JP6432063B2 - 防水用両面粘着テープ及び携帯情報端末機器 - Google Patents
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Description
(1)発泡体構造では無い芯材と、その両面に設けられた粘着剤層とを有する積層体からなり、JIS K7106:1995に準拠して測定した前記芯材の曲げ剛性率が30〜107MPaであり、前記芯材が、オレフィン系単量体単位60〜100質量%を有するオレフィン系重合体を用いて形成されたフィルムであり、前記オレフィン系重合体が、エチレン−メタクリル酸共重合体であり、前記粘着剤層が、(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、この共重合体100質量部に対して、粘着付与樹脂1〜60質量部を含むと共に、架橋剤を含む粘着剤組成物が架橋したものである、防水用両面粘着テープ。
(2)JIS K7129:2008に準拠して測定した水蒸気透過率が15g/m2/日以下である、(1)に記載の防水用両面粘着テープ。
(3)前記芯材の厚さが2〜400μmであり、2つの前記粘着剤層の厚さが、それぞれ2〜100μmである、(1)又は(2)に記載の防水用両面粘着テープ。
(4)0.1〜2mm幅の額縁状に打ち抜かれてなる形態を有する、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の防水用両面粘着テープ。
(5)携帯情報端末機器内部の固定用として用いられる、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の防水用両面粘着テープ。
(6)(1)〜(5)のいずれか一項に記載の防水用両面粘着テープにより固定された部材を備える携帯情報端末機器。
1実施形態において、本発明は、発泡体構造では無い芯材と、その両面に設けられた粘着剤層とを有する積層体からなり、JIS K7106:1995に準拠して測定した前記芯材の曲げ剛性率が30〜107MPaである、防水用両面粘着テープを提供する。
本実施形態の防水用両面粘着テープを構成する芯材は、本発明の効果が得られる限り特に制限されず、従来公知の合成樹脂製フィルムから適宜選択して用いることができる。
曲げ剛性率とは、芯材の柔軟性を示す物性値であり、数値が小さいほど柔らかな樹脂であることを表す。曲げ剛性率は、例えば、JIS K7106:1995(又はASTM D−747)に準拠して測定することができる。例えば、東洋精機製作所製のオートマチックスティフネステスタを使用し、23℃における曲げ剛性率を測定するとよい。
浮き剥がれの発生(浮き量)は、例えば、実施例において後述する方法により評価することができる。具体的には、まず、線膨張係数の異なる2種類の材質の板を本実施形態の両面粘着テープで貼り合わせて、図1に示すような測定用サンプルを作製する。図1(a)は、測定用サンプルの平面図である。図1(b)は、図1(a)におけるA−A線断面図である。図1(c)は、図1(a)におけるB−B線断面図である。
浮き量(μm)=耐久処理後の測定用サンプルの厚み−耐久処理前の測定用サンプルの厚み (1)
防水性は、例えば、JIS C0920:2003に準拠して評価することができる。あるいは、JIS K7129:2008(又はASTM(アメリカ材料試験協会規格)E398−03)に準拠して、40℃、相対湿度90%の環境下において測定した水蒸気透過率に基づいて評価することができる。
本実施形態の防水用両面粘着テープにおいて、芯材の両面に設けられる2つの粘着剤層は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、この共重合体100質量部に対して、粘着付与樹脂1〜60質量部を含むと共に、架橋剤を含む粘着剤組成物を架橋して形成されたものであってもよい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、本発明の効果が得られる限り特に制限はなく、従来アクリル系粘着剤の主成分として慣用されている(メタ)アクリル酸エステル共重合体の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。このような(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、例えばエステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルと、活性水素をもつ官能基を有する単量体と、所望により用いられる他の単量体との共重合体を好ましく挙げることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルは、メタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルを意味する。
