JP5653155B2 - シートバックフレーム - Google Patents

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Description

本発明は、シートバックフレームに関する。
従来、車両用シート等のシートバック(バックレスト)は矩形枠状のフレーム本体を骨格とし、スプリングがそのフレーム本体内に架設され、パッドがそのスプリングの前面からフレーム本体の両側部にかけてスプリング及びフレーム本体を覆って、更にこれらが表皮によって覆われている。
フレーム本体は、一本のパイプを矩形枠状に折り曲げ、パイプの両端部を溶接することによって構成されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のフレーム本体は、上下一対の横フレーム(14U,14D)が左右方向に直線状に設けられ、左右一対の上下フレーム(14R,14L)が上下方向に直線状に設けられ、上の横フレーム(14U)と右の上下フレーム(14R)の間の角部が右下がりに傾斜するように設けられている。また、サイドフレーム(18)が右の上下フレーム(14R)に取り付けられ、そのサイドフレーム(18)の後縁が右の上下フレーム(14R)に沿って直線状に設けられ、そのサイドフレーム(18)によってパッドの形状が保たれている。
特開2001−145538公報
しかしながら、サイドフレームの後縁及び上下フレームが上下に直線状に設けられているから、シートバックの後面の形状についての設計の自由度が小さくなってしまう。また、サイドフレームも大型化してしまう。
そこで、本発明の課題は、シートバックの後面の形状についての設計の自由度の向上を図るとともに、サイドフレームの大型化を抑制することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に係るシートバックフレームの発明は、フレーム本体と、前記フレーム本体の側部に固定されるサイドフレームと、前記フレーム本体と前記サイドフレームとを連結する補強部材と、を備え、前記フレーム本体が、上下方向に延在する左右一対の上下フレームと、前記一対の上下フレームの下端部の間に架け渡すように設けられた下部横フレームと、を有し、前記上下フレームが前方に張り出すように湾曲し、前記サイドフレームの後縁が前記上下フレームに沿った状態で前記サイドフレームが前記上下フレームに固定され、前記サイドフレームが前記上下フレームから前方に張り出すように設けられ、前記サイドフレームの前縁に前側フランジが設けられ、前記補強部材は、前記下部横フレーム及び前記上下フレームと前記前側フランジとの間に前後に架け渡されているとともに、前記前側フランジ、前記下部横フレーム及び前記上下フレームに固定されていることを特徴とする。
請求項2に係るシートバックフレームの発明は、請求項1において、前記上下フレームが、上下に延在した中間部と、前記中間部の上端部に連繋され、前記中間部の上端部から後ろ上がりに傾斜した上部傾斜部と、前記中間部の下端部に連繋され、前記中間部の下端部から後ろ下りに傾斜した下部傾斜部と、を有し、前記サイドフレームの後縁が前記中間部、前記上部傾斜部及び前記下部傾斜部に沿っていることを特徴とする。
請求項3に係るシートバックフレームの発明は、請求項2において、前記上部傾斜部と前記中間部との間の連繋部が折り曲げ部とされ、その折り曲げ部が前記サイドフレームに固定され、前記下部傾斜部と前記中間部との間の連繋部が折り曲げ部とされ、その折り曲げ部が前記サイドフレームに固定されていることを特徴とする。
請求項4に係るシートバックフレームの発明は、請求項2又は3において、部品を取り付けるための取付孔が前記サイドフレームのうち前記中間部の前側の領域に形成されていることを特徴とする。
請求項5に係るシートバックフレームの発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記サイドフレームが接合により前記上下フレームに固定され、部品を取り付けるための取付孔が前記サイドフレームと前記上下フレームとの接合部の前側において前記サイドフレームに形成されていることを特徴とする。
請求項6に係るシートバックフレームの発明は、請求項2から4の何れか一項において、前記中間部にスプリング係合部が形成され、該スプリング係合部にスプリングが係合していることを特徴とする。
請求項7に係るシートバックフレームの発明は、請求項2、3、4又は6において、前記サイドフレームには位置決め用突起が凸設され、該位置決め用突起が前記上下フレームの前側に位置して前記上下フレームに当接していることを特徴とする。
