JP5652194B2 - 炉の空気予熱器の診断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱炉や熱処理炉等の炉の空気予熱器(レキュペレータ)の損傷を早期に発見するための診断方法に関するものである。
加熱炉や熱処理炉等の炉は通常、炉内から煙道や排気ダクト等の排気通路を介して排出される高温の排気ガスと炉内に供給する燃焼用空気との間で熱交換させて燃焼用空気を予熱することにより省エネルギーを図るために、その煙道や排気ダクト等の排気通路内に配置された空気予熱器を具えており、かかる空気予熱器が一般的に劣化などによって損傷すると燃焼用空気の予熱温度が低下するため、従来は、予熱した燃焼用空気の温度を管理指標として空気予熱器の日常管理を行っている。
また、加熱炉用の空気予熱器の補修時期を決定するための従来技術として例えば、煙道内に配置された空気予熱器からの漏洩空気による煙道の圧力損失の増大を調査結果から算出し、炉設備の運転限界到達を防止する方法も知られている(特許文献1参照)。
特開平08−338697号公報
しかしながら、予熱した燃焼用空気を監視する前者の方法に関しては、空気予熱器の損傷は排気ガス入側(高温側)に発生するとは限らず、排気ガス出側(低温側)に発生する場合もある。この場合には、空気予熱器から排気通路内に流入した空気で排気ガス温度が低下するのは空気予熱器後であるため、予熱した燃焼用空気の温度変化は殆どない。このため、この予熱した燃焼用空気を監視する方法では、排気ガス出側(低温側)の損傷を発見するのは困難である。
一方、圧力損失を判定基準に用いる後者の方法に関しては、この方法は、省エネルギーの観点から空気予熱器の性能変化を評価する技術ではなく、この方法では、損傷部位の概略の推定もできない。また、煙突または排気ファンの排気能力に余裕がある場合には、空気予熱器の損傷が進行して煙道の圧力損失が増大しても交換不要という判定になる。さらに、リジェネバーナーの部分導入などで改造を行った炉の場合でも、その後の煙道排気量では当初の煙突が排気能力過大となる。このため、この圧力損失を判定基準に用いる方法も、空気予熱器の損傷の診断には不適切である。
本発明は、前記課題を解決するため、損傷部位が排気ガス入側か排気ガス出側かにかかわらず空気予熱器の損傷の発生を発見できる診断方法を提供することを目的とするものである。さらに本発明は、損傷部位を推定することができる診断方法をも提供することを目的とするものである。
上記目的を達成する本発明の炉の空気予熱器の診断方法は、炉の排気通路内に配置された空気予熱器の損傷を診断するに際し、所定以上の操業温度および操業負荷の条件下で、排気通路内での空気予熱器に対する排気ガス入側および排気ガス出側のそれぞれの排気ガス温度を測定し、その測定した排気ガス温度を、あらかじめ測定した空気予熱器の健全時の排気ガス温度と比較して、その測定した排気ガス温度が空気予熱器の健全時の排気ガス温度から所定温度以上低下した場合に、空気予熱器の損傷による空気予熱器からの空気漏洩が発生していると判断することを特徴とするものである。
上記目的を達成する本発明の炉の空気予熱器の診断方法はまた、排気通路内での空気予熱器に対する排気ガス入側および排気ガス出側のそれぞれの排気ガス温度とともに、空気予熱器から出る予熱空気の温度を定期的に測定し、上記の如くして排気ガス温度の低下から空気予熱器の損傷による空気予熱器からの空気漏洩が発生していると判断した場合に、その測定した予熱空気温度を、あらかじめ測定した空気予熱器の健全時の予熱空気温度と比較して、その測定した予熱空気温度が空気予熱器の健全時の予熱空気温度から所定温度以上低下していない場合には排気ガス出側で空気予熱器の損傷が発生していると判断することを特徴とするものである。
本発明の診断方法によれば、空気漏洩の有無の判断基準に予熱した燃焼用空気の温度の代りに排気通路内の排気ガスの温度を用いることとして、空気予熱器に対する排気ガス入側および排気ガス出側のそれぞれの排気ガス温度を測定し、その測定した排気ガス温度を、あらかじめ測定した空気予熱器の健全時の排気ガス温度と比較して、その測定した排気ガス温度が空気予熱器の健全時の排気ガス温度から所定温度以上低下した場合に、空気予熱器の損傷による空気予熱器からの空気漏洩が発生していると判断するので、空気予熱器の損傷部位が排気ガス入側か排気ガス出側かにかかわらず、その損傷による空気漏洩の発生を確実に診断することができる。
