本発明の実施形態に係るパチンコ機について説明する。
[第1実施形態]
はじめに、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機について図1〜22を用いて説明する。以下では、パチンコ機の遊技者に対向する面をパチンコ機の前面とし、パチンコ機の左右方向を遊技者の左右方向に一致させて説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に開き戸状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の前面に開き戸状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きなガラス窓3aが設けられたガラス扉3と、前面枠2の下部に開き戸状に開閉自在に取り付けられ、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード4と、この前面ボード4から前方に突出して取り付けられたハンドル6とを備える。ガラス扉4の左上部と右上部にはスピーカ80が取り付けられている。
図2に示すように、前面枠2の内側には遊技盤30が収容されている。この遊技盤30の前面には遊技領域31が形成されている。この遊技領域31は遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33とによって略円形に区画形成されている。遊技領域31全体は前出のガラス窓3aを通じて見ることができるようになっている。また、遊技盤30の下方には、打撃槌により遊技球を打撃して発射する発射装置10が設けられている。この発射装置10には受皿5から遊技球が1個ずつ供給されるようになっていて、発射装置10に遊技球が供給された状態でハンドル6が回動されると、発射装置10はハンドル6の回動量に応じた発射強度で遊技球をガイドレール32に向かって打ち出し、これにより遊技球はガイドレール32を通じて遊技領域31に導かれる。
遊技領域31内には、特別図柄表示装置40、普通図柄表示装置41、演出表示装置50の視認窓50a、ステージ51、第1始動口60(特定領域)、電動チューリップ61(特定領域)、スルーチャッカ62、アタッカー装置63、一般入賞口64、アウト口65が設けられている。これらの詳細について次に説明する。なお、これらの他に、遊技領域31内には遊技釘、風車が設けられているが、図示は省略した。
特別図柄表示装置40(特別図柄表示手段)は、第1始動口60または電動チューリップ61の第2始動口61aに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するものである。具体的には、その電子抽選の結果を、特別図柄を変動させた後に停止させるといった態様で表示するものである。第1実施形態において特別図柄表示装置40はセグメント表示器であり、演出表示装置50を見ている遊技者の視界に同時に入らないように、遊技領域31の右下部分に演出表示装置50から離れて設けられている。
視認窓50aは遊技盤3の略中央部に設けられていて、この視認窓50aの後方に演出表示装置50が設けられている。この演出表示装置50は、第1始動口60または電動チューリップ61の第2始動口61aに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものである。第1実施形態において演出表示装置50は液晶表示装置である。
演出表示装置50の画面51に表示される演出態様としては、特別図柄表示装置40に変動表示される特別図柄と同期するようダミー図柄(複数配列されたキャラクタ(文字、記号、図など))が変動表示され、特別図柄に係る電子抽選の結果が当たりとなった場合に例えば同一のダミー図柄が「444」や「555」などのように揃って停止する、という演出態様がある。
スルーチャッカ62は遊技球が通過可能なゲート構造を成したものである。このスルーチャッカ62を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選が行われると、その電子抽選の結果が普通図柄表示装置41に表示されるようになっている。この普通図柄表示装置41は特別図柄表示装置40の隣に設けられている。第1実施形態において普通図柄表示装置41は2個のLEDランプで構成されていて、普通図柄に係る電子抽選の当たり時には2個のLEDランプのうちの予め決められた一方が点灯し、ハズレ時には同じく2個のLEDランプのうちの他方が点灯するようになっている。
電動チューリップ61は、第1始動口60の下方に位置する第2始動口61a(特定領域)と、この第2始動口61aの左右両側方において遊技盤30の前面に直交する軸を中心に回動する1対の羽根部材とを有する。それらの羽根部材はソレノイドにより駆動されて互いに離れる方向に所定の角度回動し、第2始動口61aに遊技球を導き入れる状態となる。
ステージ51は演出表示装置50の視認窓50aの下方に広がっていて、ステージ51に載った遊技球が転動しながら一時的に滞在するよう形成された構造物である。このステージ51の中央には溝が形成されていて、この溝の真下に第1始動口60が位置している。つまり、その溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動口60へと導かれるようになっている。
アタッカー装置63は、大入賞口63aを開閉する装置である。アタッカー装置63が大入賞口63aを開放した状態は、大入賞口63aの前方に流下してきた遊技球を大入賞口63aに導き入れる状態である。アタッカー装置63が大入賞口63aを閉鎖した状態では遊技球を大入賞口63aに入賞させることはできない。パチンコ機Pは、大入賞口63aへの遊技球の入賞に伴い賞球払出装置601により所定個数の賞球を受皿5に遊技者に払い出すようになっている。
大入賞口63aだけでなく、第1始動口60、電動チューリップ61に有された第2始動口61a、一般入賞口64のいずれに遊技球が入賞した場合も、賞球払出装置601は賞球を受皿5に払い出すようになっている。第1始動口60、第2始動口61a、一般入賞口64のいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口65から回収されるようになっている。
図3に示すように、このパチンコ機Pの背面側には、主制御処理部100と、副制御処理部である演出制御処理部200、特別図柄制御処理部300、普通図柄制御処理部400、ランプ制御処理部500および払出制御処理部600とが、遊技盤3の裏面等に支持部材等を介して設けられている。発射制御処理部700と賞球払出装置601も、パチンコ機Pの背面側に設けられている。主制御処理部100、演出制御処理部200、特別図柄制御処理部300、普通図柄制御処理部400、ランプ制御処理部500、払出制御処理部600、発射制御処理部700はいずれも、CPU(Central Processing Unit)、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、CPUにより行われる情報処理作業の記憶領域としてのRAM(Random Access Memory)等を備えたものであって、CPUでROMに格納された制御プログラムを実行することにより、パチンコ機Pの遊技および演出に関する種々の処理を行うようになっている。
第1始動口60、第2始動口61a、スルーチャッカ62、大入賞口63a、一般入賞口64のそれぞれの内部には、図4に示すように、第1始動口検知センサ91、第2始動口検知センサ92、スルーチャッカ検知センサ93、大入賞口検知センサ94、一般入賞口検知センサ95のそれぞれが設けられている。これら始動口検知センサ90、スルーチャッカ91、大入賞口検知センサ92、一般入賞口検知センサ93は、磁気センサであって遊技球の通過を検知するものであって、遊技球を検知したときに検知信号(電気信号)を出力するようになっている。それらの検知信号は主制御処理部100に入力されるようになっている。
