本発明の一実施形態に係るパチンコ機について図1〜図24を用いて説明する。以下では、パチンコ機の遊技者に対向する面をパチンコ機の前面とし、パチンコ機の左右方向を遊技者の左右方向に一致させて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、この機枠1に開き戸状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の前面に開き戸状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きなガラス窓3aが設けられたガラス扉3と、前面枠2の下部に開き戸状に開閉自在に取り付けられ、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード4と、この前面ボード4から前方に突出して取り付けられたハンドル6とを備える。ガラス扉4の左上部と右上部とにはスピーカ80が取り付けられている。
図2に示すように、前面枠2の内側には遊技盤30が収容されている。この遊技盤30の前面には遊技領域31が形成されている。この遊技領域31は遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33とによって略円形に区画形成されている。遊技領域31全体は前出のガラス窓3aを通じて見ることができるようになっている。また、遊技盤30の下方には、打撃槌(図示してない)により遊技球を打撃して発射する発射装置10が設けられている。この発射装置10には受皿5から遊技球が1個ずつ供給されるようになっている。発射装置10に遊技球が供給された状態でハンドル6(図1参照)が回動されると、発射装置10はハンドル6の回動量に応じた発射強度で遊技球をガイドレール32に向かって打ち出し、その遊技球はガイドレール32を通じて遊技領域31に導かれるようになっている。
遊技領域31内には、特別図柄表示装置40、普通図柄表示装置41、演出表示装置50の視認窓50a、ステージ51、第1始動口60(特定領域)、電動チューリップ61、スルーチャッカ62、アタッカー装置63、一般入賞口64、アウト口65が設けられている。なお、遊技領域31内には遊技釘、風車が設けられているが、図示を省略した。
電動チューリップ61は、第1始動口60の下方に位置する第2始動口61a(特定領域)と、この第2始動口61aの左右両側方において遊技盤30の前面に直交する軸を中心に回動する1対の羽根部材とを有する。それらの羽根部材はソレノイドにより駆動されて互いに離れる方向に所定の角度回動することで、第2始動口61aの左側方と右側方とに流下してきた遊技球を第2始動口61aに導き入れる状態となる。
第1始動口60または電動チューリップ61の第2始動口61aに遊技球が入賞することを契機に、特別図柄に係る電子抽選が行われるようになっている。その電子抽選の結果に相応する特別図柄を特別図柄表示手段としての特別図柄表示装置40が表示するようになっている。本実施形態において特別図柄表示装置40はセグメント表示器である。この特別図柄表示装置40での特別図柄の表示は、特別図柄が変動した後に停止するという態様で行われる。
アタッカー装置63は、大入賞口63aを開閉する装置である。アタッカー装置63が大入賞口63aを開放した状態は、大入賞口63aの前方に流下してきた遊技球を大入賞口63aに導き入れる状態である。アタッカー装置63が大入賞口63aを閉鎖した状態では遊技球を大入賞口63aに入賞させることはできない。
視認窓50aは遊技盤3の略中央部に設けられていて、この視認窓50aの後方に演出表示装置50が設けられている。この演出表示装置50は動画の表示が可能な演出表示手段であり、本実施形態においては液晶表示装置から成る。この演出表示装置50の表示面50aには、特別図柄に係る電子抽選を演出するための画面が表示されるようになっている。演出表示装置50の表示面50aに表示される演出態様としては、数字から成る左図柄811、中図柄812、右図柄813から構成されたダミー図柄810を、変動した後に停止させるという演出態様がある。この演出態様では、特別図柄表示装置40における特別図柄の変動開始に同期してダミー図柄810の変動が開始され、特別図柄の変動停止に同期してダミー図柄810が停止するようになっている。特別図柄に係る電子抽選の結果が当たりとなった場合、ダミー図柄810は、当たりに対応付けられた所定の並びで、例えば左図柄811、中図柄812、右図柄813がゾロ目に揃って停止するようになっていて、ハズレの場合には左図柄811、中図柄812、右図柄813の少なくとも1つが他とは異なる図柄の状態で停止するようになっている。なお、ダミー図柄810は、数字以外のキャラクタ(漢字、文字、記号、図)であってもよい。
演出表示装置50の視認窓50aは遊技領域31の略中央に大きく設けられているのに対し、特別図柄表示装置40は遊技領域31の右下部に演出表示装置50から離れて、演出表示装置50よりも小さく設けられている。この演出表示装置50と特別図柄表示装置40位置関係は、演出表示装置50に表示された画面を見ている遊技者の視界に特別図柄が入らないことが意図されて設定されている。つまり、特別図柄よりもダミー図柄810を含む動画を遊技者に見せて、遊技者を楽しませるようになっている。
スルーチャッカ62は遊技球が通過可能なゲート構造を成したものである。このスルーチャッカ62を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選が行われるようになっている。その電子抽選の結果(当たり・ハズレ)に相応する普通図柄が、普通図柄表示装置41に表示されるようになっている。この普通図柄表示装置41にも特別図柄と同様に、普通図柄が変動した後に停止するという態様で表示されるようになっている。普通図柄表示装置41は特別図柄表示装置40の隣に設けられている。本実施形態において普通図柄表示装置41は2個のLEDランプで構成されている。普通図柄に係る電子抽選の当たりに相応する普通図柄の停止図柄は、2個のLEDランプのうちの予め決められた一方の点灯が維持された状態であり、ハズレに相応する普通図柄の停止図柄は、2個のLEDランプのうちの他方の点灯が維持された状態である。
ステージ51は演出表示装置50の視認窓50aの下方に広がった構造物であり、このステージ51上で遊技球が転動しながら一時的に滞在するよう形成されている。このステージ51の中央には溝が形成されていて、この溝の真下に第1始動口60が位置している。つまり、その溝から落下した遊技球は、ステージ51の溝以外の位置から落下した場合よりも高い確率で第1始動口60へと導かれるようになっている。
図3に示すように、このパチンコ機Pの背面側には、主制御処理部100と、副制御処理部である演出制御処理部200、特別図柄制御処理部300、普通図柄制御処理部400、ランプ制御処理部500および払出制御処理部600とが、遊技盤3の裏面等に支持部材等を介して設けられている。発射制御処理部700と賞球払出装置601も、パチンコ機Pの背面側に設けられている。主制御処理部100、演出制御処理部200、特別図柄制御処理部300、普通図柄制御処理部400、ランプ制御処理部500、払出制御処理部600、発射制御処理部700はいずれも、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、CPUにより行われる情報処理作業の記憶領域としてのRAM(Random Access Memory)等を備えたものであり、これらの制御処理部がパチンコ機Pを制御するための種々の処理を行うようになっている。
第1始動口60、第2始動口61a、スルーチャッカ62、大入賞口63a、一般入賞口64のそれぞれの内部には、図4に示すように、第1始動口検知センサ91、第2始動口検知センサ92、スルーチャッカ検知センサ93、大入賞口検知センサ94、一般入賞口検知センサ95のそれぞれが設けられている。これらのセンサ90〜95は、遊技球の通過を検知する磁気センサであって、遊技球を検知したときに検知信号(電気信号)を出力するようになっている。それらの検知信号は主制御処理部100に入力されるようになっている。
主制御処理部100は、制御プログラムにより設定された手段として特別図柄用電子抽選手段101を備える。この特別図柄用電子抽選手段101は、第1始動口60に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行うものである。具体的には、特別図柄用電子抽選手段101は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である特別図柄用乱数を生成する特別図柄用乱数発生手段101aと、第1始動口60に遊技球が入賞したことを契機に、すなわち第1始動口検知センサ91からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで、特別図柄用乱数発生手段101aにより発生された特別図柄用乱数を1個取得(ラッチ)する特別図柄用乱数取得手段101bと、この特別図柄用乱数取得手段101bにより取得された特別図柄用乱数が当たりか否かを、主制御処理部100のROMに記憶された特別図柄用判定テーブル101d(図8参照)を参照して判定する特別図柄用乱数当否判定手段101cと、特別図柄の変動中に特別図柄用乱数取得手段101bが特別図柄用乱数を取得した場合に、その特別図柄用乱数を保留球乱数として所定の上限個数N個(Nは2以上の自然数である)まで主制御処理部100のRAMに記憶させる特別図柄用保留球乱数記憶手段101eとを備える。電動チューリップ61の第2始動口61aに対しても特別図柄用電子抽選手段101と同様の特別図柄用電子抽選手段が設けられている(図示省略)。ただし、これら2つの特別図柄用電子抽選手段は特別図柄用乱数発生手段101aを共有する。また、本実施形態において特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶される保留球乱数の上限個数N個は、第1始動口60への遊技球の入賞に基づく保留球乱数、および第2始動口61aへの遊技球の入賞に基づく保留球乱数とも4個に設定されている。
