JP5659756B2 - 電極箔とその製造方法およびコンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は電極箔と電極箔の製造方法および電極箔を用いたコンデンサに関する。
コンデンサとしては、パーソナルコンピュータのCPU周りに使用される低ESRの固体電解コンデンサや、大型機器用インバータ電源、ハイブリッドカー等の自動車用インバータ電源に使用される高耐圧のアルミ電解コンデンサなどが挙げられる。これらのコンデンサには、小型大容量化が強く望まれている。
コンデンサの大容量化を図るには、アルミニウム箔からなる基材にエッチングで多数の凹部を形成し、あるいは基材上に蒸着によって複数の柱状体を形成して、表面積の拡大を図ることが有効である。また基材の表面に、誘電率の高い酸化チタンからなる誘電膜を形成することも有効である。
上記の大容量化技術に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1〜4が知られている。
特開平3−196510号公報 特開平2−65219号公報 特開平4−361518号公報 特開2005−64352号公報
誘電膜として酸化チタンからなる酸化皮膜を形成した場合、コンデンサの漏れ電流が大きくなることがあった。
その理由は、酸化皮膜の結晶化とそれに伴う酸素ガス生成により欠陥の多い酸化皮膜しか得られないからである。そしてその結果、コンデンサの漏れ電流が大きくなるのである。
そこで本発明は、コンデンサの大容量化を実現するとともに、漏れ電流を低減することを目的とする。
そしてこの目的を達成するため本発明は、アルミニウムからなる基材と、この基材の表面に形成された多数の凹部と、これらの凹部の内壁および基材の凹部の内壁以外の表面に形成された誘電膜と、を備え、凹部の内壁のうち凹部の開口部に近い領域および基材の凹部の内壁以外の表面に形成された誘電膜は、酸化ジルコニウムまたは酸化ハフニウムと酸化アルミニウムとからなり、凹部の内壁に形成された誘電膜は、少なくとも酸化アルミニウムを含み、誘電膜中におけるジルコニウムまたはハフニウムの含有量は、凹部の内壁のうち凹部の開口部から凹部の深さ方向に向かって段階的に減少するものである。
これにより本発明は、コンデンサの大容量化を実現するとともに、漏れ電流を低減できる。
その理由を以下に説明する。
一つは酸化ジルコニウムや酸化ハフニウムは、酸化チタンと同様に、酸化アルミニウムよりも高い誘電率を有することに加え、酸化チタンよりも酸化アルミニウムに固溶しやすいからである。
すなわち、ジルコニウムまたはハフニウムは、酸素との結合エネルギーがアルミニウムに近いため、これらの酸化物は互いによく固溶する。ここで酸化アルミニウムは非晶質であり、漏れ電流が発生しにくいため、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムまたは酸化ハフニウムが固溶することによって漏れ電流の低減に寄与する。さらに酸化アルミニウム単体よりも酸化ジルコニウムや酸化ハフニウムが混ざることにより、より漏れ電流が低減する。この要因は現在検討中であるが、結晶構造の変化に由来すると考えられる。
二つ目は、電極箔の凹凸の先端部分に、優先的にジルコニウムやハフニウムを積層したからである。これにより凹部の開口部周辺は丸みを帯び、電解集中が抑制され、漏れ電流を低減できる。また凹部の底部側では微細な表面形状を維持でき、大容量特性を維持できる。
以上より本発明は、誘電膜の誘電率と電極箔の表面積を維持することで大容量化を実現し、誘電膜の非晶質化を促進させるとともに電極箔の先端部分の電解集中を抑制することによって漏れ電流を低減できる。
本発明の実施例1におけるコンデンサの斜視図 本発明の実施例1における電極箔の断面図 本発明の実施例1における電極箔の要部を示す模式断面図 本発明の実施例1の別の例における電極箔の断面図 本発明の実施例1の別の例におけるコンデンサの一部切欠き斜視図 本発明の実施例3における電極箔の模式断面図