主制御処理部100は、制御プログラムにより設定された手段として特別図柄用電子抽選手段101を備える。この特別図柄用電子抽選手段101は、第1始動口60に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行うものである。具体的には、特別図柄用電子抽選手段101は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である特別図柄用乱数を生成する特別図柄用乱数発生手段101aと、第1始動口60に遊技球が入賞したことを契機に、すなわち第1始動口検知センサ91からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで、特別図柄用乱数発生手段101aにより発生された特別図柄用乱数を1個取得(ラッチ)する特別図柄用乱数取得手段101bと、この特別図柄用乱数取得手段101bにより取得された特別図柄用乱数が当たりか否かを、主制御処理部100のROMに記憶された特別図柄用判定テーブル101d(図9に示す)を参照して判定する特別図柄用乱数当否判定手段101cと、特別図柄の変動中に特別図柄用乱数取得手段101bが特別図柄用乱数を取得した場合に、その特別図柄用乱数を保留球乱数として所定の上限個数(例えば4個)まで主制御処理部100のRAMに記憶させる特別図柄用保留球乱数記憶手段101eとを備える。電動チューリップ61の第2始動口61aに対しても特別図柄用電子抽選手段101と同様の特別図柄用電子抽選手段が設けられている(図示省略)。ただし、これら2つの特別図柄用電子抽選手段は特別図柄用乱数発生手段101aを共有する。
第1実施形態では、特別図柄用乱数として0〜399の400個の整数が用いられる。図9に示すように、特別図柄用乱数判定テーブル101dは、それら400個の特別図柄用乱数のうち0〜398と当否判定No.1を対応付けていて、同じく400個の特別図柄用乱数のうち399を当否判定No.2に対応付けている。図10に示すように、当否判定No.1はハズレに対応付けられていて、当否判定No.2は当たりに対応付けられている。
図4に示すように、主制御処理部100はさらに、制御プログラムにより設定された手段として、特別図柄抽選手段102を備える。この特別図柄抽選手段102は、特別図柄用電子抽選手段101による抽選の結果に基づき特別図柄の停止図柄の種類、すなわち当たりの種類を指定するコマンドである停止図柄コマンドを、電子抽選により決定するものである。当たりの種類には、通常大当たり、確変大当たり、小当たりなどがある。通常大当たりとは、遊技球を複数個入賞させるのに十分な時間だけ大入賞口装置63の大入賞口63aを開放することが所定回数(数回から十数回)行われる当たり、すなわち遊技者に通常よりも多くの賞球を獲得できる機会を提供する当たりである。確変大当たりとは、通常よりも特別図柄用乱数の当選確率を高く設定した状態を、通常大当たりに基づく遊技の終了後に提供する当たりである。小当たりとは、遊技球の入賞を狙うには短い時間(例えば0.2秒)だけ大入賞口63aを開放することが通常大当たり時よりも少ない所定回数(例えば2回)行われ、特別図柄用乱数の当選確率が小当たり前の状態に維持される当たりである。特別図柄決定手段102は、それらの当たりの種類に予め対応付けられた特別図柄の停止図柄の種類のうちから1種類を抽選により決定するようになっている。電動チューリップ61の第2始動口61aに対しても特別図柄抽選手段102と同様の特別図柄抽選手段が設けられている(図示省略)。
主制御処理部100はさらに、制御プログラムにより設定された手段として特図変動パターンコマンド抽選手段103を備える。特図変動パターンコマンド抽選手段103は、特別図柄制御処理部300に与える特図変動パターンコマンドを電子抽選により決定するものである。具体的には、図6に示すように、特図変動パターン用乱数を発生させる特図変動パターン用乱数発生手段103aと、この特図変動パターン用乱数発生手段103aにより発生された特図変動パターン用乱数のうち1個を、第1始動口60への遊技球の入賞を契機に、すなわち、第1始動口検知センサ91からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで取得する特図変動パターン用乱数取得手段103bと、この特図変動パターン用乱数取得手段103bにより取得された特図変動パターン用乱数に対応する特図変動パターンNo.および特図変動時間を、主制御処理部100のROMに記憶された特図変動パターンコマンドテーブル103d中から選択する変動パターンコマンド選択手段103cとを備える。
特図変動パターン用乱数発生手段131についてより詳細に説明する。特図変動パターン用乱数発生手段103aは、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることにより、ソフトウェア乱数である特図変動パターン用乱数を発生させるようになっている。第1実施形態では、その特図変動パターン用乱数として0〜19の20個の整数が用いられている。
特図変動パターンコマンドテーブル103dは、特図変動パターン用乱数と特図変動パターンNo.と特図変動時間との対応関係を規定するものであり、図12,図13に示すように、当たり用特図変動パターンテーブル103d−1とハズレ用特図変動パターンテーブル103d−2の2種類がある。図11に示すように、当たり用特図変動パターンテーブル103d−1は、特別図柄用乱数当否判定手段101cによって当否判定No.が「No.2」と判定された場合、すなわち、特別図柄用電子抽選手段101による電子抽選の結果が「当たり」である場合に用いられるものである。この当たり用特図変動パターンテーブル103d−1の内容の一部を説明すると、特図変動パターン用乱数0に特図変動パターンNo.1と特図変動時間15秒が対応付けられていて、また、特図変動パターン用乱数1に特図変動パターンNo.2と特図変動時間20秒が対応付けられていて、また、特図変動パターン用乱数2に特図変動パターンNo.3と特図変動時間30秒が対応付けられていて、また、特図変動パターン用乱数19に特図変動パターンNo.20と特図変動時間120秒が対応付けられている。その他の対応関係については図示も説明も省略する。
ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−2は、特別図柄用乱数当否判定手段101cによって当否判定No.が「No.1」と判定された場合、すなわち、特別図柄用電子抽選手段101による電子抽選の結果が「ハズレ」である場合に用いられるものである。このハズレ用特図変動パターンテーブル103d−2の内容の一部を説明すると、特図変動パターン用乱数0に特図変動パターンNo.21と特図変動時間3秒が対応付けられていて、また、特図変動パターン用乱数1に特図変動パターンNo.22と特図変動時間5秒が対応付けられていて、また、特図変動パターン用乱数2に特図変動パターンNo.23と特図変動時間20秒が対応付けられていて、また、特図変動パターン用乱数19に特図変動パターンNo.40と特図変動時間120秒が対応付けられている。その他の対応関係については図示も説明も省略する。
図4に示すように、主制御処理部100はさらに、制御プログラムにより設定された手段として遊技コマンド決定手段104を備える。この遊技コマンド決定手段104は、特別図柄抽選手段102により決定された特別図柄の停止図柄と、特図変動パターンコマンド抽選手段103により決定された特図変動パターンNo.および特図変動時間とを情報として含む遊技コマンドを、特別図柄用乱数に基づく遊技の開始に当たって決定するものである。