そして本発明の診断方法によれば、排気ガス温度の低下から空気予熱器の損傷による空気予熱器からの空気漏洩が発生していると判断した場合に、測定した予熱空気温度を、あらかじめ測定した空気予熱器の健全時の予熱空気温度と比較して、その測定した予熱空気温度が空気予熱器の健全時の予熱空気温度から所定温度以上低下していない場合には、排気ガス出側で空気予熱器の損傷が発生していると判断するので、空気予熱器の損傷部位が排気ガス出側の場合にその損傷部位を推定することができる。
なお、測定した予熱空気温度が空気予熱器の健全時の予熱空気温度から所定温度以上低下している場合には、空気予熱器の健全時よりも熱交換効率が低下しているか、排気通路内で空気予熱器の周囲を流れる排気ガスの温度が低下していると考えられるので、排気ガス温度が所定温度以上低下していない場合には、空気予熱器の熱交換効率が汚染等で低下していると推定することができ、また排気ガス温度が所定温度以上低下しているため、空気予熱器からの空気漏洩が発生していると判断した場合には、排気ガス出側以外の部位で空気予熱器の損傷が発生していると推定することができる。
従って、測定した排気ガス温度が所定温度以上低下しているか否か、および測定した予熱空気温度が空気予熱器の健全時の予熱空気温度から所定温度以上低下しているか否かの組み合わせによって場合分けすれば、空気予熱器の状態や損傷部位をより高精度に推定することができる。
ここで、本発明の炉の空気予熱器の診断方法においては、前記測定した測定した排気ガス入側および排気ガス出側の排気ガス温度間の相関図およびその相関を示す回帰式を作成し、その相関図におけるその排気ガス出側の排気ガス温度の回帰式の直線が全体的に空気予熱器の健全時の排気ガス出側の排気ガス温度の回帰式の直線から所定温度以上低下する結果が続いた場合に、空気予熱器の損傷による空気予熱器からの空気漏洩が発生していると判断することとすると好ましい。
このようにすれば、測定した排気ガス温度が広い温度範囲にわたって全体的に空気予熱器の健全時の排気ガス温度から所定温度以上低下した場合に空気漏洩が発生していると判断するので、一部の温度での測定値のばらつきによる誤判断を防止して判断の確実性を高めることができる。
また、本発明の炉の空気予熱器の診断方法においては、前記測定した空気予熱器に対する排気ガス入側の排気ガス温度とその予熱空気温度との相関図およびその相関を示す回帰式を作成して、空気予熱器の損傷による空気予熱器からの空気漏洩が発生していると判断した場合に、その相関図におけるその予熱空気温度の回帰式の直線が全体的に空気予熱器の健全時の予熱空気温度の回帰式の直線から所定温度以上低下していない場合には排気ガス出側で空気予熱器の損傷が発生していると判断することとすると好ましい。
このようにすれば、空気予熱器の損傷による空気予熱器からの空気漏洩が発生していると判断した場合に、その損傷部位の判断基準に予熱した燃焼用空気の温度を用い、測定した予熱した燃焼用空気の温度が広い温度範囲にわたって全体的に空気予熱器の健全時の予熱した燃焼用空気の温度から所定温度以上低下していない場合に排気ガス出側で空気予熱器の損傷が発生していると判断するので、一部の温度での測定値のばらつきによる誤判断を防止して損傷部位の推定の確実性を高めることができる。
本発明の炉の空気予熱器の診断方法の一実施例を適用した連続加熱炉を示す断面図である。 上記実施例の炉の空気予熱器の診断方法における煙道内での空気予熱器に対する排気ガス入側および排気ガス出側の排気ガス温度の測定結果およびその相関を示す回帰式に基づく直線を示す相関図である。 上記実施例の炉の空気予熱器の診断方法における煙道内での空気予熱器に対する排気ガス入側の排気ガス温度と予熱空気温度との測定結果およびその相関を示す回帰式に基づく直線を示す相関図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づく実施例によって詳細に説明する。ここに、図1は、本発明の炉の空気予熱器の診断方法の一実施例を適用した連続加熱炉を示す断面図であり、図1中、符号1は連続加熱炉を示す。
