JP4971201B2 - コンクリート造梁の配筋施工方法 - Google Patents
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Description
このような鉄筋の組立加工は、一般的に1棟の物件毎に、工場で切断し、折り曲げ加工して現場に搬入し、その後に組立が行われている。
しかし、上記主筋の端部の折り曲げ部は、使用する鉄筋量の増加を招き、また鉄筋コンクリート製の柱を構成する配筋内に入り込み、柱内の配筋が複雑となる。
上記拡径頭部付き鉄筋の拡径頭部の加工は、梁への使用時の長さよりも若干長い寸法の素材鉄筋の端部を、高周波誘導加熱等で加熱し、加圧成形することで行われる。この場合に、設備上の問題や、また要求される鉄筋長さは建物物件により種々異なることから、一端の拡径頭部を加工した後、鉄筋素材を180°振り回して反転させ、同じ設備で他端の拡径頭部を加工する。
しかし、両端に拡径頭部62b,63bを有していて、建物の物件毎に、また建物の使用部位毎に異なる長さのものが要求される。このため、建物の配筋図が完成した後に、鉄筋メーカに発注することになり、受注生産となる。
鉄筋メーカでの拡径頭部62b,63bの加工は、要求寸法の鉄筋素材を製造した後に、上記のように誘導加熱,加圧工程により拡径加工することが必要であり、手間のかかる工程となる。そのため、受注から納品までに時間がかかり、建物の工期の短縮化の妨げとなる。受注生産となるため、生産計画が難しくて、受注時期の偏りにより、加工設備の稼働率の低下を招き、不経済になるという問題もある。また、長尺の鉄筋を取り扱い、180°振り回して両端を順次加工するため、加工場所に広い占有床面積が要求される。このような長い鉄筋の拡径頭部の加工は、自動化が困難で、品質確保が難しいものとなっている。
しかし、一般の大梁の鉄筋継手は、応力の小さい箇所で行うことが、構造規定で定められている。例えば、図14(A),(B)に示すように、ガス圧接継手および重ね継手のいずれも、上端筋は梁中央のL0 /2の範囲、下端筋は柱から梁成Dbを起点にL0 /4の間で行うように規定されている。
従来は、このような鉄筋継手位置の構造規定があるため、拡径頭部付き鉄筋において、定尺化の発想はなされていない。また、従来、図12の例のような折り曲げ部62a,63aを有する鉄筋の場合に、鉄筋を現場搬入前に先組する工法もあるが、事前に物件に無関係に切断し、加工しておく鉄筋部材は存在しない。このように、従来は、梁主筋の定尺化については、発想も実例も存在しない。
なお、本発明者は、耐力壁において、定尺の拡径頭部付き鉄筋を用いることを先に提案した(特願2007−292043号)。これは、耐力壁の場合は、壁自体が強度を有しているため、鉄筋継手の位置が問題にならないことに基づく。しかし、一般のラーメン構造の柱・梁骨組み体を構成する梁の場合、上記のような大梁の鉄筋継手の配置箇所を定めて構造規定を厳守する必要がある。
ラーメン構造の柱・梁骨組み体を構成する鉄筋コンクリート造梁または鉄骨鉄筋コンクリート造梁の配筋を施工する方法であって、
梁の梁長さ方向に延びる鉄筋である各主筋が、両端に配置された一対の拡径頭部付き鉄筋と、これら一対の拡径頭部付き鉄筋に両端が鉄筋継手を介して接合された中間鉄筋とでなり、
前記一対の拡径頭部付き鉄筋は、一端に拡径頭部を有しこの拡径頭部が、前記柱・梁骨組み体の端部における鉄筋コンクリート造柱または鉄骨鉄筋コンクリート造柱のコンクリート内に埋め込まれるものとし、
前記拡径頭部付き鉄筋に、定尺物として準備されている複数種類の長さの拡径頭部付き鉄筋の中から選ばれたものを用い、
隣合う柱間の内のりとなる梁スパンをL0 、梁成をDb、前記柱の梁長さ方向の太さをDcと定めた場合に、
前記各主筋のうちの上端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL1 が、次式(1)、