(実施例1)
以下、本実施例における電極箔と、その製造方法および電極箔を用いたコンデンサについて説明する。
図1に示す本実施例のコンデンサ1は、陽極部2と、この陽極部2の表面に形成された誘電膜(図3の図番3)と、この誘電膜3上に形成された固体電解質層(図示せず)と、この固体電解質層上に形成された陰極部4と、を備えたコンデンサ素子5を複数枚積層している。
コンデンサ1は陽極部2および陰極部4の電極を引き出す陽極端子6Aおよび陰極端子6Bと、これらの陽極端子6Aおよび陰極端子6Bの一部が外部に露出するようにコンデンサ素子5をモールドして収容する外装体7と、を備えている。
陽極部2は、図2や図3に示すように、アルミニウムからなる基材8と、この基材8の表面11に形成された多数の凹部9と、これらの凹部9の内壁12および基材8の表面11に形成された誘電膜3と、を備えた電極箔2Aを用いている。誘電膜3は、固体電解質層を形成する領域に形成されていればよく、陽極端子6Aとの接合部分には誘電膜3を形成しないか、接合時に除去する。
凹部9の開口部10および基材8の表面11に形成された誘電膜3は、酸化ジルコニウムと酸化アルミニウムとの混合物(AlZrxy)からなる。開口部10および基材8の表面11に形成された誘電膜3中において、アルミニウムとジルコニウムの組成比(at.%)は99.9:0.1である。開口部10および基材8の表面11の誘電膜3中における金属原子は、アルミニウムの次にジルコニウムが多いものとした。
その他の凹部9の内壁12に形成された誘電膜3は、少なくとも酸化アルミニウムを含み、開口部10に近い領域では酸化ジルコニウムも含まれる。誘電膜3中におけるジルコニウムの含有量は、凹部9の開口部10から凹部9の深さ方向(矢印P)に向かって段階的に減少する。
以下、電極箔2Aの製造方法について説明する。
まず、基材8として厚み30〜120μm、純度99.9%以上の高純度アルミニウム箔を準備した。
次に、基材8の表面11を粗面化し、多数の凹部9を形成する。凹部9は、基材8の両面に形成してもよく、一方の表面11にのみ形成してもよい。凹部9は例えばブラストで機械的に形成したり、塩酸液に浸漬して化学的に形成(化学的エッチング)したりすることができるが、本実施例では、塩酸主体の電解液中で基材8をカーボン電極板間に設置し電解(電気化学的エッチング)する方法を用いた。電気化学的エッチングでは電解の電流波形、液の組成、温度等によりエッチング形状が異なるため、コンデンサ1の性能に合わせたエッチングの方法を選択する。本実施例では、三角波による交流エッチングとした。また本実施例では、凹部9の開口部10からの深さdは平均で30〜45μmとした。なお、直流エッチングした場合は、図4のように比較的真直ぐな凹部13が形成された電極箔2Aとなる。
その後、凹部9が形成された基材8に対し、ジルコニウムをスパッタし、金属層(ジルコニウム層)を形成する。金属層の最大厚みは5〜100nmであり、化成後の誘電膜3の平均厚みの50分の1以上の厚みに形成することが好ましい。これより少なくなると、ジルコニウムを含有させることによる誘電率の向上効果が殆ど得られなくなる。
金属層は、凹部9の開口部10および基材8の表面11に優先的に形成することが好ましい。凹部9の中にまで厚く形成すると、凹部9内に形成された微細な凹凸がつぶれてしまい、表面積が小さくなるからである。したがって、金属膜の平均厚みは、凹部9の真ん中(凹部9の深さをdとした場合、d/2の地点)から開口部10側の方が、凹部9の真ん中より底部14側よりも厚くなる。なお、凹部9の底部14側には金属層を形成しなくてもよい。本実施例では、開口部10および基材8の表面11に形成した金属層の厚みが平均10nmであり、凹部9の底部14からd/3〜2d/3の地点では金属層の厚みが1nm未満になるように、徐々に薄くなるように形成した。
