JP2012129332A - 電極箔およびこれを用いた電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】電解コンデンサの大容量化を実現することを目的とする。
【解決手段】この目的を達成するため本発明は、基材14と、基材14の上面に形成され、内部に空隙を有する第一粗膜層15と、基材14の下面に形成され、内部に空隙を有する第二粗膜層16と、を備え、これらの第一、第二粗膜層15、16は、基材14上に複数の金属微粒子17が積み重なり、基材14から所定方向に湾曲して伸びるように形成された柱状体18が複数並んで構成され、第一粗膜層15の柱状体18の湾曲方向は、第二粗膜層16の柱状体18の湾曲方向と逆であるものとした。これにより本発明は、粗膜層の表面積を更に拡大し、電解コンデンサ5の大容量化を実現できるとともに生産安定性を高めることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は電極箔およびこれを用いた電解コンデンサに関するものである。
コンデンサとしては、電源回路の平滑用などに使用されるアルミ電解コンデンサや、パーソナルコンピュータのCPU周りに使用される低ESRの固体電解コンデンサなどが挙げられる。これらのコンデンサには、小型大容量化が強く望まれている。
例えば従来の巻回型のアルミ電解コンデンサは、セパレータを介して巻回された正負一対の電極箔と、これらの電極箔と接続され、外部にそれぞれの電極を引き出す外部端子とを有するコンデンサ素子と、このコンデンサ素子に含浸させた陰極材料と、この陰極材料とともに前記コンデンサ素子を収容するケースと、前記外部端子の一部が外部に露出するように、ケースを封止した封止部材と、を備えている。
ここで電極箔を粗面化して表面積を大きくすることで高容量の電解コンデンサを実現できる。粗面化の方法としては、エッチングが一般的であるが、近年は蒸着による方法が検討されている。
蒸着により粗面化された電極箔は、例えば図8に示すように、アルミニウム箔からなる基材1と、この基材1上に形成された粗膜層2からなる。粗膜層2は、複数のアルミニウム微粒子3が積み重なり、基材1から伸びるように形成された柱状体4が複数並んで構成される。
なお、このように粗面化を促進すると電極箔の強度が弱くなりやすく、例えば電極箔を巻回する際、その応力負荷によって電極箔にクラックが入り、漏れ電流の原因となることがある。したがって、従来から巻回後に修復化成を施し、クラックの入った電極箔表面に酸化被膜を形成している。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2008−288296号公報
従来の電極箔では、電解コンデンサの大容量化に限界があった。
すなわち、電解コンデンサの大容量化を図るには、微粒子3の重畳数を増やすか、あるいは小さな微粒子3を積み上げて粗膜層2の総表面積を大きくすればよい。しかし微粒子3を重畳するほど粗膜層2が厚膜化し、コンデンサの小型化が図れなくなる。また柱状体4は、高さが増すと垂直方向からの応力負荷に対して強度が低下してしまうことがある。一方微粒子3の粒径を小さくすれば粗膜層2の総表面積を大きくすることができるが、粗膜層2の機械的強度が低下し、また微粒子3間の接続部分が絶縁化され易くなり、結局電解コンデンサの高容量化に寄与しなくなる。
以上のように電極箔をこれ以上大容量化することは、難しい課題である。
そこで本発明は、電極箔をさらに大容量化することを目的とする。
そしてこの目的を達成するため本発明は、基材と、基材の上面に形成され、内部に空隙を有する第一粗膜層と、基材の下面に形成され、内部に空隙を有する第二粗膜層と、を備え、これらの第一、第二粗膜層は、基材上に複数の金属微粒子が積み重なり、基材から所定方向に湾曲して伸びるように形成された柱状体が複数並んで構成され、第一粗膜層の前記柱状体の湾曲方向は、第二粗膜層の柱状体の湾曲方向と逆であるものとした。
