JP5654725B2 - せん断補強部材 - Google Patents

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本発明は、せん断力が作用する既設のコンクリート部材の補強に用いるせん断補強部材に関する。
既設のコンクリート部材の中には、非常に大きな地震力によって、せん断破壊に至る可能性が高いものがある。特に、阪神大震災以前に設計および施工された地下鉄、上下水道浄化施設などの各種施設において、その構造物躯体を構成する鉄筋コンクリート造のボックスカルバートや鉄筋コンクリート造の地中埋設構造物の壁やスラブ、橋梁の壁式橋脚などは、せん断補強鉄筋が配筋されていない場合が多く、レベル2地震動に対するせん断耐力の不足や曲げモーメントによる靱性性能の不足が各種の耐震診断の結果から明らかになっており、速やかに耐震補強を行う必要性が指摘されている。
そのため、このような鉄筋コンクリート構造物について、せん断破壊が生じることのないように、補強を行う場合がある。
従来、これらの鉄筋コンクリート構造物の補強方法としては、鉄筋コンクリート構造物の表面に沿って鉄筋を配筋して、コンクリートを打設する増厚工法、鉄筋コンクリート構造物の周囲に鋼板を巻き立て、鉄筋コンクリート構造物と鋼板との隙間にモルタルや樹脂等の充填材を充填する鋼板巻き立て工法(例えば、特許文献1参照)、鉄筋コンクリート構造物の周囲を接着剤等を介して貼着された炭素繊維シートで覆う炭素繊維シート接着工法(例えば、特許文献2参照)等が採用されていた。
ところが、増厚工法は、主鉄筋が増加することから、せん断耐力が向上する一方で、曲げ耐力も増加するため、補強後においてせん断先行破壊型を曲げ先行破壊型に移行させるという要請を実現して、曲げ耐力以上にせん断耐力を増加させることが困難であった。
また、鋼板巻き立て工法は、鋼板の搬入や組み立て等に手間がかかるとともに、大掛かりな揚重機械を必要とし、例えば、地下構造物内や橋梁等の限られた空間では、これらの揚重機械の制約があり、施工が困難な場合があった。
また、炭素繊維シート接着工法は、せん断耐力を向上させるためには、鉄筋コンクリート構造物の全周囲を、炭素繊維シートで囲む必要があり、壁、底版、頂版等の部材のせん断補強には不向きであった。
そのため、特許文献3に示すように、せん断先行破壊型を曲げ先行破壊型に移行させるとともに、現場状況に限定されることなく施工を行うことが可能なコンクリート構造物の補強方法として、既設のコンクリート構造物の補強面から内部に向けて補強部材挿入孔を形成し、この補強部材挿入孔に、異形鉄筋等からなるせん断補強部材を挿入するとともに充填材を充填する補強方法が開示されている。
特開平10−077683号公報 特開平09−277428号公報 特開2003−113673号公報
前記特許文献3に記載の補強方法は、補強部材挿入孔に挿入されたせん断補強部材が、その周面摩擦力により定着することで、補強効果を発揮することを可能とするものである。ところが、コンクリート構造物の部材厚等の施工条件よっては、せん断補強部材としての機能を発揮するために必要な定着長を確保することができず、十分な補強効果を得ることができない場合があるという問題点を有していた。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、より大きなせん断補強効果を得ることを可能とした、せん断補強部材を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明のせん断補強部材は、既設のコンクリート部材に形成された補強部材挿入孔の内部に埋設されるものであって、前記補強部材挿入孔の延長よりも短い長さの棒材と、該棒材の軸方向に沿って所定の間隔を空けて当該棒材に固定される3つ以上の突材と、からなり、前記突材が、前記棒材の周囲に3か所以上の凸部を形成し、該凸部の外幅が、前記棒材の直径に対して110%乃至200%であり、最も基端側に形成された前記突材が前記コンクリート部材の鉄筋と同程度のコンクリート被りが確保できる位置に配置されていることを特徴としている。
かかるせん断補強部材によれば、棒材の直径に対して110%乃至200%の幅を有した凸部が複数形成されているため、せん断補強部材の定着性に優れており、優れたせん断補強効果を発現することが可能となる。
前記せん断補強部材について、前記棒材の軸方向の中間部には棒材のみからなる直線区間を有し、前記直線区間の前後には前記突材を有する凹凸区間を有していてもよい。
かかるせん断補強部材によれば、直線区間において突材を省略することで、せん断補強部材の製作時の手間を省略し、安価に構成することが可能となる。