主制御処理部100はさらに、制御プログラムにより設定された手段としてアタッカー制御手段105を備える。このアタッカー制御手段105は、第1始動口60に対して設けられた特別図柄用電子抽選手段101による抽選の結果が当たりとなった場合、または、で電動チューリップ61の第2始動口61aに対して設けられた特別図柄用電子抽選手段(図示省略)による抽選の結果が当たりとなった場合に、その当たりの種類に応じてアタッカー装置63のソレノイドを作動させて、パチンコ機Pを当たり遊技状態とするものである。アタッカー制御手段105は、当たりの種類(前述の通常大当たり、確変大当たり、小当たりなど)に応じて、所定のラウンド数(回数)だけアタッカー装置63に大入賞口63aを開放させるようになっている。
主制御処理部100はさらに、普通図柄用電子抽選手段106と、電動チューリップ制御手段108とを制御プログラムにより設定された手段として備える。普通図柄用電子抽選手段106は、スルーチャッカ62を遊技球が通過したことを契機に、すなわちスルーチャッカ検知センサ93からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで、普通図柄に係る電子抽選を行うものである。具体的には、特別図柄用電子抽選手段101と同様に構成されたものであって、その構成の図示は省略したが、普通図柄用乱数を発生させる普通図柄用乱数発生手段と、スルーチャッカ62を遊技球が通過したことを契機に、すなわちスルーチャッカ検知センサ93からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで普通図柄用乱数を1個取得(ラッチ)する普通図柄用乱数取得手段と、この普通図柄用乱数取得手段により取得された普通図柄用乱数の当否を、主制御処理部100のROMに記憶された普通図柄用判定テーブルを参照して判定する普通図柄用乱数当否判定手段と、普通図柄の変動中に普通図柄用乱数取得手段が普通図柄用乱数を取得した場合に、その普通図柄用乱数を普通図柄用保留球乱数として主制御処理部100のRAMに記憶させる普通図柄用保留球乱数記憶手段とを備える。電動チューリップ制御手段108は、普通図柄用乱数当否判定手段による当否判定の結果が当たりである場合に、電動チューリップ61のソレノイドを作動させて左右の羽根部材を開かせ、遊技球を第2始動口61aに導き入れる状態にする。
主制御処理部100はさらに、制御プログラムにより設定された手段として普図変動パターンコマンド抽選手段106を備える。この普図変動パターン抽選手段106は特図変動パターンコマンド抽選手段103と同様に構成されたものであり、普通図柄制御処理部400に与える普図変動パターンコマンドを電子抽選により決定するものである。具体的には、普図変動パターン用乱数を発生させる普図変動パターン用乱数発生手段と、この普図変動パターン用乱数発生手段により発生された普図変動パターン用乱数のうち1個を、スルーチャッカ62を遊技球が通過したことを契機に、すなわち、スルーチャッカ検知センサ93からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで取得する普図変動パターン用乱数取得手段と、この普図変動パターン用乱数取得手段により取得された普図変動パターン用乱数に対応する普図変動パターンNo.および普図変動時間を、主制御処理部100のROMに記憶された普図変動パターンコマンドテーブル中から選択する普図変動パターンコマンド選択手段とを備える。
主制御処理部100はさらに、制御プログラムにより設定された手段として先読み手段109を備える。この先読み手段109は、特別図柄の変動中に第1始動口60または第2始動口61aを遊技球が通過したことで発生した特別図柄用乱数の保留球乱数の当否を判定し、その当否の判定結果を情報として含む先読みコマンドを決定するものである。より詳細に説明すると、先読み手段109は、特別図柄用乱数当否判定手段101cが保留球乱数に基づく遊技開始にあたってその保留球乱数の当否判定を行う前に、その保留球乱数の当否判定を、特別図柄用乱数当否判定手段101cにより行われる処理と同じ処理により、すなわち特別図柄用判定テーブル101dを参照することにより行って、その当否判定の結果(当否判定No.1(ハズレ)またはNo.2(当たり))を先読みコマンドに含ませる情報とするよう設定されている。
さらに、先読み手段109は、その保留球乱数に基づく遊技開始にあたって特図変動パターンコマンド抽選手段103がその保留球乱数に基づき変動パターンNo.の抽選を行う前に、その保留球乱数に基づく変動パターンNo.の抽選を、特図変動パターンコマンド抽選手段103により行われる処理と同じ処理により、すなわち変動パターンコマンドテーブル103dを参照することにより行って、その抽選の結果(特図変動パターンNo.1〜No.40のうちの1個)を、先読みコマンドに含ませる情報とするよう設定されている。
このように構成された主制御処理部100は、特別図柄用乱数に基づく遊技の開始にあたって遊技コマンド決定手段104により遊技コマンドを決定し、この遊技コマンドを電気信号の形で演出制御処理部200に出力する。また、特別図柄抽選手段102により特別図柄の停止図柄(当たりの種類)を決定し、この停止図柄を指定する停止図柄コマンドを電気信号の形で演出制御処理部200に出力する。また、特別図柄用乱数の保留球乱数が発生したときに先読み手段109により先読みコマンドを決定し、この先読みコマンドを電気信号の形で演出制御処理部200に出力する。これら停止図柄コマンド、遊技コマンド、先読みコマンドの他にも、主制御処理部100は、演出制御処理部200、特別図柄制御処理部300、普通図柄制御処理部400、ランプ制御処理部500および払出制御処理部600のそれぞれに対し、すなわち副制御処理部に対し、パチンコ機Pの状態に応じた様々なコマンドを電気信号の形で出力する。次に、それらの副制御処理部と発射制御処理部700とについて説明する。
演出制御処理部200は、主制御処理部100からの遊技コマンドに含まれる特図変動パターンNo.および特図変動時間に基づいて演出内容を決定し、その演出内容が実現されるよう演出表示装置50およびスピーカ80を制御するものである。この演出制御処理部200は、変動パターンコマンドに基づき実写やCGの動画とダミー図柄とを交えた様々な演出表示を演出表示装置50に行わせる。それらの演出表示において、ハズレ用特図変動パターンテーブル103d−2中の特図変動パターンNo.40と特図変動時間120秒との組合せを情報として含む変動パターンコマンドに基づく演出表示と、当たり用特図変動パターンNo.20と特図用変動時間120秒との組合せを情報として含む変動パターンコマンドに基づく演出表示は酷似した演出表示であるとともに、遊技者に特別図柄用乱数の当たりを大いに期待させること意図したものであり、スーパーリーチ(SPリーチ)と呼称されている。
演出制御処理部200は、制御プログラムにより設定された手段として保留表示制御手段210を備える。この保留表示制御手段210は、演出表示装置50(液晶表示装置)の画面51(図21参照)内の所定領域が保留表示手段52として機能するよう演出表示装置50を制御するものである。第1実施形態において保留表示手段52は、演出表示装置50の画面51の下部に設けられ、特別図柄用乱数の保留球乱数の上限個数(4個)と同じ個数の表示部、すなわち第1〜第4表示部52a〜52d(図21参照)を有する。保留表示制御手段210は、特別図柄用保留球乱数記憶手段101eにより保留球乱数が記憶される度に、すなわち、特別図柄の変動中に第1始動口60への遊技球の入賞を示す検知信号が主制御処理部100に入力される度に、それらの第1〜第4表示部52a〜52dが左側から順次点灯するよう演出表示装置50を制御するようになっている。また、保留表示制御手段210は、特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶されている保留球乱数に基づき特別図柄の変動が開始されるとき、第1〜第4表示部52a〜52dの中に点灯中のものが複数ある場合には、それらの点灯中の表示部が右側から消灯するよう演出表示装置50を制御するようになっている。第1〜第4表示部52a〜52dの点灯とは、単に表示部が発光することを意味するのではなく、発色およびキャラクタ(文字、記号、図)の表示などを含む概念とする。なお、保留表示手段210は第1始動口60に対応する特別図柄用電子抽選手段101に対して設けられたものであるが、電動チューリップ61の第2始動口61aに対応する特別図柄用電子抽選手段に対しても保留表示手段210と同様の保留表示手段が設けられている(図示省略)。
