JP5998387B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、当否判定結果を記憶する記憶手段を有し、その記憶されている当否判定結果の数が表示手段に表示される遊技機に関する。
下記特許文献1に記載の遊技機では、遊技球の入賞を契機として行われた当否判定結果のうち、まだ報知が行われていないものを保留表示する。この保留表示の画像は、遊技者による操作手段の操作等によって変化し、当該変化によってその保留表示に対応する当否判定結果が大当たりとなる可能性を報知する。
特開2005−261524号公報
上記特許文献1の構成は、保留表示が変化して大当たりとなる可能性が報知されるだけであり、趣向性に乏しい。
本発明の目的は、当否判定結果の数が識別図柄として表示手段に表示される遊技機において、その識別図柄を用いた演出の趣向性を向上させることにある。
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明にかかる遊技機は、ある入賞領域への遊技媒体の入賞を契機として当否を判定する当否判定手段と、この当否判定手段による当否判定結果を所定数記憶可能な記憶手段と、前記当否判定結果に基づく当否演出、および前記記憶手段が記憶している当否判定結果の数を示す識別図柄を表示する表示手段と、を備え、ある条件が成立したときに、前記表示手段に演出図柄が表示され、この演出図柄と前記識別図柄の少なくとも一方が他方に向かって移動して両者の一体化が成立した場合に、当該識別図柄に対応する前記当否判定手段による当否判定結果が当たりである可能性が高まるように設定された予告演出が搭載されており、前記演出図柄は、前記識別図柄を模した形状を一部に含み、前記演出図柄と前記識別図柄が一体化した上で、前記演出図柄の前記識別図柄を模した形状と前記識別図柄とが合成された場合に、当該識別図柄に対応する前記当否判定手段による当否判定結果が当たりである可能性がさらに高まるように設定され、前記演出図柄の前記識別図柄を模した形状と前記識別図柄とが合成された場合、当該合成されてなる部分のみが、合成される前の当該識別図柄とは異なる動きをするように構成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明にかかる遊技機では、単純に識別図柄が変化するかどうかによって大当たりとなる可能性を報知するのではなく、識別図柄とは別の図柄である演出図柄を表示させて、両図柄が一体化するかどうかによって報知するものであるから、従来に比して演出効果を向上させることが可能である。
また、演出図柄における識別図柄を模した形状と識別図柄が合成されるかどうかによって大当たりの可能性を報知するものとすれば、遊技者は、識別図柄と演出図柄が一体化した後、さらに当該「合成」が発生することを願いつつ演出の行方を見守ることとになるから、さらに演出効果を向上させることが可能となる。
また、演出図柄の識別図柄を模した形状と識別図柄とが合成される演出の演出効果をさらに向上させることが可能である。また、大当たりの可能性に影響を与える合成が成立したかどうかが容易に判断できる演出とすることが可能である。
本実施形態にかかる遊技機の正面図である(公知の部材は省略)。 保留識別図柄(保留四つの状態)が表示された表示装置を模式的に示した図である。 保留識別図柄に向かって移動する演出図柄(剣)が表示された表示装置を模式的に示した図である。 保留識別図柄と演出図柄が一体化された状態が表示された表示装置を模式的に示した図である。 保留識別図柄と演出図柄のエンブレムが合成された状態が表示された表示装置を模式的に示した図である。 保留識別図柄と演出図柄が一旦一体化されたにも拘わらず(a)、当該一体化が解消される(b)場合を示した図である。 メインコマンド解析処理(予告演出の制御処理)のフローチャートである。 保留識別図柄に向かって複数の演出図柄が移動し(a)、保留識別図柄と複数の演出図柄が一体化、合成される(b)場合を説明するための図である。 変動識別図柄と演出図柄が一体化された状態が表示された表示装置を模式的に示した図である。 変動識別図柄のエンブレムと演出図柄が合成された状態が表示された表示装置を模式的に示した図である。 可動体が演出位置に位置した状態を模式的に示した図である。 演出位置に位置する可動体に向かって移動する演出図柄(剣)が表示された表示装置を模式的に示した図である。 演出位置に位置する可動体と演出図柄のエンブレムが一体化されたかのような態様が形成された状態を示した図である。 演出位置に位置する可動体と演出図柄のエンブレムが合成されたかのような態様が形成された状態を示した図である。
