JP5664585B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートに関する。
側突の予測時にシートバックの肩口からシートクッションの前端部にかけてベルトを張り、着座乗員の車両側方への移動を規制する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、側突時にシートバック上端からシートクッション前端にかけて張ったベルトにて、サイドエアバッグの車幅方向外側への移動を規制する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−8194号公報 特開2009−29182号公報
上記した各技術では、ベルト上端の支持位置がシートバックの上端に制約されるため、乗員やエアバッグの移動をより効果的に規制する観点からは改善の余地がある。
本発明は、車両衝突時における乗員の車幅方向側方への移動を効果的に抑制することができる車両用シートを得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る車両用シートは、シートバックに対して、初期位置から車両上方に突出する突出位置へ移動可能に設けられ、前記初期位置から突出位置への移動過程の少なくとも一部において車幅方向の一端側と他端側との間をヘッドレストが通るように、平面視で車両前向きに凹となる曲がり形状を成す可動支持体と、前記シートバック及びシートクッションにおける少なくとも車幅方向の一方側で、上端側が前記可動支持体に接続されると共に下端側がシートクッションの前端側に接続され、かつ前記シートクッションの側部からシートバックの側部にかけて収納され、前記可動支持体が前記初期位置から突出位置に移動することで、該可動支持体との接続部と前記シートクッションとの接続部との間に張力が作用するように展開される側方展開部材と、車両の衝突を検知又は予測した場合に、前記可動支持体を前記初期位置から突出位置に移動させるアクチュエータと、を備えている。
この車両用シートでは、車両の衝突の検知又は予測時にはアクチュエータが可動支持体を初期位置から突出位置に移動させる。すると、可動支持体に上端が接続された側方展開部材は、シートバック及びシートクッションから引き出されつつ、上下の接続点間で展開(張設)される。このため、側方展開部材の上端位置がシートバック上端である構成と比較して、側方展開部材の上下の接続点を結ぶ直線(テンションライン)が車両前側に位置する。特に、可動支持体が平面視で前向きに凹となる(開口する)曲がり形状を成すため、該可動支持体が初期位置から突出位置に移動する際に、可動支持体とヘッドレストとの干渉が防止又は効果的に抑制される。このため、例えばヘッドレストの後方で車幅方向に沿った直線状を成す可動支持体を備えた構成と比較して、該可動支持体に対する側方展開部材の接続点すなわちテンションラインを前方に位置させることができる。この側方展開部材によって、着座乗員の上部を効果的に拘束することができる。
このように、請求項1記載の車両用シートでは、車両衝突時における乗員の車幅方向側方への移動を効果的に抑制することができる。
請求項2記載の発明に係る車両用シートは、請求項1において、前記側方展開部材は、前記シートバック及びシートクッションにおける車幅方向の両側にそれぞれ設けられている。
この車両用シートでは、左右一対の側方展開部材の上端が共通の可動支持体の異なる端部に接続されている。これにより、単一のアクチュエータで着座乗員に対する車幅方向(左右)両側で側方展開部材を展開させることができる。
請求項3記載の発明に係る車両用シートは、請求項1又は請求項2において、前記側方展開部材は、車両後端側が前記シートバックのフレームに接続された面状の布材又はメッシュ材にて構成されている。
この車両用シートでは、側方展開部材の上記テンションライン及び該テンションラインよりも後方部分で形成される側面視で略三角形状を成す部分を含む広い範囲で、着座乗員の側方への移動を規制することができる。
請求項4記載の発明に係る車両用シートは、請求項1〜請求項3の何れか1項において、前記アクチュエータは、前記可動支持体における少なくとも前記側方展開部材との接続部を、前記シートバック上に設けられたヘッドレストの上端よりも車両上方に変位させる。
この車両用シートでは、側方展開部材の可動支持部材との接続部位がヘッドレストよりも上方となるので、側方展開部材の上下の接続点を結ぶ直線(テンションライン)が一層車両前側に位置することとなる。これにより、着座乗員の拘束性能を向上させることができる。
請求項5記載の発明に係る車両用シートは、請求項1〜請求項4の何れか1項において、前記可動支持体は、側面視で車両後方に凸となる円弧状を成す被案内部を有し、前記シートバックには、前記初期位置から突出位置への移動の際に前記可動支持体を前記被案内部において案内する案内部が設けられている。
この車両用シートでは、可動支持体が斜め上後方に直線状に変位される構成と比較して、可動支持体の初期位置から突出位置への移動の際に、後方への変位量が減るか、又は前方への変位(成分)が生じる。これにより、変位後の可動支持体が着座乗員の頭部から遠ざかることが抑制され、着座乗員の拘束性能を向上させることができる。
請求項6記載の発明に係る車両用シートは、請求項5において、前記案内部及び被案内部は、前記アクチュエータによる突出位置への移動後の前記可動支持体が、該変位前よりも車両前方に位置するように構成されている。