図8に示すように、特別図柄用乱数判定テーブル101dにおいては、0〜39.3の400個の整数から成る特別図柄用乱数うちの0〜398と当否判定No.1を対応付けていて、残りの39.3を当否判定No.2に対応付けている。図9に示すように、当否判定No.1はハズレに相当し、当否判定No.2は当たりに相当する。
図4に示すように、主制御処理部100はさらに、制御プログラムにより設定された手段として、特別図柄用停止図柄抽選手段102を備える。この特別図柄用停止図柄抽選手段102は、特別図柄の停止図柄の種類、すなわち当たりの種類を指定する停止図柄コマンドを、電子抽選により決定するものである。特別図柄用停止図柄抽選手段102は、それらの当たりの種類に予め対応付けられた特別図柄の停止図柄の種類のうちから1種類を抽選により決定するようになっている。電動チューリップ61の第2始動口61aに対しても特別図柄用停止図柄抽選手段102と同様の特別図柄用停止図柄抽選手段が設けられている(図示省略)。
特別図柄に係る当たりの種類としては例えば通常大当たり、確変大当たり、小当たりなどである。通常大当たりとは、遊技球を複数個入賞させるのに十分な時間だけ大入賞口装置63の大入賞口63aを開放することが所定回数(数回から十数回)行われる当たり、すなわち遊技者に通常よりも多くの賞球を獲得できる機会を提供する当たりである。確変大当たりとは、通常よりも特別図柄用乱数の当選確率を高く設定した状態を、通常大当たりと同様の遊技の終了後に提供する当たりである。小当たりとは、遊技球の入賞を狙うには短い時間(例えば0.2秒)だけ大入賞口63aを開放することが通常大当たり時よりも少ない所定回数(例えば2回)行われ、特別図柄用乱数の当選確率が小当たり前の状態に維持される当たりである。これらの当たりの種類のそれぞれには、異なる種類の特別図柄の停止図柄が対応付けられている。
主制御処理部100はさらに、制御プログラムにより設定された手段として特図変動パターンコマンド抽選手段103を備える(「特図」は特別図柄の略)。特図変動パターンコマンド抽選手段103は、特別図柄制御処理部300に与える特図変動パターンコマンドを電子抽選により決定するものである。具体的には、図6に示すように、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である特図変動パターン用乱数を発生させる特図変動パターン用乱数発生手段103aと、この特図変動パターン用乱数発生手段103aにより発生された特図変動パターン用乱数のうち1個を、第1始動口60(特定領域)への遊技球の入賞を契機に、すなわち、第1始動口検知センサ91からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで取得する特図変動パターン用乱数取得手段103bと、この特図変動パターン用乱数取得手段103bにより取得された特図変動パターン用乱数に対応する特図変動パターンNo.と特図変動時間の組合せに相応する特図変動パターンコマンドを、主制御処理部100のROMに記憶された特図変動パターンテーブル103d(詳細は後述する)を参照して決定する変動パターンコマンド選択手段103cとを備える。
特図変動パターンテーブル103dの詳細について説明する。特図変動パターンテーブル103dは、特図変動パターンNo.と特図変動時間との複数種類の組合せのそれぞれと、0〜19の整数から成る20個の特図変動パターン用乱数のそれぞれとの対応関係を規定するものであって、図11に示す当たり用特図変動パターンテーブル103d−1と、図12に示すハズレ用特図変動パターンテーブル103d−21〜103d−24がある。
図11に示す当たり用特図変動パターンテーブル103d−1は、特別図柄用乱数当否判定手段101cによって当否判定No.が「No.2」と判定された場合、すなわち、特別図柄用電子抽選手段101による電子抽選の結果が「当たり」と判定された場合に、特図変動パターンコマンド選択手段103cに参照されるものであり、当たり用特図変動パターンに相応する特図変動パターンNo.と特図変動時間との複数種類の組合せのそれぞれと、特図変動パターン用乱数0〜19のそれぞれとの対応関係を規定するものである。この当たり用特図変動パターンテーブル103d−1おいては、特図変動パターン用乱数0〜16に特図変動パターンNo.1と特図変動時間37.5秒との組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数17に特図変動パターンNo.2と特図変動時間60秒との組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数18に特図変動パターンNo.3と特図変動時間90秒との組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数19に特図変動パターンNo.4と特図変動時間120秒との組合せが対応付けられている。
ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−21〜103d−24は、特別図柄用乱数当否判定手段101cによって当否判定No.が「No.1」と判定された場合、すなわち、特別図柄用電子抽選手段101による電子抽選の結果が「ハズレ」と判定された場合に特図変動パターンコマンド選択手段103cに参照されるものであり、ハズレ用特図変動パターンに相応する特図変動パターンNo.と特図変動時間との複数種類の組合せのそれぞれと、特図変動パターン用乱数0〜19のそれぞれとの対応関係を規定するものである。特図変動パターンコマンド抽選手段103は、それらハズレ用特図変動パターンテーブル103d−21〜103d−24を、保留球乱数の個数に応じて使い分けられる。
具体的には、ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−21は、保留球乱数の個数が0個および1個のときに特図変動パターンコマンド選択手段103cに参照されるものである。このハズレ用特図変動パターンテーブル103d−21においては、特図変動パターン用乱数0〜16に特図変動パターンNo.5と特図変動時間12秒の組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数17に特図変動パターンNo.6と特図変動時間37.5秒との組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数18に特図変動パターンNo.7と特図変動時間90秒との組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数19に特図変動パターンNo.8と特図変動時間120秒との組合せが対応付けられている。
ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−22は、保留球乱数の個数が2個のときに特図変動パターンコマンド選択手段103cに参照されるものである。このハズレ用特図変動パターンテーブル103d−22においては、特図変動パターン用乱数0〜16に特図変動パターンNo.9と特図変動時間7.5秒の組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数17に特図変動パターンNo.10と特図変動時間37.5秒との組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数18に特図変動パターンNo.11と特図変動時間90秒との組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数19に特図変動パターンNo.12と特図変動時間120秒との組合せが対応付けられている。
ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−23は、保留球乱数の個数が3個のときに特図変動パターンコマンド選択手段103cに参照されるものである。このハズレ用特図変動パターンテーブル103d−23においては、特図変動パターン用乱数0〜16に特図変動パターンNo.13と特図変動時間5.0秒との組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数17に特図変動パターンNo.14と特図変動時間37.5秒との組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数18に特図変動パターンNo.15と特図変動時間90秒との組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数19に特図変動パターンNo.16と特図変動時間120秒との組合せが対応付けられている。
ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−24は、保留球乱数の個数が4個のときに特図変動パターンコマンド選択手段103cに参照されるものである。このハズレ用特図変動パターンテーブル103d−24においては、特図変動パターン用乱数0〜16に特図変動パターンNo.17と特図変動時間2.5秒との組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数17に特図変動パターンNo.18と特図変動時間37.5秒との組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数18に特図変動パターンNo.19と特図変動時間90秒との組合せが対応付けられている。また、特図変動パターン用乱数19に特図変動パターンNo.20と特図変動時間120秒との組合せが対応付けられている。
