JP5661228B2 - フェヌグリーク種子加工物およびその製造方法 - Google Patents

フェヌグリーク種子加工物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はα-アミラーゼ阻害作用が増強されたフェヌグリーク種子加工物およびその製
造方法に関する。
α-アミラーゼは体内において澱粉を糖へと加水分解する作用を有する酵素である。α-アミラーゼの活性を抑制することができれば、糖の体内への吸収を抑制することができる。従ってα-アミラーゼ阻害物質はダイエットや抗糖尿病のための食品素材、タブレット等の有効成分として有用である。
フェヌグリークはマメ科の1年草である。フェヌグリークの種子はカレー用の香辛料と
して古くから知られている。
非特許文献1には、フェヌグリーク粉末を30%エタノールで抽出したエキスを使用したin vitro実験が開示されている。当該実験ではそのエキスにα-アミラーゼ阻害作用があることが確認された。しかしながら非特許文献1に示されるフェヌグリークのα-アミラーゼ阻害作用は決して満足できるものではない。
Mol Cell Biochem. 2006 Jan;281(1-2):173-83. Biochemical study of the anti-diabetic action of the Egyptian plants Fenugreek and Balanites.
本発明はフェヌグリーク種子成分が有するα-アミラーゼ阻害作用を増強することを目
的とする。
本発明者らは驚くべきことにフェヌグリーク種子から調製されるペースト状物に乾燥処理を施して得られるフェヌグリーク種子加工物が、処理前の材料と比較して顕著に高いα-アミラーゼ阻害作用を有していることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は以下の発明を包含する。
(1) フェヌグリーク種子から調製されるペースト状物に乾燥処理を施して得られるフェヌグリーク種子加工物。
(2) フェヌグリーク種子から調製されるペースト状物に乾燥処理を施して得られるフェヌグリーク種子加工物の製造方法であって、
フェヌグリーク種子の粉末に水を加えて混合しペースト化するか、あるいはフェヌグリーク種子またはその蒸煮物を水と共に磨砕してペースト化するペースト化工程と、
ペースト状物を乾燥する乾燥工程と
を含む方法により製造されることを特徴とするフェヌグリーク種子加工物の製造方法。
(3) 前記ペースト化工程が、フェヌグリーク種子の粉末に、該粉末の重量に対して1〜20倍量の水を加えて混合しペースト化する工程であることを特徴とする、(2)記載のフェヌグリーク種子加工物の製造方法。
(4) 前記ペースト化工程と前記乾燥工程の間に行われる、ペースト状物を加温する加温工程を更に含むことを特徴とする(2)又は(3)記載のフェヌグリーク種子加工物の製造方法。
(5) (1)記載のフェヌグリーク種子加工物又は(2)〜(4)のいずれかに記載の方法により製造されるフェヌグリーク種子加工物を有効成分として含有するα-アミラーゼ阻害用医薬組成物。
(6) (1)記載のフェヌグリーク種子加工物又は(2)〜(4)のいずれかに記載の方法により製造されるフェヌグリーク種子加工物を含有する食品組成物。
(7) (1)記載のフェヌグリーク種子加工物又は(2)〜(4)のいずれかに記載の方法により製造されるフェヌグリーク種子加工物を有効成分として含有するα-アミラーゼ阻害剤。
本α-アミラーゼ阻害剤は in vitro条件下においてα-アミラーゼを阻害するものであってもよいし、in vivo条件下においてα-アミラーゼを阻害するものであってもよい。
