しかし、プラットフォーム上で展開される従来のキャンペーンでは、プレイヤは、キャンペーンの対象ゲームに参加することにより、所定のゲームポイント等を獲得することができるものの、プレイヤは設定された対象ゲームのなかから所望のゲームを選択するのみである場合が多く、集客効果を更に向上させることは困難であった。また、そのようなキャンペーンでは、プレイヤが興味を持ったゲーム以外のゲームをプレイヤがプレイする機会や動機を、プレイヤに十分に与えることができなかった。そのため、ソーシャルゲームシステム全体の興趣性や趣向性を増長してプレイヤの参加意欲を十分に高めることも困難であった。さらに、特許文献1に記載されているようなスタンプラリーでは、プレイヤは、所定の場所に赴いて行けば特定のゲームに登場するキャラクタを収集することができるものの、かかる仕組みをソーシャルゲームに応用したとしても、その他の多くのゲームへの集客効果やプレイヤの参加意欲を高める観点からは、やはり不十分であると言わざるを得なかった。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、プレイヤのソーシャルゲームへの参加意欲を更に高め、且つ、従来に比して集客効果をより増長させることができるソーシャルゲームシステムに備わるサーバ装置の制御方法、サーバ装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によるソーシャルゲームシステムは、まず、プレイヤが操作する端末装置に通信回線を介して接続され、且つ、プラットフォームを用いて端末装置へ複数のゲームを提供するサーバ装置を備えるシステムであって、サーバ装置が、複数のゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部、及び、その情報にアクセスし、ゲームに関する演算を行い、且つ、ゲームの画像を端末装置に表示させる制御部を備える。また、制御部は、複数のゲームのうち少なくとも1つのゲームをキャンペーンの対象ゲームとして選定又は設定し、対象ゲームをプレイしたプレイヤに対して所定の第1の報酬を付与するキャンペーンを実行するものである。
さらに、上記キャンペーンは、制御部が対象ゲームのそれぞれのプレイ履歴(状況)に基づいてプレイヤを対象ゲームのうちの特定ゲームへ誘導する第1誘導ルート、及び/又は、制御部が対象ゲームのそれぞれに対して予め設定された確率に基づいてプレイヤを特定ゲームへ誘導する第2誘導ルートを含む。なお、「第1」及び「第2」という接頭語(修飾語)を用いたのは、複数の「誘導ルート」を区別するための便宜的且つ形式的な用法である(後述する、「第1の報酬」、「第2の報酬」、及び「第3の報酬」における接頭語(修飾語)についても同様である)。
ここで、「プレイヤ」とは、端末装置を操作するユーザであり、いわゆるクライアント−サーバシステムのクライアントにも該当する概念であって、サーバ装置のユーザ(サーバ管理者等)と区別する観点からも、これを「プレイヤ」と表記する。また、プレイヤは、一般に、自身に代えて、仮想的なゲーム空間において活動、行動、思考等するいわゆるプレイヤキャラクタやそれに関連付けられた適宜のゲーム媒体を通して、ゲームに参加し得る。よって、本発明において「プレイヤ」という場合、厳密にはプレイヤキャラクタを含む概念とする。
プレイヤは、このように構成されたサーバ装置に通信回線を介して自身が操作する端末装置を接続し、プラットフォームを通じて提供される複数のゲーム(ソーシャルゲーム)をプレイし、また、適宜開催される例えば期間限定イベントであるキャンペーンに参加することができる。ここで、本発明においては、かかるキャンペーンとして、制御部が、複数のゲームのうち少なくとも1つのゲームをキャンペーンの対象ゲームとして選定又は設定する。そして、そのキャンペーンの対象ゲームをプレイしたプレイヤには、そのキャンペーン特有の(限定の)所定の第1の報酬が付与される。この場合、プレイヤの端末装置の画面には、制御部により、例えば、キャンペーンの開催を知らせる画像や、キャンペーンの対象ゲームの一覧、及び、各対象ゲームをプレイしたときに付与される第1の報酬の内容等が表示される。
ここで、「第1の報酬」における「報酬」とは、ゲームを進める上で有用な効果を生ぜしめるもの、或いは、それを所有することにより、価値や価値観が高められるものを示す。また、典型的に、報酬の種類は特に制限されず、例えば、プレイヤがゲームをプレイする際にしようすることができる種々のゲーム媒体、そのゲーム媒体を入手するための対価、対戦(バトル)ゲーム又は種々の対戦を含むゲーム等で使用することができるプレイヤの体力やダメージを回復させる各種アイテムや技能(スキル)、さらには、それ自体に稀少度等の価値や特性が設定されているもの等が含まれる。後記の「第2の報酬」及び「第3の報酬」における「報酬」についても同様とする。
また、上記「ゲーム媒体」とは、ゲームにおいてプレイヤが保有したり管理したりすることができるコンテンツ、アイテム(ポイントの数値パラメータを含む)を示し、例えば、プレイヤ自身又はプレイヤが所有するキャラクタが対応付けられたキャラクタカード、アバター、フィギア等が挙げられ、それらは、ゲーム上の仮想空間(仮想ゲーム空間)において取り扱われるものであって、いわゆる「オブジェクト」等とも呼ばれるものを含む概念である。さらに、「ゲーム媒体」としては、プレイヤキャラクタを直接的に想起させるものでも、間接的に想起させるもの(例えばプレイヤキャラクタの名、呼称、武器、服装、衣装、呪文、魔法、技、関連キャラクタ等)であってもよく、さらに、静止画で表示されても動画で表示されてもそれらの組み合わせでもよいし、或いは、画像でなくとも単なる文字情報で表されるものであって構わず、場合によっては、視覚で認識できなくとも、例えば音声情報の如く聴覚のみで認識できるものであってもよい。
プレイヤが参加するそのようなキャンペーンには、プレイヤをキャンペーンの対象ゲームへ導くための上述した第1誘導ルート及び第2誘導ルートの少なくともいずれか一方が設定(用意)されている。これらのうち、第1誘導ルートにおいては、制御部が、キャンペーンの対象ゲームのそれぞれについて、プレイヤによって実行された履歴、例えば、そのキャンペーンや前回のキャンペーンにおける不特定多数のプレイヤによる各対象ゲームのプレイ回数(実行された回数)に基づいて、プレイヤを自動的に特定のゲームへ誘導する。例えば、プレイヤによるプレイ回数が比較的多い対象ゲームを特定ゲームとして優先し、その特定ゲームにプレイヤを誘導すれば、プレイヤとしては、選択に迷うことなくキャンペーンにおいて人気が高い特定ゲームをプレイすることができる。また、このようにすれば、キャンペーンにおける対象ゲームへのプレイヤの流量(流入量)調整を最適化することもでき、例えば、キャンペーンに多大な貢献した特定ゲーム程、プレイヤの流入量を増大させるといった調整を的確且つ容易に行うことができる。
