以下、発明の第1の実施の形態例を、図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の内側に収容された遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、前面枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、前面枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7等を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。
また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部11と、演出制御処理部12aと、特別図柄表示制御部12bと、ランプ制御処理部12cと、払出制御処理部12eと、普通図柄表示制御部12fと、発射制御処理部13と、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図4を参照して、本発明のパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、その盤面に遊技領域31を有しており、前面枠2に装着した後、ガラス板10から遊技領域31を観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、特別図柄表示装置17と、演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、普通図柄表示装置22と、電動チューリップ49と、ステージ36と、始動入賞口(始動口)37と、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41等が設けられている。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、始動入賞口37に遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、所定の演出態様の一部として、特別図柄表示装置17に変動表示される特別図柄と同期をとってダミー図柄が変動表示されるようになっている。なお、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115に記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が区画形成されている。つまり、この表示領域の部分が保留球表示装置34aとなっているのである。
また、特別図柄表示装置17は、始動入賞口37に遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するためのものであって、より具体的には、抽選結果を、特別図柄(数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するものである。この特別図柄表示装置17は、本実施形態では7セグメント表示器が用いられており、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17の隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普通図柄当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。
電動チューリップ49は、始動入賞口37の入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、始動入賞口37の入口を拡大するようになっている。
ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には始動入賞口37が配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で始動入賞口37へと導かれる。アタッカー装置41は、始動入賞口37に遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たりとなって大当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置である。このアタッカー装置41が開放すると、大入賞口42が露呈し、そこに遊技球が入賞することで多くの賞球が獲得できるようになっている。また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、始動入賞口37や一般入賞口38に入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、始動入賞口37、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43〜45(図4参照)が設けられている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が前面枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作するタッチボタン60が設けられている。
