以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
[第1の実施の形態]
本実施の形態では、画像入力及び画像出力を行う画像入出力システムとして、モノクロ及びカラーの印刷機能を有する複写機を例に挙げ説明する。
<画像入出力システムの全体構成>
図1は、本実施の形態に係る画像入出力システム(以下複写機と称する)の構成を示すブロック図である。
図1において、複写機100は、制御装置(コントローラ部)(書込手段、読取手段、印刷制御手段、判断手段、警告手段)110、操作部150(警告手段、選択手段)、ハードディスクドライブ160、アンテナ170、リーダ部(画像入力部)200、プリンタ部(画像出力部)300を備えている。また、複写機100は、LAN等のネットワーク400を介して、ホストコンピュータとしてのパーソナルコンピュータ(以下PC)401、402と通信可能に構成されている。
リーダ部200は、原稿の画像を光学的に読み取り、原稿の光学像を画像データ(電気信号)に変換する画像入力部である。リーダ部200は、原稿の画像を読み取る機能を有するスキャナユニット210と、原稿を読取位置へ搬送する機能を有する原稿給送ユニット(DF(Document Feeder)ユニット)250とを備えている。
プリンタ部300は、給紙ユニット350から用紙を印刷位置へ搬送し、用紙上に画像データを可視画像として印刷すると共に、画像が印刷された用紙を複写機外部へ排紙する画像出力部である。プリンタ部300は、複数種類の用紙カセットを有する給紙ユニット350と、画像を用紙に転写し定着させる機能を有するマーキングユニット310と、画像が印刷された用紙に後処理(ソート処理、ステイプル処理など)を施して複写機外部へ排紙する機能を有する排紙ユニット370とを備えている。
制御装置110は、リーダ部200、プリンタ部300、操作部150、CD−ROM160と電気的に接続され、更にネットワーク400を介してPC401、402と接続されている。制御装置110は、後述の図4に示す構成に加えて、アプリケーションソフトウェアで編集可能な形式のデータをPDL(Page Description Language)データに変換するPDL変換処理部と、PDLデータが解釈可能か否かを判断するPDL解釈処理部(以上図示略)を備えている。
制御装置110は、リーダ部200を制御することで原稿の画像を読み取り、プリンタ部300を制御することで画像を用紙に印刷する、コピー機能を提供する。また、制御装置110は、リーダ部200により原稿から読み取った画像データをコードデータに変換し、ネットワーク400を介してPC401、402へ送信するスキャナ機能と、PC401、402からネットワーク400を介して受信したコードデータを画像データに変換し、プリンタ部300に出力するプリンタ機能を提供する。
操作部150は、後述する液晶表示部(液晶タッチパネル)等から構成されており、複写機100を操作するためのユーザインタフェースを提供する。ハードディスクドライブ160は、制御装置110の外部記憶装置として使用される。アンテナ170は、複写対象の原稿に付加された記憶媒体との間で無線通信を行う。アンテナ170及び記憶媒体の詳細については後述する。
<リーダ部及びプリンタ部の構成>
図2は、複写機のリーダ部200及びプリンタ部300の内部構造を示す構成図である。
図2において、リーダ部200は、原稿給送ユニット250と、光学ユニット213、光学ユニット221、CCDイメージセンサ(以下CCDと略称)218、リーダ画像処理部222等を有するスキャナユニット210とを備えている。プリンタ部300は、レーザ発光部313〜316、レーザドライバ317、感光ドラム325〜328、現像器321〜324、転写ベルト334、定着部335、プリンタ画像処理部352、給紙ユニット350(用紙カセット360、361)、手差しトレイ362、排紙ユニット370等を備えている。
リーダ部200において、原稿給送ユニット250は、原稿積載部(図示略)に載置された複数枚の原稿を先頭順に1枚ずつプラテンガラス211上へ給送し、原稿の読み取り動作の終了後、プラテンガラス211上の原稿を排出するものである。尚、光学ユニット213は速度Vで移動され、光学ユニット221は速度(1/2)Vで移動される。
原稿がプラテンガラス211上に搬送されると、光学ユニット213のランプ212を点灯し、光学ユニット213の移動を開始させて、原稿を露光走査する。この時の原稿からの反射光は、ミラー214、215、216及びレンズ217によってCCD218へ導かれ、電気信号に光電変換される。このように、露光走査された原稿の画像はCCD218によって読み取られる。リーダ画像処理部222は、CCD218から出力される画像データに所定の処理を施し、処理後の画像データを制御装置110へスキャナI/F140(図4参照)を介して出力する。
プリンタ部300において、プリンタ画像処理部352は、制御装置110からプリンタI/F145(図4参照)を介して送られる画像信号をレーザドライバ317へ出力する。レーザドライバ317は、レーザ発光部313〜316を駆動するものであり、プリンタ画像処理部352から出力された画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部313〜316により発光させる。
レーザ発光部313〜316により発光されたレーザ光は、ミラー340〜351によって、感光ドラム325〜328に照射される。これにより、感光ドラム325〜328には、レーザ光に応じた潜像が形成される。現像器321〜324は、それぞれブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)の現像剤によって、各感光ドラム上の潜像を現像するものであり、現像された各色のトナーは用紙に転写され、フルカラーのプリントアウトがなされる。尚、図示のdは各感光ドラムの中心間の距離である。
他方、用紙カセット360、用紙カセット361、手差しトレイ362のいずれかより、上記レーザ光の照射開始と同期したタイミングで給紙された用紙は、レジストローラ333を経て、転写ベルト334上に吸着され搬送される。尚、転写ベルト334は速度vで循環駆動される。そして、感光ドラム325〜328に付着された現像剤が用紙に転写される。現像剤が転写された用紙は定着部335に搬送され、定着部335の熱と圧力により現像剤が用紙に定着される。定着部335を通過した用紙は、排出ローラ336によって排紙ユニット370へ排出される。
排紙ユニット370は、排出された用紙を束ねて仕分けるソート処理、仕分けされた用紙を綴じるステイプル処理を行う。排紙ユニット370でソート処理、ステイプル処理が行われた用紙は、排紙トレイ371へ排出される。
用紙の両面に画像を印刷する両面印刷が設定されている場合は、一方の面に画像が形成された用紙を排出ローラ336の位置まで搬送した後、排出ローラ336の回転方向を逆転させ、フラッパ337によって用紙を再給紙搬送路338へ導く。再給紙搬送路338へ導かれた用紙は、上述したタイミングで転写ベルト334へ給紙されて吸着され、他方の面に画像が形成される。
<リーダ画像処理部の構成>
図3は、リーダ部200のリーダ画像処理部222の詳細な構成を示すブロック図である。
図3において、リーダ画像処理部222は、クランプ・アンプ・S/H・A/D部401、シェーディング部402を備えている。
上述したように、プラテンガラス211上の原稿はCCD218に読み取られ、原稿の光学像が電気信号に変換される。尚、CCD218は、該CCD218がカラーセンサの場合、RGBのカラーフィルタが1ラインCCD上にRGB順にインラインに乗ったものでも構わないし、3ラインCCDで、それぞれRフィルタ・Gフィルタ・BフィルタをそれぞれのCCDごとに並べたものでも構わないし、フィルタがオンチップ化されたものでも構わないし、フィルタがCCDと別構成になったものでも構わない。
CCD218から出力された電気信号(アナログ画像信号)は、画像処理部222に入力され、クランプ・アンプ・S/H・A/D部401でサンプルホールド(S/H)され、アナログ画像信号のダークレベルが基準電位にクランプされ、所定量に増幅され(上記処理順番は表記順とは限らない)、アナログ/デジタル(A/D)変換されて、例えばRGB各8ビットのデジタル信号に変換される。そして、RGB信号は、シェーディング部402でシェーディング補正及び黒補正が施された後、制御装置110へ出力される。
<制御装置の構成>
図4は、制御装置110の構成を示すブロック図である。