0.85Dc+L0 /4≦L1 ≦0.85Dc+L0 ×3/4 …(1)
を満足する範囲にあり、
前記各主筋のうちの下端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL2 が、次式(2)または(3)のいずれか、
0.85Dc+Db≦L2 ≦0.85Dc+Db+L0 /4 …(2)
0.85Dc−Db+L0 ×3/4≦L2 ≦0.85Dc−Db+L0 …(3)
を満足する範囲にある。
なお、この発明方法の適用されるラーメン構造の柱・梁骨組み体は、前記一対の拡径頭部付き鉄筋と前記中間鉄筋が接合された主筋の長さの間に、複数または1本の中間柱が介在していても良く、また中間柱が介在していなくても良い。いずれの場合も、前記梁スパンをL0 は、隣合う柱間の内のりのスパンである。拡径頭部付き鉄筋の長さL1 ,L2 は拡径頭部を含む長さである。
前記各主筋のうちの上端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL1 が、次式(1)、
0.85Dc+L0 /4≦L1 ≦0.85Dc+L0 ×3/4 …(1)
を満足する範囲にあり、
前記各主筋のうちの下端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL2 が、次式(2)または(3)のいずれか、
0.85Dc+Db≦L2 ≦0.85Dc+Db+L0 /4 …(2)
0.85Dc−Db+L0 ×3/4≦L2 ≦0.85Dc−Db+L0 …(3)
を満足する範囲にあるものとしている。
このように拡径頭部付き鉄筋の長さを規定すると、大梁について定められている鉄筋継手に関する構造規定を満足するものとでき、また構造強度が十分となる。
この発明は、このように、強度、信頼性を確保しながら、定尺化による生産の標準化、品質安定化、納期短縮、コスト削減が可能となる。なお、上記の鉄筋継手の位置は、ガス圧接等のように縮みが生じる継手の場合は、その縮み後の位置である。
前記上端筋の前記長さL1 が、次式(4)、
0.75Dc+L0 /4≦L1 ≦(Dc−50mm)+L0 ×3/4 …(4)
を満足する範囲にあり、
前記下端筋の前記長さL2 が次式(5)または(6)のいずれか、 0.75Dc+Db≦L2 ≦(Dc−50mm)+Db+L0 /4 …(5)
0.75Dc−Db+L0 ×3/4≦L2 ≦(Dc−50mm)−Db+L0 …(6)
を満足する範囲にあるものとする。
構造規定では、鉄筋継手は、全てを同一箇所で接合することは禁止されており、半数を限度とし、半数は400mm以上離して設けることが定められている。この規定を遵守し、かつ施工誤差を考え、500mm以上のピッチで各長さ種類の拡径頭部付き鉄筋を設けることが、長さ種類数をできるだけ少なくし、かつ定尺物の拡径頭部付き鉄筋を多くの建物に適用可能なものとできる点で好ましい。
集合住宅の場合、梁スパンをL0 、梁成Db、柱の太さDcの範囲が、大部分の物件においてある程度限られた範囲内ある。各種物件の寸法を調査してシミュレーションを行ったところ、拡径頭部付き鉄筋として、100mm単位括って考えて、1800mm〜5300mmの範囲で、400〜700mmのピッチとすれば、6〜10種類程度の定尺物の拡径頭部付き鉄筋を準備すれば、殆どの物件、例えば80%程度の物件に適用できることがわかった。この程度の種類で済むため、定尺物の拡径頭部付き鉄筋による、生産の標準化、品質安定化、納期短縮、コスト削減の実効が十分に得られる。
このように、上端筋の一端の拡径頭部付き鉄筋と下端筋の他端の拡径頭部付き鉄筋とに同じ長さのものを用いると、使用する拡径頭部付き鉄筋の種類数が少なくて済み、より生産性に優れる。