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。なお、図1では、遊技機1の枠体、遊技球(本発明における遊技媒体に相当する)を発射する発射装置、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は省略している。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する金属製の薄板からなる帯状のガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、表示装置91(本発明における表示手段に相当する)、第一始動入賞口904、第二始動入賞口905、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。表示装置91は、後述する報知演出や選択演出に用いられる。かかる表示装置91の表示画面は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能である。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904、905や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904または905(本発明における入賞領域に相当する)への遊技球の入賞を契機として実行する。当否判定結果は、図示されない制御基板に設けられた記憶手段が記憶する。その他の構成等は公知の遊技機と同様のものが適用できるため、説明は省略する。
本実施形態にかかる遊技機1には、上記当否判定手段による判定結果が大当たりであるか否かに基づき、大当たりとなる可能性を報知する予告演出(第一予告演出および第二予告演出)が搭載されている。この予告演出は、上記記憶手段が記憶する当否判定結果の数が、識別図柄の数として表示装置91に表示されることを利用したものである。
第一予告演出について説明する。本実施形態における記憶手段は、当該時点で当否判定結果が報知されているもの一つと、それ以降に行われた最大四つの当否判定結果(いわゆる保留が最大四つ)を記憶可能である。したがって、当該時点で当否判定結果が報知されているもの一つを除き、四つの当否判定結果が記憶されている状態で遊技球が第一始動入賞口904や第二始動入賞口905に入賞したとしても、それを契機とする当否判定は行われない。当該時点で当否判定結果が報知されているもの以外の記憶手段に記憶されている(保留されている)当否判定結果は、保留識別図柄10(いわゆる保留アイコン)として表示装置91に表示される。一方、当該時点で当否判定結果が報知されているものについては、変動識別図柄20として表示装置91に表示されることがある(詳細は後述)。
当該時点で当否判定結果が報知されているもの(変動識別図柄20に対応する判定結果)を除き、記憶手段に記憶されている当否判定結果の数は、表示装置91に表示される保留識別図柄10の数と一致する。例えば、記憶手段に四つの当否判定結果が記憶されている場合には、図2に示すように表示装置91に四つの保留識別図柄10が表示される。本実施形態では、表示装置91の下側縁に沿って並ぶように保留識別図柄10が表示される。本実施形態の保留識別図柄10は、円とその円の内側に位置する三角が組み合わされた形態(以下、当該形態を単に「エンブレム」と称することもある)を有する。
大当たりであるか、はずれであるかを問わず、ある当否判定結果を報知するに際し、本第一予告演出を実行することが決定された場合には、表示装置91に表示されている、当該当否判定結果に対応する保留識別図柄10に向かって移動する演出図柄30が表示される(図3参照)。本実施形態の演出図柄30は、「剣」を描いた図柄である。当該「剣」の鍔32の部分には、円とその円の内側に位置する三角が組み合わされた形状(エンブレム321)が描かれている。すなわち、演出図柄30は、上記保留識別図柄10を模した形状(同一または類似(相似形含む))を一部に含むものである。
本実施形態における第一予告演出の態様としては大きく分けて三つある。