図4において、制御装置110は、メインコントローラ111、ROM114、DRAM116、コーデック118、SRAM119、ネットワークコントローラ121、コネクタ122、拡張コネクタ124、I/O制御部126、LCDコントローラ131、パネルインタフェース132、グラフィックプロセッサ135、SRAM136、スキャナI/F140、リアルタイムクロックモジュール133、バックアップ用電池134、コネクタ142、プリンタI/F145、コネクタ147、E−IDE(Enhanced-Integrated Device Electronics)インタフェース(以下I/Fと略称)161、ハードディスクドライブ160、ハードディスク162を備えている。
メインコントローラ111は、主に、CPU112、バスコントローラ113、各種I/Fコントローラ回路から構成されている。CPU112とバスコントローラ113は、制御装置110全体の動作を制御する。CPU112は、ROM114からROM I/F115を経由して読み込んだプログラムに基いて動作する。また、PCから受信したPDLコードデータを解釈しラスタイメージデータに展開する動作も、このプログラムに記述されており、ソフトウェアによって処理される。バスコントローラ113は、各I/Fを介して入出力されるデータの転送を制御するものであり、バス競合時の調停やDMA(Direct Memory Access)データ転送の制御を行う。
DRAM116は、DRAM I/F117によってメインコントローラ111と接続されており、CPU112が動作するためのワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
コーデック(Codec:Coder-Decoder)118は、DRAM116に蓄積されたラスタイメージデータを、MH(Modified Huffman)/MR(Modified Read)/MMR(Modified Modified Read)/JBIG(Joint Bi-level Image Experts Group)/JPEG(Joint Photographic Experts Group)等の方式で圧縮し、また、逆に圧縮され蓄積されたコードデータをラスタイメージデータに伸長する。コーデック118は、I/F120を介してメインコントローラ111と接続されており、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御され、DMA転送により行われる。SRAM119は、コーデック118の一時的なワーク領域として使用される。
グラフィックプロセッサ(Graphic Processor)135は、DRAM116に蓄積されたラスタイメージデータに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化の処理をそれぞれ行う。グラフィックプロセッサ135は、I/F137を介してメインコントローラ111と接続されており、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御され、DMA転送により行われる。SRAM136は、グラフィックプロセッサ135の一時的なワーク領域として使用される。
ネットワークコントローラ(Network Controller)121は、I/F123によってメインコントローラ111と接続され、コネクタ122によって複写機外部のネットワーク400と接続される。ネットワークとしては一般的にイーサネット(登録商標)が挙げられる。汎用高速バス125には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ124とI/O制御部126とが接続される。汎用高速バスとしては、一般的にPCI(Peripheral Component Interconnect)バスが挙げられる。
I/O制御部126は、リーダ部200及びプリンタ部300の各CPUとの間で制御コマンドを送受信するための調歩同期シリアル通信コントローラ127を2チャンネル装備しており、I/Oバス128によって外部I/F回路であるスキャナI/F140及びプリンタI/F145に接続されている。
パネルI/F132は、LCDコントローラ131に接続されており、操作部150に装備された液晶表示部の画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーの入力を行うためのキー入力I/F130とから構成されている。操作部150(図1参照)は、液晶表示部と、液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーとを備えている。タッチパネル入力装置またはハードキーにより入力された信号は、パネルI/F132を介してメインコントローラ111のCPU112に伝えられる。液晶表示部は、パネルI/F132から送られてきた画像データ、複写機100の操作に関する機能等を表示する。
リアルタイムクロックモジュール133は、複写機100内部で管理する日付と時刻を更新/保存するためのものであり、バックアップ用電池134によってバックアップされている。E−IDE I/F161は、制御装置110に外部記憶装置を接続するためのインタフェースである。本実施の形態においては、E−IDE I/F161を介してハードディスクドライブ160を接続し、ハードディスク162へ画像データを記憶し、ハードディスク162から画像データを読み出す動作を行う。尚、画像データ記憶手段としてはハードディスク162に代えて例えばCD−ROM等を用いてもよい。
コネクタ142とコネクタ147は、それぞれ、リーダ部200とプリンタ部300とに接続されている。コネクタ142とスキャナI/F140との間には、同調歩同期シリアルI/F143とビデオI/F144が接続されている。コネクタ147とプリンタI/F145との間には、同調歩同期シリアルI/F148とビデオI/F149が接続されている。
スキャナI/F140は、コネクタ142を介してリーダ部200と接続され、また、スキャナバス141によってメインコントローラ111と接続されており、リーダ部200から受け取った画像に対して所定の処理を施す機能を有し、更に、リーダ部200から送られたビデオ制御信号を基に生成した制御信号をスキャナバス141に出力する機能も有する。スキャナバス141からDRAM116へのデータ転送は、バスコントローラ113によって制御される。
プリンタI/F145は、コネクタ147を介してプリンタ部300と接続され、また、プリンタバス146によってメインコントローラ111と接続されており、メインコントローラ111から出力された画像データに所定の処理を施してプリンタ部300へ出力する機能を有し、更に、プリンタ部300から送られたビデオ制御信号を基に生成した制御信号をプリンタバス146に出力する機能も有する。DRAM116上に展開されたラスタイメージデータのプリンタ部300への転送は、バスコントローラ113によって制御され、プリンタバス146及びビデオI/F149を経由してプリンタ部300へDMA転送される。
<スキャナI/Fの画像処理部の構成>
図5は、スキャナI/F140の画像処理に関する部分の詳細な構成を示すブロック図である。
図5において、スキャナI/F140は、つなぎ・MTF(Modulation Transfer Function)補正部601、入力マスキング部602、ACS(Auto Color Select:オートカラーセレクト)カウント部603を備えている。
つなぎ・MTF補正部601は、リーダ部200から制御装置110へコネクタ142を介して送られる画像信号に対して、次のようなつなぎ処理とMTF補正処理を行う。即ち、つなぎ・MTF補正部601は、CCD218が例えば3ラインCCDの場合、つなぎ処理については、ライン間の読取位置が異なるため、読取速度に応じてライン毎の遅延量を調整し、3ラインの読取位置が同じになるように信号タイミングを補正し、MTF補正処理については、読取速度によって読み取りのMTFが変わるため、その変化を補正する。
入力マスキング部602は、読取位置タイミングが補正されたデジタル信号における、CCD218の分光特性及びランプ212及びミラー214、215、216の分光特性を補正する。入力マスキング部602の出力信号はACSカウント部405及びメインコントローラ111へ送られる。
<ACSカウント部の構成>
図6は、ACSカウント部の構成を示すブロック図である。
図6において、ACSカウント部は、フィルタ501、領域検出回路502、色判定部503、カウンタ504、レジスタ(1〜4)507〜510を備えている。
オートカラーセレクト(以下ACS)手法は、原稿がカラーであるか白黒であるかを判定する手法である。つまり、画素ごとの彩度を求めて或る閾値以上の画素がどれだけ存在するかに基づいて原稿のカラー/白黒判定を行う手法である。しかし、白黒原稿の白黒画像であっても、MTF等の影響により、ミクロ的に見るとエッジ周辺に色画素が多数存在し、単純に画素単位でACS判定を行うのは難しい。このACS手法については様々な方法が提供されているが、本実施の形態ではACS手法の方法にはこだわらないため、ごく一般的な手法について説明を行う。