これにより本発明は、電解コンデンサをさらに大容量化することができる。
その理由は、金属微粒子を湾曲するように、あるいは斜め方向に積み重ねることによって、第一、第二粗膜層の厚みが薄くても金属微粒子の重畳数を増やせるからである。これにより本発明は、第一、第二粗膜層の総表面積を拡大し、結果として電解コンデンサをさらに大容量化できる。
また本発明は、第一粗膜層と第二粗膜層の湾曲方向または傾斜方向を逆向きにしたことにより、いずれか一方の粗膜層は、柱状体が巻回または折り曲げ方向に沿い、また他方の粗膜層は、柱状体が巻回または折り曲げ方向に反ることとなる。
したがって、どちらの粗膜層を表にして巻回あるいは折り曲げても、電極箔自体のクラックの入る率が平均化され、一定の性能の電解コンデンサを安定して生産できる。
本発明の実施例1における電解コンデンサの一部切欠き斜視図 本発明の実施例1における電極箔の断面図 本発明の実施例1における蒸着装置の模式図 (A)、(B)本発明の実施例2における電極箔の断面図 本発明の実施例2における電極箔を500倍にしたSEM写真 本発明の実施例3における電極箔の断面図 (A)、(B)本発明の実施例3における別の例における電極箔の断面図 従来の電極箔の断面図
(実施例1)
以下、本実施例における電極箔と、この電極箔を用いた電解コンデンサについて以下に説明する。
図1は本実施例の巻回型電解コンデンサ5である。この電解コンデンサ5は、セパレータ6を介して巻回された正負一対の電極箔7、8を有するコンデンサ素子9と、このコンデンサ素子9に含浸させた陰極材料としての電解液と、を備えている。正負の電極箔7、8は、それぞれの電極を引き出す外部端子10、11と接続される。またコンデンサ素子9と電解液はケース12に収容され、このケース12は外部端子10、11の一部が露出するように封止部材13で封止される。
また図2に示すように、本実施例の正極側の電極箔7は、基材14と、基材14の上面に形成され、内部に空隙を有する第一粗膜層15と、基材14の下面に形成され、内部に空隙を有する第二粗膜層16と、を備えている。基材14および第一粗膜層15、第二粗膜層16の表面には、誘電膜(図示せず)が形成されている。
第一粗膜層15、第二粗膜層16は、基材14上に複数の金属微粒子17が積み重なり、基材14から所定方向に湾曲して伸びるように形成された柱状体18が複数並んで構成されている。金属微粒子17は図2に示すように複数に枝分かれしながら連なってもよく、全体として柱状体18が湾曲していればよい。第一粗膜層15、第二粗膜層16は、全体が一体となった多孔質層ではなく、基材14から複数の房状の柱状体18が生えている状態である。第一粗膜層15の柱状体18は、それぞれ平行に湾曲している。また第二粗膜層16の柱状体18も、それぞれ平行に湾曲している。
そして第一粗膜層15の柱状体18の湾曲方向は、第二粗膜層16の柱状体18の湾曲方向と逆である。すなわち図2に示すように、第一粗膜層15の柱状体18は、その中間部分が基材14に対し平行に、右方向に突出するように湾曲している。また第二粗膜層16の柱状体18は、その中間部分が基材14に対し平行に、左方向に突出するように湾曲している。このように第一粗膜層15と第二粗膜層16の柱状体18の突出方向は、ベクトルが180度逆向きになる。
そして本実施例では、金属微粒子17の平均粒子径は、0.01μm以上0.20μm以下である。この平均粒子径は、例えば第一粗膜層15、第二粗膜層16の水平断面、あるいは垂直断面を移したSEM写真によって測定できる。