1)ある保留識別図柄10に向かって移動する演出図柄30である「剣」が表示され、当該「剣」が保留識別図柄10に突き刺さらず、「剣」と保留識別図柄10との一体化が成立しない態様(図6に示すように「剣」いったん突き刺さったものが外れてしまうような態様を含む)
2)ある保留識別図柄10に向かって移動する演出図柄30である「剣」が表示され、当該「剣」が保留識別図柄10に突き刺さり、「剣」と保留識別図柄10との一体化が成立する態様(図4参照)
3)ある保留識別図柄10に向かって移動する演出図柄30である「剣」が表示され、当該「剣」が保留識別図柄10に突き刺さり、「剣」と保留識別図柄10とが一体化した上で、その突き刺さり量がだんだんと増えていき、「剣」の鍔32にあるエンブレム321が、エンブレムそのものである保留識別図柄10と合成される態様(図5参照)
の三つである。
当該保留識別図柄10に対応する当否判定結果が大当たりとなる可能性は、3)の態様が最も高く、次いで2)の態様が高く、1)の態様がこのなかでは最も低くなる。なお、本発明において「一体化」は「合成」の上位概念であり、「一体化」が成立することなく「合成」が成立することはないものとする。すなわち、「合成」が成立している場合には、「一体化」も成立しているということである。
1)の態様は、演出として搭載されていなくてもよい。ただ、1)の態様が搭載されていなければ、「剣」である演出図柄30が表示装置91に表示された時点で、当該「剣」がいずれかの保留識別図柄10に突き刺さること(少なくとも一体化すること)が確定してしまうことから、「剣」が保留識別図柄10に突き刺さるかどうかに対する関心が薄れる。つまり、演出効果を高めるために、1)の態様が発生しうるように設定されていることが好ましい。また、1)の態様が発生した、すなわち「剣」が保留識別図柄10の突き刺さらなかった演出が発生した後、再度、当該保留識別図柄10に向かって「剣」が移動し、2)の態様や3)の態様が発生することがあってもよい。なお、1)の態様が発生した保留識別図柄10に対応する当否判定結果が大当たりとなる可能性は、本予告演出が発生しなかった保留識別図柄10に対応する当否判定結果と同程度に設定されていればよい。
2)の態様は、保留識別図柄10に対し、演出図柄30である「剣」の刃31の途中まで突き刺さり、両図柄が一体化される態様である。上記1)の態様が発生しうるように設定されている場合には、「剣」が保留識別図柄10に到達したとき、当該「剣」が保留識別図柄10に突き刺さるか突き刺さらないかを遊技者が注視するようにするため、間をもたせてもよい。
3)の態様は、2)の態様が発生した後、さらに大当たりの可能性が高まるかどうかを報知する。演出図柄30である「剣」の突き刺さり量が次第に大きくなっていき、最終的に鍔32の部分まで到達したときに、鍔32にあるエンブレム321が、エンブレムそのものである保留識別図柄10と合成される。両エンブレムが合成されると、演出図柄30である「剣」のみが存在したような状態となるから、本実施形態では、両エンブレムが合成された直後、その合成されてなるエンブレムが回転する。つまり、当該合成されてなるエンブレムは、合成される前のエンブレム(保留識別図柄10)とは異なる動きをするように構成されている。このようにすることにより、両エンブレムが合成されたのであるということを遊技者は認識する。すなわち、表示装置91に表示されていた保留識別図柄10が、単に、演出図柄30である「剣」に置き換わっただけの演出であるかのように捉えられてしまうことを防止している。なお、上記「異なる動き」とは回転に限られない。大きさが変化したり、形態が変化したりすることも、当該「異なる動き」に含まれる。
第一予告演出の制御フローを、図7を用いて簡単に説明する。本予告演出は、サブ制御基板により行われる。各種演出を制御するサブ制御基板は、ある一定時間(例えば10ms)間隔で、当否判定手段が搭載された主制御基板からのコマンドを受信しているかどうか判断し、受信している場合にはそのコマンドを解析・処理する、メインコマンド解析処理を実行する。当該メインコマンド解析処理の一部として、第一予告演出の制御が行われる。