以上の観点から、具体的には、制御部が、第1誘導ルートにおいて、不特定多数のプレイヤによる対象ゲームのそれぞれの総プレイ回数に基づいて、プレイヤを特定ゲームへ誘導する際の優先度(優先順位)を決定するようにしても好適である。更に具体的には、制御部が、対象ゲームのうち総プレイ回数が比較的多いゲームの優先度を、対象ゲームのうち総プレイ回数が比較的少ないゲームの前記優先度よりも高く設定するようにしてもよい。
なお、この場合、対象ゲームの総プレイ回数のデータを得るためには、例えば、プレイヤがある特定ゲームから別の特定ゲームへ簡便な操作で移動できるように、特定ゲーム間移動(遷移)用のURLをゲーム画面(ゲーム終了時の画面等)に表示しておき、プレイヤがそのURLをクリックした回数(いわゆるURLを踏んだ回数)等によって、そのURLが表示されていた特定ゲームの「総プレイ回数」を把握することができる。
一方、第2誘導ルートにおいては、制御部により、対象ゲームのそれぞれに対して、プレイヤを誘導する確率(誘導確率)が予め設定されており、キャンペーンにプレイヤが参加した際に、制御部は、その誘導確率に基づいてプレイヤを特定ゲームへ誘導する。例えば、キャンペーンの対象ゲームではあるものの、そのキャンペーンや前回のキャンペーンにおいてプレイされた回数が比較的少ないものへの誘導確率を高く設定することにより、人気が高い特定ゲームへのプレイヤの集中を避け、例えばSNS事業者が意図する特定ゲームをプレイヤにプレイさせることができる。また、プレイヤにとっては、これまで経験したことがないような未経験分野又は未経験カテゴリに属する種類のゲームを体験することができる利点がある。
なお、かかる誘導確率は、第1誘導ルートで行われる如く、例えば、そのキャンペーンや前回のキャンペーンにおける不特定多数のプレイヤによる各対象ゲームのプレイ回数(実行された回数)に基づいて設定されてもよいし、そのようなプレイヤによる実行履歴とは無関係に任意に設定されてもよい。
また、先に特定ゲーム間の移動(遷移)について述べたように、制御部は、対象ゲームが複数ある場合、第1誘導ルート及び/又は第2誘導ルートにおいて、互いに異なる対象ゲーム(複数の別々の対象ゲーム)を特定ゲームとして連続して設定し、プレイヤをそれらの複数の特定ゲームへ連続して誘導するようにしてもよい。
さらに、制御部は、対象ゲームが複数あり、プレイヤが、互いに異なる対象ゲーム(複数の別々の対象ゲーム)を特定ゲームとして連続してプレイした場合、又は、プレイヤが、キャンペーン(同時期に開催されているキャンペーンでも時期をずらして開催されているキャンペーンでもよい)に複数回連続して参加した場合、単一の対象ゲームをプレイしたときに付与される上述した第1の報酬とは程度又は種類が異なる第2の報酬をプレイヤに対して付与するように構成してもよい。これにより、プレイヤのキャンペーン参加意欲を更に高めることができる。なお、「報酬の程度」とは、例えば、報酬の稀少度、技能(スキル)の強弱、ポイントの種別等が挙げられる。
また、制御部は、キャンペーンに参加したプレイヤによる複数のゲームのプレイ履歴に基づいて、対象ゲーム、及び/又は、特定ゲームを選定又は設定するようにしても有用である。このように構成すれば、プレイヤとゲームの相性やプレイ回数等の履歴解析データを分析(例えば回帰分析等)することができ、その結果、個々のプレイヤの嗜好に合うように、そのプレイヤに対してキャンペーンの対象ゲーム、及び/又は、特定ゲームをマッチングさせ得る。その結果、プレイヤの満足度ひいては参加意欲を更に高めることができる。
さらに、制御部は、プレイヤによる特定ゲームのプレイ履歴が所定の条件を満足したときに、単一の対象ゲームをプレイしたときに付与される前記第1の報酬とは程度又は種類が異なる第3の報酬を前記プレイヤに対して付与するように構成してもよい。例えば、キャンペーンの対象ゲームをビンゴの要素に見立ててビンゴカードのようなパズル配列(擬似ビンゴカード)を設定しておく。そして、プレイヤが同一の又は別の特定ゲームを複数プレイすることにより、そのパズル配列において所定の並び(縦、横、又は斜めに直線的に揃う等)が完成した場合(すなわち所定の条件を満足したとき)に、制御部が第3の報酬をプレイヤに付与するといった例が挙げられる。換言すれば、キャンペーンの対象ゲームを用いた、あるいは、対象ゲームに関連付けられた言わば二次的なゲーム(上記の例ではビンゴ)を、そのキャンペーンのなかで実施し、その結果に基づいて、プレイヤに第3の報酬を付与するようにしてもよい。
また、本発明によるソーシャルゲームシステムの制御方法は、上述した本発明に係るソーシャルゲームシステムを有効に制御するための方法、すなわち、プレイヤが操作する端末装置に通信回線を介して接続され、且つ、プラットフォームを用いて前記端末装置へ複数のゲームを提供するサーバ装置、前記複数のゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部、及び、前記情報にアクセスし、前記ゲームに関する演算を行い、且つ、前記ゲームの画像を前記端末装置に表示させる制御部を備えるシステムの制御方法である。
そして、この方法においては、制御部により、複数のゲームのうち少なくとも1つのゲームをキャンペーンの対象ゲームとして選定又は設定し、その対象ゲームをプレイしたプレイヤに対して所定の第1の報酬(ポイント又はゲームアイテム)を付与するキャンペーンを実行する。また、そのキャンペーンには、制御部が対象ゲームのそれぞれのプレイ履歴(状況)に基づいてプレイヤを対象ゲームのうちの特定ゲームへ誘導する第1誘導ルート、及び/又は、制御部が対象ゲームのそれぞれに対して予め設定された確率に基づいてプレイヤを前記特定ゲームへ誘導する第2誘導ルートが含まれる。
さらに、本発明によるプログラムは、プレイヤが操作する端末装置に通信回線を介して接続され、且つ、プラットフォームを用いて端末装置へ複数のゲームを提供し、それらの複数のゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部にアクセス可能なコンピュータに、以下に示すステップを実行させるためのものである。すなわち、そのステップには、情報にアクセスし、ゲームに関する演算を行い、且つ、ゲームの画像を端末装置に表示させるステップと、複数のゲームのうち少なくとも1つのゲームをキャンペーンの対象ゲームとして選定又は設定するステップと、対象ゲームをプレイしたプレイヤに対して所定の第1の報酬を付与するキャンペーンを実行するステップが含まれる。そして、キャンペーンは、制御部が対象ゲームのそれぞれのプレイ履歴に基づいてプレイヤを対象ゲームのうちの特定ゲームへ誘導する第1誘導ルート、及び/又は、制御部が対象ゲームのそれぞれに対して予め設定された確率に基づいてプレイヤを特定ゲームへ誘導する第2誘導ルートを含む。