この連続加熱炉1は、挿入口2からその炉1内の炉尻3に挿入された被加熱材料Mをウォーキングビーム装置によって図1では右方向へ搬送し、その搬送の間に被加熱材料Mを、予熱帯4で予熱し、加熱帯5で加熱し、さらに均熱帯6で加熱ムラのないものとし、その後に搬出口7から搬出させるものであり、その炉尻3には、連続加熱炉1内で用いた燃焼ガスや雰囲気ガス等の排気ガスGを炉外へ排出するために、図示しない煙突の基部に繋がる排気通路としての煙道8が接続されている。
この煙道8内には、空気予熱器9の熱交換パイプが、煙道8の延在方向と交差して延在するように配置されており、燃焼用空気入口10からその熱交換パイプ内に入った燃焼用空気は、連続加熱炉1内から煙道8に排出される高温の排気ガスGとの間で熱交換されて予熱された後、燃焼用空気出口11から出て連続加熱炉1内に供給され、一方、煙道8に排出される高温の排気ガスGは、燃焼用空気出口11側から空気予熱器9の熱交換パイプの間の通路に入り、燃焼用空気入口10側でその通路から出て上記煙突の基部に向かう。これにより空気予熱器9は、燃焼用空気を連続加熱炉1内に供給する前に高温の排気ガスGの熱でその燃焼用空気の温度を高めることができるので、連続加熱炉1の省エネルギーを図ることができる。
ところで、かかる空気予熱器9が一般的に劣化などによって損傷すると燃焼用空気が煙道8へ漏洩し、燃焼用空気の予熱温度が低下して省エネルギー効果が十分に得られなくなる場合がある。このためこの実施例の診断方法では、以下の如くして空気予熱器9の診断を行う。
すなわちこの実施例の炉の空気予熱器の診断方法では、連続加熱炉1の煙道8内に配置された空気予熱器9の損傷を診断するに際し、煙道8内の空気予熱器9の燃焼用空気出口11側の位置すなわち、空気予熱器9の熱交換パイプの間の通路に高温の排気ガスGが入る側(排気ガス入側)の位置に、例えば熱電対を具える温度センサ12を配置するとともに、煙道8内の空気予熱器9の燃焼用空気入口10側の位置すなわち、空気予熱器9の熱交換パイプの間の通路から燃焼用空気との熱交換後の低温の排気ガスGが出る側(排気ガス出側)の位置に、例えば熱電対を具える温度センサ13を配置しておいて、連続加熱炉1の所定以上の操業温度および操業負荷の条件下で、それら温度センサ12,13により排気ガス入側および排気ガス出側の位置での排気ガス温度をそれぞれ測定し、その測定した排気ガス温度を、あらかじめ測定した空気予熱器9の健全時の排気ガス入側および排気ガス出側の位置での排気ガス温度と比較して、その測定した排気ガス温度が空気予熱器9の健全時の排気ガス温度から所定温度以上、例えば30℃以上低下した場合に、空気予熱器9の損傷による空気予熱器9から煙道8内への空気漏洩が発生していると判断する。
具体的には、この実施例の炉の空気予熱器の診断方法では、連続加熱炉1の通常の条件である所定以上の操業温度および操業負荷の条件下で、煙道8内での空気予熱器9の熱交換パイプに対する排気ガス入側および排気ガス出側のそれぞれの排気ガス温度を温度センサ12,13で定期的に測定し、図2に例示するように、その測定した排気ガス入側排気ガス温度および排気ガス出側排気ガス温度間の相関を示す相関図を作成するとともに、例えば最小二乗法によりその相関を示す回帰式を作成する。
図2中、○印は空気予熱器9の健全時の排気ガス温度の測定値、△印は空気予熱器9の異常時(劣化更新前等)の排気ガス温度の測定値、□印は測定(診断)時の排気ガス温度の測定値であり、直線Aは空気予熱器9の健全時の排気ガス温度の相関を示す回帰式による直線、直線Bは空気予熱器9の異常時の排気ガス温度の相関を示す回帰式による直線、そして直線Cは測定(診断)時の排気ガス温度の相関を示す回帰式による直線である。
ここで、排気ガス入側排気ガス温度をTg1(℃)、排気ガス出側排気ガス温度をTg2(℃)とすると、例えば健全時の回帰式はTg2=0.162×Tg1+331、異常時の回帰式はTg2=0.131×Tg1+257、測定(診断)時の回帰式はTg2=0.144×Tg1+310とすることができ、この場合には例えば排気ガス入側排気ガス温度の600℃から900℃に亘って空気予熱器9の健全時の排気ガス温度に対し測定時の温度が全体的に所定温度として例えば30℃以上低下して空気予熱器9の異常時の排気ガス温度に近づいていることから、この測定(診断)時の排気ガス温度は、空気予熱器9の損傷による空気予熱器9から煙道8内への空気漏洩の発生を示していると判断できる。