当たり用特図変動パターンテーブル103d−1は、特図変動時間37.5秒が選択されやすく設定されている。また、ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−21〜103d−24のそれぞれは、特図変動時間12秒、7.5秒、5.0秒、2.5秒のそれぞれが選択されやすく設定されている。
主制御処理部100はさらに、制御プログラムにより設定された手段としてアタッカー制御手段105を備える。このアタッカー制御手段105は、第1始動口60に対して設けられた特別図柄用電子抽選手段101による抽選の結果が当たりとなった場合、または、電動チューリップ61の第2始動口61aに対して設けられた特別図柄用電子抽選手段(図示省略)による抽選の結果が当たりとなった場合に、その当たりの種類(通常大当たり、確変大当たり、小当たりなど)に応じてアタッカー装置63のソレノイドを作動させて、パチンコ機Pを当たり遊技状態、すなわち当たりの種類に相応する所定のラウンド数(回数)だけアタッカー装置63に大入賞口63aを開放させるものである。
主制御処理部100はさらに、普通図柄用電子抽選手段106と電動チューリップ制御手段108とを制御プログラムにより設定された手段として備える。普通図柄用電子抽選手段106は、スルーチャッカ62を遊技球が通過したことを契機に、すなわちスルーチャッカ検知センサ93からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで、普通図柄に係る電子抽選を行うものである。具体的には、特別図柄用電子抽選手段101と同様に構成されたものであり、その構成の図示は省略したが、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である普通図柄用乱数を発生させる普通図柄用乱数発生手段と、スルーチャッカ62を遊技球が通過したことを契機に、すなわちスルーチャッカ検知センサ93からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで普通図柄用乱数を1個取得(ラッチ)する普通図柄用乱数取得手段と、この普通図柄用乱数取得手段により取得された普通図柄用乱数の当否を、主制御処理部100のROMに記憶された普通図柄用判定テーブルを参照して判定する普通図柄用乱数当否判定手段と、普通図柄の変動中に普通図柄用乱数取得手段が普通図柄用乱数を取得した場合に、その普通図柄用乱数を普通図柄用保留球乱数として主制御処理部100のRAMに記憶させる普通図柄用保留球乱数記憶手段とを備える。電動チューリップ制御手段108は、普通図柄用乱数当否判定手段による当否判定の結果が当たりである場合に、電動チューリップ61のソレノイドを作動させて左右の羽根部材を開かせ、遊技球を第2始動口61aに導き入れる状態にする。
主制御処理部100はさらに、制御プログラムにより設定された手段として普図変動パターンコマンド抽選手段106を備える。この普図変動パターン抽選手段106は特図変動パターンコマンド抽選手段103と同様に構成されたものであり、普通図柄制御処理部400に与える普図変動パターンコマンドを電子抽選により決定するものである。具体的には、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である普図変動パターン用乱数を発生させる普図変動パターン用乱数発生手段と、この普図変動パターン用乱数発生手段により発生された普図変動パターン用乱数のうち1個を、遊技球がスルーチャッカ62を通過したことを契機に、すなわち、スルーチャッカ検知センサ93からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで取得する普図変動パターン用乱数取得手段と、この普図変動パターン用乱数取得手段により取得された普図変動パターン用乱数に対応する普図変動パターンNo.と普図変動時間との組合せに相応する普図変動パターンコマンドを、主制御処理部100のROMに記憶された普図変動パターンテーブルを参照して決定する普図変動パターンコマンド選択手段とを備える。
前述の特別図柄用乱数発生手段101eにより保留球乱数に対して行われる当否判定の種類には、保留球乱数に基づく遊技(特別図柄の変動開始)の開始時に行われる通常判定と、この通常判定よりも前に行われる先読み判定との2種類がある。特図変動パターンコマンド抽選手段103は、通常判定の結果に基づいて特図変動パターンコマンドを決定するようになっているとともに、先読み判定の結果に基づいて特図変動パターンコマンドを決定するようにもなっている。
先読み判定の結果に基づく特図変動パターンコマンドの決定にあたって、1個目の保留球乱数に対する先読み判定の結果がハズレの場合には、ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−21が参照されて先読みコマンドとしての特図変動パターンコマンドが決定される。これと同様に、2個目の保留球乱数に対する先読み判定の結果がハズレの場合には、ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−22が参照されて先読みコマンドとしての特図変動パターンコマンドが決定されるようになっていて、3個目の保留球乱数に対する先読み判定の結果がハズレの場合には、ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−23が参照されて先読みコマンドとしての特図変動パターンコマンドが決定されるようになっていて、4個目の保留球乱数に対する先読み判定の結果がハズレの場合には、ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−24が参照されて先読みコマンドとしての特図変動パターンコマンドが決定されるようになっている。このため、先読み判定に基づく特図変動パターンコマンドの決定時、通常判定に基づく特図変動パターンコマンドの決定時とで保留球乱数の個数が異なる場合、先読み判定に基づく変動パターンと変動時間との組合せは、通常判定に基づく変動パターンと変動時間との組合せに、一致しないことがある。
先読み判定の結果に基づいて決定された特図変動パターンコマンドは、保留球乱数の発生直後、すなわち保留球乱数の発生時点から決定され次第、先読みコマンドとして演出制御処理部200に送られるようになっている。
演出制御処理部200は、主制御処理部100からの特図変動パターンコマンド(特図変動パターンNo.および特図変動時間の指定)に基づいて演出内容を決定し、その演出内容が実現されるよう演出表示装置50およびスピーカ80を制御するものである。この演出制御処理部200は、制御プログラムにより設定された手段として演出表示制御手段210を備える。この演出表示制御手段210は、主制御処理部100からの特図変動パターンコマンド(特図変動パターンNo.および特図変動時間の指定)に基づいて、ダミー図柄810(複数配列されたキャラクタ(文字、記号、図など))を含む実写やCGなどの動画の表示、すなわち演出表示が表示面50a全体で行われるよう演出表示装置50を制御するものである。
なお、当たり用特図変動パターンテーブル103d−1中の特図変動パターンNo.3と特図変動時間37.5秒との組合せに基づく演出表示は、ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−21〜103d−24中の特図変動パターンNo.6、No.10、No.14、No.18のそれぞれと特図変動時間37.5秒との組合せに基づく演出表示と酷似し、遊技者に特別図柄用乱数の当たりを期待させるリーチ演出に設定されている。また、当たり用特図変動パターンテーブル103d−1中の特図変動パターンNo.3と特図変動時間90秒との組合せに基づく演出表示は、ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−21〜103d−24中の特図変動パターンNo.7、No.11、No.15、No.19のそれぞれと特図変動時間90秒との組合せに基づく演出表示と酷似し、この場合も遊技者に特別図柄用乱数の当たりを期待させるリーチ演出に設定されている。また、当たり用特図変動パターンテーブル103d−1中の特図変動パターンNo.4と特図変動時間120秒との組合せに基づく演出表示は、ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−21〜103d−24中の特図変動パターンNo.8、No.12、No.16、No.20と特図変動時間120秒との組合せに基づく演出表示と酷似し、この場合も遊技者に特別図柄用乱数の当たりを期待させるリーチ演出、いわゆるスーパーリーチ(SPリーチ)に設定されている。
演出制御処理部200は、制御プログラムにより設定された手段として保留表示制御手段211を備える。この保留表示制御手段211は、演出表示装置50(液晶表示装置)の表示面50a内の所定領域が、保留球乱数の存在を表示にする保留表示領域として機能するよう演出表示装置50を制御するものである。具体的には、演出表示装置50の表示面50aの下部に、特別図柄用乱数の保留球乱数の上限個数である4個と同じ個数の保留表示領域、すなわち第1〜第4保留表示領域52A〜52Dが予め設定されていて、保留表示制御手段211は、特別図柄用保留球乱数記憶手段101eが保留球乱数を記憶する度に、すなわち、特別図柄の変動中に第1始動口60への遊技球の入賞を示す検知信号が主制御処理部100に入力される度に、それらの第1〜第4保留表示領域52A〜52Dが左側から順次点灯するよう演出表示装置50を制御するようになっている。