加えて、本発明によるソーシャルゲームシステムは、上述したサーバ装置に加え、プレイヤが操作する端末装置を含む全体システムであってもよい。
また、本発明は、以下にとおり構成されていてもよい。すなわち、請求項1に係る発明が、プレイヤの端末装置へゲームを提供するサーバ装置の制御方法であって、前記端末装置に複数のゲームを表示させるステップと、前記複数のゲームの少なくとも2つで、各ゲームのプレイ履歴に関する条件が1つ以上満たされる場合に前記プレイヤに報酬を付与する付与ステップと、複数の前記条件の各々が位置付けられる配置を設定するステップと、を含み、前記付与ステップにおいて、プレイ履歴によって満たされる複数の前記条件が前記配置において所定の位置関係となる場合に前記報酬を付与する。
また、請求項2に係る発明が、前記所定の位置関係は、縦、横、又は斜めのラインが揃うことである、請求項1記載のサーバ装置の制御方法。
さらに、請求項3に係る発明が、前記報酬は、揃った前記ラインの数に応じて変化する、請求項2記載のサーバ装置の制御方法。
またさらに、請求項4に係る発明が、プレイヤの端末装置へゲームを提供するサーバ装置であって、前記端末装置に複数のゲームを表示させる制御部を備え、前記制御部は、前記複数のゲームの少なくとも2つで、各ゲームのプレイ履歴に関する条件が1つ以上満たされる場合に前記プレイヤに報酬を付与する付与制御を行い、複数の前記条件の各々が位置付けられる配置を設定し、前記付与制御において、プレイ履歴によって満たされる複数の前記条件が前記配置において所定の位置関係となる場合に前記報酬を付与する。
さらにまた、請求項5に係る発明が、プレイヤの端末装置へゲームを提供するコンピュータに、前記端末装置に複数のゲームを表示させるステップと、前記複数のゲームの少なくとも2つで、各ゲームのプレイ履歴に関する条件が1つ以上満たされる場合に前記プレイヤに報酬を付与する付与ステップと、複数の前記条件の各々が位置付けられる配置を設定するステップと、を実行させるための、プログラムであって、前記付与ステップにおいて、プレイ履歴によって満たされる複数の前記条件が前記配置において所定の位置関係となる場合に前記報酬を付与する、プログラムである。
本発明では、プレイヤに特別な報酬が付与されるキャンペーンにおいて、キャンペーンの対象ゲームのなかから、対象ゲームのそれぞれのプレイ履歴に基づいて、第3の報酬をプレイヤに対して付与する。よって、本発明によれば、プレイ履歴によって報酬が付与されるのでプレイヤの参加意欲を更に高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。またさらに、必要に応じて示す上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図示の表示に基づくものとする。さらにまた、図面における各種の寸法比率は、その図示の比率に限定されるものではない。また、以下においては、理解を容易にするべく、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施の形態を例にとって説明するが、上述の如く、本発明はそれに限定されない。
図1は、本発明によるソーシャルゲームシステムの好適な一実施形態を示す概略構成図(システムブロック図)である。また、図2は、本発明によるソーシャルゲームシステムの好適な一実施形態を示す概略構成図(システム構成図)である。これらの図に示す如く、ソーシャルゲームシステム1に備わるサーバ装置100は、ネットワーク200に接続されたサーバ用コンピュータであり、そのサーバ用コンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を発現するものである。また、そのサーバ装置100と、同じくネットワーク200に有線接続及び/又は無線接続されたクライアントコンピュータ21や携帯端末22といった端末装置2とが、互いに通信可能に設定されることにより、ソーシャルゲームシステム1が構成される。なお、サーバ装置100自体も、本発明によるソーシャルゲームシステムの一例である。
また、ネットワーク200は、例えばインターネット等を含む情報処理に係る通信回線又は通信網であり、その具体的な構成は、サーバ装置100及び端末装置2間でデータの送受信が可能なように構成されていれば特に制限されず、例えば、端末装置2に無線接続される基地局、その基地局に接続された移動体通信網、サーバ装置に接続されたインターネット、移動体通信網とインターネットを接続するゲートウェイ装置を備えるものが挙げられる。
サーバ装置100は、CPUやMPUといった演算処理部101、記憶装置としてのROM102及びRAM103、入力部105及び外部メモリ106が接続された外部インターフェース104、ディスプレイモニタ111が接続された画像処理部107、ディスク又はメモリデバイス等が収容又は接続されるスロットドライブ108、スピーカ装置112が接続された音声処理部109、並びに、ネットワークインターフェース110が、例えば、内部バス、外部バス、及び拡張バスを含むシステムバスといった伝送路120を介して互いに接続されたものである。なお、入力部105、外部メモリ106、ディスプレイモニタ111、スピーカ装置112等の入出力を担うデバイス装置は、必要に応じて適宜省略してもよいし、それらを備える場合であっても、それらは伝送路120に常時接続されていなくてもよい。
演算処理部101は、サーバ装置100全体の動作を制御し、上述した他の構成要素との間で制御信号及び情報信号(データ)の送受信を行うとともに、ゲームの実行に必要な各種の演算処理を行う。そのため、演算処理部101は、いわゆるレジスタ等の高速アクセス可能な記憶領域に対して、数値演算ユニット等を用いた加減乗除等の算術演算、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算等、更に必要に応じて、飽和演算、三角関数演算、ベクトル演算等を行うことが可能なように構成されている。