本発明せん断補強部材により、せん断力が作用する既設のコンクリート部材について、大きなせん断補強効果を得ることが可能となった。
本発明の補強方法の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
第1の実施の形態に係る補強構造1は、図1に示すように、既設のコンクリート部材(以下、単に「コンクリート部材」という場合がある)10に、コンクリート部材10の内面側から主鉄筋と交差する方向に形成された有底の補強部材挿入孔11の内部に配設されるせん断補強部材20と、前記補強部材挿入孔11に充填される充填材30とから構成されている。
コンクリート部材10は、図1に示すように、所定の間隔により縦筋(主鉄筋)R1,R2および横筋(主鉄筋)R3,R4が配筋された鉄筋コンクリート造の部材である。なお、第1の実施の形態では、地下に埋設された既設の鉄筋コンクリート構造物の側壁(コンクリート部材10)を補強する場合について説明するが、補強を行う既設の鉄筋コンクリート構造物の構造体(コンクリート部材10)は側壁等の面材に限定されるものではなく、例えば床版(底版)、天井版(頂版)、梁、柱等であってもよい。また、既設のコンクリート部材10の設置箇所も限定されるものではない。また、第1の実施の形態では、コンクリート部材10として、鉄筋コンクリート部材を補強する場合について説明したが、コンクリート部材10は無筋コンクリート部材であってもよく、その形式は限定されるものではない。
補強部材挿入孔11は、コンクリート部材10の内面側(地山Gと反対側の面)から外面側(地山G側の面)に向けて、せん断補強部材20を設置するために穿孔されたものであり、図2に示すように、コンクリート部材10の施工時の配筋図や非破壊試験の情報をもとに、穿孔時に縦筋(主筋)R1,R2及び横筋(主筋)R3,R4に損傷を与えることのないように、横間隔は縦筋R1,R2と、縦間隔は横筋R3,R4と同間隔で両鉄筋の中央に配置されている。図2(b)に示すように、補強部材挿入孔11の穿孔は、コンクリート部材10の内面側(一面側)から地盤Gと接している外面側(他面側)方向であってコンクリート部材10面に略垂直な方向に、インパクト・ドリルやロータリーハンマ・ドリル、コア・ドリルなどの穿孔手段を用いて、外面側の縦筋R1の位置近傍の深さまで行なわれている。また、補強部材挿入孔11の孔径は、図1に示すように、せん断補強部材20に取り付けられている突材22の外幅に若干の余裕を見込んだ値に形成されている。
なお、補強部材挿入孔11は、せん断補強部材20の挿入時において、充填材30を充填する際に、内部の空気を排出しやすくするために、やや下向きの傾斜を有して形成し、当該充填材30の充填をより完全に行うことができるようにしてもよい。
せん断補強部材20は、図3(a)に示すように、補強部材挿入孔11の延長よりも短い長さの棒材21と、この棒材21の軸方向に沿って所定の間隔を空けて配設される複数の突材22,22,…とにより構成されている。
本実施形態では、せん断補強部材20が、先端(地山G側の端部)が主筋R1,R3の近傍に位置し、また、基端(地山Gと反対側の端部)が、主筋R2,R4よりもコンクリート部材10の表面側に位置するように補強部材挿入孔11に挿入されている。
せん断補強部材20は、棒材21の外周囲に所定の間隔により配設された複数の突材22,22,…により、棒材21の周囲に複数の凸部が形成されている。
第1の実施の形態に係るせん断補強部材20は、図3(a)に示すように、棒材21がねじ鉄筋により構成されており、突材22が棒材21に螺合されるナットにより構成されている。
棒材21を構成する材料はねじ鉄筋に限定されるものではなく、その他の異形鉄筋や鋼棒等、コンクリート部材10のせん断補強に必要な耐力を有するものであれば、限定されるものではない。また、棒材21の断面寸法等も限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
突材22は、棒材21への螺合が可能なナットにより構成されている。突材22は、棒材21の直径に対して110%乃至200%の外幅(外径)を有しており、ねじ鉄筋からなる棒材21に装着されることで、棒材21の周囲に凸部を形成している。本実施形態では、最も基端側(地山Gと反対側)の凸部が、横筋R4と同程度のコンクリート被りが確保できる位置に配置されている。
複数の突材22,22,…は、棒材21の略全長に亘って等間隔で配置された状態で、溶接等により固定されている。なお、突材22の固定方法は限定されるものではなく、例えば接着剤により固定してもよい。
