JP5657373B2 - ハードディスクドライブ用粘着ラベルおよびハードディスクドライブ用粘着ラベルの製造方法 - Google Patents

ハードディスクドライブ用粘着ラベルおよびハードディスクドライブ用粘着ラベルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハードディスクドライブ用粘着ラベルおよびその製造方法に関する。
近年、ハードディスクドライブは、パーソナルコンピューターをはじめとする民生用製品への需要が大きく伸びている。これにともない、ハードディスクドライブの駆動時における静寂性がハードディスクドライブの重要な特性とされてきている。
これに対し、例えば特許文献1には、ハードディスクドライブの筐体表面に貼り付けることによりハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減するための粘着ラベルが開示されている。この粘着ラベルは、金属シートからなる基材層と、基材層の片面に形成された粘着剤層と、基材層の他面に形成された情報表示層とから構成され、粘着剤層を介してハードディスクドライブの筐体外面に貼付される。貼付された粘着ラベルは、ハードディスクドライブの内部で発生した音声振動を粘着剤層の粘弾性や基材層の剛直性等を利用して減衰させて、これによりハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減している。また、粘着ラベルの情報表示層には、ハードディスクドライブの製品情報等を印字することが可能である。
特開2007−332293号公報
上述したハードディスクドライブに貼付される粘着ラベルにおいて、基材層の片面に形成された粘着剤層は吸水性が比較的高い。そのため、粘着剤層に吸収された水分と基材層とが接触することで基材層を構成する金属シートの酸化が促進され、その結果、金属シートが錆びる(腐食する)可能性があった。近年、ハードディスクドライブの使用環境が多様化してきており、それにともなってハードディスクドライブ用の粘着ラベルにも金属シートの酸化がより促進されやすい環境下での使用に耐え得ることが求められている。これに対し、従来のハードディスクドライブ用の粘着ラベルには、当該粘着ラベルの耐久性を高めたいという要求を満たす上で改善の余地があった。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減するためのハードディスクドライブ用粘着ラベルの耐久性を向上させることができる技術を提供することにある。
本発明のある態様は、ハードディスクドライブ用粘着ラベルである。当該ハードディスクドライブ用粘着ラベルは、情報表示機能を有し、ハードディスクドライブの筐体外面に貼付されることでハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減することが可能なハードディスクドライブ用粘着ラベルであって、金属箔で構成された基材層と、基材層の少なくとも一方の主表面を覆う防錆層と、基材層と防錆層とからなる積層体の一方の主表面上に設けられた、表面に印字可能な情報表示用層と、積層体の他方の主表面上に設けられた粘着剤層と、を備えたことを特徴とする。
この態様のハードディスクドライブ用粘着ラベルによれば、ハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減するためのハードディスクドライブ用粘着ラベルの耐久性を向上させることができる。
上記態様のハードディスクドライブ用粘着ラベルにおいて、防錆層は、金属箔よりも錆びにくい材料からなってもよい。また、防錆層は、金属箔の表面上に設けられためっき層または化成処理層であってもよい。また、金属箔は、鉄箔であり、防錆層は、亜鉛、スズ、ニッケル、クロムを含む群から選択される金属からなってもよい。
また、上記態様のハードディスクドライブ用粘着ラベルは、防錆層の、基材層と反対側の主表面上に設けられたクロメート皮膜をさらに備えてもよい。また、防錆層は、少なくとも基材層と粘着剤層との間に設けられ、ハードディスクドライブ用粘着ラベルが、防錆層と粘着剤層との間に設けられ、両者の接着性を向上させるためのコート層をさらに備えてもよい。また、粘着剤層は、アクリル系ポリマーを含有してもよい。
本発明の他の態様は、ハードディスクドライブ用粘着ラベルの製造方法である。当該ハードディスクドライブ用粘着ラベルの製造方法は、情報表示機能を有し、ハードディスクドライブの筐体外面に貼付されることでハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減することが可能なハードディスクドライブ用粘着ラベルの製造方法であって、金属箔で構成された基材層にめっき処理を施して、基材層とめっき層とからなる積層体を形成する工程と、積層体の一方の主表面上に、表面に印字可能な情報表示用層を形成する工程と、積層体の他方の主表面上に粘着剤層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、ハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減するためのハードディスクドライブ用粘着ラベルの耐久性を向上させることができる。