フェヌグリーク種子から調製されるペースト状物を乾燥処理することにより、α-アミラーゼ阻害効果を増強したフェヌグリーク種子加工物が得られる。そして、当該加工物を医薬や食品、飲料などに利用した場合、未加工のフェヌグリーク種子に比べて少量の添加で、α-アミラーゼ阻害効果を奏する。従って、本発明のフェヌグリーク種子加工物は、体内に入った澱粉をα-アミラーゼが糖へ分解する作用を阻害することができ、ダイエットや抗糖尿病のための医薬組成物、食品組成物、食品素材、タブレット等に活用できる。
また、本発明のフェヌグリーク種子加工物は所望のα-アミラーゼ阻害効果を得るための添加量が未加工のフェヌグリーク種子に比べて少量で済むことから、コスト面で有利であり、且つ、フェヌグリーク種子特有の苦味や豆類の青臭み等の風味面での悪影響を小さくすることができるという点でも有利である。
本発明は、フェヌグリーク種子から調製されるペースト状物に乾燥処理を施して得られるフェヌグリーク種子加工物およびその製造方法に関する。本発明において「フェヌグリーク種子から調製されるペースト状物に乾燥処理を施して得られるフェヌグリーク種子加工物」とは、フェヌグリーク種子から調製されるペースト状物を、乾燥処理を含む方法により加工したものであれば特に限定されず、乾燥処理の前後に他の処理が行われたものも包含される。また、乾燥処理も、凍結乾燥やドラム乾燥、熱風乾燥等の処理によるものも包含される。本発明の好適な実施形態を以下に詳述する。
1. フェヌグリーク種子
本発明において使用するフェヌグリーク種子には発芽前の種子だけでなく、発芽後の種子も包含される。
2. フェヌグリーク種子のペースト化
本発明において「フェヌグリーク種子から調製されるペースト状物」とは特に限定されないが、典型的にはフェヌグリーク種子の粉末に水を加えて混合した物、フェヌグリーク種子またはその蒸煮物を水と共に磨砕したものなどが挙げられる。
フェヌグリーク種子の粉末は種子を粉砕することにより得られるものであれば、粒子の大きさ、形状などは特に限定されない。また、粉砕の手段は特に限定されず、例えばロールミル、スタンプミル等で粉砕することができる。また市販のフェヌグリーク種子粉末を使用することもできる。
「フェヌグリーク種子から調製されるペースト状物」は代表的には2つの方法により調製することができる。第一はフェヌグリーク種子粉末から調製する方法である。第二はフェヌグリーク種子またはその蒸煮物から調製する方法である。
ペースト状物の第一の製造方法では、前記フェヌグリーク種子粉末に水を加え混合してペースト状物を得る。加水量としては、特に限定されるものではないが、フェヌグリーク種子粉末の重量に対して、1〜20倍量程度が好ましく、3〜10倍量程度がより好ましい。この加水量が少なくなりすぎると粘度が高くなり過ぎて均一なペースト状物を得ることが難しくなる可能性があり、反対に加水量が多くなりすぎると乾燥時間が長くなり、作業効率が低下すると共に、コスト的に好ましくないという問題が生じる可能性がある。
ペースト状物の第二の製造方法では、フェヌグリーク種子またはその蒸煮物を水と共に磨砕してペースト状物を得る。ここで「蒸煮物」とは種子を煮るおよび/または蒸すことにより得られるものである。当該方法の典型例について説明する。まず、フェヌグリーク種子を沸騰水(例えば、フェヌグリーク種子の重量の1〜20倍、好ましくは3〜10倍の沸騰水)に入れて、5分間程度加熱する。この加熱によって、付着菌が殺菌されることに加えて、内在する酵素を失活させることができる。こうして得られたフェヌグリーク種子蒸煮物を水と共に磨砕してペースト状物を得る。磨砕の方法は、上記煮汁と種子の混合物を磨砕処理することが簡便であるがこれには限定されない。磨砕は、フードプロセッサー、ホモジナイザー、マスコロイダー等によって滑らかなペースト状になるまで行う。
3. 加温処理
上記の手順で調製されたペースト状物を原料として用いる場合には、後述の乾燥処理の前に、ペースト状物を加温する加温工程を行うことが好ましい。当該加温工程は前記ペースト状物の均一化を達成することを目的とする。加温条件としては20℃以上であることが好ましく、更には40℃〜60℃で3時間〜8時間という条件であることが好ましい。当該温度が60℃を超えると、粘度が高くなる可能性がある。また、加温時間が8時間を超えると、異臭や雑味の発生等の問題が発生してくる可能性がある。
