JP2017000433A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】Vゾーン(確変領域や特定領域)を有する遊技機において、通常当たりに対する遊技者のネガティブな印象を低減させることのできる遊技機を提供することを目的とする。【解決手段】エンディング時間は、特別図柄の種別を参照して決定される。例えば、特別図柄1または特別図柄4の場合には、低確モード、時短モード、確変モードの何れであっても、エンディング時間として「1.5」秒が決定される。また、特別図柄2、特別図柄3、特別図柄5または特別図柄6の場合には、低確モード、時短モード、確変モードの何れであっても、エンディング時間として「1.7」秒が決定される。【選択図】図11

Description

本発明は、遊技球を用いた遊技を行う遊技機に関する。
従来から、特許文献1や特許文献2に記載されているように、確変領域や特定領域といった、いわゆるVゾーンに遊技球を入球させることにより、確率変動状態に移行可能な遊技機が知られている。このようなVゾーンが設けられた遊技機では、大当たりの種類として、Vゾーンに入球させることが容易な大当たり(以下、「確変当たり」という)と、Vゾーンに入球させることが困難/不可能な大当たり(以下、「通常当たり」という)と、を設けて、確率変動状態への実質的な移行割合を所定の確率となるようにしている。すなわち、確変当たりと通常当たりとにおいて、Vゾーンへの入球可能性を変えることにより、確率変動状態へ移行する確率が所定の確率となるように設計されている。
特開2013−162958号公報 特開2013−255784号公報
ところで、上記特許文献1や特許文献2に記載されたような、Vゾーンを有する遊技機(以下、「従来の遊技機」という)では、確変当たりと通常当たりとにおいて、入球可能性を変えるために、Vゾーンを有する大入賞口(以下、「Vアタッカー」という)の動作を異ならせるようにしている。具体的には、確変当たりでは、Vアタッカーに遊技球が必ず入球するように、Vアタッカーの開放時間を十分長く設定する。一方、通常当たりでは、Vアタッカーに遊技球が入球しないように、Vアタッカーの開放時間を極端に短くする/Vアタッカー自体を開放させないよう設定する。このように、通常当たりでは、Vゾーンに入球さないために、Vアタッカーにさえも入球困難/入球不可能な態様となるように設定することが、最も簡易で、かつ、確実性の高い方法である。
しかしながら、上記したような設定にした結果、通常当たりの場合には、Vアタッカーへの入球がほぼ無いために、確変当たりと比べて1回の大当たり遊技における出玉(賞球数)が少なくなるという事態が生じてしまう。これにより、通常当たりに対する遊技者のネガティブな印象をさらに増幅させてしまうことが問題となっている。
そこで、本発明は、上記問題を解決するために、Vゾーン(確変領域や特定領域)を有する遊技機において、通常当たりに対する遊技者のネガティブな印象を低減させることのできる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、所定の始動条件が成立したときに判定情報を取得し、この取得した判定情報に基づいて、複数種類設けられるとともに、特別可変入賞装置が所定の態様で開閉する特別遊技の中から何れの前記特別遊技を行うか否かを判定する特別遊技判定手段と、前記特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、前記特別可変入賞装置内に設けられるとともに、当該特別可変入賞装置内に入球した遊技球が進入可能な特定領域と、前記特定領域への遊技球の進入を不可能若しくは困難にする第1の態様、および前記第1の態様よりも前記特定領域への遊技球の進入を容易にする第2の態様に変位する進入可変手段と、前記特定領域に遊技球が進入したことを検出する特定領域検出手段と、前記特定領域に遊技球が進入したことを条件として、特定の遊技価値を付与する特定遊技価値付与手段と、を備え、前記進入可変手段は、前記特別遊技において前記特別可変入賞装置が所定の態様で開閉する複数のラウンド遊技のうち、最終回目となるラウンド遊技にて前記第1の態様および前記第2の態様に変位するものであり、前記特別遊技制御手段は、前記特別遊技における前記最終回目のラウンド遊技において、前記特別可変入賞装置の所定の態様の開閉を終了させると、当該特別遊技が終了するまでの待機処理を実行した後に前記特別遊技を終了させるものであり、前記待機処理が実行される待機処理実行時間を設定する実行時間設定手段と、前記実行時間設定手段により設定された前記待機処理実行時間が終了するまで、前記特定領域検出手段による検出を有効な検出であると判定する有効判定手段と、をさらに備え、前記実行時間設定手段は、前記待機処理実行時間を、前記特別可変入賞装置内に進入した遊技球が、前記特定領域検出手段により検出されるまでの検出所要時間よりも短い第1時間、または、前記検出所要時間よりも長い第2時間の何れかに設定することが可能であり、前記有効判定手段は、前記待機処理実行時間が前記第1時間に設定された場合には、前記特別可変入賞装置内に進入した遊技球が、この第1時間の経過後に前記特定領域検出手段により検出されることに基づいて、当該検出を有効な検出であると判定しない一方、前記待機処理実行時間が前記第2時間に設定された場合には、前記特別可変入賞装置内に進入した遊技球が、この第2時間が経過するよりも前に前記特定領域検出手段により検出されることに基づいて、当該検出を有効な検出であると判定する、ことを特徴としている。
また、上記構成において、前記特定遊技価値付与手段は、前記待機処理実行時間が前記第1時間に設定された場合であって、前記有効判定手段により有効な検出であると判定されなかったことを条件として、第1の遊技価値を付与する一方、前記待機処理実行時間が前記第2時間に設定された場合であって、前記有効判定手段により有効な検出であると判定されたことを条件として、前記第1の遊技価値よりも遊技者にとっての有利度合が高い第2の遊技価値を付与する、ことを特徴としている。
また、上記構成において、前記特別可変入賞装置内には、前記進入可変手段が、前記第1の態様に変位することにより、当該特別可変入賞装置内に入球した遊技球のうち、少なくとも1個の遊技球を停留させることが可能な停留部が設けられているとともに、前記進入可変手段が、前記第2の態様に変位することにより、前記停留部において停留された遊技球が、この停留部における停留が不可能になることに基づいて、前記停留部において停留された遊技球が進入可能となる誘導部が形成されており、前記誘導部は、この誘導部に進入した遊技球を前記特定領域に到達させるための通路形状を成している、ことを特徴としている。
また、上記構成において、前記進入可変手段は、前記特別遊技制御手段が、前記特別遊技における前記最終回目のラウンド遊技において、前記特別可変入賞装置の所定の態様の開閉を終了させるまで、前記第1の態様に維持される一方、前記待機処理が実行されているときには、前記第2の態様に変位して、この第2の態様に維持されるものであり、前記特別可変入賞装置内には、前記進入可変手段が前記第1の態様に維持されているときに、前記特別可変入賞装置内に入球した遊技球を、受け入れ可能な一般領域がさらに設けられており、前記一般領域に遊技球が受け入れられた場合、所定数の遊技球を付与する賞球付与手段をさらに備えた、ことを特徴としている。
また、上記構成において、前記実行時間設定手段は、前記特別遊技の種類に基づいて、異なる前記待機処理実行時間を設定することが可能であり、前記特別遊技には、前記実行時間設定手段が、前記待機処理実行時間として、前記第1時間を設定する第1特別遊技と、前記実行時間設定手段が、前記待機処理実行時間として、前記第2時間を設定する第2特別遊技と、が設けられている、ことを特徴としている。
また、上記構成において、前記進入可変手段は、常には、前記第2の態様に維持されている一方、前記特別遊技の前記最終回目のラウンド遊技において、前記特別可変入賞装置の開閉動作が開始されたことを条件として、前記第2の態様から前記第1の態様に変位し、前記特別可変入賞装置の開閉動作を終了させる開閉動作終了条件が成立したことを条件として、前記第1の態様から前記第2の態様に変位する、ことを特徴としている。
本発明によれば、Vゾーン(確変領域や特定領域)を有する遊技機において、通常当たりに対する遊技者のネガティブな印象を低減させることのできる遊技機を提供することができる。
本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の外観斜視図である。 図1に示すパチンコ機の正面図である。 図1に示すパチンコ機の背面図である。 図1に示すパチンコ機の遊技盤の正面から見た図である。 アタッカー装置の構成について説明する図である。 アタッカー装置の構成について説明する図である。 図1に示すパチンコ機の構成を示すブロック図である。 大当たり決定乱数判定テーブルの詳細を示す図である。 当たり図柄乱数判定テーブルの詳細を示す図である。 アタッカー装置の作動テーブルの詳細を示す図である。 遊技状態設定テーブルの詳細を示す図である。 エンディング時間決定テーブルの詳細を示す図である。 リーチグループ決定乱数判定テーブルの一部の詳細を示す図である。 ハズレ用のリーチモード決定乱数判定テーブルの一部の詳細を示す図である。 大当たり用のリーチモード決定乱数判定テーブルの一部の詳細を示す図である。 変動パターン乱数判定テーブルの一部の詳細を示す図である。 変動時間決定テーブルの一部の詳細を示す図である。 当たり決定乱数判定テーブルの詳細を示す図である。 普通図柄変動時間決定テーブルの詳細を示す図である。 開閉制御パターンテーブルの詳細を示す図である。 主制御基板におけるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御基板におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御基板におけるスイッチ管理処理を示すフローチャートである。 主制御基板における第1始動入賞口検出スイッチ入力処理を示すフローチャートである。 主制御基板における事前判定処理を示すフローチャートである。 主制御基板における特定領域検出スイッチ入力処理を示すフローチャートである。 主制御基板における一般領域検出スイッチ入力処理を示すフローチャートである。 主制御基板における特別遊技管理処理を示すフローチャートである。 主制御基板における特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 主制御基板における変動演出パターン決定処理を示すフローチャートである。 主制御基板における特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 主制御基板における停止後処理を示すフローチャートである。 主制御基板における特別遊技制御処理を示すフローチャートである。 主制御基板におけるV入賞設定処理を示すフローチャートである。 主制御基板における特別遊技終了処理を示すフローチャートである。 主制御基板における普通遊技管理処理を示すフローチャートである。 主制御基板における普通図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 主制御基板における普通図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 主制御基板における普通図柄停止後処理を示すフローチャートである。 主制御基板における可動片制御処理を示すフローチャートである。 V入賞とエンディング時間との関係の詳細を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施形態では、遊技機の一例であるパチンコ機Pについて図面を参照しながら具体的に説明する。
図1および図2に示すように、パチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤14(図4参照)と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部4が形成されたガラス扉3と、このガラス扉3の開口部4に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。
ガラス扉3は、左右方向の一端側(例えば、パチンコ機Pに正対して左側)においてヒンジ機構部9を介して本体枠2に連結されており、このヒンジ機構部9を支点として左右方向の他端側(例えば、パチンコ機Pに正対して右側)を本体枠2から開放させる方向に回動可能とされている。また、この他端側には、ガラス扉3を本体枠2に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能となっている。また、ガラス扉3には、ガラス扉3が本体枠2から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ303(図6参照)も設けられている。
さらに、ガラス扉3の上部には上部スピーカ11が左右に1個ずつ取り付けられているとともに、ガラス扉3の右下部には下部スピーカ12が1個取り付けられており、遊技に関する様々な楽曲や効果音を出力することが可能となっている。なお、以下では、上部スピーカ11および下部スピーカ12をまとめて、スピーカ11,12と呼称する。
また、ガラス扉3の周囲にはLED等の発光体による発光が可能な装飾ランプ13A,13B,13C等が設けられており、これら装飾ランプ13A,13B,13Cでは、遊技の進行に合わせて種々の発光態様を行うことが可能となっている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、本体枠2の下部には、遊技球を遊技領域15に向けて発射するための発射装置(図示しない)が取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置に1個ずつ供給される。
また、受皿5が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿8に導かれることになる。この下皿8の底面には、当該下皿8から遊技球を排出するための玉抜き孔8bが形成されている。この玉抜き孔8bは、通常、開閉板(図示しない)によって閉じられているが、玉抜レバー8aを左右にスライドさせることにより、この玉抜レバー8aと一体となって開閉板がスライドし、玉抜き孔8bから下皿8の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、ハンドル7内にあるタッチセンサ7aが、ハンドル7に遊技者が触れたことを検知し、払出・発射制御基板300にタッチ信号を送信する。払出・発射制御基板300は、タッチセンサ7aからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド7cの通電を許可する。そして、ハンドル7の回転角度を変化させると、ハンドル7に直結しているギアが回転し、ギアに連結した発射ボリューム7bのつまみが回転する。この発射ボリューム7bの検出角度に応じた電圧が、発射装置に設けられた発射用ソレノイド7cに印加される。そして、発射用ソレノイド7cに電圧が印加されると、発射用ソレノイド7cが印加電圧に応じて作動するとともに、ハンドル7の回動角度に応じた発射強度で発射装置が遊技球を遊技領域15へと発射することができるようになっている。また、ハンドル7が初期位置に戻ると、発射ボリューム7bの検出角度が0度となり発射用ソレノイド7cに電圧が印加されなくなり、遊技球の発射が行われなくなる。
前面ボード6の中央部付近には、遊技者が押下操作および回転操作する演出操作装置60が設けられている。この演出操作装置60は、中央部分が押下式スイッチ(タッチボタン検出スイッチ61aにより押下操作を検出する)であるタッチボタン61と、周縁部が回転型セレクタ(回転操作検出スイッチ62aにより回動操作を検出する)であるセレクタスイッチ62と、で構成され、発展型の演出(例えば、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展する内容の演出)において用いられたり、大当たり遊技中における演出や楽曲を選択する際に用いられたりする。また、スピーカ11,12の音量調整のためにも用いられる。
また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御基板100、副制御基板200、払出・発射制御基板300等が設けられている。続いて、図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
図4に示すように、遊技盤14は、その盤面に遊技領域15を有しており、遊技領域15は、本体枠2に装着した後、ガラス板10を介して観察することができる。遊技領域15は、遊技球を滑走させるガイドレール16aと遊技球規制レール16bとによって略円形状となるように区画形成されており、発射装置によって打ち出された遊技球はこの遊技領域15内を流下する。
遊技領域15内には、演出表示装置40と、一般A入賞口20と、ゲート22と、ステージ50と、第1始動入賞口(始動口)24および第2始動入賞口(始動口)26と、第1大入賞口71と、第2大入賞口81と、アウト口29と、振分装置ユニット90等が設けられている。この振分ユニット90には一般B入賞口95が設けられている。また、遊技領域15内には、多数の遊技釘17(図示のように遊技釘17は遊技盤14上に多数設けられている)と、風車21も設けられている。また、遊技盤14右下方の位置には、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特別図柄保留表示器33と、第2特別図柄保留表示器34と、普通図柄保留表示器35とが設けられている。
第1始動入賞口24は、ステージ50の下方(演出表示装置40の下方側)に設けられているとともに、第2始動入賞口26は、遊技領域15の右側の領域19(演出表示装置40の右側)に設けられている。第2始動入賞口26は可動片26bを有しており、始動入賞口開閉ソレノイド26c(図6参照)に通電がなされると可動片26bが遊技盤14の前面側へ突出した位置に移動する。このとき遊技盤14の前面側に突出した可動片26bは、遊技領域15の上流側から流下してくる遊技球を受け止めて、第2始動入賞口26に遊技球を案内する。常態では、始動入賞口開閉ソレノイド26cに通電がなされておらず、可動片26bは遊技盤14の内部に没入した状態(閉状態)に維持されているが、始動入賞口開閉ソレノイド26cに通電がなされると、可動片26bが遊技盤14の前面側に突出した状態(開状態)となる。そして、可動片26bが閉状態に制御されているときは、第2始動入賞口26への遊技球の入賞を不可能としている。一方、可動片26bが開状態に制御されているときは、可動片26bが受皿として機能し、第2始動入賞口26への遊技球の入球が容易となる。そして、第2始動入賞口26に遊技球が入球すると、所定個数(例えば、2個)の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。また、第1始動入賞口24に遊技球が入球すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
発射装置の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ブッコミ狙いで遊技球を発射した場合)には、遊技球がルートLに示すように、遊技領域15の左側の領域18(演出表示装置40の左側)を流下することとなり、第1始動入賞口24に入賞する可能性があることとなる。なお、発射強度が弱〜中のときには、遊技球がゲート22を通過する可能性がないため、後述する普通図柄の抽選が行われない。そのため、第2始動入賞口26に入賞することが不可能となっている。このような発射強度で遊技球を発射しながら行う遊技を「左打ち遊技」ともいう。また、このことから、左打ち遊技において主に遊技球が流下することとなる、上記領域18を左打ち領域18ともいう。
また、発射装置の発射強度が中〜強のときには、遊技球がルートRに示すように、遊技領域15の右側の領域19(演出表示装置40の右側)を流下することとなり、ゲート22を通過する遊技球が増えることとなる。したがって、普通図柄の抽選が行われるため、第2始動入賞口26に入賞する可能性があることとなる。なお、この場合には、第2始動入賞口26への入賞に比べて低いものの、第1始動入賞口24にも入賞する可能性があるものとしている。このような発射強度で遊技球を発射しながら行う遊技を「右打ち遊技」ともいう。また、このことから、右打ち遊技において主に遊技球が流下することとなる、上記領域19を右打ち領域19ともいう。
右打ち領域19を流下する遊技球は、第2始動入賞口26に入賞する場合を除き、振分ユニット90の流入口91から振分装置ユニット90内部に流入し、この内部に設けられた振分機構(図示しない)により左右方向に振り分けられて、第1排出口92または第2排出口93の何れかより遊技領域15に排出されるようになっている。なお、上記振分機構は、概ね、1対1の比率で遊技球を左右方向に振り分ける機構となっている。
第1排出口92の下方(ほぼ直下)には一般B入賞口95が位置しているため、第1排出口92より排出された遊技球は、一般B入賞口95に向かって流下していくこととなる(経路XYで示すルートを辿る)。そして、このほとんどの遊技球が、一般B入賞口95に入賞するようになっている(概ね、9割程度が入賞するようになっている)。
一方、第2排出口93の下方には、誘導片94が設けられており、ほとんどの遊技球がこの誘導片94に衝突するようになっている、そして、誘導片94に衝突した遊技球は、第2アタッカー装置80および第1アタッカー装置70に入賞可能な流路を辿って流下していくこととなる(経路XZで示すルートを辿る)。したがって、第2アタッカー装置80の作動により第2大入賞口81が開放されている場合には、遊技球が第2大入賞口81に入賞可能となる。同様に、第1アタッカー装置70の作動により第1大入賞口71が開放されている場合には、遊技球が第1大入賞口71に入賞可能となる。
第1特別図柄表示装置30は、第1始動入賞口24に遊技球が入賞することを契機に行われる第1特別図柄(第1特図)係る電子抽選(大当たりの抽選)の結果を表示するためのものである。また、第2特別図柄表示装置31は、第2始動入賞口26に遊技球が入賞することを契機に行われる第2特別図柄(第2特図)に係る電子抽選の結果を表示するためのものである。
より具体的には、特別図柄表示装置30,31は、特図に係る抽選結果を、第1特図あるいは第2特図(例えば、数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示する。本実施形態では、特別図柄表示装置30,31として7セグメント表示器が用いられている。この特別図柄表示装置30,31は、演出表示装置40を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤14の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特図の変動が停止する。この点滅中の時間が、特図(第1特図、第2特図)の変動時間である。
また、本実施形態では、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことに基づく抽選と、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことに基づく抽選とが同時に行われることはなく、その実行順序はそれぞれの始動入賞口ごとに遊技球の入賞順である。即ち、先に入賞した始動入賞口に係る遊技が終了してから次の入賞に基づく遊技が行われるようになっている。そのため、第1始動入賞口24と第2始動入賞口26の両方の抽選結果を同時に表示することはない。また、特別図柄表示装置30,31は、第1特図についての変動および停止に係る表示を行う第1特図表示装置30と、第2特図についての変動および停止に係る表示を行う第2特図表示装置31とから構成されている。
なお、上記した通り、本実施形態では、第1始動入賞口24と第2始動入賞口26の両方の抽選結果が同時に表示されることはないため、2つの始動入賞口24,26に遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特別図柄表示装置で表示するものとしてもよい。
そして、特図の変動中や後述する大当たり遊技中等、第1始動入賞口24または第2始動入賞口26に遊技球が入賞して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとでこの入賞が入賞記憶(保留)として記憶される。より詳細には、第1始動入賞口24に遊技球が入賞した入賞記憶は第1保留として記憶され、第2始動入賞口26に遊技球が入賞した入賞記憶は第2保留として記憶される。
これら両保留は、それぞれ記憶可能な保留の個数を4個に設定し、その個数(記憶されている保留の個数)は、それぞれ第1特別図柄保留表示器33と第2特別図柄保留表示器34とに表示される。なお、第1特別図柄保留表示器33および第2特別図柄保留表示器34は、それぞれ、2つのLEDから構成されており、例えば、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器33のうち1つのLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器33の2つのLEDがともに点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器33の1つのLEDが点灯し、もう1つのLEDは点滅する。さらに、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器33の2つのLEDが点滅する。なお、第2特別図柄保留表示器34においても、上記と同様に第2保留の個数が表示される。
演出表示装置40は、遊技盤14の略中央部に設けられ、第1始動入賞口24に遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口26に遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置40には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、第1特別図柄表示装置30に変動表示される第1特図、または第2特別図柄表示装置31に変動表示される第2特図と同期をとって演出図柄48(48a,48b,48c)が変動表示/停止表示されるようになっている。
また、演出表示装置40には、保留の個数を示す表示(保留表示)を行うための保留表示領域42,44が設けられている。具体的には、演出表示装置40の左下側に第1保留表示領域42が設けられ、演出表示装置40の右下側に第2保留表示領域44が設けられている。さらに、第1保留表示領域42には、表示領域42a〜42dまで4つの表示領域が設けられており、それぞれ第1保留が1つの場合には表示領域42aに保留表示がなされ、第1保留が2つの場合には表示領域42aおよび表示領域42bに保留表示がなされ、第1保留が3つの場合には表示領域42a〜42cの3つに保留表示がなされ、第1保留が4つの場合には表示領域42a〜42dの4つに保留表示がなされるようになっている。また、第2保留表示領域44にも、表示領域44a〜44dまで4つの表示領域が設けられており、保留の個数に応じて表示領域44aから44dに向かって順に保留表示がなされるようになっている。例えば、図4に示す状態から1つの保留(表示領域42aに表示された保留表示)が処理されるときには、当該保留表示が、処理表示領域45上に移動して、処理保留表示として表示される。なお、保留表示は、通常は灰色で表示されるが、例えば、所定条件が成立した場合には、青色や黄色、赤色等に変化したり、アイコン等に変化したりするものとなっている。
なお、以下では、保留表示領域42における表示領域42a〜42d、保留表示領域44における表示領域44a〜44d、および処理表示領域45において保留表示および処理保留表示が表示されたとき、これを保留表示42,44,45という。
ゲート22は、遊技球が通過可能な構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのゲート検出スイッチ22aが内蔵されている。また、このゲート22を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄(普図)に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置32が、特別図柄表示装置30,31に隣接して設けられている。この普通図柄表示装置32は、本実施形態では、一つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときにLEDランプが点灯し、ハズレのときにはLEDランプが消灯するようになっている。なお、このLEDランプを点滅表示させることにより普図が変動し、その点滅が停止して点灯表示または消灯表示に変わることで普図の変動が停止する。この点滅中の時間が、普図の変動時間である。
