[アゾメチンオリゴマー]
以下、本発明のアゾメチンオリゴマーが有する、上記二価の炭化水素基、芳香族基及び芳香族環含有共役基について詳細に説明する。
<二価の炭化水素基>
本発明のアゾメチンオリゴマーを構成する上記炭化水素基は、酸素原子、硫黄原子またはシクロアルキレン基を有する基を有していてもよく、その価数が2であれば特に限定されない。
この炭化水素基が、本発明のアゾメチンオリゴマーの有機溶媒への高い溶解性に寄与している。
前記炭化水素基の例としては、分岐を有していてもよくハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜1024のアルキレン基、基中にエーテル結合および/またはチオエーテル結合を有し、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜1024の二価の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数3〜50のシクロアルキレン基、および、基中にカルボキシル基を有し、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜1024の二価の炭化水素基が挙げられる。
前記ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
前記シクロアルキレン基における置換基の例としては、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられる。またシクロアルキレン基は、環状構造を複数有していてもよく、さらにその環状構造が、アルキレン基によって連結されていてもよい。
前記アルキレン基の炭素数は、本発明のアゾメチンオリゴマーの有機溶媒への親和性と固体状態における分子間結晶性の両立の観点から、3〜20であることが好ましく、4〜12であることがより好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。
前記基中にエーテル結合および/またはチオエーテル結合を有し、ハロゲン原子で置換されていてもよい二価の炭化水素基の炭素数は、本発明のアゾメチンオリゴマーの有機溶媒への親和性と固体状態における分子間の結晶性の両立の観点から、3〜20であることが好ましく、4〜12であることがより好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。
前記置換基を有していてもよいシクロアルキレン基の炭素数は、本発明のアゾメチンオリゴマーの有機溶媒への親和性と固体状態における分子間の結晶性の両立の観点から、3〜30であることが好ましく、6〜15であることが好ましい。
前記基中にカルボキシル基を有し、ハロゲン原子で置換されていてもよい二価の炭化水素基の炭素数は、本発明のアゾメチンオリゴマーの有機溶媒への親和性と固体状態における分子間の結晶性の両立の観点から、3〜20であることが好ましく、4〜12であることがより好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。
本発明のアゾメチンオリゴマーを構成する二価の炭化水素基は、有機溶媒への親和性の観点から、トルエンなどの比較的に低極性であり、疎水性が高い溶媒への溶解性を発現させる為にはアルキレン基を有する構造であることが好ましい。また、アルコール系、グリコール系、エステル系溶媒に対する溶解性を発現させるためには、前記二価の炭化水素基は、基中にエーテル結合を有する構造であることが好ましい。さらに含ハロゲン系溶媒に対する溶解性を発現させるためには、前記二価の炭化水素基は、基中にハロゲン原子を有する(ハロゲン原子で置換された)構造であることが好ましい。
<アゾメチン基を有し置換基を有していてもよい芳香族基>
本発明のアゾメチンオリゴマーを構成する、アゾメチン基を有し置換基を有していてもよい芳香族基は、アゾメチン基と一価の芳香族基とが結合して共役した構造をとっており、アルデヒド基及びアミノ基と反応性を有しなければ特に限定されない。アルデヒド基及びアミノ基と反応性を有しないことの意義については、後記の本発明のアゾメチンオリゴマーの製造方法の項にて説明する。
前記一価の芳香族基およびアゾメチン基の共役構造によって、本発明のアゾメチンオリゴマーは、分子間におけるキャリア輸送機能を有するようになる。
また前記アゾメチン基によって、一価の芳香族基が上記炭化水素基の末端に結合している。
前記アゾメチン基を有し置換基を有していてもよい芳香族基における一価の芳香族基の例としては、下記式A−1〜A−23で表わされる基が挙げられる。
式A―1において、Raは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜15のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜15の炭化水素基である。前記ハロゲン原子としては、F、ClおよびBrが挙げられる。以下の式A−2〜A−23においても同様である。
本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRaが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−1において、Saは1〜5の整数であり、Saが2以上の場合には、複数存在するRaは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Saは4または5であることが好ましく、さらに好ましくは、Saが4または5であり、かつ芳香族基が全体として対称要素を有するように置換されている。前記対称要素とは、アゾメチンオリゴマー分子全体ではなく、芳香族基の構造部分の対称性を指す。また前記対称性とは、紙面上で描いた構造から推察される対称性であり、実際に測定したX線構造解析及び分子軌道計算による最適化された構造から判断される対称性ではない。以下同様である。なお、Saが5の場合は、必ず対称要素を有するようにRaが選択される、すなわち5つのRaは同一となる。
また、式A−1において、「*」は結合手であり、これがアゾメチン基に結合している。以下の式A−2〜A−23においても同様である。
式A−2において、Rbは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。
本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRbは好ましくは水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−2において、Sbは1〜4の整数であり、Sbが2以上の場合には、複数存在するRbは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Sbは偶数であることが好ましく、さらに好ましくは、Sbが偶数であり、かつ芳香族基が全体として対称要素を有するように置換されている。
式A−3において、XaはS、O、NH、N(CH3)、N(C2H5)およびN(Ph)から選択される(Phはフェニル基である。以下同じ)。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、Xaは、立体障害性が小さく、平面性が高いSおよびNHであることが好ましい。
式A−3において、YbはCHおよびNから選択され、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高い結晶化の観点からは、いずれも好ましい。
式A−3において、Rcは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。
本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRcが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−3において、YbがCHの場合には、Scは1〜3の整数であり、Scが2以上の場合には、複数存在するRcは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Scは2または3であることが好ましく、3であることがさらに好ましい。
式A−3において、YbがNの場合には、Scは1である。
式A−4において、XbはCH2、C(CxH2x+1)2(Xは2〜20の整数)、NH、 N(CxH2x+1)(Xは2〜20の整数)、N(Ph)およびSから選択される。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高い結晶化の観点から、Xbは、立体障害性が小さく、平面性が高いCH2またはNHであることが好ましい。
式A−4において、Rdは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRdが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−4において、Sdは1〜7の整数である。すなわち、Rdは、式A−4においては右側のベンゼン環に結合しているように図示したが、Rdは、式A−4において、結合し得るすべての炭素に結合する。すなわち、Rdは式A−4における右側のベンゼン環だけでなく、左側のベンゼン環に結合してもよい。結合手に関しても同様である。以下の式A−5〜A−23においても同様である。
Sdが2以上の場合には、複数存在するRdは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Sdは6または7が好ましく、7であることがさらに好ましい。
式A−5において、XcはCH2、O、S、NH、N(CxH2x+1)(Xは1〜20の整数)およびN(Ph)から選択され、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高い結晶化の観点から、立体障害性が小さく、平面性が高いCH2、O、SおよびNHであることが好ましい。
式A−5において、YaはCHおよびNから選択され、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高い結晶化の観点からは、いずれも好ましい。
式A−5において、Reは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはReが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−5において、YaがCHの場合には、Seは1〜11の整数であり、Seが2以上の場合には、複数存在するReは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Seは9〜11の整数であることが好ましく、9または10であることがさらに好ましい。
式A−5において、YaがNの場合には、Seは1〜9の整数であり、Seが2以上の場合には、複数存在するReは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Seは7〜9の整数であることが好ましく、9であることがさらに好ましい。
式A−6において、XdはCHまたはNであり、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高い結晶化の観点からは、いずれも好ましい。
式A−6においてRfは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRfが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−6において、Sfは、XdがCHの場合は1〜9の整数である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Sfは8または9であることが好ましく、さらに好ましくは、9である。
また、XdがNの場合は、Sfは1〜7の整数であり、前記と同様の観点から、Sfは6または7であることが好ましく、さらに好ましくは7である。
なお、Sfが2以上の場合には、複数存在するRfは同一でも異なっていてもよい。
式A−7において、Rgは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRgが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−7において、Sgは1〜11の整数である。すなわち、Rgは式A−7における二つのベンゼン環をつなげているエテニレン基上に結合していてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Sgは10または11であることが好ましく、さらに好ましくは、Sgは11である。なお、Sgが2以上の場合には、複数存在するRgは同一でも異なっていてもよい。
式A−8において、Rhは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRhが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−8において、Shは1〜7の整数である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Shは6または7であることが好ましく、さらに好ましくは、Shは7である。なお、Shが2以上の場合には、複数存在するRhは同一でも異なっていてもよい。
式A−9において、XeはCHおよびNから選択され、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高い結晶化の観点から、XeはCHであることが好ましい。
式A−9において、Riは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRiが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−9において、XeがCHの場合は、Siは1〜9の整数である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Siは奇数であることが好ましく、Siが奇数であり、かつ芳香族基が全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
また、XeがNの場合は、Siは1〜7の整数である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Siは6または7であることが好ましく、さらに好ましくは7である。