上述したように、白黒画像でもミクロ的に見ると色画素が多数存在するわけであるから、その画素が本当に色画素であるかどうかは、注目画素に対して周辺の色画素の情報で判定する必要がある。フィルタ501は、そのためのフィルタであり、注目画素に対して周辺画素を参照するためにFIFO(First In First Out)の構造をとる。
領域検出回路502は、メインコントローラ111によりレジスタ507〜510に設定された値と、リーダ部200から送られたビデオ制御信号512とに基づき、ACSをかける領域信号505を作成する。色判定部503は、ACSをかける領域信号505に基づき、注目画素に対してフィルタ501のメモリ内の周辺画素を参照し、注目画素が色画素か白黒画素かを判定する。カウンタ504は、色判定部503から出力された色判定信号506の個数を計数する。
メインコントローラ111は、原稿の読み取り範囲に対してACSをかける領域を決定し、決定した値をレジスタ507〜510に設定する。また、メインコントローラ111は、ACSをかける領域内での色判定信号の個数を計数するカウンタ504の値を所定の閾値と比較し、当該原稿がカラーであるか白黒であるかを判断する。
レジスタ507〜510には、主走査方向、副走査方向それぞれについて、色判定部503により注目画素が色画素か白黒画素かの判定を開始する位置と、判定を終了する位置を、リーダ部200から送られたビデオ制御信号512に基づいて設定しておく。本実施の形態では、上記の判定開始位置と判定終了位置を、実際の原稿の大きさよりもそれぞれ例えば10mm程度小さめに設定している。
<プリンタI/Fの画像処理部の構成>
図7は、プリンタI/F145の画像処理に関する部分の詳細な構成を示すブロック図である。
図7において、プリンタI/F145は、LOG変換部701、モアレ除去部702、UCR・マスキング部703、γ補正部704、フィルタ部705を備えている。
メインコントローラ111からプリンタバス146を介して送られる画像信号は、まず、プリンタI/F145のLOG変換部701に入力される。LOG変換部701は、LOG変換によりRGB信号からCMY信号に変換する。次に、モアレ除去部702は、LOG変換部701から出力されるCMY信号からモアレを除去する。UCR・マスキング部703は、UCR処理により、モアレ除去部702でモアレ除去処理されたCMY信号からCMYK信号を生成し、マスキング処理により、プリンタ部300の出力にあった信号に補正する。
γ補正部704は、UCR・マスキング部703で処理された信号の濃度調整を行う。フィルタ部705は、γ補正部704から出力される信号にスムージング処理またはエッジ処理を行う。これらの処理を経て、コネクタ147を介してプリンタ部300へ画像信号が送られる。
<グラフィックプロセッサの構成>
図8は、グラフィックプロセッサ135の詳細な構成を示すブロック図である。
図8において、グラフィックプロセッサ135は、画像回転部801、画像変倍部802、色空間変換部803、ルックアップテーブル(以下LUT:Look-Up Table)804、画像二値化部805を備えている。
グラフィックプロセッサ135は、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化の処理をそれぞれ行うモジュール(画像回転部801、画像変倍部802、色空間変換部803、画像二値化部805)を有する。SRAM136は、グラフィックプロセッサ135の各々のモジュールの一時的なワーク領域として使用される。各々のモジュールが用いるSRAM136のワーク領域が競合しないように、予め各々のモジュールごとにワーク領域が静的に割り当てられているものとする。
バスコントローラ113は、グラフィックプロセッサ135の各々のモジュールにモード等を設定する制御、及び各々のモジュールに画像データを転送するためのタイミング制御を行う。
<画像回転部の処理手順>
次に、グラフィックプロセッサ135の画像回転部801における処理手順を説明する。
メインコントローラ111のCPU112からバスコントローラ113に画像回転制御のための設定を行う。この設定により、バスコントローラ113は、I/F137を介して画像回転部801に対して画像回転に必要な設定(例えば画像サイズや回転方向・回転角度等)を行う。必要な設定を行った後に、再度、CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113は、DRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。
尚、ここでは、回転を行う画像サイズを32画素×32ラインとし、また、画像バス(図示略)上に画像データを転送させる際に24byte(RGB各々8bitで1画素分)を単位とする画像データ転送を行うものとする。
図9は、画像回転部801の画像データ転送動作を説明する図であり、図10は、画像回転部801の画像データ回転動作を説明する図である。
上述したように、32画素×32ラインの画像を得るためには、図9に示すように、上記24byte(RGB各々8bitで1画素分)を単位とする画像データ転送を32×32回行う必要があり、且つ不連続なアドレスから画像データを転送する必要がある。
不連続アドレッシングにより転送された画像データは、読み出し時に所望の角度に回転されているように、SRAM136に書き込まれる。例えば、画像データを反時計方向に90度回転させる場合は、転送される画像データを、図10に示すようにY方向に書き込んでいく。画像データの読み出し時には、X方向に画像データを読み出すことで、画像データが回転される。
画像回転部801は、32画素×32ラインの画像データ回転(SRAM136への書き込み)が完了した後、SRAM136から上述した読み出し方法で画像データを読み出し、バスコントローラ113に画像データを転送する。
回転処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は、連続アドレッシングにより、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
こうした一連の処理は、 CPU112からの処理要求が無くなるまで(必要なページ数の処理が終了したときまで)繰り返される。
<画像変倍部の処理手順>
次に、グラフィックプロセッサ135の画像変倍部802における処理手順を説明する。
メインコントローラ111のCPU112からバスコントローラ113に画像変倍制御のための設定を行う。この設定により、バスコントローラ113は、I/F137を介して画像変倍部802に対して画像変倍に必要な設定(主走査方向の変倍率、副走査方向の変倍率、変倍後の画像サイズ等)を行う。必要な設定を行った後に、再度、CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113は、DRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。
画像変倍部802は、バスコントローラ113から受け取った画像データをSRAM136に一時格納し、SRAM136を入力バッファとして用いて、格納したデータに対し主走査方向及び副走査方向の変倍率に応じて、必要な画素数、ライン数の分の補間処理を行って画像を拡大もしくは縮小する、変倍処理を実行する。画像変倍部802は、変倍処理後の画像データを再度SRAM136へ格納し、SRAM136を出力バッファとして用いて、SRAM136から画像データを読み出し、バスコントローラ113に転送する。
変倍処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
<色空間変換部の処理手順>
次に、グラフィックプロセッサ135の色空間変換部803における処理手順を説明する。
メインコントローラ111のCPU112からバスコントローラ113に色空間変換制御のための設定を行う。この設定により、バスコントローラ113は、I/F137を介して色空間変換部803及びLUT804に対して色空間変換処理に必要な設定(後述のマトリックス演算の係数、LUT804のテーブル値等)を行う。必要な設定を行った後に、再度、CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113は、DRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。
色空間変換部803は、バスコントローラ113から受け取った画像データ1画素ごとに対して、まず下記の式で表される3×3のマトリックス演算を施す。