実施形態に係るハードディスクドライブ用粘着ラベルの構成を示す概略断面図である。 実施形態に係るハードディスクドライブ用粘着ラベルが貼付されたハードディスクドライブの概略斜視図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、実施形態に係るハードディスクドライブ用粘着ラベルの構成を示す概略断面図である。図2は、実施形態に係るハードディスクドライブ用粘着ラベルが貼付されたハードディスクドライブの概略斜視図である。
図1に示すように、実施形態に係るハードディスクドライブ用粘着ラベル1は、基材層12と基材層12の主表面を覆う防錆層14a,14bとからなる積層体10と、積層体10の一方の主表面上に設けられた情報表示用層20と、積層体10の他方の主表面上に設けられた粘着剤層30とを備える。以下にHDD用粘着ラベル1を構成する各層について詳細に説明する。なお、以下では「ハードディスクドライブ用粘着ラベル」を適宜「HDD用粘着ラベル」と称する。
[基材層]
基材層12は、金属箔で構成された層である。基材層12を構成する金属箔としては、ハードディスクドライブ駆動時の発生音の低減効果を示すものである限り特に限定されないが、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などからなる金属箔を使用できる。これらのなかでも、経済性の点からは鉄箔が好ましい。基材層12の厚さは、例えば10μm〜150μmである。基材層12の厚さを10μm以上とすることで、基材層12に求められる剛性をより確実に保つことができる。また、基材層12の厚さを150μm以下とすることで、HDD用粘着ラベル1を貼付したハードディスクドライブの設置に必要な空間が大きくなることを軽減することができる。
[防錆層]
防錆層14a,14bは、基材層12を構成する金属箔が錆びることを防ぐための層である。なお、ここでの「錆びる」には、鉄以外の金属が酸化して腐食生成物が発生することが含まれる。基材層12と情報表示用層20との間に防錆層14aが設けられ、基材層12と粘着剤層30との間に防錆層14bが設けられている。防錆層14a,14bは、金属箔の錆び防止効果を示すものである限り特に限定されないが、例えば、金属箔の表面上に設けられためっき層または化成処理層である。めっき層としては、例えば金属箔の表面に亜鉛、スズ、ニッケル、あるいはクロム等を用いためっき処理が施されることで形成された亜鉛めっき層、スズめっき層、ニッケルめっき層、あるいはクロムめっき層等を挙げることができる。化成処理層は、金属箔の表面への化成処理によって形成された層であり、このような化成処理層としては、例えば金属箔の表面の不動態化によって形成された不動態層や、金属箔の表面へのクロメート処理によって形成されたクロメート皮膜からなる層、あるいは金属箔の表面へのリン酸処理、クロム酸処理、ジルコニウム処理等によって形成された皮膜からなる層等を挙げることができる。不動態層としては、例えば金属箔の表面の酸化によって形成された金属酸化皮膜からなる層等を挙げることができる。また、防錆層14a,14bは、金属箔に対する防錆作用を発揮できる樹脂層であってもよい。このような樹脂層としては、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等からなる樹脂層等を挙げることができる。また、防錆層14a,14bは、金属箔の表面硬化処理、金属箔の表面への防錆層形成材料の溶射、スパッタリング、蒸着、ホットスタンプ、コーティング等の方法により形成された層であってもよい。
防錆層14aは、情報表示用層20と積層体10とを接着するための接着剤(図示せず)が基材層12に接触することを妨げて、吸水性の高い当該接着剤に含まれる水分によって基材層12を構成する金属箔が酸化することを抑制する。また、防錆層14bは、粘着剤層30が基材層12に接触することを妨げて、吸水性の高い粘着剤層30に含まれる水分によって金属箔が酸化することを抑制する。これにより、金属箔の錆の進行を遅らせることができるため、HDD用粘着ラベル1の耐久性を向上させることができる。また、基材層12が錆びて変色すると、情報表示用層20を通して視認される基材層12の変色部分によって情報表示用層20に印字された情報が読みにくくなり、HDD用粘着ラベル1の持つ情報表示機能が損なわれるおそれがある。これに対し、実施形態のHDD用粘着ラベル1では、防錆層14a,14bが基材層12の錆の進行を妨げるため、HDD用粘着ラベル1の情報表示機能が低下することを軽減することができる。
防錆層14a,14bは、基材層12を構成する金属箔よりも錆びにくい材料からなることが好ましい。基材層12の錆を防ぐ防錆層14a,14b自体が錆びにくいことで、防錆層14a,14bの錆によりHDD用粘着ラベル1の耐久性が低下することを抑制することができる。また、この場合は、防錆層14a,14b自体の錆による変色が視認されなくなるため、HDD用粘着ラベル1の情報表示機能の低下をより一層軽減することができる。前記「金属箔よりも錆びにくい材料」とは、基材層12の金属箔を構成する金属よりも酸化しにくい金属、酸化によって金属箔に形成される酸化皮膜よりも緻密な酸化皮膜を形成して自身の腐食を防ぐことができる金属、上述した不動態層を構成する金属酸化物、および樹脂などのそもそも錆びない素材等である。