なお、Siが2以上の場合には、複数存在するRiは同一でも異なっていてもよい。
式A−10において、Rjは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRjが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−10において、Sjは1〜9の整数である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Sjは8または9であることが好ましく、さらに好ましくは、Sjは9である。なお、Sjが2以上の場合には、複数存在するRjは同一でも異なっていてもよい。
式A−11において、XfはO、S、NH、N(CH3)、N(C2H5)およびN(Ph)から選択される。Xfは、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子内共役系の平面性の高さの観点から、SまたはNHであることが好ましい。
式A−11において、Rkは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRkが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−11において、Skは1〜5の整数である。Skが2以上の場合には、複数存在するRkは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Skは3〜5の整数であることが好ましく、3または5であることがさらに好ましい。
式A−12において、XgはO、S、NH、N(CH3)、N(C2H5)およびN(Ph)から選択される。Xgは、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子内共役系の平面性の高さの観点から、SまたはNHであることが好ましい。
式A−12において、Rmは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRmが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−12において、Smは1〜7の整数である。Smが2以上の場合には、複数存在するRmは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Smは4〜7の整数であることが好ましく、4または7であることがさらに好ましい。
式A−13において、XhはCH2、O、S、NH、N(CH3)、N(C2H5)およびN(Ph)から選択される。Xhは、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子内共役系の平面性の高さの観点から、CH2、SまたはNHであることが好ましい。
式A−13において、Rnは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRnが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−13において、XhがCH2の場合には、Snは1〜17の整数である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Snは10〜17の整数であることが好ましく、17であることがさらに好ましい。
式A−13において、XhがCH2以外である場合には、Snは1〜9の整数である。前記と同様な観点から、Snは7〜9の整数であることが好ましく、9であることがさらに好ましい。
なお、Snが2以上の場合には、複数存在するRnは同一でも異なっていてもよい。
式A−14において、XiはCH及びNから選択され、本発明のアゾメチンオリゴマーの原料の商業的な入手のしやすさの観点から、CHであることが好ましい。
式A−14において、Roは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRoが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−14において、XiがCHの場合には、Soは1〜3の整数である。Soが2以上の場合には、複数存在するRoは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Soは3であることがさらに好ましい。
なお、XiがNの場合には、Soは1である。
式A−15において、XjはS及びOから選択され、本発明のアゾメチンオリゴマーの原料の商業的な入手のしやすさの観点から、Sであることが好ましい。
式A−15において、Rpは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRpが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−15において、Spは1〜5の整数である。Spが2以上の場合には、複数存在するRpは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Spは4または5であることが好ましく、5であることがさらに好ましい。
式A−16において、Rqは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRqが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−16において、Sqは1〜3の整数である。Sqが2以上の場合には、複数存在するRqは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Sqは奇数であることが好ましく、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されることがさらに好ましい。
式A−17において、Rrは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRrが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−17において、Srは1〜5の整数である。Srが2以上の場合には、複数存在するRrは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Srは奇数であることが好ましく、芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
式A−18において、Rsは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜15のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜15の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRsが水素原子、炭素数1〜15のアルキル基または炭素数1〜15のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−18において、Ssは1〜3の整数である。Ssが2以上の場合には、複数存在するRsは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Ssは2または3であることが好ましく、3であることがさらに好ましい。
式A−19において、Rtは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜15のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜15の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRtが水素原子、炭素数1〜15のアルキル基または炭素数1〜15のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−19において、Stは1〜7の整数である。Stが2以上の場合には、複数存在するRtは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Stは奇数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
式A−20において、Ruは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRuが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−20において、Suは1〜3の整数である。Suが2以上の場合には、複数存在するRuは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Suは2であることが好ましい。
式A−21において、Rvは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜15のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜15の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRvが水素原子、炭素数1〜15のアルキル基または炭素数1〜15のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−21において、Svは1〜5の整数である。Svが2以上の場合には、複数存在するRvは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Svは奇数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
式A−22において、Rwは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRwが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−22において、Swは1〜7の整数である。Swが2以上の場合には、複数存在するRwは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Swは奇数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
式A−23において、Rxは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRxが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式A−23において、Sxは1〜7の整数である。Sxが2以上の場合には、複数存在するRxは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Sxは奇数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
<芳香族環含有共役基>
本発明のアゾメチンオリゴマーを構成する芳香族環含有共役基は、アゾメチン基と置換基を有していてもよい二価の芳香族基とが交互に結合して共役した構造をとっており、アルデヒド基及びアミノ基と反応性を有しなければ特に限定されない。アルデヒド基及びアミノ基と反応性を有しないことの意義については、後記の本発明のアゾメチンオリゴマーの製造方法の項にて説明する。なお、芳香族環含有共役基を構成する芳香族基のうち、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子末端となる芳香族基は、二価ではなく一価である。
前記芳香族環含有共役基の共役構造によって、本発明のアゾメチンオリゴマーはキャリア輸送機能を発揮する。
また前記アゾメチン基によって、芳香族環含有共役基が上記炭化水素基の末端に結合している。
前記置換基を有していてもよい二価の芳香族基の例としては、下記式B−1〜B−24で表わされる基が挙げられる。
式B―1において、Raは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜15のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜15の炭化水素基である。前記ハロゲン原子としては、F、ClおよびBrが挙げられる。以下の式B−2〜B−24においても同様である。
本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRaが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−1において、Saは1〜4の整数であり、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Saは偶数であることが好ましく、Saが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。なお、Saが2以上の場合には、複数存在するRaは同一でも異なっていてもよい。
また、式B−1において、「*」は結合手であり、これがアゾメチン基に結合している。以下の式B−2〜B−24においても同様である。
式B−2において、Rbは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRbが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−2において、Sbは1〜3の整数であり、分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Sbは奇数であることが好ましく、Sbが奇数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。なお、Sbが2以上の場合には、複数存在するRbは同一でも異なっていてもよい。
式B−3において、XaはS、O、NH、N(CH3)、N(C2H5)およびN(Ph)から選択される。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、Xaとしては、立体障害性が小さく、平面性が高いSおよびNHが好ましい。
式B−5において、YbはCHおよびNから選択され、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高い結晶化の観点からは、いずれも好ましい。