また、ゲート22は、右打ち領域19にのみ設けられているため、上述したように、左打ち遊技を行っているときには、このゲート22に遊技球が通過する可能性はほぼ無いものといえる。したがって、左打ち遊技を行っているときには、普通図柄に係る電子抽選が行われず、第2始動入賞口26の可動片26bが開状態となることがない。よって、左打ち遊技を行っているときには、第2始動入賞口26に遊技球が入賞することが不可能となるのである。
そして、普通図柄に係る電子抽選の結果、当たり(普図当たり)となった場合には、第2始動入賞口26への入賞が可能となる。すなわち、始動入賞口開閉ソレノイド26cに通電がなされ、可動片26bが開状態となる第2の態様に可動状態が制御される。つまり、第2始動入賞口26は、ゲート22での抽選結果に応じて作動する。なお、第2始動入賞口26、可動片26bおよび始動入賞口開閉ソレノイド26cからなる構成は、普通図柄に係る抽選に基づいて作動(開状態/閉状態)することから、「普通電動役物」とも呼ばれる。
そして、普通図柄の上限記憶個数も4個に設定されており、その記憶個数が、上記第1特別図柄保留表示器33および第2特別図柄保留表示器34と同様の態様によって、普通図柄保留表示器35において表示される。
なお、特別図柄表示装置30,31、普通図柄表示装置32、特別図柄保留表示器33,34および普通図柄保留表示器35の表示制御は、主制御基板100によって行われている(図6参照)。
演出表示装置40の上方には、演出役物装置41が設けられている。この演出役物装置41は、演出表示装置40の上方から下方に向けて、この演出表示装置40の前面を覆うように可動することが可能な可動役物装置である(構造や機構等は図示しない)。この演出役物装置41は、特定の条件(例えば、大当たりに当選する、スーパーリーチに発展する等)が成立した場合などに作動する。そして、演出役物装置41が作動すると、演出表示装置40の前面の一部が覆われたような形態となる(図示しない)。
また、演出表示装置40の下方には、ステージ50が設けられている。このステージ50は、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ50の中央には溝52が形成されており、この溝52の真下の位置には第1始動入賞口24が配されている。そのため、溝52から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口24へと導かれる。
第1アタッカー装置70は、第1始動入賞口24に遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合、または第2始動入賞口26に遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合に所定の回数だけ開放される装置である。つまり、第1アタッカー装置70は、両始動入賞口24,26での抽選結果に応じて作動する。なお、第1アタッカー装置70は、特別図柄に係る抽選に基づいて作動(開放/閉鎖)する装置であることから、「特別電動役物」とも呼ばれる。
そして、この第1アタッカー装置70は、遊技盤14の盤面に対して水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材70bを備えており、第1大入賞口開閉ソレノイド70c(図6参照)を駆動することにより蓋部材70bが水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材70bが開いた状態では遊技領域15の下部に設けられた第1大入賞口71が露呈されるから、遊技者は、その第1大入賞口71に遊技球を入賞させることができる。
つまり、第1アタッカー装置70は、常態では蓋部材70bが第1大入賞口71を閉じているため、第1大入賞口71に遊技球が入賞することはないが、大当たり遊技に移行すると、蓋部材70bが所定のラウンド数だけ開放されて第1大入賞口71が露呈されることとなる。このため、大当たり遊技においては、遊技球を第1大入賞口71内に入賞させることが可能となる。そして、第1大入賞口71に遊技球が入賞すると、所定個数(例えば、14個)の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、第1大入賞口71に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。なお、第1大入賞口71は、横長な長方形の開口であり、第1アタッカー装置70の蓋部材70bは、この第1大入賞口71の形状とほぼ同じ形状を成している。なお、大当たり遊技の詳細については後述する。
第2アタッカー装置80(Vアタッカー装置80)は、第1アタッカー装置70の右側方から下方側を囲うように設けられており、第1始動入賞口24に遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合、または第2始動入賞口26に遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合、当該大当たり遊技における所定のラウンドにて開放される装置である。この第2アタッカー装置80には、第2アタッカー装置80内に入球した遊技球が入賞可能な特定領域82が設けられており、この特定領域82に遊技球が入賞すると、高確率遊技回数(X)が所定回数だけ付与される。このため、第2アタッカー装置80は、Vアタッカー装置80と呼ばれることもある。
第2アタッカー装置80は、遊技盤14の前面に突出した可動片80bを備えており、第2大入賞口開閉ソレノイド80c(図6参照)を駆動することにより、遊技盤14の前面側に突出した位置にある可動片80bが、遊技盤14の内部に没入した位置に移動する構成となっている。そして、可動片80bが上記突出した位置にある状態ではこの可動片80bにより第2大入賞口81が塞がれるため、遊技球が第2大入賞口81内に入賞することが不可能となっている。一方、可動片80bが上記没入した位置に移動した状態では第2大入賞口81が露呈されることとなる。この第2大入賞口81内には、通路84が形成されており、この通路84の分岐部84aからは、通路85、通路86が分岐して形成されている。そして、通路84は、通路85または通路86に向かって下り傾斜を成している。これにより、第2大入賞口81内に遊技球が入球すると、この入球した遊技球は、まず通路84を流下していき、通路85または通路86の何れかに分岐して、各々の通路を転動していくこととなる。
第2大入賞口81内の構造について、さらに、図5Aおよび図5Bを参照して説明する。
図5A(a)に示すように、通路85の終端側(分岐部84aから最も遠い側)には、特定領域82が設けられている。また、通路86の終端側(分岐部84aから最も遠い側)には、一般領域83が設けられている。そして、特定領域82には、この特定領域82に遊技球が入賞したことを検出する特定領域検出スイッチ82aが設けられている。同様に、一般領域83にも、この一般領域83に遊技球が入賞したことを検出する一般領域検出スイッチ83aが設けられている。
通路85の始端側(分岐部84a側)には、通路85内において、遊技盤14の前面側に突出するスライド82bが設けられている。このスライド板82bは、特定領域開閉ソレノイド82c(図6参照)を駆動することにより、遊技盤14の内部に没入した位置にあるスライド板82bが、遊技盤14の前面側に突出した位置に移動する構成となっている。
特定領域開閉ソレノイド82cが駆動していないとき(OFFのとき)には、スライド板82bは、開状態に維持されており、特定領域開閉ソレノイド82cが駆動すると、スライド板82bが閉状態に維持される。
スライド板82bが閉状態に維持されているときは、スライド板82bが、通路85内において、遊技盤14の前面側に突出した状態となるため、このスライド板82bにより通路85が塞がれた状態となる。なお、図5A(a),(b)および図5B(c)は、スライド板82bが閉状態に維持されている場合を示している(スライド板82bにハッチングを施している)。
一方、スライド板82bが開状態に維持されているときは、スライド板82bが、通路85内において、遊技盤の内部に没入した状態となるため、このスライド板82bにより通路85が塞がれた状態が解除される。なお、図5B(d)は、スライド板82bが開状態に維持されている場合を示している。
また、通路85内であって、スライド板82bにより区切られた始端側には、貯留部85Tが形成されている。この貯留部85Tは、通路84から通路85に流下してきた遊技球が、閉状態に維持されたスライド板82bによって、通路85内に進入することが妨げられた場合に、この遊技球を通路85の始端側にて停留させておく(留め置く)ことが可能なスペースを有している。このスペースは、概ね、遊技球1個程度を停留させるに十分な広さとなっている。
そして、この貯留部85Tには、貯留検知センサ85aが設けられている。この貯留検知センサ85aは、後述するように、スライド板82bが閉状態に維持されている場合において、貯留部85Tに遊技球が貯留されたときに、この遊技球を検知することが可能な位置に設けられている。したがって、貯留検知センサ85aにより遊技球が検知された場合には、通路85の貯留部85Tにおいて、遊技球が貯留されていることとなる。
実際に、第2大入賞口81内に遊技球(遊技球800,801,802)が入球したときの遊技球の流れ(転動していく状況)について説明する。大当たり遊技における最終回目のラウンド遊技が開始されると、特定領域開閉ソレノイド82cがONされて、スライド板82bが閉状態に維持される。
まず、図5A(a)に示すように、遊技球800が第2大入賞口81内に入球すると、通路84内を流下していく(なお、この後、遊技球801、遊技球802も入球することとなるが、これについては後述する)。そして、分岐部84aを経由して、通路85へ分岐された遊技球800は、図5A(b)に示すように、閉状態に維持されたスライド板82bにより、通路85の貯留部85Tにて、それ以上の流下(転動)が遮られる。すなわち、遊技球800は、貯留部85Tにおいて貯留された状態となる。このとき、上述した通り、貯留部85Tに貯留された状態にある遊技球800は貯留検知センサ85aに検知されることとなる。これにより、遊技球800が通路85の貯留部85Tにおいて貯留されたことが分かることとなる。
また、図5A(b)では、遊技球801も第2大入賞口81内に入球しており、通路84内を流下している様子が示されている。さらには遊技球802も第2大入賞口81内に入球する様子が示されている。
なお、本実施形態では、通路84を流下してきた遊技球が、通路86に向かうよりも、通路85に向かいやすくなるように、図示(図5A(a)等参照)のように、通路84から通路85の方向に向けて傾斜した形状を成すように構成されている。
そして、図5B(c)に示すように、遊技球800に続いて入球した遊技球801が分岐部84aを経由して通路85に向かって流下していくこととなるが、既に、通路85の貯留部85Tには遊技球800が貯留されている。そして、この遊技球800により、遊技球801は通路86へ分岐させられることとなる。すなわち、貯留部85Tに貯留された遊技球800により、遊技球801が通路85へ進入することの可能な経路が塞がれており、遊技球801が貯留部85Tにて貯留されることも不可能な状態となっている。したがって、遊技球801は、通路85へ分岐されることなく、通路86へ分岐されることとなる。
同様に、遊技球801の後に入球した遊技球802(および、この遊技球802よりも後に入球した遊技球があった場合には、この遊技球、図示省略)についても、遊技球800により通路85へ進入することの可能な経路が塞がれている(遊技球801と同様に、貯留部85Tにて貯留されることも不可能な状態となっている)ことにより、通路85へ分岐されることはなく、通路86へ分岐されることとなる。
その後、所定のタイミング(第2アタッカー装置80の作動終了時)により、スライド板82bが開状態に維持されると、図5B(d)に示すように、貯留部85Tにおいてスライド板82bにより貯留されていた遊技球800が、通路85内を、この通路85の終端側に向かって転動していくこととなる。
上記図5A(b)および図5B(c)で示したように、スライド板82bは、通路85の始端側であって、1個の遊技球を貯留させることが可能な位置に設けられている。そして、貯留部85Tに貯留された1個の遊技球は、通路85への遊技球の進入(入球、転動)を完全に塞ぎ、分岐部84aを経由して流下してきた遊技球が全て通路86に進入(入球、転動)するように誘導するための役割を担うこととなる。
そして、スライド板82bは、第2アタッカー装置80の作動終了時(つまり、第2大入賞口開閉ソレノイド80cの駆動が全て終了した時)に開状態に維持される。すなわち、スライド板82bは、第2大入賞口81に遊技球の入球が不可能な状態となってから、開状態に維持される。これにより、スライド板82bにより、貯留部85Tにおいて貯留された1個の遊技球(図5Aおよび図5Bの例では遊技球800)については、少なくとも、通路85内を転動させて特定領域82に辿り着かせることが可能となっている。
したがって、大当たり遊技において、第2アタッカー装置80が開放された所定のラウンドに、この第2アタッカー装置80内に遊技球が入球すると、(閉状態に維持されたスライド板82bにより、)貯留部85Tにおいて貯留された1個の遊技球が、特定領域82に入賞することとなる。
また、第2大入賞口81内の上端側(第2大入賞口81の入り口側、可動片80bの直下)には、第2大入賞口検出スイッチ81aが設けられている。第2大入賞口81内に入球した遊技球は、まず、この第2大入賞口検出スイッチ81aにより検出され、その後、通路84内を流下していき、上述した通り、分岐部84aを経由して、通路85または通路86に分岐され、特定領域82または一般領域83に入賞することとなる。すなわち、第2大入賞口検出スイッチ81aにより検出された遊技球が、特定領域82または一般領域83に入賞するようになっている。なお、第2大入賞口検出スイッチ81aは、第2大入賞口81の入り口に設けられているため、第2大入賞口81に遊技球が入球したのとほぼ同時に、第2大入賞口検出スイッチ81aによる遊技球の検出がされることとなる。そして、第2大入賞口検出スイッチ81aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、10個)の遊技球が賞球として払い出される。すなわち、第2大入賞口81に遊技球が入賞すると、上記所定個数(10個)の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
ここで、本実施形態では、貯留部85Tにおいてスライド板82bにより貯留された遊技球が、この貯留部85Tから特定領域82に到達する(特定領域に入賞する)までの所要時間が「1.6」秒間となるよう、通路85の形状、長さが設定されている。すなわち、貯留部85Tにおける遊技球の貯留が解除された(つまり、スライド板82bが開状態に維持された)時点から、この遊技球が特定領域82に入賞する(つまり、特定領域検出スイッチ82aにより検出される)時点までの所要時間が「1.6」秒間となるよう、通路85の形状、長さが設定されている。
なお、第2アタッカー装置80は、特別図柄に係る抽選に基づいて作動(開放/閉鎖)する装置であることから、「特別電動役物」とも呼ばれる。
また、一般A入賞口20に遊技球が入賞すると、所定個数(例えば、10個)の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。同様に、一般B入賞口95に遊技球が入賞すると、所定個数(例えば、4個)の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。なお、一般A入賞口20に係る賞球と一般B入賞口95に係る賞球とを同じ所定個数としてもよい。
そして、一般A入賞口20、第1始動入賞口24、第2始動入賞口26、第1大入賞口71、第2大入賞口81および振分装置ユニット90に設けられた一般B入賞口95の何れにも入らなかった遊技球は、アウト口29から回収される。なお、一般A入賞口20、第1始動入賞口24、第2始動入賞口26、第1大入賞口71および第2大入賞口81の内部、一般B入賞口95にはそれぞれ遊技球の通過を検出する、一般A入賞口検出スイッチ20a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、第1大入賞口検出スイッチ71a、第2大入賞口検出スイッチ81a、特定領域検出スイッチ82aおよび一般領域検出スイッチ83a、一般B入賞口検出スイッチ95a(図6参照)が設けられている。
次に、図6を用いて、パチンコ機Pを構成する各制御基板等について説明する。
主制御基板100は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板100は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100cを備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチや各種タイマカウンタからの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板100の入力側には、一般A入賞口検出スイッチ20a、ゲート検出スイッチ22a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、第1大入賞口検出スイッチ71a、第2大入賞口検出スイッチ81a、特定領域検出スイッチ82aおよび一般領域検出スイッチ83a、一般B入賞口検出スイッチ95a、貯留検知センサ85aが接続されており、遊技球の検出信号が主制御基板100に入力するようにしている。
また、主制御基板100の出力側には、第2始動入賞口26の可動片26bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド26cと、第1アタッカー装置70の蓋部材70bを開閉動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド70cと、第2アタッカー装置80の可動片80bを開閉動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド80cと、スライド板82bを開閉動作させる特定領域開閉ソレノイド82cと、が接続される。
さらに、主制御基板100の出力側には、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特別図柄保留表示器33、第2特別図柄保留表示器34および普通図柄保留表示器35が接続されており、出力ポートを介して各種信号が出力される。
また、主制御基板100は、遊技店のホールコンピュータ等において遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を払出・発射制御基板300に出力する。
主制御基板100のメインROM100bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、特別図柄の当否結果を判定する際に参照される大当たり決定乱数判定テーブル(図7(a)、図7(b)参照)、特別図柄の種別を決定する際に参照される当たり図柄乱数判定テーブル(図8(a)、図8(b)参照)、アタッカー装置70,80の開閉パターンを決定する作動テーブル(図9(a)〜(f)参照)、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するための遊技状態設定テーブル(図10参照)、エンディング時間を決定するためのエンディング時間決定テーブル(図11参照)、変動演出パターンを決定する際に参照される各種テーブル(図12〜図16参照)、普通図柄の当否結果を判定する際に参照される当たり決定乱数判定テーブル(図17参照)、普通図柄の変動時間を決定するための普通図柄変動時間決定テーブル(図18参照)、第2始動入賞口26の可動片26bの作動を制御するための開閉制御パターンテーブル(図19参照)等がメインROM100bに記憶されている。これら各種テーブルの具体例は図7乃至図19において、後述する。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板100のメインRAM100cは、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM100cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、判定記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、V入賞有効フラグ記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技回数(J)記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、判定記憶領域(第0記憶部)、普図判定記憶領域、普図停止図柄データ記憶領域、払出用伝送データ格納領域、演出用伝送データ格納領域、図柄種別データ処理領域、グループ種別データ処理領域、変動パターン番号データ処理領域、タイマカウンタ、変動時間タイマカウンタ、普図変動時間タイマカウンタ、普図停止表示時間カウンタ等が設けられている。そして、遊技状態記憶領域は、時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域、特図実行フェーズデータ記憶領域、普図実行フェーズデータ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
電源基板600には、この電源基板600に電力を給電するための電源プラグ601が設けられているとともに、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、パチンコ機Pに供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板100に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU100aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU100aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
副制御基板200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板200は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cを備えており、主制御基板100に対して、当該主制御基板100から副制御基板200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンド、または、タッチボタン検出スイッチ61a、回転操作検出スイッチ62a、タイマカウンタ200dからの入力信号に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを画像制御基板400またはランプ制御基板500に送信する。サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。また、タイマカウンタ200dは、各種演出等に係る時間を計測する機能を有している。
副制御基板200のサブROM200bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板100から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル(図示省略)、停止表示する演出図柄48の組み合わせを決定するための演出図柄パターン決定テーブル(図示省略)等がサブROM200bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
副制御基板200のサブRAM200cは、複数の記憶領域を有している。
サブRAM200cには、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域、判定記憶領域(第0記憶領域)、第1保留記憶領域、第2保留記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
払出・発射制御基板300は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出・発射制御基板300は、払出・発射CPU300a、払出・発射ROM300b、払出・発射RAM300cを備えており、主制御基板100に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出・発射CPU300aは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ302、扉開放スイッチ303、タイマカウンタからの入力信号に基づいて、払出・発射ROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板100に送信する。また、払出・発射制御基板300の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置(図示しない)の払出モータ301が接続されている。払出・発射CPU300aは、主制御基板100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出・発射ROM300bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出モータ301を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出・発射RAM300cは、払出・発射CPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、払出・発射制御基板300には、遊技情報出力端子板308が接続されている。この遊技情報出力端子板308は、払出・発射制御基板300を介して主制御基板100において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ700に出力するための基板である。遊技情報出力端子板308は、遊技場内LAN(図示しない)を介してホールコンピュータ700に接続される。
また、払出・発射制御基板300には、下皿8の満タン状態を検出する下皿満タン検出スイッチ304が接続されている。この下皿満タン検出スイッチ304は、賞球として払い出される遊技球を下皿8に導く通路に設けられており、遊技球検出信号が払出・発射制御基板300に入力されるようになっている。
そして、下皿8に所定数量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿8に向かう通路内に遊技球が滞留し、下皿満タン検出スイッチ304から払出・発射制御基板300に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出・発射制御基板300は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿8が満タン状態であると判断し、下皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。一方、下皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、下皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
また、払出・発射制御基板300は、タッチセンサ7aからのタッチ信号および発射ボリューム7bからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド7cを通電制御し、遊技球を発射させる。
ここで、発射用ソレノイド7cの回転速度は、払出・発射制御基板300に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技球数は、発射用ソレノイド7cが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
画像制御基板400は、上記演出表示装置40の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、画像ROM、画像RAM、VRAMと、音声CPU、音声ROM、音声RAMとを備えている。この画像制御基板400は、上記副制御基板200に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記演出表示装置40およびスピーカ11,12を接続している。