請求項8に係るシートバックフレームの発明は、請求項2から4の何れか一項において、前記中間部にスプリング係合部が形成され、該スプリング係合部にスプリングが係合し、
前記サイドフレームには位置決め用突起が凸設され、該位置決め用突起が前記上下フレームの前側に位置して前記上下フレームに当接し、前記スプリング係合部の上下の位置と前記位置決め用突起の上下の位置が揃っていることを特徴とする。
請求項9に係るシートバックフレームの発明は、フレーム本体と、前記フレーム本体の側部に固定されるサイドフレームと、前記フレーム本体と前記サイドフレームとを連結する補強部材と、を備え、前記フレーム本体が、上下方向に延在する左右一対の上下フレームと、前記一対の上下フレームの下端部の間に架け渡すように設けられた下部横フレームと、を有し、前記上下フレームが前方に張り出すように湾曲し、前記サイドフレームの前縁が前記上下フレームに沿った状態で前記サイドフレームが前記上下フレームに固定され、前記サイドフレームの後縁が前に凹むよう湾曲し、前記サイドフレームの後縁に後側フランジが設けられ、前記補強部材は、前記下部横フレーム及び前記上下フレームと前記後側フランジとの間に前後に架け渡されているとともに、前記後側フランジ、前記下部横フレーム及び前記上下フレームに固定されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、上下フレームが前方に張り出すように湾曲し、サイドフレームの後縁がその上下フレームに沿っているので、サイドフレームの後縁の後ろ側にスペースが形成される。そのスペースによって、シートバックの後面の形状についての設計の自由度が向上する。
また、サイドフレームの後縁が上下フレームに沿って前方に凹むように湾曲しているから、サイドフレームの後縁が前に凹んだ分だけサイドフレームを小型化することができ、シートバックフレームの軽量化を図ることができる。
また、上下フレームが前方に張り出すように湾曲しているから、上下フレームの剛性が向上している。
請求項2に係る発明によれば、中間部、上部傾斜部及び下部傾斜部からなる簡単な構造で上下フレームの湾曲形状を形成することができるので、シートバックの形状についての設計の自由度がより一層広がるとともに、上下フレームの形成も容易である。
請求項3に係る発明によれば、上部傾斜部と中間部との間の部分や下部傾斜部と中間部との間の部分が折り曲げられているから、上下フレームがそれら折り曲げ部において剛性が向上する。その剛性の高い折り曲げ部がサイドフレームに固定されるから、シートバックフレームの全体的な剛性が向上する。
請求項4に係る発明によれば、サイドフレームが上下フレームから前方に張り出すように設けられているから、サイドフレームのうち中間部の前側の領域に比較的広いスペースが形成される。そして、そのような広い領域に取付孔が形成されるから、その領域内での取付孔の配置位置についての設計の自由度を広げることができる。そのため、部品の配置位置についての設計の自由度を広げることができる。
請求項5に係る発明によれば、上下フレームはサイドフレームとの接合部において剛性が向上しており、取付孔がその接合部の前側の領域に形成されているから、部品の取付剛性・取付強度が接合部によって向上する。
請求項6に係る発明によれば、スプリング係合部が上下フレームの中間部に形成されているから、上下フレームに対するスプリング係合部の取付剛性・取付強度を確保することができる。
請求項7に係る発明によれば、位置決め用突起がサイドフレームに凸設されているから、サイドフレームの剛性が向上する。また、位置決め用突起が上下フレームに当接しているから、上下フレームとサイドフレームの取付強度を位置決め用突起によって補強することができる。
請求項8に係る発明によれば、位置決め用突起がサイドフレームに凸設されているから、サイドフレームの剛性が向上する。また、位置決め用突起が上下フレームに当接しているから、上下フレームとサイドフレームの取付強度を位置決め用突起によって補強することができる。
また、スプリング係合部の上下の位置と位置決め用突起の上下の位置が揃っていることで、上下フレームやサイドフレームの剛性の向上を図ることができる。
請求項9に係る発明によれば、上下フレームが前方に張り出すように湾曲し、サイドフレームの前縁が上下フレームに沿っており、サイドフレームの後縁が前に凹むように湾曲しているから、サイドフレームの後縁の後ろ側にスペースが形成される。そのスペースによって、シートバックの後面の形状についての設計の自由度が向上する。