主制御処理部11は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等とにより構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図4に示すように、始動入賞口37に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う特別図柄抽選部(電子抽選手段)110と、この特別図柄抽選部110が判定した抽選結果に応じて特別図柄を決定する特別図柄決定部120と、変動パターンコマンドを決める際に用いられる変動パターン用乱数の抽選処理を行う変動パターン用乱数抽選部(図示せず)と、この変動パターン用乱数抽選部で取得した変動パターン用乱数に基づいて変動パターンコマンドを決定する変動パターンコマンド決定部140と、保留球乱数が大当たりであるか否かを先に判定する先読み判定部(先読み判定手段)150と、特別図柄抽選部110による抽選結果の判定が大当たりとなった場合にアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選部170と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180とを備えて主制御処理部11は構成されている。
特別図柄抽選部110は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄用乱数発生部(特別図柄用乱数発生手段)111と、始動入賞口37に遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43からの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する特別図柄用乱数取得部(特別図柄用乱数取得手段)112と、この特別図柄用乱数取得部112が取得した乱数が大当たりであるか否かを特別図柄判定テーブル114を参照して決定する特別図柄当否判定部(特別図柄当否判定手段)113と、特別図柄用乱数取得部112が乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として記憶する保留球乱数記憶部115と、を備えている。
また、変動パターン用乱数抽選部は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する変動パターン用乱数発生部と、始動入賞口37に遊技球が入賞したことに基づいて(始動入賞口検知センサ43からの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する変動パターン用乱数取得部と、この変動パターン用乱数取得部が取得した乱数を記憶する変動パターン用乱数記憶部と、を備えている。
変動パターンコマンド決定部140は、変動パターン用乱数抽選部が取得した変動パターン用乱数に基づいて演出表示装置34に表示する演出態様を決定するために用いる変動パターンコマンドを決定する。具体的には、演出表示装置34にて表示される演出態様を何秒とするかの指示や、リーチとするのか否かの指示が含まれたコマンドを決定する。
ここで、本実施形態では、始動入賞口37に遊技球が入賞したタイミングで変動パターンコマンドを決定しているが、保留球乱数として保留球乱数記憶部115に記憶される場合は、実際の保留球乱数に基づく遊技の開始(特別図柄の変動開始)の時点で変動パターンコマンドを決定している。
次に、先読み判定部(先読み判定手段)150は、保留球乱数記憶部115に記憶されている保留球乱数が大当たりであるか否かの判定を、当該保留球乱数に基づく遊技が開始するより前、具体的には、保留球乱数記憶部115に保留球乱数として記憶された時点(始動入賞口37に遊技球が入賞した時点と言うこともできる)で行うものである。
また、大当たり遊技制御部160は、大当たりの種類に応じて所定のラウンド数だけアタッカー装置41の開閉を行うように制御している。また、普通図柄抽選部170は、特別図柄用乱数発生手段111が発生させる乱数の数より少ないが同様の構成からなる普通図柄用乱数発生部と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄用乱数取得部と、この普通図柄用乱数取得部が取得した乱数が普通図柄当たりであるか否かを普通図柄判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部と、普通図柄用乱数取得部が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を普通図柄用保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球乱数記憶部と、を備えている。また、電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選部170による電子抽選で普通図柄当たりに当選したコマンドに基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。
続いて、主制御処理部11からの指令を受けて各種装置を制御する副制御部について説明する。演出制御処理部12aは、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられ、主制御処理部11が生成した処理情報に従って、演出表示装置34やスピーカ20、その他の演出装置(LED装置など)の制御を行う装置である。