従ってこの実施例の診断方法によれば、空気漏洩の有無の判断基準に予熱した燃焼用空気の温度の代りに煙道8内の排気ガスGの温度を用いることとして、空気予熱器9に対する排気ガス入側および排気ガス出側のそれぞれの排気ガス温度を測定し、その測定した排気ガス温度を、あらかじめ測定した空気予熱器9の健全時の排気ガス温度と比較して、その測定した排気ガス温度が空気予熱器9の健全時の排気ガス温度から所定温度以上低下した場合に、空気予熱器9の損傷による空気予熱器9から煙道8内への空気漏洩が発生していると判断するので、空気予熱器9の損傷部位が排気ガス入側か排気ガス出側かにかかわらず、その損傷による空気漏洩の発生を確実に診断することができる。
しかもこの実施例の診断方法によれば、測定した排気ガス温度が排気ガス入側排気ガス温度の600℃から900℃までの広い温度範囲にわたって全体的に空気予熱器9の健全時の排気ガス温度から低下した場合に空気漏洩が発生していると判断するので、一部の温度での測定値のばらつきによる誤判断を防止して判断の確実性を高めることができる。
さらにこの実施例の炉の空気予熱器の診断方法では、図1に示すように、空気予熱器9の熱交換パイプの燃焼用空気(予熱空気)出口11内の位置に、例えば熱電対を具える温度センサ14を配置して、煙道8内での空気予熱器9に対する排気ガス入側および排気ガス出側のそれぞれの排気ガス温度とともに、空気予熱器9から出る予熱空気の温度を定期的に測定し、図3に例示するように、その測定した排気ガス入側排気ガス温度および予熱空気温度間の相関を示す相関図を作成するとともに、例えば最小二乗法によりその相関を示す回帰式を作成する。
図3中、○印は空気予熱器9の健全時の排気ガス温度および予熱空気温度の測定値、△印は空気予熱器9の排気ガス入側に異常(損傷)がある場合の排気ガス温度および予熱空気温度の測定値、□印は測定(診断)時の排気ガス温度および予熱空気温度の測定値であり、直線Dは空気予熱器9の健全時の排気ガス温度の相関を示す回帰式による直線、直線Eは空気予熱器9の排気ガス入側に異常(損傷)がある場合の排気ガス温度の相関を示す回帰式による直線、そして直線Fは測定(診断)時の排気ガス温度の相関を示す回帰式による直線である。
図2に示すように、測定した排気ガス温度が空気予熱器9の健全時の排気ガス温度から所定温度以上低下しているために、空気予熱器9の損傷による空気予熱器9から煙道8内への空気漏洩が発生していると判断した場合に、図3に示すように、例えば排気ガス入側排気ガス温度の600℃から900℃に亘って空気予熱器9の健全時の予熱空気温度に対し測定時の予熱空気温度が全体的に所定温度以上、例えば30℃以上低下していない場合には、この測定(診断)時には、排気ガス出側で空気予熱器9の損傷が発生していると判断することができる。
従ってこの実施例の診断方法によれば、空気予熱器9の損傷による空気予熱器9からの空気漏洩が発生していると判断した場合に、その損傷部位の判断基準に予熱した燃焼用空気の温度を用い、測定した予熱した燃焼用空気の温度が広い温度範囲にわたって全体的に空気予熱器9の健全時の予熱した燃焼用空気の温度から所定温度以上、例えば30℃以上低下していない場合に排気ガス出側で空気予熱器9の損傷が発生していると判断するので、空気予熱器9の損傷部位が排気ガス出側の場合にそれを推定することができ、しかも、一部の温度での測定値のばらつきによる誤判断を防止して、損傷部位の推定を確実なものにすることができる。
なお、空気予熱器9に対する排気ガス入側の排気ガス温度とその予熱空気温度との相関図における予熱空気温度の回帰式の直線が全体的に空気予熱器9の健全時の予熱空気温度の回帰式の直線から所定温度以上、例えば30℃以上低下している場合には、空気予熱器9の健全時よりも熱交換効率が低下しているか、煙道8内で空気予熱器9の熱交換パイプの周囲の通路を流れる排気ガスGの温度が低下していると考えられるので、排気ガス温度が所定温度以上低下していない場合には、空気予熱器9の熱交換効率が汚染等で低下していると推定することができ、また排気ガス温度が所定温度以上低下しているため空気予熱器9からの空気漏洩が発生していると判断した場合には、排気ガス入側や中央部等の、排気ガス出側以外の部位で空気予熱器9の損傷が発生していると推定することができる。