特別図柄制御処理部300は、主制御処理部100の特別図柄抽選手段102からの停止図柄コマンドに基づき停止図柄を決定し、また、特図変動パターンコマンド抽選手段103からの特図変動パターンコマンド(特図変動パターンNo.および特図変動時間)に基づき特別図柄の変動パターンおよび変動時間を決定し、それらの決定に基づいて特別図柄表示装置40を制御するものである。特別図柄表示装置40は特別図柄制御処理部300により制御されることによって、特別図柄を変動表示させた後に停止させて停止図柄を表示することになる。
普通図柄制御処理部400は、普図変動パターンコマンド抽選手段107により決定された普図変動パターンコマンド(普図変動パターンNo.および普図変動時間)に基づき普通図柄表示装置41を制御するものである。普通図柄表示装置41は普通図柄制御処理部400により制御されることによって、普通図柄を変動表示させた後に停止させて停止図柄を表示する。
ランプ制御処理部500は、主制御処理部100からのコマンドに基づき、パチンコ機Pに設けられた所定のランプや電飾の点灯、消灯を制御するものである。
払出制御処理部600は、CRユニット603からの信号に基づき遊技球が遊技者に貸し出されるよう賞球払出装置601を制御する他、主制御処理部100からの払出コマンドに基づき賞球払出装置601を制御し、賞球を受皿5に払い出させるものである。この賞球払出装置601は、遊技球を1個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット(図示せず)と、このスプロケットを回転させるモータ(図示せず)とを備え、そのモータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、遊技球が第1始動口60、第2始動口61a、大入賞口63a、一般入賞口64のそれぞれに入賞すると、すなわち、第1始動口検知センサ91、第2始動口検知センサ92、大入賞口検知センサ94、一般入賞口検知センサ95のそれぞれにより遊技球の入賞が検知されると、その入賞が検知された入賞口に予め対応付けられた払出コマンドが主制御処理部100から賞球払出装置601に出力され、賞球払出装置601はその払出コマンドに予め対応付けられた個数の遊技球を払い出すようになっている。
発射制御処理部700は、ハンドル6の回動量に応じて発射装置10を制御するものである。具体的には、打撃槌を駆動するソレノイドに対して供給する電流をハンドル6の回転量に応じて変化させたり、電流の供給を停止したりする制御を行う。なお、この発射制御処理部700は払出制御処理部600と接続されていて、この払出制御処理部600がCRユニット603と接続されていない場合に、払出制御処理部600から発射制御処理部700に発射停止信号が送信されて、発射制御処理部700が発射装置10からの遊技球の発射を停止するようになっている。
特に第1実施形態に係るパチンコ機Pにおいては、先読み手段109からの先読みコマンドを受け、この先読みコマンドの基となった保留球乱数の当否を示唆する情報を報知する予告手段を備える。この予告手段は演出制御処理部200と演出表示装置50とによって構成されている。この予告手段の構成の詳細について次に説明する。
図4に示すように、演出制御処理部200は予告手段の構成要素として、制御プログラムにより設定された手段である先読み予告抽選手段220を備える。この先読み予告抽選手段220は特別図柄用電子抽選手段101と同様に構成されたものであり、主制御処理部100からの先読みコマンドが入力されたタイミングで、先読み予告を行うか否かの電子抽選(以下「先読み予告抽選」という)を行うものである。具体的には、図7に示すように、先読み予告用乱数を発生させる先読み予告用乱数発生手段221と、主制御処理部100からの先読みコマンドが入力されたタイミングで、先読み予告用乱数を1個取得(ラッチ)する先読み予告用乱数取得手段222と、この先読み予告用柄用乱数取得手段222により取得された先読み予告用乱数の当否を、演出制御処理部200のROMに記憶された先読み予告用判定テーブル224を参照して判定する先読み予告用乱数当否判定手段223とを備える。
図4に示すように、演出制御処理部200は予告手段の構成要素としてさらに、制御プログラムにより設定された手段である記号パターン抽選手段230とを備える。この記号パターン抽選手段230は、特図変動パターンコマンド抽選手段103と同様に構成されたものであり、主制御処理部100からの先読みコマンドが入力されたタイミングで、先読み予告に用いる記号パターンを電子抽選により決定するものである。具体的には、図8に示すように、記号パターン用乱数を発生させる記号パターン用乱数発生手段231と、この記号パターン用乱数発生手段231により発生された記号パターン用乱数のうち1個を、主制御処理部100からの先読みコマンドが入力されたタイミングで取得する記号パターン用乱数取得手段232と、この記号パターン用乱数取得手段232により取得された記号パターン用乱数に対応する記号パターンを、演出制御処理部200のROMに記憶された先読みテーブル234中の複数種類の記号パターンのうちから選択する記号パターン選択手段233とを備える。
先読みテーブル234は、図14に示す当たり用先読みテーブル234a、図15に示すハズレ用先読みテーブル234b、図16に示すSPリーチ用先読みテーブル234cの3種類である。第1実施形態では、記号のパターンは、特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶される保留球乱数の個数の上限個数と同じ個数(4個)の記号から構成されている。
当たり用先読みテーブル234aは、先読み手段109による保留球乱数の当否判定の結果(当否判定No.2)である当たりを示す先読みコマンドと複数種類の記号のパターンとの対応関係を規定するものである。この当たり用先読みテーブル234aは、先読みコマンドが当たりを示すものである場合に、記号パターン選択手段233により参照され、これによって当たり用先読みテーブル234a中の複数種類の記号パターンのうちの1個が先読み予告に用いる記号パターンとして選択される。
ハズレ用先読みテーブル234bは、先読み手段109による保留球乱数の当否判定の結果であるハズレ(当否判定No.1)を示す先読みコマンドと、複数種類の記号のパターンとの対応関係を規定するものである。このハズレ用先読みテーブル234bは、先読みコマンドがハズレを示すものである場合に、記号パターン選択手段233により参照され、これによってハズレ用先読みテーブル234b中の複数種類の記号パターンのうちの1個が先読み予告に用いる記号パターンとして選択される。ハズレ用先読みテーブル234b中の複数種類の記号パターンは、当たり用先読みテーブル234a中の複数種類の記号パターンとは異なる。
SPリーチ用先読みテーブル234cは、特図変動パターンNo.の抽選の結果であるSPリーチ(特図変動パターンNo.40)を示す先読みコマンドと、複数種類の記号パターンとの対応関係を規定するものである。このSPリーチ用先読みテーブル234cは、先読みコマンドが特図変動パターンNo.40を示すものである場合に、すなわち先読みコマンドが保留球乱数の当否判定の結果としてハズレを示し、かつ、変動パターンの抽選結果としてSPリーチを示すものである場合に、記号パターン選択手段234cにより参照され、これによってSPリーチ用先読みテーブル234c中の複数種類の記号パターンのうちの1個が先読み予告に用いる記号パターンとして選択される。SPリーチ用先読みテーブル234c中の複数種類の記号パターンは、当たり用先読みテーブル234a中の複数種類の記号パターンともハズレ用先読みテーブル234b中の複数種類の記号パターンとも異なる。