集合住宅では、戸境壁に遮音性が求められるため、妻面に平行な耐力壁が複数平行に並ぶ構造とされる場合が多い。集合住宅では、いずれもの物件も、上記のようにその梁スパン等がある程度の限られた範囲にあるため、定尺物として準備する拡径頭部付き鉄筋の種類が少なくて済み、この発明のコンクリート造梁の配筋施工方法を適用することによる拡径頭部付き鉄筋の定尺化による生産の標準化、品質安定化、納期短縮、コスト削減の実効が得易い。
集合住宅において、妻面に面する壁は、屋外に対する解放面積を大きくして角部屋の利点が十分に得られるように、妻面をラーメン構造の柱・梁骨組み体とすることがある。このような形式の建物の場合、この妻面の柱・梁骨組み体に、この発明のコンクリート造梁の配筋施工方法を適用することによって、拡径頭部付き鉄筋の定尺化による生産の標準化、品質安定化、納期短縮、コスト削減の実効が得易い。
前記各主筋のうちの上端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL1 が、次式(1)、
0.85Dc+L0 /4≦L1 ≦0.85Dc+L0 ×3/4 …(1)
を満足する範囲にあり、
前記各主筋のうちの下端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL2 が、次式(2)または(3)のいずれか、
0.85Dc+Db≦L2 ≦0.85Dc+Db+L0 /4 …(2)
0.85Dc−Db+L0 ×3/4≦L2 ≦0.85Dc−Db+L0 …(3)
を満足する範囲にあり、
前記定尺物として準備されている複数種類の長さの拡径頭部付き鉄筋は、各種類の間で、互いに400〜700mmの長さの差を持つ
ものとしたため、
拡径頭部付きの鉄筋の使用によって、使用鉄筋量の節減、配筋の簡素化の面で優れたものとなり、さらに、鉄筋継手位置に係る構造規定、強度、信頼性の問題を生じることなく、定尺化による生産の標準化、品質安定化、納期短縮、コスト削減が可能となる。
前記上端筋の前記長さL1 が、次式(4)、
0.75Dc+L0 /4≦L1 ≦(Dc−50mm)+L0 ×3/4 …(4)
を満足する範囲にあり、
前記下端筋の前記長さL2 が次式(5)または(6)のいずれか、 0.75Dc+Db≦L2 ≦(Dc−50mm)+Db+L0 /4 …(5)
0.75Dc−Db+L0 ×3/4≦L2 ≦(Dc−50mm)−Db+L0 …(6)
を満足する範囲にあるものとしたため、
拡径頭部付きの鉄筋の使用によって、使用鉄筋量の節減、配筋の簡素化の面で優れたものとなり、さらに、鉄筋継手位置に係る構造規定、強度、信頼性の問題を生じることなく、定尺化による生産の標準化、品質安定化、納期短縮、コスト削減が可能となる。
図2に示すように、柱2は、鉄筋として柱主筋7と帯筋8とを有し、柱コンクリート5は、梁3の梁コンクート6と連続して打設されている。この例では、床スラブ31が、鉄筋32を有する鉄筋コンクリート造床であり、その床コンクート33も梁コンクート6と連続して打設される。
同図(A)の例では、隣合う住戸空間10間の戸境壁となる妻方向壁41、および建物妻面の妻方向壁41Aの全てが、鉄筋コンクリート造の耐力壁(ハッチング付して示す)とされている。この建物の両側の桁方向に延びる面は、ラーメン構造の柱・梁骨組み体1とされている。この桁方向に延びるラーメン構造の柱・梁骨組み体1に、図1等に示すこの実施形態のコンクリート造梁の配筋施工方法が適用される。
同図(B)の例では、各戸境壁となる妻方向壁41は、鉄筋コンクリート造の耐力壁(ハッチング付して示す)とされているが、両側の建物妻面は、ラーメン構造の柱・梁骨組み体1Aとされている。両側の桁方向に延びる面は、ラーメン構造の柱・梁骨組み体1とされている。これら両側の桁方向に延びるラーメン構造の柱・梁骨組み体1、および両側の建物妻面のラーメン構造の柱・梁骨組み体1Aに、図1等に示すこの実施形態のコンクリート造梁の配筋施工方法が適用される。
なお、各耐力壁に沿う鉄筋コンクリート造梁3Bについても、その上端筋および下端筋を、以下に示すラーメン構造の柱・梁骨組み体1に用いる鉄筋コンクリート造梁3と同じ構成としても良い。
