JP6822435B2 - 加熱炉における燃料原単位悪化原因の解明装置及び解明方法 - Google Patents
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Description
この特許文献1に示すレキュペレータの補修及び更新時期決定方法は、加熱炉から排出される排ガスの顕熱を回収して燃焼用空気または燃料ガスを予熱するレキュペレータの補修時期及び更新時期を決定するにあたり、レキュペレータの熱回収効率の実測値と理論値との比もしくは燃焼用空気または燃料ガスのレキュペレータ出側温度理論値とレキュペレータ出側温度実測値との温度差を算出し、その算出値を予め定めた閾値と比較してレキュペレータの補修時期と更新時期を決定するものである。
このため、加熱炉におけるどの設備が悪化傾向にある結果が燃料原単位に影響を与えているのかを知ることができず、当該悪化傾向にある設備の補修を効率的に行うことができなかった。
また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
ここで、加熱炉1は、被加熱材Sである鋼材を所定温度にまで加熱する加熱炉本体2を備えている。加熱炉本体2の被加熱材Sの装入側には装入扉3が設けられ、加熱炉本体2の被加熱材Sの抽出側には抽出扉4が設けられている。被加熱材Sは、装入扉3のある装入側から抽出扉4のある抽出側にスキッド11で搬送する間に所定温度に加熱される。
このスキッド11には、冷却水が流れる冷却水用配管12が設けられている。そして、冷却水用配管12の加熱炉1の入側には、冷却水の加熱炉入側温度を測定する冷却水入側温度計17と、冷却水の加熱炉入側流量を測定する冷却水入側流量計18とが設置されている。また、冷却水用配管12の加熱炉1の出側には、冷却水の加熱炉出側温度を測定する複数の冷却水出側温度計13が設置されている。
そして、加熱炉本体2内の煙道7の近傍には、被加熱材Sを加熱するリジェネイティブバーナ5が設けられるとともに、加熱炉本体2内には、装入側から抽出側に向けて所定ピッチで複数のバーナ6が設けられている。各バーナ6も、被加熱材Sを加熱する。
また、各バーナ6には、燃料ガス供給源10から燃料ガス流量計61を介して燃料ガスが導入されるとともに、煙道7に設置された排熱回収装置8で熱交換された燃焼空気が燃焼空気温度計82及び燃焼空気流量計62を介して導入される。各バーナ6では、これら導入された燃料ガス及び燃焼空気によって燃焼し、燃焼された排ガスが煙道7から排出されるようになっている。燃焼空気温度計82は、排熱回収装置8で熱交換された排熱回収装置8の出側の燃焼空気の温度を測定する。また、燃焼空気流量計62は、各バーナ6に導入される燃焼空気の流量を測定する。
また、加熱炉本体2の煙道7入口近傍であって加熱炉本体2の天井部には、排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度計15が設置されている。
更に、加熱炉本体2の前側には、被加熱材Sである鋼材の加熱炉装入前の装入温度を測定する装入温度計16が設置されている。装入温度計16は、放射温度計により構成され、被加熱材Sである鋼材の加熱炉装入前の表面温度を測定する。
この燃料原単位悪化原因の解明装置20は、図1に示すように、原単位監視部21、項目監視部22、原単位悪化時期算出部23、項目悪化時期算出部24、及び悪化原因決定部25を備えている。
燃料原単位悪化原因の解明装置20は、工場の操業計画等の情報を有する上位コンピュータ30及び表示装置40に接続されている。表示装置40は、プリンタなどの出力装置によって構成され、原単位監視部21の監視結果、項目監視部22の監視結果、及び悪化原因決定部25の決定結果を表示する。
ここで、燃料原単位悪化原因の解明装置20の原単位監視部21は、加熱炉1における燃料原単位を所定期間(例えば、1か月)毎に監視する。