上式において、R、G、Bが入力、X、Y、Zが出力、a11、a12、a13、a21、a22、a23、a31、a32、a33、b1、b2、b3、c1、c2、c3がそれぞれ係数である。上式の演算によって、例えばRGB色空間からYuv色空間への変換など、各種の色空間変換を行うことができる。
次に、マトリックス演算後のデータに対して、LUT804による変換を行う。これによって、非線形の変換をも行うことができる。当然、スルーのテーブル(入力値と出力値が同じ値のテーブル)を設定することにより、実質的にLUT変換を行わないこともできる。その後、色空間変換部803は、色空間変換処理された画像データをバスコントローラ113に転送する。
色空間変換処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
<画像二値化部の処理手順>
次に、グラフィックプロセッサ135の画像二値化部805における処理手順を説明する。
メインコントローラ111のCPU112からバスコントローラ113に二値化制御のための設定を行う。この設定により、バスコントローラ113は、I/F137を介して画像二値化部805に対して二値化処理に必要な設定(二値化処理時の変換方法に応じた各種パラメータ等)を行う。必要な設定を行った後に、再度、CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113は、DRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。
画像二値化部805は、バスコントローラ113から受け取った画像データに対して二値化処理を施す。本実施の形態では、二値化処理の手法としては、画像データを所定の閾値と比較して単純に二値化するものとする。勿論、ディザ法、誤差拡散法、誤差拡散法を改良したものなど、いずれの手法によっても構わない。その後、画像二値化部805は、二値化処理された画像データをバスコントローラ113に転送する。
二値化処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
<PDL画像出力時のシーケンス>
次に、複写機100においてPDL画像を印刷出力する時のシーケンスについて説明する。
図11は、PDL画像出力の手順を示すフローチャートである。
図11において、PDL画像を印刷出力する場合、ユーザがPC401の操作部からネットワーク400を介して、複写機100にPDL画像を用紙に印刷出力させるPDL画像出力ジョブを実行するためのプリント設定を行う(ステップS1001)。プリント設定パラメータの内容は、印刷部数、印刷に使用する用紙のサイズ、用紙の片面に印刷するか両面に印刷するかの区別、印刷した用紙(ページ)の出力順序、印刷した用紙に対するソートの有無、印刷した用紙に対するステイプル止めの有無、等である。
次に、ユーザがPC401の操作部からネットワーク400を介して複写機100に印刷指示を与え、それと共にPC401上にインストールされているドライバソフトウェアは、PC401上の印刷対象となるコードデータをいわゆるPDLデータに変換して、該PDLデータを上記ステップS1001で設定したプリント設定パラメータと共に、ネットワーク400を介して複写機100の制御装置110に転送する(ステップS1002)。
次に、制御装置110のメインコントローラ111のCPU112は、コネクタ122及びネットワークコントローラ121を介してPC401から転送されてきたPDLデータを、該PDLデータと共に転送されてきたプリント設定パラメータに基づいて画像データに展開(ラスタライズ)する(ステップS1003)。画像データの展開は、DRAM116上に行われる。
次に、メインコントローラ111は、DRAM116上に展開された画像データをグラフィックプロセッサ135に転送する(ステップS1004)。
次に、グラフィックプロセッサ135は、上記プリント設定パラメータとは独立に画像処理を行う(ステップS1005)。例えば、上記プリント設定パラメータで指定された用紙サイズが「A4」であるにも関わらず、プリンタ部300の給紙ユニット350(給紙カセット360、361)には「A4R」用紙しかない場合には、グラフィックプロセッサ135の画像回転部801により画像データを90度回転することによって、出力用紙に合わせた画像出力を行うことができる。
次に、グラフィックプロセッサ135は、画像処理後の画像データをメインコントローラ111へ転送する。メインコントローラ111は、転送されてきた画像データをDRAM116上に記憶する(ステップS1006)。
次に、メインコントローラ111は、プリンタI/F145及びコネクタ147を介してプリンタ部300を制御しつつ、適切なタイミングでDRAM116上の画像データをプリンタ部300へ転送する(ステップS1007)。
次に、制御装置110は、プリンタ部300を制御することで画像データを用紙に印刷するプリント出力を実行させる(ステップS1008)。画像データの転送が完了すると、即ち、当該PDL画像出力ジョブが終了すると、本処理を終了する。
<コピー画像出力時のシーケンス>
次に、複写機100においてコピー画像を印刷出力する時のシーケンスについて説明する。
図12は、コピー画像出力の手順を示すフローチャートである。
図12において、コピー画像を印刷出力する場合、ユーザが複写機100の操作部150から、複写機100に原稿から読み取った画像を用紙に印刷出力させるコピー画像出力ジョブを実行するためのコピー設定を行う(ステップS1101)。コピー設定パラメータの内容は、コピー部数、コピーに使用する用紙のサイズ、用紙の片面にコピーするか両面にコピーするかの区別、コピー倍率(拡大率/縮小率)、コピーした用紙に対するソートの有無、コピーした用紙に対するステイプル止めの有無、等である。
次に、ユーザが操作部150から複写機100にコピー開始指示を与えると、複写機100の制御装置110のメインコントローラ111は、スキャナI/F140及びコネクタ142を介してリーダ部200を制御することで、原稿から画像データを読み取る動作を実行させる。まず、原稿給送ユニット250は、原稿積載部に載置された原稿を1枚ずつプラテンガラス211上へ給送し、その際同時に原稿サイズ検知センサ(図示略)により原稿のサイズを検知する。検知された原稿のサイズに基づいて原稿を露光走査することにより、原稿から画像データを読み取るわけである。読み取られた画像データはDRAM116上に記憶される(ステップS1102)。
従来の複写機では、上記コピー設定における拡大/縮小率の設定に応じて、即ち、副走査方向の変倍率に応じて、光学ユニット213の移動速度を変化させることにより副走査方向の変倍処理を実現していた。これに対し、本実施の形態の複写機100では、上記コピー設定における拡大/縮小率の設定に関わらず等倍(100%)で原稿から画像データを読み取り、また、変倍処理については、主走査方向及び副走査方向ともに後述するグラフィックプロセッサ135によって行うものとする。
次に、メインコントローラ111は、上記原稿の読み取りに伴いDRAM116上に記憶された画像データをグラフィックプロセッサ135に転送する(ステップS1103)。
次に、グラフィックプロセッサ135は、上記コピー設定パラメータに基づいて画像処理を行う(ステップS1104)。例えば、拡大率400%の設定がなされているときには、グラフィックプロセッサ135内のモジュールである画像変倍部802を用いて主走査方向と副走査方向の双方への変倍処理を行う。
次に、グラフィックプロセッサ135は、メインコントローラ111へ画像処理後の画像データを転送する。メインコントローラ111は、転送されてきた画像データをDRAM116上に記憶する(ステップS1105)。
次に、メインコントローラ111は、プリンタI/F145及びコネクタ147を介してプリンタ部300を制御しつつ、適切なタイミングでDRAM116上の画像データをプリンタ部300へ転送する(ステップS1106)。
次に、制御装置110は、プリンタ部300を制御することで画像データを用紙に印刷するプリント出力を実行させる(ステップS1107)。画像データの転送が完了すると、即ち、当該コピー画像出力ジョブが終了すると、本処理を終了する。
<原稿に付加される記憶媒体の構成>
次に、本実施の形態の特徴部分のうち、まず原稿に付加される記憶媒体の構成について説明する。
図13は、原稿に記憶媒体が付加されている(埋め込まれている)状態を示す図である。
図13において、例えば、原稿901は、902と903の2ページから構成されており、2ページに渡り情報が記述されているものとする。902を原稿1、903を原稿2、901を全原稿と呼ぶことにする。ここでは全原稿が2ページから構成されている場合を説明するが、1ページ以上の原稿であれば本実施の形態の方式を適用することができる。