また、サイドフレームの後縁が前に凹んだ分だけサイドフレームを小型化することができ、シートバックフレームの軽量化を図ることができる。
本発明に係るシートバックフレームを備えた車両用シート装置のフレーム構成を示す全体斜視図である。 図1のシートバックフレームに備わるアームレスト用ブラケットと連結部材とを示す左側面図である。 図2のアームレスト用ブラケットと連結部材とを示す右側面図である。 図2のアームレスト用ブラケットと連結部材とを示す背面図である。 図2のアームレスト用ブラケットと連結部材とを示す上面図である。 図1のシートバックフレームに備わるサイドフレームを示す右側面図である。 図6のVII−VII切断線から見た断面図である。 図2の連結部材の変形例を示す左側面図である。 図6のサイドフレームの変形例を示す右側面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、車両用シート装置のフレーム構成を示す全体斜視図である。なお、以下の説明で「前」、「後」、「左」、「右」、「上」及び「下」とは、車両用シート装置1に座った乗員の視点で定めるものとする。
図1に示すように車両用シート装置1は、クッションシートフレーム2と、クッションシートフレーム2の後端部に取り付けられたシートバックフレーム3と、クッションシートフレーム2をスライド自在に支持するシートレール4とを備えている。
シートバックフレーム3は、図示しないシートパッドに内蔵され、当該シートバックを支持するものである。このシートバックフレーム3は、フレーム本体5と、フレーム本体5の下端に固定された連結部7と、フレーム本体5の左側部に固定されたアームレスト用ブラケット8と、フレーム本体5の右側部に固定されたサイドフレーム6等を備えている。
フレーム本体5は、一本の棒材(例えば、中空を有したパイプ材)を正面視略矩形枠状に曲げ加工して得られたものである。フレーム本体5は、上下方向に延在する一対の上下フレーム51,52と、一対の上下フレーム51,52の上端部間で左右に延在する上部横フレーム53と、一対の上下フレーム51,52の下端部間で左右に延在する下部横フレーム54とを備えている。
上下フレーム51,52は、棒状である。上下フレーム51,52は、互いに平行に上下方向に延在している。上下フレーム52における中間部523の内側面には、上下一対のスプリング係合部514が上下方向に所定の間隔を空けて配置されている。スプリング係合部514は、溶接によって上下フレーム52の中間部523に取り付けられている。上下フレーム51の中間部513にも、上下一対のスプリング係合部514が溶接によって取り付けられている。スプリング部材10の一端が左側のスプリング係合部514に係合し、スプリング部材10の他端が右側のスプリング係合部514に係合し、スプリング部材10がこれらスプリング係合部514の間に架け渡されている。
スプリング係合部514が上下フレーム52の中間部523の表面から隆起しているから、中間部523の剛性がスプリング係合部514によって向上している。また、スプリング係合部514が上下フレーム52の中間部523に形成されているから、スプリング係合部514の小型化を図りながら、上下フレーム52に対するスプリング係合部514の取付剛性・取付強度を確保することができる。左側の上下フレーム51の中間部513に形成されたスプリング係合部514についても同様なことがいえる。
上下フレーム51,52のうち、左側の上下フレーム51の下端部には、連結部7が固定されていて、この連結部7が回動自在にクッションシートフレーム2に連結されている。
上部横フレーム53が上下フレーム51,52の上端部の間に架設され、下部横フレーム54が上下フレーム51,52の端部の間に架設されている。
上部横フレーム53は、一対の上下フレーム51,52のそれぞれに連続して形成されている。上部横フレーム53には、図示しないヘッドレストを着脱自在に支持するためのヘッドレスト用支持部531が設けられている。
次に、アームレスト用ブラケット8について説明する。アームレスト用ブラケット8は、図示しないアームレストを回動自在に支持するものである。図2〜図5は、左側の上下フレーム51に設置されたアームレスト用ブラケット8を種々の方向から見た説明図である。これら図2〜図5に示すように、アームレスト用ブラケット8は、上下フレーム51の中間部523であって、下方のスプリング係合部514に対応する位置に一体的に固定されている。