燃料原単位を所定期間毎に監視するとは、所定期間毎の代表的燃料原単位を得ることを意味する。所定期間の代表的燃料原単位とは、所定期間における燃料原単位を代表的に表す燃料原単位値を意味する。所定期間の代表的燃料原単位は、後述する方法によって得られる。
従って、所定期間(例えば、1か月)の代表的燃料原単位を得るに際し、原単位監視部21は、当該所定期間分の燃料原単位、鋼材の生産量、装入鋼材顕熱、及び抽出鋼材顕熱のデータを用い、燃料原単位を目的関数、鋼材の生産量、装入鋼材顕熱、及び抽出鋼材顕熱を説明関数として重回帰分析を行い、以下(1)式における係数ai及び定数項bを算出する。
y=a1x1+a2x2+a3x3+b ……(1)
ここで、y:燃料原単位(Mcal/t)、x1:生産量(t/H)、x2:装入鋼材顕熱(Mcal/t)、x3:抽出鋼材顕熱(Mcal/t)である。
なお、重回帰分析は、各パラメータに対して線形を仮定した方法だが、必ずしも各要因と燃料原単位は線形近似でない場合もあるし、1日間の生産量が一定値以下となるときは一時的に操業が停止している場合もあり、回帰をとることが不適切な場合もある。この場合、ある程度パラメータ範囲(ここでは生産量が平均的な稼働時の生産量の半分以下)を除外することで、より正確な所定期間の代表的燃料原単位を得ることができる。
装入鋼材顕熱は、被加熱材Sである鋼材が加熱炉1に持ち込む熱量であり、加熱炉1への鋼材の装入温度と鋼材の比熱とから算出される。原単位監視部21は、装入温度計16から入力された加熱炉1への鋼材の表面温度と、予め記憶しておいた鋼材の比熱とから装入鋼材顕熱を算出する。温度と比熱の関係は一般的な物性値として原単位監視部21は予め記憶している。なお、加熱炉1への鋼材の装入温度として、装入温度計16から入力された加熱炉1への鋼材の表面温度から推定される鋼材の平均温度を用いてもよい。
ここで、熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれについて、所定期間毎に監視するとは、所定期間毎の代表的項目を得ることを意味する。所定期間の代表的項目とは、所定期間における項目を代表的に表す項目値を意味する。所定期間の代表的項目は、熱精算にて調査する項目に応じて算出されるものであり、後述する。
以下、熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれについての監視について説明する。
燃料原単位悪化原因の解明装置20の項目監視部22は、排熱回収装置8の出側の燃焼空気温度を所定期間(例えば、1か月)毎に監視する。
燃焼空気温度を所定期間毎に監視するとは、所定期間毎の代表的項目としての代表的燃焼空気温度を得ることを意味する。
排熱回収装置8は、加熱炉1の外部に放出される排ガスから燃焼空気に熱変換することで排ガス損出熱を低減させるものである。排熱回収装置8の熱効率の判定基準として、排熱回収装置8の出側の燃焼空気温度を対象とし、この燃焼空気温度が低ければ排熱回収装置8の熱効率が悪く、燃焼空気温度が高ければ排熱回収装置8の熱効率が良好となる。排熱回収装置8の熱効率が悪くなると、燃料原単位が悪化する要因となりうる。
排熱回収装置8の出側の燃焼空気温度は、排熱回収装置8出側の燃焼空気温度計82から項目監視部22に入力される。
従って、項目監視部22は、所定期間(例えば、1か月)の代表的燃料原単位を得るに際し、当該所定期間分の排熱回収装置8の出側の燃焼空気温度、加熱炉1における燃料使用量、排熱回収装置8の入側の排ガス温度、リジェネイティブバーナ5における排ガス吸引量、及び排熱回収装置8を通過した燃焼空気量のデータを用い、排熱回収装置8の出側の燃焼空気温度を目的関数、加熱炉1における燃料使用量、排熱回収装置8の入側の排ガス温度、リジェネイティブバーナ5における排ガス吸引量、及び排熱回収装置8を通過した燃焼空気量を説明関数として重回帰分析を行い、以下(2)式における係数ai及び定数項bを算出する。