図1において、拡径頭部付き鉄筋A1 ,A2 は、図6等と共に後述するように、定尺物として準備されている複数種類の長さの拡径頭部付き鉄筋の中から選ばれたものが用いられる。
0.85Dc+L0 /4≦L1 ≦0.85Dc+L0 ×3/4 …(1)
を満足する範囲とする。
前記各主筋のうちの下端筋13の長さL2 は、次式(2)または(3)のいずれか、
0.85Dc+Db≦L2 ≦0.85Dc+Db+L0 /4 …(2)
0.85Dc−Db+L0 ×3/4≦L2 ≦0.85Dc−Db+L0 …(3)
を満足する距離とされる。
なお、上記長さL1 ,L2 は、拡径頭部Aaを含む長さである。
上端筋12の前記長さL1 は、次式(4)、
0.75Dc+L0 /4≦L1 ≦(Dc−50mm)+L0 ×3/4 …(4)
を満足する範囲とする。
下端筋13の前記長さL2 は、次式(5)または(6)のいずれか、
0.75Dc+Db≦L2 ≦(Dc−50mm)+Db+L0 /4 …(5)
0.75Dc−Db+L0 ×3/4≦L2 ≦(Dc−50mm)−Db+L0 …(6)
を満足する範囲とする。
拡径頭部Aaの柱コンクリート4への埋め込み深さである定着長さaは、0.75Dcよりも長い範囲で適宜設定されるが、被り厚bは50mm以上とする。
上記の式(4)〜(6)は、構造規定から定まる距離である。
また、構造規定では、拡径頭部付き鉄筋の場合、定着長さ(拡径頭部Aaを含む)aが最低で0.75Dc必要であり、この定着長さaは、長ければ長いほど良いとされている。しかし、耐久性確保のために、拡径頭部Aaの被り厚bは、柱に表面仕上げがない場合は最低で50mm必要とされている。表面仕上げがある場合は、最低で40mmあれば良いが、この実施形態では簡明のために、表面仕上げの有無に係わらず満足する値である50mmとした。この実施形態においても、被り厚bは、上記構造規定を満足する厚さとする。
上記の式(4)〜(6)は、これらの鉄筋継手の位置、定着長さ、および被り厚の 構造規定を示す式である。
なお、幅方向に並ぶ複数の上端筋12同士の間、および下端筋13同士の間では、上記のように、互いに鉄筋継手15の位置を異ならせる。この場合に、例えば、幅方向に並ぶ複数の上端筋12のうちのいずれか1本の上端筋12につき、一端に図1(C)の短い方の拡径頭部付き鉄筋A1 を、他端に長い方の拡径頭部付き鉄筋A2 を用いた場合、その幅方向に隣合う上端筋12については、一端に図1(C)の長い方の拡径頭部付き鉄筋A2 を用い、他端に短い方の拡径頭部付き鉄筋A1 を用いる。幅方向に隣合う下端筋13同士の間においても、上端筋12の場合と同様に、短、長の拡径頭部付き鉄筋A1 ,A2 の配置の関係とする。
例えば、鉄筋メーカ等によって、これら規格化した拡径頭部付き鉄筋A1 〜An を準備しておき、建物メーカにおける配筋の設計において、その規格化された鉄筋A1 〜An を選択する。
表1は、準備する拡径頭部付き鉄筋A(A1 〜An )の種類例(1) 〜(3) を示す。
種類(2)は、全体的にピッチを均一にして、設計、施工時のミスを少なくする例である。ただし、運搬コストは、種類(1)に比べて上がる。
種類(3)は、種類(2)よりもピッチを大きくして、適用できる範囲を広げる例である。
このように、目的に応じて適宜のピッチで複数種類の長さの拡径頭部付き鉄筋A(A1 〜An )を準備する。
なお、上記拡径頭部付き鉄筋Aの長さには、ガス圧接のアプセット量(収縮量)は含んでいない。ガス圧接用とする場合、例えば、上記の表1等に示す寸法に、全て50mmを加えた寸法とする。
規格化して準備しておく拡径頭部付き鉄筋Aの太さ、材質は、各長さのものにつき、数種類準備しておくことが好ましい。例えば、直径が10、13、16、19、22、25、29、32、35、38、41(単位mm)のものを準備する。