また、保留表示制御手段211は、特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶されている保留球乱数に基づき特別図柄の変動が開始されるとき、第1〜第4保留表示領域52A〜52Dの中に点灯中のものが複数ある場合には、それらの点灯中の保留表示領域が右側から消灯するよう演出表示装置50を制御するようになっている。第1〜第4保留表示領域52A〜52Dの点灯とは、単に発光することのみを意味するのではなく、発色およびキャラクタ(文字、記号、図)の表示などを含む概念とする。なお、保留表示制御手段211は第1始動口60に対応する特別図柄用電子抽選手段101に対して設けられたものであるが、電動チューリップ61の第2始動口61aに対応する特別図柄用電子抽選手段に対しても保留表示制御手段211と同様の保留表示制御手段が設けられている(図示省略)。
特別図柄制御処理部300は、主制御処理部100の特図変動パターンコマンド抽選手段103からの特図変動パターンコマンド(特図変動パターンNo.および特図変動時間の指定)に基づき特別図柄の変動パターンおよび変動時間を決定し、また、特別図柄用停止図柄抽選手段102からの停止図柄コマンドに基づき停止図柄を決定し、これらの決定に基づいて特別図柄表示装置40を制御するものである。特別図柄表示装置40が特別図柄制御処理部300により制御されることによって、特別図柄は変動した後に停止し、その特別図柄の停止状態を、少なくとも所定の待ち時間だけ維持されるよう表示される。所定の待ち時間は、変動により不確定だった特別図柄が停止して確定したことを示すのに必要な時間として予め設定されたものであり、本実施形態においては0.6秒に設定されている。待ち時間0.6秒は、保留球乱数に基づく特別図柄の変動開始時点と、特別図柄の変動開始時点に対して直近の特別図柄の変動停止時点との時間間隔である。特別図柄の停止図柄は、次の特別図柄の変動が開始されるまで表示され続けるようになっているので、保留球乱数が発生しなかった場合には、停止図柄は待ち時間0.6秒よりも長い時間表示され続ける。
普通図柄制御処理部400は、普図変動パターンコマンド抽選手段107により決定された普図変動パターンコマンド(普図変動パターンNo.および普図変動時間の指定)に基づき普通図柄表示装置41を制御するものである。普通図柄表示装置41は普通図柄制御処理部400により制御されることによって、普通図柄を変動表示させた後に停止させて停止図柄を表示する。
ランプ制御処理部500は、主制御処理部100からのコマンドに基づき、パチンコ機Pに設けられた所定のランプや電飾の点灯および消灯を制御するものである。
払出制御処理部600は、CRユニット603からの信号に基づき遊技球が遊技者に貸し出されるよう賞球払出装置601を制御する他、主制御処理部100からの払出コマンドに基づき賞球払出装置601を制御し、賞球を受皿5に払い出させるものである。この賞球払出装置601は、遊技球を1個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット(図示してない)と、このスプロケットを回転させるモータ(図示してない)とを備え、そのモータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、遊技球が第1始動口60、第2始動口61a、大入賞口63a、一般入賞口64のそれぞれに入賞すると、すなわち、第1始動口検知センサ91、第2始動口検知センサ92、大入賞口検知センサ94、一般入賞口検知センサ95のそれぞれにより遊技球の入賞が検知されると、その入賞が検知された入賞口に予め対応付けられた払出コマンドが主制御処理部100から賞球払出装置601に送られ、賞球払出装置601はその払出コマンドに予め対応付けられた個数の遊技球を払い出すようになっている。
発射制御処理部700は、ハンドル6の回動量に応じて発射装置10を制御するものである。具体的には、打撃槌を駆動するソレノイドに対し、ハンドル6の回転量に応じた電流を供給したり、そのソレノイドへの電流の供給を停止したりする制御を行う。なお、この発射制御処理部700は払出制御処理部600と接続されていて、この払出制御処理部600がCRユニット603と接続されていない場合に、払出制御処理部600から発射制御処理部700に発射停止信号が送信されて、発射制御処理部700が発射装置10からの遊技球の発射を停止するようになっている。
特に本実施形態において、演出制御処理部200は制御プログラムにより設定された手段として、変動パターン判定手段212、区間判定手段213、先読み予告抽選手段214、先読み予告動画選択手段215、第1先読み表示制御手段216、変動開始時点算出手段217、第2先読み表示制御手段218、切換タイミング調整手段220、終了タイミング調整手段218を備える。これらの手段212〜220と演出表示装置50とから先読み予告手段が構成されている。この先読み予告手段は、保留球乱数の当否判定の結果に相応する特別図柄の停止図柄が表示される前に、その保留球乱数の当否判定の結果を示唆する先読み予告を行うものであり、この先読み予告を、前述の先読み判定の結果に基づき特図変動パターンコマンド抽選手段103から送られてくる先読みコマンドに基づいて行うようになっている。先読み予告手段を構成する変動パターン判定手段212、区間判定手段213、先読み予告抽選手段214、先読み予告動画選択手段215、第1先読み表示制御手段216、変動開始時点算出手段217、第2先読み表示制御手段218、切換タイミング調整手段220、終了タイミング調整手段218について次に説明する。
変動パターン判定手段212は、4個目(N個目)の保留球乱数の発生時に、4個目よりも前に発生した1個目〜3個目(N−1個目)までの保留球乱数に対する先読み判定の結果に基づいて特図変動パターンコマンド抽選手段103により決定された全ての特図変動パターンコマンド(先読みコマンド)が、特定のハズレ用特図変動パターンのコマンドであるかどうかを判定するものである。特定のハズレ用特図変動パターンのコマンドは、図12に示すハズレ用特図変動パターンテーブル103d−21〜103d−24中の特図変動パターンNo.5、No.9、No.13、No.17に基づくものであり、これらのコマンドに基づく演出はリーチ演出ではなく、かつ当たり用変動パターンと比べて短い特図変動時間が組み合わされたものである。
変動パターン判定手段212はさらに、4個目の保留球乱数に係る先読みコマンドが、前述の特図変動パターンNo.5、No.9、No.13、No.17に基づく特定のハズレ用特図変動パターンのコマンドとは別の特定の特図変動パターンのコマンドであるかを判定するものでもある。別の特定の特図変動パターンのコマンドは、図11に示す当たり用特図変動パターンテーブル103d−1中の特図変動パターンNo.1および変動時間37.5秒に基づくものと、図12に示すハズレ用特図変動パターンテーブル103d−21〜103d−24中の特図変動パターンNo.6、No.10、No.14、No.18および変動時間37.5秒に基づくものである。これら別の特定の特図変動パターンコマンドは互いに酷似し、かつ変動時間が同じリーチ演出である。
区間判定手段213は、4個目の保留球乱数の発生時点において変動中だった特別図柄の変動時間に、複数の特定区間として残り変動時間0〜5秒の区間と残り変動時間10〜15秒の区間との2つを設定し、4個目の保留球乱数の発生時点における残り変動時間が0〜5秒の特定区間内か、10〜15秒の特定区間内か、これら以外か、を判定するものである。
先読み予告抽選手段214は、特別図柄用電子抽選手段101と同様に構成されたものであり、先読み予告を行うか否かの電子抽選(以下「先読み予告抽選」という)を行うものである。具体的には、図7に示すように、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である先読み予告用乱数を発生させる先読み予告用乱数発生手段214aと、先読み予告用乱数を1個取得(ラッチ)する先読み予告用乱数取得手段214bと、この先読み予告用柄用乱数取得手段214bにより取得された先読み予告用乱数の当否を、演出制御処理部200のROMに記憶された先読み予告用判定テーブル214dを参照して判定する先読み予告用乱数当否判定手段214cとを備える。
先読み予告動画選択手段215は、先読み予告に相応する複数種類の先読み予告動画を、演出制御処理部200のROMを利用して予め記憶し、4個目の保留球乱数が先読み予告対象である場合に、それら複数種類の先読み予告動画のうちから1個を選択するものである。具体的には、図13に示すように、2つの特定区間と同じ種類数の先読み予告動画に相応する先読み予告動画No.1、No.2のそれぞれと、それら2つの特定区間のそれぞれとの対応関係を、演出制御処理部200のROMを利用して予め記憶し、それら2つの特定区間のうち4個目の保留球乱数の発生時点を含む特定区間に対応する種類の先読み予告動画を、2種類の先読み予告動画のうちから選択するようになっている。残り変動時間0〜5秒の特定区間には先読み予告動画No.1が対応付けられていて、この先読み予告動画No.1が対応付けられた先読み予告動画の表示時間は47.4秒に設定されている。残り変動時間10〜15秒の特定区間には先読み予告動画No.2が対応付けられていて、この先読み予告動画No.2が対応付けられた先読み予告動画の表示時間は57.4秒に設定されている。先読み予告動画には、左図柄911と中図柄912と右図柄913とから構成されたダミー図柄910が含まれている(図18〜図23参照)。図18〜図22において下向きの矢印は、その位置の図柄が変動中であることを示している。例えば図18(b)においては左図柄911、中図柄912、右図柄913の全てが変動中であることが示されている。また、図19(b)においては左図柄911が停止し、中図柄912と右図柄913が変動中であることが示されている。