アームレスト用ブラケット8は、アームレストを回動自在に支持するものである。このアームレスト用ブラケット8の後端部には左側の上下フレーム51にそれぞれ固定される上側固定部811、下側固定部812及び中間固定部813が形成されている。具体的には、上側固定部811はアームレスト用ブラケット8の後端部上部に形成され、下側固定部812はアームレスト用ブラケット8の後端部下部に形成され、中間固定部813は上側固定部811及び下側固定部812の間に形成されている。これら上側固定部811、下側固定部812及び中間固定部813は、左側の上下フレーム51に向けて延出しており、その先端部が上下フレーム51に溶接により固定されている(図における斜線部S2〜S4が溶接位置)。
また、アームレスト用ブラケット8における中間固定部813の前方には、アームレストを回動自在に支持するための軸受け部814が設けられている。軸受け部814は、アームレスト用ブラケット8に形成された第一軸受け孔815aと、アームレスト用ブラケット8の内側に取り付けられた補強板816に形成された第二軸受け孔815bとにより形成されている。
そして、アームレスト用ブラケット8には、中間固定部813と、軸受け部814との間に補強部としての前後方向に延びるビード817が形成されている。
さらに、アームレスト用ブラケット8は、当該アームレスト用ブラケット8の上端部に形成され、上側固定部811に連続して前後方向に延在する上側フランジ818と、アームレスト用ブラケット8の下端部に形成され、下側固定部812に連続して前後方向に延在する下側フランジ819とを備えている。上側フランジ818及び下側フランジ819は、後端部がその前側部分よりも幅広に形成されている(図5参照)。
また、アームレスト用ブラケット8には、該アームレスト用ブラケット8の先端部とフレーム本体5とに掛け渡され、アームレスト用ブラケット8とフレーム本体5とを連結する連結部材82が設けられている。具体的には、連結部材82は、断面円形の線状部材であり、下端部がアームレスト用ブラケット8の前端部に固定されていて、上端部がアームレスト用ブラケット8よりも上方となるように、左側の上下フレーム51に固定されている。ここで、図2における点線部Tは、シートパッドの外形形状を示している。この図2に示すように、連結部材82は、シートパッドにおける連結部材82に対応する外形形状に沿うように形成されている。
また、図5に示すように、連結部材82におけるアームレスト用ブラケット8側の端部は、当該アームレスト用ブラケット8の先端部における外側(左側)に取り付けられている。これにより、連結部材82全体が先端部に向かって外側に傾くことになる。
そして、連結部材82におけるアームレスト用ブラケット8側の端部は、その内側が溶接されて、アームレスト用ブラケット8の先端部に固定されている(図3,5における斜線部S5が溶接位置)。内側に溶接ビードが形成されているので、アームレスト用ブラケット8の外側に取り付けられたアームレストの軌跡上に溶接ビードがはみ出すことが防止される。これにより、アームレストの動作がスムーズなものとなる。
次に、サイドフレーム6について説明するが、その前にサイドフレーム6が取り付けられる右側の上下フレーム52について具体的に説明する。図6に示すように、右側の上下フレーム52は、その上下方向の中央部において前方に張り出すよう弓なり状に湾曲している。上下フレーム52は、下部傾斜部521、上部傾斜部522及び中間部523を備えている。下部横フレーム54の右端部と下部傾斜部521の下端部が連繋し、下部横フレーム54と下部傾斜部521とを繋ぐ角部が折り曲げによって形成されている。下部傾斜部521は、前上がり(後ろ下がり)に傾斜するよう上下に延在している。下部傾斜部521の上端部と中間部523の下端部が連繋し、下部傾斜部521と中間部523とを繋ぐ部分525が折り曲げ部とされている。中間部523が下部傾斜部521の上端部から上に延出している。中間部523の上端部と上部傾斜部513の下端部が連繋し、中間部523と上部傾斜部522とを繋ぐ部分526が折り曲げ部とされている。上部傾斜部522が後ろ上がり(前下がり)に傾斜するよう上下に延在している。上部傾斜部522の上端部と上部横フレーム53の右端部が連繋し、上部横フレーム5と上部傾斜部522とを繋ぐ角部が折り曲げによって形成されている。
右側の上下フレーム52と左側の上下フレーム51が対称であり、左側の上下フレーム51も右側の上下フレーム52と同様に、下部傾斜部511、上部傾斜部512及び中間部513を備え、中間部513において前方に張り出すよう弓なり状に湾曲している。
中間部523と上部傾斜部522との間の部分526を折り曲げ、中間部523と下部傾斜部521との間の部分を折り曲げるだけで、上下フレーム52の湾曲形状の成形を容易に行うことができる。上下フレーム52の湾曲形状の成形も同様に容易である。