なお、相互に接合する鉄筋は、太さや材質が異なるものであっても良く、構造規定でも所定範囲で認められている。したがって、規格化して準備しておく拡径頭部付き鉄筋Aの太さおよび材質の種類を、中間鉄筋Bの太さ,材質の種類よりも減らしても良い。これにより、標準化によるコスト削減がより一層促進できる。
また、各拡径頭部付き鉄筋Aの拡径頭部Aaは、図9(B),(C)に示すように、全体が鉄筋本体Abに対して取付けによって固定された別体部材からなるものであっても良い。同図(B)の別体部材からなる拡径頭部Aaは、中心部に嵌合孔aを有する円板状の定着板Aa′からなり、鉄筋本体Abの端部の外周に摩擦圧接や溶接等により接合したものである。同図(C)の別体部材からなる拡径頭部Aaは、ねじ筒部Aacおよびその一端から拡径した拡径部Aadからなる。鉄筋本体Abのは、スパイラル状の突条Acを有し、ねじ筒部Aacはそのスパイラル状の突条Acの外周にねじ込まれている。なお、突条Acを利用する代わりに、鉄筋本体Abの端部外周に雄ねじ部を設け、その雄ねじ部にねじ筒部Aacを螺合させるようにしても良い。
上端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL1 が、次式(1)、
0.85Dc+L0 /4≦L1 ≦0.85Dc+L0 ×3/4 …(1)
を満足する範囲にあり、
下端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL2 が、次式(2)または(3)のいずれか、
0.85Dc+Db≦L2 ≦0.85Dc+Db+L0 /4 …(2)
0.85Dc−Db+L0 ×3/4≦L2 ≦0.85Dc−Db+L0 …(3)
を満足する範囲にあるものとしている。
このように拡径頭部付き鉄筋Aの長さを規定したため、大梁について定められている鉄筋継手に関する構造規定を満足するものとなり、また構造強度が十分となる。
柱太さDc:500,1000,1500,2000
梁成Db:400,600,800,1000
梁スパンL0 :4000,6000,8000,10000、
なお、柱太さDcにつき、2000mmと太い例を挙げたのは、図3の例のように耐力壁を平行に複数用いた建物では、柱2に、桁方向に長い長方形の断面形状の柱が用いられ、その長辺の寸方が2000mmとされる例があるからである。
この間に鉄筋継手15を設けると、支障がない。
上端筋12は、1425〜9200
下端筋13は、 825〜5200
100mmを単位とする数字で括ると、1800〜5300の間に定尺の拡径頭部付き鉄筋Aの長さを設定すると、全てを包括することができる。
図11は、鉄骨鉄筋コンクリート造梁に適用した例であり、柱2′および梁3′が、H形鋼等からなる鉄骨柱21および鉄骨梁23と、その周囲に設けられた鉄筋コンクリート部分とで構成される。鉄骨柱21と鉄骨梁23は互いに接合されている。柱2′および梁3′の鉄筋コンクリート部分の各鉄筋は、図1に示す柱2および梁3と同様であり、対応部分に同一番号を付してその説明を省略する。また、図11では、鉄骨柱21および鉄骨梁23の形状については簡略化して図示してある。
2…柱
3…鉄筋コンクリート造梁
3′…鉄骨鉄筋コンクリート造梁
10…住戸空間
11…集合住宅建物
12…上端筋
13…下端筋
14…あばら筋
21…鉄骨柱
23…鉄骨梁
A,A1 ,A2 ,An …拡径頭部付き鉄筋
Aa…拡径頭部
B…中間鉄筋
Claims (6)
- ラーメン構造の柱・梁骨組み体を構成する鉄筋コンクリート造梁または鉄骨鉄筋コンクリート造梁の配筋を施工する方法であって、
梁の梁長さ方向に延びる鉄筋である各主筋が、両端に配置された一対の拡径頭部付き鉄筋と、これら一対の拡径頭部付き鉄筋に両端が鉄筋継手を介して接合された中間鉄筋とでなり、
前記一対の拡径頭部付き鉄筋は、一端に拡径頭部を有しこの拡径頭部が、前記柱・梁骨組み体の端部における鉄筋コンクリート造柱または鉄骨鉄筋コンクリート造柱のコンクリート内に埋め込まれるものとし、