また、ROM102には、一般に、電源投入後、最初に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録されており、これが実行されることにより、スロットドライブ108に収容又は接続されるディスクやメモリデバイスに記録されたサーバ用プログラムやゲームプログラムが、演算処理部101によって一旦RAM103に読み出され、そのプログラムが演算処理部101によって実行される。さらに、ROM102には、サーバ装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムやその他の各種データが記録されている。
さらに、RAM103は、サーバ用プログラム、ゲームプログラム、及び、各種データを一時的に記憶するためのものであり、上記の如く、読み出されたサーバ用プログラムやゲームプログラム、その他ゲームの進行や複数の端末装置2間の通信に必要なデータ等がRAM103に保持される。さらに、演算処理部101は、RAM103に変数領域を設定し、その変数領域に格納された値に対しても数値演算ユニットを用いた直接演算を行ったり、或いは、RAM103に格納された値をレジスタに一旦複製又は移設格納してそのレジスタに対しても直接演算を行ったり、さらには、それらの演算結果をRAM103に書き戻したりといった処理を行う。
また、外部インターフェース104を介して接続された入力部105は、サーバ装置100のユーザ(ゲームの提供者、SNS事業者)が行う各種の操作入力を受け付けるものであり、入力部105としては、キーボード、タッチパッド、タッチパネルの他、例えば、音声入力装置を採用することができ、種々の操作入力、決定操作、取消操作、メニュー表示等の指示入力を行うことが可能であれば、デバイスの種類は特に制限されない。
さらに、RAM103や、外部インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、サーバ装置100の作動状況、各端末装置2のアクセス状況、各端末装置2におけるゲームのプレイ状況や進行状態(過去の成績等)を示すデータ、端末装置2間の通信のログ(記録)のデータ等が書き換え可能に記憶される。
また、画像処理部107は、スロットドライブ108から読み出された各種データを、演算処理部101により、又は、画像処理部107自体により加工処理した後、その処理後の画像情報をフレームメモリ等に記録する。このフレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、画像処理部107に接続されるディスプレイモニタ111へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。また、ゲームに関する画像情報は、演算処理部101との協働処理等によって、画像処理部107及び/又は演算処理部101から各端末装置2へ送出される。
またさらに、音声処理部109は、スロットドライブ108から読み出された各種データを音声信号に変換し、音声処理部109に接続されたスピーカ装置112から出力する。また、ゲームに関する音声情報(効果音や楽曲情報)は、演算処理部101との協働処理等によって、音声処理部109及び/又は演算処理部101から各端末装置2へ送出される。
さらにまた、ネットワークインターフェース110は、サーバ装置100をネットワーク200へ接続するためのものであり、例えば、LANの構築に使用される諸規格に準拠するもの、アナログモデム、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネット等に接続するためのケーブルモデム等、及び、これらを、伝送路120を介して演算処理部101と接続するためのインターフェースとから構成される。
このように構成されたソーシャルゲームシステム1において、本発明によるプログラムに従って実施されるキャンペーンの好適な一実施形態について、以下に説明する。なお、以下の手順における各種処理(画像や画面の表示、判定、演算等)は、サーバ装置100の演算処理部101による制御指令に基づいて実行される。すなわち、演算処理部101が、本発明における「制御部」として機能する。また、上述したROM102及びRAM103、並びに、外部メモリ106に加え、ゲームに関する情報が記録された各種記憶媒体が、本発明における「情報記憶部」に相当する。
プレイヤは、通常、端末装置2(クライアントコンピュータ21や携帯端末22;タブレット端末やスマートフォン等)を操作し、インターネット等のネットワーク200を介して、その端末装置2をサーバ装置100に接続する。端末装置2の画面2aには、例えば、初期画面として、サーバ装置100から提供されるプラットフォーム画面が表示され、プレイヤは、自分のID番号や暗証番号等のログイン情報を入力する。サーバ装置100の演算処理部101が、そのログイン情報を認識すると、ID番号に関連付けられたそのプレイヤ固有のマイアプリ画面、マイページ画面、マイホーム画面等を、端末装置2に表示する。
このマイアプリ画面等には、例えば、プレイヤが登録したアプリケーションソフトのゲームタイトルを示すアイコンの一覧、現在開催されているキャンペーン、その他プレイヤへの告知(お知らせ)等がバナー形式で表示され、プレイヤはそれらのなかから所望のものを選択することができる。各バナーに関連付けられた内容は、階層化表示が可能に設定されており、例えば、プレイヤが「キャンペーン」を選択すると、そのキャンペーンの階層表示(ページ)へ進むことができる。
(第1誘導ルート)
本発明においては、プレイヤをキャンペーンの対象ゲームへ導くために第1誘導ルート及び第2誘導ルートの少なくともいずれか一方が設定(用意)されている。すなわち、演算処理部101が、それらのルートを実現する第1誘導手段及び第2誘導手段を備えている。ここではまず、演算処理部101が、キャンペーンの対象ゲームのそれぞれについて、プレイヤによって実行された履歴、例えば、そのキャンペーンや前回のキャンペーンにおける不特定多数のプレイヤによる各対象ゲームのプレイ回数(実行された回数)に基づいて、プレイヤを自動的に特定のゲームへ誘導する「第1誘導ルート」に一例について説明する。図3及び図4は、ソーシャルゲームシステム1において開催(実施)されるキャンペーンにおけるゲーム画面の構成例を示す模式図であり、両図は、プレイヤの端末装置2の画面2aに連続してスクロール移動可能に表示される画像の一部を示す。