第1先読み表示制御手段216は、先読み予告動画選択手段215により選択された先読み予告動画の表示が、演出表示装置50の表示面50a内に設定される第1表示領域から開始されるよう第1表示領域における表示を制御するものである。第1表示領域は、4個目(N個目)の保留球乱数が特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶されてから、遊技の進行に伴ってその4個目の保留球乱数が現在何個目として記憶されているかを表示する第1〜第4保留表示領域52A〜52Dのうちの1個から成る。そして、第1先読み表示制御手段216は、4個目の保留球乱数の発生直後であって4個目の保留球乱数の存在を第4保留表示領域52Dに表示するタイミングで、すなわち、4個目の保留球乱数の発生時と略同時に先読み予告動画の表示を開始するように設定されている。
変動開始時点算出手段217は、1個目から3個目までの保留球乱数のそれぞれの先読み判定の結果に基づいて特図変動パターンコマンド抽選手段103により決定された全ての特図変動パターンコマンドが、特定のハズレ用変動パターンのコマンドである、と変動パターン判定手段212により判定された場合に、第1表示領域での先読み予告動画の表示開始時点を起点とする4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動開始時点を算出するものである。この変動開始時点算出手段217の詳細を図14を用いて説明する。
図14に示すように、変動開始時点算出手段217は、保留球乱数の個数のそれぞれとその個数のときに開始される保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間tとの予め設定された対応関係を、演出制御処理部200のROMを利用して記憶している。その対応関係は、保留球乱数の個数0、1個に対し特別図柄の変動時間12秒が対応付けられていて、保留球乱数の個数2個に対し特別図柄の変動時間7.5秒が対応付けられていて、保留球乱数の個数3個に対し特別図柄の変動時間5.0秒が対応付けられていて、保留球乱数の個数4個に対し特別図柄の変動時間2.5秒が対応付けられている、というものである。また、特別図柄の変動停止から停止図柄の確定までの待ち時間0.6秒も、演出制御処理部200のROMを利用して記憶している。
変動開始時点算出手段217はさらに、4個目の保留球乱数の発生時点において1個目から3個目だった保留球乱数の消化時間T0を算出する消化時間算出手段217aを備えている。この消化時間算出手段217aは、1個目〜3個目の保留球乱数のそれぞれに基づく特別図柄の変動開始の度に、そのときの保留球乱数の個数に対応する変動時間tを12秒、7.5秒、5.0秒および2.5秒のうちから選択し、選択した全ての変動時間tと、1個目〜3個目の保留球乱数のそれぞれに基づく特別図柄の変動停止後の待ち時間0.6秒の全てとを合計することによって消化時間T0を算出するものである。そして、変動開始時点算出手段217は、その消化時間T0に、先読み予告動画の表示開始時点(4個目の保留球乱数の発生時点と略同時点)において変動中の特別図柄の残りの変動時間A秒と、その特別図柄の停止図柄の待ち時間0.6秒とを加算することによって、先読み予告動画の表示開始時点から4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動開始までの所要時間T1を算出し、先読み予告動画の表示開始時点から所要時間T1が経過した時点を変動開始時点として得るようになっている。
ここで4個目の保留球乱数発生後から3個目の保留球乱数の変動が開始されるまでの間において生じる可能性のある保留球乱数の個数の変化のパターンと、それらの変化のパターンでの消化時間T0との関係について次に説明する。
4個目の保留球乱数発生後から3個目の保留球乱数の変動が開始されるまでの間で、新たな保留球乱数が発生しなかった場合には、保留球乱数の個数は「4個→3個→2個」と変化する。この場合、「1個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t→2個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t→3個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t」の変化のパターンは「2.5秒→5.0秒→7.5秒」となる。したがって、消化時間T0は「0.6+(2.5+0.6)+(5.0+0.6)+(7.5+0.6)=16.8〔秒〕」となる。
4個目の保留球乱数発生後から3個目の保留球乱数の変動が開始されるまでの間で、2個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中に新たに1個の保留球乱数が発生した場合には、保留球乱数の個数は「4個→3個→3個」と変化する。この場合、「1個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t→2個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t→3個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t」の変化のパターンは「2.5秒→5.0秒→5.0秒」となる。したがって、消化時間T0は「(2.5+0.6)+(5.0+0.6)+(5.0+0.6)=14.3〔秒〕」となる。
4個目の保留球乱数発生後から3個目の保留球乱数の変動が開始されるまでの間で、2個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中に新たに2個の保留球乱数が発生し、その後は新たな保留球乱数が発生しなかった場合には、保留球乱数の個数は「4個→3個→4個」と変化する。このため、「1個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t→2個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t→3個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t」の変化のパターンは「2.5秒→5.0秒→2.5秒」となる。したがって、消化時間T0は「(2.5+0.6)+(5.0+0.6)+(2.5+0.6)=11.8〔秒〕」となる。
4個目の保留球乱数発生後から3個目の保留球乱数の変動が開始されるまでの間で、1個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中に新たに1個の保留球乱数が発生し、その後に新たな保留球乱数が発生しなかった場合には、保留球乱数の個数は「4個→4個→3個」と変化する。このため、「1個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t→2個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t→3個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t」の変化のパターンは「2.5秒→2.5秒→5.0秒」となる。したがって、消化時間T0は「(2.5+0.6)+(2.5+0.6)+(5.0+0.6)=11.8〔秒〕」となる。
4個目の保留球乱数発生後から3個目の保留球乱数の変動が開始されるまでの間で、1個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中と、2個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中とにそれぞれ1個ずつ新たな保留球乱数が発生した場合には、保留球乱数の個数は「4個→4個→4個」と変化する。このため、「1個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t→2個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t→3個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間t」の変化のパターンは「2.5秒→2.5秒→2.5秒」となる。したがって、消化時間T0は「(2.5+0.6)+(2.5+0.6)+(2.5+0.6)=9.3〔秒〕」となる。
説明を図4に戻す。演出制御処理部200の第2先読み表示制御手段218は、変動開始時点算出手段217により算出された変動開始時点(所要時間T1)に基づき、4個目だった保留球乱数に基づく特別図柄の変動開始と同時に、第1表示領域に表示された先読み予告動画の続きを、演出表示装置50の表示面50a全体から成る第2表示領域に表示させるものである。
終了タイミング調整手段218は、4個目だった保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間(37.5秒)、先読み予告動画の表示時間(47.4秒または57.4秒)、その先読み予告動画の表示開始時点(4個目の保留球乱数の発生時点と略同時点)、変動時点算出手段217により算出された変動開始時点に基づき、4個目だった保留球乱数に基づく特別図柄の変動停止後の待ち時間(0.6秒)の満了に先読み予告動画の表示の終了が同期するよう先読み予告動画の続きの終了のタイミングを調整するものである。
切換タイミング調整手段220は、4個目の保留球乱数の発生時点(先読み予告動画の表示開始時点と略同時点)、および、この発生時点において変動中だった特別図柄の残りの変動時間A(残り変動時間0〜5秒の特定区間内における残り変動時間、または残り変動時間10〜15秒の特定区間内における残り変動時間)に基づき、第1表示領域から第2表示領域への先読み予告動画の表示領域の切換えのタイミングを調整するものである。具体的には、残り変動時間Aが残り変動時間0〜5秒の特定区間内の時間である場合には第1表示領域に表示される先読み予告動画の尺調整時間A0をA秒に設定するようになっていて、残り変動時間Aが残り変動時間10〜15秒の特定区間内の時間である場合には第1表示領域に表示される先読み予告動画の尺調整時間A0を「A−10〔秒〕」に設定するようになっている。