サブ制御基板は、主制御基板からコマンドを受信したかどうか判断し(S1)、コマンドを受信している場合には、そのコマンドが保留球数コマンドかどうかを判断する(S2)。保留球数コマンドでない場合には、始動口入賞コマンドであるかどうかを判断する(S3)。始動口入賞コマンドは、遊技球が上記第一始動入賞口904や第二始動入賞口905に入賞したことが検出されたときに、それに基づく当否判定結果とともに受信するコマンドである。このコマンドを受信したとき(S3「Yes」)、保留先読みシナリオ抽選処理を行い(S4)、第一予告演出を実行するかどうかを判断する。つまり、保留先読みシナリオ抽選処理は、第一予告演出を実行する条件が成立したかどうかを判断する処理である。
具体的には、保留先読みシナリオ抽選処理では、当否判定結果が大当たりの場合は、大当たりに対応する大当たり予告演出テーブルに基づいて第一予告演出を実行するか否か、第一予告演出を実行する場合にはその態様を決定する。当否判定結果がはずれの場合は、はずれに対応するはずれ予告演出テーブルに基づいて第一予告演出を実行するか否か、第一予告演出を実行する場合にはその態様を決定する。両テーブルの構成等は適宜設定することができるものであるが、上述したように、当否判定結果が大当たりである場合のときの方が、上記2)の態様や3)の態様が選択されやすくするように構成されている。
保留先読みシナリオ抽選処理終了後、その他の先読み抽選処理(ある当否判定結果の報知演出に向けて、それより以前の当否判定結果の報知演出を利用する先読み演出の抽選。例えば、だんだんと表示装置91に表示される背景の色が変化していく演出が挙げられる)が行われる(S5)。この保留先読みシナリオ抽選処理終了後、または上記S3において始動口入賞コマンドを受信していないと判断された場合(S3「No」)には、保留球数コマンドや始動口入賞コマンド以外のコマンドを主制御基板から受信しているとき、当該コマンドに対応する処理を実行して(S9)、メインコマンド解析処理が終了する。
一方、上記S2において、保留球数コマンドを受信していると判断された場合(S3「Yes」)には、当該時点で表示装置91に表示される保留球数(すなわち保留識別図柄10の数)よりも保留球数コマンドが多いかどうかが判断される(S6)。なお、保留球数コマンドとは、当該時点での保留数(未だ報知されていない当否判定結果の数)に関するコマンドである。そのため、当該時点で表示装置91に表示される保留球数(すなわち保留識別図柄10の数)よりも保留球数コマンドが多い場合(S6「Yes」)には、新たに遊技球が入賞したことを反映させた保留先読みシナリオを表示装置91に表示する。つまり、新たに遊技球が入賞したとき、当該当否判定結果に対応する識別表示に対して、上記いずれかの態様にかかる演出を発生させることが上記S4の保留先読みシナリオ抽選処理で決定された場合には、それを表示装置91に反映させる(S7)。つまり、演出図柄30(「剣」)を表示させ、上記1)〜3)のいずれかの態様の演出を実行する。なお、第一予告演出は、ある当否判定結果に対応する保留識別図柄10が表示された直後に行わなければならないものではない。例えば、ある当否判定結果に対応する保留識別図柄10が、四番目の保留図柄として表示された場合にいきなり当該保留識別図柄10に対して第一予告演出を実行するのではなく、当該図柄が三番目〜一番目の保留識別図柄10に移行したときに当該図柄に対して第一予告演出が実行されるようにしてもよい。上記S4の保留先読みシナリオ抽選処理では、このように第一予告演出の態様だけでなく、第一予告演出が実行されるタイミングも抽選されるため、保留先読みシナリオ反映処理では当該タイミングに合わせて選択された態様の演出が実行されるように表示装置91に信号を送る。
上記S6において、当該時点で表示装置91に表示される保留球数(すなわち保留識別図柄10の数)よりも保留球数コマンドが多くないと判断された場合(S6「No」)には、保留先読みシナリオ進行処理が行われる(S8)。当該処理は、当否判定結果が報知されるにつれ、保留が一つずつ減っていくことになるため、それに合わせて保留識別図柄10を左にずらす(減らす)処理である。なお、当該処理を実行するにあたり、いずれかの保留識別図柄10に対し、上記2)や3)の態様の演出が実行されている場合(「剣」と保留識別図柄10が一体化している場合や「剣」のエンブレム321と保留識別図柄10が合成されている場合)には、当該状態を維持したまま、保留識別図柄10を左にずらす。