y=a1x1+a2x2+a3x3+a4x4+b ……(2)
ここで、y:排熱回収装置8の出側の燃焼空気温度(℃)、x1:加熱炉1における燃料使用量(Nm3/H)、x2:排熱回収装置8の入側の排ガス温度(℃)、x3:リジェネイティブバーナ6における排ガス吸引量(Nm3/H)、x4:排熱回収装置8を通過した燃焼空気量(Nm3/H)である。
なお、排熱回収装置8の出側の燃焼空気温度は、排熱回収装置8出側の燃焼空気温度計82から取得するが、排熱回収装置8が煙道7内に複数列設置されている場合には、各列出側の燃焼空気温度の平均値を用いることができる。
また、加熱炉1における燃料使用量は、リジェネイティブバーナ5側の燃料ガス流量計52及びバーナ6側の燃料ガス流量計61で測定された燃料ガス流量の合計であり、リジェネイティブバーナ5側の燃料ガス流量計52及びバーナ6側の燃料ガス流量計61のそれぞれから取得する。加熱炉1の全体で使用される燃料ガスの流量が別個の流量計により一度に測定されている場合、その流量計から取得した流量を用いてもよい。
更に、リジェネイティブバーナ5における排ガス吸引量は、リジェネイティブバーナ5側の排ガス流量計55で測定された、リジェネイティブバーナ5の一方及び他方のバーナから排出される排ガス流量であり、排ガス流量計55から取得する。
また、排熱回収装置8を通過した燃焼空気量は、バーナ6側の燃焼空気流量計62から取得する。なお、排熱回収装置8を通過しない燃焼空気量は除外され、特に、リジェネイティブバーナ5の燃焼空気は排熱回収装置8を通過しないため、排熱回収装置8を通過した燃焼空気量から除外される。
そして、項目監視部22は、監視結果である所定期間毎の代表的燃焼空気温度を項目悪化時期算出部24及び表示装置40に対し出力する。項目監視部22が排熱回収装置8の出側の燃焼空気温度を監視した結果の1か月毎の代表的燃焼空気温度の変動の一例を図6に示す。図6には、5月〜10月においての代表的燃焼空気温度の変動の一例が示されている。図6においては、代表的燃焼空気温度は5月から6月にかけてやや上昇(やや良化側に変化)し、6月から7月にかけてやや上昇(やや良化側に変化)し、7月から8月にかけてΔT1だけ下降(悪化側に変化)し、8月から9月にかけてΔT2だけ下降(悪化側に変化)している。そして、代表的燃焼空気温度は、9月から10月にかけて大幅に上方(良化側に変化)している。
燃料原単位悪化原因の解明装置20の項目監視部22は、リジェネイティブバーナ5の排ガス稼働率を所定期間(例えば、1か月)毎に監視する。
排ガス稼働率を所定期間毎に監視するとは、所定期間毎の代表的項目としての代表的排ガス稼働率を得ることを意味する。
リジェネイティブバーナ5は、一対のバーナが一式となり、一方のバーナが燃焼している時は他方のバーナが排ガスを吸引するようになっている。リジェネイティブバーナ5は、バーナごとに主に多数のアルミナボールからできた蓄熱体51を備え、排ガス吸引を行うと蓄熱体51に排ガスの熱量が一時的に吸収され、これを切替弁にて切替え、燃焼空気を流すと蓄熱体51に蓄熱された熱量が燃焼空気に熱交換される。リジェネイティブバーナ5では、通常、60秒程度で燃焼と吸引とを切り替えて操業することになる。リジェネイティブバーナ5の運転方案では、切替弁の保護のため、一定温度(主に300℃程度)になると、排ガス吸引が一時的に停止されたり、排ガス吸引量を低下させるなどの方法がとられている。
このリジェネイティブバーナ5の排ガス稼働率を表す(3)式において、{ }内はリジェネイティブバーナ5による燃料ガスの燃焼により発生した排ガス量を表している。