このように構成された本実施形態に係るパチンコ機Pにおいては次のようにして先読み予告が行われる。
特別図柄の変動中に第1始動口60に遊技球が1個入賞すると、その遊技球を第1始動口検知センサ91が検知し、検知信号を主制御処理部100に出力する。主制御処理部100がその検知信号を入力すると、特別図柄用電子抽選手段101においては、特別図柄用乱数発生手段101eにより発生された特別図柄用乱数を特別図柄用乱数取得手段101bが1個取得し、この特別図柄用乱数を保留球乱数として特別図柄用保留球乱数記憶手段101eが記憶する。つまり保留球乱数が発生する。このことに基づいて演出制御処理部200の保留表示制御手段211は演出表示装置50を制御し、これによって、図18に黒く塗り潰して示すように第1保留表示領域52Aが点灯し、1個目の保留球乱数の存在が報知される。その後、1個目の保留球乱数の発生時点において変動中だった特別図柄の変動中に、第1始動口60に2個目、3個目の遊技球が入賞すると、1個目の保留球乱数が発生した際と同様のことが行われて、第2保留表示領域52Bと第3保留表示領域52Cが順次点灯する。
1個目〜3個目の保留球乱数の全てに対して、特別図柄用電子抽選手段101の特別図柄用乱数当否判定手段101cは先読み判定を行う。そして、それらの先読み判定の結果のそれぞれに基づき、特図変動パターンコマンド抽選手段103は、1個目から3個目までの保留球乱数のそれぞれに係る特図変動パターンコマンド、すなわち先読みコマンドを順次決定し、演出制御処理部200に送る。
4個目の保留球乱数が発生すると、演出制御処理部200は図15に示す処理を行う。その処理において、はじめに変動パターン判定手段212は、1個目から3個目までの保留球乱数のそれぞれに係る先読みコマンド(先読み判定に基づく特図変動パターンコマンド)が全て特定のハズレ用特図変動パターンのコマンドかどうかを判定する(ステップS1)。つまり、1個目から3個目までの保留球乱数のそれぞれに係る特図変動パターンNo.が全て、図12に示すハズレ用特図変動パターンテーブル103d−21〜103d−24中のNo.5、No.9、No.13、No.17のいずれかであるかどうかを判定する。今回は、1個目から3個目までの保留球乱数のそれぞれに係る先読みコマンドが全て特定のハズレ用特図変動パターンのコマンドである、と変動パターン判定手段212により判定されとする(ステップS1でYES)。
次に、変動パターン判定手段212は、4個目の保留球乱数に係る先読みコマンドが特定のハズレ用特図変動パターンとは別の特定の特図変動パターンのコマンドであるかどうかを判定する(ステップS2)。つまり、4個目の保留球乱数に係る特図変動パターンNo.が、図11に示す当たり用特図変動パターンテーブル103d−1中のNo.0〜No.16のいずれか、または図12に示すハズレ用変動パターンテーブル103d−24中のNo.18であるかどうかを判定する。今回は、4個目の保留球乱数に係る特図変動パターンNo.が当たり用特図変動パターンNo.0〜16のいずれかだったので、4個目の保留球乱数に係る先読みコマンドが特定のハズレ用特図変動パターンとは別の特定の特図変動パターンのコマンドである、と変動パターン判定手段212により判定されとする(ステップS2でYES)。
次に、区間判定手段213は、4個目の保留球乱数の発生時点において変動中だった特別図柄の変動時間に2つの特定区間、すなわち残り変動時間0〜5秒の特定区間と残り変動時間10〜15秒の特定区間とを設定し、4個目の保留球乱数の発生時点が、残り変動時間0〜5秒の特定区間内か、残り変動時間10〜15秒の特定区間内か、これら以外か、を判定する(ステップS3)。今回は4個目の保留球乱数の発生時点が残り変動時間3.0秒のときだったので、4個目の保留球乱数の発生時点が残り変動時間0〜5秒の特定区間内である、と区間判定手段213により判定されたとする(ステップS3で「0〜5秒または10〜15秒」)。
次に、先読み予告抽選手段214は先読み予告抽選を行う(ステップS4)。今回は先読み予告抽選に当選したとする(ステップS5でYES)。
次に、先読み予告動画選択手段215は、残り変動時間0〜5秒の特定区間と、残り変動時間10〜15の特定区間との2つの特定区間のうち、4個目の保留球乱数の発生時点を含む特定区間に対応する種類の先読み予告動画を、2種類の先読み予告動画のうちから選択する。今回は、ステップS3での判定の結果の例で述べたように、残り変動時間3.0秒のときに4個目の保留球乱数が発生したので、先読み予告動画選択手段215は、残り変動時間0〜5秒の特定区間に対応する先読み予告動画No.1を選択する。
次に、第1先読み表示制御手段216は、第4保留表示領域52Dを第1表示領域として、この第1表示領域内の表示を制御し、先読み予告動画No.1が対応付けられた先読み予告動画を表示する(ステップS7)。ステップS1〜ステップS7までの処理は数ミリ秒で行われることである。したがって、遊技者にとっては、4個目の保留球乱数の発生直後であって4個目の保留球乱数の存在を第4保留表示領域52Dに表示するタイミングで、すなわち4個目の保留球乱数の発生と略同時に、図18に示すように第4保留表示領域52Dに先読み予告動画の表示が開始される。そして、4個目の保留球乱数の発生時点において1個目から3個目だった保留球乱数が順次消化されていくのに伴い、第4保留表示領域52Dだった第1表示領域は、第3保留表示領域52C、第2保留表示領域52B、第1保留表示領域52Aへと移っていく(図18〜図21参照)。
このように第4保留表示領域52Dを第1表示領域として先読み予告動画の表示が開始されると、切換タイミング調整手段220は図16に示す処理を行う。
具体的には、はじめに4個目の保留球乱数の発生時点における特別図柄の残りの変動時間A秒を、尺調整時間A0に仮設定する(ステップS11)。次に、先読み予告動画の種類、すなわち先読み予告動画No.が何であるかの判定を行う(ステップS12)。この判定の結果が先読み予告動画No.1である場合には「尺調整時間A0=A〔秒〕、(0≦A≦5)」に設定される。ステップS12の判定の結果が先読み予告動画No.2である場合には、先読み予告動画No.2に相応する先読み予告動画の表示時間が先読み予告動画No.1に相応する先読み予告動画の表示時間47.4秒よりも10秒だけ長い57.4秒であるため、「尺調整時間A0=A−10〔秒〕、(10≦A≦15)」に設定される(ステップS14)。今回は、ステップS3での判定の際に例示したように、残り変動時間3.0秒のときに4個目の保留球乱数が発生したので、ステップS12における判定の結果は、残り変動時間0〜5秒の特定区間に対応する先読み予告動画No.1であり、「尺調整時間A0=A=3.0〔秒〕」に本設定される。これにより、先読み予告動画のうち第1表示領域に表示される部分の尺は、尺調整時間3.0秒だけ延長される。
また、演出制御処理部200は、4個目の保留球乱数の発生時点から図17に示す処理も行っている。
具体的には、はじめに4個目の保留球乱数の発生時点からその4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動開始までの間、変動開始時点算出手段217は、ステップS21〜ステップS24を行うことによって、4個目の保留球乱数の発生時点において変動中だった特別図柄の変動終了からその4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動開始までの所要時間Taを算出する。この所要時間Taは前述の消化時間T0に待ち時間0.6秒を加算したものである。
ステップS21〜ステップS24を詳細に説明する。変動開始時点算出手段217は、4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動開始までの所要時間Taを、はじめに待ち時間0.6秒に設定する(ステップS21)。その後、4個目の保留球乱数の発生時点において変動中だった特別図柄の変動が停止すると(ステップS22でYES)、次に消化される保留球乱数が1個目の保留球乱数となる(ステップS23でNO)。この1個目の保留球乱数が消化される直前において保留球乱数の個数は4個である。したがって、変動開始時点算出手段217は保留球乱数が4個であることに対応する変動時間tとして2.5秒を選択し、この2.5秒と待ち時間0.6秒を所要時間Taに加算する(ステップS24)。これによって所要時間Taは「0.6+(2.5+0.6)〔秒〕」に変更される。
その後、4個目の保留球乱数の発生時点において1個目だった保留球乱数に基づく特別図柄が停止すると(ステップS22でYES)、次に消化される保留球乱数は4個目の保留球乱数の発生時点において2個目だった保留球乱数となる(ステップS23でNO)。この2個目だった保留球乱数の消化開始時において保留球乱数の個数は3個の場合と4個の場合とがある。保留球乱数の個数が3個の場合とは、4個目の保留球乱数の発生時点において1個目だった保留球乱数に基づく特別図柄の変動中に、新たな保留球乱数が発生しなかった場合である。保留球乱数の個数が4個の場合とは、4個目の保留球乱数の発生時点において1個目だった保留球乱数に基づく特別図柄の変動中に、新たな保留球乱数が発生した場合である。
2個目だった保留球乱数の消化開始時において、保留球乱数の個数が3個である場合、変動開始時点算出手段217は保留球乱数の個数に対応する変動時間tとして5.0秒を選択し、この5.0秒と待ち時間0.6秒を所要時間Taに加算する(ステップS24)。これによって所要時間Taは「0.6+(2.5+0.6)+(5.0+0.6)〔秒〕」に変更される。