充填材30には、上向きに充填しても流れ落ちることのない性質を有した可塑性のあるセメント系モルタルを用いる。ここで、可塑性のあるセメント系モルタルは、セメントとシリカヒュームや石英粉などのポゾラン物質と増粘材と水とから構成される材料である。なお、充填材30の材質等は、同様の特性を有するものであれば、これに限定されるものではない。
第1の実施の形態に係る補強構造1の構築は、(1)補強部材挿入孔を穿孔する工程と、(2)せん断補強部材を挿入する工程と、の各工程により行う。
(1)補強部材挿入孔を穿孔する工程
本工程は、コンクリート部材10である側壁の内側から外側(地山G側)に向けて、せん断補強部材20を設置するための補強部材挿入孔11を形成する作業を行う工程である。
図2(a)に示すように、補強部材挿入孔11は、コンクリート部材10の施工時の配筋図や非破壊試験の情報をもとに、穿孔時に縦筋R1,R2及び横筋R3,R4に損傷を与えることのないように、横間隔は縦筋R1,R2と、縦間隔は横筋R3,R4と同間隔で両鉄筋の中央に配置する。図2(b)に示すように、補強部材挿入孔11の穿孔は、コンクリート部材10の内側(一面側)から地盤Gと接している外側(他面側)方向であってコンクリート部材10面に略垂直な方向に、インパクト・ドリルやロータリーハンマ・ドリル、コア・ドリルなどの穿孔手段を用いて行う。
そして、補強部材挿入孔11の穿孔が完了したら、当該補強部材挿入孔10内に穿孔のために生じたコンクリート粉を除去する。
(2)せん断補強部材を挿入する工程
本工程は、補強部材挿入孔10にせん断補強部材20を挿入するとともに、当該補強部材挿入孔10に充填材30を注入して、一体化する作業を行う工程である。
まず、補強部材挿入孔10にエポキシ樹脂、セメント系ミルクあるいはセメント系モルタルなどからなる充填材30を注入する。このとき、充填材30の注入量は、適宜設定すればよいが、第1の実施の形態では、せん断補強部材20を挿入した状態で補強部材挿入孔11内が充填される量とする。次に、せん断補強部材20を、補強部材挿入孔10に挿入する。なお、せん断補強部材20の挿入と充填材30の注入の順序はこれに限定されるものではなく、せん断補強部材20を補強部材挿入孔11に挿入した後に、せん断補強部材20と周囲の補強部材挿入孔10の内面の隙間に充填材30を充填してもよい。
以上、第1の実施の形態に係る補強構造1によれば、せん断補強部材20として棒材21の直径に対して110%乃至200%の幅を有する突材22により、異形鉄筋のふしに比べて大きな凸部が形成しているため、大きな定着効果を有している。そのため、従来のせん断補強部材と比較してより大きなコンクリート部材10のせん断補強効果を得ることを可能としている。
なお、前記実施形態では、棒材21に対して突材22を所定の間隔によりほぼ全長に配設するものとしたが、図3(b)に示すせん断補強部材20’のように、比較的付着力が大きな棒材21の中央部分については、突材22の配置を省略して直線区間としてもよい。
このように、突材22の設置を直線区間20a以外の凹凸区間20bのみに限定することで、突材22の材料費の削減およびせん断補強部材20’の製造時の手間を省略することで、費用の削減を図ることが可能となる。
また、せん断補強部材20は、充填材30を介してコンクリート部材10と一体化がなされているため、コンクリート部材10にせん断力Sが作用した際に、このせん断力Sをせん断補強部材20により受け持つことで、コンクリート部材10に発生する亀裂Cを抑制することが可能となる。
また、せん断補強部材20は、先端側に主筋R1,R3と同程度以上のコンクリート被りを確保しているため、何らかの原因で地山G側の表面のコンクリートが剥がれたとしても、定着長は確保しているため、せん断補強部材20による補強効果を維持することを可能としている。
一方、せん断補強部材20の基端側は、最も基端側の凸部が主筋R2,R4と同程度のコンクリート被りを確保できるように配置されていることで、何らかの原因により主筋R2,R4よりも表面側のコンクリートが剥がれたとしても、せん断補強部材20の定着は凸部により確保されているため、せん断補強部材20による補強効果が低下することがない。
なお、図1に示すように、第1の実施の形態では、せん断補強部材20を、せん断補強部材20の基端(地山Gと反対側の端部)が縦筋R2よりも表面側となるように配置しているが、せん断補強部材20の配置はこれに限定されるものではなく、縦筋R2または横筋R4と同程度のコンクリート被りを確保できる位置まで挿入してもよいことはいうまでもない。
また、第1の実施の形態では、せん断補強部材20の先端(地山G側の端部)を、縦筋R1よりも表面側に配置しているが、例えば、横筋R3と同等のコンクリート被りを確保できる深さまで挿入するなど、せん断耐力を増強させるために必要な長さを確保することができれば、せん断補強部材20の先端側の位置は限定されるものではない。
