JP5656538B2 - 上部鉄骨造柱脚基礎の配筋構造 - Google Patents
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なお、鉄筋における定着長さの確保のために、拡径頭部を用いても良い旨が、建築に関する法令・規則で定められているが、どのような部位にその拡径頭部を用るかは規定されておらず、柱脚基礎において、拡径頭部を用いた例は知られていない。拡径頭部を用いた配筋例としては、特許文献2に示すものがある。
建築に係る法令・基準により、認定された固定柱脚において、柱脚基礎の柱主筋は、下部の定着長さが決められ、また出隅の柱主筋では、さらに上端にフックを設けることが義務付けられている。そのため、四隅の柱主筋は、上下端に拡径頭部を有する拡径頭部付き鉄筋とすることで、下端の定着長さおよび上端にフックを設ける要求を充足し、中間の柱主筋は下端のみに拡径頭部を有する拡径頭部付き鉄筋とすることで、下端に要求される定着長さの要求を充足することができる。一端に拡径頭部を有する鉄筋は、定尺物の商品化が試みられており、中間の柱主筋については、下端のみに拡径頭部を有する拡径頭部付き鉄筋とすることで、定尺物を利用できて、加工コストや切断による鉄筋の無駄を無くし、コスト削減を図ることができる。
このように、柱脚基礎の四隅の柱主筋が柱外方へ延びるL形部を有する場合は、配筋作業時に、前記L形部が柱主筋とフープとの鉄筋組立体の脚部となって、鉄筋組立体が安定し、作業性が向上する。
基礎梁5の鉄筋としては、上端および下端にそれぞれ横方向に並んで複数本ずつ設けられる梁主筋17と、これら上下の梁主筋17の並びの周囲を取り巻く長手方向複数箇所のスターラップ18と、横方向の補助筋19とでなる。
基礎梁5の梁主筋17は、図2のように、端部が柱脚基礎3内に延びて柱脚基礎3の立ち上がり部3a内で定着される。これら梁主筋17は、いずれも、柱脚基礎3で定着される端部が拡径頭部17aとされる。
柱主筋15の拡径頭部15aは、一体に塑性変形で形成したものに限らず、例えば図6に示すように、鉄筋嵌合孔21aを有する頭部形成部材21を、柱主筋15の丸棒部15bの端部に嵌合して接合したものであっても良い。また、図6に示すように、柱主筋15の端部外周に雄ねじ部15dを形成し、雌ねじ孔21bを有する頭部形成部材21Aを螺合させて拡径頭部15aとしても良い。
なお、図2の梁主筋17の拡径頭部17aも、上述の柱主筋15の各種の拡径頭部15aと同様のものとされる。
これに対して、この実施形態では、四隅の柱主筋15A は、上下の両端端に拡径頭部15aを有する拡径頭部付き鉄筋としており、中間の柱主筋15B については、下端のみに拡径頭部を有する拡径頭部付き鉄筋としている。これらの拡径頭部15aを設けることにより、図1に図示の上部定着長さL1、下部定着長さL2だけで、定着長さの確保のための基準を満足し、必要な定着強度を得ることができる。
フック部やL形部の代わりに拡径頭部15aは必要であるが、拡径頭部15aはフック部やL形部に比べて極小さい。
この実施形態では、前記梁主筋17についても、柱脚基礎3内に定着される部分を拡径頭部17aとした拡径頭部付き鉄筋としたため、定着強度を確保しながら、過密配筋がより一層確実に解消される。
また、図3のようなアンカーフレーム10を構成する場合、連結フレーム11,12があって、柱脚基礎3のコンクリーク内に埋め込む部材がより過密となるが、この場合にも柱主筋15に拡径頭部15aを設けたため、過密配置が緩和され、アンカーフレーム10の採用と拡径頭部15aの採用とで、鉄筋の組立がより一層簡単で短時間に行え、信頼性もさらに向上する。
このように、四隅の柱主筋15A が柱外方へ延びるL形部15fを有する場合は、配筋作業時に、前記L形部15fが柱主筋15とフープ16との鉄筋組立体の脚部として機能して鉄筋組立体が安定し、作業性が向上する。この参考提案例におけるその他の構成,効果は、図1に示す第1の実施形態と同様である。
2…鉄骨柱
3…柱脚基礎
5…基礎梁
6…アンカーボルト
15…柱主筋
15A …四隅の柱主筋
15B …中間の柱主筋
15a…拡径頭部
15f…L形部
17…梁主筋
17a…拡径頭部
Claims (2)
- 鉄骨造の上部構造体における鉄骨柱を支持する鉄筋コンクリート造の柱脚基礎であって、鉄筋コンクリート造の基礎梁が接合されるか、またはフーチング部上に設けられる立ち上がり部を有し、この立ち上がり部に、前記鉄骨柱と結合する複数本のアンカーボルトが埋設され、かつ前記立ち上がり部の鉄筋として、外周部に並んで配置されてそれぞれ上下方向に延びる複数本の柱主筋と、これら複数本の柱主筋の並びの周囲を取り巻く上下複数箇所のフープとを有する柱脚基礎の配筋構造において、
前記柱主筋に、端部に拡径頭部を有する拡径頭部付き鉄筋を用い、前記柱脚基礎の四隅の柱主筋は、上下端に拡径頭部を有する拡径頭部付き鉄筋とし、中間の柱主筋は、下端のみに拡径頭部を有する拡径頭部付き鉄筋とすることを特徴とする上部鉄骨造柱脚基礎の配筋構造。 - 請求項1において、前記立ち上がり部に鉄筋コンクリート造の基礎梁が接合されていて、前記立ち上がり部の前記複数本の柱主筋とフープとで囲まれる部分に前記基礎梁の梁主筋の端部があり、この梁主筋を、前記端部が拡径頭部となった拡径頭部付き鉄筋とする上部鉄骨造柱脚基礎の配筋構造。
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