演出制御処理部12aは、図5に示すように、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部210と、この演出態様決定部が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部(演出表示制御手段)220と、を備えて構成されている。なお、この演出表示制御部220は、後述するように、遊技履歴に関する情報を演出表示装置34に表示するための制御も行っている。
また、演出制御処理部12aは、記憶部として、複数種類の演出態様が記憶された演出態様記憶部260と、遊技回数を記憶する遊技回数記憶部270と、先読み予告用のメッセージを記憶する先読み予告態様記憶部280と、を備えている。
演出態様決定部210は、変動パターンコマンド決定部140で決定した変動パターンコマンドに基づいて演出態様記憶部260に記憶されている複数の演出態様の中から演出表示装置34に表示する演出態様を決定するものである。例えば、変動パターンコマンドにリーチを行う旨の指示が含まれている場合には、演出態様決定部210は、この変動パターンコマンドに基づいて、リーチのある演出態様を前記演出態様記憶部260の中から決定するようになっている。そして、決定した演出態様は、演出表示制御部220によって演出表示装置34への表示が制御されている。
また、演出表示制御部220は、遊技回数記憶部270に記憶されている遊技回数に、保留球乱数記憶部115に記憶されている保留球乱数のうち一番先に記憶されている保留球乱数から当該大当たりであると判定された保留球乱数までの記憶数を加えた合計数である大当たり間遊技回数を演算し、その回数を演出表示装置34にメッセージと共に表示するよう制御を行っている。例えば、先読み判定部150による判定で大当たりとなったときの遊技が遊技回数として150回目であった場合には、遊技回数記憶部270に遊技回数150回が記憶されていることになる。そして、先読み判定部150が大当たりであると判定した保留球乱数が保留球乱数記憶部115に3個目に記憶されたものであるなら、演出表示制御部220は、遊技回数「150」+記憶数「3」=大当たり間遊技回数「153」を算出するようになっている。
遊技回数記憶部270は、前回の大当たり遊技終了後の最初の遊技から先読み判定部150が大当たりであると判定したときに行われている遊技までの遊技回数を記憶するためのものである。つまり、この遊技回数記憶部270は、前回の大当たり終了後の遊技から1遊技行われる度に遊技回数の履歴を1ずつ加算していき、先読み判定部が大当たりであると判定したときに行われている遊技までの遊技回数を記憶することができるようになっている。そして、先読み判定部が大当たりであると判定した保留球乱数に基づく遊技が行われ、大当たり遊技が提供されると、遊技回数の記憶がゼロにリセットされるようになっている。
また、先読み予告態様記憶部280には、上記した大当たり間遊技回数に応じて対応づけられたメッセージが記憶されている。具体的には、図6に示すように、大当たり間遊技回数が1〜99回の場合には、「絶好調だね!」のメッセージが対応づけられている。同様に、大当たり間遊技回数が100〜199回の場合には「お疲れ!」、200〜499回の場合には「本当にお疲れ!」、500〜999回の場合には「激しくお疲れ様!」、1000回以上の場合には「よく耐えたね(涙)」のメッセージが対応づけられている。そして、先読み判定部150が保留球乱数に対して大当たりの判定を行った場合には、演出表示制御部220が、遊技回数記憶部270と保留球乱数記憶部115とを参照して大当たり間遊技回数を演算し、その大当たり間遊技回数に対応するメッセージを先読み予告態様記憶部280から読み出して、演出表示装置34に表示するようになっている。
図4に説明を戻すと、特別図柄表示制御部12bは、主制御処理部11の特別図柄決定部120が決定した特別図柄のコマンドと、変動パターンコマンド決定部140が決定した変動パターンコマンドに基づき、特別図柄表示装置17に特別図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で特別図柄決定部120が決定した特別図柄を表示する。
一方、普通図柄表示制御部12fは、普通図柄抽選部160による普通図柄に係る抽選結果のコマンドを受け、そのコマンドに基づいて普通図柄表示装置22に普通図柄を変動させた後に停止させる態様で表示するよう制御している。なお、普通図柄表示制御部12fは、上記した特別図柄表示制御部12bによる表示制御と比べて表示する図柄の対象が相違するものの、表示制御の基本構成はほぼ同じである。また、ランプ制御処理部12cは、主制御処理部11からコマンドを受けて各種ランプや電飾の点灯制御を行うものである。
払出制御処理部12eは、CRユニットからの信号を受けて遊技球を遊技者に貸し出すように賞球払出装置14を制御する他、主制御処理部11からの払出指令を受けて、所定個数の賞球を遊技者に対して払い出すように賞球払出装置14を制御する。この賞球払出装置14は、遊技球を1個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット(図示せず)と、このスプロケットを回転させるモータ(図示せず)とを備えて構成されている。そして、モータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、始動入賞口検知センサ43、一般入賞口検知センサ44、大入賞口検知センサ45等が遊技球の通過を検知したら、賞球払出装置14は主制御処理部11を経由して受けたコマンドに基づき遊技球を払い出す。