例えば、基材層12を構成する金属箔は、鉄箔であり、防錆層14a,14bは、亜鉛、スズ、ニッケル、クロムを含む群から選択される金属からなる。スズ、ニッケルは、金属箔を構成する鉄に比べて酸化しにくい金属である。亜鉛、クロムは、表面に緻密な酸化皮膜を形成するため鉄に比べて錆びにくい、あるいは腐食しにくい金属である。
防錆層14a,14bの厚さは、特に制限されないが、例えば0.001μm〜3μmである。防錆層14a,14bの厚さを0.001μm以上とすることで、防錆層14a,14bの持つ耐久性向上機能等をより確実に発揮させることができる。また、防錆層14a,14bの厚さを3μm以下とすることで、HDD用粘着ラベル1を貼付したハードディスクドライブの設置に必要な空間が大きくなることを軽減することができる。
なお、図1に示すHDD用粘着ラベル1では、基材層12の両側の主表面が防錆層14a,14bによって覆われているが、基材層12の少なくとも一方の主表面が防錆層で覆われていれば、上述した耐久性向上効果および情報表示機能低下防止効果を発揮することができる。また、基材層12の各主表面の少なくとも一部が防錆層で覆われていれば、防錆層で全く覆われていない場合に比べて、耐久性を向上させることができ、情報表示機能の低下を防ぐことができる。
[情報表示用層]
情報表示用層20は、表面に印字可能な層である。情報表示用層20には、例えばHDD用粘着ラベル1の貼付対象であるハードディスクドライブについての「使用上の注意事項」や「接続方法」、「製品名・製造者名等の認識・識別事項」等の各種情報が印字される。情報表示用層20への情報の印字方法は、インクジェット印刷法や熱転写法等の通常の印刷方法を採用することができる。情報表示用層20を構成する材料としては、表面に印字可能であり、HDD用粘着ラベル1の情報表示機能を発揮できるものである限り特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等からなる樹脂フィルムを使用できる。これらのなかでも、経済性、耐久性の点からはポリエチレンテレフタレートが好ましく、特に白色ポリエチレンテレフタレートフィルム層が好ましい。情報表示用層20の厚さは、特に限定されないが、例えば5〜30μm程度である。
[粘着剤層]
粘着剤層30は、HDD用粘着ラベル1をハードディスクドライブの筐体外面に付着させるための層であり、粘着剤により構成されている。粘着剤層30を構成する粘着剤としては、合成ゴム系粘着剤や天然ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤などの公知の粘着剤の1種以上を適宜選択して使用することができる。
粘着剤層30を構成する粘着剤は、耐久性の面からアクリル系ポリマーを含有していること、すなわち、アクリル系粘着剤であることが好ましい。より具体的には、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、適宜「(メタ)アクリル酸C4−14アルキルエステル」と称する)を主成分とするポリマー(ベースポリマー)から構成される粘着剤が望ましい。(メタ)アクリル酸C4−14アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸イソミリスチルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸C4−14アルキルエステルは単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
アクリル系粘着剤としては、後述する粘着剤層30の制振性能に大きく寄与する粘着剤のガラス転移温度および粘着特性を優れたレベルで両立させる観点から、炭素数7〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(以下、適宜「(メタ)アクリル酸C7−10アルキルエステル」と称する)と、アクリル酸とを共重合成分とするポリマーから構成されるアクリル系粘着剤を好適に用いることができる。一方、ハードディスクドライブの筺体からの剥離性を向上させる観点から、粘着力の経時上昇性を抑えるためにアクリル酸は少ない方が好ましい。したがって、このような観点から、アクリル系粘着剤のなかでも、モノマー成分としての(メタ)アクリル酸の割合がモノマー成分全量に対して10質量%以下、例えば、0.5〜10質量%、好ましくは7質量%以下、例えば、1〜7質量%であるアクリル系粘着剤が望ましい。具体的には、アクリル系粘着剤としては、モノマー成分全量に対して、例えば、0.5〜10質量%、好ましくは1〜7質量%の(メタ)アクリル酸と、例えば、99.5〜90質量%、好ましくは99〜93質量%の(メタ)アクリル酸エステルとをモノマー成分とする共重合体を含むアクリル系粘着剤を好適に用いることができる。