これらの診断結果を表に現すと以下の表1のようになる。従って、測定した排気ガス温度が所定温度以上低下しているか否か、および測定した予熱空気温度が空気予熱器の健全時の予熱空気温度から所定温度以上低下しているか否かの組み合わせによって場合分けすることにより、空気予熱器9の状態や損傷部位をより高精度に推定することができる。
Figure 0005652194
以上、実施例に基づき説明したが、本発明は上述の例に限定されるものでなく、例えば本発明の方法を適用し得る炉は、連続加熱炉に限られず、被加熱材料の加熱や均熱に供する他の種類の炉でもよい。
また本発明の方法を適用し得る炉の排気通路は、煙道に限られず、炉内の高温の排気ガスを外部へ導く通路であれば、排気ダクト等の他の通路でもよい。
かくして本発明の炉の空気予熱器の診断方法によれば、空気漏洩の有無の判断基準に予熱した燃焼用空気の温度の代りに排気通路内の排気ガスの温度を用いることとして、空気予熱器に対する排気ガス入側および排気ガス出側のそれぞれの排気ガス温度を測定し、その測定した排気ガス温度を、あらかじめ測定した空気予熱器の健全時の排気ガス温度と比較して、その測定した排気ガス温度が空気予熱器の健全時の排気ガス温度から所定以上低下した場合に、空気予熱器の損傷による空気予熱器からの空気漏洩が発生していると判断するので、空気予熱器の損傷部位が排気ガス入側か排気ガス出側かにかかわらず、その損傷による空気漏洩の発生を確実に診断することができる。
また本発明の炉の空気予熱器の診断方法によれば、排気ガス温度の低下から空気予熱器の損傷による空気予熱器からの空気漏洩が発生していると判断した場合に、測定した予熱空気温度を、あらかじめ測定した空気予熱器の健全時の予熱空気温度と比較して、その測定した予熱空気温度が空気予熱器の健全時の予熱空気温度から所定温度以上低下していない場合には、排気ガス出側で空気予熱器の損傷が発生していると判断するので、空気予熱器の損傷部位が排気ガス出側の場合にその損傷部位を推定することができる。
1 連続加熱炉
2 挿入口
3 炉尻
4 予熱帯
5 加熱帯
6 均熱帯
7 搬出口
8 煙道
9 空気予熱器
10 燃焼用空気入口
11 燃焼用空気出口
12,13,14 温度センサ
G 排気ガス
M 被加熱材料

Claims (3)

  1. 炉の排気通路内に配置された空気予熱器の損傷を診断するに際し、
    所定以上の操業温度および操業負荷の条件下で、排気通路内での空気予熱器に対する排気ガス入側および排気ガス出側のそれぞれの排気ガス温度とともに、空気予熱器から出る予熱空気の温度を定期的に測定し、
    その測定した排気ガス温度を、あらかじめ測定した空気予熱器の健全時の排気ガス温度と比較して、その測定した排気ガス温度が空気予熱器の健全時の排気ガス温度から所定温度以上低下した場合に、空気予熱器の損傷による空気予熱器からの空気漏洩が発生していると判断
    前記排気ガス温度の低下から空気予熱器の損傷による空気予熱器からの空気漏洩が発生していると判断した場合に、その測定した予熱空気温度を、あらかじめ測定した空気予熱器の健全時の予熱空気温度と比較して、その測定した予熱空気温度が空気予熱器の健全時の予熱空気温度から所定温度以上低下していない場合には排気ガス出側で空気予熱器の損傷が発生していると判断することを特徴とする炉の空気予熱器の診断方法。
  2. 前記測定した排気ガス入側および排気ガス出側の排気ガス温度間の相関図およびその相関を示す回帰式を作成し、
    その相関図におけるその排気ガス出側の排気ガス温度の回帰式の直線が全体的に空気予熱器の健全時の排気ガス出側の排気ガス温度の回帰式の直線から所定温度以上低下する結果が続いた場合に、空気予熱器の損傷による空気予熱器からの空気漏洩が発生していると判断することを特徴とする、請求項1記載の炉の空気予熱器の診断方法。
  3. 前記測定した空気予熱器に対する排気ガス入側の排気ガス温度と予熱空気温度との相関図およびその相関を示す回帰式を作成し、
    空気予熱器の損傷による空気予熱器からの空気漏洩が発生していると判断した場合に、その相関図におけるその予熱空気温度の回帰式の直線が全体的に空気予熱器の健全時の予熱空気温度の回帰式の直線から所定温度以上低下していない場合には排気ガス出側で空気予熱器の損傷が発生していると判断することを特徴とする、請求項1または2記載の炉の空気予熱器の診断方法。
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