この車両用シートでは、可動支持体は突出位置への移動に伴って前方へも変位する。これにより、変位後の可動支持体が着座乗員の頭部に近づき、着座乗員の拘束性能が向上する。
請求項7記載の発明に係る車両用シートは、請求項3及び請求項3を引用する請求項4〜請求項6の何れか1項において、前記シートバックに収容され、車両の衝突が検知又は予測された場合に前記側方展開部材と着座乗員の少なくとも胸部及び肩部との間で膨張展開されるサイドエアバッグをさらに備えている。
この車両用シートでは、側突の際にサイドエアバッグが側方展開部材と着座乗員の胸部及び肩部との間で膨張展開される。サイドエアバッグは、側方展開部材にて車幅方向への変位が規制される。また、サイドエアバッグは、側方展開部材に沿って膨張展開されることとなるため、展開初期の展開方向が安定する。さらに、サイドエアバッグにて着座乗員の肩部(肩中心)を拘束するため、該乗員の車幅方向への移動が効果的に抑制される。
請求項8記載の発明に係る車両用シートは、請求項7において、前記サイドエアバッグは、前記可動支持体に接続され、車両の衝突が検知又は予測された場合に前記着座乗員の頭部に対する側方で膨張展開される頭部保護チャンバを有する。
この車両用シートでは、可動支持体の初期位置から突出位置への移動に伴って、側方展開部材に加えて、頭部保護チャンバを含むサイドエアバッグもシートバックから引き出される。このサイドエアバッグは続けて前方へ向けて膨張展開される。この際、可動支持体が頭部保護チャンバの展開反力を支持するため、頭部保護チャンバを短時間で安定して膨張展開させることができる。この頭部保護チャンバにて乗員の頭部を側方から保護することができる。
以上説明したように本発明に係る車両用シートは、車両衝突時における乗員の車幅方向側方への移動を効果的に抑制することができるという優れた効果を有する。
第1の実施形態に係る車両用シートにおける乗員拘束装置の作動状態を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る車両用シートを示す図であって、(A)は乗員拘束装置の非作動状態を示す一部切り欠いた側面図、(B)は乗員拘束装置の作動状態を示す側面図である。 第1の実施形態に係る車両用シートを構成するポップアップバーのアクチュエータ構造を模式的に示す要部拡大側断面図である。 第2の実施形態に係る車両用シートを示す図であって、(A)は乗員拘束装置の非作動状態を示す一部切り欠いた側面図、(B)は乗員拘束装置の作動状態を示す側面図である。 第3の実施形態に係る車両用シートにおける乗員拘束装置の作動状態を示す斜視図である。 第3の実施形態に係る車両用シートにおける乗員拘束装置の作動状態を示す図であって、(A)は車幅方向外側から見た側面図、(B)は車幅方向内側から見た側面図である。 第3の実施形態に係る車両用シートにおけるテンションクロス及びサイドエアバッグの上部の折り畳み状態を拡大して示す図であって、(A)は上下方向の折りが解けた状態の側面図、(B)は上下方向の折りが解ける前の側面図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両用シートの制御系統を示すブロック図である。 第3の実施形態の変形例に係る車両用シートにおける乗員拘束装置の作動状態を示す車幅方向外側から見た側面図である。
本発明の第1の実施形態に係る車両用シート10について、図1〜図3に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印OUTは、それぞれ車両用シート10が適用された自動車の前方向(進行方向)、上方向、車幅方向の外側をそれぞれ示している。以下、単に前後、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下を示すものとする。
図1には、後述する乗員拘束装置11が適用された車両用シート10が斜視図にて示されている。車両用シート10は、乗員が前方を向いて着座するように設けられている。具体的には、車両用シート10は、着座部を成すシートクッション12と、該シートクッション12の後端部に下端部が接続されバックレストを成すシートバック14と、シートバック14の上端に設けられたヘッドレスト16とを主要部として構成されている。この実施形態における車両用シート10は、運転席又は助手席用とされているが、2列目やそれよりも後方の後部座席用としても良い。
(可動支持体の構成)
車両用シート10は、乗員拘束装置11を構成する可動支持体としてのポップアップバー18を備えている。ポップアップバー18は、シートバック14に対し、図2(A)に示す格納位置(初期位置)から、図1及び図2(B)に示す如く格納位置よりも上方の位置であるポップアップ位置(突出位置)へ移動可能とされている。以下、具体的に説明する。
ポップアップバー18は、シート幅方向に沿って延びるバー本体20と、バー本体20のシート幅方向両端から垂下された左右一対の被案内部としてのスライダ(ロッド)22とを有して構成されている。このポップアップバー18は、左右のスライダ22において、案内部としての左右一対のガイドパイプ24を介して、シートバック14のシートバックフレーム14A(図2(A)参照)に、格納位置からポップアップ位置への移動可能に支持されている。すなわち、スライダ22は、左右対応するガイドパイプ24内にスライド可能に挿入されており、該ガイドパイプ24に沿って案内されつつ上方に移動することで、格納位置からポップアップ位置へ移動する構成とされている。なお、図2では、左右一方側のガイドパイプのみ図示している。