発射制御処理部13は、ハンドル7の回動量に応じて、発射装置9に対する作動の制御を行う装置である。より具体的に言うと、発射装置9に対して通電させたり、通電を停止したり、あるいは、通電電流を変化させるといった制御処理を行う。なお、この発射制御処理部13は、払出制御処理部12eと接続されており、CRユニットが接続されていない場合に発射停止信号が受信されるようになっている。
次に、上記したパチンコ機Pの遊技の流れについて、図7に図示する、始動入賞口に入賞した遊技球に係る遊技処理手順を示したフローチャートを用いて説明する。まず、遊技領域31を流下している遊技球が、始動入賞口37に入賞したかどうか(始動口検知センサ43から遊技球を検知した信号の入力があったか)を判断する(ステップS10)。始動入賞口37に遊技球が入賞したと判断された場合(ステップS10でYes)には、特別図柄用乱数取得部112が特別図柄用乱数発生部111で発生した乱数の中から1つを取得すると共に、変動パターン用乱数取得部が変動パターン用乱数発生部で発生した乱数の中から1つを取得する(ステップS11)。
次いで、特別図柄は変動中かどうかを特別図柄抽選部110が判断する(ステップS12)。特別図柄が変動中である場合(ステップS12でYes)には、保留球乱数記憶部115に取得した特別図柄用乱数を保留球乱数として記憶させると共に、演出制御処理部12aに保留球乱数を記憶した旨の保留球コマンドを送信する(ステップS13)。また、このステップS13において、変動パターン用乱数抽選部は、取得した変動パターン用乱数を変動パターン用乱数記憶部に記憶させる。なお、保留球コマンドを受け取った演出制御処理部12aは、保留球表示装置34aに保留球表示(白色の星型のマーク)を行い、記憶した保留球乱数に係る遊技が開始される旨のコマンドを主制御処理部11から演出表示制御部12aが受信すると、この保留球表示を消去する。
次いで、先読み判定部150が、この保留球乱数が大当たりであるか否かを判定する(ステップS15)。大当たりである場合(ステップS15でYes)には、演出表示制御部220は、大当たり間遊技回数を算出する(ステップS16)。そして、変動中の特別図柄は停止したかを判断する(ステップS17)。変動中の特別図柄が停止した場合(ステップS17でYes)には、演出表示制御部220は、大当たり間遊技回数と、この回数に対応するメッセージを先読み予告態様記憶部280から読み出して演出表示装置34に表示する。例えば、大当たり間遊技回数が153回だとすると、演出表示装置34には、「お疲れ!」のメッセージと、153回の数値が変動中の特別図柄停止時に同時に表示される。
次いで、ステップS10にて始動入賞口37に入賞したと判断された遊技球に係る保留球乱数に基づく遊技の順番がきたかどうかを主制御処理部11がチェックする(ステップS19)。順番が回ってきた場合(ステップS19でYes)には、遊技回数記憶部270に遊技回数として「1」の値を加算したものを記憶(ステップS20)した後に、当該保留球乱数に基づく遊技に関する処理が開始される。具体的には、ステップS21にて、主制御処理部11の特別図柄当否判定部112が、保留球乱数に係る遊技の開始に伴って、この保留球乱数に係る大当たり判定を行う。次に、当該保留球乱数に基づく遊技の開始に際して、ステップS22にて変動パターン用乱数記憶部に記憶されている変動パターン用乱数に基づいて、変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信する。
この変動パターンコマンドが演出制御処理部12aに入力されると、演出態様決定部210が、演出態様記憶部260に記憶されている演出態様の中から、所定の演出態様を決定する(ステップS23)。
次いで、ステップS24にて、この決定した演出態様を演出表示制御部220が演出表示装置34に表示すると共に、特別図柄表示制御部12bが特別図柄を特別図柄表示装置17に変動表示させる。
次いで、特別図柄は確定したか(停止したか)を主制御処理部11が判断し(ステップS25)、特別図柄が確定している場合(ステップS25でYes)には、次のステップS26で大当たりであるか否かをチェックする。大当たりと判定された場合(ステップS26でYes)には、大当たり遊技制御部160が大当たり遊技に移行する(ステップS27)。
なお、ステップS10でNoの場合には、ステップS10の前に戻り、ステップS15でNoの場合には、ステップS19まで進み、ステップS17でNoの場合には、ステップS17の前に戻る。また、ステップS19でNoの場合にはステップS19の前まで戻って、ステップS19でYesとなるまでこのステップを繰り返す。また、ステップS25でNoの場合はステップS25の前に戻り、ステップS26でNoの場合には、処理が終了する。また、ステップS12でNoの場合、つまり、保留球とならずに、始動口入賞を契機として直ちに遊技が開始された場合には、ステップS12からステップS20に飛んで、ステップS20以降の遊技処理が実行される。
以上、説明したように、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pでは、先読み判定部150が保留球乱数に対して大当たりであると判定した場合には、演出表示装置34にメッセージと大当たり間遊技回数の履歴が表示されるため、この表示を見た遊技者は、前回の大当たりから何回目の遊技で大当たりとなるかを確認することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態例に係るパチンコ機Pについて、図8および図9を用いて説明する。第2の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pと構成の一部が相違するだけであるため、以下の説明では、これら相違点を中心に行うこととし、同一構成の部分は同一符号を付してその説明は省略することにする。