図3に示す画像には、例えば、テキスト表示されたキャンペーンタイトル31、キャンペーンの内容表示領域32、及び、プレイヤがその時点で保持しているゲームポイントの数値やキャンペーンに関連するその他適宜の告知(お知らせ)等を表示するサービステキスト33が含まれている。また、キャンペーンの内容表示領域32には、例えば、プレイヤが所持しているゲームポイントに加えて、キャンペーンに参加することにより獲得することができるゲームポイント(第1の報酬)を用いて交換可能なゲームアイテムを示すアイコンH1,H2,H3、それらのゲームアイテムの内容を表示する階層表示(ページ)に関連付けられたバナー34、その他適宜のサービステキスト等が表示される。
また、図3に示す画像と一続きで表示される図4に示す画像には、キャンペーンの対象ゲームとその対象ゲームに関する内容が表示される。キャンペーンの対象ゲームの1つであるゲームAに対応する表示領域4Aには、例えば、そのゲームAのタイトル41a、ゲームAをプレイして第1の報酬としてのゲームポイントを獲得するための条件42a1,42a2、及び、それらの条件42a1,42a2を満たした(クリアした)ときにそれぞれ獲得することができるポイント数43a1,43a2等が表示される。同様に、別の対象ゲームの1つであるゲームBに対応する表示領域4Bには、例えば、そのゲームBのタイトル41b、ゲームBをプレイして第1の報酬としてのゲームポイントを獲得するための条件42b1,42b2、及び、それらの条件42b1,42b2を満たした(クリアした)ときにそれぞれ獲得することができるポイント数43b1,43b2等が表示される。
ゲームポイントを獲得するための条件42a1,42a2,42b1,42b2としては、例えば、対戦バトルに登場する敵キャラクタ(レイド戦であれば、いわゆるレイドボスであったり、ギルド戦であれば、相手ギルドであったりする)を討伐すること、ダンジョンやクエストをクリアすること、いわゆるガチャのようなカプセルトイを入手すること、種々のコメントやメッセージを別のプレイヤと交換すること等が挙げられる。また、それらの内容説明用のテキストとともに、それらの内容を象徴するアイコン等を併せて表示してもよい。さらに、獲得することができるポイント数43a1,43a2,43b1,43b2は、ゲームポイントを獲得するための条件42a1,42a2,42b1,42b2の難易度に応じて、適宜設定される。このように、本実施形態においては、キャンペーンの対象ゲームが複数設定されている。
プレイヤは、ゲームA,Bのタイトル41a,41bが例えばバナー表示されており、それらにゲームA,Bへのリンクが関連付けられている(貼られている)場合には、それらのバナー表示をクリックすることにより、プレイしたいゲームを選択してそのゲームをプレイすることができる。或いは、それらのゲームA,Bがマイアプリとして登録されている場合には、一旦マイアプリ画面に移動してから、目的のゲームを選択してそのゲームをプレイすることもできる。このように対象ゲームのなかから選択されたゲームA,B等が、本発明における「特定ゲーム」に該当する。そして、プレイヤが、ゲームAにおいて図4に表示されていたゲームポイントを獲得するための条件42a1,42a2を満たした場合、演算処理部101は、ポイント数43a1,43a2として表示されていたゲームポイントをプレイヤに対して付与する。これは、ゲームBをプレイした場合でも同様である。
本実施形態では、「第1誘導ルート」として、演算処理部101が、キャンペーンの対象ゲームであるゲームA,B等のそれぞれについて、プレイヤによって実行された履歴、例えば、そのキャンペーンや前回のキャンペーンにおける不特定多数のプレイヤによる各対象ゲームのプレイ回数(実行された回数)に基づいて、プレイヤを自動的に特定のゲームへ誘導する。ここで、図5は、ソーシャルゲームシステム1において開催(実施)されるキャンペーンの対象ゲームを実行したときのゲーム画面の構成例を示す模式図であり、プレイヤが対象ゲームからゲームAを選択してプレイを終了した時点の画像の一例を示す。なお、プレイヤが、ゲームAにおいて図4に表示されていたゲームポイントを獲得するための条件42a1,42a2を満たした場合、演算処理部101は、ポイント数43a1,43a2として表示されていたゲームポイントをプレイヤに対して付与する。
この図5に示す画像では、例えば、テキスト表示されたゲームAのタイトル41、タイトルエンドを含む適宜のテキストを含む内容表示領域42、プレイヤがその時点で保持しているゲームポイントの数値や、別の対象ゲームのプレイを促すような適宜の推奨内容等を表示するサービステキスト43が含まれている。また、そのサービステキスト43の近傍には、プレイヤがゲームAから別の特定ゲームである例えばゲームBへ簡便な画面操作で移動できるように、特定ゲーム間移動(遷移)用のURL44が表示される。このURL44としては、ロケーションを示す文字列自体でもよいし、適宜のバナー形式等のアイコン表示でもよい。
プレイヤが、そのURL44をクリックすると、演算処理部101は、ゲームBにおけるゲーム画像を端末装置2の画面2aに表示し、プレイヤは、ゲームBを続けてプレイすることができる。プレイヤが、そのゲームBのプレイを終了した場合にも、ゲームBに対応した図5に示す画像が、端末装置2の画面2aに表示される。
このようにして、プレイヤがキャンペーンの対象ゲームであるゲームA,B等を連続してプレイする際に、図5に示す如く特定ゲーム間移動用のURL44を経由することにより、演算処理部101は、対象ゲームのそれぞれについて、不特定対数のプレイヤによってプレイされた回数のデータを蓄積して把握することができる。すなわち、当該キャンペーンにおいて、プレイヤがURL44をクリックした回数(いわゆるURLを踏んだ回数)が、そのURL44が表示されていた特定ゲームであるゲームAの「総プレイ回数」として把握される。図5に示すような画像表示が、他の別の特定ゲームであるゲームB等に対しても表示されることにより、そのゲームB等についても、当該キャンペーンにおける「総プレイ回数」のデータを採取することができる。
なお、プラットフォームで提供される複数のゲームのなかから対象ゲームとして例えばゲームA,B,C,Dの4つのゲームが設定されていた場合、それらのうちプレイヤがプレイした各ゲーム(特定ゲーム)の終了画面には、AからDへ順番に別のゲームのURL44を表示してもよいし、AからDのなかから次のゲームを無作為に(ランダムに)抽出して、そのゲームのURL44を表示するようにしてもよい。
このように対象ゲームがゲームA,B,C,Dであり、キャンペーンがある程度進むことにより、それらの各ゲームA,B,C,Dの不特定多数のプレイヤによるその時点での総プレイ回数に関する統計的に有意量のデータが得られる。そして、ゲームA,B,C,Dの総プレイ回数が、例えば、それぞれ10000回、500回、1000回、及び5000回であった場合、演算処理部101は、それらの総プレイ回数に基づいて、各ゲームの終了時画面に表示される別のゲームのURL44の出現確率を、例えば以下のように決定することができる。