また第一粗膜層15、第二粗膜層16は多数の空孔を備え、この空孔径の最頻値は、金属微粒子17の平均粒子径とほぼ同様で、0.01μm以上0.20μm以下である。空孔径は、水銀圧入法によって計測することができ、これによって得た空孔径の分布のピーク値を空孔径の最頻値とした。この空孔によって、第一粗膜層15、第二粗膜層16の空隙率は50〜80%程度となる。
また本実施例では、基材14の厚みが20〜30μm、第一粗膜層15、第二粗膜層16の厚みが20〜80μmである。20μmよりも薄いと表面積を拡大しにくく、80μmよりも厚いと現状の蒸着技術では機械的強度が低下する。
基材14は、本実施例ではアルミニウム箔を用いたが、アルミニウム以外にも、アルミニウム合金やチタン、ニオブ、タンタルなど、種々の弁金属を初めとする金属材料やその合金材料など、種々の導電性材料を用いることができる。
金属微粒子17は、本実施例では基材14と同様にアルミニウムを用いたが、その他の弁金属材料や合金材料等を用いることができる。
金属微粒子17と基材14とは異なる材料であってもよいが、本実施例のように、同じ材料で形成するほうが好ましい。蒸着工程における金属微粒子17の潜熱で基材14が適度に軟化するため、基材14の形状を維持しつつ、基材14と金属微粒子17との密着性を高めることができるからである。また本実施例では、金属微粒子17及び基材14のいずれもアルミニウムからなり、比較的融点が低いため、生産性を高めることができる。
なお、金属微粒子17の一部は酸化物あるいは窒化物で構成されていてもよい。すなわち、粗膜層が全体として導電性を有していればよいため、一部の金属微粒子17が酸化物や窒化物からなるものであってもよい。
図3は本実施例で用いた第一粗膜層15、第二粗膜層16を形成するための蒸着装置19の模式図である。本実施例では、抵抗加熱式の蒸着装置19を用いた。
この蒸着装置19は、真空ポンプと連結された真空槽内に基材14を供給する巻き出しローラー20と、この巻き出しローラー20から移送された基材14を巻き取る巻き取りローラー21と、巻き出しローラー20と巻き取りローラー21との間で、基材14と対向する位置に設けられた蒸着用ボート22と、この蒸着用ボート22に蒸着材料を供給する供給部23とを備えている。
蒸着条件は、初期の真空度が0.01〜0.001Paであり、その後蒸着層内にアルゴンガスと酸素ガスとをAr:O2=1:2〜6の割合で流入し、基材14周辺の圧力を10〜30Paの状態にする。また基材14の温度を150〜300℃の範囲に保つ。
基材14は巻き出しローラー20から巻き取りローラー21へと、水平に、所定方向(矢印P方向)に移送される。そして蒸着用ボート22はその両端が図示しない電源に繋がれ、抵抗加熱によって発熱する。発熱した蒸着用ボート22からは、金属微粒子17が蒸発し、移送中の基材14の表面に積み重なっていく。
この時、本実施例では、基材14をゆっくりと矢印P方向(水平方向)に移送させながら蒸着するため、蒸着用ボート22から基材14へと斜め方向Q1、垂直方向Q2、斜め方向Q3に蒸発した金属微粒子17が、粒子の原形を維持しながら、順に積層していく。したがって、柱状体18は湾曲構造となるのである。
このように第一粗膜層15を形成した後、同様に第二粗膜層16を形成する。この時、例えば第二粗膜層16を形成する面を蒸着ボート側に向け、基材14の送り方向を、第一粗膜層15を形成する際と逆方向にすれば、第二粗膜層16の柱状体18の湾曲方向を、第一粗膜層15の柱状体18の湾曲方向と逆向きにできる。
本実施例では、上記のように第一粗膜層15、第二粗膜層16を蒸着により形成した後、化成電圧5V、保持時間20分、7%アジピン酸アンモニウム水溶液、70℃、0.05A/cm2で陽極化成を行い、基材14および第一粗膜層15、第二粗膜層16の表面に酸化アルミニウムからなる誘電膜を形成した。