また、せん断補強部材20を横間隔は縦筋R1,R2と、縦間隔は横筋R3,R4と同間隔に配置するものとしたが、例えば、縦筋R1,R2または横筋R3,R4の配筋ピッチの2倍の間隔により配置するなど、せん断補強部材20の配置間隔は限定されるものではない。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態(参考実施形態)に係る補強構造2は、図4(a)に示すように、コンクリート部材10と、コンクリート部材10に形成された補強部材挿入孔11の内部に埋設されるせん断補強部材40と、補強部材挿入孔11に充填される充填材30とを有しており、このせん断補強部材40が、補強部材挿入孔11の延長よりも短い長さの棒材41と、この棒材41の外周面に巻き付けられる螺旋状の突材42とから構成されている点で、第1の実施の形態で示したせん断補強部材20と異なっている。
せん断補強部材40は、棒材41の外周囲に巻き付けられた螺旋状の突材42により、所定の間隔により形成された複数の凸部が、棒材41の周囲に形成されている。
第2の実施の形態では、せん断補強部材40を構成する棒材41を、鋼棒により構成するものとするが、棒材41を構成する材料は、せん断補強部材として必要とされる強度を有した棒材であれば限定されるものではなく、例えば、異形鉄筋、ねじ鉄筋、鋼管等、適宜公知の材料から選定して使用すればよい。また、棒材41の断面寸法等も限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
突材42は、棒材41の直径の10%〜100%の直径を有するように構成されたワイヤーや番線の束等からなる。この突材42を棒材41の外周囲に巻き付ける事により、棒材21の直径に対して110%乃至200%の外幅(外径)を有した凸部を所定の間隔により形成している。
突材42は、棒材41に巻き付けられた状態で溶接や接着等により一体に固定されている。
本実施形態では、せん断補強部材40を補強部材挿入孔11に配置した状態で、主筋R1,R3とR2,R4との間に突材42のほぼ全体が配置されるように構成されている。これにより、何らかの原因によりコンクリート被りが剥がれたとしても、せん断補強部材40はせん断補強に必要な定着を維持することが可能となる。
この他、第2の実施の形態に係る補強構造の構成は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
以上、第2の実施の形態に係る補強構造2およびせん断補強部材40によれば、突材により複数の凸部がせん断補強部材40に形成されていることにより、大きな定着効果を奏する。そのため、従来のせん断補強部材と比較してより大きなコンクリート部材10のせん断補強効果を得ることを可能としている。
この他、第2の実施の形態に係るせん断補強部材40が配設された補強構造2は、第1の実施の形態に係る補強構造1と同様の作用効果を奏する。
なお、第2の実施の形態では、棒材41に対して突材42をほぼ全長に巻き付けるものとしたが、図4(b)に示すせん断補強部材40’のように、比較的付着力が大きな棒材41の中央部分については、突材42の配置を省略して直線区間40aとしてもよい。
このように、突材42を直線区間40a以外の凹凸区間40bのみに限定することで、突材42の材料費の削減およびせん断補強部材40’の製造時の手間を省略し、費用の削減を図ることが可能となる。
また、突材42として、番線の束やワイヤーではなく、螺旋状の鋼棒や小径パイプを使用してもよい。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態(参考実施形態)に係る補強構造3は、図5(a)に示すように、コンクリート部材10と、コンクリート部材10に形成された補強部材挿入孔11の内部に埋設されるせん断補強部材50と、補強部材挿入孔11に充填される充填材30とを有ており、せん断補強部材50が、線材を螺旋状に加工することで内径に対して外径が110%乃至200%となる部材である点で、第1の実施の形態で示した補強構造1と異なっている。
第3の実施の形態に係るせん断補強部材50は、鋼棒や小径パイプ等からなる線材を、この線材の直径に対して1倍〜10倍程度の直径により螺旋状に加工することにより構成されている。
この他、第3の実施の形態に係る補強構造3の構成は、第1の実施の形態に係る補強構造1の構成と同様なため、詳細な説明は省略する。
以上、第3の実施の形態に係る補強構造3およびせん断補強部材50によれば、螺旋状に形成されたせん断補強部材50が、複数の凹凸が形成された棒材と同様に、大きな定着効果を有している。そのため、従来のせん断補強部材と比較してより大きなコンクリート部材10のせん断補強効果を得ることを可能としている。