式B−3において、Rcは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRbが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−3において、YbがCHの場合には、Scは1または2である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Scは2であることが好ましく、Scが2であり、かつ芳香族環含有基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。なお、Scが2の場合には、二つのRcは同一でも異なっていてもよい。
式B−3において、YbがNの場合には、Scは1である。
式B−4において、XbはCH2、C(CxH2x+1)2(Xは2〜20の整数)、NH、 N(CxH2x+1)(Xは2〜20の整数)、N(Ph)およびSから選択される。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高い結晶化の観点から、Xbとしては、立体障害性が小さく、平面性が高いCおよびNHが好ましい。
式B−4において、Rdは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRdが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−4において、Sdは1〜6の整数である。すなわち、Rdは、式B−4においては右側のベンゼン環に結合しているように図示したが、Rdは、式B−4において、結合し得るすべての炭素に結合する。すなわち、Rdは式B−4における右側のベンゼン環だけでなく、左側のベンゼン環に結合してもよい。結合手に関しても同様である。以下の式B−5〜B−24においても同様である。
本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Sdは偶数であることが好ましく、Sdが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることが好ましい。なお、Sdが2以上の場合には、複数存在するRdは同一でも異なっていてもよい。
式B−5において、XcはO、S、NH、 N(CxH2x+1) (Xは1〜20の整数)およびN(Ph)から選択される。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高い結晶化の観点から、Xcとしては、立体障害性が小さく、平面性が高いO、SおよびNHが好ましい。
式B−5において、YaはCHおよびNから選択され、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高い結晶化の観点からは、いずれも好ましい。
式B−5において、Reは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはReが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−5において、YaがCHの場合には、Seは1〜10の整数である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Seは偶数であることが好ましく、Seが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
YaがNの場合には、Seは1〜8の整数である。前記と同様な観点から、Seは偶数であることが好ましく、Seが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
なお、Seが2以上の場合には、複数存在するReは同一でも異なっていてもよい。
式B−6において、XdはCHおよびNから選択され、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高い結晶化の観点からは、いずれも好ましい。
式B−6において、Rfは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRfが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−6において、Sfは、XdがCHの場合は1〜8の整数である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Sfは偶数であることが好ましく、Sfが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
また、XdがNの場合は、Sfは1〜6の整数であり、前記と同様の観点から、Sfは偶数であることが好ましく、Sfが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
なお、Sfが2以上の場合には、複数存在するRfは同一でも異なっていてもよい。
式B−7において、Rgは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRgが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−7において、Sgは1〜10の整数であり、Rgは、二つのベンゼン環をつなげているエテニレン基上に結合していてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Sgは偶数であることが好ましく、Sgが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることが好ましい。なお、Sgが2以上の場合には、複数存在するRgは同一でも異なっていてもよい。
式B−8において、Rhは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRhが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−8において、Shは1〜6の整数である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Shは偶数であることが好ましく、Shが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。なお、Shが2以上の場合には、複数存在するRhは同一でも異なっていてもよい。
式B−9において、XeはCHおよびNから選択され、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高い結晶化の観点からは、XeはCHであることが好ましい。
式B−9において、Riは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRiが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−9において、Siは、XeがCHの場合は1〜8の整数である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Siは偶数であることが好ましく、Siが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
またSiは、XeがNの場合は、1〜6の整数であり、前記と同様の観点から、Siは偶数であることが好ましく、Siが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
なお、Siが2以上の場合には、複数存在するRiは同一でも異なっていてもよい。
式B−10において、Rjは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRjが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−10において、Sjは1〜8の整数である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Sjは偶数であることが好ましく、Sjが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。なお、Sjが2以上の場合には、複数存在するRjは同一でも異なっていてもよい。
式B−11において、XfはCHおよびNから選択される。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高い結晶化の観点からは、XfはNであることが好ましい。
式B−11において、Rkは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRkが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−11において、Skは、XfがCHの場合は1〜8の整数である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Skは偶数であることが好ましく、Skが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
またSkは、XfがNの場合は、1〜6の整数であり、前記と同様の観点から、Skは偶数であることが好ましく、Skが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
なお、Skが2以上の場合には、複数存在するRkは同一でも異なっていてもよい。
式B−12において、XgはCHおよびNから選択される。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高い結晶化の観点からは、XgはNであることが好ましい。
式B−12において、Rmは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRmが水素原子またはハロゲン原子であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−12において、Smは、XgがCHの場合は1〜8の整数である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Smは偶数であることが好ましく、Smが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
またSmは、XgがNの場合は、1〜6の整数であり、前記と同様の観点から、Smは偶数であることが好ましく、Smが偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることがさらに好ましい。
なお、Smが2以上の場合には、複数存在するRmは同一でも異なっていてもよい。
式B−13において、XhはO、S、NH、N(CH3)、N(C2H5)およびN(Ph)から選択される。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子内共役系の平面性の高さの観点から、Xhは、SまたはNHであることが好ましい。
式B−13において、Rnは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRnが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−13において、Snは1〜4の整数である。Snが2以上の場合には、複数存在するRnは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Snは2〜4の整数であることが好ましく、2または4であることがさらに好ましい。
式B−14において、XiはO、S、NH、N(CH3)、N(C2H5)およびN(Ph)から選択される。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子内共役系の平面性の高さの観点から、Xiは、SまたはNHであることが好ましい。
式B−14において、Rpは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRpが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−14において、Spは1〜8の整数である。Spが2以上の場合には、複数存在するRpは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Spは4〜8の整数であることが好ましく、4または8であることがさらに好ましい。
式B−15において、XjはCH及びNから選択され、本発明のアゾメチンオリゴマーの原料の商業的な入手のしやすさの観点から、CHであることが好ましい。
式B−15において、Rqは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRqが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−15において、XjがCHの場合はSqは1または2である。Sqが2の場合には、二つ存在するRqは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Sqは2であることが好ましい。なお、XjがNの場合はSqは0である。
式B−16において、XkはS及びOから選択され、本発明のアゾメチンオリゴマーの原料の商業的な入手のしやすさの観点から、Sであることが好ましい。
式B−16において、Rrは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRrが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−16において、Srは1〜4の整数である。Srが2以上の場合には、複数存在するRrは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Srは3または4であることが好ましく、4であることがさらに好ましい。
式B−17において、Rsは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRsが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−17において、Ssは1または2である。Ssが2の場合には、二つ存在するRsは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Ssは2であることが好ましい。