−―――――――――――――――――――
対象ゲーム 総プレイ回数 出現確率
−―――――――――――――――――――
A 10000 50%
B 500 5%
C 1000 10%
D 5000 35%
−―――――――――――――――――――
以下、ソーシャルゲームシステム1の動作シーケンスの一例(以下「第1の動作シーケンス」と称する。)について説明する。なお、以下に説明する動作シーケンスは、端末装置2の記憶部(以下「端末記憶部」と称する。)及びサーバ装置100の記憶部(以下「サーバ記憶部」と称する。)に記憶されているプログラムに基づいて、主に端末装置2の制御部(以下「端末制御部」と称する。)及びサーバ装置100の制御部(以下「サーバ制御部」と称する。)により、端末装置2及びサーバ装置100の各要素と協働して実行される。
プレイヤは、端末装置2の操作部を介して端末装置2に、プログラムの実行を指示する。端末装置2は、当該プログラムに基づいて処理を開始する。即ち、当該プログラムにより実現される端末制御部は、プレイヤにより端末装置2の操作部を介してゲームの開始が指示された場合に、キャンペーン画面(例えば、図3及び図4に示される画面)の取得要求を、端末装置2の通信部(以下「端末通信部」と称する。)を介してサーバ装置100に送信する(ステップS100)。
端末装置2からサーバ装置100の通信部(以下「サーバ通信部」と称する。)を介してキャンペーン画面の取得要求を受信した場合に、サーバ制御部は、キャンペーン画面を表示するための表示データを作成する(ステップS101)。そして、サーバ制御部は、作成した表示データを、サーバ通信部を介して端末装置2に送信する(ステップS102)。
サーバ装置100から端末通信部を介して表示データを受信した場合に、端末制御部は、受信した表示データに基づいて描画データを作成する。また、端末制御部は、作成した描画データを端末装置2の表示部に出力し、キャンペーン画面を表示させる(ステップS103)。
キャンペーン画面において、プレイヤにより端末装置2の操作部を介してゲームの開始が指示された場合に、端末制御部は、ゲーム画面の取得要求を、端末通信部を介してサーバ装置100に送信する(ステップS104)。
端末装置2からサーバ通信部を介してゲーム画面の取得要求を受信した場合に、サーバ制御部は、ゲーム画面を表示するための表示データを作成する(ステップS105)。そして、サーバ制御部は、作成した表示データを、サーバ通信部を介して端末装置2に送信する(ステップS106)。
サーバ装置100から端末通信部を介して表示データを受信した場合に、端末制御部は、受信した表示データに基づいて描画データを作成する。また、端末制御部は、作成した描画データを端末装置2の表示部に出力し、ゲーム画面を表示させる(ステップS107)。
ゲーム画面において、プレイヤにより端末装置2の操作部を介してゲームの進行が指示された場合に、端末制御部は、ゲーム画面の取得要求を、端末通信部を介してサーバ装置100に送信する(ステップS108)。
端末装置2からサーバ通信部を介してゲーム画面の取得要求を受信した場合に、サーバ制御部は、受信したゲーム画面の取得要求に含まれるプレイヤによる指示及びサーバ記憶部に記憶されているゲームの状態に基づいてゲームを進行させる(ステップS109)。そして、サーバ制御部は、プレイ終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS110)。プレイ終了条件が成立していない場合に(ステップS110−No)、サーバ制御部は、プレイ継続を示すゲーム画面を表示するための表示データを作成する(ステップS111)。
一方、プレイ終了条件が成立した場合に(ステップS110−Yes)、サーバ制御部は、所定のゲームポイントをプレイヤに対して付与する(ステップS112)。また、サーバ制御部は、サーバ記憶部に記憶されている各ゲームのURL44の出現確率を参照し、当該出現確率に基づいて次のゲームのURL44を決定する(ステップS113)。そして、サーバ制御部は、プレイ終了を示すゲーム画面(例えば、図5に示される画面)を表示するための表示データを作成する(ステップS114)。
サーバ制御部は、作成した表示データを、サーバ通信部を介して端末装置2に送信する(ステップS115)。
サーバ装置100から端末通信部を介して表示データを受信した場合に、端末制御部は、受信した表示データに基づいて描画データを作成する。また、端末制御部は、作成した描画データを端末装置2の表示部に出力し、ゲーム画面を表示させる(ステップS116)。
ゲーム画面において、プレイヤにより端末装置2の操作部を介してゲームの開始が指示された場合に、端末制御部は、ゲーム画面の取得要求を、端末通信部を介してサーバ装置100に送信する(ステップS117)。
端末装置2からサーバ通信部を介してゲーム画面の取得要求を受信した場合に、サーバ制御部は、サーバ記憶部に記憶されている直前のゲームの総プレイ回数をインクリメント(+1)する(ステップS118)。また、サーバ制御部は、インクリメントした総プレイ回数に基づいて各ゲームのURL44の出現確率を更新する(ステップS119)。そして、サーバ制御部は、ゲーム画面を表示するための表示データを作成する(ステップS120)。また、サーバ制御部は、作成した表示データを、サーバ通信部を介して端末装置2に送信する(ステップS121)。
このように、本実施形態の「第1誘導ルート」では、プレイヤによる総プレイ回数が比較的多い対象ゲーム、換言すれば、当該キャンペーンにおいてプレイヤに対する人気が高いゲーム、又は、当該キャンペーンに対する貢献度が高いゲーム程、優先してプレイヤが誘導される。これにより、プレイヤとしては、対象ゲームのなかから特定ゲームの選択に迷うことなく、キャンペーンにおいて人気が高い特定ゲームをプレイすることができ、これにより、キャンペーンにおける対象ゲームへのプレイヤの流量(流入量)調整を最適化することが可能となる。その結果、プレイヤのキャンペーンひいてはソーシャルゲームへの参加意欲を更に高め、且つ、従来に比して集客効果を格段に増長させることができる。