上記画像ROMには、演出表示装置40に表示される演出図柄48や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、所定の画像データを画像ROMからVRAMに読み出して、演出表示装置40における表示制御をする。なお、画像CPUは、演出表示装置40に対して、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、演出図柄画像、キャラクタ画像は、演出表示装置40の表示画面上において重畳表示される。
また、上記音声ROMには、スピーカ11,12から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、スピーカ11,12における音声出力制御をする。
ランプ制御基板500は、遊技盤14に設けられた盤面ランプ(図示しない)およびガラス扉3に設けられた装飾ランプ13A,13B,13C、演出操作装置60の内部に設けられるとともに、この演出操作装置60を発光させるLED60bを含めた各種発光装置を制御する。また、演出役物装置41を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源(図示しない)を通電制御する。このランプ制御基板500は、副制御基板200に接続されており、副制御基板200から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
次に、図7〜図19を参照して、メインROM100bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図7(a)、図7(b)は、特別図柄の停止結果を大当たりとするか否かを判定する際に参照する大当たり決定乱数判定テーブルを示す図である。この大当たり決定乱数判定テーブルは、図7(a)に示す、低確率時において大当たり決定乱数を判定する低確率判定テーブルと、図7(b)に示す、高確率時において大当たり決定乱数を判定する高確率判定テーブルとから構成されている。
具体的に、大当たり決定乱数は、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、または、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)取得される。また、各始動入賞口24,26に入賞した場合には、それぞれ1つの大当たり決定乱数が取得される。
この大当たり決定乱数は主制御基板100内に設けられた乱数発生器等(図示しない)にて生成されるハードウェア乱数である。このハードウェア乱数は、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
なお、本実施形態において、ハードウェア乱数の乱数生成に係る更新速度は、後述のソフトウェア乱数の更新速度と比較して速くしており、抽出されるカウンタ値(所謂、擬似乱数)のランダム性を向上させている。
ここで、図7(b)に示す高確率判定テーブルは、図7(a)に示す低確率判定テーブルよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、高確率判定テーブルは、大当たりの当選確率がおよそ1/75.0、低確率判定テーブルは、大当たりの当選確率がおよそ1/299.3(所謂、ミドルスペック)に設定されている。つまり、高確率判定テーブルの方が、低確率判定テーブルに比べておよそ4.0倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
なお、本実施形態では、第1特図および第2特図ともに同じ大当たり決定乱数判定テーブル(低確率判定テーブルおよび高確率判定テーブル)を参照するものとしている。
また、説明の便宜上、これ以降の説明において、低確率判定テーブルを参照して第1特図について大当たりの当否に係る抽選が行われる遊技状態、または低確率判定テーブルを参照して第2特図について大当たりの当否に係る抽選が行われる遊技状態のことを「低確率遊技状態」という。また、高確率判定テーブルを参照して第1特図について大当たりの当否に係る抽選が行われる遊技状態、または高確率判定テーブルを参照して第2特図について大当たりの当否に係る抽選が行われる遊技状態のことを「高確率遊技状態」という。また、後述する、非時短用判定テーブル(図17(a))を参照して普通図柄に係る抽選が行われる遊技状態のことを「非時短遊技状態」といい、時短用判定テーブル(図17(b))を参照して普通図柄に係る抽選が行われる遊技状態のことを「時短遊技状態」という。
図8は、特別図柄の種別を決定する際に参照する当たり図柄乱数判定テーブルを示す図である。この当たり図柄乱数判定テーブルでは、当たり図柄乱数に基づいて、特別図柄の種別が判定される。
具体的には、上述した図7(a)または図7(b)において、大当たりとなる大当たり決定乱数値を取得した場合には、当該大当たり決定乱数値を取得した始動入賞口に対応して、図8(a)の第1特図大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルまたは第2特図大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにより当たり図柄乱数が判定される。なお、図7(a)または図7(b)において、大当たりとならない(つまり、ハズレとなる)大当たり決定乱数値を取得した場合には、当たり図柄乱数判定テーブルによる判定は行われない。
当たり図柄乱数は、上述した大当たり決定乱数と同様に、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、または、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)取得される。また、各始動入賞口24,26に入賞した場合には、それぞれ1つの当たり図柄乱数が取得される。
この当たり図柄乱数は主制御基板100内にて生成されるソフトウェア乱数である。このソフトウェア乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜99までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
また、上述した大当たり決定乱数が大当たりに当選しているか否か(特別図柄の当否)を決定するものであるのに対して、当たり図柄乱数は、特別図柄の種別を決定するためのものである。すなわち、大当たりの内容(種別、ラウンド数、電サポ回数、アタッカー開放パターン)が当たり図柄乱数により決定される。
図8(a)に示すように、第1特図大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいては、特別図柄の種別として、特別図柄1〜特別図柄3の3つの種別が予め決められている。上述した図7(a)または図7(b)において、大当たりとなる大当たり決定乱数値を取得した場合には、このとき取得された1の当たり図柄乱数値により、特別図柄1〜特別図柄3のうちの何れかに特別図柄の種別が決定されることになる。
より詳細に説明すると、図8(a)に示す第1特図大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいて、当たり図柄乱数の値が0〜24までのものに対して特別図柄1(第1特別図柄表示装置30に表示される特別図柄の組み合わせは、「11R通常1図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が25〜49までのものに対して特別図柄2(第1特別図柄表示装置30に表示される特別図柄の組み合わせは、「11R特定1図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が50〜99までのものに対して特別図柄3(第1特別図柄表示装置30に表示される特別図柄の組み合わせは、「16R特定1図柄」が対応づけられている)が、それぞれ対応付けられている。なお、上記それぞれの選択される割合は、図示のとおりである。
また、図8(b)に示すように、第2特図大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいては、特別図柄の種別として、特別図柄4〜特別図柄6の3つの種別が予め決められている。上述した図7(a)または図7(b)において、大当たりとなる大当たり決定乱数値を取得した場合には、このとき取得された1の当たり図柄乱数値により、特別図柄4〜特別図柄6の何れかに特別図柄の種別が決定されることになる。
より詳細に説明すると、図8(b)に示す第2特図大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいて、当たり図柄乱数の値が0〜24までのものに対して特別図柄4(第2特別図柄表示装置31に表示される特別図柄の組み合わせは、「11R通常2図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が25〜49までのものに対して特別図柄5(第2特別図柄表示装置31に表示される特別図柄の組み合わせは、「11R特定2図柄」が、当たり図柄乱数の値が30〜99までのものに対して特別図柄6(第2特別図柄表示装置31に表示される特別図柄の組み合わせは、「16R特定2図柄」が対応づけられている)が、それぞれ対応付けられている。
なお、詳しくは後述するが、特別図柄の種別に対応づけられた図柄の組み合わせにおいて、「16R」は大当たり遊技におけるラウンド数が16ラウンドであることを、「11R」はラウンド数が11ラウンドであることを意味している。
また、「実質6R」とは、当該大当たり遊技におけるラウンド数とは別に、実際に賞球を獲得可能なラウンド数を表している。例えば、特別図柄1では、当該大当たり遊技における11ラウンドのうち、賞球を獲得可能なラウンド数が6ラウンドとなっている。同様に、特別図柄3では、当該大当たり遊技における16ラウンドのうち、賞球を獲得可能なラウンド数が6ラウンドとなっている。
そして、「特定」は当該大当たり遊技の終了後から遊技状態が高確率遊技状態に設定される、いわゆる、確変当たりを意味し、「通常」は当該大当たり遊技の終了後から遊技状態が高確率遊技状態に設定される、いわゆる、通常当たり、を意味している。また、本実施形態では、特別図柄2、特別図柄3、特別図柄5、特別図柄6の何れかの種別の特別図柄であれば、当該大当たり遊技の終了後からは遊技状態がほぼ高確率遊技状態に設定されるものとなっており、特別図柄1および特別図柄4であれば、当該大当たり遊技の終了後からは遊技状態がほぼ低確率遊技状態に設定されるものとなっている。
なお、上述した図7(a)または図7(b)において、大当たりとならない(つまり、ハズレとなる)大当たり決定乱数値を取得した場合には、ハズレ用の特別図柄0が当該図柄として決定される。この特別図柄0には、特別図柄表示装置30,31に表示される特別図柄の組み合わせとして、「ハズレ図柄」が対応づけられている。
このように、本実施形態では、第1特図および第2特図において、決定されうる特別図柄の種別が異なっているだけでなく、第2特図の方が第1特図に比べると、遊技者にとって有利なテーブル構成となっている(詳細は後述する)。
図9(a)〜(f)は、第1アタッカー装置70または第2アタッカー装置80の開閉パターンが対応づけられた、アタッカー装置の作動テーブルを示す図である。アタッカー装置の作動テーブルは、特別図柄の種別ごとに別々のテーブルが設けられている。
「ラウンド遊技回数(R)」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数は、11回(R=11、11ラウンド)と、16回(R=16、16ラウンド)と、の2種類がある。
「開放回数(K)」とは、大当たり遊技中においては、当該大当たり遊技中の1回のラウンド遊技において第1アタッカー装置70または第2アタッカー装置80が開放状態となる回数のことをいう。本実施形態では、何れの大当たり遊技であっても、最終回目のラウンド遊技(11回目のラウンド遊技または16回目のラウンド遊技)では、第2アタッカー装置80が開放し、その他のラウンド遊技では、第1アタッカー装置70が開放する。また、大当たり遊技中の1回のラウンド遊技において、第1アタッカー装置70が開放する回数は、1〜3回の何れかとなっており、第2アタッカー装置80が開放する回数は、2回となっている。
「開放時間」とは、アタッカー装置(第1アタッカー装置70および第2アタッカー装置80共に含む)が開放状態に維持される時間のことをいう。本実施形態では、1回のラウンド遊技における開放時間が「0.1秒」×3回に設定されるラウンド遊技と、「29.0秒」×1回に設定されるラウンド遊技と、「0.1秒」×1回+「28.0秒」×1回に設定されるラウンド遊技と、がある。
例えば、開放時間が「29.0秒」または「28.0秒」に設定されたラウンド遊技では、第1アタッカー装置70または第2アタッカー装置80が開放状態となってから第1大入賞口71または第2大入賞口81に遊技球を1個以上、入賞させることが十分に可能であるが、開放時間が「0.1秒」に設定されたラウンド遊技では、第1アタッカー装置70または第2アタッカー装置80が開放状態となっても、0.1秒で直ちに閉じてしまうため、第1大入賞口71または第2大入賞口81に遊技球を入賞させることは困難である。
なお、大当たり遊技における1回のラウンド遊技において、所定個数の入賞があった場合には、上記したそれぞれの開放時間が経過していなくても、第1アタッカー装置70または第2アタッカー装置80は閉鎖状態となる。本実施形態では、この所定個数を、第1大入賞口71については10個、第2大入賞口81については1個、としている。
「閉鎖時間(インターバル時間)」とは、大当たり遊技の場合に、各ラウンド遊技間または各開放間に第1アタッカー装置70または第2アタッカー装置80が閉鎖する時間のことをいう。
このように、本実施形態では、先に述べた特別図柄(第1特図または第2特図)の種別が決定されると、その種別に基づいて、図9(a)〜(f)に示す第1作動テーブル〜第6作動テーブルの何れか1つが決まるようになっている。
図9(a)に示す第1作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄1(11R通常1図柄)」の場合に決定され、この第1作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜5回目のラウンド遊技における第1アタッカー装置70の開放回数が3回で、かつ、開放時間が「0.1秒」に設定され、6回目〜10回目のラウンド遊技における第1アタッカー装置70の開放回数が1回で、かつ、開放時間が「29.0秒」に設定される。そして、11回目のラウンド遊技における第2アタッカー装置80の開放回数が2回で、かつ、1回目の開放時間は「0.1秒」、2回目の開放時間は「28.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
図9(b)に示す第2作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄2(11R特定1図柄)」の場合に決定され、この第2作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜5回目のラウンド遊技における第1アタッカー装置70の開放回数が3回で、かつ、開放時間が「0.1秒」に設定され、6回目〜10回目のラウンド遊技における第1アタッカー装置70の開放回数が1回で、かつ、開放時間が「29.0秒」に設定される。そして、11回目のラウンド遊技における第2アタッカー装置80の開放回数が2回で、かつ、1回目の開放時間は「0.1秒」、2回目の開放時間は「28.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
図9(c)に示す第3作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄3(16R特定1図柄)」の場合に決定され、この第3作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜10回目のラウンド遊技における第1アタッカー装置70の開放回数が3回で、かつ、開放時間が「0.1秒」に設定され、11回目〜15回目のラウンド遊技における第1アタッカー装置70の開放回数が1回で、かつ、開放時間が「29.0秒」に設定される。そして、16回目のラウンド遊技における第2アタッカー装置80の開放回数が2回で、かつ、1回目の開放時間は「0.1秒」、2回目の開放時間は「28.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
図9(d)に示す第4作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄4(11R通常2図柄)」の場合に決定され、この第4作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜10回目のラウンド遊技における第1アタッカー装置70の開放回数が1回で、かつ、開放時間が「29.0秒」に設定される。そして、11回目のラウンド遊技における第2アタッカー装置80の開放回数が2回で、かつ、1回目の開放時間は「0.1秒」、2回目の開放時間は「28.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
図9(e)に示す第5作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄5(11R特定2図柄)」の場合に決定され、この第5作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜10回目のラウンド遊技における第1アタッカー装置70の開放回数が1回で、かつ、開放時間が「29.0秒」に設定される。そして、11回目のラウンド遊技における第2アタッカー装置80の開放回数が2回で、かつ、1回目の開放時間は「0.1秒」、2回目の開放時間は「28.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
図9(f)に示す第6作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄6(16R特定2図柄)」の場合に決定され、この第6作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜15回目のラウンド遊技における第1アタッカー装置70の開放回数が1回で、かつ、開放時間が「29.0秒」に設定される。そして、16回目のラウンド遊技における第2アタッカー装置80の開放回数が2回で、かつ、1回目の開放時間は「0.1秒」、2回目の開放時間は「28.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
上記のように、第1作動テーブル〜第6作動テーブルにおけるそれぞれの最終回目のラウンド遊技における第2アタッカー装置80の2回目の開放時間が「28.0秒」となっているため、第2大入賞口81に遊技球を入賞させることが十分に可能なものとなっている。
また、第1作動テーブルおよび第2作動テーブルでは、1回目〜5回目のラウンド遊技において第1アタッカー装置70が3回開放するものの、その開放時間が「0.1秒」となっているため、第1大入賞口71に遊技球を入賞させることは困難、ほぼ不可能なものとなっている。同様に、第3作動テーブルでは、1回目〜10回目のラウンド遊技において第1アタッカー装置70が3回開放するものの、その開放時間が「0.1秒」となっているため、第1大入賞口71に遊技球を入賞させることは困難、ほぼ不可能なものとなっている。
ただし、この1回目〜5回目のラウンド遊技では、閉鎖時間が「15.0秒」に設定されているため、1回目のラウンド遊技が行われる時間(所要時間)は第1大入賞口71に遊技球の入賞が容易な6回目〜第11回目のラウンド遊技等とほぼ同様な所要時間となっている。このようにしたのは、1回目〜5回目までのラウンド遊技において、6回目以降のラウンド遊技における第2アタッカー装置80の開放態様が遊技球の入賞が可能な第1の開放態様(「ロング開放」という)であるか、遊技球の入賞が困難、ほぼ不可能な第2の開放態様(「ショート開放」という)であるか、を煽るための演出を実行することを可能にするためである。
図10は、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルである。
本実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技状態(遊技モード)として、「低確モード」、「時短モード」、「確変モード」の3つの状態が予め用意されている。「低確モード」は、低確率遊技状態かつ非時短遊技状態(「低確・非時短」)から成り、「時短モード」は、低確率遊技状態かつ時短遊技状態(「低確・時短」)から成り、「確変モード」は、高確率遊技状態かつ時短遊技状態(「高確・時短」)から成るものである。
本実施形態では、大当たり遊技中において、遊技球が特定領域82に遊技球が入賞したか否か(特定領域検出スイッチ82aによる検出がされたか否か)に基づいて、当該大当たり遊技の終了後から、遊技状態を高確率遊技状態とするか低確率遊技状態とするかが決まるものとなっている。そして、高確率遊技状態となる場合には、高確率遊技状態が継続する回数(高確率遊技回数(X))が決まる。また、高確率遊技状態、低確率遊技状態のいずれであっても、時短遊技状態が継続する回数(時短遊技回数(J))が付与される。このとき決まった高確率遊技回数(X)は、高確率遊技回数(X)記憶領域に記憶され、時短遊技回数(J)は、時短遊技回数(J)記憶領域に記憶される。
具体的に、特別図柄の種別と、当該特別図柄に係る大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態との対応関係は以下の通りである。
「特別図柄1(11R通常1図柄)」および「特別図柄4(11R通常2図柄)」に係る大当たり遊技の終了後には、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「低確モード」、「時短モード」、「確変モード」の何れであっても、当該大当たり遊技の終了後には、高確率遊技回数が0回および時短遊技回数が100回に設定される。
「特別図柄2(11R特定1図柄)」、「特別図柄3(16R特定1図柄)」、「特別図柄5(11R特定2図柄)」および「特別図柄6(16R特定2図柄)」に係る大当たり遊技の終了後には、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「低確モード」、「時短モード」、「確変モード」の何れであっても、当該大当たり遊技の終了後には、高確率遊技回数が10000回および時短遊技回数が10000回に設定される。
ただし、「特別図柄2(11R特定1図柄)」、「特別図柄3(16R特定1図柄)」、「特別図柄5(11R特定2図柄)」および「特別図柄6(16R特定2図柄)」に係る大当たり遊技において、遊技球が特定領域82を通過したことが検出されなかった場合には、「特別図柄1(11R通常1図柄)」および「特別図柄4(11R通常2図柄)」に係る大当たり遊技の終了後と同じ扱いとなる。すなわち、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「低確モード」、「時短モード」、「確変モード」の何れであっても、当該大当たり遊技の終了後には、高確率遊技回数が0回および時短遊技回数が100回に設定される。
このように、「特別図柄2(11R特定1図柄)」、「特別図柄3(16R特定1図柄)」、「特別図柄5(11R特定2図柄)」および「特別図柄6(16R特定2図柄)」に係る大当たり遊技の終了後において、高確率遊技回数が0回および時短遊技回数が100回に設定されることとなってしまうような事態となるのは、上記大当たり遊技において、第2アタッカー装置80に遊技球が1個も入賞しなかった場合が該当する。例えば、パチンコ機Pに何らかの異常が発生して遊技球を発射することができなくなったり、遊技者が故意に遊技球の発射を止めたり、しているうちに第2アタッカー装置80に遊技球が1個も入賞せずに、開放動作が終了してしまった場合などである。
そして、本実施形態では、低確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/300であり、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/75となっているから、高確率遊技状態において10000回も遊技を行う間には、ほぼ間違いなく大当たりに当選する。加えて、時短遊技回数が10000回付与されるということは、次回の大当たり当選まで「時短遊技状態」が継続することと等しいと言えるものである。すなわち、高確率遊技回数が10000回、時短遊技回数が10000回に決定されると、遊技球をあまり減らすことなく大当たりが連荘することが実質上、確定することになる。
図11は、大当たり遊技におけるアタッカー装置(第1アタッカー装置70、第2アタッカー装置80)の作動が全て終了した後に行われる待機処理(エンディング処理)の時間(エンディング時間)を決定するためのエンディング時間決定テーブルである。本実施形態では、全ての大当たり遊技における最終回目のラウンド遊技は第2アタッカー装置にて行われるため、待機処理は第2アタッカー装置80の作動が終了した後に実行される。
エンディング時間は、特別図柄の種別を参照して決定される。例えば、特別図柄1または特別図柄4の場合には、低確モード、時短モード、確変モードの何れであっても、エンディング時間として「1.5」秒が決定される。
また、特別図柄2、特別図柄3、特別図柄5または特別図柄6の場合には、低確モード、時短モード、確変モードの何れであっても、エンディング時間として「1.7」秒が決定される。
上述したように、貯留部85Tにおける遊技球の貯留(スライド板82bが閉状態に維持された状態)は、第2アタッカー装置80の作動終了時(つまり、第2大入賞口開閉ソレノイド80cの駆動が全て終了した時)に解除される(スライド板82bが開状態に維持される)。つまり、エンディング時間の開始と同時に上記貯留が解除される。
そして、貯留部85Tにおける貯留が解除された遊技球が、この貯留部85Tから通路85を転動して、特定領域82に到達する(つまり、特定領域検出スイッチ82aにより検出される)までの所要時間(以下、「検出所要時間」という)は、「1.6」秒間となるよう、通路85の形状、長さが設定されている。すなわち、上記貯留部85Tにおける遊技球の貯留が解除された時点から、この遊技球が特定領域検出スイッチ82aにより検出されるまでの所要時間が検出所要時間ということになる。
これにより、エンディング時間が「1.5」秒に決定された場合には、エンディング時間が終了するまでに特定領域検出スイッチ82aによる検出が不可能となる。すなわち、検出所要時間よりもエンディング時間のほうが短いため、このエンディング時間内に、貯留部85Tにおける貯留が解除された遊技球が、通路85を転動して、特定領域82に到達することは不可能である。そして、この場合には、貯留部85Tにおける貯留が解除された遊技球が、通路85を転動して、特定領域82にて特定領域検出スイッチ82aに検出されたときには、V入賞有効フラグがOFFになっている(詳細は後述する)。
一方、エンディング時間が「1.7」秒に決定された場合には、エンディング時間が終了するまでに特定領域検出スイッチ82aによる検出が可能となる。すなわち、検出所要時間よりもエンディング時間のほうが長いため、このエンディング時間内に、貯留部85Tにおける貯留が解除された遊技球が、通路85を転動して、特定領域82に到達することが十分に可能である。そして、この場合には、上記遊技球が、通路85を転動して、特定領域82にて特定領域検出スイッチ82aに検出されたときには、V入賞有効フラグがONになっている(詳細は後述する)。さらに言えば、この場合には、上記遊技球が、特定領域検出スイッチ82aに検出されたときには、まだ大当たり遊技中(エンディング処理中)である。
なお、本実施形態では、エンディング時間に、大入賞口閉鎖有効時間(以下、「TZ時間」という)が含めている。このTZ時間とは、従来のパチンコ機において設けられているものであり、大入賞口内に遊技球が入球した直後に大入賞口が閉鎖状態となった場合において、このTZ時間内に入球が検知された場合には、有効な入球として判定するための入球検知猶予時間として設けられている時間のことである。このようにTZ時間を設ける必要があるのは、大入賞口内への入球を検出するセンサやスイッチが大入賞口の入り口付近に必ずしも設けられるわけではないからである。すなわち、上記センサやスイッチの配置によっては、大入賞口内に入球した遊技球が上記センサやスイッチにより検出されるまで、タイムラグが生じることとなるため、このタイムラグを加味して有効な入球か否かを判断する必要があるからである。