904は原稿1に、905は原稿2にそれぞれ印刷されている情報であり、これらの情報は絵や文字から構成される。906は原稿1に、907は原稿2にそれぞれ付加された小型の記憶媒体である。図示のように記憶媒体は原稿1ページあたり例えば1つ付加されている。
尚、原稿に付加する記憶媒体の個数は、特定の個数に限定されるものではなく、任意とすることが可能である。また、原稿に付加する記憶媒体の位置は、特定の位置に限定されるものではなく、任意とすることが可能である。
記憶媒体906、907には、原稿に印刷されている印刷画像を生成するための電子画像情報を記憶することができ、1ページないしは複数ページから構成される原稿の一部のページまたは全ページの電子画像情報を記憶できる容量を有する。記憶媒体906、907のうちの1つに全原稿の全ページ分の電子画像情報が収まりきらない場合には、原稿1ページに複数の記憶媒体を付加し、複数の記憶媒体で全原稿の全ページ分の電子画像情報を記憶することも可能である。
つまり、複数ページからなる全原稿の各ページに付加された記憶媒体906、907のどちらにも、全原稿全ページ分の印刷画像を生成するための全ての電子画像情報を記憶することができる。全ての電子画像情報が記憶された記憶媒体を、複数ページから構成される全原稿の各ページに付加することにより、全原稿の一部が破損或いは紛失した場合においても全原稿の電子画像情報を復元し、該電子画像情報を基に印刷することが可能となる。
以下では全原稿を構成するための電子画像情報としてPDLデータを用いる場合について説明するが、本発明はPDLデータに限定されるものではなく、PDLデータ以外に、ラスタ形式のデータ、既存のアプリケーションファイル形式のデータなど、様々な形式のデータが考えられる。電子画像情報は以下に示す仕組みにより記憶媒体に記憶される。
<原稿用紙に付加された記憶媒体に電子画像情報を記憶する仕組み>
次に、印刷対象である白紙の原稿用紙に付加された記憶媒体に対し電子画像情報(PDLデータ)を記憶する仕組みについて説明する。
図14は、アンテナを備えた複写機100の外観を示す図であり、図15は、複写機100のアンテナと原稿の記憶媒体との間で無線通信を行っている状態を示す図である。
図14及び図15において、複写機100にはアンテナ170が配設されている。1103、1105は印刷対象である白紙の原稿用紙であり、1104、1106はそれぞれ原稿用紙1103、1105に付加された記憶媒体である。図15に示すアンテナ170は、図14に示す複写機100に配設されたアンテナ170のみを取り出して模式的に図示したものであり、図示の例では、アンテナ170と原稿用紙1103の記憶媒体1104との間で無線通信を行い、電子画像情報を記憶媒体1104に記憶することができる。図15に示すアンテナ170を支持している部材は無線通信回路等が内蔵されたユニットである。
尚、複写機100におけるアンテナ170の配設位置は、図示の位置に限定されるものではなく、記憶媒体1104と無線通信が行える位置であれば、任意とすることが可能である。また、本実施の形態では、アンテナ170と電子画像情報記憶対象となる記憶媒体との間で無線通信を行い、電子画像情報を記憶媒体に記憶する方法について説明するが、特にこの方法に限定されるものではなく、特定された記憶媒体に対し電子画像情報を記憶できればよい。
例えば、2ページからなるPDLデータを記憶媒体に記憶する場合を例に挙げ説明する。複写機100は原稿用紙1103、1105に対し、PDLデータから解析された画像データを印刷するが、そのときに併せて、記憶媒体1104、1106に全原稿全ページのPDLデータ(電子画像情報)を記憶するものである。
基本的なPDL画像出力時のシーケンスについては、上記の<PDL画像出力時のシーケンス>で説明した通りであるが、本実施の形態では、図16に示すような処理を行う点が特徴である。
図16は、図11に示した基本的なPDL画像出力時のシーケンスに本発明特有の処理を加えた場合の手順を示すフローチャートである。
図16では、本発明特有の処理(ステップS1201〜ステップS1203)を図11のステップS1007とステップS1008の間で行うようにしているが、これに限定されるものではなく、図11のどの部分で行っても構わない。
例えば、PC401から原稿2ページ分のPDLデータがネットワーク400を介して複写機100に送信された場合について説明する。この場合、上記PDLデータが原稿用紙1103、1105に印刷されるが、本例では、原稿用紙1103に1ページ目のPDLデータが印刷され、原稿用紙1105に2ページ目のPDLデータが印刷されるものとする。
図16において、ステップS1001からステップS1007、ステップS1008の処理に関しては上述したので詳しい説明はここでは省略する。ステップS1007の処理が終了するとステップS1201へ進む。
複写機100の制御装置110は、PDLデータを記憶する対象となる記憶媒体を特定する。複写機100の内部には原稿用紙が1103、1105と複数存在することもあるため、複写機100のアンテナ170と原稿用紙1103、1105にそれぞれ付加された記憶媒体1104、1106との間で通信を行い、その上で全原稿全ページのPDLデータを記憶する対象となる記憶媒体を特定する。ここでは、例えば、1ページ目のPDLデータが印刷される原稿用紙1103上の記憶媒体1104を特定する(ステップS1201)。
本実施の形態では、記憶媒体を特定する方法については限定されるものではなく、任意の方法をとることが可能である。例えば、原稿用紙に付加された記憶媒体それぞれに固有のIDを持たせておき、該当するIDを持つ記憶媒体をPDLデータ記憶対象となる記憶媒体とする、或いは単純に複写機100のアンテナ170に近い記憶媒体をPDLデータ記憶対象となる記憶媒体とするなど、様々の方法が考えられる。
次に、制御装置110は、特定された記憶媒体に対し全原稿全ページ分のPDLデータを記憶する処理を行う。ここでは、例えば原稿用紙1103上の記憶媒体1104に対し全原稿全ページ分のPDLデータを記憶する(ステップS1202)。
次に、制御装置110は、2ページ目以降のPDLデータが印刷される原稿用紙1105の記憶媒体1106に関しても上記と同様の処理を行う(ステップS1203)。即ち、ステップS1201、ステップS1202の各処理を原稿用紙枚数分だけ繰り返し行い、全ての原稿用紙の記憶媒体に対し、全原稿全ページ分のPDLデータを記憶する。
その後、制御装置110は、プリンタ部300を制御することで画像データを原稿用紙1103、1105に印刷するプリント出力を実行させる(ステップS1008)。画像データの転送が完了すると、即ち、当該PDL画像出力ジョブが終了すると、本処理を終了する。
図16の処理により、PC401から複写機100へ送信された2ページのPDLデータのうち、原稿用紙の1ページ目には1ページ目のPDLデータが、原稿用紙の2ページ目には2ページ目のPDLデータがそれぞれ印刷され、原稿用紙に対する印刷状態は上記図13に示したような状態となる。
<原稿に付加された記憶媒体から電子画像情報を読み取る仕組み>
次に、原稿に付加された記憶媒体から電子画像情報を読み取る仕組みについて説明する。
図17は、複写機100のアンテナ170により原稿の記憶媒体から電子画像情報を読み取る場合の概念を示す図である。
原稿(1)1301、原稿(2)1304は、電子画像情報が読み取られるコピー元となる原稿であり、2ページから構成されている。1302は原稿(1)1301に付加された記憶媒体、1305は原稿(2)1304に付加された記憶媒体であり、1303は原稿(1)1301に印刷されている情報、1306は原稿(2)1304に印刷されている情報を表している。
原稿(1)1301、原稿(2)1304は、それぞれの記憶媒体1302、1305に、すでに原稿(1)1301、原稿(2)1304に印刷されている全原稿の全ページ情報が記憶されており、上記の<原稿に付加される記憶媒体の構成>で説明したような上記図13に示した原稿であるとする。
他方、原稿用紙(1)1103、原稿用紙(2)1105は、画像が印刷されるコピー先となる用紙(白紙)であり、1104、1106は、それぞれ原稿用紙(1)1103、原稿用紙(2)1105に付加された記憶媒体である。原稿用紙(1)1103、原稿用紙(2)1105は、上記図15に示したものと同一のものである。
いま、複写機100の原稿給送ユニット250の原稿積載部に2枚から構成される原稿(1)1301、原稿(2)1304が載置されている状態において、コピー画像出力を行う場合を例に挙げ、原稿に付加された記憶媒体から情報を読み取る方法について説明する。
基本的なコピー画像出力時のシーケンスについては、上記の<コピー画像出力時のシーケンス>で説明した通りであるが、本実施の形態では、図18及び図19に示すような処理を行う点が特徴である。
図18及び図19は、コピー画像出力時のシーケンスに本発明特有の処理を加えた場合の手順を示すフローチャートである。