2個目だった保留球乱数の消化開始時において、保留球乱数の個数が4個である場合、変動開始時点算出手段217は保留球乱数の個数に対応する変動時間tとして2.5秒を選択し、この2.5秒と待ち時間0.6秒を所要時間Taに加算する(ステップS24)。これによって所要時間Taは「0.6+(2.5+0.6)+(2.5+0.6)〔秒〕」に変更される。
その後、4個目の保留球乱数の発生時点において2個目だった保留球乱数に基づく特別図柄が停止すると(ステップS22でYES)、次に消化される保留球乱数は、4個目の保留球乱数の発生時点において3個目だった保留球乱数となる(ステップS23でNO)。この3個目だった保留球乱数の消化開始時において、保留球乱数の個数は2個の場合と3個の場合と4個の場合とがある。保留球乱数の個数が2個の場合とは、1個目または2個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中に、新たな保留球乱数が発生しなかった場合である。保留球乱数の個数が3個の場合とは、1個目または2個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中に、新たな保留球乱数が1個発生した場合である。保留球乱数の個数が4個の場合とは、1個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動開始から2個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動が停止して待ち時間0.6秒が経過するまでの間に、新たな保留球乱数が2個発生した場合である。
3個目だった保留球乱数の消化開始時において、保留球乱数の個数が2個である場合、変動開始時点算出手段217は、保留球乱数の個数に対応する変動時間tとして7.5秒を選択し、この7.5秒と待ち時間0.6秒を所要時間Taに加算する(ステップS24)。これによって所要時間Taは「0.6+(2.5+0.6)+(5.0+0.6)+(7.5+0.6)=16.8〔秒〕」に変更される。この所要時間Taは、4個目の保留球乱数の発生時点からの保留球乱数の個数の変化のパターンが「4個→3個→2個」だった場合のものである。
3個目だった保留球乱数の消化開始時において、保留球乱数の個数が3個である場合、変動開始時点算出手段217は、保留球乱数の個数に対応する変動時間tとして5.0秒を選択し、この5.0秒と待ち時間0.6秒を所要時間Taに加算する(ステップS24)。これによって所要時間Taは「0.6+(2.5+0.6)+(5.0+0.6)+(5.0+0.6)=14.3〔秒〕」または「0.6+(2.5+0.6)+(2.5+0.6)+(5.0+0.6)=11.8〔秒〕」に変更される。前者の所要時間Taは4個目の保留球乱数の発生時点からの保留球乱数の個数の変化のパターンが「4個→3個→3個」の場合のものであり、後者の所要時間Taはその変化のパターンが「4個→4個→3個」の場合のものである。
3個目だった保留球乱数の消化開始時において、保留球乱数の個数が4個である場合、変動開始時点算出手段217は、保留球乱数の個数に対応する変動時間tとして2.5秒を選択し、この2.5秒と待ち時間0.6秒を所要時間Taに加算する(ステップS24)。これによって所要時間Taは「0.6+(2.5+0.6)+(2.5+0.6)+(2.5+0.6)=9.3〔秒〕」または「0.6+(2.5+0.6)+(5.0+0.6)+(2.5+0.6)=11.8〔秒〕」に変更される。前者の所要時間Taは4個目の保留球乱数の発生時点からの保留球乱数の個数の変化のパターンが「4個→4個→4個」の場合のものであり、後者の所要時間Taはその変化のパターンが「4個→3個→4個」の場合のものである。
このように、4個目であって先読み予告対象である保留球乱数が発生すると「ステップS22でYES→ステップS23でNO→ステップS24」のルーチンが3回行われる。つまり、前述の消化時間T0を算出する処理が行われる。その後、次に消化される保留球乱数が4個目の保留球乱数になると(ステップS24でYES)、変動開始時点算出手段217は、所要時間Ta(待ち時間0.6秒+消化時間T0(9.3秒後、11.8秒後、14.3秒後または16.8秒後))に先読み予告動画の表示開始時点(4個目の保留球乱数の発生時点とほぼ同時点)において変動中だった特別図柄の残り変動時間Aを加算して所要時間T1を得る。そして、先読み予告動画の表示開始時点から所要時間T1が経過した時点を、変動開始時点に決定する(ステップS25)。
次に、終了タイミング調整手段218は、4個目だった保留球乱数に基づく特別図柄の変動時間(37.5秒)、先読み予告動画の表示時間(47.4秒または57.4秒)、その先読み予告動画の表示開始時点(4個目の保留球乱数の発生時点と略同時点)、変動時点算出手段217により決定された変動開始時点に基づき、4個目だった保留球乱数に基づく特別図柄の変動停止後の待ち時間(0.6秒)の満了に先読み予告動画の表示の終了が同期するよう先読み予告動画の続きの終了のタイミングを調整する。具体的には、消化時間T0(9.3秒、11.8秒、14.3秒または16.8秒)に基づき、第2表示領域すなわち演出表示装置50の表示面50aへの先読み予告動画の続きの尺調整回数を決定する(ステップS26)。消化時間T0が9.3秒の場合には尺調整回数を0回、すなわち調整を行わないことに決定し、消化時間T0が11.8秒の場合には尺調整回数を1回に決定し、消化時間Tが14.3秒の場合には尺調整回数を2回に決定し、消化時間T0が16.8秒の場合には尺調整回数を3回に決定する。1回の尺調整に使用する尺調整用動画の長さは2.5秒であり、先読み予告動画中の所定の場面に挿入される。尺調整用動画の内容は所定の場面を延長するものであり、その延長によって遊技者に違和感を生じさせないものに設定されている。なお、尺調整時間の長さが2.5秒に設定されているのは、消化時間T0の種類が9.3秒、11.8秒、14.3秒、16.8秒であって、9.3秒と11.8秒の差、11.8秒と14.3秒の差、14.3秒と16.8秒の差が全て同じ差の2.5秒だからである。
最後に、第2先読み表示制御手段218は、第1表示領域としての第1保留表示領域52Aに表示中の先読み予告動画の続きを、変動開始時点算出手段217により決定された変動開始時点に達したタイミングで、第2表示領域である演出表示装置50の表示面50a全体に表示する(ステップS27)。これによって4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動開始と略同時に、先読み予告動画の続きが演出表示装置50の表示面50a全体に表示される。この結果、先読み予告動画の続きは、4個目だった保留球乱数の当否判定を、その4個目だった保留球乱数に基づく特別図柄の変動中も演出し続け、これにより、先読み予告ではない場合に演出表示制御手段210によって表示される動画800と同じ機能を果たす。
このようにして先読み予告動画の続きが表示されると、その先読み予告動画の続きの表示時間は、終了タイミング調整手段218により決定された尺調整回数に基づき調整される。これにより、特別図柄の変動停止後の待ち時間0.6秒の満了に同期して、先読み予告動画の続きの表示が終了する。つまり、ダミー図柄810の停止図柄が、特別図柄の停止図柄に同期して待ち時間0.6秒だけ表示され、先読み予告動画の続きの表示が終了する。
図15〜図17の処理により実現される先読み予告動画の表示の具体例を、図18〜図23を用いて次に説明する。
図18に示すように、ダミー図柄810を含む通常演出の動画800の表示中に4個目で先読み予告対象である保留球乱数が発生すると、4個目の保留球乱数の存在を表示する第4保留表示領域52Dが第1表示領域となり、この第4保留表示領域において先読み予告動画900の表示が開始される。この先読み予告動画900では、ダミー図柄910の左図柄911、中図柄912、右図柄913の全てが変動を開始する(図18(b)参照)。
図19(a)に示すように、4個目の保留球乱数の発生時点において1個目だった保留球乱数の消化が終了すると、第3保留表示領域52Cが第1表示領域となって、第4保留表示領域52Dに表示されていた先読み予告動画900の続きが第3保留表示領域52Cに表示される。そして、第3保留表示領域52Cにおける先読み予告動画900の表示中、図19(b)に示すようにダミー図柄910の背景の変化が進行しつつ、ダミー図柄910中の左図柄911のみが「7」で停止する。
なお、図19(a)では第4保留表示領域52Dを2点鎖線で描いてある。これは第4保留表示領域52Dが点灯していないために実際は第4保留表示領域52Dが表示されていない状態であることを示している。図20(a)〜図23(a)中に2点鎖線で描かれた保留表示領域についても、図19(a)の第4保留表示領域52Dと同じ状態であることを示している。
図20(a)に示すように、4個目の保留球乱数の発生時点において2個目だった保留球乱数の消化が終了すると、第2保留表示領域52Bが第1表示領域となって、第3保留表示領域52Cに表示されていた先読み予告動画900の続きが第2保留表示領域52Bに表示される。そして、第2保留表示領域52Bにおける先読み予告動画900の表示中、図20(b)に示すようにダミー図柄910の背景の変化が進行しつつ、ダミー図柄910の左図柄911のみが「7」で停止した状態が継続される。
図21(a)に示すように、4個目の保留球乱数の発生時点において3個目だった保留球乱数の消化が終了すると、第1保留表示領域52Aが第1表示領域となって、第2保留表示領域52Bに表示されていた先読み予告動画の続きが第1保留表示領域52Aに表示される。そして、第1保留表示領域52Aにおける先読み予告動画の表示中、図21(b)に示すようにダミー図柄910の背景の変化が進行しつつ、ダミー図柄910において左図柄911に加え右図柄913が「7」で停止した状態となる。