前記拡径頭部付き鉄筋に、定尺物として準備されている複数種類の長さの拡径頭部付き鉄筋の中から選ばれたものを用い、
隣合う柱間の内のりとなる梁スパンをL0 、梁成をDb、前記柱の梁長さ方向の太さをDcと定めた場合に、
前記各主筋のうちの上端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL1 が、次式(1)、
0.85Dc+L0 /4≦L1 ≦0.85Dc+L0 ×3/4 …(1)
を満足する範囲にあり、
前記各主筋のうちの下端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL2 が、次式(2)または(3)のいずれか、
0.85Dc+Db≦L2 ≦0.85Dc+Db+L0 /4 …(2)
0.85Dc−Db+L0 ×3/4≦L2 ≦0.85Dc−Db+L0 …(3)
を満足する範囲にあり、
前記定尺物として準備されている複数種類の長さの拡径頭部付き鉄筋は、各種類の間で、互いに400〜700mmの長さの差を持つ、
ことを特徴とするコンクリート造梁の配筋施工方法。 - ラーメン構造の柱・梁骨組み体を構成する鉄筋コンクリート造梁または鉄骨鉄筋コンクリート造梁の配筋を施工する方法であって、
梁の梁長さ方向に延びる鉄筋である各主筋が、両端に配置された一対の拡径頭部付き鉄筋と、これら一対の拡径頭部付き鉄筋に両端が鉄筋継手を介して接合された中間鉄筋とでなり、
前記一対の拡径頭部付き鉄筋は、一端に拡径頭部を有しこの拡径頭部が、前記柱・梁骨組み体の端部における鉄筋コンクリート造柱または鉄骨鉄筋コンクリート造柱のコンクリート内に埋め込まれるものとし、
前記拡径頭部付き鉄筋に、定尺物として準備されている複数種類の長さの拡径頭部付き鉄筋の中から選ばれたものを用い、
隣合う柱間の内のりとなる梁スパンをL0 、梁成をDb、前記柱の梁長さ方向の太さをDcと定めた場合に、
前記各主筋のうちの上端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL1 が、次式(1)、
0.85Dc+L0 /4≦L1 ≦0.85Dc+L0 ×3/4 …(1)
を満足する範囲にあり、
前記各主筋のうちの下端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL2 が、次式(2)または(3)のいずれか、
0.85Dc+Db≦L2 ≦0.85Dc+Db+L0 /4 …(2)
0.85Dc−Db+L0 ×3/4≦L2 ≦0.85Dc−Db+L0 …(3)
を満足する範囲にあり、
前記鉄筋コンクリート造梁または鉄骨鉄筋コンクリート造梁は、横断面の幅方向に並んで複数本の上端筋および下端筋があり、梁長さ方向に沿う同じ垂直断面内にある、前記各上端筋および下端筋は、それぞれ、上端筋の一端の拡径頭部付き鉄筋と下端筋の他端の拡径頭部付き鉄筋とが、互いに同じ長さのものであり、かつ上端筋と下端筋の同じ端部側の拡径頭部付き鉄筋は、互いに長さが異なるものであるコンクリート造梁の配筋構造。 - ラーメン構造の柱・梁骨組み体を構成する鉄筋コンクリート造梁または鉄骨鉄筋コンクリート造梁の配筋を施工する方法であって、
梁の梁長さ方向に延びる鉄筋である各主筋が、両端に配置された一対の拡径頭部付き鉄筋と、これら一対の拡径頭部付き鉄筋に両端が鉄筋継手を介して接合された中間鉄筋とでなり、
前記一対の拡径頭部付き鉄筋は、一端に拡径頭部を有しこの拡径頭部が、前記柱・梁骨組み体の端部における鉄筋コンクリート造柱または鉄骨鉄筋コンクリート造柱のコンクリート内に埋め込まれるものとし、
前記拡径頭部付き鉄筋に、定尺物として準備されている複数種類の長さの拡径頭部付き鉄筋の中から選ばれたものを用い、
隣合う柱間の内のりとなる梁スパンをL0 、梁成をDb、前記柱の梁長さ方向の太さをDcと定めた場合に、