式B−18において、Rtは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRtが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−18において、Stは1〜4の整数である。Stが2以上の場合には、複数存在するRtは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Stは偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることが好ましい。
式B−19において、Ruは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRuが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−19において、Suは1または2である。Suが2の場合には、二つ存在するRuは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Suは2であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることが好ましい。
式B−20において、Rvは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜15のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜15の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRvが水素原子、炭素数1〜15のアルキル基または炭素数1〜15のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−20において、Svは1〜6の整数である。Svが2以上の場合には、複数存在するRvは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Svは偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることが好ましい。
式B−21において、Rxは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRxが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−21において、Sxは1または2である。Sxが2の場合には、二つ存在するRxは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Sxは2であることが好ましい。
式B−22において、Ryは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜15のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜15の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRyが水素原子、炭素数1〜15のアルキル基または炭素数1〜15のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−22において、Syは1〜4の整数である。Syが2以上の場合には、複数存在するRyは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Syは偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることが好ましい。
式B−23において、Rzは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRzが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−23において、Szは1〜6の整数である。Szが2以上の場合には、複数存在するRzは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Szは偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることが好ましい。
式B−24において、Raaは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は基中にエーテル結合もしくはアルコキシ基を含む炭素数1〜8の炭化水素基である。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化の観点から、好ましくはRaaが水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、ファンデルワールス半径が小さい水素原子であることがより好ましい。
式B−24において、Saaは1〜6の整数である。Saaが2以上の場合には、複数存在するRaaは同一でも異なっていてもよい。本発明のアゾメチンオリゴマーの分子間における高結晶化のために、芳香環内における電子の局在化をより小さくする観点から、Saaは偶数であり、かつ芳香族基全体として対称要素を有するように置換されていることが好ましい。
上記芳香族環含有共役基においては、これらの二価の芳香族基がアゾメチン基によって連結されており、アゾメチン基と二価の芳香族基とが交互に結合して共役した構造をとっている。
芳香族環含有共役基中の芳香族基は通常5個以下であり、本発明のアゾメチンオリゴマーの溶媒への溶解性、分子内共役、分子間における結晶性の観点から、3〜5個であることが好ましい。アゾメチン基と二価の芳香族基とを交互に結合させる方法については、後記の本発明のアゾメチンオリゴマーの製造方法の項にて説明する。
<アゾメチンオリゴマー>
本発明のアゾメチンオリゴマーにおいては、以上説明した炭化水素基の両末端に、上記芳香族基または芳香族環含有共役基が、アゾメチン基を介して結合している。
このような構造の例を以下に示す。
この構造は、二価の炭化水素基がオクチレン基であり、芳香族基が、アゾメチン基を有するフェニル基である場合の構造である。C=Nがアゾメチン基であり、この向きによって共役系内での共役状態は異なるが、前記共役状態は、フェニル基等の非ヘテロ原子含有芳香環においては分子間における結晶性には大きな影響は及ぼさないと考えられる。
一方、芳香環がピリジン基等のヘテロ環である場合においては、アゾメチン基の向きによって、前記共役状態が分子間における結晶性に影響を与えることが考えられる。すなわち、アゾメチン基の向きが、アゾメチン基を構成するNおよびCのうち、Nのほうがヘテロ環に近い位置にある向きであり、かつヘテロ環のヘテロ原子がアゾメチン基を構成するNの近くにあるときには、本発明のアゾメチンオリゴマーの固体状態における分子内共役系の拡張がおこり、また共役系内の電子構造が大きく影響を受ける場合があるので、好ましい。本発明のアゾメチンオリゴマーが、溶液状態で、前記アゾメチン基中のNおよびヘテロ環のヘテロ原子に基づく、金属イオンに対するメタレーション効果、およびカチオン認識効果等を示すことが期待され、前記効果の相互作用によりアゾメチンオリゴマーがテンプレートされるからである。
本発明のアゾメチンオリゴマーは、その構造中に上記炭化水素基を有し、この部分は結晶性を有していないため、汎用性の高い多様な有機溶媒、例えば疎水性溶媒、アルコール系溶媒、グリコール系溶媒またはエステル系溶媒に対して高い溶解性を示す。
より具体的には、前記アゾメチンオリゴマーは、通常クレゾール、トルエン、THF、シクロペンチルメチルエーテル、アセトン、MEK、MIBK、シクロペンタノン、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、二硫化炭素、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、n-ブタノール、t−ブタノール、ペンチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ピリジン、NMP、硫酸、蟻酸、酢酸、塩酸、乳酸、トリエチルアミン、ジブチルアミンの中から選択されるいずれかの溶媒乃至、二種以上の共溶媒100gに対し、25℃において通常0.1g以上、好ましくは1〜10gの溶解性を有する。なお、[背景技術]でも述べたように、クレゾールやクロロベンゼンなどは、腐食性を有する、あるいは人体に有害である。本発明においては、これらは通常他のトルエンなどの汎用性の高い溶媒に少量混合して共溶媒として用いる。
このように、汎用性の高い、多種多様な有機溶媒に対する溶解性の高い本発明のアゾメチンオリゴマーは、従来のポリアゾメチンのようなポリマー構造を有していないにもかかわらず、電子および正孔などのキャリアを輸送する機能が高く、半導体用途に好適である。
高いキャリア輸送機能を有するのは、以下の理由による。すなわち、アゾメチンオリゴマーが分子同士で、親和性の高いもの同士(すなわち炭化水素基は炭化水素基同士、芳香族基及び芳香族環含有共役基は芳香族基及び芳香族環含有共役基同士)が重なり合う。そして、芳香族基または芳香族環含有共役基がスタックしている箇所において、キャリアが自由に移動できるのである。つまり、従来のポリアゾメチンは、分子内の特定の構造によってキャリア移動度を確保していたのに対し、本発明においては、分子間のスタックによってキャリア移動度を確保しているのである。
以上説明したように、本発明のアゾメチンオリゴマーは高いキャリア輸送機能を有し、半導体用途に好適であり、しかも汎用性の高い有機溶媒に対して高い溶解性を示す。したがって、前記アゾメチンオリゴマーを汎用性の高い有機溶媒に溶解させ、得られたアゾメチンオリゴマー溶液を使用し、スピンコートやディップコートといった塗布法によって、基板上に安全かつ容易に半導体層を形成することができる。
このようなキャリア輸送機能を有する本発明のアゾメチンオリゴマーの溶液を、電極上に塗布して成膜し、p-n接合素子を作製することができる。アゾメチンオリゴマーをP型半導体層形成材料として用いた場合は、N型半導体層は、アゾメチンのイオン化ポテンシャル(eV)よりも大きい値である電子親和力(eV)を示す半導体材料(例:フラーレン)を用いて作製する。又、アゾメチンオリゴマーをN型半導体層形成材料として用いた場合は、P型半導体層は、アゾメチンオリゴマーの電子親和力(eV)よりも小さい値であるイオン化ポテンシャルを示す半導体材料(例:ポリ(3-ヘキシルチオフェン))を用いて作製する。
より具体的には、本発明のアゾメチンオリゴマーをN型半導体層の形成材料として使用する場合には、負側電極基板上にアゾメチンオリゴマー溶液を塗布、乾燥することにより、膜を作製する。その膜上にP型半導体材料を塗布もしくは蒸着などで成膜し、得られたP型半導体層上に正側の電極を蒸着することにより、p-n接合素子を作製することができる。また、本発明のアゾメチンオリゴマーをP型半導体層の形成材料として使用する場合には、負側電極基板上にN型半導体材料を塗布もしくは蒸着などで成膜し、その膜上にアゾメチンオリゴマー溶液を塗布、乾燥することでP型半導体層を形成し、さらに前記P型半導体層に正極の電極を蒸着することでp-n接合素子を作製することができる。これらのP型及びN型半導体材料の接合体層の厚みは、通常10〜900nmである。
例えばこのようにして作成されるp-n接合素子は、例えばダイオード、有機EL、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタ、熱電発電素子等の有機エレクトロニクス分野への応用が可能である。
ここで、前記イオン化ポテンシャルおよび電子親和力は、それぞれHOMO(最高占有軌道)とLUMO(最低非占有軌道)として実験的に求めることができる。
HOMOは、日本国特許第1124703号公報に記載の光電子分光法により、理研計器社製のAC-2を使用して求めることができる。
また電気化学的な酸化電位を求めてHOMOに換算する方法としては、具体的に試料の酸化開始電位を求めて換算する方法が例示される。
酸化開始電位は、目的の試料に関してサイクリックボルタンメトリー(CV)の測定を行い、得られた測定結果において、ベースラインから酸化電流が流れ始めるときの電位として求められる。必要に応じて、測定に用いた参照電極から標準水素電極基準への換算を行い、さらに、この値に真空準位に対する標準水素電極の値(定数)4.5を加えることにより、HOMO(eV)を求めることができる。
次に、LUMOを求める方法としては、電気化学的な還元準位を求めてLUMOに換算する方法、ならびに試料の紫外-可視光吸収スペクトルの吸収開始波長と上記で求めたHOMOの値からLUMOに換算する方法が挙げられる。
電気化学的な測定によりLUMOを求める場合は、上記のHOMOを求める場合と同様にCVで試料の還元電位の測定を行い、同様に換算をすることによりLUMOが求められる。
吸収開始波長からLUMOを求める場合には、試料をガラス基板上に数十ナノメートル程度の厚みになるようにスピンコートにより製膜し、形成された膜について紫外-可視光吸収スペクトルの測定を行い、得られた測定結果において、ベースラインから吸収が開始するときの波長λ(nm)として吸収開始波長を求めることができる。この値を電子ボルト(eV)へ換算して得られた値をバンドギャップエネルギーE(eV)とする。さらに上記のようにして求められるHOMO(eV)を、このバンドギャップエネルギーE(eV)で除することにより、LUMOを求めることができる。
アゾメチンオリゴマーの半導体特性の調整に関しては、一般的な共役系ポリマーについての知見を参照することができ、一般的な調整法と同様の方法で前記半導体特性の調整が可能である。
本発明のアゾメチンオリゴマーのP型半導体特性は、分子のイオン化ポテンシャル調整により向上させることができる。例えば以下の2つの方法により、分子のイオン化ポテンシャルを大きくすることが可能である。
(1)共役系(芳香族基または芳香族環含有共役基)として、電子豊富なナフタレン、アントラセン等の縮環系ユニットを選択すること
(2)メチル基、フェニル基等の電子供与性の置換基を共役系に導入することにより、共役系内の電子密度を大きくし、電子を非局在化させること。
一方、本発明のアゾメチンオリゴマーのN型半導体特性は、分子の電子親和力の調整により向上させることができる。例えば以下の2つの方法により、分子の電子親和力を大きくすることが可能である。