例えば、アタッカー装置(第2アタッカー装置80)の閉鎖寸前に入球した遊技球は、このアタッカー装置(第2アタッカー装置80)が閉鎖した後に、第2大入賞口検出スイッチ81aにより検出されることがある。このような場合、このとき検出された遊技球をエラーと判定しないように、アタッカー装置(第2アタッカー装置80)が閉鎖した後の所定時間を、上記センサやスイッチ(第2大入賞口検出スイッチ81a)による検出を有効と判定する時間、すなわち、TZ時間(大入賞口閉鎖有効時間)として定めている。
本実施形態では、上述した通り、第2大入賞口81の入り口に第2大入賞口検出スイッチ81aが設けられている(図5参照)ため、第2大入賞口81へ遊技球が入球すると、直ちにこの入球が第2大入賞口検出スイッチ81aにより検出されることとなる。このような構成としていることにより、本実施形態では、TZ時間を短い期間(0.5秒)に設定することが可能となっている。
また、上述した大当たり決定乱数、当たり図柄乱数と同様に、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことを契機として(第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、または、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことを契機として(第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、変動演出パターン(変動態様や変動時間)を決定するための各種乱数(リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得される。また、各始動入賞口24,26に入賞した場合には、それぞれ1つのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数が取得される。
これらの各種乱数(リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)は主制御基板100内にて生成されるソフトウェア乱数である。
リーチグループ決定乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜10006までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
また、リーチモード決定乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜250までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
また、変動パターン乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜249までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
上述した各種乱数(リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定するための各種判定テーブルについて、図12〜図16を参照しつつ説明する。
図12に示す、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、リーチグループ決定乱数を判定するためのテーブルであって、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、当該結果を報知する変動演出パターン(変動態様や変動時間)を決定するにあたって参照される判定テーブルである。このリーチグループ決定乱数判定テーブルと、リーチグループ決定乱数とにより、変動演出パターンの決定に用いられるリーチモード決定乱数判定テーブルが属するグループの種別が決定される。
一方、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブルが決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
このリーチグループ決定乱数判定テーブルは、遊技状態ごと、始動入賞口の種別ごと、および、保留数(U)記憶領域(第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域)に記憶されている保留の個数(保留数)ごとに複数設けられている。ここでは、図12に示すように、遊技状態が非時短遊技状態である場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブルについてのみ説明し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明は省略する。
第1始動入賞口24または第2始動入賞口26に遊技球が入賞すると、0〜10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、および、保留数に応じて、図12に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブルとに基づいて、グループの種別が決定される。
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第1始動入賞口24への遊技球の入賞により取得された大当たり決定乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該大当たりの抽選時の第1特図の保留数が0または1であった場合には、図12(a)に示す第1判定テーブルが選択され、当該大当たりの抽選時の第1特図の保留数が2または3であった場合には、図12(b)に示す第2判定テーブルが選択される。
また、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第2始動入賞口26への遊技球の入賞により取得された大当たり決定乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該大当たりの抽選時の第2特図の保留数がいかなる個数であっても(すなわち、保留数が0〜3の何れであっても)、図12(c)に示す第3判定テーブルが選択される。
そして、図12(a)に示すように、第1判定テーブルによれば、リーチグループ決定乱数が0〜3999であった場合に「Aグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が4000〜8999であった場合に「Bグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9899であった場合に「Cグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「Dグループ」が決定される。
また、図12(b)に示すように、第2判定テーブルによれば、リーチグループ決定乱数が0〜5999であった場合に「Aグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が6000〜8999であった場合に「Bグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9899であった場合に「Cグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「Dグループ」が決定される。
さらに、図12(c)に示すように、第3判定テーブルによれば、リーチグループ決定乱数が0〜7999であった場合に「Aグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000〜10006であった場合に「Bグループ」が決定される。
また、詳細は後述するが、本実施形態では、第1保留が記憶されると、当該第1保留に基づく変動開始前に、当該第1保留について大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理が実行される。そして、変動開始時においてグループ種別を決定するとともに、上述の事前判定処理においても、リーチグループ決定乱数判定テーブルに基づき、グループ種別を決定するようになっている。
ここで、グループ種別の決定を行うにあたっては、この決定を行う時点の保留数に応じたリーチグループ決定乱数判定テーブル、すなわち、第1判定テーブルまたは第2判定テーブルのいずれかが参照されるようになっているが、この第1判定テーブルおよび第2判定テーブルはいずれも、リーチグループ決定乱数が0〜8999の場合にAグループまたはBグループのいずれかが決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜10006の場合に、CグループまたはDグループのいずれかが決定されるようになっている。
したがって、変動開始時における保留数と、事前判定処理を実行する際における保留数とが異なっていたとしても、事前判定処理においてAグループまたはBグループのいずれかのグループ種別が決定された場合には、変動開始時においても、AグループまたはBグループのいずれかのグループ種別が決定され、事前判定処理においてCグループまたはDグループのいずれかのグループ種別が決定された場合には、変動開始時においてもCグループまたはDグループのいずれかのグループ種別が決定される。
リーチモード決定乱数判定テーブルは、変動演出パターン(変動態様や変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブルを決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブルは、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブル(図13参照)と、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用リーチモード決定乱数判定テーブル(図14参照)と、を備えている。
また、ハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに、複数設けられている。ここでは、図12に示したリーチグループ決定乱数判定テーブルにおいて、「Aグループ」が決定された場合に参照されるAグループ用判定テーブル(図13(a))と、「Bグループ」が決定された場合に参照されるBグループ用判定テーブル(図13(b))と、「Cグループ」が決定された場合に参照されるCグループ用判定テーブル(図13(c))と、「Dグループ」が決定された場合に参照されるDグループ用判定テーブル(図13(d))と、について説明し、他のハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブルの説明は省略する。
第1始動入賞口24または第2始動入賞口26へ遊技球が入賞すると、0〜250の数値内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、および、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
具体的には、例えば、上述したグループの種別の抽選により「Aグループ」が決定された場合に、図13(a)に示すAグループ用判定テーブルが選択され、「Bグループ」が決定された場合に、図13(b)に示すBグループ用判定テーブルが選択され、「Cグループ」が決定された場合に、図13(c)に示すCグループ用判定テーブルが選択され、「Dグループ」が決定された場合に、図13(d)に示すDグループ用判定テーブルが選択される。
そして、図13(a)に示すように、Aグループ用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜250であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン乱数判定テーブルとして第1変動テーブルが選択される。
なお、上記「00H」で示す変動モード番号は、副制御基板200へ送信される制御コマンドを構成するEVENTデータであり、このEVENTデータは、1バイトのデータで構成されている。「※※H」という表記において、※には0〜9、A〜Fまでの数字および文字(16進数表記)が入る。つまり、「※※H」には、「00H」〜「FFH」までの256個の組み合わせを作成することが可能である。
なお、このEVENTデータには、コマンドの分類を識別するための1バイトのMODEデータ「※※H」(※には0〜9、A〜Fまでの数字および文字(16進数表記)が入る)がそれぞれ対応づけられることにより、「MODE+EVENT」の2バイトのコマンドデータが生成され、このコマンドデータが、副制御基板200に送信される制御コマンド(変動モードコマンド)となる。
なお、ここで決定される変動モード番号には、上述した制御コマンドが副制御基板200に送信されたときに、演出表示装置40における演出図柄の変動開始からリーチ成立/あるいはリーチ成立せずにハズレ停止するまでの変動態様が対応づけられており、この変動モード番号が決まると、演出表示装置40において演出図柄の変動が開始してからリーチが成立するまでの変動態様、あるいは演出図柄48の変動が開始してからリーチが成立せずにハズレ図柄が停止するまでの変動態様が決まることになる。
ここでいう、演出図柄48の変動が開始してからの変動態様とは、例えば、演出図柄48の変動のし方だけでなく、ステップアップ演出や疑似連演出の実行の有無、背景変化等を含むものである。
また、図13(b)に示すように、Bグループ用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜99であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第2変動テーブルが選択される。また、リーチモード決定乱数が100〜250であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第2変動テーブルが選択される。
そして、図13(c)に示すように、Cグループ用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜250であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第3変動テーブルが選択される。
また、図13(d)に示すように、Dグループ用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜89であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第3変動テーブルが選択される。また、リーチモード決定乱数が90〜250であった場合に、「04H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第4変動テーブルが選択される。
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの抽選時(すなわち、大当たりの当選時)の遊技状態ごと、および、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。ここでは、非時短遊技状態において第1始動入賞口24に入賞した場合に参照される第1特図用の大当たり用判定テーブル(図14(a))について説明し、他の大当たり用判定テーブルの説明は省略する。
非時短遊技状態において第1始動入賞口24に遊技球が入賞した場合であって、大当たりに当選したときには、図14(a)に示す第1特図用の大当たり用判定テーブルが選択される。
そして、図14(a)に示す第1特図用の大当たり用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜99であった場合に、「30H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン乱数判定テーブルとして第30変動テーブルが選択される。また、リーチモード決定乱数が100〜199であった場合に、「31H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン乱数判定テーブルとして第31変動テーブルが選択される。また、リーチモード決定乱数が200〜250であった場合に、「32H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン乱数判定テーブルとして第32変動テーブルが選択される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの抽選時の遊技状態ごと、および、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの抽選時の遊技状態ごと、始動入賞口の種別ごと、および、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
変動パターン乱数判定テーブルは、変動演出パターン(変動態様や変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、図15(a)〜15(d)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル、第2変動テーブル、第3変動テーブルおよび第4変動テーブル、図15(e)〜15(g)に示すように、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル、第31変動テーブルおよび第32変動テーブルについて説明し、他の変動パターン乱数判定テーブルの説明は省略する。
第1始動入賞口24または第2始動入賞口26へ遊技球が入球すると、0〜249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。この変動パターン乱数と、上述したようにリーチグループ決定乱数またはリーチモード決定乱数により決定された変動パターン乱数判定テーブルとに基づいて、変動パターン番号が決定される。
例えば、図15(a)に示すように、第1変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜124であった場合に「00H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125〜249であった場合に「01H」という変動パターン番号が決定される。
また、図15(b)に示すように、第2変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜99であった場合に「00H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が100〜249であった場合に「01H」という変動パターン番号が決定される。
また、図15(c)に示すように、第3変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜249であった場合に、「03H」という変動パターン番号が決定される。
また、図15(d)に示すように、第4変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜119であった場合に「03H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が120〜249であった場合に「04H」という変動パターン番号が決定される。
また、図15(e)に示すように、第30変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜124であった場合に、「31H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125〜249であった場合に、「32H」という変動パターン番号が決定される。
また、図15(f)に示すように、第31変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜29であった場合に、「30H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が30〜109であった場合に「31H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が110〜249であった場合に「32H」という変動パターン番号が決定される。
また、図15(g)に示すように、第32変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜59であった場合に、「30H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が60〜149であった場合に「31H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が150〜249であった場合に「32H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動テーブルによっても、所定の変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(図示しない)。
なお、上記「00H」等で示す変動パターン番号についても、上述した変動モード番号と同様に、副制御基板200へ送信される制御コマンドを構成するEVENTデータであり、このEVENTデータは、1バイトのデータで構成されている。「※※H」という表記において、※には0〜9、A〜Fまでの数字および文字(16進数表記)が入る。つまり、「※※H」には、「00H」〜「FFH」までの256個の組み合わせを作成することが可能である。
なお、このEVENTデータには、コマンドの分類を識別するための1バイトのMODEデータ「※※H」(※には0〜9、A〜Fまでの数字および文字(16進数表記)が入る)がそれぞれ対応づけられることにより、「MODE+EVENT」の2バイトのコマンドデータが生成され、このコマンドデータが、副制御基板200に送信される制御コマンド(変動パターンコマンド)となる。
なお、ここで決定される変動パターン番号には、上述した制御コマンドが副制御基板200に送信されたときに、演出表示装置40における演出図柄48のリーチ成立後からの変動態様が対応づけられており、この変動パターン番号が決まると、演出表示装置40において、リーチ成立以降の変動態様が決まることとなる。
ここでいう、リーチ成立以降の変動態様とは、例えば、ノーマルリーチや、スーパーリーチに発展する、あるいはリーチが一旦ハズレでから再始動する逆転リーチ等を経由して大当たりとなる組み合わせまたはハズレとなる組み合わせにて演出図柄48が停止するまでの変動態様のことをいう。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態および保留数等に応じて、変動モード番号および変動パターン番号が決定される。
そして、変動モード番号および変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するためのものである。本実施形態では、変動モード番号および変動パターン番号により、変動演出パターンの態様が定められ、また、変動モード番号および変動パターン番号の組み合わせに対応して、所定の変動時間が定められるようになっている。
図16は、変動時間決定テーブルを示している。上記のように、変動モード番号が決定されると、図16(a)に示す変動時間1決定テーブルにしたがって変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応づけられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
また、上記のように、変動パターン番号が決定されると、図16(b)に示す変動時間2決定テーブルにしたがって変動時間2が決定される。この変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応づけられており、決定された変動時間1、変動時間2の合計時間が、大当たりの抽選の結果が報知されるまでの時間、すなわち、変動演出に要する時間(「変動時間」という)となる。
以上のようにして、変動モード番号が決定されると、当該決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが副制御基板200に送信され、変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板200に送信される。副制御基板200においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半(リーチ成立前まで)の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半(リーチ成立後から演出図柄の変動停止まで)の態様が決定されることになる。以下では、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを総称して変動コマンドと呼ぶ場合があるが、その詳細については後述する。
なお、本実施形態では、変動モードコマンドと変動パターンコマンドとにより、変動演出パターンの態様が決定されるものとしたがこれに限られない。例えば、変動パターンコマンドに基づいて変動演出パターンの前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出パターンの後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出パターンの態様は、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンドまたは変動パターンコマンドの何れかのみに基づいて決定してもよい。
図17は、当たり決定乱数判定テーブルを示している。遊技球がゲート22を通過すると、第2始動入賞口26の可動片26bを通電制御するか否かが対応づけられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
具体的に、当たり決定乱数は、ゲート22に遊技球が通過したことを契機に(ゲート検出スイッチ22aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、1つの当たり決定乱数が取得される。
この当たり決定乱数は主制御基板100内に設けられた乱数発生器等(図示しない)にて生成されるハードウェア乱数である。このハードウェア乱数は、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図17(a)に示す非時短用判定テーブルが参照される。この非時短用判定テーブルによれば、当たり決定乱数が1〜32768であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、それ以外の当たり決定乱数(0、32769〜65535)であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率はおよそ1/2.00となる。この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動入賞口26の可動片26bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、可動片26bが閉状態に維持される。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図17(b)に示す時短用判定テーブルが参照される。この時短用判定テーブルによれば、当たり決定乱数が1〜65535であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、それ以外の当たり決定乱数(0)であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率はおよそ1/1.00となる。このため、時短用判定テーブルを参照して抽選が行われると、ほとんどの場合、当たり図柄に当選することとなる。すなわち、時短遊技状態では、第2始動入賞口26の可動片26bが開状態に制御される割合が、非時短遊技状態に比べて大幅に増加することとなる。
図18は、普通図柄変動時間決定テーブルを示している。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間決定テーブルは、普図抽選によって当たり図柄またはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間決定テーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には、変動時間が2.5秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には、変動時間が0.5秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示装置32が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示装置32が点灯した場合には図19に示す開閉制御パターンテーブルを参照して、第2始動入賞口26の可動片26bが開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、開放回数(可動片26bが開状態に制御される回数)、開放時間(始動入賞口開閉ソレノイド26cの通電時間、すなわち、可動片26bが開状態に制御される時間)、閉鎖時間(始動入賞口開閉ソレノイド26cが複数回通電制御される場合における、各開放間の通電休止時間)が、第2始動入賞口26の制御データとして遊技状態ごとに予め決められている。