粘着剤層30の制振性能は粘着剤のガラス転移温度に大きく影響され、その特性をHDD用粘着ラベル1の使用温度にて有効に発揮するためには、粘着剤の損失係数が20℃において0.5以上5.0以下(0.5〜5.0)、好ましくは0.7以上5.0以下(0.7〜5.0)であることが望ましい。なお、HDD用粘着ラベル1の使用温度は、ハードディスクドライブの使用温度であり、通常、室温以上である。また、粘着剤の損失係数のピーク温度としては、−10℃以上50℃以下であることが好ましい。粘着剤の損失係数および/または損失係数のピーク温度を上述した範囲とすることにより、粘着剤層30の制振性能と粘着特性とを優れたレベルで両立することができる。
粘着剤層30の厚さは特に限定されないが、ハードディスクドライブ駆動時の発生音の低減効果の点からは、10μm以上であることが好ましく、15〜100μmであることがより好ましい。また、シール性や粘着特性の点からは、粘着剤層30の厚さは、15μm以上であることが好ましく、50〜350μm程度であることがより好ましい。したがって、粘着剤層30の厚さは、例えば15〜100μmの範囲から選択することが好ましい。
[剥離ライナー]
粘着剤層30の積層体10と反対側の主表面には、粘着剤層30を保護するための剥離ライナー40が被覆されている。剥離ライナー40としては、慣用の剥離紙などを使用できる。例えば、剥離ライナー40としては、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体(ブロック共重合体またはランダム共重合体)の他、これらの混合物からなるポリオレフィン系樹脂で形成されたポリオレフィン系フィルム;テフロン(登録商標)製フィルムなどの、それ自体が剥離性の高いプラスチックフィルムで構成された剥離ライナーや、各種支持体の片面に、前記剥離性の高いプラスチックフィルムの素材を用いて剥離層が形成された剥離ライナーなどが挙げられる。前記各種支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムや金属蒸着プラスチックフィルム;和紙、洋紙、グラシン紙などの紙類;不織布、布などの繊維質材料で形成された基材;金属箔などが挙げられる。また、各種支持体の片面に形成される剥離層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン系樹脂によるポリオレフィン系フィルム;テフロン(登録商標)製フィルムなどを、各種支持体上にラミネートまたはコーティングすることで形成することができる。
また、剥離ライナー40としては、剥離処理剤からなる剥離処理剤層が剥離ライナー用基材の表面に形成された剥離ライナーを用いることもできる。剥離処理剤としては、特に制限されないが、例えば、長鎖アルキル基含有ポリマー、シリコーンポリマー(シリコーン系剥離剤)、フッ素系ポリマー(フッ素系剥離剤)などの剥離剤が挙げられる。また、剥離ライナー用基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムや金属蒸着プラスチックフィルム;和紙、洋紙、グラシン紙などの紙類;不織布、布などの繊維質材料で形成された基材;金属箔などが挙げられる。
剥離ライナー40としては、打ち抜き加工性や、粘着ラベル加工時の張力に対する変形の少なさなどの点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムを支持体とし、この支持体の片面に剥離層を形成した剥離ライナーが好ましい。剥離ライナーの厚さ(全体厚)は、特に限定されないが、通常30〜200μm程度である。剥離ライナー40としては、ハードディスクドライブのような精密電子機器におけるシリコーン成分に起因した接点障害等の不具合を防止するために、粘着剤層表面に転写(移行)するシリコーン成分量の少ない剥離ライナー、さらには、剥離剤としてシリコーン系剥離剤が使用されていない剥離ライナーを好適に用いることができる。
HDD用粘着ラベル1は、例えば次のようにして製造される。以下に説明するHDD用粘着ラベル1の製造方法は、防錆層14a,14bがめっき層である場合の例である。まず、金属箔で構成された基材層12に溶融めっき法、電解めっき法などによりめっき処理が施されて、基材層12と防錆層14a,14bとしてのめっき層とからなる積層体10が形成される。続いて、積層体10の一方の主表面上に、例えばドライラミ方式等の公知の積層方法により、表面に印字可能な情報表示用層20が形成される。また、情報表示用層20の形成の前または後、あるいは情報表示用層20の形成と同時に、積層体10の他方の主表面上に粘着剤層30が形成される。粘着剤層30の形成方法としては、積層体10の他方の主表面上に公知の塗布方法により粘着剤を塗布する方法や、剥離紙などの適当なセパレータ上に粘着剤を塗布して粘着剤層30を形成し、これを、積層体10の他方の主表面上に転写(移着)する方法などを用いることができる。
なお、防錆層14a,14bが化成処理層である場合は、基材層12に公知の酸化処理やクロメート処理などを施すことで防錆層14a,14bを形成することができる。また、防錆層14a,14bが樹脂層である場合は、例えばコーティングにより基材層12に防錆層14a,14bを形成することができる。