また、ポップアップバー18を構成するバー本体20は、平面視で前向きに凹となる(開口する)曲がり形状を成している。具体的には、バー本体20は、それぞれ前後方向に延びる左右一対のサイドバー20Sと、一対のサイドバー20Sの後端同士を車幅方向に沿って架け渡すクロスバー20Cとを主要部として構成されている。
このバー本体20は、格納位置からポップアップ位置への移動過程で左右のサイドバー20S間をヘッドレスト16が通るように形成されている。この実施形態では、バー本体20は、格納位置からポップアップ位置まで移動するのに伴って、ヘッドレスト16が左右のサイドバー20S間を通過する(横切る)構成とされている。すなわち、バー本体20は、格納位置からポップアップ位置への移動に伴ってヘッドレスト16と干渉しない形状とされている。なお、左右のスライダ22は、ヘッドレスト16を車幅方向に挟むように、左右対応するサイドバー20Sにおける前後方向の中間部から垂下されている。また、ポップアップ位置でのバー本体20の上下位置(後述するテンションクロス28上端の接続位置)は、ヘッドレスト16の最上部よりも上側とされている。
以上説明したポップアップバー18は、図2(A)に示す格納位置ではバー本体20が外部に露出している。すなわち、ガイドパイプ24及び該ガイドパイプ24に挿入されたスライダ22は、シートバック14の表皮材(及びクッション材)に覆われて外部に露出されない構成とされている。一方、図1及び図2(B)に示すポップアップ位置でバー本体20は、スライダ22の上部と共に外部に露出されるようになっている。
そして、図3に示される如く、ガイドパイプ24の下端には、該下端を閉塞するように、マイクロガスジェネレータ(以下、「MGG」という)26が設けられている。ポップアップバー18は、MGG26の作動によって、格納位置からポップアップ位置へ移動する構成とされている。なお、スライダ22とガイドパイプ24との間には、ガスをシールするシール部材が設けられても良く、スライダの下端にシール機能付のピストンを設けた構成としても良い。この実施形態では、少なくともMGG26が本発明におけるアクチュエータに相当し、該アクチュエータがガイドパイプ24(及びピストン)を含んで構成されているものと捉えても良い。さらに、バー本体20を本発明の可動支持体と捉え、スライダ22をアクチュエータの一部と捉えても良い。
(側方展開部材の構成)
図1に示される如く、乗員拘束装置11は、後述する側突時に車両用シート10の側方で展開され側方展開部材としてのテンションクロス28を備えている。テンションクロス28は、図2(B)に示される如く、展開状態での側面視で略三角形状を成している。この実施形態では、車両用シート10の左右両側にテンションクロス28が設けられた例を示す。車幅方向外側に設けられるテンションクロス28は、主に側面衝突等の衝突時に着座乗員Pの車幅方向外側への移動を規制する機能とされる。一方、車幅方向内側に設けられるテンションクロス28は、主に側面衝突等の衝突時に隣席の着座乗員Pとの干渉を抑制する機能とされる。
テンションクロス28は、それぞれの下端28Aがシートクッション12の前端側で、図示しないシートクッションフレーム等に接続されている。一方、テンションクロス28の上端28Bは、それぞれポップアップバー18のバー本体20におけるシート幅方向の端部に接続されている。より具体的には、テンションクロス28の上端28Bは、バー本体20を構成するサイドバー20Sの前端部に接続されている。さらに、図示は省略するが、テンションクロス28の後縁部は、それぞれシートバックフレーム14A又はガイドパイプ24に接続されている。
各テンションクロス28は、ポップアップバー18が格納位置に位置する状態で、シートクッション12及びシートバック14の側部に収容されている。この収容状態での各テンションクロス28は、図1に想像線にて示される如く、シートクッション12及びシートバック14の側部に沿った略「L」字状に折り畳まれている。シートクッション12及びシートバック14の側部には、テンションクロス28が張り出すための切れ目(スリット)30が形成されている。この実施形態では、切れ目30は、シートバック14の左右両側部におけるバックボード32の前縁、及びシートクッション12の左右両側部におけるサイドカバー34の上縁に沿って形成されている。なお、切れ目30は、シートクッション12、シートバック14の左右両側部の表皮材等に形成しても良い。
そして、テンションクロス28は、ポップアップバー18の格納位置からポップアップ位置への移動に伴って、切れ目30を通じてシートクッション12及びシートバック14から引き出され、図1及び図2(B)に示される如く展開されるようになっている。この展開状態でテンションクロス28は、シートクッション12に接続された下端28Aとバー本体20に接続された上端28Bとを結ぶ直線(テンションラインTL)に沿って張力が作用される。この展開状態のテンションクロス28によって、着座乗員Pのシート幅方向外側(上記した車幅方向内側、外側)への移動を規制するようになっている。
(制御装置の構成)