この他、第3の実施の形態に係る補強構造3およびせん断補強部材50は、前記1の実施の形態に係る補強構造1およびせん断補強部材20と同様の作用効果を奏するため、詳細な説明は省略する。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態(参考実施形態)に係る補強構造4は、コンクリート部材10と、コンクリート部材10に形成された補強部材挿入孔11の内部に埋設されるせん断補強部材60と、補強部材挿入孔11に充填される充填材30とを有しており、このせん断補強部材60が、補強部材挿入孔11の延長よりも短い長さからなり、外周面に複数の凹部62が形成された棒材61により構成されている点で、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態の補強構造1乃至補強構造3と異なっている。
なお、せん断補強部材60は、図5(b)に示すように、棒材61に対して略全長に凹部62を形成してもいいし、図5(c)に示すせん断補強部材60’のように、比較的付着力が大きな棒材61の中央部分については、凹部62を省略して直線区間60aとしてもよい。
この他の第4の実施の形態に係る補強構造4およびせん断補強部材60に関する構成は、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
以上、第4の実施の形態に係る補強構造4およびせん断補強部材60によれば、せん断補強部材60に形成された複数の凹部62により、大きな定着効果が発現される。そのため、従来のせん断補強部材と比較してより大きなコンクリート部材10のせん断補強効果を得ることを可能としている。
この他、第4の実施の形態に係る補強構造4およびせん断補強部材60に関する作用効果は、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、補強対象である既設のコンクリート部材は、コンクリート造であればよく、現場打ち鉄筋コンクリート部材や、プレキャストコンクリート部材等その種類は問わないとともに、補強を行う部位についても限定されず、面材や版材等にも適用可能である。
また、せん断補強部材20の挿入間隔、挿入数、挿入位置等は、前記実施形態に限られず、適宜に定めることができる。
また、前記各実施形態では、せん断補強部材について、同形状のものを所定の間隔により複数配置するものとしたが、コンクリート部材の形状や想定される作用応力の大きさや方向等に応じて、例えば、異なる形状のせん断補強部材を配置したり、せん断補強部材同士の間隔を変化させたりしてもよく、状況に応じて適宜変更することが可能である。
第1の実施の形態に係る補強構造を示す断面図である。 図1に示す補強構造について鉄筋と補強部材挿入孔との位置関係を示す図であって、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。 (a)は図1に示す補強構造の拡大図、(b)は第1の実施の形態に係るせん断補強部材の変形例を示す断面図である。 (a)は第2の実施の形態に係るせん断補強部材を示す断面図、(b)は(a)のせん断補強部材の変形例を示す断面図である。 (a)は第3の実施の形態に係るせん断補強部材を示す断面図、(b)は第4の実施の形態に係るせん断補強部材を示す断面図、(c)は(b)のせん断補強部材の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1,2,3,4 補強構造
10 コンクリート部材
11 補強部材挿入孔
20,40,50,60 せん断補強部材
21,41,61 棒材
22,42 突材
30 充填材

Claims (2)

  1. 既設のコンクリート部材に形成された補強部材挿入孔の内部に埋設されるせん断補強部材であって、
    前記補強部材挿入孔の延長よりも短い長さの棒材と、該棒材の軸方向に沿って所定の間隔を空けて当該棒材に固定される3つ以上の突材と、からなり、
    前記突材が、前記棒材の周囲に3か所以上の凸部を形成し、該凸部の外幅が、前記棒材の直径に対して110%乃至200%であり、
    最も基端側に形成された前記突材が、前記コンクリート部材の鉄筋と同程度のコンクリート被りが確保できる位置に配置されていることを特徴とするせん断補強部材。
  2. 前記棒材の軸方向の中間部には棒材のみからなる直線区間を有し、前記直線区間の前後には前記突材を有する凹凸区間を有していることを特徴とする請求項1に記載のせん断補強部材。
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