(1)共役系(芳香族基または芳香族環含有共役基)として、電子不足の傾向をもつピリジン、ビピリジン、フェナントロリン等の複素環を選択すること
(2)F、CF3等の電子吸引性の置換基を共役系に導入することにより、共役系内の電子密度を低くし、電子を局在化させること。
前記のごとく優れた半導体特性を有する本発明のアゾメチンオリゴマーからは、p-n接合素子を調製することができる。該アゾメチンオリゴマーをP型半導体層またはN型半導体層の形成材料として使用して作製したp-n接合素子については、P型半導体側の電極に正極端子を、N型半導体側の電極に負極端子を接続し、−5V〜+5Vの範囲内において電圧を印可することができ、順方向の電力量/逆方向の電力量>1.0となる。
この特性を利用して、本発明のアゾメチンオリゴマーは、例えばp及びn型半導体として使用可能である。なお、前記P型半導体層と電極との間、前記N型半導体層と電極との間には、それぞれ正孔注入相、電子注入層を別途設けることも可能である。
また、本発明のアゾメチンオリゴマーの分子量は、溶媒溶解性と分子内結晶性の両立の観点から、150〜15000の範囲内にあることが好ましく、1500〜10000の範囲内にあることがより好ましい。分子量の調整方法については、後記の本発明のアゾメチンオリゴマーの製造方法の項にて説明する。
(アゾメチンオリゴマーの具体例)
以上説明した本発明のアゾメチンオリゴマーの具体例としては、下記一般式(I)で表わされる化合物が挙げられる。
上記式において、二つ存在するArは独立に、置換基を有していてもよい一価の芳香族基、またはアゾメチン基と置換基を有していてもよい二価の芳香族基とが交互に結合して共役した芳香族環含有共役基である。
前記一価の芳香族基の例としては、下記式で表わされる基が挙げられる。なお、下記式においては、半カッコでくくられた部位が結合手である。
これらの中でも、本発明のアゾメチンオリゴマーが固体の状態における、分子間の高い結晶性の観点から、以下に例示される一価の芳香族基が好ましい。
さらに、単位共役構造内における共役性を拡張する観点から、以下に例示される一価の芳香族基がより好ましい。
また、上記二価の芳香族基の具体的な例としては、以下の基が挙げられる。なお、下記式においては、半カッコでくくられた部位が結合手である。
これらの中でも、本発明のアゾメチンオリゴマーが固体の状態における、分子間の高い結晶性の観点から、以下に例示される二価の芳香族基が好ましい。
上記式(I)において、Aはアゾメチン基(C=NまたはN=C)であり、本発明のアゾメチンオリゴマーを製造するための原料基質として用いる、後述する炭化水素化合物および芳香族環含有化合物を、ジアミン体及びジアルデヒド体のいずれとするかの選択により、その向きは異なる。なお、一般式(I)中のAr−Aにおいて、二つのアゾメチン基が隣接することはない。
式(I)において、Rは、分岐を有していてもよくハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜1024のアルキレン基、基中にエーテル結合および/またはチオエーテル結合を有し、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜1024の二価の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数3〜50のシクロアルキレン基、または基中にカルボキシル基を有し、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜1024の二価の炭化水素基である。Rとして好ましいものは、上記<二価の炭化水素基>の説明で、炭化水素基として好ましいものとして挙げたものと同様である。
以上説明した本発明のアゾメチンオリゴマーは、分子間で芳香族基または芳香族環含有共役基がスタックしている箇所において、キャリアを自由に移動させることができるため、半導体用途に好適である。また前記アゾメチンオリゴマーは、トルエン等の疎水性溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール系溶媒、または乳酸メチル等のエステル系溶媒などの汎用性の高い有機溶媒に対して高い溶解性を有している。そのため、本発明のアゾメチンオリゴマーを前記有機溶媒に溶解して、得られたアゾメチンオリゴマー溶液を使用して、塗布法によって基板上に容易に半導体層を形成することができる。
次に、本発明のアゾメチンオリゴマーの製造方法について説明する。
[本発明のアゾメチンオリゴマーの製造方法]
本発明のアゾメチンオリゴマーの製造方法は、下記一般式(II)で表わされる炭化水素化合物1当量に対して、下記一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物2当量を反応させる工程を有している。
式(II)において、二つのXはともにアルデヒド基またはアミノ基であり、式(III)においてYは、式(II)におけるXがアルデヒド基の場合にはアミノ基であり、Xがアミノ基の場合にはアルデヒド基である。
すなわち、アルデヒド基とアミノ基との反応を利用し、炭化水素化合物1分子に対して芳香族環含有化合物2分子を反応させることによって、本発明のアゾメチンオリゴマーが得られる。
<一般式(II)で表わされる炭化水素化合物>
上記式(II)において、二つのXは、前述のようにともにアルデヒド基またはアミノ基である。二つのArは独立に置換基を有していてもよい二価の芳香族基であり、その具体例としては、上記式B−1〜B−24で表わされる基が挙げられる。
上記式(II)において、Aはアゾメチン基であり、後述するように、炭化水素化合物を製造するための原料基質として用いる化合物の選択により、その向きは異なる。
式(II)において、mおよびnは独立に0または1である。mが1である場合には、mの添え字が付けられたカッコでくくられたAr−AおよびArに結合したXが(Xはアゾメチン基となるが)、本発明のアゾメチンオリゴマーにおける芳香族環含有共役基の一部を構成する。nについても同様である。
式(II)において、R1およびR2は独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子またはカルボキシル基である。R1およびR2としては、有機溶媒に対する溶解性と成膜時の膜の結晶性の観点から、水素原子および炭素数5〜12のアルキル基が好ましい。
式(II)において、Zは酸素原子、硫黄原子またはシクロアルキレン基を有する二価の基であり、原料が比較的に商業的に入手可能な点から、酸素原子であることが好ましい。
式(II)において、iは0または1であり、iが1の場合には、炭化水素化合物がエーテル結合(酸素原子)、チオエーテル結合(硫黄原子)またはシクロアルキレン基を有することになる。
式(II)において、hおよびjは独立に0〜12の整数であり、0〜3の整数であることが好ましい。ただし、Zが酸素原子または硫黄原子である場合は、hおよびjはともに1以上である。
式(II)において、kは1〜10の整数であり、2〜5の整数であることが好ましい。
また式(II)において、hが2以上の場合には、複数存在するR1は同一でも異なっていてもよく、jが2以上の場合には、複数存在するR2は同一でも異なっていてもよい。
式(II)において、kが2以上の場合は、複数存在する(−(CHR1)h−(Z)i−(CHR2)j−)は、同一でも異なっていてもよい。
さらに、(−(CHR1)h−(Z)i−(CHR2)j−)kで表わされる構造中の炭素原子数は、2〜1024であり、好ましくは6〜512である。
(一般式(II)で表わされる炭化水素化合物の入手方法)
一般式(II)において、mおよびnが0である炭化水素化合物は、市販されており、容易に入手可能である。
mまたはnが1で、他方が0の場合の炭化水素化合物は、市販されている化合物を反応させることにより、容易に入手することができる。
Arがフェニレン基であり、mが1であり、nが0であり、(−(CHR1)h−(Z)i−(CHR2)j−)kがオクチレン基であり、Xがアミノ基である場合を例とすると、たとえば以下の反応によって、一般式(II)の炭化水素化合物が得られる。
このようなp−アミノベンズアルデヒド1分子が1,8−ジアミノオクタン1分子と反応し、一般式(II)の炭化水素化合物が得られる反応の反応条件の詳細は、実施例の原料1の合成の項で示す。
以上の反応では、Xとしてアミノ基を有する炭化水素化合物が得られるが、使用する反応原料をp−アミノベンズアルデヒドと1,8−ジホルミルオクタンに変更すれば、Xとしてアルデヒド基を有し、アゾメチン基の向きが反対となった炭化水素化合物が得られる。
次に、mおよびnがともに1である炭化水素化合物は、上記の反応を繰り返す(上記反応で得られた化合物に、p−アミノベンズアルデヒドを反応させる)ことによって得られるし、また下記のようにして、一段階の反応で得ることも可能である。
1,8−ジアミノオクタンに対して、p−アミノベンズアルデヒドを過剰量使用することによって、上記のような一段階の反応が可能となる。以上の反応では、Xとしてアミノ基を有する炭化水素化合物が得られるが、使用する原料を1,8−ジホルミルオクタンとp−アミノベンズアルデヒドに変更すれば、Xとしてアルデヒド基を有し、アゾメチン基の向きが反対となった炭化水素化合物が得られる。
アミノ基とアルデヒド基とは反応性が高いため、上記反応は、原料成分を接触混合することなどにより、容易に進行する。
このような反応は、アミノ基とアルデヒド基とを反応させる公知慣用の反応条件によって実施可能である。通常反応温度は30〜120℃であり、反応時間は通常2〜48時間である。
また反応溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族性溶媒、THF、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、MEK、シクロペンタノン等のケトン系溶媒、m-クレゾール、フェノール等のプロトンドナー性の芳香族溶媒(酸触媒化された反応条件においての使用が好ましい)、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン、塩化ベンゼンなどの含ハロゲン溶媒、NMP、DMF、ピリジン、ピペリジン等のプロトン受容性溶媒(塩基触媒化された反応条件においての使用が好ましい)、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒が挙げられる。
以上説明したように、本発明のアゾメチンオリゴマーの製造原料たる炭化水素化合物は、市販されているか、あるいは市販されているものを反応させることによって、容易に入手可能である。
(炭化水素化合物の具体例)
以上説明した一般式(II)で表わされる炭化水素化合物の具体例としては、下記式で表わされる化合物が挙げられる。
上記式において、二つのXはともにアミノ基またはアルデヒド基であり、tは6〜12の整数である。
<一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物>
一般式(III)を再度示す。
上記式において、Yは前述のように、式(II)におけるXがアルデヒド基の場合にはアミノ基であり、Xがアミノ基の場合にはアルデヒド基である。
式(III)において、Ar1は置換基を有していてもよい一価の芳香族基であり、その具体例としては、上記式A−1〜A−23で表わされる基が挙げられる。
これらの中でも、Ar1としては、本発明のアゾメチンオリゴマーの共役系の拡張と溶媒に対する溶解性の両立の観点から、フルオレン、フェナンソロリン等の縮環系、またはビフェニル、ビピリジン、ターチオフェン等の芳香環が2〜5ユニット連結した共役系が好ましい。
次に、上記式(III)において、Ar2は置換基を有していてもよい二価の芳香族基であり、その具体例としては、上記式B−1〜B−24で表わされる基が挙げられる。
これらの中でも、Ar2としては、共役系の拡張と溶媒に対する溶解性の両立の観点から、フルオレン、フェナンソロリン等の縮環系、またはビフェニル、ビピリジン、ターチオフェン等の芳香環が2〜5ユニット連結した共役系が好ましい。
式(III)において、Aはアゾメチン基であり、後述するように、芳香族環含有化合物を製造するための原料基質として用いる化合物の選択により、その向きは異なる。
式(III)において、pは0〜5の整数であり、本発明のアゾメチンオリゴマーの共役系の拡張と溶媒に対する溶解性の両立の観点から、1〜3の整数であることが好ましい。また、pが2以上の場合には、複数存在するAr2は同一でも異なっていてもよい。
(一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物の入手方法)
一般式(III)において、pが0である芳香族環含有化合物は市販されており、容易に入手可能である。
pが1以上の場合の芳香族環含有化合物は、市販されている化合物を反応させることにより、容易に入手することができる。
一般式(III)において、Ar1がフェニル基であり、Ar2がフェニレン基の場合を例とすると、たとえば以下の反応によって、pが1である芳香族環含有化合物が得られる。
このように、ベンズアルデヒド1分子が1,4−ジアミノベンゼン1分子と反応し、一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物が得られる反応の反応条件の詳細は、実施例の原料4の合成の項で示す。
以上の反応では、Yとしてアミノ基を有する芳香族環含有化合物が得られるが、使用する反応原料をp−アミノベンズアルデヒドと1,4−ジホルミルベンゼンに変更すれば、Yとしてアルデヒド基を有し、アゾメチン基の向きが反対となった芳香族環含有化合物が得られる。
さらに、pが2以上である芳香族環含有化合物は、上記反応を繰り返す(上記反応で得られたアゾメチン化合物に、p−アミノベンズアルデヒドを反応させる)ことによって得られる。
アミノ基とアルデヒド基とは反応性が高いため、上記反応は容易に進行する。
このような反応は、アミノ基とアルデヒド基とを反応させる公知慣用の反応条件によって実施可能である。通常反応温度は30〜120℃であり、反応時間は通常2〜48時間である。
また反応溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族性溶媒、THF、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、MEK、シクロペンタノン等のケトン系溶媒、m-クレゾール、フェノール等のプロトンドナー性の芳香族溶媒(酸触媒化された反応条件においての使用が好ましい)、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン、塩化ベンゼンなどの含ハロゲン溶媒、NMP、DMF、ピリジン、ピペリジン等のプロトン受容性溶媒(塩基触媒化された反応条件においての使用が好ましい)、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒が挙げられる。