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態であれば、1回の普図当たりに対して、第2始動入賞口26の可動片26bが1回だけ開状態に制御される。このとき、開状態となる時間(開放時間)は、0.3秒間となっている。
一方、遊技状態が時短遊技状態であれば、1回の普図当たりに対して、第2始動入賞口26の可動片26bが3回だけ開状態に制御される。このとき、1回目〜3回目の開放時間が、1.5秒間となっており、1回目の開状態から2回目の開状態になるまでの閉鎖時間(インターバル)、および2回目の開状態から3回目の開状態になるまでの閉鎖時間は、0.7秒間となっている。なお、本実施形態では、4回目以降に開状態となることはないため、3回目の開状態が終了した後に、インターバルは設けられていない。
以上のことから、時短遊技状態では、上述したように、時短用判定テーブルを参照して抽選が行われるため、殆どの場合、普図当たりに当選し、その当選により第2始動入賞口26が1.5秒×3回開放状態となるため、遊技者は、第2始動入賞口26に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。従って、時短遊技状態においては、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
なお、賞球数等について、本実施形態では、第1始動入賞口24に1球の入賞(1回の入賞)があった場合の賞球数、および第2始動入賞口26に1球の入賞(1回の入賞)があった場合の賞球数は、それぞれ1個以上の遊技球を賞球として遊技者に払い出す所定の規定数として設定している。
また、第1始動入賞口24に係る賞球と、第2始動入賞口26に係る賞球とでは、1回の入賞に対して払い出す賞球数を互いに異ならせてもよいし、上記賞球数を同数としてもよい。
さらに、特別図柄の当選確率(大当たりの抽選における大当たりの当選確率)や総獲得遊技球数(総獲得賞球数)の期待値(初当たりから時短遊技状状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、1回の入賞に対して払い出す最低賞球数を設定するようにしてもよい。
また、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、第1アタッカー装置70(または第2アタッカー装置80)の開放回数、第1アタッカー装置70(第2アタッカー装置80)の開放時間、第1大入賞口71へ入球可能とする最大入賞個数、第1大入賞口71(または第2大入賞口81)の1回の入賞に対して払い出す賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当たりによる獲得遊技球数が最大となる大当たりの種別に係る最大獲得遊技球数の1/4未満となる最低獲得遊技球数の大当たりの種別を設定してもよい。
次に、本実施形態のパチンコ機Pにおける遊技の処理の手順について、フローチャートを用いて説明する。
図20を用いて、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板600により電源が供給されると、メインCPU100aにシステムリセットが発生し、メインCPU100aは、以下のメイン処理を行う。
(ステップS1)
まず、メインCPU100aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU100aは、電源投入に応じて、メインROM100bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM100cに記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板200に送信する各種のコマンドを、メインRAM100cに設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする処理を行う。
(ステップS2)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものであり、乱数範囲は「0〜99」となっている。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、当たり図柄乱数値がその乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。
(ステップS3)
次に、メインCPU100aは、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、「変動演出乱数」という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、および、変動パターン乱数を更新する。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS2とステップS3との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図21を用いて、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100には、所定の周期(4ミリ秒、4ms)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、メイン処理(図20参照)に割り込んで、以下のタイマ割込処理が実行される。
(ステップS50)
まず、メインCPU100aは、メインCPU100aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
(ステップS51)
次に、メインCPU100aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。この各種タイマカウンタは、特に断る場合を除いて、当該主制御基板100のタイマ割込処理の度に減算され、「0」になると減算を停止する。
(ステップS52)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS2と同様に、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を行う。
(ステップS53)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
(ステップS100)
次に、メインCPU100aは、スイッチ管理処理を行う。この処理において、メインCPU100aは、一般A入賞口検出スイッチ20a、ゲート検出スイッチ22a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、第1大入賞口検出スイッチ71a、第2大入賞口検出スイッチ81a、特定領域検出スイッチ82aおよび一般領域検出スイッチ83a、一般B入賞口検出スイッチ95aの各スイッチに入力があったか否かを判定する処理を行う。このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400)
次に、メインCPU100aは、特別図柄、特別電動役物(第1アタッカー装置70、第2アタッカー装置80)の制御を行うための特別遊技管理処理を行う。この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS1100)
次に、メインCPU100aは、普通図柄、普通電動役物(第2始動入賞口26、可動片26bおよび始動入賞口開閉ソレノイド26c)の制御を行うための普通遊技管理処理を行う。この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS54)
次に、メインCPU100aは、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー管理処理を行う。具体的には、ガラス扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、下皿8の満タン状態に基づく下皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU100aは、対応するエラー指定コマンド(扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、上述のエラー指定コマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU100aは、対応するエラー解除コマンド(扉閉鎖指定コマンド、満タン状態解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。
(ステップS60)
次に、メインCPU100aは、払出制御管理処理を行う。この処理において、メインCPU100aは、第1大入賞口71、第2大入賞口81、第1始動入賞口24、第2始動入賞口26、一般A入賞口20、一般B入賞口95に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出個数指定コマンドを払出・発射制御基板300に送信する。
具体的には、第1大入賞口検出スイッチ71a、第2大入賞口検出スイッチ81a、特定領域検出スイッチ82a、一般領域検出スイッチ83a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、および一般A入賞口検出スイッチ20a、一般B入賞口検出スイッチ95aからの検出信号がメインCPU100aに入力された場合に、メインCPU100aは、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタ(第1大入賞口賞球カウンタ、第2大入賞口賞球カウンタ、第1始動入賞口賞球カウンタ、第2始動入賞口賞球カウンタ、一般A入賞口賞球カウンタ、一般B入賞口賞球カウンタ、何れも図示しない)を更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを払出・発射制御基板300に送信する。その後、払出・発射制御基板300により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払出コマンドが送信され、メインCPU100aは、当該払出コマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。
(ステップS70)
次に、メインCPU100aは、外部情報データ、始動入賞口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
(ステップS80)
次に、メインCPU100aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記ステップS70で作成した外部情報データ、始動入賞口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。また、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特別図柄保留表示器33、第2特別図柄保留表示器34および普通図柄保留表示器35の各LEDを点灯させるために、上記ステップS70で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力するLED表示出力処理を行う。さらに、メインRAM100cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを送信するコマンド送信処理も行う。
(ステップS90)
次に、メインCPU100aは、ステップS10で退避した情報をメインCPU100aのレジスタに復帰させる。
図22を用いて、主制御基板100のスイッチ管理処理を説明する。
(ステップS110)
まず、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ22aが信号を入力したか、すなわち、遊技球がゲート22を通過したか否かを判定する。さらに、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ22aが信号を入力した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に「1」を加算し、当たり決定乱数として予め用意された乱数範囲(例えば、0〜65535)から1つの当たり決定乱数値を抽出し、普通図柄保留記憶領域に抽出した当たり決定乱数値を記憶する。ただし、普通図柄保留数(G)記憶領域に「4」が記憶されている場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に「1」を加算したり、当たり決定乱数値を抽出し、普通図柄保留記憶領域に抽出した乱数値を記憶したりすることは行わない。
(ステップS120)
次に、メインCPU100aは、一般A入賞口検出スイッチ20aまたは一般B入賞口検出スイッチ95aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般A入賞口20または一般B入賞口95に入賞したか否かを判定する。メインCPU100aは、一般A入賞口検出スイッチ20aまたは一般B入賞口検出スイッチ95aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
(ステップS200)
次に、メインCPU100aは、第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動入賞口24に入賞したか否かを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする。この第1始動入賞口検出スイッチ処理の詳細については後述する。
(ステップS130)
次に、メインCPU100aは、第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2始動入賞口26に入賞したか否かを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする。
(ステップS140)
次に、メインCPU100aは、第1大入賞口検出スイッチ71aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1大入賞口71に入賞したか否かを判定する。メインCPU100aは、第1大入賞口検出スイッチ71aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる第1大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第1大入賞口71に入賞した遊技球を計数するための第1大入賞口入球カウンタ(C1)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
(ステップS150)
次に、メインCPU100aは、第2大入賞口検出スイッチ81aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2大入賞口81に入賞したか否かを判定する。メインCPU100aは、第2大入賞口検出スイッチ81aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる第2大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第2大入賞口81に入賞した遊技球を計数するための第2大入賞口入球カウンタ(C2)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
(ステップS300)
次に、メインCPU100aは、特定領域検出スイッチ82aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が特定領域82に入賞したか否かを判定して、遊技状態を高確率遊技状態に設定するため、および、特定領域82に遊技球が入賞したことを示すための所定のデータをセットする。この特定領域検出スイッチ処理の詳細については後述する。
(ステップS310)
次に、メインCPU100aは、一般領域検出スイッチ83aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般領域83に入賞したか否かを判定して、一般領域83に遊技球が入賞したことを示すための所定のデータをセットする。この一般領域検出スイッチ処理の詳細については後述する。
図23を用いて、主制御基板100の第1始動入賞口検出スイッチ入力処理を説明する。
(ステップS201)
まず、メインCPU100aは、第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号を入力したか否かを判定する。
このとき、第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号を入力しなかった場合には、第1始動入賞口検出スイッチ入力処理を終了し、第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号を入力した場合にはステップS202に処理を移す。
(ステップS202)
次に、メインCPU100aは、賞球のために用いる第1始動入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
(ステップS203)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であるか否かを判定する。
このとき、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満ではないと判定した場合には、第1始動入賞口検出スイッチ入力処理を終了し、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であると判定した場合には、ステップS204に処理を移す。
(ステップS204)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に「1」を加算して記憶する。
(ステップS205)
次に、メインCPU100aは、大当たり決定乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した大当たり決定乱数値を記憶する。
ここで、第1特別図柄記憶領域は、第1記憶部〜第4記憶部とから構成されており、各記憶部には、大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値および変動パターン乱数値がそれぞれ記憶されるようになっている。 また、第2特別図柄記憶領域は、第5記憶部〜第8記憶部とから構成されており、上記第1記憶部〜第4記憶部と同様に、各記憶部には、大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値および変動パターン乱数値がそれぞれ記憶されるようになっている。
(ステップS206)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した当たり図柄乱数値を記憶する。
(ステップS207)
次に、メインCPU100aは、リーチグループ決定乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出したリーチグループ決定乱数値を記憶する。
(ステップS208)
次に、メインCPU100aは、リーチモード決定乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出したリーチモード決定乱数値を記憶する。
(ステップS209)
次に、メインCPU100aは、変動パターン乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した変動パターン乱数値を記憶する。
以上より、上記ステップS205〜ステップS209において取得された各種乱数(つまり、大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値、変動パターン乱数値)は、すべて同じ第1特別図柄記憶領域の所定の記憶部に記憶されることとなる。
(ステップS220)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS205〜ステップS209において取得された乱数値を、当該乱数値に基づく変動開始の前に、大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。この事前判定処理の詳細については後述する。
(ステップS210)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS220における事前判定処理にて生成された先読み指定コマンド(先読みA指定コマンド、先読みB指定コマンド、詳細は後述する)を演出用伝送データ格納領域にセットする。この先読み指定コマンドには、少なくとも、上述した変動モード番号に係る情報および変動パターン番号に係る情報が含まれている。また、先読み指定コマンドには、第1特別図柄保留表示器33に表示される第1保留の個数を更新するために、その保留個数を示す特別図柄保留表示データも含まれている。本ステップS210の処理を終了すると、第1始動入賞口検出スイッチ入力処理が終了となる。
以上のように、第1始動入賞口24に遊技球が入球した際に、第1特別図柄記憶領域の記憶部に空きがある場合には、各乱数値が記憶されていない記憶部の中でもっとも小さい番号の記憶部に各乱数値が記憶され、第1特別図柄記憶領域の記憶部に空きがない場合には、各乱数値が抽出(記憶)されずに第1始動入賞口検出スイッチ入力処理が終了となる。ただし、第1特別図柄記憶領域の記憶部に空きがない場合でも、第1始動入賞口24への遊技球の入球に対して賞球が払い出されることとなる。
なお、本実施形態においては、第2始動入賞口検出スイッチ入力処理については詳細な説明を省略するが、第2始動入賞口検出スイッチ26aから信号が入力された場合にも、上記第1始動入賞口検出スイッチ入力処理と同様の処理が行われる。すなわち、第1始動入賞口検出スイッチ入力処理と比較すると、データを記憶する領域が第1特別図柄記憶領域と第2特別図柄記憶領域とで相違するものの、同様の処理が行われる。
図24を用いて、主制御基板100の事前判定処理を説明する。
(ステップS221)
まず、メインCPU100aは、大当たり決定乱数判定テーブル(図7参照)から、現時点の遊技状態に対応するテーブルを選択し、この選択したテーブルと、上述のステップS205で取得された大当たり決定乱数値とに基づいて、大当たりの抽選の結果を判定する大当たり判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たりまたはハズレ)に係るデータをメインRAM100c内に設けられた特図データ処理領域に記憶する。
(ステップS222)
次に、メインCPU100aは、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、上記ステップS221における判定の結果が大当たりであった場合には、大当たり用当たり図柄乱数判定テーブル(図8(a)参照)を選択し、当該テーブルと、上述のステップS206で取得された当たり図柄乱数値とに基づいて、大当たり図柄の種別を判定する。
一方、上記ステップS221における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄は特別図柄0(ハズレ図柄)であると判定する。
そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM100c内に設けられた図柄種別データ処理領域に記憶する。また、この特別図柄判定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を判定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。
(ステップS223)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS222で判定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。
このとき、大当たり図柄ではない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、ステップS226に処理を移し、大当たり図柄であると判定された場合には、ステップS224に処理を移す。
(ステップS224)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態を確認する。
(ステップS225)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS224で確認した遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル(大当たり用判定テーブル、図14参照)を選択する。本ステップS225の処理を終えると、ステップS232に処理を移す。
(ステップS226)
一方、上記ステップS223において、特別図柄がハズレ図柄であると判定された場合には、メインCPU100aは、現時点の遊技状態、および現時点の保留数を確認する。
(ステップS227)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS226で確認した現時点の遊技状態および保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル(図12参照)を選択する。
(ステップS228)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS207において取得されたリーチグループ決定乱数と、上記ステップS227で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、に基づいて、グループの種別を判定し、当該グループの種別をメインRAM100c内に設けられたグループ種別データ処理領域に記憶する。
(ステップS229)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS228で判定されたグループの種別が、AグループまたはBグループであるか否かを判定する。
このとき、AグループまたはBグループのいずれでもないと判定された場合には、ステップS231に処理を移し、AグループまたはBグループであると判定された場合には、ステップS230に処理を移す。
なお、上述したように、事前判定処理において、AグループまたはBグループのいずれかが決定された場合、変動開始時においても、AグループまたはBグループのグループ種別が決定され、また、事前判定処理において、CグループまたはDグループのいずれかが決定された場合、変動開始時においても、CグループまたはDグループのグループ種別が決定される。
したがって、変動開始時においてAグループまたはBグループのいずれかが決定される場合、メインCPU100aは、本ステップS229において、必ずAグループまたはBグループであると判定する。また、変動開始時においてCグループまたはDグループのいずれかが決定される場合、メインCPU100aは、本ステップS229において、必ずCグループまたはDグループであると判定する。
(ステップS230)
次に、メインCPU100aは、先読みA指定コマンド(事前判定コマンド)を生成し、事前判定処理を終了する。この先読みA指定コマンドとは、大当たりの抽選の結果がハズレであって、かつ、リーチが行われない変動演出パターンであることが情報として少なくとも含まれたコマンドである。このように、本実施形態では、AグループおよびBグループに係る変動演出パターンは、リーチが行われない変動演出パターンから構成されている。これに対して、CグループおよびDグループに係る変動演出パターンは、リーチが必ず行われる変動演出パターンから構成されている。
(ステップS231)
一方、上記ステップS229において、AグループまたはBグループのいずれでもないと判定された場合、メインCPU100aは、上記ステップS228で判定されたグループの種別(つまり、CグループまたはDグループのいずれか)に基づいて、ハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブル(図13参照)を選択する。