図3に示される如く、MGG26は、乗員拘束装置11を構成する制御装置としての側突ECU36に電気的に接続されている。また、側突ECU36には側面衝突を検出する側突センサ38が電気的に接続されている。側突ECU36は、側突センサ38からの信号に基づいて側面衝突(の不可避)を検知した場合に、MGG26を作動させるようになっている。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成の車両用シート10では、側突センサ38からの信号に基づいて側面衝突を検知した側突ECU36は、MGG26を作動させる。すると、MGG26からのガス圧によってポップアップバー18が格納位置からポップアップ位置へと移動する。この移動に伴って、テンションクロス28が切れ目30を通じてシートクッション12及びシートバック14から引き出され、図1及び図2(B)に示される如く展開される。
この展開状態のテンションクロス28によって、着座乗員Pが慣性により車幅方向外側に移動することが抑制される。すなわち、着座乗員Pがテンションクロス28によって拘束される。
ここで、車両用シート10では、テンションクロス28の上端28Bがポップアップバー18のバー本体20に接続されている。このため、例えば上端がシートバック14の上端部に接続された比較例に係る側方展開部材と比較して、展開状態でのテンションラインTLが前側に位置する。具体的には、上記比較例に係る側方展開部材では、図2(B)に想像線にて示されるTLcがテンションラインとされる。これに対して第1の実施形態に係る車両用シート10では、展開状態のテンションクロス28の上端28Bがシートバック14の上端よりも上側に位置することで、比較例のテンションラインTLcと比較してテンションラインTLが前側に位置する。
しかも、ポップアップ位置でのバー本体20の上下位置がヘッドレスト16の最上部よりも上側とされているため、テンションクロス28の上端28Bのポップアップバー18への接続点が着座乗員Pの頭部よりも上方又は略同等の上下位置に位置する。このため、ポップアップ位置でヘッドレスト上端よりも下方に位置するポップアップバーを備えた構成と比較して、テンションラインTLが前側に位置する。
さらに、ポップアップバー18のバー本体20が平面視で前向きに開口する曲がり形状を成すため、該バー本体20がシートバック14に対し上方に変位する際に、バー本体20とヘッドレスト16との干渉が防止又は効果的に抑制される。そして、テンションクロス28の上端28Bがサイドバー20Sの前端に接続されているので、例えばヘッドレスト16の後方で車幅方向に沿った直線状を成すポップアップバーを備えた比較例と比較して、テンションラインTLが一層前側に位置する。これらにより、車両用シート10の乗員拘束装置11では、テンションクロス28によって、着座乗員Pの上部を効果的に拘束することができる。
そして、テンションクロス28は、後縁部がシートバックフレーム14A又はガイドパイプ24に接続された面状部材であるため、該後縁部とテンションラインTLとの間の広い面で着座乗員Pの移動を効果的に抑制することができる。すなわち、上端がシートバック14上端とされたテンションクロスを備えた比較例と比較して、テンションクロス28による着座乗員Pの拘束に寄与する有効面積が広くなる。また、バー本体20とシートクッション12の前端とを架け渡すベルト部材を展開する構成(本発明に含まれる)を備えた構成と比較して、テンションクロス28による着座乗員Pの拘束に寄与する有効面積は広い。この実施形態では、着座乗員Pの肩中心Sc(図2(B)参照)を含む部分にテンションクロス28が接触することとなり、着座乗員Pを、その高剛性部位である肩部において効果的に拘束することができる。
このように、第1の実施形態に係る車両用シート10では、衝突側のテンションクロス28によって、車両の側面衝突時における乗員の車幅方向外側への移動を効果的に抑制することができる。また、反衝突側のテンションクロス28によって、車両の側面衝突時における乗員の車幅方向内側への移動(隣席乗員との干渉等)を効果的に抑制することができる。さらに、テンションクロス28の拘束に寄与する有効面積が前側に広くなるため、着座乗員Pを効果的に拘束することができる衝突の形態が増す。例えば、着座乗員Pの前方への移動を伴う側方移動を生じる斜突等に対して、上端がシートバック14の上端部に接続されたテンションクロスを備えた比較例と比較して、着座乗員Pを効果的に拘束することができる。より具体的には、衝突角度が75°の斜め側面衝突に対しても着座乗員Pを保護することができる。
また、上記の通りバー本体20とヘッドレスト16との干渉が防止又は効果的に抑制されるため、左右のサイドバー20Sをクロスバー20Cで連結することができる。これにより、左右のテンションクロス28を共通のアクチュエータであるMGG26にて格納位置からポップアップ位置へ移動させることができる。
なお、上記第1の実施形態において、側突ECU36は側面衝突を予測した場合にMGG26を作動させ、テンションクロス28を展開させる構成としても良い。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る車両用シート40について、図4に基づいて説明する。なお、上記第1の形態の構成と基本的に同様の構成については、上記第1の形態の構成と同一の符号を付して、その説明、図示を省略する場合がある。
図4(A)に示される如く、車両用シート40の乗員拘束装置41を構成するポップアップバー42は、バー本体20と、左右一対のスライダ44とを主要部として構成されている。被案内部としてのスライダ44は、案内部としてのガイドパイプ46にスライド(摺動)可能に挿入されている。これにより、ポップアップバー42は、左右のスライダ44においてガイドパイプ46に案内されつつシートバック14のシートバックフレーム14A(図4(A)参照)に対し、格納位置からポップアップ位置への移動可能に支持されている。なお、図4では、左右一方側のスライダ44、ガイドパイプ46について図示している。