以上説明したように、本発明のアゾメチンオリゴマーの製造原料たる芳香族環含有化合物は、市販されているか、あるいは市販されているものを反応させることによって、容易に入手可能である。
(芳香族環含有化合物の具体例)
以上説明した芳香族環含有化合物の具体例としては、下記式で表わされる化合物が挙げられる。
上記式において、Yはアルデヒド基またはアミノ基である。
<反応>
本発明のアゾメチンオリゴマーの製造方法においては、上記一般式(II)で表わされる炭化水素化合物1当量に対して、上記一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物2当量を反応させる。炭化水素化合物および芳香族環含有化合物の分子量を適宜選択(調節)することにより、得られる本発明のアゾメチンオリゴマーの分子量を調節することができる。
この反応において、炭化水素化合物が有する2つのアミノ基またはアルデヒド基が、芳香族環含有化合物が有するアルデヒド基またはアミノ基と反応してアゾメチン基を形成し、アゾメチン基と芳香族基とが(交互に)結合して共役した構造(上記芳香族基または芳香族環含有共役基)が形成される。また芳香族環含有化合物には、炭化水素化合物との反応に関与するアルデヒド基またはアミノ基以外に、アルデヒド基またはアミノ基と反応性を有する部位がないため、前記反応ののち、さらに芳香族環含有化合物または炭化水素化合物との反応がおこることがなく、ポリアゾメチンではなく、アゾメチンオリゴマーが得られる。
上記反応における反応温度は、通常30〜120℃、反応効率の観点から、好ましくは60〜100℃である。
上記反応における反応時間は、通常2〜48時間、反応効率の観点から、好ましくは6〜24時間である。
また、上記反応においては、m−クレゾール、ジメチルフェノール、フェノール、カンファースルホン酸、ナフトール、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、塩酸、硫酸、といった一般的な酸に触媒化された付加反応に使用される触媒が使用可能である。また、一般的な塩基に触媒化された付加反応に使用されるのと同様の塩基も、上記反応における触媒としての使用が可能である。
さらに、上記反応の反応溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族性溶媒、THF、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、MEK、シクロペンタノン等のケトン系溶媒、m-クレゾール、フェノール等のプロトンドナー性の芳香族溶媒(酸触媒化された反応条件においての使用が好ましい)、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン、塩化ベンゼンなどの含ハロゲン溶媒、NMP、DMF、ピリジン、ピペリジン等のプロトン受容性溶媒(塩基触媒化された反応条件においての使用が好ましい)、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒が挙げられる。これらの中でも、反応効率の観点から、m−クレゾール、トルエン−m−クレゾール共溶媒、THF、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンタノンが好ましい。
アルデヒド基とアミノ基との反応性は高いため、上記反応は容易に進行する。したがって、本発明のアゾメチンオリゴマーは、入手の容易な原料から容易に製造することができる。また前記アゾメチンオリゴマーは、非特許文献5に記載の、主鎖中の芳香環、ヘテロ環または芳香環及びヘテロ環にアルキル基またはアルコキシ基などを導入したポリアゾメチンが有する、原料モノマーが商業的に入手できないために工業化が困難であるといった問題点を有していない。
<原料1の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管に1,8−ジアミノオクタン3.57g(24.8mmol)、m−クレゾール5g、トルエン30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、p−アミノベンズアルデヒド2g(16.5mmol)をトルエン30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後3時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、エタノールで洗浄した。これにより淡黄色オイルとして4.08g(収率:95%)の一般式(II)で表わされる炭化水素化合物が得られた。FAB-MS:m/z=248[M+H] +。
<原料2の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管に1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン3.68g(24.8mmol)、m−クレゾール5g、THF 30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、p−アミノベンズアルデヒド2g(16.5mmol)をトルエン 30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後3時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサンで洗浄した。これにより淡黄色オイルとして3.22g(収率:51%)の一般式(II)で表わされる炭化水素化合物が得られた。
FAB-MS:m/z=252[M+H]+。
<原料3の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管にジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル5.46g(24.8mmol)、m−クレゾール5g、THF 30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、p−アミノベンズアルデヒド2g(16.5mmol)をトルエン30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後3時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサンで洗浄した。これにより赤色オイルとして4.89g(収率:88%)の一般式(II)で表わされる炭化水素化合物が得られた。
FAB-MS:m/z=324[M+H]+ 。
<原料4の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管に1,4−フェニレンジアミン8.05g(74.4mmol)、 m−クレゾール5g、THF 30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、ベンズアルデヒド2.63g (24.8mmol)をTHF 30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後3時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリルで洗浄した。これにより淡黄色固体として4.00g(収率:82%)の一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物が得られた。FAB-MS:m/z=197[M+H]+。
<原料5の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管に2,5−ジアミノピリジン8.12g(74.4mmol)、 m−クレゾール5g、THF 30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、ベンズアルデヒド2.63g (24.8mmol)をTHF 30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後3時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、ジメチルエーテルで洗浄した。これにより淡黄色固体として4.33g(収率:89%)の一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物が得られた。FAB-MS:m/z=198[M+H]+。
<原料6の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管に2,6−ジアミノピリジン8.12g(74.4mmol)、 m−クレゾール5g、THF 30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、ベンズアルデヒド2.63g (24.8mmol)をTHF 30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後3時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、ジメチルエーテルで洗浄した。これにより淡黄色固体として3.51g(収率:89%)の一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物が得られた。FAB-MS:m/z=198[M+H]+。
<原料7の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管に2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン12.2g(74.4mmol)、 m−クレゾール5g、THF 30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、ベンズアルデヒド2.63g (24.8mmol)をTHF 30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後3時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、ジメチルエーテルで洗浄した。これにより淡黄色固体として5.65g(収率:90%)の一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物が得られた。FAB-MS:m/z=253[M+H]+。
<原料8の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管に1,4−フェニレンジアミン8.05g(74.4mmol) 、 m−クレゾール5g、THF 30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、2−チオフェンアルデヒド2.78g (24.8mmol)をTHF 30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下を行い、その後3時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、ジメチルエーテルで洗浄した。これにより淡黄色固体として4.50g(収率:90%)の一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物が得られた。FAB-MS:m/z=203[M+H]+。
<原料9の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管に1,4−フェニレンジアミン8.05g(74.4mmol) 、 m−クレゾール5g、THF 30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、4−フェニルベンズアルデヒド4.52g (24.8mmol)をTHF 30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下を行い、その後3時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリルで洗浄した。これにより淡黄色固体として6.63g(収率:98%)の一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物が得られた。FAB-MS:m/z=273[M+H]+。
<原料10の合成>
窒素置換した50mLシュレンク管に1,4−フェニレンジアミン8.05g(74.4mmol) 、 m−クレゾール5g、THF 15gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、ペンタフルオロベンズアルデヒド4.86g (24.8mmol)をTHF 15gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後3時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリルで洗浄した。これにより淡黄色固体として3.20g(収率:45%)の一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物が得られた。FAB-MS:m/z=287[M+H]+。
<原料11の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管にテレフタルアルデヒド10.0g(74.4mmol) 、 m−クレゾール5g、トルエン30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、アニリン2.30g (24.8mmol)をトルエン30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後3時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリルで洗浄した。これにより淡黄色固体として3.63g(収率:77%)の一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物が得られた。FAB-MS:m/z=210[M+H]+。