また、上下フレーム51,52が前方に張り出すように湾曲しているから、上下フレーム51,52の剛性が向上している。なお、上下フレーム51,52が前方に張り出すよう円弧状又は長円弧状に湾曲していてもよい。
右の上下フレーム52には、サイドフレーム6が固定されている。サイドフレーム6は板状の部材であり、サイドフレーム6の表面が右に向き、裏面が左に向いた状態でサイドフレーム6が右側の上下フレーム52に取り付けられている。サイドフレーム6の前縁が前に張り出すように湾曲し、サイドフレーム6の後縁が前に凹むよう湾曲し、サイドフレーム6は横から見て前方に張り出すように略三日月状に形成されている。サイドフレーム6の前縁の曲率がサイドフレーム6の後縁の曲率よりも大きい。
サイドフレーム6の後縁が、上部傾斜部522の下部から下部傾斜部521にかけて上部傾斜部522の下部、中間部523及び下部傾斜部521に沿うように湾曲している。サイドフレーム6が右の上下フレーム52の外側(右側)に配置され、上下フレーム52の上部傾斜部522の下部から下部傾斜部521にかけての部分がサイドフレーム6の後縁に沿っている。
サイドフレーム6の後縁には、内側(左側)に向けて延出する後側フランジ62が形成されている。後側フランジ62が上部傾斜部522の下部から下部傾斜部521にかけて上部傾斜部522の下部、中間部523及び下部傾斜部521に沿うように設けられている。上下フレーム52が後側フランジ62の前側に配置され、上下フレーム52の後面が後側フランジ62に溶接されて、上下フレーム52がサイドフレーム6に固定され、サイドフレーム6が上下フレーム52から前方に張り出すように設けられている。
ここで、上部傾斜部522と中間部523との間の折り曲げ部526が、溶接部651によって後側フランジ62に溶接されている。また、中間部523が溶接部652によって後側フランジ62に溶接されている。また、下部傾斜部521と中間部523との間の折り曲げ部525が、溶接部654によって後側フランジ62に溶接されている。
サイドフレーム6の前縁には、内側(左側)に向けて延出する前側フランジ61が形成されている。上下フレーム52が前側フランジ61の後側に配置され、上部傾斜部522の下部が前側フランジ61の上部61aと後側フランジ62の上部62aとの間に挟持されている(図7参照)。なお、前側フランジ61の上部61aと上部傾斜部522の下部が溶接されていてもよい。
サイドフレーム6の後縁が湾曲し、上部傾斜部522の下部から下部傾斜部521にかけての部分がサイドフレーム6の後縁に沿うように設けられているから、サイドフレーム6の後ろ側に空間が形成される。そのため、シートバックフレーム3を覆うように設けられたシートパッドの後面の形状がサイドフレーム6の後縁の形状に影響されずに、シートパッドの後面の形状の設計の自由度が向上する。特に、中間部523に対してその上の部分(上部傾斜部522)とその下の部分(下部傾斜部521)を後ろに曲げるだけで、上下フレーム52湾曲形状を形成することができるので、シートバック(背もたれ)の形状についての設計の自由度が一層広がる。
また、略三日月状に形成されたサイドフレーム6の前縁の曲率がサイドフレーム6の後縁の曲率よりも大きいから、上下フレーム52がサイドフレーム6の後縁に沿ってサイドフレーム6に取り付けられると、サイドフレーム6のうち中間部523の前側の領域には、広いスペースが形成される。
サイドフレーム6の内側(左側)の面には、上下一対の位置決め用突起63が凸設されている。位置決め用突起63が上下フレーム52の中間部523の前側に配置され、中間部523が位置決め用突起63に当接している。また、位置決め用突起63は、中間部523に沿うように上下に長尺に設けられている。上下一対の位置決め用突起63が中間部523の前側で中間部523に当接しているため、上下フレーム52の位置決めが位置決め用突起63によってなされている。なお、位置決め用突起63が中間部523に溶接されていてもよい。
位置決め用突起63の上下の位置がスプリング係合部514の上下の位置に揃っている。そのため、上下フレーム52やサイドフレーム6の剛性の向上を図ることができる。なお、位置決め用突起63の上下の位置が、スプリング係合部514から上又は下にずれていてもよい。
サイドフレーム6のうち中間部523の前側に広いスペースが形成されているから、位置決め用突起63をサイドフレーム6に形成することができる。また、サイドフレーム6に位置決め用突起63が凸設されているから、サイドフレーム6の剛性を向上させることができる。