HDD用粘着ラベル1は、使用時に粘着剤層30から剥離ライナー40が剥離される。そして、HDD用粘着ラベル1は、情報表示用層20が外側を向き、粘着剤層30がハードディスクドライブHDDの筐体側を向くように配置されて、粘着剤層30が筐体表面に接着することでHDD用粘着ラベル1の筐体に貼付される。
たとえば、図2に示すように、ハードディスクドライブHDDの筐体は、記録ディスク、磁気ヘッド、スピンドルモータ等(全て図示せず)が収容されているハウジング本体Aと、トップカバーBとによって構成されており、HDD用粘着ラベル1は、トップカバーBの外面に貼付される。HDD用粘着ラベル1がトップカバーBに貼付された状態において、ハードディスクドライブHDDの駆動にともなって生じる筐体の振動は、粘着剤層30に伝達される。粘着剤層30は基材層12によって拘束(裏打ち)されているため、粘着剤層30に伝達されたハードディスクドライブHDDの筐体外面の振動による運動エネルギーは、粘着剤層30によって熱エネルギーに変換される。このように、ハードディスクドライブHDDの筐体の振動が粘着剤層30に吸収された結果、ハードディスクドライブHDDの駆動時における発生音が低減される。
HDD用粘着ラベル1は、ハウジング本体AやトップカバーB等のハードディスクドライブHDDの筐体の外面に粘着剤層30を介して貼付されることで、主に粘着剤層30の持つこの制振性能によって、ハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減することができる。また、HDD用粘着ラベル1は、情報表示用層20が外側に向けられているため、情報表示用層20に情報が印字された場合に情報表示機能を発揮することができる。なお、前記「ハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減することが可能」とは、実施形態のHDD用粘着ラベル1をハードディスクドライブHDDに貼付することにより、貼付前に比較して駆動時の発生音を1dB以上低下(低減)できることをいう。
ハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減するためには、ハードディスクドライブHDDの筐体外面に対するHDD用粘着ラベル1の貼付面積を大きくすればよい。例えば、HDD用粘着ラベル1は、ハードディスクドライブHDDのトップカバー外面に対し、トップカバーBの全面積の20%以上、好ましくは25〜100%となるように貼付されることが好ましい。
HDD用粘着ラベル1は、防錆層14a,14bの、基材層12と反対側の主表面上に設けられたクロメート皮膜をさらに備えてもよい。防錆層14a,14bの主表面にクロメート皮膜を形成することで、防錆層14a,14bの耐食性を高めることができ、その結果、HDD用粘着ラベル1の耐久性をさらに向上させることができ、また情報表示機能の低下をより確実に防ぐことができる。クロメート皮膜の厚さは、特に制限されないが、例えば0.005μm程度である。クロメート皮膜の厚さは、薄すぎると防錆層14bの耐食性を向上させる効果が低下し、厚すぎるとHDD用粘着ラベル1の厚膜化につながる。
また、HDD用粘着ラベル1は、防錆層14bと粘着剤層30との間に設けられ、両者の接着性を向上させるためのコート層をさらに備えてもよい。このコート層は、自身を介して防錆層14bに対する粘着剤層30の投錨性を高めるための層である。コート層を設けることで、粘着剤層30の粘着力を高めることなく防錆層14bと粘着剤層30との接着性を高めることができる。また、これにより、ハードディスクドライブの筐体外面に貼付されたHDD用粘着ラベル1を剥離する際に、ハードディスクドライブ側に粘着成分が残存すること、いわゆる糊残りを抑制することができる。
コート層を構成するコート層剤としては、例えば、アクリル系コート層剤、ポリエステル系コート層剤、ゴム系コート層剤、イソシアネート系コート層剤、エポキシ系コート層剤等の公知のコート層剤から1種以上を適宜選択して使用することができる。また、コート層剤は、粘着剤層30を構成する粘着剤や、防錆層14bを構成する素材などに応じて適宜選択することができる。例えば、粘着剤層30がアクリル系粘着剤により構成されている場合、コート層剤としては、(メタ)アクリル酸エステルや(メタ)アクリル酸をモノマー成分とするアクリル系重合体を含むアクリル系コート層剤を好適に用いることができる。また、防錆層14bが金属である場合、コート層剤としてはカルボキシル基等の極性基を有するコート層剤を好適に用いることができる。このように、防錆層14bや粘着剤層30に対するコート層の投錨性、さらには耐久性などの観点から、コート層剤としては、アクリル系コート層剤が好ましく、なかでもカルボキシル基等の極性基を有するアクリル系コート層剤(以下、適宜「極性基含有アクリル系コート層剤」と称する)がより好ましい。このような極性基含有アクリル系コート層剤としては、例えば、アクリル系重合体のモノマー成分として(メタ)アクリル酸(酸成分)を多く含有しているアクリル系コート層剤を好適に用いることができる。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、なかでもアルキル基部位の炭素数が4〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、適宜「(メタ)アクリル酸C4−14アルキルエステル」と称する)を好適に用いることができる。(メタ)アクリル酸C4−14アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸イソミリスチルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸C4−14アルキルエステルは、単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