(ステップS232)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS225で選択された大当たり用判定テーブル、または、上記ステップS231で選択されたハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブルのいずれかと、上記ステップS208で取得されたリーチモード決定乱数値と、に基づいて、変動モード番号および変動パターン決定乱数テーブルを決定し、このとき決定された変動モード番号をメインRAM100c内に設けられた変動モード番号データ処理領域に記憶する。
(ステップS233)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS232で決定された変動パターン乱数判定テーブルを選択する。
(ステップS234)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS209において取得した変動パターン乱数値と、上記ステップS233で選択された変動パターン乱数判定テーブルとに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号をメインRAM100c内に設けられた変動パターン番号データ処理領域に記憶する。
(ステップS235)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS232で判定された変動モード番号、および、上記ステップS234で判定された変動パターン番号に対応する先読みB指定コマンド(事前判定コマンド)を生成し、事前判定処理を終了する。この先読みB指定コマンドには、大当たりの抽選の結果が大当たりまたはハズレのいずれかであって、かつ、リーチが行われる変動演出パターンであることが情報として少なくとも含まれたコマンドである。
以上の処理により、新たに記憶された第1保留について、この第1保留に係る特別図柄の変動開始時に決定される変動モード番号および変動パターン番号に係る情報が、当該第1保留が記憶された時点で、この情報についてのコマンドが事前に副制御基板200に送信される。
次に、第2大入賞口81内に遊技球が入球した場合の処理について説明する。
まずは、図25を用いて、主制御基板100の特定領域検出スイッチ入力処理を説明する。
(ステップS301)
まず、メインCPU100aは、特定領域検出スイッチ82aからの検出信号を入力したか否かを判定する。
このとき、特定領域検出スイッチ82aからの検出信号を入力しなかった場合には、特定領域検出スイッチ入力処理を終了し、特定領域検出スイッチ82aからの検出信号を入力した場合にはステップS302に処理を移す。
(ステップS302)
次に、メインCPU100aは、V入賞有効フラグがON(=1)されているか否かを判定する。詳細は後述するが、V入賞有効フラグがONされる場合とは、第2アタッカー装置が作動している状態である。
このとき、V入賞有効フラグがONされていない場合には、特定領域検出スイッチ入力処理を終了し、V入賞有効フラグがONされている場合には、ステップS303に処理を移す。
(ステップS303)
次に、メインCPU100aは、高確率遊技フラグをONにする。なお、既に高確率遊技フラグがONにされている場合には、メインCPU100aは、本ステップS303において、高確率遊技フラグをONのままにする。
(ステップS304)
次に、メインCPU100aは、V入賞指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットして、特定領域検出スイッチ入力処理を終了する。このときセットされたV入賞指定コマンドは、副制御基板200に送信される。なお、V入賞指定コマンドを副制御基板200が受信すると、副制御基板200では、受信したV入賞指定コマンドに基づいて、V入賞したか否かを所定の演出態様で構成されたV入賞演出の実行が制御される。なお、V入賞指定コマンドに基づいて実行されるV入賞演出の演出態様とは、レースやバトル、選挙などのミニゲームが展開される演出態様(さらに、このミニゲームで勝利する、成功する)や、V入賞を告知する表示を行う演出態様などのことをいう。
図26を用いて、主制御基板100の一般領域検出スイッチ入力処理を説明する。
(ステップS311)
まず、メインCPU100aは、一般領域検出スイッチ83aからの検出信号を入力したか否かを判定する。
このとき、一般領域検出スイッチ83aからの検出信号を入力しなかった場合には、一般領域検出スイッチ入力処理を終了し、一般領域検出スイッチ83aからの検出信号を入力した場合にはステップS312に処理を移す。
(ステップS312)
次に、メインCPU100aは、非V入賞指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットして、一般領域検出スイッチ入力処理を終了する。このときセットされた非V入賞指定コマンドは、副制御基板200に送信される。なお、非V入賞指定コマンドを副制御基板200が受信すると、副制御基板200では、受信した非V入賞指定コマンドに基づいて、所定の演出態様で構成されたV入賞演出の実行が制御される。なお、非V入賞指定コマンドに基づいて実行されるV入賞演出の演出態様とは、例えば、ミニゲームで敗北する(失敗する)演出態様や、V入賞が告知されない演出態様などのことをいう。
このように、本実施形態では、第2大入賞口81内に遊技球が入球した場合には、特定領域82、一般領域83のいずれに入賞した場合であっても、副制御基板200には、この入賞に係るコマンドが送信されるようになっている。
図27を用いて、主制御基板100の特別遊技管理処理を説明する。
(ステップS401)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特別遊技管理処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうち、何れを実行するかを示すものであり、特図実行フェーズデータ記憶領域に記憶されている。具体的には、この実行フェーズデータは、特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、停止後処理の実行を示すデータ「02」と、特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
(ステップS500)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「00」であれば、特別図柄変動開始処理を実行する。この特別図柄変動開始処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「01」であれば、特別図柄変動停止処理を実行する。この特別図柄変動停止処理の詳細については後述する。
(ステップS800)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「02」であれば、停止後処理を実行する。この停止後処理の詳細については後述する。
(ステップS900)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「03」であれば、特別遊技制御処理を実行する。この特別遊技制御処理の詳細については後述する。
(ステップS1000)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「04」であれば、特別遊技終了処理を実行する。この特別遊技終了処理の詳細については後述する。
図28を用いて、主制御基板100の特別図柄変動開始処理を説明する。
(ステップS501)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。
このとき、実行フェーズデータが「00」ではないと判定された場合には、特別図柄変動開始処理を終了し、実行フェーズデータが「00」であると判定された場合には、ステップS502に処理を移す。
(ステップS502)
次に、メインCPU100aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶された値(本ステップS502が実行される時点の第2保留数に該当する数値、以下、「第2保留数値」という)が「1」以上であるか否かを判定する。
このとき、第2保留数値が「1」以上ではないと判定された場合には、ステップS504に処理を移し、第2保留数値が「1」以上であると判定された場合には、ステップS503に処理を移す。
(ステップS503)
次に、メインCPU100aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている第2保留数値から「1」を減算して記憶する。
(ステップS504)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶された値(本ステップS504が実行される時点の第1保留数に該当する数値、以下、「第1保留数値」という)が「1」以上であるか否かを判定する。
このとき、第1保留数値が「1」以上ではないと判定された場合には、ステップS513に処理を移し、第1保留数値が「1」以上であると判定された場合には、ステップS505に処理を移す。
(ステップS505)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている第1保留数値から「1」を減算して記憶する。
(ステップS506)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS503または上記ステップS505において減算された特別図柄保留数(U)記憶領域に対応する特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。
具体的には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に対応する第1特別図柄記憶領域に記憶されたデータのシフト処理が行われる場合には、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。ここで、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)にシフトさせる。このとき、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていたデータは第1特別図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値および変動パターン乱数値が消去される。
また、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に対応する第2特別図柄記憶領域に記憶されたデータのシフト処理が行われる場合には、第2特別図柄記憶領域にある第5記憶部〜第8記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。ここで、第5記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)にシフトさせる。このとき、第5記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていたデータは第2特別図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値および変動パターン乱数値が消去される。
なお、本実施形態では、上記ステップS502〜ステップS505において第2特別図柄記憶領域を第1特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせることとしたが、始動入賞口24,26に入賞した順序で、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄記憶領域を第2特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
(ステップS507)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態に対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択し、この選択したテーブルと、上記ステップS506において判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた大当たり決定乱数値と、に基づいて大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。
(ステップS508)
次に、メインCPU100aは、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上記ステップS507における判定の結果が大当たりであった場合には、当該判定に用いられた大当たり決定乱数値が何れの始動入賞口への遊技球の入賞によるものか(すなわち、第1始動入賞口24か、または、第2始動入賞口26か)を確認したうえで、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブルを選択し、選択したテーブルと、上記ステップS506で判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた当たり図柄乱数値と、に基づいて特別図柄の種別を決定する。
一方、上記ステップS507における判定の結果がハズレであった場合には、当該判定に用いられた大当たり決定乱数値が何れの始動入賞口への遊技球の入賞によるものであっても、ハズレ図柄を決定する。
このようにして決定した特別図柄に対応するデータを、メインCPU100aは、図柄種別データ処理領域に記憶する。この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。
(ステップS509)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS508で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板200に送信されることとなる。
(ステップS600)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS506において判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれたリーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値、および、変動パターン乱数値に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を行う。
(ステップS510)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄表示装置30または第2特別図柄表示装置31において特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、図柄種別データ処理領域に記憶された情報が、第1保留に係る場合には、第1特別図柄表示装置30において点滅表示が開始され、第2保留に係る場合には、第2特別図柄表示装置31において点滅表示が開始される(変動表示開始処理)。
(ステップS511)
次に、メインCPU100aは、デモ判定フラグに00Hをセットする。すなわち、デモ判定フラグをクリアする。
(ステップS512)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄開始処理を終了する。
(ステップS513)
上記ステップS504において、第1保留数値が「1」以上ではないと判定された場合には、メインCPU100aは、デモ判定フラグに01Hがセットされているか否かを判定する。
このとき、デモ判定フラグに01Hがセットされている場合には、メインCPU100aは特別図柄変動開始処理を終了し、デモ判定フラグに01Hがセットされていないと判定した場合には、ステップS514に処理を移す。
(ステップS514)
次に、メインCPU100aは、後述するステップS515でデモ指定コマンドを何度もセットすることがないように、デモ判定フラグに01Hをセットする。
(ステップS515)
次に、メインCPU100aは、デモ指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
次に、図29を用いて、変動演出パターン決定処理を説明する。
(ステップS601)
まず、メインCPU100aは、上記ステップS508で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。
このとき、大当たり図柄ではない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、ステップS604に処理を移し、大当たり図柄であると判定された場合には、ステップS602に処理を移す。
(ステップS602)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態を確認する。
(ステップS603)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS602で確認した遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル(大当たり用判定テーブル)を選択する。
(ステップS604)
上記ステップS601において大当たり図柄ではないと判定された場合には、メインCPU100aは、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別を確認するとともに、現時点の遊技状態、および、現時点の保留数を確認する。
(ステップS605)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS604で確認した始動入賞口の種別、遊技状態および保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルを選択する。
(ステップS606)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS506で判定記憶領域(第0記憶部)に記憶されたリーチグループ決定乱数と、上記ステップS605で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、に基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別をグループ種別データ処理領域に記憶する。
(ステップS607)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS606で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル(ハズレ用判定テーブル)を選択する。
(ステップS608)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS603で選択された大当たり用判定テーブル、または上記ステップ607で選択されたハズレ用判定テーブルと、上記ステップS506で判定記憶領域(第0記憶部)に記憶されたリーチモード決定乱数と、に基づいて、変動モード番号および変動パターン決定乱数テーブルを決定し、このとき決定された変動モード番号を変動モード番号データ処理領域に記憶する。
(ステップS609)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS608で決定された変動パターン乱数判定テーブルを選択する。
(ステップS610)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS609で選択した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS506で判定記憶領域(第0記憶部)に記憶された変動パターン乱数と、に基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を変動パターン番号データ処理領域に記憶する。
(ステップS611)
次に、メインCPU100aは、変動時間決定テーブルと、上記ステップS608で決定された変動モード番号、および、上記ステップS610で決定された変動パターン番号と、に基づいて、変動時間を決定する。
(ステップS612)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS611において決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。
(ステップS613)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS608で決定された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、上記ステップS610で決定された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。そして、メインCPU100aは、生成された変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
図30を用いて、主制御基板100の特別図柄変動停止処理を説明する。
(ステップS701)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。
このとき、実行フェーズデータが「01」ではないと判定された場合には、特別図柄変動停止処理を終了し、実行フェーズデータが「01」であると判定された場合には、ステップS702に処理を移す。
(ステップS702)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS612で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。
このとき、当該変動時間が経過していないと判定された場合には、特別図柄変動停止処理を終了し、当該変動時間が経過したと判定された場合には、ステップS703に処理を移す。
(ステップS703)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS508で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30または第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。
(ステップS704)
次に、メインCPU100aは、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
(ステップS705)
次に、メインCPU100aは、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間カウンタにセットする。
(ステップS706)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットして、特別図柄変動停止処理を終了する。
図31を用いて、停止後処理を説明する。
(ステップS801)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。
このとき、実行フェーズデータが「02」ではないと判定された場合には、停止後処理を終了し、実行フェーズデータが「02」であると判定された場合には、ステップS802に処理を移す。
(ステップS802)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS705で停止表示時間カウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。
このとき、停止表示時間が経過していないと判定された場合には、停止後処理を終了し、停止表示時間が経過したと判定された場合には、ステップS803に処理を移す。
(ステップS803)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。
(ステップS804)
次に、メインCPU100aは、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU100aは、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがONされているか否かを判定する。
このとき、時短遊技フラグがONされていると判定された場合には、メインRAM100cに設けられた時短遊技回数(J)記憶領域における時短遊技回数(J)の値を更新する。具体的には、時短遊技回数(J)記憶領域に記憶されている時短遊技回数(J)から「1」を減算するとともに、減算された結果を新たな時短遊技回数(J)として記憶し、その記憶された時短遊技回数(J)が「0」であるか否かを判定し、時短遊技回数(J)=0であれば、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されている時短遊技フラグをOFFにする。また、時短遊技回数(J)=0ではないと判定された場合には、メインCPU100aは、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグはONのままで、本ステップS804の処理を実行する。
また、時短遊技フラグがONされていないと判定された場合には、本ステップS804においては処理を行わずに、ステップS805に処理を移す。
(ステップS805)
次に、メインCPU100aは、高確回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU100aは、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確率遊技フラグがONされているか否かを判定する。
このとき、高確遊技フラグがONされていると判定された場合には、メインRAM100cに設けられた高確率遊技回数(X)記憶領域における高確率遊技回数(X)の値を更新する。具体的には、高確率遊技回数(X)記憶領域に記憶されている(X)から「1」を減算するとともに、減算された結果を新たな高確率遊技回数(X)として記憶し、その記憶された高確率遊技回数(X)が「0」であるか否かを判定し、高確率遊技回数(X)=0であると判定された場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFにする。また、高確率遊技回数(X)=0でないと判定された場合には、メインCPU100aは、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグはONのままで、本ステップS805の処理を実行する。
また、高確率遊技フラグがONされていないと判定された場合には、本ステップS805においては処理を行わずに、ステップS806に処理を移す。
(ステップS806)
次に、メインCPU100aは、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。
このとき、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄ではない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、ステップS814に処理を移し、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定された場合には、ステップS807に処理を移す。
(ステップS807)
次に、メインCPU100aは、大当たり当選時の遊技状態が非時短遊技状態であるか、または、時短遊技状態であるかを副制御基板200に送信するための大当たり当選時遊技状態コマンドをセットする。
(ステップS808)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態をリセットする処理を実行する。具体的には、高確率遊技フラグ記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技フラグ記憶領域、時短遊技回数(J)記憶領域にあるデータをクリアする。
(ステップS809)
次に、メインCPU100aは、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をタイマカウンタにセットする。
(ステップS810)
次に、メインCPU100aは、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
(ステップS811)