記号のパターンの種類は、パチンコ雑誌やパチンコ遊技関係のウェブサイトなどを参照して遊技者に意味を把握してもらうこと、すなわち、遊技者にとって当たりとハズレの見分けがつきにくいことを意図して作成されている。
演出表示装置50は予告手段の構成要素である第1先読み表手段および第2先読み表示手段を構成している。第1先読み表示手段は記号のパターンの一部を表示するものであり、第2先読み表示手段はその第1先読み表示手段により表示されなかった記号のパターンの残りを表示するものである。演出制御処理部200は、第1先読み表示手段を制御する第1先読み表示制御手段240と、第2先読み表示手段を制御する第2先読み表示制御手段250とを備える。これら第1先読み表示制御手段240と第2先読み表示制御手段250も、予告手段の構成要素であり制御プログラムにより設定された手段であって、
第1先読み表示制御手段240は、記号パターン抽選手段230による記号のパターンの決定の基となった先読み予告対象の保留球乱数に基づいて保留表示手段52の第1〜第4表示部52a〜52dのいずれか1が点灯するタイミングで、その先読み予告対象の保留球乱数に基づく記号のパターンの一部が表示されるように、第1先読み表示手段としての演出表示装置50を制御するものである。また、この第1先読み表示制御手段240は、記号のパターンの一部を構成する記号の個数の上限を特別図柄用乱数の保留球乱数の上限個数(4個)よりも少ない所定個数(3個)とし、特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶されている保留球乱数の個数が3個(所定個数)以下の場合には、その保留球乱数の個数と同個数の記号で記号パターンの一部を、第1先読み表手段としての演出表示装置50に表示させるようになっている。
第1〜第4表示部52a〜52cのそれぞれに表示される記号の個数は1個である。例えば図15に示すハズレ用先読みテーブル234b中の記号のパターン「S4D1」の一部を第1先読み表示手段としての演出表示装置50に表示させる場合であって、特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶されている保留球乱数が1個の場合には、第1先読み表示制御手段240は「S4D1」のうちの「S」のみを第1表示部52aに表示させる。同じくハズレ用先読みテーブル234b中の記号のパターン「S4D1」の一部を第1先読み表示手段としての演出表示装置50に表示させる場合であって、今度は特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶されている保留球乱数が2個の場合には、第1先読み表示制御手段240は「S4D1」のうちの「S」,「4」のそれぞれを第1表示部52a、第2表示部52bのそれぞれに表示させる(図21の(3)参照)。同じくハズレ用先読みテーブル234b中の記号のパターン「S4D1」の一部を第1先読み表示手段としての演出表示装置50に表示させる場合であって、今度は特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶されている保留球乱数が3個の場合には、第1先読み表示制御手段240は「S4D1」のうちの「S」,「4」,「D」のそれぞれを第1表示部52a、第2表示部52b、第3表示部51cのそれぞれに表示させる。
ところが、同じくハズレ用先読みテーブル234b中の記号のパターン「S4D1」の一部を第1先読み表示手段としての演出表示装置50に表示させる場合であっても、特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶されている保留球乱数が4個の場合には、第1先読み表示制御手段240は「S4D1」のうちの「S」,「4」,「D」のそれぞれを第1表示部52a、第2表示部52b、第3表示部51cのそれぞれに表示させるとともに、第4表示部52dには「?」を表示させる、すなわち記号のパターン「S4D1」のうち4個目(最後)の記号である「1」は表示せずに秘密にする(図22(5)参照)。
なお、第1先読み表示制御手段240は記号のパターンの一部または「?」を第1〜第4表示部52a〜52dに表示させる場合に、その表示の契機となった先読み予告対象の保留球乱数に対応する表示部のみに枠53(例えば金色)を表示するようになっている。つまり、先読み予告対象の保留球乱数が、そのとき表示されている保留球乱数のうちの何個目の保留球乱数であるかを明示するようになっている。
第2先読み表示制御手段250は、先読み予告対象の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中に特別図柄用保留球乱数記憶手段101eが保留球乱数を記憶した状態であることを条件として、第1先読み表示手段240により表示されなかった記号のパターンの残りが、所定のタイミングで表示されるように、第2先読み表示手段としての演出表示装置50を制御するものである。第1実施形態において、記号パターンの残りが表示される所定のタイミングは、ダミー図柄がリーチとなるリーチ演出が開始されるタイミングである。
このように構成されたパチンコ機Pにおいては、先読み予告を行う際、主制御処理部100と演出制御処理部200は、図17〜図20に示す処理を行う。その処理の流れを次に説明する。なお、第1始動口60への遊技球の入賞に係る処理と、電動チューリップ61の第2始動口61aへの遊技球の入賞に係る処理とは同様なので、次では第1始動口60への遊技球の入賞に係る処理を例に挙げて説明する。
図17に示すように、第1始動口60に遊技球が入賞し、これに伴い第1始動口検知センサ91から主制御処理部100に検知信号が入力されたとき(ステップS1)、主制御処理部100は特別図柄の変動中かを判定する(ステップS2)。そして、特別図柄の変動中であった場合(ステップS2でYES)、主制御処理部100は、今回の第1始動口60への遊技球の入賞を契機に特別図柄用乱数取得手段101bにより取得した特別図柄用乱数を、保留球乱数(以下「今回の保留球乱数」という)として特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶させるとともに、先読み手段109によってその保留球乱数の当否判定と特図変動パターンの抽選とを行って、その保留球乱数の当否判定の結果(当否判定No.)と、特図変動パターンの抽選結果(特図変動パターンNo.)とを情報として含む先読みコマンドを決定し(ステップS3)、副制御処理部である演出制御処理部200に送る(ステップS4)。
図18に示すように、演出制御処理部200は主制御処理部100の先読み手段109からの先読みコマンドを受け(ステップS5)、先読み予告抽選手段220により先読み予告抽選を行う(ステップS6)。この先読み予告抽選により今回の保留球乱数が先読み予告対象に当選した場合(ステップS7でYES)、演出制御処理部200の記号パターン抽選手段230は先読みコマンドに基づき、当たり用先読みテーブル234a、ハズレ用先読みテーブル234bまたはSPリーチ用先読みテーブル234cを参照して記号のパターンを抽選する(ステップS8)。なお、ステップS7において今回の保留球乱数が先読み予告対象に当選しなかった場合(ステップS7でNO)、今回の保留球乱数に基づく先読み予告に関する処理は終了する(END)。
ステップS8の次に、演出制御処理部200の第1先読み表示制御手段240は、保留球乱数の個数が4個(上限個数)未満か否かの判定を行い(ステップS9)、この判定の結果が「4個未満」という結果である場合(ステップS9でYES)、点灯中の表示部と、今回の保留を示す表示部とに記号パターンの一部を表示するとともに、今回の保留を示す表示部に枠53を表示する(ステップS10)。