図4(A)に示される如く、スライダ44及びガイドパイプ46は、側面視で互いの軸心部の曲率半径が略一致されると共に、後方に向けて凸を成す円弧状に形成されている。このため、ポップアップバー18すなわちバー本体20は、格納位置側からポップアップ位置に至るまでの間に、上方に変位しながら前方への変位を生じる構成(移動軌跡)とされている。この実施形態では、バー本体20は、格納位置での前後位置よりもポップアップ位置での前後位置の方が前側に位置する設定とされている。
この実施形態では、図4(B)に示される如く、ポップアップ位置でのバー本体20(サイドバー20Sの前端)の前後位置は、シートバックフレーム14A上端の前後位置よりも前側とされている。また、ポップアップ位置でのバー本体20の上下位置(テンションクロス28上端の接続位置)は、ヘッドレスト16の最上部よりも上側とされている。車両用シート40の他の構成は、図示しない部分を含め、車両用シート10の対応する構成と同様に構成されている。
したがって、第2の実施形態に係る車両用シート40によっても、基本的に第1の実施形態に係る車両用シート10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、車両用シート40では、スライダ44及びガイドパイプ46が側面視で円弧状に湾曲されていることで、これらがシートバック14側部に沿って後傾した直線状に形成された比較例と比較して、ポップアップ位置でのバー本体20が前側に位置する。特に、本実施形態では、ポップアップ位置でのバー本体20すなわちテンションクロス28の上端28Bの接続点が格納位置での前後位置よりも前側に位置するため、テンションラインTLが一層前側に位置する。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る車両用シート50について、図5〜図8に基づいて説明する。なお、上記第1、第2の形態の構成と基本的に同様の構成については、上記第1、第2の形態の構成と同一の符号を付して、その説明、図示を省略する場合がある。
図5には、車両用シート50を構成する乗員拘束装置51の展開状態が図1に対応する斜視図にて示されている。この図に示される如く、乗員拘束装置51は、テンションクロス28に加えてサイドエアバッグ装置を備える点で、第1、第2の実施形態に係る車両用シート10、40とは異なる。
この実施形態では、車両用シート50の左右両側にサイドエアバッグ装置が設けられた例を示す。具体的には、車両用シート50を構成するシートバック14の車幅方向外側の側部には、ニアサイドエアバッグ装置52が設けられており、シートバック14の車幅方向内側の側部には、ファーサイドエアバッグ装置54が設けられている。
(ニアサイドエアバッグ装置)
図5及び図6(A)に示される如く、ニアサイドエアバッグ装置52は、着座乗員Pに対する車幅方向外側で膨張展開されるニアサイドエアバッグ56と、ニアサイドエアバッグ56にガスを供給するインフレータ58とを主要部として構成されている。ニアサイドエアバッグ装置52は、ニアサイドエアバッグ56及びインフレータ58を含む各部がモジュール化されてシートバック14内でシートバックフレーム14Aに支持されている。ニアサイドエアバッグ56は、膨張展開の際には切れ目30からシートバック14外に突出され、テンションクロス28の内側(着座乗員P)側で膨張展開されるようになっている。
ニアサイドエアバッグ56は、着座乗員Pの胸部及び肩部を拘束するための中央チャンバ56Aと、着座乗員Pの頭部を拘束するための頭部保護チャンバ56Bと、着座乗員Pの腰部を拘束するための腰部保護チャンバ56Cとを含んで構成されている。なお、中央チャンバ56A(と頭部保護チャンバ56Bとの間)に形成された凹みは、着座乗員Pの腕の逃がし部とされている。中央チャンバ56A及び腰部保護チャンバ56Cは、図7(A)、図7(B)に示される如く、ブラケット61及び内蔵されたインフレータ58を介してガイドパイプ46(又はシートバックフレーム14A)に支持されている。また、頭部保護チャンバ56Bは、膨張展開状態で後上の角部となる接続部56Dにおいて、テンションクロス28の上端28Bと共にバー本体20に接続されている。
すなわち、ニアサイドエアバッグ56は、その上端側がポップアップバー18のポップアップ位置への移動に伴って上方に移動される構成とされている。この移動を許容するため、ニアサイドエアバッグ56は、図7(B)に示される如く折り畳まれている。また、この実施形態では、ニアサイドエアバッグ56はテンションクロス28(のうちシートバック14に収容される部分)と共に折り畳まれている。具体的には、テンションクロス28及びニアサイドエアバッグ56は、蛇腹折り等で前後方向に折り畳まれると共に、その前後に折り畳まれた中間部が蛇腹折り等で上下方向に折り畳まれて、上下折り部56Eとされている。この上下折り部56Eは、中央チャンバ56Aにおけるインフレータ58を介してガイドパイプ46に接続された部分と、頭部保護チャンバ56Bにおけるバー本体20に接続された部分との間に形成されている。