なお、誘電膜は陽極化成以外にも、蒸着やスパッタなどを用いて形成してもよい。そして誘電膜の組成は、ジルコニウム、シリコン、タンタル、ニオブなどの金属の酸化物や、窒化物などの化合物で形成することもできる。
このように電極箔7を形成後、インピーダンスアナライザーを用い、8%ホウ酸アンモニウム水溶液、30℃、測定面積10cm2、測定周波数120Hzの条件下で静電容量を測定した。誘電膜の膜厚は、0.01μm程度である。
本実施例では、電極箔7の単位体積あたりの静電容量は35〜50μF/cm2/μmとなった。また第一粗膜層15、第二粗膜層16の単位体積あたりの表面積は、5.0×104cm2/cm3〜12.0×104cm2/cm3であった。なお、この静電容量および表面積の値は、電極箔7を上記条件で化成して誘電膜を形成した後の値である。
一方で、図8に示す従来の電極箔の場合は、単位体積あたりの静電容量は25〜30μF/cm2/μm程度であった。この粗膜層2の単位体積あたりの表面積は、4.0×104cm2/cm3程度であった。
以下、本実施例の効果を説明する。
本実施例では、電極箔7の表面積を大きくし、電解コンデンサ5を大容量化することができる。
その理由は、金属微粒子17を湾曲するように積み重ねることによって、第一粗膜層15、第二粗膜層16の厚みが薄くても金属微粒子17の重畳数を増やせるからである。これにより本発明は、第一粗膜層15、第二粗膜層16の総表面積を拡大し、結果として電極箔7をさらに大容量化できる。
また本実施例では、第一粗膜層15と第二粗膜層16の湾曲方向を逆向きにしたことにより、いずれか一方の粗膜層は、柱状体18が巻回方向に沿い、また他方の粗膜層は、柱状体18が巻回方向に反ることとなる。
ここで柱状体18が湾曲している方向に沿うように電極箔7を巻回する場合は、巻回時に応力付加がかかりにくいが、柱状体18の湾曲方向と反るように電極箔7を巻回すると、巻回時に応力がかかり、クラックが入りやすくなる。したがって第一粗膜層15、第二粗膜層16の柱状体18が同じ方向に湾曲している場合、第一粗膜層15、第二粗膜層16のいずれを上面にするかでクラックの入り易さが大きく異なり、容量や耐圧特性が変動する。
これに対し本実施例では、第一粗膜層15、第二粗膜層16のいずれを表にして巻回しても、電極箔7自体のクラックの入る率が平均化される。したがって、一定の性能の電解コンデンサ5を安定して生産できる。
なお、本実施例の柱状体18は、電極箔7内においてほぼ均一な曲率に形成したが、電極箔7内で段階的に曲率を変えてもよい。例えば、電極箔7を巻き回す際の中心部分(巻芯部分直径0.5mm〜3mm程度)に形成された柱状体18の曲率を大きくし、最外層に向けて除除に曲率を小さくしてもよい。これは、巻き回した電極箔7の曲率が、巻芯から最外層に向けて小さくなるのに合わせるためである。これにより柱状体18はさらに電極箔7の巻回構造に沿い易くなり、電極箔7のクラック発生を効率よく抑制できる。
(実施例2)
本実施例では、図4(A)(B)に示すように、第一粗膜層15、第二粗膜層16は、それぞれ二層の粗膜層15A、15B(または粗膜層16A、16B)が積層した積層体からなる点である。第一粗膜層15、第二粗膜層16は、図4(A)に示すようにいずれも基材14側から一層目と二層目の柱状体18がそれぞれ同じ方向に湾曲していてもよく、図4(B)に示すように一層目と二層目の柱状体18が逆方向に湾曲していてもよい。いずれの場合も、第一粗膜層15の一層目に対応する第二粗膜層16の一層目は、第一粗膜層15の一層目の柱状体18と逆方向に湾曲している。さらに第一粗膜層15の二層目に対応する第二粗膜層16の二層目は、第一粗膜層15の二層目の柱状体18と逆方向に湾曲している。