図18及び図19において、コピー画像を出力する場合、ユーザが複写機100の操作部150からコピー画像出力ジョブを実行するためのコピー設定を行う(ステップS1401)。コピー設定パラメータの内容は、コピー部数、コピーに使用する用紙のサイズ、用紙の片面にコピーするか両面にコピーするかの区別、コピー倍率(拡大率/縮小率)、コピーした用紙に対するソートの有無、コピーした用紙に対するステイプル止めの有無、等である。
次に、ユーザが操作部150からコピー開始指示を与えると、複写機100のアンテナ170と、原稿積載部に載置された原稿(1)1301、原稿(2)1304のそれぞれの記憶媒体1302、1305との間で無線通信を行うことにより、1ページ目の情報が印刷されている原稿(1)1301の記憶媒体1302を特定する(ステップS1402)。本実施の形態では、記憶媒体1302と記憶媒体1305の両方に全原稿の全ページのPDLデータが書き込まれているため、特に1ページ目の情報が印刷されている原稿(1)1301の記憶媒体1302を特定する。
この場合、原稿(1)1301の記憶媒体1302から全原稿の全ページのPDLデータを読み取る必要は無いが、本例では、下記のように原稿(1)1301の記憶媒体1302から全原稿の全ページのPDLデータを読み取ることにする。
次に、上記ステップS1402で特定された原稿(1)1301の記憶媒体1302から、無線通信を利用してアンテナ170により全原稿の全ページのPDLデータを読み取る(ステップS1403)。
コピー時に、例えば、原稿(1)1301、原稿(2)1304の2ページで構成される原稿のうち、原稿(2)1304が紛失していたとする。その場合は、原稿(2)1304が存在しないため、原稿(2)1304に付加された記憶媒体1305も存在しないが、原稿(1)1301に付加された記憶媒体1302には、紛失した原稿(2)1304に付加された記憶媒体1305の記憶内容と全く同一の全原稿の全ページのPDLデータが書き込まれているため、原稿(1)1301の記憶媒体1302から原稿(2)1304に印刷されている情報を復元することが可能である。
次に、上記ステップS1401で操作部150から設定したコピー設定パラメータと共に、上記ステップS1403でアンテナ170により読み取った全原稿の全ページのPDLデータを制御装置110に転送する(ステップS1404)。
次に、制御装置110のメインコントローラ111のCPU112は、コネクタ122及びネットワークコントローラ121を介して転送されてくるPDLデータを、上記コピー設定パラメータに基づいて画像データに展開(ラスタライズ)する。画像データの展開はDRAM116上に行われる(ステップS1405)。
次に、メインコントローラ111は、DRAM116上に展開された画像データをグラフィックプロセッサ135に転送する(ステップS1406)。
次に、グラフィックプロセッサ135は、上記コピー設定パラメータとは独立に画像処理を行う(ステップS1407)。例えば、上記コピー設定パラメータで指定された用紙サイズが「A4」であるにも関わらず、プリンタ部300の給紙ユニット350(給紙カセット360、361)には「A4R」用紙しかない場合には、グラフィックプロセッサ135で画像データを90度回転することによって、出力用紙に合わせた画像出力を行うことができる。
次に、グラフィックプロセッサ135は、メインコントローラ111へ画像処理後の画像データを転送する。メインコントローラ111は、転送されてきた画像データをDRAM116上に記憶する(ステップS1408)。
次に、メインコントローラ111は、プリンタI/F145及びコネクタ147を介してプリンタ部300を制御しつつ、適切なタイミングでDRAM116上の画像データをプリンタ部300へ転送する(ステップS1409)。
次に、制御装置110は、上記図16に示したステップS1201からステップS1203の処理を行い、ステップS1403の処理でコピー元の原稿(1)1301の記憶媒体1302から読み取られた全情報をコピー先の原稿用紙(1)1103の記憶媒体1104へ書き込む処理を行う(ステップS1410)。これらの処理を行ったときに、1ページ目の原稿用紙(1)1103の記憶媒体1104には、全原稿全ページ情報(PDLデータ)が書き込まれることになる。
次に、制御装置110は、プリンタ部300を制御することで画像データを原稿用紙1103、1105に印刷するプリント出力を実行させる(ステップS1411)。画像データの転送が完了すると、即ち、当該コピー画像出力ジョブが終了すると、本処理を終了する。
図18及び図19の処理を行った結果、コピー元の原稿(1)1301の記憶媒体1302に書き込まれた内容と、コピー先の原稿用紙(1)1103の記憶媒体1104に書き込まれた内容とが完全に一致する。また、コピー元の原稿(2)1304の記憶媒体1305に書き込まれた内容と、コピー先の原稿用紙(2)1105の記憶媒体1106に書き込まれた内容とが完全に一致する。
図18及び図19の処理により、複数ページから構成される原稿の一部が破損或いは紛失した場合においても、全原稿全ページ分の電子画像情報を復元し、該電子画像情報を基に印刷することが可能となる。
<電子画像情報が解釈不可能である場合>
次に、記憶媒体から読み取った電子画像情報が解釈不可能である場合の処理について説明する。
図20は、原稿に付加された記憶媒体から読み取った電子画像情報が解釈不可能である場合に、警告表示を行い、原稿上に印刷されている印刷画像を用いて複写する手順を示すフローチャートである。
本例では、原稿に付加された記憶媒体に記憶されている電子画像情報は、文書作成ソフトウェア等のアプリケーションソフトウェアで編集可能な形式のデータ(以下アプリデータと略称)とする。
図20において、原稿に付加された記憶媒体に記憶されているアプリデータを複写機100のアンテナ170により読み取り、制御装置110に転送する。制御装置110は、制御装置内の、アプリデータをPDLデータに変換するPDL変換処理部(図示略)にアプリデータを入力する(ステップS1501)。
次に、PDL変換処理部は、アプリデータが解釈可能か否かを判断する(ステップS1502)。アプリデータが解釈可能である場合は、ステップS1503で、PDL変換処理部は、アプリデータからPDLデータを生成する(ステップS1503)。
一方、アプリデータが解釈不可能である場合は、PDL変換処理部は、原稿上にトナー等の転写材で印刷されている印刷画像からPDLデータを生成し(ステップS1504)、制御装置110は、操作部150の液晶表示部に対しアプリデータが解釈不可能で且つ印刷画像から複写した旨の警告表示(例えば「電子画像は解釈不可能なため、印刷画像からコピーしました」という警告メッセージの表示)を行う(ステップS1505)。
その後の処理手順は上記図11と同じであるため説明は省略する。
尚、本実施の形態では、原稿に付加された記憶媒体に記憶されている電子画像情報をアプリデータとしたが、これに限定されるものではなく、操作部150によって設定できる印刷形式で印刷画像を生成可能なデータ形式であれば、電子画像情報はどのようなデータ形式でもよい。また、例えば、原稿に付加された記憶媒体に記憶されている電子画像情報をPDLデータとして、操作部150によって設定できる一部の印刷形式で印刷画像を生成可能にする構成とすることも可能である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、複写機100における記憶媒体に電子画像情報が記憶されている原稿の複写時には、アンテナ170により原稿の記憶媒体から電子画像情報を読み取り、電子画像情報を基に用紙に複写を行うので、複写を何回繰り返しても画像が劣化することがないという効果がある。
また、記憶媒体がそれぞれ付加された複数のページから構成される原稿の各ページの記憶媒体に、原稿全ページ分の電子画像情報を記憶可能としているので、原稿の一部が破損或いは紛失した場合でも、破損或いは紛失していないページの記憶媒体から原稿全ページ分の電子画像情報を復元し、該電子画像情報を基に印刷を行うことが可能となる効果がある。
また、原稿の記憶媒体に記憶された電子画像情報が解釈不可能な場合、原稿に印刷されている印刷画像を用いて複写を行い、電子画像情報が解釈不可能なため原稿の印刷画像を用いて複写した旨を警告するので、原稿の印刷画像を用いた通常の複写を行ったことをユーザに認識させることが可能となる効果がある。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述した第1の実施の形態に対して、下記に示す点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上述した第1の実施の形態(図1〜図8)の対応するものと同一なので、説明を省略する。
<電子画像情報が一部の印刷形式で印刷可能な場合>