その後、図19に示すように、副制御処理部である特別図柄制御処理部300は、先読み予告対象の保留球乱数に基づく特別図柄の変動表示を開始する(ステップS11)。これと同時に、演出制御処理部200はダミー図柄を含む演出表示を開始する。これら特別図柄の変動表示とダミー図柄を含む演出表示とが行われている最中において、第2先読み表示制御手段250は、特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに保留球乱数が記憶されている状態であるか否か、すなわち保留球乱数があるか否かの判定を行い(ステップS12)、この判定の結果が「保留球乱数がある」という結果である場合(ステップS12でYES)、先読み予告対象の保留球乱数に基づく特別図柄の変動表示中におけるリーチ演出開始時に、記号のパターンの残りを点灯中の表示部に表示し、これで先読み予告は終了する(END)。遊技者は、先読み予告対象の保留球乱数に基づくリーチ演出が開始される前に、記号のパターンの残りを構成する記号の個数よりも多くの保留球乱数を発生させておかなければ、記号のパターンの全てを見ることはできない。
なお、ステップS12において保留球乱数がない場合(ステップS12でNO)、先読み予告に係る処理は終了する(END)。つまり、第1先読み表示制御手段240と第1先読み表示手段としての演出表示装置50とによって記号のパターンの一部は表示されるものの、第2先読み表示制御手段250と第2先読み表示手段とによる記号のパターンの残りは表示されることなく、先読み予告が終了する。
一方、図18中のステップS9において、演出制御処理部200の第1先読み表示制御手段240による判定の結果が「4個未満ではない」すなわち「4個である」という結果である場合(ステップS9でNO)、点灯中の第1〜第3表示部52a〜52cに記号パターンの一部、すなわち4個の記号から構成された記号のパターンのうちの1個目〜3個目の記号を表示するとともに、今回の保留を示す第4表示部52dに「?」と枠53を表示する(ステップS14)。
その後、図20に示すように、副制御処理部である特別図柄制御処理部300は、先読み予告対象の保留球乱数である今回の保留球乱数に基づく特別図柄の変動表示を開始する(ステップS15)。これと同時に、演出制御処理部200はダミー図柄を含む演出表示を開始する。これら特別図柄の変動表示とダミー図柄を含む演出表示とが行われている最中において、第2先読み表示制御手段250は、特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに保留球乱数が記憶されている状態であるか否か、すなわち保留球乱数があるか否かの判定を行い(ステップS16)、この判定の結果が「保留球乱数がある」という結果である場合(ステップS16でYES)、リーチ演出の開始時に、画面51の中央に記号のパターンの残り、すなわち最後(4個目)の記号を表示し、これで先読み予告は終了する。
なお、ステップS16において保留球乱数がない場合(ステップS16でNO)、先読み予告に係る処理は終了する(END)。つまり、第1先読み表示制御手段240と第1先読み表示手段としての演出表示装置50とによって記号のパターンの一部、すなわち1個目〜3個目の記号は表示されるものの、第2先読み表示制御手段250と第2先読み表示手段とによる記号のパターンの残りである最後(4個目)の記号は表示されることなく、先読み予告が終了する。
図18,図19に示したステップS1〜ステップS13までの処理により実現された先読み予告の具体例を、図21を用いて説明する。図21(5),(6)において演出表示装置50の画面51中の下向きで白抜きの矢印はダミー図柄が変動中であることを示し、実際に白抜きの矢印が画面51中に表示されるということではない。
特別図柄の変動中、はじめは図21(1)に示すように、保留表示手段52の第1〜第4表示部52a〜52dはいずれも点灯していない状態、すなわち特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに保留球乱数が記憶されていない状態(保留球乱数の個数が0個である状態)となっていた。この状態で、特別図柄の変動中に第1始動口60に遊技球が入賞して1個目の保留球乱数が発生し、これによって同図21(2)に示すように保留表示手段52の第1〜第4表示部52a〜52dのうち、第1表示部52aのみが点灯した状態(保留球乱数の個数が1個であることを示す状態)に変化した。そして、1個目の保留球乱数の発生時と同じ特別図柄の変動中に2個目の保留球乱数がさらに発生し、この2個目の保留球乱数は先読み予告対象となり、先読み予告に用いられる記号のパターンが「S4D1」に決定された。
第1先読み表示制御手段240が第1先読み表示手段としての演出表示装置50に表示させる記号のパターンの一部は、保留球乱数の上限個数(4個)よりも少ない所定個数である3個を記号の個数の上限として構成されるものである。今回は、特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶されている保留球乱数の個数が2個であるため、すなわち3個以下であるため、その保留球乱数の個数と同個数の2個の記号から構成された記号パターンの一部が表示された。つまり、同図21(3)に示すように第1表示部52aに「S」が表示され、第2表示部52bには「4」が表示された。また第2表示部52bには先読み予告対象の保留球乱数に基づく表示であることを示す枠53が表示された。
その後、1個目と2個目の保留球乱数の発生時と同じ特別図柄の変動中に3個目の保留球乱数は発生することなく、すなわち第3表示部52cが点灯することはことなく、1個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動表示が開始された。このとき、同図21(4)に示すように、第1表示部52aでは「S」に替えて「4」と枠53が表示され、これと同時に第2表示部52bが消灯した。1個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中に新たな保留球乱数は発生することはなく、その特別図柄の停止図柄とダミー図柄はハズレを示して終了した。これに続いて先読み予告対象である2個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動表示が開始された。これと同時に第1表示部52aは消灯し、これによって第1〜第4表示部52a〜52dは全て消灯した状態になった(図示省略)。
先読み予告対象の保留球乱数である2個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中に2個の保留球乱数が発生し、これにより同図21(5)に示すように第1表示部52a、第2表示部52bが点灯した。その後、先読み予告対象である2個目の保留球乱数に基づく演出表示がリーチ演出に発展すると、同図21(6)に示すように、そのリーチ演出の開始と同時に、第1表示部52aに「D」が表示され、第2表示部52bに「1」が表示された。
要するに今回の先読み予告では、記号のパターンの一部である記号「S4」が先読み予告対象の保留球乱数の発生時に表示された後、保留球乱数の個数が記号のパターンの残りを構成する記号の個数と同数個になったので、先読み予告対象の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中におけるリーチ演出の開始時に、記号のパターンの残りである「D1」が全て表示されたのである。
今回の先読み予告の具体例から分かるように、先読み予告対象の保留球乱数が1個目〜3個目までの保留球乱数である場合、遊技者は、先読み予告対象の保留球乱数が発生してから先読み予告対象の保留球乱数に基づくリーチ演出が開始される前までに、記号のパターンの残りを構成する記号の個数と同個数の保留球乱数を発生させるという条件を満たすによって、記号のパターンを構成する4個の記号を全て見ることができる。しかし、記号のパターンの残りを構成する記号の個数と同個数の保留球乱数を発生させることができなかった場合、例えば図21(5)に示すリーチ演出前の段階で、遊技者が保留球乱数を1個しか発生させることができなかった場合、すなわち第1表示部52aのみしか点灯しなかった場合、同図21(6)に示すリーチ演出開始時には第1表示部52aに「D」は表示されるが第2表示部52bに「1」は表示されず、遊技者は記号のパターン「S4D1」のうち「S4D」までしか見ることができない。