<原料12の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管にイソフタルアルデヒド10.0g(74.4mmol) 、 m−クレゾール5g、トルエン30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、アニリン2.30g (24.8mmol)をトルエン30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後3時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリルで洗浄した。これにより淡黄色固体として2.50g(収率:48%)の一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物が得られた。FAB-MS:m/z=210[M+H]+。
<原料13の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管にテレフタルアルデヒド10.0g(74.4mmol) 、 m−クレゾール5g、トルエン30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、2−アミノフルオレン4.49g (24.8mmol)をトルエン30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後3時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として3.47g(収率:47%)の一般式(III)で表わされる芳香族環含有化合物が得られた。FAB-MS:m/z=298[M+H]+。
<原料14の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管にテレフタルアルデヒド10.0g(74.4mmol)、 m−クレゾール5g、トルエン30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、1,8−ジアミノオクタン3.57g(24.8mmol)をトルエン30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後24時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサンで洗浄した。これにより白色固体として6.59g(収率:71%)の一般式(II)で表わされる炭化水素化合物が得られた。FAB-MS:m/z=377[M+H]+。
<原料15の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管にテレフタルアルデヒド10.0g(74.4mmol)、 m−クレゾール5g、トルエン30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン3.68g(24.8mmol)をトルエン30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後24時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサンで洗浄した。これにより白色固体として7.02g(収率:74%)の一般式(II)で表わされる炭化水素化合物が得られた。FAB-MS:m/z=381[M+H]+。
<原料16の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管にテレフタルアルデヒド10.0g(74.4mmol)、 m−クレゾール5g、トルエン30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル5.46g (24.8mmol)をトルエン30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後24時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサンで洗浄した。これにより白色固体として8.22g(収率:73%)の一般式(II)で表わされる炭化水素化合物が得られた。FAB-MS:m/z=453[M+H]+。
<原料17の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管に2,5-チオフェンジカルボアルデヒド10.4g(74.4mmol)、 m−クレゾール5g、トルエン30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル5.46g (24.8mmol)をトルエン30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下を行い、その後24時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサンで洗浄した。これにより白色固体として6.20g(収率:54%)の一般式(II)で表わされる炭化水素化合物が得られた。FAB-MS:m/z=465[M+H]+。
<原料18の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管に2,6-ピリジンジカルボアルデヒド10.1g(74.4mmol)、 m−クレゾール5g、トルエン30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル5.46g (24.8mmol)をトルエン30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後24時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサンで洗浄した。これにより白色固体として3.73g(収率:33%)の一般式(II)で表わされる炭化水素化合物が得られた。FAB-MS:m/z=455[M+H]+。
<原料19の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管に4,4'-ビフェニルジカルボアルデヒド15.6g(74.4mmol)、 m−クレゾール5g、トルエン30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル5.46g (24.8mmol)をトルエン30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後3時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサンで洗浄した。これにより白色固体として9.50g(収率:63%)の一般式(II)で表わされる炭化水素化合物が得られた。FAB-MS:m/z=605[M+H]+。
<原料20の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管にテレフタルアルデヒド10.0g(74.4mmol)、 m−クレゾール5g、THF 30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)5.22g (24.8mmol)をTHF30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後24時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサンで洗浄した。これにより白色固体として7.82g(収率:71%)の一般式(II)で表わされる炭化水素化合物が得られた。FAB-MS:m/z=443[M+H]+。
<原料21の合成>
窒素置換した100mLシュレンク管にテレフタルアルデヒド10.0g(74.4mmol)、 m−クレゾール5g、THF 30gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、4,4'-メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)5.90g (24.8mmol)、を THF30gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後24時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥した後、熱ヘキサンで洗浄した。これにより白色固体として8.17g(収率:70%)の一般式(II)で表わされる炭化水素化合物が得られた。FAB-MS:m/z=471[M+H]+。
<原料22の合成>
窒素置換した20mLシュレンク管に2,2':5',2''-ターチオフェン-5,5''-ジカルボアルデヒド1g(3.3mmol)、 m−クレゾール1g、THF 10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル0.242.g (1.1mmol)をTHF 6gに溶解した溶液を1時間かけて上記溶液に滴下し、その後12時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥した後、熱ヘキサン、熱アセトニトリルで洗浄した。これにより白色固体として0.50g(収率:57%)の一般式(II)で表わされる炭化水素化合物が得られた。FAB-MS:m/z=794[M+H]+。
<原料23の合成>
3-ヘキシルチオフェン-2,5-ジカルボアルデヒド(原料)の合成
窒素置換した300mLシュレンク管に3−ヘキシルチオフェン10g(59.4mmol)、THF 200gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を-78℃まで冷却した。その後、LDA/ヘキサン溶液(1.6M)10.7mLを1時間かけて上記溶液に滴下し、その後2時間攪拌を行った後、DMF 20g投入し、さらに6時間攪拌した後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液に水100g、クロロホルム100gを投入し、得られた混合液を分液し、クロロホルム抽出を行った。得られた抽出液について、硫酸マグネシウムによる乾燥を行った後、再びエバポレーションを行った。さらにカラムクロマトグラフィーにより(展開溶媒:ヘキサン)濃縮液の精製を行い、白色固体として11.57g(収率:87%)の3-ヘキシルチオフェン-2,5-ジカルボアルデヒドが得られた。FAB-MS:m/z=225[M+H]+。
<原料24の合成>
窒素置換した50mLシュレンク管に3-ヘキシルチオフェン-2,5-ジカルボアルデヒド 5g(22.3mmol)、 m−クレゾール1g、THF 20gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル1.64g (7.4mmol)をTHF 10gに溶解した溶液を1時間かけて上記溶液に滴下し、その後12時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、熱アセトニトリルで洗浄した。これにより白色固体として3.77g(収率:81%)の一般式(II)で表わされる炭化水素化合物が得られた。FAB-MS:m/z=693[M+H]+。
[実施例1]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管にベンズアルデヒド0.85g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアミン体(原料1)0.66g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより黄褐色固体として0.62g(収率:55%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=424[M+H]+。
[実施例2]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管にベンズアルデヒド0.85g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアミン体(原料2)0.67g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより黄褐色固体として0.70g(収率:62%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=428[M+H]+。
[実施例3]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管にパーフルオロベンズアルデヒド1.56g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアミン体(原料3)0.86g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより赤色固体として0.97g(収率:53%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=680[M+H]+。
[実施例4]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管に合成して得られたモノアミン体(原料4)1.57g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアルデヒド体(原料14)1.00g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として1.03g(収率:53%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=733[M+H]+。
[実施例5]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管に合成して得られたモノアミン体(原料5)1.57g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアルデヒド体(原料15)1.01g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として1.37g(収率:70%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=737[M+H]+。