サイドフレーム6のうち中間部523の前側の領域には、取付孔64がそれぞれ形成されている。この取付孔64は、サイドフレーム6を貫通している。取付孔64には、エアバッグ若しくはアームレスト又はこれらの両方が取り付けられている。アームレストが取付孔64に取り付けられている場合には、そのアームレストが前方に延出している。
なお、取付孔64に取り付けられる部品としてエアバッグやアームレストを挙げたが、他の種類の部品が取付孔64に取り付けられるものとしてもよい。
サイドフレーム6のうち中間部523の前側の領域が広いスペースであり、その広いスペースに取付孔64が形成されているから、部品(例えば、エアバッグやアームレスト)を取付孔64に取り付ける際の作業性が向上する。
取付孔64に取り付けられた部品(例えば、エアバッグやアームレスト)の配線やハーネス等が、取付孔64に通されて所定の箇所まで配索されていてもよい。サイドフレーム6のうち中間部523の前側の領域が広いスペースであり、その広いスペースに取付孔64が形成されているから、配索の作業性も向上することが可能となる。
サイドフレーム6のうち中間部523の前側に比較的広いスペースが形成されているから、このような取付孔64をサイドフレーム6に形成することができる。取付孔64を形成する領域が広いから、その領域内における取付孔64の配置位置についての設計の自由度を広げることができる。つまり、エアバッグやアームレスト等の部品の配置位置についての設計の自由度を広げることができる。
また、上下フレーム52の中間部523の前側にエアバッグ若しくはアームレスト又はこれらの両方が取り付けられているから、中間部523を有効利用して、エアバッグやアームレストの取付剛性・取付強度を向上することができる。中間部523によってサイドフレーム6に対するエアバッグやアームレストの取付剛性・取付強度が向上しているので、サイドフレーム6の大型化を抑えることができる。
なお、取付孔64の代わりに又は取付孔64に加えて、サイドフレーム6のうち下部傾斜部521若しくは上部傾斜部522又はこれら両方の前側の領域に、エアバッグ若しくはアームレスト又はこれら両方を取り付けるための取付孔を形成してもよい。その場合でも、下部傾斜部521や上部傾斜部522を有効利用して、エアバッグやアームレストの取付剛性・取付強度を向上することができる。
サイドフレーム6の外側(右側)の面のうち下部傾斜部521の前側の領域には、リクライニング機構12が固定具121によって取り付けられている。このリクライニング機構12がクッションシートフレーム2の後端部の右側に取り付けられている。
補強部材9は、サイドフレーム6の前側フランジ61の下端部と、下部横フレーム54の右端部及び上下フレーム52の下端部との間に架け渡されて、前後方向に延在している。補強部材9の前端部が、前側フランジ61の下端部に係合して、この前側フランジ61の下端部に溶接されている。補強部材9の後端部が下部横フレーム54の右端部及び上下フレーム52の下部傾斜部521を抱持して、これらに溶接されている。補強部材9は、サイドフレーム6の内側(左側)の面のうち下部傾斜部521の前側の領域に対向している。
以上のように、本実施形態によれば、連結部材82が、アームレスト用ブラケット8の先端部とフレーム本体5とに掛け渡され、アームレスト用ブラケット8とフレーム本体5とを連結しているので、従来のように上下の二点で固定したものと比較してより高い剛性を維持することができる。これにより、大型のアームレストを安定して保持することが可能となる。
また、連結部材82が線状部材であるので、例えば板状部材である場合と比しても軽量化を図れることができる。また、シートパッドにおける連結部材82に対応する外形形状に沿うように連結部材82が形成されているので、シートパッドの外形形状を保持することができる。
さらに、連結部材82の断面形状が円形状であるので、連結部材82の外周面が曲面となる。したがって、シートバックフレーム3にシートバッドを取り付ける際に、連結部材82がシートパッドに引っかかることを防止することができ、スムーズな取り付けが可能となる。
そして、連結部材82におけるアームレスト用ブラケット8側の端部が、当該アームレスト用ブラケット8の先端部における外側に取り付けられているので、シートバック全体の大型化を抑えつつ、座面幅を広くすることができる。これにより、乗員の座り心地を高め、快適性を向上させることが可能となる。