次に、金属層が形成された基材8を化成する。化成工程では、基材8を陽極として電解液に入れ、電気分解して凹部9の開口部10と基材8の表面11、および凹部9の内壁12に酸化皮膜を形成する。この酸化皮膜が誘電膜3となる。化成用の電解液には、硼酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム等の水溶液が用いられる。電気分解時の印加電圧(化成電圧)は、本実施例では化成電圧4.5V、保持時間30分、7%アジピン酸アンモニウム水溶液、70℃、0.05A/cm2で化成を行った。
以上のように形成した本実施例の電極箔2Aを用い、定電圧3.15V印加して、3分後の漏れ電流値を測定した。比較例1として金属層を形成せず、酸化アルミニウムのみからなる誘電膜を有する電極箔を用いた。また比較例2としてジルコニウムに代えてチタンからなる金属層を形成し、その後同じように化成した電極箔を用いた。なお、測定時は、それぞれの電極箔を1×2cmにカットしたものを用いた。
その結果、それぞれの漏れ電流値は、比較例1が0.4μA、比較例2が7.2μAであったのに対し、本実施例は0.2μAとなり、漏れ電流値が大幅に低減した。
また本実施例の電極箔2A(1×2cm)の静電容量は3.35μFであり、酸化アルミニウムのみからなる誘電膜を形成した場合の静電容量2.93μFと比較し、容量が増大していることが分かった。容量測定条件としては、LCRメーターを用い、15%アジピン酸アンモニウム水溶液、30℃、測定周波数120Hzで行ったものである。なお、凹部9の開口部10および基材8の表面11の誘電膜3中におけるジルコニウムの最大含有量は0.03atm%以上とすることが好ましい。ジルコニウムの含有量が最も多い領域で、これよりも少なくなると、ジルコニウムを含有させることによる誘電率向上効果を得られなくなるからである。
以下、本実施例の効果を説明する。
本実施例では、コンデンサ1の大容量化を実現するとともに、漏れ電流を低減できる。
その理由を以下に説明する。
一つは、酸化ジルコニウムは、酸化チタンと同様に、酸化アルミニウムよりも高い誘電率を有する一方で、酸化チタンよりも酸化アルミニウムに固溶しやすいからである。
すなわち、チタンと酸素との結合エネルギーは約76kcal/molであるのに対し、ジルコニウムと酸素との結合エネルギーは約67kcal/mol、アルミニウムと酸素との結合エネルギーは約68kcal/molであり、ほぼ同等である。したがって、ジルコニウムとアルミニウムの酸化物は互いによく固溶する。ここで酸化ジルコニウムが結晶体であるのに対し、酸化アルミニウムは非晶質であり、漏れ電流が発生しにくいため、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムとが固溶することによって漏れ電流の低減に寄与する。
さらに酸化アルミニウム単体よりも酸化ジルコニウムが混ざることにより、より漏れ電流が低減する。この要因は現在検討中であるが、結晶構造の変化に由来すると考えられる。
二つ目は、電極箔2Aの凹凸の先端部分に、優先的にジルコニウムを積層したからである。すなわち本実施例では、凹部9によって電極箔2Aの表面が凹凸形状となり、その先端部分(開口部10の周辺)はエッジとなって電解が集中しやすくなる。これに対し本実施例では、この先端部分を金属層で覆っているため、凹部9の開口部10周辺は丸みを帯び、電解集中が抑制され、漏れ電流を低減できる。また凹部9の底部14側には金属層を形成しないか、膜厚を薄くしているため、微細な表面形状を維持でき、大容量を維持できる。
以上より本発明は、誘電膜3の高い誘電率と電極箔2Aの表面積を維持することで大容量化を実現し、誘電膜3の非晶質化を促進させるとともに電極箔2Aの先端部分の電解集中を抑制することによって漏れ電流を低減できる。