製鉄所で使用されるガスにおいて、リジェネイティブバーナ5の排ガス稼働率は正常時は75%〜80%程度の値に設定することが多いが、これは燃焼空気量と排ガス発生量の違いや、比熱の違いによる。何らかのリジェネイティブバーナ5の不具合により排ガス吸引を行えなくなった場合、GIDF:排ガス吸引量が0となり、排ガス稼働率は0となる。また、蓄熱体51の崩れ、詰まりなどの異常や複数のバーナのバランスが異常となった場合は、排ガス稼働率は、正常な排ガス稼働率よりも低い値とならざるを得ず、排ガス稼働率の監視によりバーナにおいて異常が発生しているかどうかを確認することができる。リジェネイティブバーナ5の排ガス稼働率が低下すると、燃料原単位が悪化する要因となりうる。
また、m:空気比は、m=A(実際の供給空気量=燃焼空気流量計53で測定された燃焼空気流量)/(M:燃料ガス流量・A0:燃料ガスの理論空気量)で表され、項目監視部22は、燃焼空気流量計53から燃焼空気流量を取得する。また、A0:燃料ガスの理論空気量は、項目監視部22に予め記憶しておいた燃料ガスの理論空気量を用いる。
更に、Gw:燃料ガスの理論排ガス量については、項目監視部22に予め記憶しておいた燃料ガスの理論排ガス量を用いる。
なお、A0:燃料ガスの理論空気量及びGw:燃料ガスの理論排ガス量は、燃料ガスの組成により異なる。A0:燃料ガスの理論空気量及びGw:燃料ガスの理論排ガス量は、燃料ガスの組成として代表的な数値を用いるか、燃料組成を測定している場合はこの値を計算により求めることでこの値を使用することができる。
そして、項目監視部22は、所定期間(例えば、1か月)の間、排ガス稼働率を(3)式により算出しつづけ、その所定期間に算出された排ガス稼働率を平均化し、平均化された排ガス稼働率を所定期間の代表的排ガス稼働率とする。
燃料原単位悪化原因の解明装置20の項目監視部22は、加熱炉1内に設けられた鋼材支持部材(スキッド11)に流される冷却水による抜熱量を所定期間(例えば、1か月)毎に監視する。
冷却水による抜熱量を所定期間毎に監視するとは、所定期間毎の代表的項目としての代表的冷却水抜熱量を得ることを意味する。
冷却水による抜熱量は、次の(4)式により表される。
項目監視部22は、冷却水の加熱炉出側温度につき、冷却水用配管12の加熱炉1の出側に設置された複数の冷却水出側温度計13から取得する。
また、項目監視部22は、冷却水の加熱炉入側温度につき、冷却水用配管12の加熱炉1の入側に設置された冷却水入側温度計17から取得する。
更に、項目監視部22は、冷却水流量につき、冷却水入側流量計18から取得する。なお、冷却水をスキッド11に流す系統が複数ある場合、実際には各系統ごとに冷却水流量は異なるため、各系統ごとに流量センサを設置し、それぞれの流量センサから冷却水流量を取得することが好ましい。
そして、項目監視部22は、(4)式により冷却水による抜熱量を算出する。
y=a1x1+b ……(5)
ここで、y:冷却水による抜熱量、x1:加熱炉1内の炉温である。
そして、項目監視部22は、算出された係数a1及び定数項bと、標準生産条件におけるx1とから、(5)式により所定期間の代表的冷却水抜熱量を得る。
なお、加熱炉1内の炉温は、複数の炉温計14から取得した炉温の平均値を用いているが、これらをすべてx1〜xiとして使用することもできる。この手法は、重回帰分析であるため、炉温が一定値以下(操業炉温に比べて著しく低い)の場合、線形として近似することが難しくなるため、ある一定の閾値を設けることが好ましい。
燃料原単位悪化原因の解明装置20の項目監視部22は、加熱炉1内の排ガス中の酸素濃度とリジェネイティブバーナ5及びバーナ6に供給される空気比によって計算された排ガス中の酸素濃度との差から求められる加熱炉1内への侵入空気量を所定期間(例えば、1か月)毎に監視する。加熱炉1内に空気が侵入すると、炉圧異常等を招き、燃料原単位を悪化させる要因となりうる。