粘着付与樹脂としては、本発明の効果が得られる限り特に制限されず、従来粘着剤における粘着付与樹脂として慣用されているものの中から、適宜選択して用いることができる。粘着付与樹脂としては、生ロジン、水添ロジン、重合ロジン、ロジンエステル系樹脂等のロジン系粘着付与樹脂;キシレン樹脂;テルペン樹脂;テルペン−フェノール樹脂;石油樹脂;クマロンインデン樹脂;スチレン樹脂等が挙げられる。粘着剤層が粘着付与樹脂を含有することにより、防水用両面粘着テープの凹凸追従性、接着性、加工適性、被着体との密着性が向上する傾向にある。
架橋剤としては、本発明の効果が得られる限り特に制限されず、従来アクリル系粘着剤組成物において架橋剤として慣用されているものの中から適宜選択して用いることができる。架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、アジリジン系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられ、ポリイソシアネート化合物が好ましく用いられる。
本実施形態の防水用両面粘着テープは、搬送時や使用時の利便性から、粘着剤層上に剥離シートを積層したものであることが好ましい。本実施形態の防水用両面粘着テープが2枚の剥離シートに挟持された形態であってもよいし、本実施形態の防水用両面粘着テープを、両面に離型性を有する1枚の剥離シートに積層して、巻き取った形態であってもよい。
次に、本実施形態の防水用両面粘着テープの製造方法について説明する。
次に、本実施形態の防水用両面粘着テープの用途について説明する。
1実施形態において、本発明は、上述した防水用両面粘着テープにより固定された部材を備える携帯情報端末機器を提供する。上記の部材としては、例えば情報表示部(タッチパネル)等が挙げられる。
後述する、実施例及び比較例の両面粘着テープについて、下記の方法にしたがって、諸特性を評価した。
実施例及び比較例の両面粘着テープの芯材の曲げ剛性率を、JIS K7106:1995に準じて、ステフネステスタ(東洋精機製作所製)を使用して測定した。
浮き量(浮き剥がれの発生)は、次のようにして評価した。まず、図1(a)〜(c)に示すように、実施例及び比較例の両面粘着テープを、外形寸法が縦140mm×横60mmで、幅が2mmの額縁状に打ち抜いたもの(両面粘着テープ120)を使用して、縦150mm、横70mm、厚さ2mmのガラス板110、及び縦150mm、横70mm、厚さ2mmのポリプロピレン製の板130を貼り合わせた測定用サンプル100を作製した。続いて、この測定用サンプル100を、60℃、相対湿度90%の耐久環境下で、それぞれ1、3、5日間耐久処理し、下記式(1)によって測定用サンプルの四隅の浮き量の平均値を求めた。
浮き量(μm)=耐久処理後の測定用サンプルの厚み−耐久処理前の測定用サンプルの厚み (1)
(IPX5)
「JIS C0920:2003 14.2.5 直径6.3mmノズルによる第二特性数字5に対する試験」に準じて防水性を評価した。図2は、測定用サンプル200の平面図、図3は、上記平面図におけるA−A線断面図、図4は、上記平面図におけるB−B線断面図である。試験に際し、縦70mm、横50mm、厚さ2mmの2枚の透明アクリル板210a及び210bを、外形寸法が縦60mm×横40mmで幅が1mmの額縁状に打ち抜いた両面粘着テープ220にて貼り合わせた測定用サンプル200を作製した。測定用サンプルの一方のアクリル板210aには高さ10μm、幅5mmの十字状の黒色印刷230を行った段差があり、もう一方には段差のない平滑なアクリル板210bを使用した(図2〜図4参照)。測定用サンプル200を作製し24時間後に、内径6.3mmの放水ノズルを用いて、測定用サンプルに対してランダムにあらゆる方向から毎分12.5Lの放水率で5分間放水した後、目視にて測定用サンプル内部への水の浸入の有無を確認した。
IPX5の試験に用いたものと同様の測定用サンプル200を用いて、「JIS C0920:2003 14.2.7 深さ0.15〜1mの一時的潜水状態での第二特性数字7に対する試験」に準じて防水性を評価した。測定用サンプルを作製し24時間後に、測定用サンプルを水深1mに沈めて30分間静置した後、目視にて試験片内部への水の浸入の有無を確認した。