図18,図20に示したステップS1〜ステップS17までの処理により実現された先読み予告の具体例を、図22を用いて説明する。図22(10)において画面51の左上部に描かれた「4↓4」はダミー図柄の変動表示を示している。
特別図柄の変動中、はじめは図22(1)に示すように、保留表示手段52の第1〜第4表示部52a〜52dはいずれも点灯していない状態、すなわち特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに保留球乱数が記憶されていない状態(保留球乱数の個数が0個である状態)となっていた。この状態で、特別図柄の変動中に第1始動口60に遊技球が入賞して1個目の保留球乱数が発生し、これによって同図22(2)に示すように保留表示手段52の第1〜第4表示部52a〜52dのうち、第1表示部52aのみが点灯した状態(保留球乱数の個数が1個であることを示す状態)に変化した。続いて、1個目の保留球乱数の発生時と同じ特別図柄の変動中に2個目、3個目の保留球乱数がさらに発生し、これによって同図22(3),(4)に示すように、第1表示部52aに加え第2表示部52bが点灯した状態(保留球乱数の個数が2個であることを示す状態)に変化し、さらに第3表示部51cが点灯した状態(保留球乱数の個数が3個であることを示す状態)に変化した。続いて4個目の保留球乱数が発生し、この4個目の保留球乱数は先読み予告対象となり、先読み予告に用いられる記号のパターンが「S4D1」に決定された。
第1先読み表示制御手段240が第1先読み表示手段としての演出表示装置50に表示させる記号のパターンの一部は、保留球乱数の上限個数(4個)よりも少ない所定個数である3個を記号の個数の上限として構成されるものである。今回は、特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶されている保留球乱数の個数が4個であるため、すなわち上限の3個を超えたため、3個の記号で記号パターンの一部が表示された。つまり、同図22(5)に示すように第1表示部52a、第2表示部52b、第3表示部52cのそれぞれに「S」,「4」,「D」のそれぞれが表示され、第4表示部52dには「?」が表示されて記号のパターンの最後(4個目)の記号が秘密にされた。また第4表示部52dには、先読み予告対象の保留球乱数に基づく表示であることを示す枠53が表示された。
今回は4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動が開始されるまでに、新たな保留球乱数が発生することはなかったし、いずれの保留球乱数も当たりではなかった。したがって、1個目〜4個目の保留球乱数のそれぞれに基づく特別図柄の変動表示が開始されるタイミングで、同図22(5)〜(8)に示すように第1表示部52aの状態は「S」の表示→「4」の表示→「D」の表示→「?」と枠53の表示へと変化し、これと並行して、第2表示部52bの状態は「4」の表示→「D」の表示→「?」と枠53の表示→消灯と変化し、第3表示部52cの状態は「D」の表示→「?」と枠53の表示へと変化した後に消灯に維持され、第4表示部52dの状態は「?」と枠53の表示の後は消灯に維持された。
そして、先読み予告対象である4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動表示が開始されると、第1表示部52aは消灯し、これによって第1〜第4表示部52a〜52dの全てが消灯した状態となった(図示省略)。先読み予告対象である4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動表示が開始された後、新たな保留球乱数が1個発生し、これにより図22(9)に示すように第1表示部52aが点灯した。
その後、先読み予告対象である4個目の保留球乱数に基づく演出表示がリーチ演出に発展すると、このリーチ演出の開始と同時に、画面51の中央に「?⇒1」が表示された。つまり、記号のパターンの残り(秘密にされていた4個目(最後))の記号である「1」が明らかにされた。
要するに今回の先読み予告では、記号のパターンの一部である「S4D」が先読み予告対象の保留球乱数の発生時に表示され、その後保留球乱数が発生したので、その先読み予告対象の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中におけるリーチ演出開始時に、記号のパターンの残りである「1」が表示されたのである。
今回の先読み予告の具体例から分かるように、先読み予告対象の保留球乱数が4個目の保留球乱数である場合、遊技者は、先読み予告対象の保留球乱数が発生してからその先読み予告対象の保留球乱数に基づくリーチ演出が開始される前までに保留球乱数を1個発生させるという条件を満たすことによって、記号のパターン中の4個目(最後)の記号を見ることができる。
第1実施形態に係るパチンコ機Pによれば次の効果を得られる。
第1実施形態に係るパチンコ機Pにおいて、記号パターン抽選手段230による記号のパターンの決定の基となった先読み予告対象の保留球乱数に基づいて保留表示手段の第1〜第4表示部52a〜52dが点灯するタイミングで、その先読み予告対象の保留球乱数に基づく記号のパターンの一部が、第1先読み表示手段240および演出表示装置50(第1先読み表示手段)により表示される。つまり、先読み予告対象の保留球乱数が発生したとき、先読み予告としての記号のパターンはその一部しか表示されないため、演出表示装置50(第1先読み表示手段)で記号のパターンの一部が表示された時点では、遊技者は先読み予告としての記号のパターンを完全には把握できない。その後、演出表示装置50(第1先読み表示手段)により表示されなかった記号のパターンの残りは、第2先読み表示制御手段250および演出表示装置50(第2先読み表示手段)により表示されるのだが、記号のパターンの残りを表示する条件として、先読み予告対象の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中に特別図柄用保留球乱数記憶手段101eが保留球乱数を記憶した状態であることが課せられている。つまり、先読み予告対象の保留球乱数の発生後にさらに保留球乱数を発生させない限り、遊技者は先読み予告を完全には把握できないままである。したがって、先読み予告としての記号のパターンを完全に把握したい場合、遊技者は先読み予告対象の保留球乱数を発生させた後も保留球乱数を発生させるために、第1始動口60または電動チューリップ61の第2始動口61aを狙って遊技球を打ち出すしかない。これによって、先読み予告対象の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中に遊技者に対し遊技球の発射を促すことができる。この結果、先読み予告を行っても先読み予告対象の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中に遊技者を退屈させないようにすることができる。
また、遊技者が遊技球の発射を控える傾向にある特別図柄の変動時間中に遊技球の発射を促すことができるので、パチンコ機の稼働率を向上させることができる。
なお、第1実施形態に係るパチンコ機Pおいては、先読み予告対象の保留球乱数の発生時における保留球乱数の個数が3個以下の場合、保留表示手段52が第1先読み表示手段と第2先読み表示手段とを兼ねていたが、本発明における第1先読み表示手段と第2先読み表示手段は共通であることにも保留表示手段であることにも限定されるものではなく、保留表示手段52とは別に設けられた記号のパターンの一部の表示に専用の第1先読み表示手段と、記号のパターンの残りの表示に専用の第2先読み表示手段であってもよい。