以上のように本実施例では二層構造の例を挙げたが、三層構造以上の場合も同様に、第一粗膜層15を構成する各粗膜層の柱状体18は、対応する同層目の第二粗膜層16の各粗膜層の柱状体18と逆方向に湾曲させる。
なお、図5は図4(A)に示す電極箔7の第一粗膜層15側を写したSEM写真である。
上記のような第一粗膜層15、第二粗膜層16は、実施例1および図3に示す蒸着工程を1サイクルとした時、積層する粗膜層の層数に応じたサイクルで蒸着することにより形成できる。
本実施例でも、実施例1と同様に、金属微粒子17を湾曲するように積み重ねることによって金属微粒子17の重畳数を増やすことができ、電解コンデンサ5を大容量化できる。また第一粗膜層15、第二粗膜層16のいずれを表にして見解しても、電極箔7自体のクラックの入る率が平均化され、一定の性能の電解コンデンサ5を安定して生産できる。
さらに本実施例では、第一粗膜層15、第二粗膜層16を複数の粗膜層15A、15B(または16A、16B)からなる積層体とすることによって、一層で構成する場合よりも湾曲する回数が多くなり、積み重なる金属微粒子17の数を更に増大させ、第一粗膜層15、第二粗膜層16の表面積を拡大できる。
また第一粗膜層15、第二粗膜層16の厚みが同じ条件下では、第一粗膜層15を一層で構成しようとすると、柱状体18を極端に屈曲させカーブを急角度にしなければ、金属微粒子17の重畳数を大幅に増やすことはできない。しかし複数層の第一粗膜層15、第二粗膜層16で構成する場合、緩やかに屈曲させた柱状体18を積み重ねればよいため、第一粗膜層15、第二粗膜層16全体の機械的強度を高めることができる。
本実施例においても、実施例1と同様に、巻芯から最外層に向けて柱状体18の曲率を除除に小さくしてもよい。その他実施例1と同様の構成および効果については説明を省略する。
(実施例3)
本実施例と実施例1との違いは、図6に示すように第一粗膜層15、第二粗膜層16の柱状体18は直線的であり、第一粗膜層15の柱状体18は図6の斜め右方向に傾いているのに対し、第二粗膜層16の柱状体18は、第一粗膜層15の柱状体18と逆向きに、斜め左方向に傾いている。
本実施例の柱状体18は湾曲していないが、実施例1と同様に第一粗膜層15の各柱状体18は、それぞれ平行である。また第二粗膜層16の各柱状体18もそれぞれ平行である。
このように柱状体18が斜めであっても、直線的に柱状体18を形成したり、あるいはランダムな方向に形成したりする場合と比較して金属微粒子17の重畳数を増やすことができ、大容量化を実現できる。また第一粗膜層15および第二粗膜層16の柱状体18の傾斜方向を逆向きにすることにより、どちらの粗膜層を表にして巻回しても電極箔7自体のクラックの入る率が平均化され、安定して生産できる。
また本実施例においても図7(A)(B)に示すように、第一粗膜層15、第二粗膜層16を、複数の粗膜層15A、15B(または16A、16B)が積層した積層体で構成してもよい。いずれの場合も、第一粗膜層15を構成する各粗膜層の柱状体18は、対応する同層目の第二粗膜層16の各粗膜層の柱状体18と逆方向に傾いている。図7(A)に示すように、一層目と二層目の傾斜方向を同じにすれば直線的になり、図7(B)に示すように、一層目と二層目の傾斜方向を逆向きにすれば、全体として湾曲あるいは屈曲構造になる。
このように第一粗膜層15、第二粗膜層16が複数の粗膜層15A、15B(または16A、16B)の積層体からなる場合も、実施例1と同様に金属微粒子17の重畳数を増やすことができ、電解コンデンサ5を大容量化できる。またどちらの粗膜層を表にして見解しても、電極箔7自体のクラックの入る率が平均化され、一定の性能の電解コンデンサ5を安定して生産できる。
さらに図7(B)に示す構成は、屈曲あるいは湾曲構造となり、積み重なる金属微粒子17の数を更に増大させ、第一粗膜層15、第二粗膜層16の表面積を拡大できる。