なお、電極箔2Aは、凹部9の真ん中よりも開口部10側の表面粗度が、凹部9の真ん中より底部14側の表面粗度よりも小さい方がより好ましい。これにより電極箔2Aの先端部分の電解集中をより抑制することができ、また凹部9の底面側の表面積を拡大できる。このように、開口部10側の表面粗度を高めるためには、金属層をスパッタで形成することが好ましい。金属層は蒸着やめっきなどで形成することもできるが、スパッタは緻密な膜を開口部10側に優先的に形成することができるからである。表面粗度はTEM、SEM、及び表面粗さ計等によって測定した単位表面積あたりの表面粗度の平均値である。
また本実施例では、誘電膜3としてジルコニウムを含有させたが、ジルコニウムに代えてハフニウムを用いてもよい。ハフニウムはジルコニウムと同じ第四属遷移金属であり、化学的特性が似ている上に、酸化物の生成Gibbs自由エネルギーΔG°が約−270kJ eq-1であり、チタン酸化物の約−220kJ eq-1より、アルミニウム酸化物及びジルコニウム酸化物の約−260kJ eq-1に近い。したがって、ハフニウムを用いた場合も、同様の原理によりコンデンサ1の大容量化と漏れ電流の低減を実現できると考えられる。
なお、金属層としてジルコニウムを用いた場合は、基材8の表面11および凹部9の開口部10に形成された誘電膜3中において、金属成分の主成分をアルミニウムかジルコニウムのいずれか一方とし、他方を二番目に多い組成とする。また金属層としてハフニウムを用いた場合は、基材8の表面11および凹部9の開口部10に形成された誘電膜3中において、金属成分の主成分をアルミニウムかハフニウムのいずれか一方とし、他方を二番目に多い組成とする。
本実施例では、電極箔2Aをチップ型のコンデンサ1の陽極箔として用いたが、図5に示す巻回型のコンデンサ15の陽極箔16や陰極箔17として用いることができる。陽極箔16、陰極箔17のいずれか一方として実施例1の電極箔2Aを用いてもよく、双方に用いてもよい。
巻回型のコンデンサ15は、陽極箔16(陽極部)と陰極箔17(陰極部)とを、間にセパレータ18を介して巻回したコンデンサ素子19と、このコンデンサ素子19に含浸させた電解液や固体電解質層などの陰極材料(図示せず)と、陽極箔16の電極を引き出す陽極端子20と、陰極箔17の電極を引き出す陰極端子21と、陽極端子20と陰極端子21の一部を外部に露出させるようにコンデンサ素子19を収容する外装体22と、この外装体22を封止する封止部材23と、を備えている。陰極材料としては、導電性高分子からなる固体電解質や、電解液が挙げられ、これらの双方を組み合わせて用いてもよい。
また本実施例は、金属層の最大厚みを10nmとしたが、厚みを増やす場合は、化成電圧を高くすることで、ジルコニウムやハフニウムの組成比を下げることができる。
(実施例2)
本実施例と実施例1との違いは、誘電膜3の組成比である。本実施例では、凹部9の開口部10および基材8の表面11に形成された誘電膜3において、アルミニウムとジルコニウムの組成比(at.%)を5〜15:85〜95とした。
本実施例では、金属層の最大厚みを100nmとし、化成電圧は実施例1と同様に4.5Vとした。酸化ジルコニウムは酸化アルミニウムの誘電率よりもはるかに高いため、誘電膜3を酸化アルミニウムのみから形成した場合と比較し、70%以上の容量増大を実現できる。
また酸化ジルコニウムと非晶質の酸化アルミニウムとが固溶した混合物であるため、漏れ電流を低減できる。なお、誘電膜3が酸化ジルコニウムのみで構成されると、酸化ジルコニウムは結晶性が高い為、漏れ電流が増加する。したがって最もジルコニウムの含有量の多い凹部9の開口部10および基材8の表面11の領域においても、誘電膜3を酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの混合物とすることが好ましい。
その他実施例1と同様の構成および効果については説明を省略する。
(実施例3)