アクリル系コート層剤において、モノマー成分としての(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との割合は、特に制限されないが、前述のように防錆層14bを構成する素材や、粘着剤層30を構成する粘着剤の種類などに応じて適宜設定することができる。前述のように、金属に対するコート層の投錨性を高めるためには、アクリル系コート層剤のなかでもアクリル系重合体のモノマー成分として(メタ)アクリル酸を含有しているアクリル系コート層剤が好ましいが、この(メタ)アクリル酸をモノマー成分とする重合体を含むアクリル系コート層剤においてモノマー成分としての(メタ)アクリル酸の割合は、モノマー成分全量に対して20質量%以上、好ましくは30質量%以上であることが望ましい。アクリル系コート層剤を構成するアクリル系重合体において、モノマー成分としての(メタ)アクリル酸の割合がモノマー成分全量に対して20質量%以上である場合、金属に対するコート層の投錨性をより確実に高めることができ、その結果、防錆層14bと粘着剤層30の接着性向上効果をより確実に高めることができる。
(メタ)アクリル酸をモノマー成分とする重合体を含むアクリル系コート層剤としては、モノマー成分全量に対して、20質量%以上、例えば100〜20質量%、好ましくは80〜30質量%の(メタ)アクリル酸と、80質量%以下、例えば0〜80質量%、好ましくは20〜70質量%の(メタ)アクリル酸エステルとをモノマー成分とする重合体を含むアクリル系コート層剤を好適に用いることができる。
アクリル系コート層剤を構成するアクリル系重合体には、前記(メタ)アクリル酸エステルや(メタ)アクリル酸と共重合可能なモノマー成分(共重合性モノマー成分)が用いられてもよい。このような共重合性モノマー成分としては、例えば、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有共重合性モノマー(アクリル酸やメタクリル酸以外のカルボキシル基含有共重合性モノマー);2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有共重合性モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有共重合性モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸アルキルエステル等のアミノ基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有共重合性モノマー;酢酸ビニル等のビニルエステル類などの各種の官能基(特に極性基)を有している共重合性モノマー(官能基含有共重合性モノマー)の他、スチレン等のスチレン系モノマー;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン系モノマーなどが挙げられる。
コート層剤は、公知の方法により調製することができる。例えば、アクリル系コート層剤は、(メタ)アクリル酸エステルや(メタ)アクリル酸などのモノマー成分と、必要に応じて、これらのモノマー成分と共重合可能なモノマー成分と、各種添加剤とを、溶液重合方法や乳化重合方法などの公知の重合方法により重合してアクリル系重合体を得て、必要に応じてさらに各種添加剤等を加えたり濃度調整やエマルジョン化等を行ったりすることにより調製することができる。コート層は、防錆層14bや粘着剤層30の表面に、コート層剤を塗布することで形成することができる。コート層の厚さは、特に制限されないが、例えば0.5〜30μm程度、好ましくは0.5〜10μm程度、さらに好ましくは1〜5μm程度である。コート層の厚さは、薄すぎると防錆層14bと粘着剤層30の接着性向上効果が低下し、厚すぎるとHDD用粘着ラベル1の厚膜化につながる。
以上説明したように、実施形態に係るHDD用粘着ラベル1は、金属箔で構成された基材層12と、基材層12の主表面を覆う防錆層14a,14bと、基材層12と防錆層14a,14bとからなる積層体10の一方の主表面上に設けられた、表面に印字可能な情報表示用層20と、積層体10の他方の主表面上に設けられた粘着剤層30と、を備えている。したがって、実施形態に係るHDD用粘着ラベル1は、ハードディスクドライブHDDの筐体外面に貼付されることで、ラベルとしての情報表示機能とハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減する機能とを両立させることできる。また、HDD用粘着ラベル1は、基材層12の主表面を覆う防錆層14a,14bを備えているため、基材層12を構成する金属箔の酸化が進んで錆びてしまことを防ぐことができる。したがって、HDD用粘着ラベル1の耐久性を高めることができるとともに、金属箔の錆によって情報表示機能が低下してしまうことを防ぐことができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