本実施の形態では、複写機100において、原稿に付加された記憶媒体に記憶されている電子画像情報が一部の印刷形式で印刷可能な場合について説明する。
図21及び図22は、電子画像情報が一部の印刷形式で印刷可能な場合の印刷手順を示すフローチャートである。
本例では、モノクロの原稿(トナー等の転写材を用いて印刷されている印刷画像がモノクロ画像である原稿)をフルカラーで印刷(複写)する設定がされている場合において、何等かの原因(例えば複写機100のメモリ容量不足等)でフルカラーの印刷が不可能な場合に、警告表示を行い、原稿の記憶媒体に記憶されている電子画像情報を用いて印刷出力可能なモノクロで印刷する手順を説明する。また、本例では、原稿の記憶媒体に記憶されている電子画像情報はPDLデータとする。
図21及び図22において、原稿に付加された記憶媒体に記憶されているPDLデータを複写機100のアンテナ170により読み取り、制御装置110に転送する。制御装置110は、制御装置内のPDL解釈処理部(図示略)にPDLデータを入力する(ステップS1601)。
次に、制御装置110は、ジョブテーブル(図23参照)に記憶されているカラーモードの設定がフルカラーであるか否かを判断する(ステップS1602)。尚、ジョブテーブルについては後述する。カラーモードの設定がフルカラーである場合は、制御装置110は、PDL解釈処理部にカラーモードの設定がフルカラーであることを通知する(ステップS1603)。
次に、PDL解釈処理部は、PDLデータが解釈可能か否かを判断する(ステップS1604)。PDLデータが解釈可能である場合は、PDL解釈処理部は、PDLデータからフルカラーのラスタデータを生成することが可能か(フルカラーで印刷可能か)否かを判断する(ステップS1605)。フルカラーのラスタデータを生成することが可能である場合は、PDL解釈処理部は、PDLデータからフルカラーのラスタデータを生成する(ステップS1606)。
一方、フルカラーのラスタデータを生成することが不可能である場合は、PDL解釈処理部は、PDLデータからモノクロのラスタデータを生成し(ステップS1607)、制御装置110は、操作部150の液晶表示部に対し、フルカラー印刷が不可能で且つモノクロ印刷を行った旨の警告表示(例えば「カラー印刷は不可能なため、モノクロ印刷しました」という警告メッセージの表示)を行う(ステップS1608)。
一方、上記ステップS1604において、PDLデータが解釈不可能である場合は、制御装置110は、原稿上にトナー等の転写材で印刷されている印刷画像をプリンタ部300により用紙に複写する(ステップS1609)。
その後の処理手順は上記図11と同じであるため説明は省略する。
尚、PDLデータがフルカラー印刷可能であるか否かの判断は、第1の実施の形態と同様であるため説明は省略する。
図23は、ジョブテーブルの一例を示す図である。
図23において、ジョブテーブルは複写機100における設定項目と設定値とを対応付けて記憶するテーブルである。設定項目としては、用紙サイズ、給紙ユニット350(給紙カセット360、361)或いは手差しトレイ362にセットされている用紙の向き、用紙の印刷領域(用紙の上下左右の各辺までの余白)、用紙の両面に印刷する両面印刷の有無、カラーモードの種別(フルカラー、モノクロ、自動)、印刷部数、Nup(物理的な用紙の1面にN個(Nは1以上の整数)のページを印刷するページレイアウト)、印刷ページ、データ処理解像度、階調、プリンタ機種名、オプション名、等である。
図24は、複写機100の操作部150の液晶表示部に表示される、カラーモードを設定するためのパネルメニューの一例を示す図である。
図24において、パネルメニューには、トップメニュー、カラーモード(フルカラー、モノクロ、自動)、印刷部数・・・等が表示されている。
上記のジョブテーブルには、パネルメニューのすべての設定値が記憶されており、ユーザが操作部150により設定を変更すると、ジョブテーブルに即座に反映されるようになっている。また、ジョブテーブルは、例えば操作部150内の不図示の不揮発性メモリ(EEPROM)等に格納されている。
以上説明したように、本実施の形態によれば、複写機100においてモノクロの原稿をフルカラーで印刷する設定がされている場合で、フルカラーの印刷が不可能な場合には、原稿の記憶媒体に記憶されている電子画像情報を用いてモノクロで印刷し、モノクロ印刷を行った旨を警告表示するので、複写機100の状況に応じた印刷が可能となると共に、印刷設定と印刷結果との相異をユーザに認識させることが可能となる効果がある。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述した第1の実施の形態に対して、下記に示す点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上述した第1の実施の形態(図1〜図8)の対応するものと同一なので、説明を省略する。
第1の実施の形態では、原稿の記憶媒体に記憶されている電子画像情報が解釈不可能(電子画像情報を用いた印刷が不可能)である場合には、警告表示を行い、原稿に印刷されている印刷画像を用いて複写を行う構成としたが、これに限定されるものではなく、電子画像情報が解釈不可能である場合に、原稿の印刷画像を用いて複写を行うか否かをユーザが操作部150から選択可能なように構成することも勿論可能である。
同様に、第2の実施の形態では、原稿の記憶媒体に記憶されている電子画像情報が解釈可能で、且つ一部の印刷形式(モノクロによる印刷形式)で印刷可能である場合には、警告表示を行い、電子画像情報を用いて一部の印刷形式で印刷を行う構成としたが、これに限定されるものではなく、電子画像情報を用いて一部の印刷形式で印刷を行うか否かをユーザが操作部150から選択可能なように構成することも勿論可能である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、原稿の印刷画像を用いて複写を行うか否か、電子画像情報を用いて一部の印刷形式で印刷を行うか否かを選択可能としているので、複写機100に対しユーザの所望する処理を実行させることができ、ユーザの利便性の向上を図ることができるという効果がある。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述した第1の実施の形態に対して、下記に示す点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上述した第1の実施の形態(図1〜図8)の対応するものと同一なので、説明を省略する。
<モノクロ原稿をフルカラーで印刷>
本実施の形態では、複写機100において、モノクロの原稿(トナー等の転写材を用いて印刷されている印刷画像がモノクロ画像である原稿)をフルカラーで印刷する場合の処理について説明する。
図25は、モノクロの原稿をフルカラーで印刷する手順を示すフローチャートである。
本例では、原稿に付加された記憶媒体に記憶されている電子画像情報は、文書作成ソフトウェア等のアプリケーションソフトウェアで編集可能な形式のデータ(以下アプリデータ)とする。
図25において、原稿に付加された記憶媒体に記憶されているアプリデータを複写機100のアンテナ170により読み取り、制御装置110に転送する。制御装置110は、制御装置内のPDL変換処理部にアプリデータを入力する(ステップS1701)。次に、制御装置110は、ジョブテーブルに記憶されているカラーモードの設定がフルカラーであるか否かを判断する(ステップS1702)。
カラーモードの設定がフルカラーである場合は、制御装置110は、PDL変換処理部にカラーモードの設定がフルカラーであることを通知する(ステップS1703)。次に、カラーモードの設定がフルカラーであることを認識したPDL変換処理部は、入力されたアプリデータからフルカラーのPDLデータを生成する(ステップS1704)。カラーモードの設定がモノクロである場合は、PDL変換処理部は、入力されたアプリデータからモノクロのPDLデータを生成する(ステップS1705)。
その後の処理手順は上記図11と同じであるため説明は省略する。
尚、本実施の形態では、複写機100の操作部150から予めカラーモードを設定することが可能な構成になっており、設定されたカラーモードはジョブテーブル(図23参照)に記憶されるようになっている。また、操作部150から予めカラーモードを設定しない場合(デフォルトの自動の場合)は、原稿に印刷されている印刷画像に応じた印刷が行われるようになっている。本例では、モノクロの原稿なのでモノクロモードで印刷される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、記憶媒体に電子画像情報が記憶されると共にモノクロの画像が印刷されている原稿に対する設定がカラー複写の場合、原稿の記憶媒体に記憶された電子画像情報を基にカラー複写を行うので、原稿の印刷画像がモノクロ画像の場合でもカラー画像で印刷出力することが可能となり、モノクロ原稿からカラー画像を得たいというユーザの要望に応えることができる効果がある。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述した第1の実施の形態に対して、下記に示す点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上述した第1の実施の形態(図1〜図8)の対応するものと同一なので、説明を省略する。