加温中は静置しておくよりも、振盪や攪拌を行うことが好ましい。これによって、不均一な塊の発生を効果的に防ぐことができる。振盪や攪拌の方法としては、実施者において適宜決定すればよい。
4. 乾燥処理
乾燥処理としては、凍結乾燥やドラム乾燥、熱風乾燥等の処理を掲げることができる。これら乾燥の条件は特に限定されず、常法により実施すればよい。例えば乾燥後の処理物の水分含量が10質量%以下、好ましくは2〜6質量%となる条件で乾燥処理を行う。
5. 粉末化処理
乾燥後の処理物は粉砕等の手段により粉末化することができる。好適な粉砕手段としては、例えばスタンプミル、マスコロイダー、コミトロール、擂粉木等が挙げられる。粉砕物の粒度は必要に応じて篩で調整することもできる。
6. フェヌグリーク種子加工物の形状
本発明の方法により製造されるフェヌグリーク種子加工物は粉末状であることが好ましい。粉末化のためには上記の粉末化処理を行うことが好ましい。
7. フェヌグリーク種子加工物の用途
本発明のフェヌグリーク種子加工物は、原料であるフェヌグリーク種子と比較して増強されたα-アミラーゼ阻害作用、例えば3〜5倍程度のα-アミラーゼ阻害作用を有する。
従って本発明のフェヌグリーク種子加工物はα-アミラーゼ阻害剤として用いることができる。
本発明のフェヌグリーク種子加工物は、医薬上許容される担体、添加物、賦形剤等と必要に応じて組み合わせて製剤化し、α-アミラーゼ阻害作用を有する医薬組成物ないし健康組成物の形態で使用することができる。当該組成物の投与形態としては、特に制限はなく、必要に応じ適宜選択されるが、一般には錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤等の経口剤、又は注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、貼付剤、軟膏剤等の非経口剤として投与され得る。当該組成物における担体、添加物、賦形剤等は、投与経路に応じて適宜選択され得る。当該組成物が治療または予防し得る疾患としては糖尿病が典型的であるが、肥満防止等も挙げられる。
また、本発明のフェヌグリーク種子加工物は、食品として許容される他の材料と必要に応じて組み合わせて、α-アミラーゼ阻害作用を有する食品組成物の形態で使用することができる。当該食品組成物は、その本体、包装、説明書、宣伝物又は宣伝用電子的情報に効能の表示、例えば、α-アミラーゼ阻害作用を有する旨の表示、肥満防止や血糖値を下げる旨の表示などが付されたものであってもよい。食品組成物の形態は特に限定されず、固形、半固形、液体等の種々の形態のものであってよい。
フェヌグリーク種子をロールミルによって粉砕して得られたフェヌグリーク種子粉末20gに水115gを加え、塩酸でpH5.0に調整した後、撹拌しながら55℃で6時間加温した。その後、100℃で10分間加熱処理を行い、得られたペースト状物を冷却後に-40℃で凍結させた後、真空度9Paの雰囲気下で64時間乾燥という条件で凍結乾燥し、その後、擂粉木で粉砕して水分5質量%の凍結乾燥フェヌグリーク種子粉末約17gを得た。
こうして得られた凍結乾燥フェヌグリーク種子粉末のα-アミラーゼ阻害作用を、以下の方法で測定した。