前記各主筋のうちの上端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL1 が、次式(1)、
0.85Dc+L0 /4≦L1 ≦0.85Dc+L0 ×3/4 …(1)
を満足する範囲にあり、
前記各主筋のうちの下端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL2 が、次式(2)または(3)のいずれか、
0.85Dc+Db≦L2 ≦0.85Dc+Db+L0 /4 …(2)
0.85Dc−Db+L0 ×3/4≦L2 ≦0.85Dc−Db+L0 …(3)
を満足する範囲にあり、
適用対象となる建物が、妻面に平行な耐力壁が複数平行に並び、桁方向に沿う両側面に、前記ラーメン構造の柱・梁骨組み体が両側の妻面間に渡って設けられた建物であって、前記桁方向に沿う両側面のラーメン構造の柱・梁骨組み体に適用されるコンクリート造梁の配筋構造。 - ラーメン構造の柱・梁骨組み体を構成する鉄筋コンクリート造梁または鉄骨鉄筋コンクリート造梁の配筋を施工する方法であって、
梁の梁長さ方向に延びる鉄筋である各主筋が、両端に配置された一対の拡径頭部付き鉄筋と、これら一対の拡径頭部付き鉄筋に両端が鉄筋継手を介して接合された中間鉄筋とでなり、
前記一対の拡径頭部付き鉄筋は、一端に拡径頭部を有しこの拡径頭部が、前記柱・梁骨組み体の端部における鉄筋コンクリート造柱または鉄骨鉄筋コンクリート造柱のコンクリート内に埋め込まれるものとし、
前記拡径頭部付き鉄筋に、定尺物として準備されている複数種類の長さの拡径頭部付き鉄筋の中から選ばれたものを用い、
隣合う柱間の内のりとなる梁スパンをL0 、梁成をDb、前記柱の梁長さ方向の太さをDcと定めた場合に、
前記各主筋のうちの上端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL1 が、次式(1)、
0.85Dc+L0 /4≦L1 ≦0.85Dc+L0 ×3/4 …(1)
を満足する範囲にあり、
前記各主筋のうちの下端筋の拡径頭部付き鉄筋の長さL2 が、次式(2)または(3)のいずれか、
0.85Dc+Db≦L2 ≦0.85Dc+Db+L0 /4 …(2)
0.85Dc−Db+L0 ×3/4≦L2 ≦0.85Dc−Db+L0 …(3)
を満足する範囲にあり、
適用対象となる建物が、妻面に平行な耐力壁が複数平行に並び、桁方向に沿う両側面に、前記ラーメン構造の柱・梁骨組み体が両側の妻面間に渡って設けられ、かつ両側の妻面に前記ラーメン構造の柱・梁骨組み体を有する建物であって、前記両側の妻面の前記ラーメン構造の柱・梁骨組み体に適用されるコンクリート造梁の配筋施工方法。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記上端筋の前記長さL1 が前記の式(1)を満たし、前記下端筋の前記長さL2 が前記の式(2)または(3)のいずれかを満足する範囲にある構成に代えて、
前記上端筋の前記長さL1 が、次式(4)、
0.75Dc+L0 /4≦L1 ≦(Dc−50mm)+L0 ×3/4 …(4)
を満足する範囲にあり、
前記下端筋の前記長さL2 が次式(5)または(6)のいずれか、
0.75Dc+Db≦L2 ≦(Dc−50mm)+Db+L0 /4 …(5)
0.75Dc−Db+L0 ×3/4≦L2 ≦(Dc−50mm)−Db+L0 …(6)
を満足する範囲にあるものとした、
ことを特徴とするコンクリート造梁の配筋施工方法。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記定尺物として準備されている複数種類の長さの拡径頭部付き鉄筋は、各種類の間で、互いに400〜700mmの長さの差を持つコンクリート造梁の配筋施工方法。
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