JIS K7129:2008(A法)に準じて、水蒸気透過度計(LYSSY社製、製品名「L80−5000」を使用し、セル温度40℃、相対湿度差90%RHの条件下にて測定した。
[粘着剤組成物の調製]
ブチルアクリレート(BA)、2−エチルへキシルアクリレート(2EHA)、アクリル酸(AAc)をモノマー成分とするアクリル酸エステル共重合体(2EHA/BA/AAc質量比=80/19/1、重量平均分子量60万、固形分55質量%)100質量部に、粘着付与樹脂(荒川化学工業社製、製品名「パインクリスタルKE−359」)5質量部、イソシアネート系架橋剤(東ソー社製、製品名「コロネートL」、固形分75質量%)1.8質量部(アクリル酸エステル共重合体の固形分100質量部に対し、2.45質量部)を混合し、粘着剤組成物を調製した。
エチレン−メタクリル酸共重合体(三井・デュポンケミカル社製「ニュクレルAN4221C」、オレフィン系単量体単位88質量%)を厚さ100μmに製膜し、両面にコロナ処理を施して芯材フィルムを得た。次に軽剥離シート(リンテック(株)製、商品名「SP−PET381031」)の剥離処理面に、ナイフコーターを用いて上記の粘着剤組成物を塗布し、100℃で約2分間加熱乾燥して架橋し厚さ50μmの粘着剤層を得た。その後、粘着剤層に上記の芯材フィルムをラミネートし、片面粘着フィルムを得た。
エチレン−メタクリル酸共重合体(三井・デュポンケミカル社製「ニュクレルAN4213C」、オレフィン系単量体単位89質量%)を厚さ100μmに製膜し、両面にコロナ処理を施して芯材フィルムを得た。この芯材フィルムを使用した以外は実施例1と同様にして、実施例2の両面粘着テープを作製した。
エチレン−メタクリル酸共重合体(三井・デュポンケミカル社製「ニュクレルN410」、オレフィン系単量体単位91質量%)を厚さ100μmに製膜し、両面にコロナ処理を施して芯材フィルムを得た。この芯材フィルムを使用した以外は実施例1と同様にして、比較例1の両面粘着テープを作製した。
芯材フィルムとして、厚さ100μmの黒色ポリオレフィン系発泡体(積水化学工業社製、製品名「ボラーラ」)を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例2の両面粘着テープを作製した。
エチレン−メタクリル酸共重合体(三井・デュポンケミカル社製「ニュクレルNC903HC」、オレフィン系単量体単位91質量%)を厚さ100μmに製膜し、両面にコロナ処理を施して芯材フィルムを得た。この芯材フィルムを使用した以外は実施例1と同様にして、比較例3の両面粘着テープを作製した。
実施例1〜2及び比較例1〜3の両面粘着テープについて、上述した方法により、芯材の曲げ剛性率、浮き量、防水性、水蒸気透過率を評価した。評価結果を表1に示す。
Claims (6)
- 発泡体構造では無い芯材と、その両面に設けられた粘着剤層とを有する積層体からなり、JIS K7106:1995に準拠して測定した前記芯材の曲げ剛性率が30〜107MPaであり、
前記芯材が、オレフィン系単量体単位60〜100質量%を有するオレフィン系重合体を用いて形成されたフィルムであり、前記オレフィン系重合体が、エチレン−メタクリル酸共重合体であり、
前記粘着剤層が、(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、この共重合体100質量部に対して、粘着付与樹脂1〜60質量部を含むと共に、架橋剤を含む粘着剤組成物が架橋したものである、防水用両面粘着テープ。 - JIS K7129:2008に準拠して測定した水蒸気透過率が15g/m2/日以下である、請求項1に記載の防水用両面粘着テープ。
- 前記芯材の厚さが2〜400μmであり、2つの前記粘着剤層の厚さが、それぞれ2〜100μmである、請求項1又は2に記載の防水用両面粘着テープ。
- 0.1〜2mm幅の額縁状に打ち抜かれてなる形態を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の防水用両面粘着テープ。
- 携帯情報端末機器内部の固定用として用いられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の防水用両面粘着テープ。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の防水用両面粘着テープにより固定された部材を備える携帯情報端末機器。
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