45mMの4-モルホリノエタンスルホン酸、45 mMの塩化ナトリウム、312.5 mMのチオシアン酸カリウム、1.5 mMの酢酸カルシウム、0.2 mMの2-クロロ-4-ニトロフェニルマルトトリオシド(オリエンタル酵母工業(株)製)の組成からなる基質溶液、並びに、ブタ膵臓α-アミラーゼ(シグマ(株)製、23U/mg)を36 mMのMES溶液に0.25mg/mlになるように溶解した酵素液を調製した。36 mMのMES溶液を200μlと酵素液20μlを混合し、凍結乾燥フェヌグリーク種子粉末10mg(比較例では、凍結乾燥処理を行っていない未加工のフェヌグリーク種子粉末10mg)を添加混合した。その後、37℃で5分間プレインキュベート後に、基質溶液800μlを添加し5分間反応させた。反応後に10分間沸騰して酵素反応を停止し、13000rpmで10分間遠心分離して上清を得た。得られた上清は、0.45μmフィルターに通した後HPLC(島津製作所製、カラム:PEGASIL ODS-2 4.6φ×250mm(センシュー科学)、移動相:メタノールと31.25mMリン酸バッファーpH6.79を2:8で混合した溶液、流速:0.5ml/min)にインジェクションして405nmでの吸光度を測定した。
保持時間が約13.2分のピークが酵素反応による生成物であり、このピーク面積比から阻害率を計算した。阻害率の計算式は、フェヌグリーク種子粉末なし(無添加区)のときのピーク面積をA、未加工または凍結乾燥後のフェヌグリーク種子粉末添加区のピーク面積をBとしたときに、下記式となる。
阻害率(%)=(A-B)/A×100%
結果を表1に示す。
また、代表的なHPLCチャートを図1と図2に、表1に対応する阻害率のグラフを図3に示した(各n=2)。未加工フェヌグリーク種子粉末に比べて、本発明の凍結乾燥フェヌグリーク種子粉末は約3.5倍の阻害率を有していた。
Figure 0005661228
実施例1と同様の方法で得たペースト状物をドラムドライヤーで115℃、ドラム直径30cm、ドラム1回転2分40秒の条件で乾燥した後、擂粉木で粉砕して乾燥フェヌグリーク種子粉末約15gを得た。
こうして得られた乾燥フェヌグリーク種子粉末のα-アミラーゼ阻害作用を、実施例1と同様の方法で測定した。測定を4回繰り返したアミラーゼ阻害率の平均値は39.9%であり、表1に記載の未加工フェヌグリーク種子粉末の値よりも大きなα-アミラーゼ阻害率を有するものであった。
ペースト状物の乾燥条件が、熱風乾燥で60℃、23時間であること以外は実施例2と同様の方法で実施して、乾燥フェヌグリーク種子粉末約10gを得た。
こうして得られた乾燥フェヌグリーク種子粉末のα-アミラーゼ阻害作用を、実施例1と同様の方法で測定した。測定を4回繰り返したアミラーゼ阻害率の平均値は25.6%であり、表1に記載の未加工フェヌグリーク種子粉末の値よりも大きなα-アミラーゼ阻害率を有するものであった。
ペースト状物のpHをpH4.0とすること以外はすべて実施例1と同様の方法で実施して乾燥フェヌグリーク種子粉末約20gを得た。
こうして得られた乾燥フェヌグリーク種子粉末のα-アミラーゼ阻害作用を、実施例1と同様の方法で測定した。測定を2回繰り返したアミラーゼ阻害率の平均値は43.2%であり、表1に記載の未加工フェヌグリーク種子粉末の値よりも大きなα-アミラーゼ阻害率を有するものであった。
ペースト状物のpHを水酸化ナトリウムでpH8.7とすること以外はすべて実施例1と同様の方法で実施して乾燥フェヌグリーク種子粉末約20gを得た。
こうして得られた乾燥フェヌグリーク種子粉末のα-アミラーゼ阻害作用を、実施例1と同様の方法で測定した。測定を2回繰り返したアミラーゼ阻害率の平均値は58.7%であり、表1に記載の未加工フェヌグリーク種子粉末の値よりも大きなα-アミラーゼ阻害率を有するものであった。
加温処理を行わないこと以外はすべて実施例1と同様の方法で実施して乾燥フェヌグリーク種子粉末約20gを得た。
こうして得られた乾燥フェヌグリーク種子粉末のα-アミラーゼ阻害作用を、実施例1と同様の方法で測定した。測定を2回繰り返したアミラーゼ阻害率の平均値は40.5%であり、表1に記載の未加工フェヌグリーク種子粉末の値よりも大きなα-アミラーゼ阻害率を有するものであった。