これら保留先読みシナリオ反映処理や保留先読みシナリオ進行処理を経て、保留球数コマンドや始動口入賞コマンド以外のコマンドを主制御基板から受信している場合には、当該コマンドに対応する処理を実行して(S9)、メインコマンド解析処理が終了する。
このような流れで第一予告演出が実行される。なお、このメインコマンド解析処理の流れはあくまで一例であり、適宜変更可能である。
本予告演出において、上記2)の態様および3)の態様が実行される場合、一の演出図柄30(すなわち、一の「剣」)だけでなく、複数の演出図柄30と保留識別図柄10が一体化されたり、複数の演出図柄30の各エンブレム321とエンブレムそのものである保留識別図柄10とが合成されたりすることがある(図8参照。なお、図8は複数の演出図柄30の各エンブレム321と保留識別図柄10が合成された状態を示したものである)。複数の演出図柄30と保留識別図柄10が一体化された場合に大当たりとなる可能性は、一の演出図柄30と保留識別図柄10が一体化された場合に大当たりとなる可能性よりも高くなるように設定される。また、複数の演出図柄30のエンブレム321と保留識別図柄10が合成された場合に大当たりとなる可能性は、一の演出図柄30のエンブレム321と保留識別図柄10が合成された場合に大当たりとなる可能性よりも高くなるように設定される。
第一予告演出は、変動識別図柄20に対してなされることもあるようにしてもよい。すなわち、一の保留識別図柄10が変動識別図柄20に変化したときに、上記第一予告演出が実行されるか否かが判断されるようにしてもよい。具体的には以下の通りである。表示装置91に表示されている保留識別図柄10のうち、最も早く当否判定がなされたものは、その直前になされた当否判定結果が報知された後、変動識別図柄20に変化する。本実施形態では、表示装置91に表示された保留識別図柄10は、当否判定が早いものから順に左側から並ぶ。したがって、保留識別図柄10のうち、最も早く当否判定がなされたものは、最も左側に位置する。この最も左側に位置する保留識別図柄10が、変動識別図柄20に変化する。図9に示すように、本実施形態では、最も左側に位置する保留識別図柄10の左側には、ライター40を模した画像が表示されており、最も左側に位置する保留識別図柄10はこのライター40の上側に移動する。当該移動によって、保留識別図柄10が変動識別図柄20に変化したとする。つまり、本実施形態では、保留識別図柄10が変動識別図柄20に変化した直後の段階では、図柄自体の形状は変化しない。
このライター40の上側に位置している変動識別図柄20に対応する当否判定結果を報知するにあたり、第一予告演出を実行することが決定された場合には、当該変動識別図柄20に向かって移動する演出図柄30である「剣」が表示される。この「剣」が上記1)〜3)の態様のいずれかとなることにより、当該変動識別図柄20に対応する当否判定結果が大当たりとなる可能性が報知される。すなわち、図9に示すように一体化されたり、図10に示すようにエンブレムが合成されたりする。なお、変動識別図柄20に対する本予告演出において、演出図柄30の形態や動きを異ならせてもよい。また、複数の演出図柄30(複数の「剣」)が変動識別図柄20と一体化したり、複数の演出図柄30のエンブレム321とエンブレムそのものである変動識別図柄20が合成されたりすることがあってもよい。
本実施形態では、ある遊技球の入賞による当否判定結果がなされ、当該当否判定結果に対して第一予告演出を実行する場合、当該当否判定結果に対応する識別図柄が、保留識別図柄10であるときに第一予告演出が実行されたときと、変動識別図柄20であるときに第一予告演出が実行されたときとでは、その識別図柄に対応する当否判定結果が大当たりとなる可能性が異なるように設定されている。つまり、保留識別図柄10であるときにその保留識別図柄10と演出図柄30との一体化が発生した場合には、変動識別図柄20であるときにその変動識別図柄20と演出図柄30の一体化が発生した場合よりも大当たりとなる可能性が高く、または、低く設定されている。最後まで第一予告演出の発生を期待する遊技性としたい場合には、変動識別図柄20と演出図柄30の一体化が発生した場合の方が、保留識別図柄10のそれよりも高くなるようにするとよい。
なお、変動識別図柄20は、最終的には、ライター40の炎で燃やされて、消滅したり、他の図柄に変化したりする。
次に、第二予告演出について説明する。第二予告演出は、識別図柄ではなく、可動体50に対して行われるものである。具体的には、可動体50と演出図柄30の組み合わせで行われるものである。