参考例1)
(積層体10の形成および情報表示用層20の形成)
基材層12として厚さ約53μmの鉄箔を用意し、溶融めっき法により鉄箔の表面に防錆層14a,14bとしての亜鉛めっき層を形成した。鉄箔に対する亜鉛の付着量は、5g/cmとなるように設定した。亜鉛めっき層の厚さは約0.7μmであった。得られた鉄箔と亜鉛めっき層の積層体の一方の主表面に、ドライラミ接着による積層方式により、厚さ約20μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム層を積層した。この白色ポリエチレンテレフタレートフィルム層が情報表示用層20に相当する。
(粘着剤の調製)
アクリル酸10質量部、アクリル酸イソノニル90質量部、光開始剤として商品名「イルガキュア184(BASF社製)」0.1質量部を三つ口フラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌して反応系内の窒素置換を行った。その後、混合物に対して紫外線ランプ(UVランプ)により約150mJとなるようにUV光を照射し、重合率約10%の反応を行いプレポリマーを得た。さらにこのプレポリマー100質量部に対し、内部架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)を固形分換算で0.2質量部加え、攪拌して粘着剤を得た。
(粘着剤層30の形成および剥離ライナー40の被覆)
白色ポリエチレンテレフタレートフィルム層が一方の主表面に積層された積層体の他方の主表面上に、調製した粘着剤を厚さが約25μmとなるように塗布した。そして、塗布した粘着剤の表面に、シリコーン系剥離剤層が表面に形成されているポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナーA)のシリコーン剥離剤層側の面を貼り合せて、粘着剤の表面を空気層から遮断した。そして、UVランプにて約2000mJのUV光を剥離ライナーA側から照射して粘着剤中の成分を反応させ、これにより他方の主表面に粘着剤層30が形成された積層体を得た。この積層体から剥離ライナーAを剥がした後、約130℃のオーブン中で約1分乾燥させることにより、粘着剤層30から揮発成分を除去し、再度、低密度ポリエチレンフィルムのみからなる剥離ライナーBを貼り合わせて、参考例1のHDD用粘着ラベル1を作製した。
(実施例
鉄箔と亜鉛めっき層の積層体にクロメート処理を施して、亜鉛めっき層の表面上にクロメート皮膜を形成した。それ以外は、参考例1と同様にしてHDD用粘着ラベル1を作製した。クロメート皮膜の厚さは、約0.005μmであった。
参考
(コート層剤の調製およびコート層の形成)
ポリエステル系樹脂として商品名「バイロン103(東洋紡績社製)」の固形分比100質量部に、イソシアネート系架橋剤として商品名「コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)」の固形分比100質量部を投入してコート層剤を得た。鉄箔と亜鉛めっき層の積層体の表面に、ディップコート法によりコート層剤を塗布してコート層を形成した。コート層の厚さは0.5μmであった。それ以外は、参考例1と同様にしてHDD用粘着ラベル1を作製した。
(比較例1)
鉄箔に亜鉛めっき層を形成しなかったこと以外は、参考例1と同様にしてHDD用粘着ラベルを作製した。
したがって、実施例1、参考例1、2および比較例1に係るHDD用粘着ラベルの構造は次の通りである。
参考例1:情報表示用層/亜鉛めっき層/鉄箔/亜鉛めっき層/粘着剤層
実施例:情報表示用層/クロメート皮膜/亜鉛めっき層/鉄箔/亜鉛めっき層/クロメート皮膜/粘着剤層
参考:情報表示用層/亜鉛めっき層/鉄箔/亜鉛めっき層/コート層/粘着剤層
比較例1:情報表示用層/鉄箔/粘着剤層
(錆防止性の評価)
実施例1、参考例1、2および比較例1の各粘着ラベルを、温度85℃、湿度85%の雰囲気下で200時間放置した後、情報表示用層側から錆の発生を目視で確認した。錆防止性の評価として、錆が視認されなかった場合を良好(○)とし、錆が視認された場合を不良(×)とした。評価結果を表1に示す。
(制振特性の評価)