フェヌグリーク種子をロールミルによって粉砕して得られた60メッシュパス前後のフェヌグリーク種子粉末20gに水115gを加え、塩酸でpH5.0に調整した後、撹拌しながら55℃で6時間加温した。その後、100℃で10分間加熱処理を行い、得られたペースト状物を冷却後に-40℃で凍結させた後、真空度9Paの雰囲気下で64時間乾燥という条件で凍結乾燥し、その後、擂粉木で粉砕して水分5質量%の凍結乾燥フェヌグリーク種子粉末約17gを得た。
こうして得られた凍結乾燥フェヌグリーク種子粉末のα-アミラーゼ阻害作用を、以下の方法で測定した。
45mMの4-モルホリノエタンスルホン酸、45mMの塩化ナトリウム、312.5 mMのチオシアン酸カリウム、4.5mMの酢酸カルシウム、2mMの2-クロロ-4-ニトロフェニルマルトトリオシド(オリエンタル酵母工業(株)製)の組成からなる基質溶液、並びに、ブタ膵臓α-アミラーゼ(シグマ(株)製、23U/mg)を36 mMのMES溶液に0.25mg/mlになるように軽く撹拌して溶解した酵素液を調製した。36 mMのMES溶液を200μlと酵素液20μlを混合し軽く撹拌した後、凍結乾燥フェヌグリーク種子粉末10mg(比較例では、凍結乾燥処理を行っていない未加工のフェヌグリーク種子粉末10mg)を添加混合した。その後、37℃で5分間プレインキュベート後に、基質溶液800μlを添加し軽く撹拌して37℃で5分間反応させた。反応後に10分間沸騰して酵素反応を停止し、13000rpmで10分間遠心分離して上清を得た。得られた上清は、0.45μmフィルターに通した後HPLC(島津製作所製、カラム:PEGASIL ODS-2 4.6φ×250mm(センシュー科学)、移動相:メタノールと31.25mMリン酸バッファーpH6.79を2:8で混合した溶液、流速:1.0ml/min)にインジェクションして405nmでの吸光度を測定した。
保持時間が約13.2分のピークが酵素反応による生成物であり、このピーク面積比から阻害率を計算した。阻害率の計算式は、フェヌグリーク種子粉末なし(無添加区)のときのピーク面積をA、未加工または凍結乾燥後のフェヌグリーク種子粉末添加区のピーク面積をBとしたときに、下記式となる。
阻害率(%)=(A-B)/A×100%
結果を表2に示す。
また、代表的なHPLCチャートを図4と図5に、表2に対応する阻害率のグラフを図6に示した(各n=2)。未加工フェヌグリーク種子粉末に比べて、本発明の凍結乾燥フェヌグリーク種子粉末は約3.5倍の阻害率を有していた。
Figure 0005661228
実施例7と同様の方法で得たペースト状物をドラムドライヤーで115℃、ドラム直径30cm、ドラム1回転2分40秒の条件で乾燥した後、擂粉木で粉砕して乾燥フェヌグリーク種子粉末約15gを得た。
こうして得られた乾燥フェヌグリーク種子粉末のα-アミラーゼ阻害作用を、実施例7と同様の方法で測定した。測定を4回繰り返したアミラーゼ阻害率の平均値は39.9%であり、表2に記載の未加工フェヌグリーク種子粉末の値よりも大きなα-アミラーゼ阻害率を有するものであった。
ペースト状物の乾燥条件が、熱風乾燥で60℃、23時間であること以外は実施例8と同様の方法で実施して、乾燥フェヌグリーク種子粉末約10gを得た。
こうして得られた乾燥フェヌグリーク種子粉末のα-アミラーゼ阻害作用を、実施例7と同様の方法で測定した。測定を4回繰り返したアミラーゼ阻害率の平均値は25.6%であり、表2に記載の未加工フェヌグリーク種子粉末の値よりも大きなα-アミラーゼ阻害率を有するものであった。
ペースト状物のpHをpH4.0とすること以外はすべて実施例7と同様の方法で実施して乾燥フェヌグリーク種子粉末約20gを得た。
こうして得られた乾燥フェヌグリーク種子粉末のα-アミラーゼ阻害作用を、実施例7と同様の方法で測定した。測定を2回繰り返したアミラーゼ阻害率の平均値は43.2%であり、表2に記載の未加工フェヌグリーク種子粉末の値よりも大きなα-アミラーゼ阻害率を有するものであった。
ペースト状物のpHを水酸化ナトリウムでpH8.7とすること以外はすべて実施例7と同様の方法で実施して乾燥フェヌグリーク種子粉末約20gを得た。