可動体50は、待機位置と演出位置との間を移動可能ないわゆる役物である。本実施形態では、可動体50は、その大部分が遊技盤90の左側に覆われた状態となる待機位置と、表示装置91に対して前後方向で重なる演出位置(図11参照)との間を移動可能である。可動体50は、上記エンブレムの形態を模したものである。このエンブレムを模した可動体50が、遊技盤90に覆われて遊技者からは視認困難となる位置、または表示装置91に重なって遊技者から視認される位置、のいずれかに位置する。また、可動体50は、演出位置に位置した状態のまま、回転させることが可能である。なお、待機位置と演出位置の間を自在に移動させることができ、演出位置に位置した状態で回転させることができるものであれば、当該可動体50の駆動機構はどのようなものであってもよい。
第二予告演出は、上記変動識別図柄20に対応する当否判定結果に対して、当該当否判定結果が大当たりである可能性を報知する演出として行われるものである。サブ制御基板が第二予告演出を実行するということを決定した場合、待機位置に位置する可動体50を演出位置に移動させるとともに、この演出位置に位置する可動体50に向かって移動する演出図柄30が表示される(図12参照)。演出図柄30の態様は、上記第一予告演出で説明したものと同じである。すなわち、鍔32の部分にエンブレム321が描かれた「剣」である。
上記第一予告演出と同様に、第二予告演出の態様は大きく分けて三つある。各態様の基本的な構成も同じである。すなわち、
1)可動体50に向かって移動する演出図柄30である「剣」が表示され、当該「剣」が可動体50に突き刺さらず、「剣」と可動体50との一体化が成立しない態様
2)可動体50に向かって移動する演出図柄30である「剣」が表示され、当該「剣」が可動体50に突き刺さり、「剣」と可動体50との一体化が成立する態様(図13参照)
3)可動体50に向かって移動する演出図柄30である「剣」が表示され、当該「剣」が可動体50に突き刺さり、「剣」と可動体50とが一体化した上で、その突き刺さり量がだんだんと増えていき、「剣」の鍔32にあるエンブレム321が、エンブレムそのものの形状を有する可動体50と合成される態様(図14参照)
の三つである。
当該保留識別図柄10に対応する当否判定結果が大当たりとなる可能性は、3)の態様が最も高く、次いで2)の態様が高く、1)の態様がこのなかでは最も低くなる。なお、上記「一体化」や「合成」は、あくまで見た目上のことをいう。つまり、有体物である可動体50と、表示装置91に表示される無体物(画像)である演出図柄30が組み合わされて、「あたかも一体化」、「あたかも合成」されたかのような印象を与える態様のことをいう。
1)の態様は、演出として搭載されていなくてもよい。ただ、1)の態様が搭載されていなければ、「剣」である演出図柄30が表示装置91に表示された時点で、当該「剣」が可動体50に突き刺さること(少なくとも一体化すること)が確定してしまうことから、「剣」が可動体50に突き刺さるかどうかに対する関心が薄れる。つまり、演出効果を高めるために、1)の態様が発生しうるように設定されていることが好ましい。かかる点については第一予告演出と同様である。
2)の態様は、可動体50に対し、演出図柄30である「剣」の刃31の途中まで突き刺さり、可動体50と演出図柄30が一体化されたかのように見える態様である。
3)の態様は、2)の態様が発生した後、さらに大当たりの可能性が高まるかどうかを報知する。演出図柄30である「剣」の見た目上の突き刺さり量が次第に大きくなっていき、最終的に鍔32の部分まで到達したときに、鍔32にあるエンブレム321が、エンブレムそのものを模した可動体50と合成されたかのようになる。本実施形態では、このような合成されたかのような形態が構築された後、可動体50を回転させる。つまり、当該合成されたかのような形態が構築された後のエンブレム(可動体50)は、合成されたかのような形態が構築される前のエンブレム(可動体50)とは異なる動きをするように構成されている。これにより、エンブレムそのものを模した可動体50が、剣の鍔32の部分にあるエンブレム321と合成されたのだということを遊技者は認識する。このように、本実施形態では、可動体50を回転させることによって、有体物である可動体50と無体物である画像が組み合わされた形態が構築されたときの違和感の低減、演出効果の向上を図っている。