第2の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、演出制御処理部12aの処理部として、先読み演出態様決定部(先読み演出態様決定手段)360をさらに備えている点で第1実施形態例に係るパチンコ機と相違する。また、演出制御処理部12aの記憶部として、第1実施形態例に係るパチンコ機では遊技回数記憶部270が設けられていたが、第2の実施形態例に係るパチンコ機では、この構成に代えてリーチ演出回数記憶部(特定演出回数記憶部)370を備えている点が相違する。さらに、第2の実施形態例に係るパチンコ機では、第1の実施形態例に係るパチンコ機で有していた先読み予告態様記憶部280の構成を備えていないが、その代わりに、先読み演出態様記憶部380を備えている点でも相違する。以下、これらの構成について詳細に説明する。
先読み演出態様決定部360は、保留球乱数記憶部115に記憶されている保留球乱数に基づく遊技で表示する演出態様を、この保留球乱数に基づく遊技が開始されるより前に決定するためのものである。具体的には、始動入賞口37に遊技球が入賞して、特別図柄用乱数取得部112が特別図柄用乱数を取得し、この取得した特別図柄用乱数が保留球乱数として保留球乱数記憶部115に記憶されたタイミングで、先読み演出態様決定部360は、この保留球乱数に係る演出態様を決定するようになっている。この先読み演出態様決定部360による演出態様の決定は、保留球乱数として記憶されるタイミングで変動パターンコマンド決定部140から演出制御処理部12aに送られてきた保留球乱数に係る変動パターンコマンドに基づいて行われている。
即ち、保留球乱数に対応する変動パターン用乱数に基づいて、変動パターンコマンド決定部140が、演出時間(ダミー図柄の変動時間)とリーチの有無を決定し、その内容を変動パターンコマンドとして演出制御処理部12aに送ると、その変動パターンコマンドを受けた先読み演出態様決定部360は、このコマンドに基づいて、演出態様記憶部260に記憶されている複数種類の演出態様の中から、この保留球乱数に基づく遊技が行われるときの演出態様を先に決定するのである。例えば、演出時間が120秒で、リーチ有とのコマンドを受けると、この先読み演出態様決定部360は、演出時間が120秒、かつ、リーチ有の演出パターンが複数ある中で1つの演出パターンを決定する。
そして、この先読み演出態様決定部360が決定した内容は、先読み演出態様記憶部380に記憶される。なお、この記憶は、この決定に係る保留球乱数に基づく遊技が開始されるときまで維持され、当該遊技が開始された後は、この記憶情報は不要であるため消去される。
また、リーチ演出回数記憶部370は、遊技に係る演出として特定のリーチパターン(特定の演出態様)が実行される度にカウントを1ずつ加算して、その特定のリーチパターンが行われた回数を記憶している。つまり、特定のリーチパターンが前回の大当たり遊技終了後から何回行われたかが記憶されているのである。
次に、上記のように構成された第2の実施の形態例に係るパチンコ機Pの遊技の流れについて、図9に図示する、始動入賞口に入賞した遊技球に係る遊技処理手順を示したフローチャートを用いて説明する。まず、遊技領域31を流下している遊技球が、始動入賞口37に入賞したかどうか(始動口検知センサ43から遊技球を検知した信号の入力があったか)を判断する(ステップS210)。始動入賞口37に遊技球が入賞したと判断された場合(ステップS210でYes)には、特別図柄用乱数取得部112が特別図柄用乱数発生部111で発生した乱数の中から1つを取得すると共に、変動パターン用乱数取得部が、変動パターン用乱数発生部で発生した乱数の中から1つを取得する(ステップS211)。
次いで、特別図柄は変動中かどうかを特別図柄抽選部110が判断する(ステップS212)。特別図柄が変動中である場合(ステップS212でYes)には、保留球乱数記憶部115に取得した特別図柄用乱数を保留球乱数として記憶させると共に、演出制御処理部12aに保留球乱数を記憶した旨の保留球コマンドを送信する(ステップS213)。また、このステップS213において、変動パターン用乱数抽選部は、取得した変動パターン用乱数を変動パターン用乱数記憶部に記憶させると共に、この変動パターン用乱数に基づいて、変動パターンコマンド決定部140は、変動パターンコマンドを先読み演出態様決定部360に送信する。なお、保留球コマンドを受け取った演出制御処理部12aは、保留球表示装置34aに保留球表示(白色の星型のマーク)を行い、記憶した保留球乱数に係る遊技が開始される旨のコマンドを主制御処理部11から演出表示制御部12aが受信すると、この保留球表示を消去する。
次いで、先読み判定部150が、保留球乱数が大当たりであるか否かを判定する(先読み判定処理)と共に、先読み演出態様決定部360が変動パターンコマンドに基づいて、当該保留球乱数に基づく遊技で用いる演出態様の決定(先読み演出決定処理)を行い、その演出態様の決定を先読み演出態様記憶部380に記憶させる(ステップS214)。次に、ステップS215に進んで、先読み判定の結果が大当たりである場合(ステップS215でYes)には、演出表示制御部220は、特定リーチ回数を算出する(ステップS216)。具体的には、ステップS216において、演出表示制御部220は、リーチ演出回数記憶部370に記憶されている特定のリーチパターンが行われた回数と、先読み演出態様記憶部380に記憶されている演出態様のうち特定のリーチパターンとなる予定の回数とを合算して、特定のリーチパターンの合計数を算出する。