そして、ニアサイドエアバッグ56は、この上下折り部56Eの折りを解消しながら、ポップアップバー18の格納位置からポップアップ位置への移動を許容する構成とされている。また、上下折り部56Eにおける後向きに凸となった折り部、及び上下折り部56Eに対し上下近傍に位置するニアサイドエアバッグ56には、リング状部材60が設けられている。リング状部材60は、ニアサイドエアバッグ56を構成する基布をループ状に形成したり、別体のリング部材を接続したりすることで設けられ、内部にスライダ44及びガイドパイプ46の少なくとも一方を挿通させている。この実施形態では、複数のリング状部材60が上下に離間して配置されている。リング状部材60は、上下折り部56Eの解消伴って上方に移動しつつポップアップバー42のポップアップ位置への移動を許容すると共に、中央チャンバ56A及び頭部保護チャンバ56Bの一部をガイドパイプ46、スライダ44に対し保持する機能を有する。
(ファーサイドエアバッグ装置)
図5及び図6(B)に示される如く、ファーサイドエアバッグ装置54は、着座乗員Pに対する車幅方向内側で膨張展開されるファーサイドエアバッグ62と、ファーサイドエアバッグ62にガスを供給するインフレータ64とを主要部として構成されている。ファーサイドエアバッグ装置54は、ファーサイドエアバッグ62及びインフレータ64を含む各部がモジュール化されてシートバック14内でシートバックフレーム14Aに支持されている。ファーサイドエアバッグ62は、膨張展開の際には切れ目30からシートバック14外に突出され、テンションクロス28の内側(着座乗員P)側で膨張展開されるようになっている。
ファーサイドエアバッグ62は、着座乗員Pの胸部及び肩部を拘束するための中央チャンバ62Aと、着座乗員Pの頭部を拘束するための頭部保護チャンバ62Bと、着座乗員Pの腹部を拘束するための腹部保護チャンバ62Cとを含んで構成されている。なお、中央チャンバ62A(と頭部保護チャンバ62Bとの間)に形成された凹みは、着座乗員Pの腕の逃がし部とされている。中央チャンバ62A及び腹部保護チャンバ62Cは、図7(A)、図7(B)に示される如く、ブラケット61及び内蔵されたインフレータ64を介してガイドパイプ46(又はシートバックフレーム14A)に支持されている。また、頭部保護チャンバ62Bは、膨張展開状態で後上の角部となる接続部62Dにおいて、テンションクロス28の上端28Bと共にバー本体20に接続されている。腹部保護チャンバ62Cは、ニアサイドエアバッグ56の腰部保護チャンバ56Cに対し上方で膨張展開されるようになっている。
すなわち、ファーサイドエアバッグ62は、その上端側がポップアップバー42のポップアップ位置への移動に伴って上方に移動される構成とされている。この移動を許容するための折り畳み構造、リング状部材60による保持構造については、ニアサイドエアバッグ56側の構成と同様であるので、説明を省略する。
(制御装置の構成)
図8に示される如く、車両用シート40の乗員拘束装置51は、MGG26、インフレータ58、64の作動を制御する制御装置としての側突ECU66を備えている。側突ECU66は、MGG26、インフレータ58、64の他、側面衝突を予測するプリクラッシュセンサ68及び側突センサ38に電気的に接続されている。側突ECU66は、プリクラッシュセンサ68からの信号に基づいて側面衝突を予測した場合にMGG26を作動し、側突ECU36からの信号に基づいて側面衝突を検知した場合にインフレータ58、64を作動する構成とされている。これにより例えば、側突ECU66は、側面衝突発生の略300msec前にMGG26を作動してバー本体20をポップアップ位置に移動し、側面衝突開始(検出)から1〜10msec後にインフレータ58、64を作動させるようになっている。
車両用シート40の他の構成は、図示しない部分を含め、車両用シート10の対応する部分と同様に構成されている。
次に、第3の実施形態の作用を説明する。
上記構成の車両用シート40では、プリクラッシュセンサ68からの信号により側面衝突を予測した側突ECU66は、MGG26を作動させる。すると、MGG26からのガス圧によってポップアップバー42が格納位置からポップアップ位置へと移動する。この移動に伴って、テンションクロス28が切れ目30を通じてシートクッション12及びシートバック14から引き出され、図6に示される如く展開される。また、接続部56D、62Dにおいてバー本体20に接続されているニアサイドエアバッグ56、ファーサイドエアバッグ62の少なくとも一部が切れ目30を通じてシートバック14から引き出される。
さらに、側突センサ38からの信号により側面衝突を検知した側突ECU66は、インフレータ58、64を作動させる。すると、左右のニアサイドエアバッグ56、ファーサイドエアバッグ62が膨張展開される。これらサイドエアバッグ56、62は、既に展開されているテンションクロス28と着座乗員Pとの間で、該テンションクロス28に沿って前方に向けて膨張、展開される。衝突側の座席の着座乗員Pは、テンションクロス28及びニアサイドエアバッグ56によって拘束され、反衝突側の座席の着座乗員Pは、テンションクロス28及びファーサイドエアバッグ62によって拘束される。衝突後のゆり戻しの際は、各乗員Pは、衝突時とは逆のテンションクロス28、サイドエアバッグにて拘束される。
ここで、車両用シート40では、テンションクロス28による着座乗員Pの保護については、第1、第2の実施形態と同様である。