本第二予告演出においても、上記2)の態様および3)の態様が実行される場合、一の演出図柄30(すなわち、一の「剣」)だけでなく、複数の演出図柄30と可動体50が一体化されたかのような形態が構築されたり、複数の演出図柄30の各エンブレム321とエンブレムそのものを模した可動体50とが合成されたかのような形態が構築されたりすることがある。複数の演出図柄30と可動体50が一体化されたかのような形態が構築された場合に大当たりとなる可能性は、一の演出図柄30と可動体50が一体化されたかのような形態が構築された場合に大当たりとなる可能性よりも高くなるように設定される。また、複数の演出図柄30のエンブレム321と可動体50が合成されたかのような形態が構築された場合に大当たりとなる可能性は、一の演出図柄30のエンブレム321と可動体50が合成されたかのような形態が構築された場合に大当たりとなる可能性よりも高くなるように設定される。
また、このような第二予告演出が搭載された遊技機に、上記第一予告演出も搭載されている場合、さらに遊技の趣向性が増す。すなわち、表示装置91に演出図柄30である「剣」が表示されたとき、この「剣」が可動体50に突き刺さるのか(第二予告演出が実行されるのか)、識別図柄(保留識別図柄10や変動識別図柄20)に突き刺さるのか(第一予告演出が実行されるのか)、表示直後は分からないため、遊技者は「剣」の行方に注視することとなる。この場合、可動体50が待機位置から演出位置に移動し、表示装置91に「剣」が表示されたにも拘わらず、「剣」が識別図柄に向かって移動することがあるように設定するとよい。また、第一予告演出発生時の大当たりとなる可能性と、第二予告演出発生時の大当たりとなる可能性に差異を設定しておけば、大当たりとなる可能性が高い方に「剣」が向かうことを願うことになるため、さらに興趣が増す。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、演出図柄30や識別図柄の形態は適宜変更可能である。両図柄が、上記エンブレムに相当する共通の図柄を含んでいるものであればよい。
また、上記第一予告演出は、表示装置91に表示された演出図柄30である「剣」が保留識別図柄10や変動識別図柄20に向かって移動して、両者の一体化やエンブレムの合成が成立するか否かによって、大当たりの可能性を報知するものであることを説明したが、表示装置91に演出図柄30を表示させた上で、保留識別図柄10や変動識別図柄20が当該演出図柄30に向かって移動し、両者の一体化やエンブレムの合成が成立するか否かによって、大当たりの可能性を報知するものであってもよい。また、演出図柄30と識別図柄が互いに近づく方向に移動し、両者の一体化やエンブレムの合成が成立するか否かによって、大当たりの可能性を報知するものであってもよい。
以下、上記実施形態から得られる具体的手段の例を記載する。
手段1;ある入賞領域への遊技媒体の入賞を契機として当否を判定する当否判定手段と、この当否判定手段による当否判定結果を所定数記憶可能な記憶手段と、前記当否判定結果に基づく当否演出、および前記記憶手段が記憶している当否判定結果の数を示す識別図柄を表示する表示手段と、を備え、ある条件が成立したときに、前記表示手段に演出図柄が表示され、この演出図柄と前記識別図柄の少なくとも一方が他方に向かって移動して両者の一体化が成立した場合に、当該識別図柄に対応する前記当否判定手段による当否判定結果が当たりである可能性が高まるように設定された予告演出が搭載されていることを特徴とする遊技機。
手段2;手段1の遊技機において、前記演出図柄は、前記識別図柄を模した形状を一部に含み、前記演出図柄と前記識別図柄が一体化した上で、前記演出図柄の前記識別図柄を模した形状と前記識別図柄とが合成された場合に、当該識別図柄に対応する前記当否判定手段による当否判定結果が当たりである可能性がさらに高まるように設定されていることを特徴とする。
手段3;手段2の遊技機において、画像前記演出図柄の前記識別図柄を模した形状と前記識別図柄とが合成された場合、当該合成されてなる図柄が、合成される前の当該識別図柄とは異なる動きをするように構成されていることを特徴とする。
手段4;手段1から手段3のいずれかの遊技機において、前記第二演出画像は、複数の前記演出図柄が一の前記識別図柄と一体化することがあり、複数の前記演出図柄が一の前記識別図柄と一体化した場合には、一の前記演出図柄が一の前記識別図柄と一体化した場合よりも大当たりとなる可能性が高くなるように設定されていることを特徴とする。
