ部300を制御しつつ、適切なタイミングでDRAM116上の画像データをプリンタ部300へと転送する。
【0102】
次に、S1710において、図15のS1501〜S1503の処理を行い、S1703の処理で読み取った記録媒体1602上の全情報をコピー先の原稿用紙1上の記録媒体1404へ書き込む処理を行う。これらの処理を行ったときに、1ページ目の原稿用紙1上の記録媒体1404には、全原稿全ページのPDL情報が書き込まれる。そして、S1711において、制御装置110がプリンタ部300を制御して画像データをプリント出力する。画像データの転送が完了すると、即ち当該ジョブが終了すると、プリント出力を終了する。
【0103】
これら図17に示すシーケンス処理を行った結果、コピー元の原稿1601の記録媒体1602に書き込まれた内容と、コピー先の原稿1403の記録媒体1404に書き込まれた内容は完全に一致する。また、コピー元の原稿1604の記録媒体1605に書き込まれた内容と、コピー先の原稿1405の記録媒体1406に書き込まれた内容も完全に一致する。
【0104】
このように、図17に示すシーケンスにより、複数ページ原稿の一部が破損、紛失した場合でも全原稿の情報を復元し印刷することが可能となる。
【0105】
尚、本発明は複数の機器(例えば、ホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
【0106】
また、本発明の目的は前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0107】
この場合、記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0108】
このプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0109】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0110】
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数ページからなる原稿の各ページに原稿全ページの情報を記録した記録媒体を付加しておくことにより、原稿の一部が破損或いは紛失した場合も全原稿の情報を復元して画像形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における画像入出力システムの全体構成を示す図である。
【図2】リーダー部200及びプリンタ部300の側断面図である。
【図3】リーダー画像処理部222の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】制御装置110の機能を説明するためのブロック図である。
【図5】スキャナI/F140の画像処理を担う部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【図6】ACS(オートカラーセレクト)カウント部503を説明するための図である。
【図7】プリンタI/F145の画像処理を担う部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【図8】Graphic Processor135の詳細な構成を示すブロック図である。
【図9】不連続なアドレスから画像データを転送する際の動作を示す図である。
【図10】画像回転部801における回転動作を示す図である。
【図11】本実施形態におけるPDL画像の出力処理を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態におけるコピー画像出力の手順を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態で用いる原稿用紙に埋め込む記録媒体の概念図である。
【図14】印刷対象である白紙の原稿用紙に付加された記録媒体に、印刷するデータを記述する仕組みの概念図である。
【図15】図11に示した基本的なPDL画像出力時のシーケンスに、本実施形態特有の処理を加えたものである。
【図16】原稿に付加された記録媒体に記録されている電子情報の読取方法を説明するための概念図である。
【図17】本実施形態におけるコピー動作時のシーケンスを示す図である。
Claims (10)
- 電子情報を記録可能な記録媒体が付加された原稿の画像形成を行う画像形成装置であって、
前記記録媒体から前記原稿に関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した原稿に関する情報に基づいて画像形成を行う画像形成手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記原稿に関する情報は、原稿面に印刷されている情報及び印刷に必要な情報であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記原稿面に印刷されている情報及び印刷に必要な情報は、前記原稿の全ページを構成するための全ての情報であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記取得手段は、無線通信によって前記原稿に関する情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 電子情報を記録可能な記録媒体が付加された原稿の画像形成を行う画像形成方法であって、
前記記録媒体から前記原稿に関する情報を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得した原稿に関する情報に基づいて画像形成を行う画像形成工程とを有することを特徴とする画像形成方法。 - 前記原稿に関する情報は、原稿面に印刷されている情報及び印刷に必要な情報であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
- 前記原稿面に印刷されている情報及び印刷に必要な情報は、前記原稿の全ページを構成するための全ての情報であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
- 前記取得工程では、無線通信によって前記原稿に関する情報を取得することを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
- コンピュータを請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の画像形成装置として機能させるためのプログラム。
- 請求項9に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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