次に、メインCPU100aは、停止表示されている特別図柄の種別に基づいて、メインRAM100cに作動テーブル(図9参照)をセットする。具体的には、メインCPU100aは、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であれば、その大当たり図柄の種別ごとに決められている作動テーブル(第1作動テーブル〜第6作動テーブルの何れか、図9(a)〜(f)参照)をセットする。
(ステップS812)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。
(ステップS813)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。この遊技状態指定コマンドには、上記ステップS804で更新された時短回数の情報、上記ステップS805で更新された高確回数の情報も含まれている。さらに、遊技状態指定コマンドには、遊技モードの種類を示す遊技モード情報も含まれている。これにより、遊技状態指定コマンドを受信した副制御基板200において、時短回数および高確回数、さらには現在の遊技モードの種類を把握できるようになっている。そして、停止後処理が終了となる。
(ステップS814)
上記ステップS806において、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄ではない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、上記ステップS813に処理を移す。
図32を用いて、特別遊技制御処理を説明する。
(ステップS901)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。
このとき、実行フェーズデータが「03」ではないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、実行フェーズデータが「03」であると判定された場合には、ステップS902に処理を移す。
(ステップS902)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS809でタイマカウンタにセットされたオープニング時間を経過したか否かを判定する。
このとき、オープニング時間が経過していないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、オープニング時間が経過したと判定された場合には、ステップS903に処理を移す。
(ステップS903)
次に、メインCPU100aは、エンディング処理中であるか否かを判定する。このエンディング処理とは、当該特別遊技制御処理においてラウンド遊技回数(R)が最大値(本実施形態では、R=6、R=11またはR=16)に到達した後に行われる待機処理のことをいう。
このとき、エンディング処理中であると判定された場合には、ステップS914に処理を移し、エンディング処理中ではないと判定された場合には、ステップS904に処理を移す。
(ステップS904)
次に、メインCPU100aは、特別図柄の種別に応じた、第1アタッカー装置70および第2アタッカー装置80の作動テーブルに基づいて、第1アタッカー装置70および第2アタッカー装置80の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。この大入賞口開閉制御処理では、作動テーブルと、ラウンド遊技回数(R)におけるRの値とを参照して、当該「R回目」のラウンド遊技(以下、「第Rラウンド遊技」という)に該当するアタッカー装置の作動(開放/閉鎖)の制御を実行する。
(ステップS950)
次に、メインCPU100aは、特定領域開閉ソレノイド82cの駆動の制御等を実行するためのV入賞設定処理を実行する。
(ステップS905)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS904の大入賞口開閉制御処理に基づいて第Rラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。
このとき、第Rラウンド遊技が開始された時点ではないと判定された場合には、ステップS907に処理を移し、第Rラウンド遊技が開始された時点であると判定された場合には、ステップS906に処理を移す。
(ステップS906)
次に、メインCPU100aは、第Rラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。なお、第Rラウンド遊技開始コマンドにおける「R」の値により、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板200に伝達できるようになっている。
(ステップS907)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS904の大入賞口開閉制御処理に基づいて第Rラウンド遊技が終了したか否かを判定する。すなわち、1回のラウンド遊技における開放時間が経過したか、または所定個数(第1大入賞口71の場合は10個、第2大入賞口81の場合は10個)の入賞があったか、が判定される。
このとき、第Rラウンド遊技が終了していないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、第Rラウンド遊技が終了したと判定された場合には、ステップS908に処理を移す。
(ステップS908)
次に、メインCPU100aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されているラウンド遊技回数(R)を「1」加算する。
(ステップS909)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS908で加算したラウンド遊技回数(R)が「最大値」であるか否かを判定する。
このとき、ラウンド遊技回数(R)が「最大値」ではないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、ラウンド遊技回数(R)が「最大値」であると判定された場合には、ステップS910に処理を移す。
(ステップS910)
次に、メインCPU100aは、当該大当たり遊技の特別図柄の種別が、特別図柄1または特別図柄4であるか否かを判定する。
このとき、当該大当たり遊技の特別図柄の種別が、特別図柄1または特別図柄4ではないと判定された場合(つまり、当該大当たり遊技の特別図柄の種別が、特別図柄2、特別図柄3、特別図柄5または特別図柄6であると判定された場合)には、ステップS912に処理を移し、当該大当たり遊技の特別図柄の種別が、特別図柄1または特別図柄4であると判定された場合には、ステップS911に処理を移す。
(ステップS911)
次に、メインCPU100aは、図11に示すエンディング時間決定テーブルを参照して、エンディング時間を「1.5」秒(第1時間)に決定する。そして、大当たり遊技の終了時に設定される待機時間(待機処理に係る時間)であるエンディング時間(1.5秒)をタイマカウンタにセットする。
(ステップS912)
次に、メインCPU100aは、図11に示すエンディング時間決定テーブルを参照して、エンディング時間を「1.7」秒(第2時間)に決定する。そして、大当たり遊技の終了時に設定されるエンディング時間(1.7秒)をタイマカウンタにセットする。
(ステップS913)
次に、メインCPU100aは、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理が終了となる。このエンディングコマンドは、上記したエンディング時間が「1.5」秒に決定した場合と、「1.7」秒に決定した場合とで、時間こそ若干(0.2秒)異なるものの、同様の態様の演出が実行されるコマンドとなっている。したがって、このエンディングコマンドに基づく演出態様からは、エンディング時間が「1.5」秒、「1.7」秒の何れに決定されたかを遊技者が見た目上から判断することができないようになっている。
(ステップS914)
上記ステップS903において、エンディング処理中であると判定された場合には、メインCPU100aは、上記ステップS911または上記ステップS912においてタイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。
このとき、当該エンディング時間が経過していないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、当該エンディング時間が経過したと判定された場合には、ステップS915に処理を移す。
(ステップS915)
次に、メインCPU100aは、V入賞有効フラグをOFF(=0)にする。
ここで、エンディング時間が「1.5」秒に決定された場合には、当該エンディングが「1.5」秒で終了するとともに、V入賞有効フラグもOFFにされる。そして、貯留部85Tにおける貯留が解除された遊技球は、この時点(当該エンディング時間が終了した時点)では、未だ特定領域82に入賞していない。すなわち、エンディング時間が検出所要時間よりも短いため、上記遊技球は特定領域82まで到達できない。このため、上記遊技球は特定領域検出スイッチ82aに検出されていない状況にあることとなる。
そして、上記遊技球が特定領域検出スイッチ82aにより検出されたときには、既にV入賞有効フラグはOFFにされているため、V入賞したにも関わらず、高確率遊技回数(X)が付与されないこととなる。
一方、エンディング時間が「1.7」秒に決定された場合には、当該エンディングが「1.7」秒で終了するとともに、V入賞有効フラグもOFFにされる。そして、貯留部85Tにおける貯留が解除された遊技球は、この時点(当該エンディング時間が終了した時点)では、既に特定領域82に入賞している。すなわち、エンディング時間が検出所要時間よりも長いため、上記遊技球は特定領域82に十分到達することができる。このため、上記遊技球は特定領域検出スイッチ82aに検出されている状況にあることとなる。
そして、上記遊技球が特定領域検出スイッチ82aにより検出されたときには、未だV入賞有効フラグはONのままであるため、V入賞した結果として高確率遊技回数(X)が付与されることとなる。
(ステップS916)
次に、メインCPU100aは、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
(ステップS917)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
次に、図33を用いて、V入賞設定処理を説明する。
(ステップS951)
まず、メインCPU100aは、現在セットされている作動テーブルを参照する。
(ステップS952)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS908において更新された、ラウンド遊技回数(R)におけるRの値を参照する。すなわち、これから開始されるラウンド遊技が何回目のラウンド遊技であるかが確認されることとなる。
(ステップS953)
次に、メインCPU100aは、第2アタッカー装置80が開放するラウンド(最終回目のラウンド)か否かを判定する。すなわち、特別図柄1、特別図柄2、特別図柄4および特別図柄5に係る大当たり遊技については、ラウンド遊技回数(R)におけるRの値が「11」(つまり、「R=11」)であるか否かが判定される。また、特別図柄3および特別図柄6に係る大当たり遊技については、ラウンド遊技回数(R)におけるRの値が「16」(つまり、「R=16」)であるか否かが判定される。
このとき、第2アタッカー装置80が開放するラウンド(最終回目のラウンド)ではない、すなわち、「R=11」または「R=16」の何れでもないと判定された場合には、V入賞設定処理を終了し、第2アタッカー装置80が開放するラウンド(最終回目のラウンド)である、すなわち、「R=11」または「R=16」の何れかであると判定された場合には、ステップS954に処理を移す。
(ステップS954)
次に、メインCPU100aは、V入賞有効フラグをON(=1)にする。
(ステップS955)
次に、メインCPU100aは、第2アタッカー装置80が開放すること、すなわち、ラウンド遊技回数(R)におけるRの値が「11」(「R=11」)または「16」(「R=16」)であることを条件として、特定領域開閉ソレノイド82cを駆動させる(スライド板駆動処理)。特定領域開閉ソレノイド82cが駆動されることにより、スライド板82bが閉状態に変位する。そして、第2アタッカー装置80の作動が終了することにより、特定領域開閉ソレノイド82cの駆動が終了となり、スライド板82bが開状態に変位する。
すなわち、スライド板82bが閉状態に変位することにより、遊技球が通路85へ進入することの可能な経路が塞がれるとともに、貯留部85Tに遊技球を貯留させることが可能な状態になる。その後、スライド板82bが開状態に変位することにより、貯留部85Tに貯留されていた遊技球は、通路85内を転動していき、特定領域82へ到達することが可能な状態となる。
また、特定領域開閉ソレノイド82cは、第2アタッカー装置80の作動開始(開閉動作の開始)と同時に駆動を開始し、第2アタッカー装置80の作動終了(開閉動作の終了)と共に、その駆動を終了する。すなわち、大当たり遊技の最終回目のラウンド遊技において、第2アタッカー装置80が開閉動作を開始すると、特定領域開閉ソレノイド82cがONされて、スライド板82bが閉状態に維持される。その後、第2アタッカー装置80の開閉動作が終了することとなる条件、つまり、最終回目のラウンド遊技における開放時間が経過したか、または所定個数(10個)の入賞があったか、の何れかの条件が成立すると、特定領域開閉ソレノイド82cがOFFにされて、スライド板82bが開状態に維持される。
このように、最終回目のラウンド遊技において、第2大入賞口81内に遊技球が入球し終える時点(つまり、第2大入賞口81内に、これ以上の遊技球の入球が不可能な状態となる時点)まで、特定領域開閉ソレノイド82cがONされることとなる。これにより、ほとんどの場合において、貯留部85Tに遊技球が貯留された状態にて、この貯留を解除する(スライド板82bを開状態にさせる)ことが可能となる。なお、「ほとんどの場合」としたのは、遊技球のイレギュラーな転動状況や第2大入賞口81内への入球が無かったなどの理由により、貯留部85Tに遊技球が貯留されない事態も稀に起こり得るからである。言い換えれば、本実施形態では、パチンコ機Pに不具合や故障も発生せずに、遊技者が通常通り、遊技球の発射操作を行っている状況においては、ほぼ間違いなく、貯留部85Tに遊技球が貯留されるようになっている。
図34を用いて、特別遊技終了処理を説明する。
(ステップS1001)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。
このとき、実行フェーズデータが「04」ではないと判定された場合には、特別遊技終了処理を終了し、実行フェーズデータが「04」であると判定された場合には、ステップS1002に処理を移す。
(ステップ1002)
次に、メインCPU100aは、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(上記ステップS508等において図柄種別データ処理領域に記憶されている)、および高確率遊技フラグのON/OFFを確認するとともに、上記大当たり図柄に対応する遊技状態設定テーブル(図10参照)、および高確率遊技フラグのON/OFFの状況(図25参照)に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU100aは、時短遊技フラグ、高確率遊技回数(X)、時短遊技回数(J)を設定する。
例えば、上記大当たり図柄が特別図柄3であれば(この場合には、上述したイレギュラーケースを除き高確率遊技フラグがONされる)、高確率遊技フラグおよび時短遊技フラグをONするとともに、高確率遊技回数(X)に「10000」をセットして、時短遊技回数(J)に「10000」をセットする。
また、上記大当たり図柄が特別図柄1であれば(この場合には、高確率遊技フラグはONされない)、時短遊技フラグのみをONするとともに、時短遊技回数(J)にのみ「100」をセットする。
(ステップS1003)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS1002で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態設定コマンドには、上記ステップS303で設定された高確率遊技フラグのON/OFFの情報、上記ステップS1002で設定された時短遊技フラグのON/OFFの情報、高確率遊技回数(X)の情報、時短遊技回数(J)の情報が含まれている。
(ステップS1004)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
図35を用いて、普通遊技管理処理を説明する。
(ステップS1101)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普通遊技管理処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうち、何れを実行するかを示すものであり、普図実行フェーズデータ記憶領域に記憶されている。具体的には、この普図実行フェーズデータは、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
(ステップS1200)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「10」であれば、普通図柄変動開始処理を実行する。この普通図柄変動開始処理の詳細については後述する。
(ステップS1300)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「11」であれば、普通図柄変動停止処理を実行する。この普通図柄変動停止処理の詳細については後述する。
(ステップS1400)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「12」であれば、普通図柄停止後処理を実行する。この普通図柄停止後処理の詳細については後述する。
(ステップS1500)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「13」であれば、可動片制御処理を実行する。この可動片制御処理の詳細については後述する。
図36を用いて、主制御基板100の普通図柄変動開始処理を説明する。
(ステップS1201)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」であるか否かを判定する。
このとき、普図実行フェーズデータが「10」ではないと判定された場合には、普通図柄変動開始処理を終了し、普図実行フェーズデータが「10」であると判定された場合には、ステップS1202に処理を移す。
(ステップS1202)
次に、メインCPU100aは、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶された普通図柄の保留数(G)が1以上であるかを判定する。
このとき、保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、普通図柄変動開始処理を終了し、普通図柄の保留数(G)が「1」以上であると判定した場合には、ステップS1203に処理を移す。
(ステップS1203)
次に、メインCPU100aは、特別図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値(G)から「1」を減算した新たな保留数(G)を記憶する。
(ステップS1204)
次に、メインCPU100aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、普通図柄保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、1つ前の記憶部に記憶されているデータは、普図判定記憶領域に書き込まれるとともに、普通図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。
(ステップS1205)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル(非時短用判定テーブルまたは時短用判定テーブルの何れか)を選択し、当該選択したテーブルと、上記ステップS1204で普図判定記憶領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。
具体的には、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短用判定テーブル(図17(a))を参照して、普図判定記憶領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。また、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短用判定テーブル(図17(b))を参照して、普図判定記憶領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。
(ステップS1206)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS1205における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。
このとき、当たりではない(つまり、ハズレである)と判定された場合には、ステップS1208に処理を移し、当たりであると判定された場合には、ステップS1207に処理を移す。
(ステップS1207)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄データを普図停止図柄データ記憶領域に記憶する。
(ステップS1208)
次に、メインCPU100aは、ハズレ図柄データを普図停止図柄データ記憶領域に記憶する。
(ステップS1209)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態が非時短遊技状態または時短遊技状態の何れに設定されているかを確認する。
(ステップS1210)
次に、メインCPU100aは、普通図柄変動時間決定テーブル(図18)を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU100aは、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「2.5秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「0.5秒」をセットする。
(ステップS1211)
次に、メインCPU100aは、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する(普図変動表示開始処理)。
(ステップS1212)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。
(ステップS1213)
次に、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットし、普通図柄変動開始処理を終了する。
図37を用いて、普通図柄変動停止処理を説明する。
(ステップS1301)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。
このとき、普図実行フェーズデータが「11」ではないと判定された場合には、普通図柄変動停止処理を終了し、普図実行フェーズデータが「11」であると判定された場合には、ステップS1302に処理を移す。
(ステップS1302)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS1210で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。
このとき、当該変動時間が経過していないと判定された場合には、普通図柄変動停止処理を終了し、当該変動時間が経過したと判定された場合には、ステップS1303に処理を移す。
(ステップS1303)
次に、メインCPU100aは、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。
(ステップS1304)
次に、メインCPU100aは、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間カウンタにセットする。
(ステップS1305)
次に、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットして、普通図柄変動停止処理を終了する。
図38を用いて、普通図柄停止後処理を説明する。
(ステップS1401)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。
このとき、普図実行フェーズデータが「12」ではないと判定された場合には、普通図柄停止後処理を終了し、普図実行フェーズデータが「12」であると判定された場合には、ステップS1402に処理を移す。
(ステップS1402)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS1304(図37参照)で普図停止表示時間カウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。
このとき、普図停止表示時間が経過していないと判定された場合には、普通図柄停止後処理を終了し、普図停止表示時間が経過したと判定された場合には、ステップS1403に処理を移す。
(ステップS1403)
次に、メインCPU100aは、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。
このとき、停止表示されている普通図柄が当たり図柄ではない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、ステップS1405に処理を移し、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定された場合には、ステップS1404に処理を移す。
(ステップS1404)
次に、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
(ステップS1405)
上記ステップS1403において、停止表示されている普通図柄が当たり図柄ではない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
図39を用いて、可動片制御処理を説明する。
(ステップS1501)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。
このとき、普図実行フェーズデータが「13」ではないと判定された場合には、可動片制御処理を終了し、普図実行フェーズデータが「13」であると判定された場合には、ステップS1502に処理を移す。
(ステップS1502)
次に、メインCPU100aは、可動片26bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド26cが通電されているか否かを判定する。
このとき、可動片26bが作動制御中であると判定された場合には、ステップS1505に処理を移し、可動片26bが作動制御中ではないと判定された場合には、ステップS1503に処理を移す。
(ステップS1503)
次に、メインCPU100aは、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態または時短遊技状態の何れであったかを確認する。
(ステップS1504)
次に、メインCPU100aは、開放制御パターンテーブル(図19)を参照し、上記ステップS1503で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド26cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)および通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
(ステップS1505)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS1504でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。
このとき、通電時間(開放時間)を経過していないと判定された場合には、可動片制御処理を終了し、通電時間を経過したと判定された場合には、ステップS1506に処理を移す。
(ステップS1506)
次に、メインCPU100aは、可動片26bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド26cの通電の停止を実行する。