手段5;手段1から手段4のいずれかの遊技機において、前記識別図柄は、当否判定結果を報知する演出が前記表示手段で実行されているものに対応する当該変動識別図柄と、この当該変動識別図柄に対応する当否判定よりも後に、前記入賞領域への遊技媒体の入賞を契機としてなされた当否判定結果に対応する保留識別図柄と、に区分され、ある当否判定結果に対応する前記識別図柄に対し前記演出図柄が一体化するか否かは、当該当否判定結果に対応する前記識別図柄が前記保留識別図柄であるときだけでなく、当該当否判定結果に対応する前記識別図柄が前記保留識別図柄から前記当該変動識別図柄になったときにも判断されることを特徴とする。
手段6;手段5の遊技機において、前記識別図柄が前記保留識別図柄であるときに前記演出図柄と一体化した場合と、前記識別図柄が前記保留識別図柄から前記当該変動識別図柄になったときに前記演出図柄と一体化した場合とでは、当該識別図柄に対応する当否判定結果が大当たりとなる可能性が異なるように設定されていることを特徴とする。
手段1の遊技機では、単純に識別図柄が変化するかどうかによって大当たりとなる可能性を報知するのではなく、識別図柄とは別の図柄である演出図柄を表示させて、両図柄が一体化するかどうかによって報知するものであるから、従来に比して演出効果を向上させることが可能である。
手段2の遊技機のように、演出図柄における識別図柄を模した形状と識別図柄が合成されるかどうかによって大当たりの可能性を報知するものとすれば、遊技者は、識別図柄と演出図柄が一体化した後、さらに当該「合成」が発生することを願いつつ演出の行方を見守ることとになるから、さらに演出効果を向上させることが可能となる。
手段3の遊技機のようにすれば、演出図柄の識別図柄を模した形状と識別図柄とが合成される演出の演出効果をさらに向上させることが可能である。また、大当たりの可能性に影響を与える合成が成立したかどうかが容易に判断できる演出とすることが可能である。
手段4の遊技機のようにすれば、一つだけでなく複数の演出図柄が識別図柄と一体化する可能性があることになるから、演出効果をさらに高めることが可能である。
手段5の遊技機のように、変動識別図柄に対して演出図柄が一体化する可能性がある演出とすれば、遊技者は保留識別図柄が変動識別図柄となってからも演出図柄との一体化による態様の変化に期待することができるから、最後まで演出図柄との一体化による大当たりとなる可能性の向上に期待できる演出とすることが可能である。
手段6の遊技機のようにすれば、識別図柄がどの段階で演出部材と一体化するかによって大当たりとなる可能性が変化するから、表示装置から目が離せない遊技性とすることが可能である。
1 遊技機
10 保留識別図柄
20 変動識別図柄
30 演出図柄
321 エンブレム
50 可動体
90 遊技盤
91 表示装置

Claims (1)

  1. ある入賞領域への遊技媒体の入賞を契機として当否を判定する当否判定手段と、
    この当否判定手段による当否判定結果を所定数記憶可能な記憶手段と、
    前記当否判定結果に基づく当否演出、および前記記憶手段が記憶している当否判定結果の数を示す識別図柄を表示する表示手段と、
    を備え、
    ある条件が成立したときに、前記表示手段に演出図柄が表示され、この演出図柄と前記識別図柄の少なくとも一方が他方に向かって移動して両者の一体化が成立した場合に、当該識別図柄に対応する前記当否判定手段による当否判定結果が当たりである可能性が高まるように設定された予告演出が搭載されており、
    前記演出図柄は、前記識別図柄を模した形状を一部に含み、
    前記演出図柄と前記識別図柄が一体化した上で、前記演出図柄の前記識別図柄を模した形状と前記識別図柄とが合成された場合に、当該識別図柄に対応する前記当否判定手段による当否判定結果が当たりである可能性がさらに高まるように設定され、
    前記演出図柄の前記識別図柄を模した形状と前記識別図柄とが合成された場合、当該合成されてなる部分のみが、合成される前の当該識別図柄とは異なる動きをするように構成されていることを特徴とする遊技機。
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