また、上記の通りニアサイドエアバッグ56、ファーサイドエアバッグ62は、展開済みのテンションクロス28に沿って膨張展開されるため、着座乗員Pからシート幅方向に離れる方向の移動を規制され、展開方向が安定する。すなわち、側面衝突の検知(膨張展開の開始)から短時間で、適正に膨張展開が完了される。さらに、中央チャンバ56A、62Aによって、着座乗員Pの高剛性部位である肩部を拘束するため、該着座乗員Pの頭部の車幅方向の移動を効果的に抑制することができる。特に、上記の通りテンションクロス28が展開状態で着座乗員Pの肩中心Scを覆う(テンションラインTLが肩中心Scよりも前方に位置する)ため、中央チャンバ56A、62Aによる肩部の支持に伴う反力がテンションクロス28にて良好に支持される。
しかも、ニアサイドエアバッグ56、ファーサイドエアバッグ62には、頭部保護チャンバ56B、62Bが設けられている。このため、頭部の車幅方向の移動を一層効果的(直接的)に抑制することができる。そして、頭部保護チャンバ56B、62Bが接続部56D、62Dにおいてバー本体20に接続されている。このため、ポップアップバー42のポップアップ位置への移動に伴ってニアサイドエアバッグ56、ファーサイドエアバッグ62の少なくとも一部がインフレータ58、64の作動に先立ってシートバック14から引き出される。これにより、ニアサイドエアバッグ56、62は、側面衝突の検知から一層短時間で、ニアサイドエアバッグ56、62を適正に膨張展開させることができる。
また、ニアサイドエアバッグ56は、中央チャンバ56A、頭部保護チャンバ56B、腰部保護チャンバ56Cを有する。このため、車幅方向の外側(衝突側)において、着座乗員Pを頭部から腰部に亘って拘束し、該乗員Pを側面衝突に対し効果的に保護することができる。特に、頭部保護チャンバ56Bが設けられていることで、サイドウインドウガラスに沿って展開されるカーテンエアバッグ等の頭部保護エアバッグを不要又は簡素化することができる。さらに、ファーサイドエアバッグ62は、中央チャンバ62A、頭部保護チャンバ62B、腹部保護チャンバ62Cを有する。このため、車幅方向の内側(反衝突側)において、着座乗員Pを頭部から腹部に亘って拘束し、該乗員Pを隣席乗員との干渉に対し効果的に保護することができる。
なお、第3の実施形態では、プリクラッシュセンサ68からの信号に基づいて、各サイドエアバッグ装置52、54の作動に先立ってポップアップバー42をポップアップ位置へ移動する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、側突センサ38からの信号により側面衝突(の不可避)を検知した側突ECU66が、インフレータ58、64に先行してMGG26を作動するようにしても良い。また、ガイドパイプ46のガス容量はサイドエアバッグ56、62のガス容量に対し十分に小さく、ポップアップバー42のポップアップ位置への移動は、ニアサイドエアバッグ56の膨張展開よりも十分短時間で完了する。このガス容量差に基づく時間差でサイドエアバッグ56、62が膨張展開に先行して切れ目30から引き出される構成であれば、インフレータ58、64とMGG26とを同時に作動させても良い。
また、第3の実施形態では、テンションクロス28とサイドエアバッグ56、62とが独立して展開される例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図9に示される変形例の如く、テンションクロス28とサイドエアバッグ56等とを縫製等にて接合した構成としても良い。
図9の変形例について補足すると、テンションクロス28にはテンションラインTLよりも前方で展開される張出部28Eが形成されており、該張出部28Eと頭部保護チャンバ56Bとが縫製部70にて接合されている。この例では、縫製部70は、所定値以上の荷重を受けて破断するティアシームとされている。また、テンションクロス28の下部と腰部保護チャンバ56Cとが縫製部72にて接合されている。この変形例では、ポップアップバー42のポップアップ位置への移動よるテンションクロス28の展開に伴って、頭部保護チャンバ56Bは上方に引き出されつつ前方にも引き出されることとなり、腰部保護チャンバ56Cは前方に引き出されることとなる。これにより、側突時にニアサイドエアバッグ56が一層短時間で展開完了する。一方、テンションクロス28の張出部28Eは、テンションラインTLよりも前方に位置するものの、頭部保護チャンバ56Bに接続されることで、該テンションクロス28の膨張展開過程で着座乗員Pからの荷重を支持することが可能となる。このため、テンションクロス28による乗員の拘束範囲が張出部28E分だけ広くなる。これにより、一層多様な衝突形態に対し着座乗員Pの保護性能を向上させることができる。さらに、張出部28Eと頭部保護チャンバ56Bとはティアシームである縫製部70にて縫製されているので、ニアサイドエアバッグ56の膨張展開が完了されると(又は完了の直前で)、張出部28Eと頭部保護チャンバ56Bとの接続状態(拘束)が解消される。このため、テンションクロス28は、頭部保護チャンバ56Bの膨張展開形状に倣って湾曲する(波打つ)ことが抑制され、テンションラインTLに沿ってほぼまっすぐに展開される(テンションクロス28としての展開形状が維持される)。説明を省略したが、本変形例の構成をファーサイドエアバッグ装置54に適用しても、ニアサイドエアバッグ装置52に適用した上記場合と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記した各実施形態では、車両用シート10、40、50が左右のテンションクロス28を備えた例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、テンションクロス28が車幅方向外側(ニア側)にのみ設けられた構成としても良い。また例えば、テンションクロス28が車幅方向内側(ファー側)にのみ設けられた構成としても良い。例えば車幅方向外側にテンションクロス28が設けられない構成では、ニアサイドエアバッグ装置52、又は車体やドアに設けられたサイドエアバッグ装置やカーテンエアバッグ装置等にて着座乗員Pを側面衝突から保護するようにすることができる。