本実施例と実施例1との違いは、電極箔の構造および形成方法である。
図6に示すように本実施例の電極箔24は、アルミニウムからなる基材25と、この基材25の表面に形成されたアルミニウムからなる複数の柱状体26と、この柱状体26の表面に形成された誘電膜(図示せず)と、を備えている。柱状体26は基材25の両面に形成してもよく、一方の表面にのみ形成してもよい。基材25はアルミニウム以外にも、アルミニウム合金やチタン、タンタルなどの弁金属やその他導電性材料で構成してもよい。
柱状体26は、単純な円筒形状や四角柱形状でもよいが、複数のアルミニウム微粒子27が枝分かれするように連なった海ぶどうのような構造であってもよい。
これらの柱状体26の先端28に形成された誘電膜は、酸化ジルコニウムと酸化アルミニウムとからなり、柱状体26の側面29に形成された誘電膜は、少なくとも酸化アルミニウムを含む。誘電膜中におけるジルコニウムの含有量は、柱状体26の先端28から根元30側にむかって段階的に減少する。
柱状体26は、真空蒸着やエアロゾルなどで形成できる。本実施例の柱状体26は、真空蒸着で形成した。真空槽内を150〜300℃に保ち、活性ガスと不活性ガスの混合ガスを導入することによって、蒸発したアルミニウム微粒子27の表面に薄い酸化皮膜が形成され、粒子形状を維持しながら基材25上に積層していく。
以上のように柱状体26を形成した後、柱状体26の上方からジルコニウムをスパッタし、金属層を形成する。金属層の最大厚みは5〜100nmであり、誘電膜の平均厚みの50分の1以上の厚みに形成することが好ましい。これより薄くなると、化成後のジルコニウムの組成比が最大でも0.03atm%未満となり、誘電率の向上効果が殆ど得られなくなる。
金属層は、柱状体26の先端28に優先的に形成することが好ましい。根元30にまで厚く形成すると、柱状体26どうしが繋がってしまい、表面積が小さくなるからである。したがって、金属膜の平均厚みは、柱状体26の真ん中(柱状体26の高さをtとした時、高さt/2の地点)から先端28側の方が、柱状体26の真ん中から根元30側よりも厚くなるように形成する。なお、柱状体26の根元30には金属層を形成しなくてもよい。本実施例では、柱状体26の先端28に形成した金属層の厚みが平均10nmであり、柱状体26の高さをtとした場合に、根元からt/3〜t/2の地点では金属層の厚みが1nm未満になるように、徐々に薄くなるように形成した。
次に、金属層が形成された基材25を実施例1と同様に化成する。
以上のように形成した電極箔24は、実施例1と同様に大容量化を実現できるとともに漏れ電流を低減できる。
また本実施例においても、電極箔24、柱状体26の真ん中(根元から高さ1/2tの地点)よりも先端28側の平均表面粗度が、柱状体26の真ん中より根元30側の平均表面粗度よりも小さい方がより先端部分の電解集中を抑制でき、漏れ電流を低減できる。
さらに本実施例においても、誘電膜として酸化ジルコニウムに代えて酸化ハフニウムを用いてもよい。なお、金属層としてジルコニウムを用いた場合は、柱状体26の先端28に形成された誘電膜中において、金属成分の主成分をアルミニウムかジルコニウムのいずれか一方とし、他方を二番目に多い組成とする。また金属層としてハフニウムを用いた場合は、柱状体26の先端28に形成された誘電膜3中において、金属成分の主成分をアルミニウムかハフニウムのいずれか一方とし、他方を二番目に多い組成とする。
その他実施例1と同様の構成および効果については説明を省略する。
本発明による電極箔は、特に大容量かつ高耐圧特性が要求される電解コンデンサの陽極箔として有用である。
1 コンデンサ
2 陽極部
2A 電極箔
3 誘電膜
4 陰極部
5 コンデンサ素子
6A 陽極端子
6B 陰極端子
7 外装体
8 基材
9 凹部
10 開口部
11 表面
12 内壁
13 凹部
14 底部
15 コンデンサ
16 陽極箔
17 陰極箔