その他実施例1と同様の構成および効果については説明を省略する。
なお、上記実施例1〜3では巻回型の電解コンデンサ5を例に挙げたが、例えば正負一対の電極箔7、8を、セパレータ6を介して九十九折に折り曲げ、外装体で被覆した積層型の電解コンデンサにおいても効果は同様である。すなわち大容量化を実現できるとともに、電極箔7のいずれの面を表にしても、折り曲げ時にクラックの入る率が平均化され、一定の条件で修復化成をすることができる。
また上記実施例1〜3では、正極側の電極箔7について述べたが、負極側の電極箔8についても適用できる。また正負双方の電極箔7、8にも適用できる。これは九十九折の積層型電解コンデンサにおいても同様である。
また上記実施例1〜3では、陰極材料として電解液を用いたが、導電性高分子からなる固体電解質を用いてもよく、また電解液と固体電解質とを併用してもよい。これについても、九十九折の積層型電解コンデンサにおいて同様である。
本発明は、小型大容量で安定した生産性を有する電解コンデンサに有用である。
5 電解コンデンサ
6 セパレータ
7 電極箔
8 電極箔
9 コンデンサ素子
10 外部端子
11 外部端子
12 ケース
13 封止部材
14 基材
15 第一粗膜層
15A、15B 粗膜層
16 第二粗膜層
16A、16B 粗膜層
17 金属微粒子
18 柱状体
19 蒸着装置
20 巻き出しローラー
21 巻き取りローラー
22 蒸着用ボート
23 供給部

Claims (7)

  1. 基材と、基材の上面に形成され、内部に空隙を有する第一粗膜層と、基材の下面に形成され、内部に空隙を有する第二粗膜層と、を備え、
    これらの第一、第二粗膜層は、前記基材上に複数の金属微粒子が積み重なり、前記基材から所定方向に湾曲して伸びるように形成された柱状体が複数並んで構成され、
    前記第一粗膜層の前記柱状体の湾曲方向は、前記第二粗膜層の前記柱状体の湾曲方向と逆である電極箔。
  2. 前記第一、第二粗膜層は、複数の粗膜層が積層した積層体からなり、
    前記第一粗膜層を構成する各粗膜層の前記柱状体は、対応する前記第二粗膜層の各粗膜層の前記柱状体と逆方向に湾曲している、請求項1に記載の電極箔。
  3. 基材と、基材の上面に形成され、内部に空隙を有する第一粗膜層と、基材の下面に形成され、内部に空隙を有する第二粗膜層と、を備え、
    これらの第一、第二粗膜層は、前記基材上に複数の金属微粒子が積み重なり、前記基材から所定の斜め方向に伸びるように形成された柱状体が複数並んで構成され、
    前記第一粗膜層の前記柱状体は、前記第二粗膜層の前記柱状体と逆向きに傾いている電極箔。
  4. 前記第一、第二粗膜層は、複数の粗膜層が積層した積層体からなり、
    前記第一粗膜層を構成する各粗膜層の前記柱状体は、対応する前記第二粗膜層の各粗膜層の前記柱状体と逆方向に傾いている、請求項3に記載の電極箔。
  5. 前記粗膜層の単位体積あたりの表面積は、5.0×104cm2/cm3以上である、請求項1〜4のいずれか一つに記載の電極箔。
  6. セパレータを介して巻回され、また折り曲げられた正負一対の電極箔を有するコンデンサ素子と、このコンデンサ素子に含浸させた陰極材料と、を備え、
    前記正負の電極箔の少なくともいずれか一方は、請求項1、2または5のいずれか一つに記載の電極箔とした、電解コンデンサ。
  7. セパレータを介して巻回され、または折り曲げられた正負一対の電極箔を有するコンデンサ素子と、このコンデンサ素子に含浸させた陰極材料と、を備え、
    前記正負の電極箔の少なくともいずれか一方は、請求項3、4または5のいずれか一つに記載の電極箔とした、電解コンデンサ。
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