なお、本実施形態のキャンペーンにおいては、プレイヤが同一の対象ゲームを続けてプレイしてもよいし、逆に、そのように同一の対象ゲームを続けてプレイしない(つまり同一ゲームのループプレイを禁止する)ようにしてもよい。後者の如く設定するには、例えば、図5に示すゲームAをプレイしたときの画像に表示される特定ゲーム間移動用のURL44の対象からゲームAを除外することが挙げられる。或いは、ゲームA,B,C,D等の全ての対象ゲームへリンクするURLを設定しておいた上で、図5に示す画像を表示する際に、同一の特定ゲーム(図5の場合はゲームA)へのリンク用URL44を表示対象から除外するような設定にしてもよい。
また、この「第1誘導ルート」において、上述の如く総プレイ回数の多いが比較的多い対象ゲームを優先するのとは反対に、総プレイ回数が比較的少ない対象ゲームを優先して、プレイヤをその対象ゲームに誘導するようにしてもよい。すなわち、この場合には、上述した総プレイ回数の例に基づいて、URL44の出現確率を、例えば以下のように決定してもよい。このようにすれば、後記の「第2誘導ルート」における誘導確率の説明で言及するのと同様に、そのキャンペーンで人気が高い特定ゲームへのプレイヤの集中を避けることができ、また、プレイヤにとっても、これまでプレイヤ自身が経験したことがないような未経験分野又は未経験カテゴリに属する種類のゲームを体験することができる。
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対象ゲーム 総プレイ回数 出現確率
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A 10000 5%
B 500 50%
C 1000 35%
D 5000 10%
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さらに、上記の対象ゲームと出現確率との関係を、例えば、前回実施したキャンペーンにおける総プレイ回数の実績値に基づいて、或いは、任意に、これから実施するキャンペーンに先立って予め設定しておいてもよい。また、そのような対象ゲームと出現確率との関係に係る事前設定値を初期値として用い、キャンペーンを実施していくなかで、対象ゲーム毎の実際のプレイ回数のデータを採取し、それに基づいて、対象ゲームと出現確率との関係を見直すようにしても好適である。すなわち、キャンペーンにおける各対象ゲームのプレイ回数を用いて、プレイヤの特定ゲームへの流入量をフィードフォワード制御及び/又はフィードバック制御によってリアルタイムで調整することも可能である。
(第2誘導ルート)
一方、「第2誘導ルート」においては、対象ゲームであるゲームA,B,C,Dのそれぞれに対して、プレイヤを誘導する確率(誘導確率)が、演算処理部101により予め設定されており、キャンペーンに参加したプレイヤは、その誘導確率に基づいて、特定ゲームへと誘導される。この場合、サーバ装置100のROM102及びRAM103や、外部メモリ106及びキャンペーンに関する情報が記録された各種記憶媒体に、例えば以下に示すような対象ゲームと誘導確率の対応テーブルを記憶させておく。
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対象ゲーム 誘導確率
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A 20%
B 10%
C 60%
D 10%
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そして、プレイヤがキャンペーンに参加したときに、演算処理部101は、上記の対応テーブルに設定された誘導確率に基づいて、プレイヤを各ゲームA,B,C,Dへと誘導する。その際、演算処理部101は、例えば、図4に示す如く各ゲームのキャンペーン紹介画像をプレイヤの端末装置2の画面2aに表示した後に、プレイヤの選択に委ねることなく、上記誘導確率が比較的高いゲームCを優先してそのゲーム画像を表示することにより、プレイヤはそのゲームCをプレイすることができる。
以下、ソーシャルゲームシステム1の動作シーケンスの他の一例(以下「第2の動作シーケンス」と称する。)について説明する。なお、ステップS203以降の処理については、第1の動作シーケンスと同様であるので、以下では説明を省略する。
プレイヤは、端末装置2の操作部を介して端末装置2に、プログラムの実行を指示する。端末装置2は、当該プログラムに基づいて処理を開始する。即ち、当該プログラムにより実現される端末制御部は、プレイヤにより端末装置2の操作部を介してゲームの開始が指示された場合に、キャンペーン画面の取得要求を、端末通信部を介してサーバ装置100に送信する(ステップS200)。
端末装置2からサーバ通信部を介してキャンペーン画面の取得要求を受信した場合に、サーバ制御部は、サーバ記憶部に記憶されているゲームと誘導確率の対応テーブルを参照し、当該誘導確率に基づいて各ゲームの表示順序を決定する(ステップS201)。そして、サーバ制御部は、キャンペーン画面を表示するための表示データを作成する(ステップS202)。また、サーバ制御部は、作成した表示データを、サーバ通信部を介して端末装置2に送信する(ステップS203)。
このようにすれば、例えば、キャンペーンの対象ゲームではあるものの、そのキャンペーンや前回のキャンペーンにおいてプレイされた回数が比較的少ない特定ゲーム(上述の例ではゲームC等)への誘導確率を高く設定することにより、そのキャンペーンで人気が高い特定ゲームへのプレイヤの集中を避けることができる。これにより、例えばSNS事業者が意図する特定ゲームをプレイヤに確実にプレイさせることができ、一方、プレイヤにとっては、これまでプレイヤ自身が経験したことがないような未経験分野又は未経験カテゴリに属する種類のゲームを体験することができる。このようにしても、プレイヤのキャンペーンひいてはソーシャルゲームへの参加意欲を更に高めることができ、また、キャンペーンにおける対象ゲームへのプレイヤの流量(流入量)調整を好適に行うことが可能となるので、プレイヤのキャンペーンひいてはソーシャルゲームへの参加意欲を更に高め、且つ、従来に比して集客効果を格段に増長させることができる。
また、上記「第1誘導ルート」及び「第2誘導ルート」の何れにおいても、対象ゲームA,B,C,D等を連続して特定ゲームとして設定し、プレイヤをそれらの複数の特定ゲームへ連続して誘導するように設定することができる。そして、かかる場合、又は、プレイヤが、キャンペーン(同時期に開催されているキャンペーンでも時期をずらして開催されているキャンペーンでもよい)に複数回連続して参加した場合等には、ゲームA,B,C,Dを単独でプレイして所定の条件をクリアしたとき付与される報酬(第1の報酬)とは程度又は種類が異なる別の報酬(第2の報酬)を、連続プレイに対する対価としてプレイヤに付与してもよい。さらに、一連の特定ゲームをより早くクリアしたプレイヤほど、その第1の報酬とは程度又は種類が異なる第2の報酬を大量に獲得することができるようにしてもよいし、その「程度又は種類」を変更して、プレイヤによってより価値が高い報酬を「第2の報酬」として付与するようにしてもよい。