[実施例6]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管に合成して得られたモノアミン体(原料6)1.57g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアルデヒド体(原料16)1.21g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡赤色固体として1.55g(収率:72%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=813[M+H]+。
[実施例7]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管に合成して得られたモノアミン体(原料7)2.01g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアルデヒド体(原料16)1.20g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として1.98g(収率:81%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=922[M+H]+。
[実施例8]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管に合成して得られたモノアミン体(原料8)1.61g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアルデヒド体(原料16)1.20g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として1.77g(収率:81%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=822[M+H]+。
[実施例9]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管に合成して得られたモノアミン体(原料9)2.17g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアルデヒド体(原料16)1.20g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として2.05g(収率:80%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=962[M+H]+。
[実施例10]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管に合成して得られたモノアミン体(原料10)2.28g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアルデヒド体(原料17)1.24g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として1.55g(収率:58%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=1001[M+H]+。
[実施例11]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管に合成して得られたモノアルデヒド体(原料11)1.67g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、1,12−ジアミノドデカン0.53g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥した後、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として0.77g(収率:50%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=583[M+H]+。
[実施例12]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管に合成して得られたモノアルデヒド体(原料12)1.67g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、1,12−ジアミノドデカン0.53g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として0.59g(収率:38%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=583[M+H]+。
[実施例13]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管に合成して得られたモノアルデヒド体(原料13)2.37g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル0.59g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として1.09g(収率:53%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=779[M+H]+。
[実施例14]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管にアニリン0.74g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアルデヒド体(原料19)1.61g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として1.11g(収率:55%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=755[M+H]+。
[実施例15]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管にアニリン0.74g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアルデヒド体(原料20)1.18g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として1.19g(収率:75%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=593[M+H]+。
[実施例16]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管にアニリン0.74g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアルデヒド体(原料21)1.25g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として1.31g(収率:79%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=621[M+H]+。
[実施例17]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管にアニリン0.74g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアルデヒド体(原料22)2.11g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として1.49g(収率:59%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=944[M+H]+。
[実施例18]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管に2−アミノフルオレン1.45g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアルデヒド体(原料24)1.68g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥した後、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡黄色固体として1.76g(収率:69%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=960[M+H]+。
[実施例19]
窒素置換した50mLシュレンク管に合成して得られた上記スキームのモノアミン体(原料10)2.28g (7.98mmol)、m−クレゾール20gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られた上記スキームのジアルデヒド体(原料22)2.11g(2.66mmol)をm−クレゾール10gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより赤紫色固体として2.89g(収率:96%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=1330[M+H]+。
[実施例20]
窒素置換した50mLシュレンク管に合成して得られたモノアミン体(原料10)1.14g (3.99mmol)、モノアミン体(原料4)0.78g(3.99mmol)、m−クレゾール20gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られた上記スキームのジアルデヒド体(原料22)2.11g(2.66mmol)をm−クレゾール10gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより上記の3種類のアゾメチンオリゴマーの混合物として、赤紫色固体として2.89gのアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=1150[M+H]+、1330[M+H]+、1240[M+H]+。
[実施例21]
上記スキームに示すようにしてアゾメチンオリゴマーを得た。
具体的には窒素置換した20mLシュレンク管に3−アミノ−9−エチルカルバゾール1.68g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたジアルデヒド体(原料16)1.20g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより淡赤色固体として1.45g(収率:65%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=838[M+H]+。
[比較例1]
窒素置換した20mLシュレンク管にベンズアルデヒド0.85g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られた2,7−ジアミノフルオレン0.52g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより黄色固体として0.65g(収率:61%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=373[M+H]+。
[比較例2]
窒素置換した20mLシュレンク管にパーフルオロベンズアルデヒド1.56g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られた2,7−ジアミノフルオレン0.52g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより黄色固体として0.52g(収率:35%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=553[M+H]+。
[比較例3]
窒素置換した20mLシュレンク管にベンズアルデヒド0.85g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られた1,5−ジアミノナフタレン0.42g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより黄色固体として0.43g(収率:48%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=335[M+H]+。
[比較例4]
窒素置換した20mLシュレンク管にベンズアルデヒド0.85g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られた2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン0.44g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより黄色固体として0.58g(収率:64%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=341[M+H]+。
[比較例5]
窒素置換した20mLシュレンク管に2−アミノフルオレン1.45g (7.98mmol)、 m−クレゾール10gを投入し、攪拌を行いながら反応溶液を70℃まで加熱した。その後、合成して得られたテレフタルアルデヒド0.36g(2.66mmol)をm−クレゾール5gに溶解した溶液を3時間かけて上記溶液に滴下し、その後6時間攪拌を行った後、反応終了とした。反応溶液中の揮発性溶媒をエバポレーションした後、濃縮液を真空乾燥し、熱ヘキサン、アセトニトリル、メタノールで洗浄した。これにより黄色固体として0.41g(収率:33%)のアゾメチンオリゴマーが得られた。FAB-MS:m/z=461[M+H]+。
<溶解性の評価>
実施例1〜21および比較例1〜5で得られたアゾメチンオリゴマーの、下記表1に示す溶媒への溶解性を評価した。
表1より、柔軟な構造である炭化水素基と、剛直な構造である芳香族基もしくは芳香族環含有共役基とを有する本発明のアゾメチンオリゴマーは、メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン、IPA、THF、MEKおよびトルエンのいずれか少なくとも一種の溶媒に溶解することがわかる。一方剛直な構造である芳香族環含有共役基のみからなるアゾメチンオリゴマーは、上記溶媒に対して全く溶解性を示さないことも分かる。