さらに、フレーム本体5に固定される上側固定部811、下側固定部812及び中間固定部813がアームレスト用ブラケット8に設けられているので、アームレスト用ブラケット8を3点以上で固定することができ、より高い剛性を維持することができる。これにより、大型のアームレストを安定して保持することが可能となる。
また、アームレスト用ブラケット8には、中間固定部813と軸受け部814との間に前後方向に延びるビード817が形成されているので、このビード817によりアームレスト用ブラケット8の剛性を高めることができるとともに、軸受け部814の剛性も向上させることが可能となる。
また、上側固定部811に連続して前後方向に延在する上側フランジ818と、下側固定部812に連続して前後方向に延在する下側フランジ819とがアームレスト用ブラケット8に設けられているので、これら上側フランジ818と下側フランジ819とによってアームレスト用ブラケット8の剛性をより高めることができる。
そして、上側フランジ818及び下側フランジ819の後端部がその前側部分よりも幅広に形成されているので、上側固定部811及び下側固定部812に連続する部分の剛性を高めることができる。
また、上側フランジ818及び下側フランジ819における前端部の乗員側への突出量を後端部よりも小さくすることができるので、乗員側への空間を有効に使用することができ、設計自由度を高めることができる。さらに、上側フランジ818及び下側フランジ819における前端部の重量も後端部よりも小さくなるため、上側固定部811及び下側固定部812の保持力を向上させることができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態ではシート1が車両用のものであったが、列車、船舶、航空機等の乗物用のシート、リラックスチェア等であってもよい。
また、本実施形態では、一方の上下フレーム52にサイドフレーム6が取り付けられ、他方の上下フレーム51にアームレスト用ブラケット8が取り付けられた場合を例示して説明している。それに対して、上下フレーム51にアームレスト用ブラケット8を取り付けずに、両方の上下フレーム51,52にサイドフレーム6を取り付けることも可能である。
また、図8に示すように、連結部材82aの上端部をアームレスト用ブラケット8の前端部に固定し、下端部をアームレスト用ブラケット8よりも下方となるように、左側の上下フレーム51に固定してもよい。また、アームレスト用ブラケット8の上側に取り付けた連結部材82と、下側に取り付けた連結部材82aとを一緒に用いてもよい。
さらに、図9に示すサイドフレーム6Bを用いることも可能である。具体的に説明すると、まず、上下フレーム52bは上記実施形態の上下フレーム52の代わりに設けられるものである。上下フレーム52bは、その上下方向の中央部において前方に張り出すよう弓なり状に湾曲している。この上下フレーム52bの曲率は、上記実施形態の上下フレーム52の曲率よりも大きい。上下フレーム52bは、上記実施形態の上下フレーム52よりも円弧に近い形状になっている。上下フレーム52bは、サイドフレーム6Bの前縁に沿うように湾曲している。
この上下フレーム52bの上部が前側フランジ61の上部61aと後側フランジ62の上部62aとの間に挟持されている。後側フランジ62と上下フレーム52bは、溶接部651によって溶接されている。前側フランジ61と上下フレーム52bは、溶接部651によって溶接されている。
また、サイドフレーム6Bの内側(左側)の面に凸設された位置決め用突起63が上下フレーム52bの後ろ側に配置されている。上下フレーム52bが位置決め用突起63と前側フランジ61との間に挟まれている。これにより、上下フレーム52bの位置決めが位置決め用突起63によってなされている。なお、位置決め用突起63が上下フレーム52bに溶接されていてもよい。
スプリング係合部514は、上下フレーム52bに設けられているのではなく、サイドフレーム6Bの内側(左側)の面の後部に設けられている。
このサイドフレーム6Bにおいても、上下フレーム52bが前方に張り出すように湾曲し、サイドフレーム6Bの前縁が上下フレーム52に沿っており、サイドフレーム6Bの後縁が前に凹むように湾曲しているから、サイドフレーム6Bの後縁の後ろ側にスペースが形成される。そのスペースによって、シートバックの後面の形状についての設計の自由度が向上する。
また、サイドフレーム6Bの後縁が前に凹んだ分だけサイドフレーム6Bを小型化することができる。
1 車両用シート装置
3 シートバックフレーム
5 フレーム本体
6、6B サイドフレーム
10 スプリング部材
52 上下フレーム
53 上部横フレーム
54 下部横フレーム
63 位置決め用突起
64 取付孔
521 下部傾斜部