<1upをNupで印刷>
本実施の形態では、複写機100において、1up(用紙の1面に1ページを印刷するページレイアウト)の原稿を4up(用紙の1面に4ページを印刷するページレイアウト)で印刷する場合の処理について説明する。
図26は、1upの原稿を4upで印刷する手順を示すフローチャートである。
本例では、原稿に付加された記憶媒体に記憶されている電子画像情報は、文書作成ソフトウェア等のアプリケーションソフトウェアで編集可能な形式のデータ(以下アプリデータ)とする。
図26において、原稿に付加された記憶媒体に記憶されているアプリデータを複写機100のアンテナ170により読み取り、制御装置110に転送する。制御装置110は、制御装置内のPDL変換処理部にアプリデータを入力する(ステップS1801)。次に、制御装置110は、ジョブテーブルに記憶されているNupの設定が4upであるか否かを判断する(ステップS1802)。
Nupの設定が4upである場合は、制御装置110は、PDL変換処理部にNup=4upであることを通知する(ステップS1803)。Nupの設定が4upであることを認識したPDL変換処理部は、入力されたアプリデータから4upのPDLデータを生成する(ステップS1804)。Nupの設定が4upでない場合は、PDL変換処理部は、入力されたアプリデータから1upのPDLデータを生成する(ステップS1805)。
その後の処理手順は上記図11と同じであるため説明は省略する。
尚、本実施の形態では、複写機100の操作部150から予めNupを設定することが可能な構成になっており、設定されたNupはジョブテーブルに記憶されるようになっている。また、操作部150から予めNupを設定しない場合(デフォルトの1upの場合)は、原稿に印刷されているNupで印刷されるようになっている。本例では、1upの原稿なので1upで印刷される。
図27は、用紙に4ページ分が印刷されている例を示す図である。
図27において、物理的な用紙1400の1面には例えば4ページ分が印刷されている(4up)。Nupとは、物理的な用紙の1面にN個(Nは1以上の整数)のページを印刷するページレイアウト(印刷レイアウト)の一種を示すものである。Nupは、N in 1とも言う。
以上説明したように、本実施の形態によれば、原稿に付加された記憶媒体から読み取った電子画像情報を基に、ページレイアウトの設定に応じた印刷を行うので、例えば、複数のページから構成された原稿の各ページを用紙の1面に収めて印刷する場合に好適であるという効果がある。
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述した第1の実施の形態に対して、下記に示す点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上述した第1の実施の形態(図1〜図8)の対応するものと同一なので、説明を省略する。
上記図23のジョブテーブルに示したデータ処理解像度についても、複写機100の操作部150から設定することが可能である。原稿の複写時には、原稿の記憶媒体に記憶されている電子画像情報を基に、操作部150から設定されたデータ処理解像度に応じた印刷を行うようになっている。印刷処理手順については、第1の実施の形態と同様であるため説明は省略する。
ここで、データ処理解像度とは、複写機100においてラスタライズ画像を生成する時の解像度である。データ処理解像度の設定値としては、最近、300dpi、600dpi、1200dpi、2400dpiが選択できるように構成された画像形成装置(複写機、プリンタ、複合機、ファクシミリ等)が製品化されている。dpiとは、dot per inchの略であり、例えば600dpiは、1インチあたりに600ドット存在することを示している。
以上説明したように、本実施の形態によれば、原稿に付加された記憶媒体から読み取った電子画像情報を基に、データ処理解像度の設定値に応じた印刷を行うので、所望のデータ処理解像度で印刷する場合に好適であるという効果がある。
尚、上記各実施の形態では、画像入出力システムを複写機とした場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像形成装置全般(複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの機能を複合した複合機など)に適用することが可能である。
また、上記各実施の形態では、画像入出力システムとPCとを通信可能に接続した構成を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、画像入出力システムと携帯情報端末とを通信可能に接続した構成、画像入出力システムと複数の機器(PC、複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機、スキャナなど)とをネットワークを介して通信可能に接続した構成にも適用することが可能である。
また、上記各実施の形態では、記憶媒体が付加された原稿の記憶媒体から読み取った電子画像情報を基に、記憶媒体が付加された用紙に印刷を行うと共に、該用紙の記憶媒体に電子画像情報を記憶する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、記憶媒体が付加された原稿の記憶媒体から読み取った電子画像情報を基に、記憶媒体が付加されていない通常の用紙に印刷を行う場合や、記憶媒体が付加されていない通常の原稿に印刷されている画像を、記憶媒体が付加された用紙に印刷を行うと共に、該用紙の記憶媒体に電子画像情報を記憶する場合などにも適用することが可能である。
また、上記各実施の形態では、図23に示す構成のジョブテーブルを例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ジョブテーブルの設定項目は必要に応じた任意の項目とすることが可能である。また、ジョブテーブルを複写機の操作部内の不揮発性メモリに格納する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ジョブテーブルの格納場所は任意とすることが可能である。
また、上記各実施の形態では、用紙に記憶媒体を付加すると共に、記憶媒体が付加されていることを示すマーク等の目印を用紙に更に付加(印刷)することも可能であり、記憶媒体が付加されている用紙を通常の用紙と区別することで利便性が高まる。
本発明は、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(図16、図18・図19、図20、図21・図22、図25、図26のフローチャート)をコンピュータ又はCPUに供給し、そのコンピュータ又はCPUが該供給されたプログラムを読出して実行することによって、達成することができる。
この場合、上記プログラムは、該プログラムを記録した記憶媒体から直接供給されるか、又はインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
また、本発明は、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを記憶した記憶媒体をコンピュータ又はCPUに供給し、そのコンピュータ又はCPUが記憶媒体に記憶されたプログラムを読出して実行することによっても、達成することができる。
この場合、格納媒体から読出されたプログラムコード自体が上述した各実施の形態の機能を実現すると共に、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成する。
プログラムコードを記憶する記憶媒体としては、例えば、ROM、RAM、NV−RAM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク(登録商標)、光磁気ディスク、CD−ROM、MO、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等がある。
上述した実施の形態の機能は、コンピュータから読出されたプログラムコードを実行することによるばかりでなく、コンピュータ上で稼動するOS等がプログラムコードの指示に基づいて実際の処理の一部又は全部を行うことによっても実現することができる。