加熱炉1内の排ガス中の酸素濃度は、加熱炉1から排出される排ガス全体量と同じ傾向を持っており、排ガス損出熱量を把握するために使用される。
先ず、所定期間の代表的酸素濃度について説明すると、項目監視部22は、加熱炉1内の排ガス中の酸素濃度につき、酸素濃度計15から取得する。
y=a1x1+b ……(6)
ここで、y:加熱炉1内の排ガス中の酸素濃度、x1:加熱炉1内に供給される燃料ガス流量である。
そして、項目監視部22は、算出された係数a1及び定数項bと、標準生産条件におけるx1とから、(6)式により所定期間の代表的酸素濃度を得る。
加熱炉1内の排ガス中の酸素濃度は、通常、リジェネイティブバーナ5及びバーナ6に供給される空気比によって次の(7)式により算出される。
項目監視部22は、燃焼空気流量をリジェネイティブバーナ5側の燃焼空気流量計53及びバーナ6側の燃焼空気流量計62のそれぞれから燃焼空気流量を取得し、この燃料空気流量と予め記憶されている理論空気量とに基づいて空気比を算出する。
そして、項目監視部22は、この算出された空気比と、予め記憶されている理論空気量及び理論排ガス量とに基づいて、(7)式により排ガス中の酸素濃度を計算する。
y=a1x1+b …(8)
ここで、y:計算された加熱炉1内の排ガス中の酸素濃度、x1:加熱炉1内に供給される燃料ガス流量である。
そして、項目監視部22は、算出された係数a1及び定数項bと、標準生産条件におけるx1とから、(8)式により所定期間の代表的計算酸素濃度を得る。
項目監視部22は、監視結果である所定期間毎の代表的侵入空気量を項目悪化時期算出部24及び表示装置40に対し出力する。
なお、項目監視部22が侵入空気量を監視した結果の1か月毎の代表的侵入空気量の変動の一例を、代表的酸素濃度と代表的計算酸素濃度の変動とともに図9に示す。図9には、5月〜10月においての代表的侵入空気量の変動の一例が示されている。図9においては、代表的酸素濃度と代表的計算酸素濃度の差で表される代表的侵入空気量は、5月はO21、6月O22、7月はO23、8月はO24で、ほとんど変動はない。しかし、8月から9月にかけてO25で前月よりも多くなり(悪化側に変化)、9月月から10月にかけてO26でやや少なくなっている(良化側に変化)。
ここで、原単位悪化時期算出部23は、原単位監視部21で監視された所定期間毎の加熱炉1における燃料原単位の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第1閾値(15(Mcal/t))を超えている場合に、今回の監視時期を燃料原単位の悪化時期と決定する。
具体的に図5を例に説明すると、代表的燃料原単位の前回の監視時期(5月)から今回の監視時期(6月)に至るまでの悪化側への変化量(ほぼ0(Mcal/t))、前回の監視時期(6月)から今回の監視時期(7月)に至るまでの悪化側への変化量(ΔM1:10(Mcal/t))、前回の監視時期(7月)から今回の監視時期(8月)に至るまでの悪化側への変化量(ほぼ0(Mcal/t))、前回の監視時期(8月)から今回の監視時期(9月)に至るまでの悪化側への変化量(ΔM2:20(Mcal/t))、及び前回の監視時期(9月)から今回の監視時期(10月)に至るまでの悪化側への変化量(良化側へ変化しているのでなし)のそれぞれが、第1閾値(15(Mcal/t))を超えている場合に、今回の監視時期を燃料原単位の悪化時期と決定する。
そして、原単位悪化時期算出部23は、決定した燃料原単位の悪化時期(9月)を悪化原因決定部25に対し出力する。
ここで、決定した悪化時期は、図5に示す例以外の場合には、1つの場合もあるし、複数の場合もある。
また、燃料原単位悪化原因の解明装置20の項目悪化時期算出部24は、項目監視部22で監視された熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれの悪化時期を算出する。