第1実施形態に係るパチンコ機Pにおいて、第2先読み表示制御手段250は、記号のパターンの残りを演出表示装置50(第2先読み表示手段)に表示させる所定のタイミングを、リーチ演出の開始時としていた。つまり、遊技者はリーチ演出の直前までに保留球乱数を発生させなければ、記号のパターンの残りを見ることができないものであった。しかし、本発明における第2先読み表示制御手段は所定のタイミングをリーチ演出開始時に限定するものではなく、他のタイミングであってもよい。例えば、所定のタイミングは、先読み予告対象の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中に保留球乱数が発生したタイミングであってもよいし、先読み予告対象の保留球乱数に基づくリーチ演出の開始以後に保留球乱数が発生したタイミングであってもよい。
また、第1実施形態に係るパチンコ機Pにおいて予告手段は、特別図柄用乱数の保留球乱数の先読み予告を行うものであったが、普図用電子抽選手段は特別図柄用電子抽選手段と同様に普通図柄用保留球乱数を備えるものであるから、第1実施形態における予告手段と同様のものが普通図柄用乱数の保留球乱数の先読み予告を行うために設けられていてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機ついて図23を用いて説明する。
第2実施形態に係るパチンコ機においては、当たり用先読みテーブル中の当否判定No.2に対応する複数種類の記号のパターンも、ハズレ用先読みテーブル中の当否判定No.1に対応する複数種類の記号のパターンも、SPリーチ用先読みテーブル中の特図変動パターンNo.40に対応する複数種類の記号パターンも、保留球乱数の上限個数(4個)よりも多い個数の記号、すなわち5個の記号から構成されている(図示省略)。このことに関連して、第2実施形態における第1先読み表示制御手段240は、記号のパターンの一部を構成する記号の個数の上限を保留球乱数の上限個数(4個)と同個数として、特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶されている保留球乱数の個数と同個数の記号で記号パターンの一部を第1先読み表示手段としての演出表示装置50に表示させるようになっている。
第2実施形態においては、全ての記号のパターンが保留球乱数の上限個数(4個)よりも多い5個の記号で構成されたものであるから、すなわち、第1〜第4表示部52a〜52dは記号を一度に4個までしか表示できないから、「?」を表示して記号を隠す必要がない。そこで、第2実施形態における第1先読み表示制御手段240は、図18〜図20に示す処理のうちステップS9と、ステップS14と図20に示す全てのルーチンを除いた処理を行うよう設定されている。
このように構成された第2実施形態に係るパチンコ機において、図18,図19に示したステップS1〜ステップS13までの処理(ただしステップS9を除く)により実現された先読み予告の具体例を、図23を用いて説明する。
特別図柄の変動中、はじめは図23(1)に示すように、保留表示手段52の第1〜第4表示部52a〜52dはいずれも点灯していない状態、すなわち特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに保留球乱数が記憶されていない状態(保留球乱数の個数が0個である状態)となっていた。この状態で、特別図柄の変動中に第1始動口60に遊技球が入賞して1個目の保留球乱数が発生し、これによって同図23(2)に示すように保留表示手段52の第1〜第4表示部52a〜52dのうち、第1表示部52aのみが点灯した状態(保留球乱数の個数が1個であることを示す状態)に変化した。続いて、1個目の保留球乱数の発生時と同じ特別図柄の変動中に2個目、3個目の保留球乱数がさらに発生し、これによって同図23(3),(4)に示すように、第1表示部52aに加え第2表示部52bが点灯した状態(保留球乱数の個数が2個であることを示す状態)に変化し、さらに第3表示部51cが点灯した状態(保留球乱数の個数が3個であることを示す状態)に変化した。続いて4個目の保留球乱数が発生し、この4個目の保留球乱数は先読み予告対象となり、先読み予告に用いられる記号のパターンが5個の記号から構成される「S4D2P」に決定された。これによって同図23(5)に示すように、第1〜第4表示部52a〜52dのそれぞれに「S」,「4」,「D」,「2」のそれぞれが表示された。
第2実施形態において、第1先読み表示制御手段240が第1先読み表示手段としての演出表示装置50に表示させる記号のパターンの一部は、保留球乱数の上限個数(4個)と同個数を記号の個数の上限として構成されるものである。今回は、特別図柄用保留球乱数記憶手段101eに記憶されている保留球乱数の個数が4個であるから、4個の記号で記号パターンの一部が表示された。また第4表示部52dには、先読み予告対象の保留球乱数に基づく表示であることを示す枠53が表示された。
今回は4個目の保留球乱数が発生してから4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動が開始される直前までの間、新たな保留球乱数が発生することはなかった。したがって、同図23(6)に示すように保留表示手段52は、第1表示部52aに「2」と枠53が表示された状態で第1〜第3表示部52b〜51cが消灯した状態となった。
先読み予告対象である4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動表示が開始すると、第1表示部52aは消灯し、これによって第1〜第4表示部52a〜52dの全てが消灯した状態となった(図示省略)。先読み予告対象である4個目の保留球乱数に基づく特別図柄の変動表示が開始された後、新たな保留球乱数が2個発生し、これにより図23(7)に示すように第1表示部52a、第2表示部52bが点灯した。
その後、先読み予告対象である4個目の保留球乱数に基づく演出表示がリーチ演出に発展すると、このリーチ演出の開始と同時に、第1表示部52aに「P」、すなわち、記号のパターンの残りである5個目(最後)の記号が表示された。第2表示部52bの点灯状態は変化しなかった。
要するに今回の先読み予告では、記号のパターンの一部である「S4D2」が先読み予告対象の保留球乱数の発生時に表示され、その後に保留球乱数が発生したので、その先読み予告対象の保留球乱数に基づく特別図柄の変動中におけるリーチ演出開始時に、記号のパターンの残り(5個目(最後))の記号である「P」が表示されたのである。
今回の先読み予告の具体例から分かるように、先読み予告対象の保留球乱数が何個目であるかに関係なく、遊技者は、先読み予告対象の保留球乱数が発生してからその先読み予告対象の保留球乱数に基づくリーチ演出が開始される前までに、記号のパターンの残りを構成する記号の個数と同個数だけ保留球乱数を発生させるという条件を満たすことによって、記号のパターンを構成する5個の記号の全てを見ることができる。
第2実施形態に係るパチンコ機よれば次の効果を得られる。
第2実施形態に係るパチンコ機においては、当たり用先読みテーブル中の当否判定No.2に対応する複数種類の記号のパターンも、ハズレ用先読みテーブル中の当否判定No.1に対応する複数種類の記号のパターンも、SPリーチ用先読みテーブル中の特図変動パターンNo.40に対応する複数種類の記号パターンも、保留球乱数の上限個数(4個)よりも多い個数である5個の記号から構成されている。これにより、第1実施形態の場合のように「?」を表示して記号を隠す処理を行う必要がなく、したがって、1個目〜4個目のいずれの保留球乱数が先読み予告対象となっても、そのときの保留球乱数の個数と同個数の表示部を用いて記号のパターンの一部を表示することができる。
なお、第2実施形態においては、記号のパターンを構成する記号の個数が5個であったが、本発明において保留球乱数の上限個数よりも多い個数は5個に限定されるものではなく、5個以上であってもよい。