18 セパレータ
19 コンデンサ素子
20 陽極端子
21 陰極端子
22 外装体
23 封止部材
24 電極箔
25 基材
26 柱状体
27 アルミニウム微粒子
28 先端
29 側面
30 根元

Claims (7)

  1. アルミニウムからなる基材と、
    この基材の表面に形成された多数の凹部と、
    これらの凹部の内壁および前記基材の前記凹部の内壁以外の表面に形成された誘電膜と、を備え、
    前記凹部の内壁のうち前記凹部の開口部に近い領域および前記基材の前記凹部の内壁以外の表面に形成された前記誘電膜は、酸化ジルコニウムまたは酸化ハフニウムと酸化アルミニウムとからなり、
    前記凹部の内壁に形成された前記誘電膜は、少なくとも酸化アルミニウムを含み、
    前記誘電膜中におけるジルコニウムまたはハフニウムの含有量は、
    前記凹部の内壁のうち前記凹部の開口部から前記凹部の深さ方向に向かって段階的に減少する、電極箔。
  2. 前記電極箔は、
    前記凹部の深さをdとした時、
    深さd/2の地点から開口部側の平均表面粗度が、
    深さd/2の地点から底部側の平均表面粗度よりも小さい、請求項1に記載の電極箔。
  3. 基材と、
    この基材の表面に形成されたアルミニウムからなる複数の柱状体と、
    この柱状体の表面に形成された誘電膜と、を備え、
    前記柱状体の先端に形成された前記誘電膜は、酸化ジルコニウムまたは酸化ハフニウムと酸化アルミニウムとからなり、
    前記柱状体の側面に形成された前記誘電膜は、少なくとも酸化アルミニウムを含み、
    前記誘電膜中におけるジルコニウムまたはハフニウムの含有量は、
    前記柱状体の先端から根元側に向かって段階的に減少する、電極箔。
  4. 前記電極箔は、
    前記柱状体の高さをtとした時、
    高さt/2の地点から先端側の平均表面粗度が、
    高さt/2の地点から根元側の平均表面粗度よりも小さい、請求項3に記載の電極箔。
  5. アルミニウムからなる基材の表面に多数の凹部を形成する工程と、
    少なくとも前記凹部の内壁のうち前記凹部の開口部に近い領域および前記基材の前記凹部の内壁以外の表面とに、ジルコニウムまたはハフニウムの金属層を形成する工程と、
    この金属層が形成された前記基材を化成し、前記凹部の内壁および前記基材の表面に少なくとも酸化アルミニウムを含む誘電膜を形成する工程と、を備え、
    前記金属層を形成する工程では、前記凹部の深さをdとした時、深さd/2の地点から前記凹部の内壁のうち開口部側の方が、深さd/2の地点から底部側よりも前記金属膜の平均厚みが大きくなるように形成した、電極箔の製造方法。
  6. 基材の表面にアルミニウムからなる多数の柱状体を形成する工程と、
    少なくとも前記柱状体の先端に、ジルコニウムまたはハフニウムの金属層を形成する工程と、
    この金属層が形成された前記柱状体を化成し、前記柱状体の先端および側面に少なくとも酸化アルミニウムを含む誘電膜を形成する工程と、を備え、
    前記金属層を形成する工程では、前記柱状体の高さをtとした時、高さt/2の地点から先端側の方が、高さt/2の地点から根元側よりも前記金属層の平均厚みが大きくなるように形成した、電極箔の製造方法。
  7. 陽極部と、この陽極部の表面に形成された誘電膜と対向する位置に設けられた陰極部と、
    を有するコンデンサ素子と、
    前記陽極部および陰極部の電極を引き出す陽極端子および陰極端子と、
    これらの陽極端子および陰極端子の一部が外部に露出するように前記コンデンサ素子を収容する外装体と、を備え、
    前記陽極部または陰極部の少なくとも一方は、請求項1または3に記載の電極箔からなるコンデンサ。
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