こうして得られた乾燥フェヌグリーク種子粉末のα-アミラーゼ阻害作用を、実施例7と同様の方法で測定した。測定を2回繰り返したアミラーゼ阻害率の平均値は58.7%であり、表2に記載の未加工フェヌグリーク種子粉末の値よりも大きなα-アミラーゼ阻害率を有するものであった。
加温処理を行わないこと以外はすべて実施例7と同様の方法で実施して乾燥フェヌグリーク種子粉末約20gを得た。
こうして得られた乾燥フェヌグリーク種子粉末のα-アミラーゼ阻害作用を、実施例7と同様の方法で測定した。測定を2回繰り返したアミラーゼ阻害率の平均値は40.5%であり、表2に記載の未加工フェヌグリーク種子粉末の値よりも大きなα-アミラーゼ阻害率を有するものであった。
α−アミラーゼ阻害活性と磨砕時期の関係
サンプル1:
フェヌグリーク種子20gに水115gを加え、ホモジナイザーで8300rpmで25分間粉砕した後に、-80℃で凍結した後真空度9Paの雰囲気下で64時間乾燥という条件で凍結乾燥を行った後に粉砕し粉末状にした。
サンプル2:
フェヌグリーク種子20gを沸騰水180gに加え、5分間煮た後に、冷却して全量を135gになるように水あわせした。その後、ホモジナイザーで9000rpmで25分間粉砕した後に、-80℃で凍結した後真空度9Paの雰囲気下で64時間乾燥という条件で凍結乾燥を行った後に粉砕し粉末状にした。
比較サンプルA:
フェヌグリーク種子20gをロールミルで粉砕し、60メッシュパス前後のフェヌグリーク粉末とした。
得られたサンプル1,2と比較サンプルAのα−アミラーゼ阻害活性を測定した。測定方法は、酵素液を、MES溶液とサンプルとの軽い撹拌混合の後にすること、αアミラーゼ添加後の反応時間が37℃10分であること以外は、すべて実施例7の方法と同様の方法で行った。その結果を表3に示した。
Figure 0005661228
α−アミラーゼ阻害活性と加水量(3倍又は10倍)の関係
サンプル3:
フェヌグリーク種子をロールミルで粉砕し、60メッシュパス前後の粉末を得た。得られた60メッシュパス前後のフェヌグリーク粉末3gに水9mlを添加混合し、-80℃で凍結した後真空度9Paの雰囲気下で64時間乾燥という条件で凍結乾燥を行った後に粉砕し粉末状にした。
サンプル4:
水を30mlとすること以外はすべてサンプル3と同様の方法で粉末状にした。
比較サンプルB:
フェヌグリーク種子をロールミルで粉砕し、60メッシュパス前後の粉末を得た。
得られたサンプル3,4と比較サンプルBのα−アミラーゼ阻害活性を測定した。測定方法は、すべて実施例13の方法と同様の方法で行った。その結果を表4に示した。
Figure 0005661228
α−アミラーゼ阻害活性と加水量(1倍又は20倍)
サンプル5:
フェヌグリーク種子をロールミルで粉砕し、60メッシュパス前後の粉末を得た。得られた60メッシュパス前後のフェヌグリーク粉末3gに水3mlを添加混合し、-80℃で凍結した後真空度9Paの雰囲気下で64時間乾燥という条件で凍結乾燥を行った後に粉砕し粉末状にした。
サンプル6:
上記フェヌグリーク粉末を2g、水を40mlとすること以外はすべてサンプル5と同様の方法で粉末状にした。
比較サンプルC:
フェヌグリーク種子をロールミルで粉砕し、60メッシュパス前後の粉末を得た。
得られたサンプル5,6のα−アミラーゼ阻害活性を測定した。測定方法は、すべて実施例13の方法と同様の方法で行った。その結果を表5に示した。
Figure 0005661228
α−アミラーゼ阻害活性と加温条件の関係
サンプル7:
フェヌグリーク種子をロールミルで粉砕し、60メッシュパス前後の粉末を得た。得られた60メッシュパス前後のフェヌグリーク粉末5gに水28.75gを添加混合し、室温(約23℃)で24時間放置した後に、-80℃で凍結した後真空度9Paの雰囲気下で64時間乾燥という条件で凍結乾燥を行った後に粉砕し粉末状にした。
サンプル8:
フェヌグリーク種子をロールミルで粉砕し、60メッシュパス前後の粉末を得た。得られた60メッシュパス前後のフェヌグリーク粉末10gを沸騰水250gに加え、10分間煮た後に、冷却し、-80℃で凍結した後真空度9Paの雰囲気下で64時間乾燥という条件で凍結乾燥を行った後に粉砕し粉末状にした。
比較サンプルD:
フェヌグリーク種子をロールミルで粉砕し、60メッシュパス前後の粉末を得た。
得られたサンプル7,8のα−アミラーゼ阻害活性を測定した。測定方法は、すべて実施例13の方法と同様の方法で行った。その結果を表6に示した。
Figure 0005661228
発芽フェヌグリーク
フェヌグリーク種子20gに水 55g添加し、恒温槽で25℃温度下で48時間静置し、その後、恒温槽から取り出して発芽したシードのみを取り出し、水20mlを添加し、更に残存した浸漬液を、残存した浸漬液量(ml)×サンプリングした発芽種子(g)/ 種子全量(g) だけ加える。その後に、ホモジナイザー(日本精機)で9000rpm、5分間粉砕処理を施し、その後に酵素失活のために100℃で10分間加熱したその後、−80℃で凍結した後真空度9Paの雰囲気下で64時間乾燥という条件で凍結乾燥を行った後に粉砕し粉末状にした。比較サンプルEとして、フェヌグリーク種子をロールミルで粉砕し、60メッシュパス前後の粉末を得た。
よって得られた粉末のα−アミラーゼの阻害活性を測定した。測定方法は、実施例13と同様の方法で行った。その結果を表7に示した。
Figure 0005661228
図1は、実施例1におけるHPLCの代表的なチャートを示す。 図2は、実施例1におけるHPLCの代表的なチャートを示す。 図3は、フェヌグリーク種子粉末における凍結乾燥処理の有無とα-アミラーゼ活性阻害率の関係を示す図である。 図4は、実施例7におけるHPLCの代表的なチャートを示す。 図5は、実施例7におけるHPLCの代表的なチャートを示す。 図6は、フェヌグリーク種子粉末における凍結乾燥処理の有無とα-アミラーゼ活性阻害率の関係を示す図である。

Claims (7)

  1. フェヌグリーク種子から調製されるペースト状物に乾燥処理を施して得られるフェヌグリーク種子加工物の製造方法であって、
    フェヌグリーク種子の粉末に水を加えて混合しペースト化するか、あるいはフェヌグリーク種子またはその蒸煮物を水と共に磨砕してペースト化するペースト化工程と、
    該ペースト化工程で得られたペースト状物を乾燥する乾燥工程と
    を含む方法により製造されることを特徴とするフェヌグリーク種子加工物の製造方法。
  2. 前記ペースト化工程が、フェヌグリーク種子の粉末に、該粉末の重量に対して1〜20倍
    量の水を加えて混合しペースト化する工程であることを特徴とする、請求項記載のフェ
    ヌグリーク種子加工物の製造方法。
  3. 前記ペースト化工程と前記乾燥工程の間に行われる、ペースト状物を加温する加温工程
    を更に含むことを特徴とする請求項又は記載のフェヌグリーク種子加工物の製造方法。
  4. 前記ペースト状物の加温条件が40℃〜60℃で3時間〜8時間であることを特徴とする、請求項3記載のフェヌグリーク種子加工物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の方法により製造されるフェヌグリーク種子加工物を有効成分として含有するα-アミラーゼ阻害用医薬組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項記載の方法により製造されるフェヌグリーク種子加工物を含有する食品組成物。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項記載の方法により製造されるフェヌグリーク種子加工物を有効成分として含有するα-アミラーゼ阻害剤。
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