そして、変動中の特別図柄は停止したかを判断する(ステップS217)。変動中の特別図柄が停止した場合(ステップS217でYes)には、演出表示制御部220は、特定のリーチパターンの合計数(特定リーチ回数)を演出表示装置34に表示する。例えば、特定リーチ回数が30回であるとすると、演出表示装置34に「特定リーチ:30回!」の表示が特別図柄停止時になされる(ステップS218)。
次いで、ステップS219にて、始動入賞口37に入賞したと判断された遊技球に係る保留球乱数に基づく遊技の順番がきたかどうかを主制御処理部11がチェックする(ステップS219)。順番が回ってきた場合(ステップS219でYes)には、当該保留球乱数に基づく遊技に関する処理が開始される。具体的には、ステップS220にて特別図柄当否判定部112が保留球乱数に係る大当たり判定を行う。そして、次にステップS221にて変動パターン用乱数記憶部に記憶されている変動パターン用乱数に基づいて、当該保留球乱数に基づく遊技の開始に際して、確認のために再度、変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信する。
この変動パターンコマンドが演出制御処理部12aに入力されると、演出態様決定部210が、演出態様記憶部260に記憶されている演出態様の中から、所定の演出態様を決定する(ステップS222)。所定の演出態様として特定のリーチパターンが決定されている場合には、リーチ演出回数記憶部370に特定リーチ回数として「1」を加算する(ステップS223)。次いで、ステップS224にて、この決定した演出態様を演出表示制御部220が演出表示装置34に表示すると共に、特別図柄表示制御部12bが特別図柄を特別図柄表示装置17に変動表示させる。
次いで、特別図柄は確定したか(停止したか)を主制御処理部11が判断し(ステップS225)、特別図柄が確定している場合(ステップS225でYes)には、次のステップS226で大当たりであるか否かをチェックする。大当たりと判定された場合(ステップS226でYes)には、大当たり遊技制御部160が大当たり遊技に移行する(ステップS227)。
なお、ステップS210でNoの場合には、ステップS210の前に戻り、ステップS215でNoの場合には、ステップS219まで進み、ステップS217でNoの場合には、ステップS217の前に戻る。また、ステップS219でNoの場合にはステップS219の前まで戻って、ステップS219でYesとなるまでこのステップを繰り返す。また、ステップS225でNoの場合はステップS225の前に戻り、ステップS226でNoの場合には、処理が終了する。また、ステップS212でNoの場合、つまり、保留球とならずに、始動口入賞を契機として直ちに遊技が開始された場合には、ステップS212からステップS220に飛んで、ステップS220以降の遊技処理が実行される。
以上、説明したように、本発明の第2の実施の形態例に係るパチンコ機Pでは、先読み判定部150が保留球乱数に対して大当たりであると判定した場合には、演出表示装置34に特定リーチ回数の履歴が表示されるため、この表示を見た遊技者は、前回の大当たりから先読み判定で大当たりと判定された保留球乱数に基づく遊技が行われるまでの間に、何回特定リーチが行われたかを確認することができる。
なお、上記した実施の形態例では、ステップS17またはステップS217で演出制御処理部12aは特別図柄の変動が停止したか否かをチェックするようにしたが、特別図柄の変動表示と演出表示装置34に表示されるダミー図柄の変動表示との表示の同期が取れている場合には、この構成に代えてステップS17またはステップS217において、演出制御処理部12aは演出表示装置34に対する演出態様の表示(ダミー図柄の変動表示)が停止したか否かをチェックするようにしても良い。かかる構成によれば、主制御処理部11からの特別図柄の変動停止信号を受信しなくても、演出制御処理部12aの中だけでステップS17またはステップS217の処理を実行することができ、制御が簡単になるといった利点がある。
また、初期状態(パチンコ機を出荷したときの状態、リセットされた状態、電源オンしてRAMがクリアされた状態など)から最初に大当たりとなるまでの遊技回数(初当たり遊技回数)を表示したい場合には、遊技回数記憶部270に、前記初期状態から先読み判定部150が大当たりであると判定したときに行われている遊技までの遊技回数(以下、初期時遊技回数という)を記憶させるようにすると良い。そして、先読み判定部150が大当たりであると判定した場合に、演出表示制御部220は、遊技回数記憶部270に記憶されている初期時遊技回数に、保留球乱数記憶部115に記憶されている保留球乱数のうち一番先に記憶されている保留球乱数から当該大当たりであると判定された保留球乱数までの記憶数を加えた合計数を初当たり遊技回数として演出表示装置34に表示するようにすれば、遊技者は、この初当たり遊技回数の表示を見るだけで、初期状態から何ゲーム目で大当たりとなるのかを簡単に知ることができることとなる。
なお、上記した実施の形態例では、大当たり間遊技回数や、特定リーチ回数を遊技履歴として表示したが、その他の遊技履歴情報も適宜、演出表示装置に表示することができることは勿論である。