図22に示すように、4個目だった保留球乱数の消化が開始されると、第2表示領域である演出表示装置50の表示面50a全体に、第1保留表示領域52Aに表示されていた先読み予告動画900の続きが表示される。そして、表示面50a全体における先読み予告動画900の表示中、ダミー図柄910の背景の変化が進行しつつ、ダミー図柄910において左図柄911と右図柄913が「7」で停止した状態で、中図柄912の変動状態が継続される。
図23に示すように、最終的に先読み予告動画900のダミー図柄910は、「777」というゾロ目の停止図柄となって停止する。つまり、4個目だった保留球乱数の当否判定の結果が当たりであることが報知される。
このようにして先読み予告動画900が表示されている間、切換タイミング調整手段および終了タイミング調整手段により、先読み予告動画の尺調整が行われることは既に述べた。その調整の様子の一例を、図24を用いて次に説明する。
図24に示す例は、特別図柄の残り変動時間3.0秒のときに4個目で先読み予告対象である保留球乱数が発生し、この保留球乱数の発生時点から保留球乱数の個数が「4個→3個→2個」というパターンで変化した場合である。
先読み予告動画900(先読み予告動画No.1)の表示時間は、尺調整が行われない場合に最短表示時間の47.4秒(=Sa+Sb+Sc+Sd+Se+Sf)になる。しかし、今回は、4個目の保留球乱数の発生時点からの保留球乱数の個数の変化のパターンが「4個→3個→2個」であること、および、特別図柄の残り変動時間3.0秒のときに4個目で先読み予告対象である保留球乱数が発生したことに基づき尺調整が行われ、これによって表示時間は最短表示時間47.4秒よりも長くなる。その尺調整は、4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の(1)変動開始前と(2)変動開始後の両方において行われる。
(1) 変動開始前の先読み予告動画の尺調整について
今回、4個目の保留球乱数の発生時点からの保留球乱数の個数の変化のパターンは「4個→3個→2個」であり、4個目の保留球乱数の発生時点における特別図柄の残り変動時間3.0秒であるから、消化時間16.8秒と、4個目の保留球乱数の発生時において変動中だった特別図柄の残り変動時間3.0秒と、その特別図柄の停止図柄の待ち時間0.6秒とを合計した所要時間T1は「0.6+16.8+3.0=19.4〔秒〕」である。したがって、先読み予告動画900は、4個目の保留球乱数の発生時点と略同時点から所定時間T1が経過するまで、第1表示領域に表示されることになる。
また、尺調整時間A0は、4個目の保留球乱数の発生時点における特別図柄の残りの変動時間3.0秒である。この尺調整時間3.0秒分の尺調整用動画は、第1表示領域における先読み予告動画900の表示開始時点0から表示時間Saが経過したときに、第1表示領域に表示中の先読み予告動画900に挿入される。これによって、4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動開始と、第1表示領域から第2表示領域への先読み予告動画900の表示領域の切換えが同期する。
今回と異なり、4個目の保留球乱数の発生時点における特別図柄の残りの変動時間が残り変動時間0〜5秒の特定区間内の3.0秒以外の残り変動時間である場合には、その残り変動時間が尺調整時間に設定され、これによって、4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動開始と、第1表示領域から第2表示領域への先読み予告動画900の表示領域の切換えが同期するようになる。また、4個目の保留球乱数の発生時点における特別図柄の残りの変動時間が残り変動時間10〜15秒の特定区間内の残り変動時間である場合には、その残り変動時間から10秒を減算した時間(A−10〔秒〕)が尺調整時間に設定され、これによって、4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動開始と、第1表示領域から第2表示領域への先読み予告動画900の表示領域の切換えが同期するようになる。
なお、先読み予告動画900の表示開始から尺調整用動画の表示開始までの時間Saと、尺調整用動画の終了から第2表示領域における先読み予告動画の表示開始までの時間Sbとの合計が、前述の所要時間Ta、すなわち4個目の保留球乱数の発生時点において変動中であった特別図柄の停止図柄の待ち時間0.6秒を、消化時間T0に加算した時間である。
(2) 変動開始後の先読み予告動画の尺調整について
4個目の保留球乱数が先読み予告対象である場合、その4個目の保留球乱数に基づく変動時間は37.5秒である。この37.5秒に待ち時間0.6秒を加算した38.1秒が図24中の時間T2である。また、先読み予告動画900の最短表示時間47.4秒から所要時間Ta(=Sa+Sb=17.4秒を減算した時間は30秒であり、この30秒にダミー図柄910の停止図柄の待ち時間0.6秒が加算された時間は30.6秒である。この30.6秒は、時間T2である38.1秒よりも短い。つまり、その30.6秒を先読み予告動画900の続きの表示時間とした場合には、特別図柄が停止して待ち時間0.6秒が経過するときよりも早く先読み予告動画900の表示が終了することになり、4個目だった保留球乱数に基づく特別図柄の変動停止後の待ち時間0.6秒の満了に、先読み予告動画900の表示終了が同期しない。そこで今回は、消化時間T0が16.8秒であることに基づき尺調整回数が3回に決定され、これによって先読み予告動画900に2.5秒の尺調整用動画が3回挿入され、第2表示領域における先読み予告動画の表示時間が38.1秒に延長され、これによって、4個目だった保留球乱数に基づく特別図柄の変動停止後の待ち時間0.6秒の満了に、先読み予告動画900の表示終了が同期するようになる。1回目、2回目、3回目の尺調用整動画はそれぞれ、3つの所定の場面のそれぞれを延長するものである。
今回と異なり、消化時間T0が9.3秒だった場合には尺調整回数は0回に決定され、消化時間T0が11.8秒だった場合には尺調整回数は1回に決定され、消化時間T0が14.3秒だった場合には尺調整回数は2回に決定される。尺調整回数が1回に決定された場合には図24中の1回目の尺調整と同じ尺調整が行われる。尺調整回数が2回に決定された場合には、図24中の1回目と2回目の尺調整と同じ尺調整が行われる。
本実施形態に係るパチンコ機Pによれば次の効果を得られる。
本実施形態に係るパチンコ機Pにおいては、先読み予告動画の表示を第1表示領域から開始し、その先読み予告動画の続きを第2表示領域に表示する先読み予告を行うので、その先読み予告が実行されてから、先読み予告対象の保留球乱数の当否判定を演出する動画の表示が演出表示装置50の表示面50aで開始されるまでの時間帯に、すなわち、4個目で先読み予告対象である保留球乱数が発生してから、その4個目よりも古い1個目から3個目までの保留球乱数が全て消化されていく時間帯に、先読み予告対象の保留球乱数の当否判定を演出する動画の始まりからの一部を、遊技者に見せることができる。この結果、先読み予告の実行後に遊技者に与えてしまう退屈さを軽減するこができる。
本実施形態に係るパチンコ機Pにおいて、先読み予告動画選択手段215は、2つの特定区間のうち4個目の保留球乱数の発生時点を含む特定区間に対応する種類の先読み予告動画を、2種類の先読み予告動画のうちから選択する。そして、第1先読み表示制御手段216は、4個目の保留球乱数の発生直後であって保留表示領域に4個目の保留球乱数の存在を表示するタイミングで、先読み予告動画の表示を開始する。4個目の保留球乱数が発生する時点は様々であるので、切換タイミング調整手段220は、4個目の保留球乱数の発生時点、この発生時点において変動中だった特別図柄の残りの変動時間、および、その特別図柄の変動停止後の待ち時間に基づき、第1表示領域から第2表示領域への先読み予告動画の表示領域の切換えのタイミングを調整する。これによって、4個目の保留球乱数の発生直後であって第4保留表示領域52Dに4個目の保留球乱数の存在を表示するタイミングで先読み予告動画の表示を開始することと、第1表示領域から第2表示領域への先読み予告動画の表示領域の切換えのタイミングを4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動開始に同期させることとを両立できる。
なお、本実施形態に係るパチンコ機Pにおいて、先読み予告手段は、第1先読み表示制御手段216が第1表示領域への先読み予告動画の表示を、4個目の保留球乱数の発生直後であってその4個目の保留球乱数の存在を第4保留表示領域52Dに表示するタイミングで行うように設定されたものであり、かつ、切換タイミング調整手段220が4個目の保留球乱数の発生時点において変動中だった特別図柄の残りの変動時間に基づき、第1表示領域から第2表示領域への先読み予告動画の表示領域の切換えのタイミングを調整するように設定されたものである。本発明における先読み予告手段はそれらの設定に限定されるものではなく、第1先読み表示制御手段216が第1表示領域に先読み予告動画を表示するタイミングを所定時点に固定して、例えば4個目の保留球乱数の発生時に変動中だった特別図柄の変動停止時点から所定時間前の時点に固定して、切換タイミング調整手段を省いてもよい。
本実施形態に係るパチンコ機Pにおいて、残り変動時間0〜5秒の特定区間および残り変動時間10〜15秒の特定区間のそれぞれに対し、1種類の先読み予告動画が1つずつ対応付けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数種類の先読み予告動画が対応付けられていて、それら複数種類の先読み予告動画を抽選により決定するようになっていてもよい。
本実施形態に係るパチンコ機Pにおいて、先読み予告動画の表示は保留球乱数の上限個数N個目(4個目)の保留球乱数に限定されていたが、1個目よりも新しくN−1個目以前の保留球乱数に基づいて先読み予告動画の表示を行うことも考えられる。