これらの場合には、例えば、図4に示す如く端末装置2の画面2aに表示される条件42a1,42a2等をクリアしたときに獲得することができるポイント数43a1,43a2等よりも大量のポイント数が第2の報酬として付与する例が挙げられる。或いは、通常はそれらのポイントを貯めることによって交換することができる稀少度が高いアイテム(いわゆるレアアイテムやスーパーレアアイテム)を、連続プレイの対価たる第2の報酬とすることもできる。そのように設定することにより、プレイヤのキャンペーン参加意欲を更に一層高めることが可能となる。
また、「第1誘導ルート」及び「第2誘導ルート」の何れにおいても、対象ゲーム又は特定ゲームの選定又は設定を、キャンペーンに参加したプレイヤによる複数のゲームのプレイ履歴に基づいて行うようにしてもよい。例えば、演算処理部101により、プレイヤがこれまでプレイしたゲームの種類やプレイ時間等の履歴データに基づいて、そのプレイヤが好んでプレイするゲームの傾向を分析し、そのプレイヤと相性がよいゲームをキャンペーンの対象ゲーム又は特定ゲームとして設定することができる。このようなゲームとしては、例えば、キャンペーンに参加したプレイヤが、キャンペーン以外の通常時や他のイベント開催時に好んでプレイするゲームと同じカテゴリ/ジャンル(分野)のゲームが挙げられる。また、同一カテゴリや同一ジャンルのゲームに限らず、そのプレイヤのプレイ履歴を、統計的手法や行動分析手法を含むデータマイニング等の技法を用いて解析することにより、有意な相関があると判断されたゲームを、そのプレイヤにとっての相性のよいゲーム(群)とすることもできる。
そのようにすることにより、個々のプレイヤの嗜好に合うように、そのプレイヤに対してキャンペーンの対象ゲーム、及び/又は、特定ゲームをきめ細かくマッチングさせることができる。その結果、プレイヤの当該キャンペーン及びそのプラットフォームで実行されるソーシャルゲーム満足度ひいては参加意欲を殊更に向上させることができる。特に、上記後者のような解析手法に用いるプレイ履歴等のデータは、プラットフォームを提供するSNS事業者のサーバ装置101により、大量に且つ簡便に採取することができるので、かかるデータマイニング等の技法を用いた解析によるマッチングは、プレイヤのキャンペーンへの参加意欲を更に一層高める上で極めて有用である。
さらに、プレイヤによる特定ゲームのプレイ履歴が所定の条件を満足したときに、上述したゲームA,B,C,Dの個々のゲームをプレイしたときに付与される第1の報酬とは程度又は種類が異なる第3の報酬を、プレイヤに対して付与するようにしてもよい。この場合、例えば、キャンペーンの対象ゲームであるゲームA,B,C,Dにおいてゲームポイント等を獲得するための条件を、図6に一例を示す如く、ビンゴの要素に見立ててビンゴカードのようなパズル配列P(擬似ビンゴカード)を設定しておく。同図において、A1〜A5は、ゲームAにおける条件であることを示し、同様に、B1、C1及びC2、並びにD1は、それぞれ、ゲームB,C,Dにおける条件であることを示す。
このとき、プレイヤが同一の又は別の特定ゲームを複数プレイして、それらの所定の条件を満たすことにより、そのパズル配列において所定の並び(縦、横、又は斜めの並び等;図示の例では、A1−A2−D1、A2−A5−B1、A1−A5−C2のライン等)が揃えば、ビンゴが完成する。そして、そのようなビンゴの完成、更にはビンゴの数に応じて、キャンペーンで得られる第1の報酬としてのポイント(図4に示すポイント数43a1,43a2等)よりも極めて大量のポイント数が第3の報酬として付与される例が挙げられる。或いは、先述した第2の報酬と同様に、稀少度が更に高いアイテム(いわゆるスーパーレアアイテム等)を、図6に示す例ではビンゴの達成の対価たる第3の報酬とすることもできる。これにより、プレイヤのキャンペーン参加意欲をより一層高めることが可能となる。
なお、上述したとおり、本発明は、上記の実施の形態、及び、既に述べた変形例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、図1に示すサーバ装置100の構成は、処理能力等に相違はあるものの、端末装置2であるクライアントコンピュータ21及び携帯端末22についても適合する。逆言すれば、クライアントコンピュータ21及び携帯端末22を、サーバ装置100として使用することも可能である。すなわち、ネットワーク200を介して接続されているコンピュータ装置の何れもサーバ装置として機能させることができる。
さらに、サーバ装置100においては、ハードディスクやSSD等の大容量記憶装置を用いて、ROM102、RAM103、外部メモリ106、スロットドライブ108に装荷されるメモリデバイス等と同等の機能を果たすように構成してもよく、それらの記憶装置は、RAID等による冗長化が行われていてもいなくてもよく、また、伝送路120を介して演算処理部101に接続されていなくてもよく、例えば、クラウドコンピューティングの一環として、ネットワーク200を介して別の外部装置等に接続されていてもよい。
またさらに、サーバ装置100及び端末装置2におけるネットワークインターフェースとしては、無線LAN装置及び有線LAN装置の何れでもよく、それらは、内部に装着されていても、LANカードの如く外部デバイスタイプのものでもよい。さらにまた、端末装置2としては、ネットワーク200に接続可能なゲーム機を用いてもよく、他には、例えば通信カラオケ装置を用いることも可能である。
加えて、「第2誘導ルート」において設定される上記対応テーブルにおける各対象ゲーム(ゲームA,B,C,D)への誘導確率は、「第1誘導ルート」で取得された不特定多数のプレイヤによる各ゲームA,B,C,Dの総プレイ回数に基づいて設定されてもよい。この場合、上述した「第1誘導ルート」における例では、総プレイ回数が比較的少ないゲームBへのプレイヤの流入量を増大させるべく、ゲームCへの誘導確率よりもゲームBへの誘導確率を大きくするように設定することもできる。また、例えばSNSコミュニティや各ゲームにおいてフレンド登録の数が多いプレイヤほど、或いは、フレンドや他のプレイヤに協力した経験(いわゆる「助っ人」等)が多いプレイヤほど、上述した第1の報酬とは程度及び/又は種類が異なる第2の報酬及び/又は第3の報酬が、より多く又はより多様な形態で付与されるようにしてもよい。