実施例1、参考例1、2および比較例1の各粘着ラベルを、市販されている2.5インチハードディスクドライブのトップカバー外面における、表面積比で約65%の部分に貼付けた。無響室内に試験台を設置し、試験台上の高遮音性ゴム系発泡体(厚さ20mm)の上にハードディスクドライブを設置した。ハードディスクドライブは、粘着ラベルが貼付された面が上を向くようにして設置された。高遮音性ゴム系発泡体は、ハードディスクドライブの振動伝播による試験台の固体伝播音を防止し、またハードディスクドライブ底面からの騒音を遮断する目的で使用した。そして、ハードディスクドライブの電源を入れて駆動させ、駆動時の騒音レベル(駆動時発生音)が安定するまで放置した後、中央部上方約300mmの位置に設置した自由音場型マイクロホンにより騒音レベルを測定した。測定値は、聴感補正としてA特性を使用し、20秒間の平均化処理を施し、周波数範囲として20〜20000Hzのオーバーオール値で表わした。実施例1、参考例1、2および比較例1の各粘着ラベルについて、粘着ラベルを貼り付ける前後での騒音レベルを測定したところ、粘着シートを貼り付ける前に31dB(A)前後であった騒音レベルが、貼り付けた後は27dB(A)前後となった。
(糊残り防止性の評価)
実施例1、参考例1、2および比較例1の各粘着ラベルを20mm幅に切断したものを試験片とした。室温にて、ゴムローラー(2kg)の1往復圧着により被着体としてのステンレス板に試験片を貼付けた。ステンレス板に試験片を貼付けた後、室温にて30分間エージングし、さらに60℃のオーブン中に投入して2時間放置した。試験片付きステンレス板をオーブンから取り出して1時間放冷させた後、室温(23℃)にて剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件で、ステンレス板から試験片を引き剥がした。試験片を引き剥がした後のステンレス板について、試験片の貼付面積に対する糊残り部分の面積の割合(%)を測定した。糊残り防止性の評価として、当該割合が30%未満である場合を良好(○)とし、当該割合が30%以上である場合を不良(×)とした。評価結果を表1に示す。
Figure 0005657373
表1に示すように、比較例1では錆防止性が不良であった。これに対し、実施例1、参考例1、2では錆防止性が良好であった。このことから、防錆層が効果的に錆の発生を抑制できることを確認できた。したがって、防錆層を設けることで、HDD用粘着ラベルの耐久性を向上させることができ、また情報表示機能の低下を軽減できることが分かった。また、参考では糊残り防止性も良好であった。このことから、コート層が防錆層と粘着剤層の接着性を効果的に向上できることを確認できた。また、実施例1、参考例1、2と比較例1とで制振特性に差が見られなかった。このことから、防錆層を設けても、HDD用粘着ラベルが持つ発生音低減効果を良好に保持できることを確認できた。
1 HDD用粘着ラベル、 10 積層体、 12 基材層、 14a,14b 防錆層、 20 情報表示用層、 30 粘着剤層、 40 剥離ライナー、 A ハウジング本体、 B トップカバー、 HDD ハードディスクドライブ。

Claims (6)

  1. 情報表示機能を有し、ハードディスクドライブの筐体外面に貼付されることでハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減するためのハードディスクドライブ用粘着ラベルであって、
    金属箔で構成された基材層と、
    前記基材層の少なくとも一方の主表面を覆う防錆層と、
    前記防錆層の、前記基材層と反対側の主表面上に設けられたクロメート皮膜と、
    前記基材層と前記防錆層と前記クロメート皮膜とからなる積層体の一方の主表面上に設けられた、表面に印字可能な情報表示用層と、
    前記積層体の他方の主表面上に設けられた粘着剤層と、
    を備えたことを特徴とするハードディスクドライブ用粘着ラベル。
  2. 前記防錆層は、前記金属箔よりも錆びにくい材料からなる請求項1に記載のハードディスクドライブ用粘着ラベル。
  3. 前記防錆層は、前記金属箔の表面上に設けられためっき層または化成処理層である請求項1または2に記載のハードディスクドライブ用粘着ラベル。
  4. 前記金属箔は、鉄箔であり、
    前記防錆層は、亜鉛、スズ、ニッケル、クロムを含む群から選択される金属からなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載のハードディスクドライブ用粘着ラベル。
  5. 前記粘着剤層は、アクリル系ポリマーを含有している請求項1乃至のいずれか1項に記載のハードディスクドライブ用粘着ラベル。
  6. 情報表示機能を有し、ハードディスクドライブの筐体外面に貼付されることでハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減するためのハードディスクドライブ用粘着ラベルの製造方法であって、
    金属箔で構成された基材層にめっき処理を施す工程と、
    前記基材層に設けられためっき層の表面上にクロメート皮膜を形成する工程と、
    前記基材層と前記めっき層と前記クロメート皮膜とからなる積層体の一方の主表面上に、表面に印字可能な情報表示用層を形成する工程と、
    前記積層体の他方の主表面上に粘着剤層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とするハードディスクドライブ用粘着ラベルの製造方法。
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