(ステップS1507)
次に、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
以上が、本実施形態のパチンコ機Pにおける遊技の手順であるが、ここで、本実施形態特有の構成である、V入賞とエンディング時間との関係について、図40を用いて説明する。
上述した通り、本実施形態では、特別図柄の種別によって、大当たり遊技におけるエンディング時間が「1.5」秒か、「1.7」秒か、の何れかに設定される(図11、図32参照)。
図40(A)〜(F)は、大当たり遊技における最終回目のラウンド遊技における、大当たり遊技自体の状態(図40(A))、第2アタッカー装置80の作動状態(図40(B))、第2大入賞口81の開閉状態(図40(C))、第2大入賞口開閉ソレノイド81cの駆動状態(図40(D))、特定領域ソレノイド82cの駆動状態(図40(E))、V入賞有効フラグの状態(高確率遊技フラグがONになる状態か否か、図40(F))、をそれぞれ示すタイミングチャートである。特に、図40(B)〜(F)は、エンディング時間を「1.6」秒とした場合について示している。
また、実際の特別図柄の種別ごとにエンディング時間を設定した場合についてのV入賞有効フラグの状態を示すタイミングチャートを図40(G)および図40(H)に示す。なお、それぞれのタイミングチャートの開始時点は、大当たり遊技における最終回目のラウンド遊技が開始される直前としている。
まず、図40(A)は、大当たり遊技自体の作動状態を示している。「作動」とは大当たり遊技中であることを意味し、「停止」とは当該大当たり遊技が終了したことを意味する。
図40(B)は、最終回目のラウンド遊技における、第2アタッカー装置80の作動状態を示している。すなわち、最終回目のラウンド遊技における、第2アタッカー装置80の「作動」とは、最終回目のラウンド遊技において、第2大入賞口開閉ソレノイド80cに対する通電が行われている(繰り返し通電させる場合も含む)間のことを意味し、最終回目のラウンド遊技における、第2アタッカー装置80の「停止」とは、最終回目のラウンド遊技において、第2大入賞口開閉ソレノイド80cに対する通電が最終的に停止した時点以降のことを意味する。
そして、図40(B)では、エンディング時間を「1.6」秒としている(TZ時間「0.5」秒を含む)。すなわち、大当たり遊技の終了時点まで待機処理としてエンディング演出が実行されるエンディング時間を、上述した検出所要時間と同じ期間(秒数)としている。
図40(C)は、第2大入賞口81の開閉状態を示しており、第2大入賞口81の開閉は、図40(D)の第2大入賞口開閉ソレノイド80cの駆動状態と同期している。
具体的には、第2大入賞口開閉ソレノイド80cは、0.1秒間ONされ、1回目の駆動をする。このとき、第2大入賞口81は1回目の開放状態となる。
そして、第2大入賞口開閉ソレノイド80cは1回目の駆動を終了し、1.7秒間OFFにされる。このとき、第2大入賞口81は閉鎖状態となる。
その後、第2大入賞口開閉ソレノイド80cは再び28.0秒間ONされ、2回目の駆動をする。このとき、第2大入賞口81は2回目の開放状態となる。
図40(E)は、特定領域開閉ソレノイド82cの駆動状態を示している。特定領域開閉ソレノイド82cは、第2大入賞口開閉ソレノイド80cの1回目の駆動と同期してONされ駆動する。これにより、スライド板82bが閉状態にされ、特定領域82への入球が不可能な状態となる。以後、第2大入賞口開閉ソレノイド80cが駆動されている間は、特定領域開閉ソレノイド82cがONされたままとなるため、特定領域82への入球が不可能な状態が維持される。
そして、第2大入賞口開閉ソレノイド80cの駆動が終了すると、特定領域開閉ソレノイド82cはOFFにされる。これにより、スライド板82bが開状態にされ、特定領域82への入球が可能な状態が維持される。
図40(F)は、V入賞有効フラグの状態を示しており、「有効」とはV入賞有効フラグがONであることを意味し、「無効」とはV入賞有効フラグがOFFであることを意味する。このV入賞有効フラグは、最終回目のラウンド遊技の開始(このとき、第2大入賞口開閉ソレノイド80cや特定領域開閉ソレノイドもONされる)と同時に有効(ON)となり、エンディング時間の終了と同時に無効(OFF)となる。
このように、図40(A)〜図40(F)で説明したことから、検出所要時間と同じ「1.6」秒をエンディング時間として設定した場合には、このエンディング時間内(この場合、「1.6」秒以内)に特定領域検出スイッチ82aによる有効な入球の検出が「ぎりぎり」可能である。
ここでいう「有効な入球」とは、第2大入賞口81内に入球した遊技球であって、V入賞有効フラグがONにされている間に検出された遊技球のことを意味する。すなわち、高確率遊技フラグがONにされる入球と判定される入球のことである。
上述の通り、エンディング時間を、検出所要時間と同じにした場合、特定領域検出スイッチ82aによる検出がされた時点において、V入賞有効フラグのON/OFFを意図的に操作(処理)することは困難である。例えば、ある種別の特定図柄(仮に「特定図柄A」という)の場合には、V入賞有効フラグがONの間に特定領域検出スイッチ82aによる検出がなされるようにし、別の種別の特定図柄(仮に「特定図柄B」という)の場合には、V入賞有効フラグがOFFになってから特定領域検出スイッチ82aによる検出がなされるようにする、といった操作(処理)を意図して行うことができない。
そこで、本実施形態では、図40(G)および図40(H)に示すように、特別図柄の種別に応じて、エンディング時間を変えることとした。これにより、V入賞有効フラグのON/OFFを意図的に操作(処理)することが可能となる。
図40(G)は、特別図柄1または特別図柄4に係る大当たり遊技における、V入賞有効フラグの状態(V入賞が有効と判定される期間)を示している。特別図柄1または特別図柄4に係る大当たり遊技の場合には、図11および図32で説明したように、エンディング時間が検出所要時間(「1.6」秒)よりも短い時間(「1.5」秒)に設定されるため、貯留部85Tにおける貯留が解除された遊技球は、当該エンディング時間内(1.5秒以内)に特定領域82まで到達できない。そして、上記遊技球が特定領域検出スイッチ82aにより検出されたときには、既にV入賞有効フラグはOFFにされているため、V入賞したにも関わらず、高確率遊技回数(X)が付与されないこととなる。したがって、特別図柄1または特別図柄4に係る大当たり遊技の場合には、特定領域82に入賞があったとしても、高確率遊技フラグがONされないこととなる(図25等参照)。
図40(H)は、特別図柄2、特別図柄3、特定図柄5および特別図柄6に係る大当たり遊技における、V入賞有効フラグの状態(V入賞が有効と判定される期間)を示している。特別図柄2、特別図柄3、特別図柄5または特別図柄6に係る大当たり遊技の場合には、図11および図32で説明したように、エンディング時間が検出所要時間(「1.6」秒)よりも長い時間(「1.7」秒)に設定されるため、貯留部85Tにおける貯留が解除された遊技球は、当該エンディング時間内(1.7秒以内)に特定領域82に十分到達することができる。そして、上記遊技球が特定領域検出スイッチ82aにより検出されたときには、未だV入賞有効フラグはONのままであるため、V入賞した結果として高確率遊技回数(X)が付与されることとなる。したがって、特別図柄2、特別図柄3、特別図柄5または特別図柄6に係る大当たり遊技の場合には、特定領域82に入賞があると、高確率遊技フラグがONされることとなる(図25等参照)。
最後に、副制御基板200について簡単に概略を説明する。
副制御基板200において、主制御基板100から送信されたデータに基づいて、画像制御基板400およびランプ制御基板500にて実行させる演出パターン等の演出データに係るコマンドを決定し、このコマンドを画像制御基板400およびランプ制御基板500に送信する。副制御基板200から画像制御基板400およびランプ制御基板500に上記した演出データに係るコマンドが送信されると、画像制御基板400およびランプ制御基板500では以下のような制御が行われる。
画像制御基板400において、演出表示装置40を制御する際には、受信したデータに基づいて、音声CPUが音声ROMから音声出力装置制御プログラムを読み出して、スピーカ11,12における音声を出力制御する。また、副制御基板200から画像制御基板400にデータが送信されると、画像CPUが画像ROMからプログラムを読み出して、受信した演出用のコマンドに基づいて演出表示装置40における画像表示を制御する。
ランプ制御基板500においては、受信したデータに基づいて演出役物装置作動プログラムを読み出して、演出役物装置41を作動制御するとともに、受信した演出用のデータに基づいて演出照明装置制御プログラムを読み出して、装飾ランプ13A〜13CやLED60bを制御する。
なお、副制御基板200において、大当たり遊技のエンディング演出の態様を決定する場合や、大当たり遊技終了後からの確変モードおよび時短モードにおける演出態様を決定する場合には、上述したように、特別図柄の種別に関わらず同様のエンディング演出の態様を決定する、確変モードおよび時短モードの演出態様を同様のものとする、といった処理をすることが望ましいことを付け加えておく。
以上のように、本実施形態によれば、大当たり遊技におけるエンディング時間に、検出所要時間よりも短い第1時間と、検出所要時間よりも長い第2時間と、を設けることとした。これにより、特別図柄の種別に関わらず、特定領域82に遊技球を進入させたとしても(進入させた結果として特定領域82に入賞したとしても)、確変当たり(特別図柄2、特別図柄3、特別図柄5または特別図柄6に係る大当たり)であれば、高確率遊技回数(X)を付与し、通常当たり(特別図柄1または特別図柄4に係る大当たり)であれば高確率遊技回数(X)を付与しないようにすることができる。すなわち、V入賞有効フラグを無効(OFF)にするタイミングをエンディング時間の終了時点とすることにより、特定領域82への入賞が、エンディング時間内に間に合うか、間に合わないかによって、高確率遊技回数(X)を付与したり、付与しないようにしたりすることが可能となる。したがって、通常当たりであっても、確変当たりと同様の開放態様にて第2アタッカー装置80(Vアタッカー装置)を作動させることができる。これにより、従来の遊技機における問題点である、通常当たりの場合には、Vアタッカー装置への入球がほぼ無いために、確変当たりと比べて1回の大当たり遊技における出玉(賞球数)が少なくなるという事態を生じさせることが無い。このように、本実施形態によれば、通常当たりに対する遊技者のネガティブな印象を低減させることができる。
また、本実施形態では、全ての大当たり遊技における最終回目のラウンド遊技において、ほぼ1個の遊技球が貯留部85Tに貯留され得るようにしている。したがって、確変当たり、通常当たりの双方において、少なくとも、この1個の遊技球に基づく賞球を付与することが可能である。したがって、通常当たりであるとしても、確変当たりと同様の第2アタッカー装置80(Vアタッカー装置)の開放態様を行わせることができ、通常当たりの場合には、Vアタッカー装置への入球がほぼ無いために、確変当たりと比べて1回の大当たり遊技における出玉(賞球数)が少なくなるという事態を生じさせることが無い。このように、本実施形態によれば、通常当たりに対する遊技者のネガティブな印象を低減させることができる。
さらには、最終回目のラウンド遊技における第2アタッカー装置80の開閉動作が終了してから(第2アタッカー装置80が閉鎖してから)、貯留部85にて貯留された遊技球が、特定領域82に入賞する様子を遊技者に見せることも可能である(例えば、通路85等を透明部材にて構成させるなどして)。そして、エンディング時間に僅かな差を設けることにより、見た目上は同じように特定領域82に入賞した場合であっても、高確率遊技回数(X)を付与させる/付与させないといった振り分けを確実に実行させることができる。したがって、特別図柄の種別によらずに、全ての大当たり遊技において、特定領域82への入賞を可能とすることができる。
また、本実施形態によれば、確変当たり、通常当たりの双方において、第2アタッカー装置80(Vアタッカー装置)が開放する最終回目のラウンド遊技は、この第2アタッカー装置80内に遊技球が所定数(例えば、10個)まで入球させる態様とすることができる。このとき、貯留部85Tに1個の遊技球が貯留されると、その後に入球した遊技球は全て一般領域83へ入賞することとなる。このため、一般領域83への入賞に基づく賞球を付与することができる。これにより、通常当たりであっても、第2アタッカー装置80(Vアタッカー装置)の開放に伴う大量の賞球を付与することが可能となる。したがって、通常当たりの場合には、Vアタッカー装置への入球がほぼ無いために、確変当たりと比べて1回の大当たり遊技における出玉(賞球数)が少なくなるという事態を生じさせることが無い。このように、本実施形態によれば、通常当たりに対する遊技者のネガティブな印象を低減させることができる。
さらに、本実施形態によれば、以下のような効果を奏することもできる。
すなわち、本実施形態によれば、大当たり遊技におけるエンディング時間を、検出所要時間よりも短い時間(第1時間)に設定する、または検出所要時間よりも長い時間(第2時間)に設定する、ことにより、特別図柄の種別ごとに、高確率遊技回数(X)を付与したり、付与しないようにしたり、といったことを意図して行わせることができる。
さらに、本実施形態によれば、大当たり遊技終了後の遊技状態は、確変モードまたは時短モードに設定される。したがって、大当たり遊技終了後の確変モードおよび時短モードにおける演出態様も同様の態様とするものとすれば、いわゆる、潜伏状態(内部的な遊技状態が高確率遊技状態か低確率遊技状態か判断が不可能な/困難な状態)を作り出すことができる。例えば、特別図柄1と、特別図柄2とにおいて、上記潜伏状態に設定するものとすれば、この特別図柄1および特別図柄2を、いわゆる、潜伏図柄として機能させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、特定領域開閉ソレノイド82cが駆動していない(OFFにされている)場合に、特定領域82への入賞が可能となるようにしている。これにより、Vゾーン(特定領域)における動作態様や大入賞口の開閉態様を見れば、Vゾーンへの入球の難易度(困難性)が概ね分かってしまうといった事態を招くことが無い。したがって、本実施形態によれば、Vゾーン(確変領域や特定領域)を有する遊技機における遊技本来の面白みを存分に味わうことのできる遊技機を提供することができる。
(その他の実施形態についての言及)
上記実施形態は、本発明のパチンコ機Pの一形態であり、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
なお、上記実施形態では、特定領域開閉ソレノイド82cの駆動は、1回のON/OFFのみとしたが、これに限られない。例えば、第2大入賞口81内に最初に入球した遊技球が貯留部85Tに到達する以前のタイミング(第2アタッカー装置80の作動開始時等)であれば、特定領域開閉ソレノイド82cを複数回駆動させる(複数回ON/OFFさせる)態様としてもよい。すなわち、特定領域82に入賞可能な遊技球が最大でも1個(貯留部85Tに貯留された1個の遊技球)となることが確保されるものであれば、特定領域開閉ソレノイド82cが複数回駆動する態様であってもよい。
また、上記実施形態では、第1時間(「1.5」秒)、第2時間(「1.7」秒)をエンディング時間として決定可能としたが、これに限られない。例えば、第1時間よりもさらに短い時間、第2時間よりもさらに長い時間を決定可能としてもよい。また、特別図柄の種別ごとに決定可能なエンディング時間の種類をさらに増やしてもよい。ただし、エンディング時間を大きく異ならせると、エンディング演出の演出態様を同じ態様とした場合であっても、エンディング時間の長短等から、遊技者が容易に判断可能となってしまうこともあり得るため、エンディング時間を大きく異ならせることは好ましいとはいえない。
また、上記実施形態では、特別図柄の種別に応じて、エンディング時間を上記第1時間または上記第2時間に定めるものとしたが、これに限られない。例えば、特別図柄の種別に加えて、遊技モード(遊技状態)に応じて、エンディング時間を第1時間または第2時間に定める形態としてもよい。
一例を挙げると、確変モードにおいて、特別図柄1に係る大当たり遊技が実行される場合には、当該大当たり遊技におけるエンディング時間を第2時間(若しくは第1時間より長い時間)にする。また、時短モードにおいて、特別図柄4に係る大当たり遊技が実行される場合には、当該大当たり遊技におけるエンディング時間を第2時間(若しくは第1時間より長い時間)にする。このようにすると、本来は、高確率遊技回数(X)が付与されない大当たりであっても、特定の遊技モードに滞在している場合にのみ、高確率遊技回数(X)を付与させることが可能となる(若しくは、付与される可能性を高めることができる)。すなわち、上記した一例は、遊技者にとって不利益な状態に移行するような事態になったときに、これを回避することを可能とするものである(若しくは、回避させやすくすることを可能とするものである)。これにより、特別図柄の種別により、遊技者を落胆させてしまうといった事態を極力発生しにくくすることができる。
さらに、特定の遊技モードの場合に所定の割合(抽選などにより決定する態様を含む)で、上述したようにエンディング時間を第2時間(第1時間より長い時間)にするようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1アタッカー装置70および第2アタッカー装置80の2つのアタッカー装置を有する構成にて説明したが、これに限られない。例えば、特定領域82を設けたアタッカー装置が1つの構成であってもよい。
また、上記実施形態では、特定領域82はスライド板82bにより開状態と閉状態に制御されるものとしたが、これに限られない。少なくとも、特定領域82に遊技球が入賞可能なラウンド遊技と、入賞不可能なラウンド遊技とを実行可能な構成であればよい。
また、上記実施形態では、特定領域82に遊技球が入賞した場合には、副制御基板200にV入賞指定コマンドを送信する一方、一般領域83に遊技球が入賞した場合には、副制御基板200に非V入賞指定コマンドを送信する形態としたが、少なくとも、V入賞指定コマンドが送信されるものであればよく、非V入賞指定コマンドを送信する形態でなくともよい。
なお、上記実施形態における、第1始動入賞口24、第2始動入賞口26への遊技球の入賞は、本発明の「所定の始動条件が成立する」ことの一例に該当する。
また、上記実施形態における主制御基板100は、本発明の特別遊技判定手段、特別遊技制御手段、特定遊技価値付与手段、実行時間設定手段、有効判定手段、賞球付与手段、時短遊技制御手段、確率遊技制御手段、遊技状態設定手段の一例に該当する。
また、上記実施形態における第1アタッカー装置70(第1大入賞口71)、第2アタッカー装置80(第2大入賞口81)は、本発明の特別可変入賞装置の一例に該当する。
また、上記実施形態におけるスライド板82b、特定領域開閉ソレノイド82cは、本発明の進入可変手段の一例に該当する。
また、上記実施形態における特定領域検出スイッチ82aは、本発明の特定領域検出手段の一例に該当する。
また、上記実施形態における貯留部85Tは、本発明における停留部の一例に該当する。
また、上記実施形態における通路85は、本発明の誘導部(通路形状を成している)の一例に該当する。
また、上記実施形態における第2始動入賞口26、可動片26b、始動入賞口開閉ソレノイド26cからなる構成(普通電動役物)は、本発明の可変始動入賞装置の一例に該当する。
P パチンコ機
7 ハンドル
7a タッチセンサ
7b 発射ボリューム
7c 発射用ソレノイド
8 下皿
8a 玉抜レバー
8b 玉抜き孔
11 上部スピーカ
12 下部スピーカ
14 遊技盤
15 遊技領域
16a ガイドレール
16b 遊技球規制レール
17 遊技釘
18 左打ち領域
19 右打ち領域
20 一般A入賞口
20a 一般A入賞口検出スイッチ
22 ゲート
22a ゲート検出スイッチ
24 第1始動入賞口
24a 第1始動入賞口検出スイッチ
26 第2始動入賞口
26a 第2始動入賞口検出スイッチ
26b 可動片
26c 始動入賞口開閉ソレノイド
29 アウト口
30 第1特別図柄表示装置
31 第2特別図柄表示装置
32 普通図柄表示装置
33 第1特別図柄保留表示器
34 第2特別図柄保留表示器
35 普通図柄保留表示器
40 演出表示装置
41 演出役物装置
42 第1保留表示領域
42a〜42d 表示領域
44 第2保留表示領域
44a〜44d 表示領域
48(48a、48b、48c) 演出図柄
49 画像
50 ステージ
52 溝
60 演出操作装置
60b LED
61 タッチボタン
61a タッチボタン検出スイッチ
62 セレクタスイッチ
62a 回転操作検出スイッチ
70 第1アタッカー装置
70b 蓋部材
70c 第1大入賞口開閉ソレノイド
71 第1大入賞口
71a 第1大入賞口検出スイッチ
80 第2アタッカー装置(Vアタッカー装置)
80b 可動片
80c 第2大入賞口開閉ソレノイド
81 第2大入賞口
81a 第2大入賞口検出スイッチ
82 特定領域
82a 特定領域検出スイッチ
82b スライド板
82c 特定領域開閉ソレノイド
83 一般領域
83a 一般領域検出スイッチ
84 通路
84a 分岐部
85 通路
85a 貯留検知センサ
85T 貯留部
86 通路
90 振分装置ユニット
91 流入口
92 第1排出口
93 第2排出口
94 誘導片
95 一般B入賞口
95a 一般B入賞口検出スイッチ
100 主制御基板
100a メインCPU
100b メインROM
100c メインRAM
200 副制御基板
200a サブCPU
200b サブROM
200c サブRAM
200d タイマカウンタ
200e バックアップ記憶領域
300 払出・発射制御基板
300a 払出CPU
300b 払出ROM
300c 払出RAM
301 払出モータ
302 払出球計数スイッチ
303 扉開放スイッチ
304 下皿満タン検出スイッチ
308 遊技情報出力端子板
400 画像制御基板
500 ランプ制御基板
600 電源基板
601 電源プラグ
700 ホールコンピュータ
800,801,802 遊技球


Claims (6)

  1. 所定の始動条件が成立したときに判定情報を取得し、この取得した判定情報に基づいて、複数種類設けられるとともに、特別可変入賞装置が所定の態様で開閉する特別遊技の中から何れの前記特別遊技を行うか否かを判定する特別遊技判定手段と、
    前記特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    前記特別可変入賞装置内に設けられるとともに、当該特別可変入賞装置内に入球した遊技球が進入可能な特定領域と、
    前記特定領域への遊技球の進入を不可能若しくは困難にする第1の態様、および前記第1の態様よりも前記特定領域への遊技球の進入を容易にする第2の態様に変位する進入可変手段と、
    前記特定領域に遊技球が進入したことを検出する特定領域検出手段と、
    前記特定領域に遊技球が進入したことを条件として、特定の遊技価値を付与する特定遊技価値付与手段と、
    を備え、
    前記進入可変手段は、
    前記特別遊技において前記特別可変入賞装置が所定の態様で開閉する複数のラウンド遊技のうち、最終回目となるラウンド遊技にて前記第1の態様および前記第2の態様に変位するものであり、
    前記特別遊技制御手段は、
    前記特別遊技における前記最終回目のラウンド遊技において、前記特別可変入賞装置の所定の態様の開閉を終了させると、当該特別遊技が終了するまでの待機処理を実行した後に前記特別遊技を終了させるものであり、
    前記待機処理が実行される待機処理実行時間を設定する実行時間設定手段と、
    前記実行時間設定手段により設定された前記待機処理実行時間が終了するまで、前記特定領域検出手段による検出を有効な検出であると判定する有効判定手段と、
    をさらに備え、
    前記実行時間設定手段は、
    前記待機処理実行時間を、前記特別可変入賞装置内に進入した遊技球が、前記特定領域検出手段により検出されるまでの検出所要時間よりも短い第1時間、または、前記検出所要時間よりも長い第2時間の何れかに設定することが可能であり、
    前記有効判定手段は、
    前記待機処理実行時間が前記第1時間に設定された場合には、前記特別可変入賞装置内に進入した遊技球が、この第1時間の経過後に前記特定領域検出手段により検出されることに基づいて、当該検出を有効な検出であると判定しない一方、
    前記待機処理実行時間が前記第2時間に設定された場合には、前記特別可変入賞装置内に進入した遊技球が、この第2時間が経過するよりも前に前記特定領域検出手段により検出されることに基づいて、当該検出を有効な検出であると判定する、ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記特定遊技価値付与手段は、
    前記待機処理実行時間が前記第1時間に設定された場合であって、前記有効判定手段により有効な検出であると判定されなかったことを条件として、第1の遊技価値を付与する一方、
    前記待機処理実行時間が前記第2時間に設定された場合であって、前記有効判定手段により有効な検出であると判定されたことを条件として、前記第1の遊技価値よりも遊技者にとっての有利度合が高い第2の遊技価値を付与する、ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記特別可変入賞装置内には、
    前記進入可変手段が、前記第1の態様に変位することにより、当該特別可変入賞装置内に入球した遊技球のうち、少なくとも1個の遊技球を停留させることが可能な停留部が設けられているとともに、
    前記進入可変手段が、前記第2の態様に変位することにより、前記停留部において停留された遊技球が、この停留部における停留が不可能になることに基づいて、前記停留部において停留された遊技球が進入可能となる誘導部が形成されており、
    前記誘導部は、
    この誘導部に進入した遊技球を前記特定領域に到達させるための通路形状を成している、ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 前記進入可変手段は、
    前記特別遊技制御手段が、前記特別遊技における前記最終回目のラウンド遊技において、前記特別可変入賞装置の所定の態様の開閉を終了させるまで、前記第1の態様に維持される一方、
    前記待機処理が実行されているときには、前記第2の態様に変位して、この第2の態様に維持されるものであり、
    前記特別可変入賞装置内には、
    前記進入可変手段が前記第1の態様に維持されているときに、前記特別可変入賞装置内に入球した遊技球を、受け入れ可能な一般領域がさらに設けられており、
    前記一般領域に遊技球が受け入れられた場合、所定数の遊技球を付与する賞球付与手段をさらに備えた、ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の遊技機。
  5. 前記実行時間設定手段は、
    前記特別遊技の種類に基づいて、異なる前記待機処理実行時間を設定することが可能であり、
    前記特別遊技には、
    前記実行時間設定手段が、前記待機処理実行時間として、前記第1時間を設定する第1特別遊技と、
    前記実行時間設定手段が、前記待機処理実行時間として、前記第2時間を設定する第2特別遊技と、が設けられている、ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の遊技機。
  6. 前記進入可変手段は、
    常には、前記第2の態様に維持されている一方、
    前記特別遊技の前記最終回目のラウンド遊技において、前記特別可変入賞装置の開閉動作が開始されたことを条件として、前記第2の態様から前記第1の態様に変位し、
    前記特別可変入賞装置の開閉動作を終了させる開閉動作終了条件が成立したことを条件として、前記第1の態様から前記第2の態様に変位する、ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の遊技機。








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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018183198A (ja) * 2017-04-24 2018-11-22 株式会社ソフイア 遊技機
JP2019154687A (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 株式会社三洋物産 遊技機

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