522 上部傾斜部
523 中間部
525、526 折り曲げ部

Claims (9)

  1. フレーム本体と、
    前記フレーム本体の側部に固定されるサイドフレームと、
    前記フレーム本体と前記サイドフレームとを連結する補強部材と、を備え、
    前記フレーム本体が、上下方向に延在する左右一対の上下フレームと、前記一対の上下フレームの下端部の間に架け渡すように設けられた下部横フレームと、を有し、
    前記上下フレームが前方に張り出すように湾曲し、
    前記サイドフレームの後縁が前記上下フレームに沿った状態で前記サイドフレームが前記上下フレームに固定され、
    前記サイドフレームが前記上下フレームから前方に張り出すように設けられ
    前記サイドフレームの前縁に前側フランジが設けられ、
    前記補強部材は、前記下部横フレーム及び前記上下フレームと前記前側フランジとの間に前後に架け渡されているとともに、前記前側フランジ、前記下部横フレーム及び前記上下フレームに固定されていることを特徴とするシートバックフレーム。
  2. 前記上下フレームが、
    上下に延在した中間部と、
    前記中間部の上端部に連繋され、前記中間部の上端部から後ろ上がりに傾斜した上部傾斜部と、
    前記中間部の下端部に連繋され、前記中間部の下端部から後ろ下りに傾斜した下部傾斜部と、を有し、
    前記サイドフレームの後縁が前記中間部、前記上部傾斜部及び前記下部傾斜部に沿っていることを特徴とする請求項1に記載のシートバックフレーム。
  3. 前記上部傾斜部と前記中間部との間の連繋部が折り曲げ部とされ、その折り曲げ部が前記サイドフレームに固定され、
    前記下部傾斜部と前記中間部との間の連繋部が折り曲げ部とされ、その折り曲げ部が前記サイドフレームに固定されていることを特徴とする請求項2に記載のシートバックフレーム。
  4. 部品を取り付けるための取付孔が前記サイドフレームのうち前記中間部の前側の領域に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のシートバックフレーム。
  5. 前記サイドフレームが接合により前記上下フレームに固定され、
    部品を取り付けるための取付孔が前記サイドフレームと前記上下フレームとの接合部の前側において前記サイドフレームに形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のシートバックフレーム。
  6. 前記中間部にスプリング係合部が形成され、該スプリング係合部にスプリングが係合していることを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載のシートバックフレーム。
  7. 前記サイドフレームには位置決め用突起が凸設され、該位置決め用突起が前記上下フレームの前側に位置して前記上下フレームに当接していることを特徴とする請求項2、3、4又は6に記載のシートバックフレーム。
  8. 前記中間部にスプリング係合部が形成され、該スプリング係合部にスプリングが係合し、
    前記サイドフレームには位置決め用突起が凸設され、該位置決め用突起が前記上下フレームの前側に位置して前記上下フレームに当接し、
    前記スプリング係合部の上下の位置と前記位置決め用突起の上下の位置が揃っていることを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載のシートバックフレーム。
  9. フレーム本体と、
    前記フレーム本体の側部に固定されるサイドフレームと、
    前記フレーム本体と前記サイドフレームとを連結する補強部材と、を備え、
    前記フレーム本体が、上下方向に延在する左右一対の上下フレームと、前記一対の上下フレームの下端部の間に架け渡すように設けられた下部横フレームと、を有し、
    前記上下フレームが前方に張り出すように湾曲し、
    前記サイドフレームの前縁が前記上下フレームに沿った状態で前記サイドフレームが前記上下フレームに固定され、
    前記サイドフレームの後縁が前に凹むよう湾曲し、
    前記サイドフレームの後縁に後側フランジが設けられ、
    前記補強部材は、前記下部横フレーム及び前記上下フレームと前記後側フランジとの間に前後に架け渡されているとともに、前記後側フランジ、前記下部横フレーム及び前記上下フレームに固定されていることを特徴とするシートバックフレーム。
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