また、上記した第3の実施形態では、車両用シート50がニアサイドエアバッグ装置52、ファーサイドエアバッグ装置54を共に備えた例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ニアサイドエアバッグ装置52、ファーサイドエアバッグ装置54の何れか一方のみを備えた構成としても良い。例えばニアサイドエアバッグ装置52を有しない構成では、車体やドアに設けられたサイドエアバッグ装置やカーテンエアバッグ装置等にて着座乗員Pを側面衝突から保護するようにすることができる。
さらに、参考例として、テンションクロス28を備えず、頭部保護チャンバ56Bがバー本体20に接続されて成るニアサイドエアバッグ装置52を備えた構成としても良い。同様に、テンションクロス28を備えず、頭部保護チャンバ62Bがバー本体20に接続されて成るファーサイドエアバッグ装置54を備えた構成としても良い。これらの構成によっても、サイドエアバッグ56、52の膨張展開前にポップアップバー18のポップアップ位置への移動によってサイドエアバッグ56、62をシートバック14から引き出すことができ、短時間での適正展開に寄与する。
またさらに、上記した各実施形態では、ポップアップバー18、42のバー本体20が平面視で前向きに開口する略「コ」字状を成す例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、バー本体20は、平面視で前向きに開口する略「U」字状や半円弧状など、ポップアップ位置への移動に伴うヘッドレスト16との干渉を回避し得る形状であれば良い。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で各種変更して実施可能であることは言うまでもない。
10 車両用シート
12 シートクッション
14 シートバック
14A シートバックフレーム
16 ヘッドレスト
18 ポップアップバー(可動支持体)
22 スライダ(被案内部)
24 ガイドパイプ(案内部)
26 マイクロガスジェネレータ(アクチュエータ)
28 テンションクロス(側方展開部材)
40 車両用シート
42 ポップアップバー(可動支持体)
44 スライダ(被案内部)
46 ガイドパイプ(案内部)
50 車両用シート
56 ニアサイドエアバッグ(サイドエアバッグ)
56B 頭部保護チャンバ
62 ファーサイドエアバッグ
62B 頭部保護チャンバ(サイドエアバッグ)

Claims (8)

  1. シートバックに対して、初期位置から車両上方に突出する突出位置へ移動可能に設けられ、前記初期位置から突出位置への移動過程の少なくとも一部において車幅方向の一端側と他端側との間をヘッドレストが通るように、平面視で車両前向きに凹となる曲がり形状を成す可動支持体と、
    前記シートバック及びシートクッションにおける少なくとも車幅方向の一方側で、上端側が前記可動支持体に接続されると共に下端側がシートクッションの前端側に接続され、かつ前記シートクッションの側部からシートバックの側部にかけて収納され、前記可動支持体が前記初期位置から突出位置に移動することで、該可動支持体との接続部と前記シートクッションとの接続部との間に張力が作用するように展開される側方展開部材と、
    車両の衝突を検知又は予測した場合に、前記可動支持体を前記初期位置から突出位置に移動させるアクチュエータと、
    を備えた車両用シート。
  2. 前記側方展開部材は、前記シートバック及びシートクッションにおける車幅方向の両側にそれぞれ設けられている請求項1記載の車両用シート。
  3. 前記側方展開部材は、車両後端側が前記シートバックのフレームに接続された面状の布材又はメッシュ材にて構成されている請求項1又は請求項2記載の車両用シート。
  4. 前記アクチュエータは、前記可動支持体における少なくとも前記側方展開部材との接続部を、前記シートバック上に設けられたヘッドレストの上端よりも車両上方に変位させる請求項1〜請求項3の何れか1項記載の車両用シート。
  5. 前記可動支持体は、側面視で車両後方に凸となる円弧状を成す被案内部を有し、
    前記シートバックには、前記初期位置から突出位置への移動の際に前記可動支持体を前記被案内部において案内する案内部が設けられている請求項1〜請求項4の何れか1項記載の車両用シート。
  6. 前記案内部及び被案内部は、前記アクチュエータによる突出位置への移動後の前記可動支持体が、該変位前よりも車両前方に位置するように構成されている請求項5記載の車両用シート。
  7. 前記シートバックに収容され、車両の衝突が検知又は予測された場合に前記側方展開部材と着座乗員の少なくとも胸部及び肩部との間で膨張展開されるサイドエアバッグをさらに備えた請求項3及び請求項3を引用する請求項4〜請求項6の何れか1項記載の車両用シート。
  8. 前記サイドエアバッグは、前記可動支持体に接続され、車両の衝突が検知又は予測された場合に前記着座乗員の頭部に対する側方で膨張展開される頭部保護チャンバを有する請求項7記載の車両用シート。
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