ここで、項目悪化時期算出部24は、項目監視部22で監視された所定期間毎の熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれの前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第2閾値を超えている場合に、今回の監視時期を熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれの悪化時期と決定する。
そして、項目悪化時期算出部24は、決定した排熱回収装置8の出側の燃焼空気温度の悪化時期(8月)、(9月)を悪化原因決定部25に対し出力する。
ここで、決定した悪化時期は、図6に示す例以外の場合には、1つの場合もあるし、複数の場合もある。
また、図7に示す場合、代表的排ガス稼働率の前回の監視時期(5月)から今回の監視時期(6月)に至るまでの悪化側への変化量(Δη1:14(%)程度)、前回の監視時期(6月)から今回の監視時期(7月)に至るまでの悪化側への変化量(Δη2:10(%)程度)、前回の監視時期(7月)から今回の監視時期(8月)に至るまでの悪化側への変化量(ほぼ0(%))、前回の監視時期(8月)から今回の監視時期(9月)に至るまでの悪化側への変化量(Δη3:60(%)程度)及び前回の監視時期(9月)から今回の監視時期(10月)に至るまでの悪化側への変化量(良化側へ変化しているのでなし)のそれぞれが、第2閾値(15(%)を超えている場合に、今回の監視時期をリジェネイティブバーナ5の排ガス稼働率の悪化時期と決定する。
そして、項目悪化時期算出部24は、決定したリジェネイティブバーナ5の排ガス稼働率の悪化時期(9月)を悪化原因決定部25に対し出力する。
ここで、決定した悪化時期は、図7に示す例以外の場合には、1つの場合もあるし、複数の場合もある。
また、すべての代表的排ガス稼働率の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第2閾値以下の場合には、リジェネイティブバーナ5の排ガス稼働率は悪化していないとして悪化原因決定部25に対し出力する。
そして、項目悪化時期算出部24は、決定した冷却水による抜熱量の悪化時期(6月)を悪化原因決定部25に対し出力する。
ここで、決定した悪化時期は、図8に示す例以外の場合には、1つの場合もあるし、複数の場合もある。
また、すべての代表的冷却水抜熱量の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第2閾値以下の場合には、冷却水による抜熱量は悪化していないとして悪化原因決定部25に対し出力する。
そして、項目悪化時期算出部24は、決定した加熱炉1内への侵入空気量の悪化時期(9月)を悪化原因決定部25に対し出力する。
ここで、決定した悪化時期は、図9に示す例以外の場合には、1つの場合もあるし、複数の場合もある。
また、すべての代表的侵入空気量の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第2閾値以下の場合には、加熱炉1内への侵入空気量の悪化時期はないとして悪化原因決定部25に対し出力する。
具体的に図5乃至図9の例に沿って説明すると、悪化原因決定部25は、項目悪化時期算出部24で算出された図6における排熱回収装置8の出側の燃焼空気温度の悪化時期(8月)、(9月)、図7におけるリジェネイティブバーナ5の排ガス稼働率の悪化時期(9月)、図8における冷却水による抜熱量の悪化時期(6月)及び図9における加熱炉1内への侵入空気量の悪化時期(9月)のうち、原単位悪化時期算出部23で算出された図5における燃料原単位の悪化時期(9月)と重なる悪化時期の排熱回収装置8の出側の燃焼空気温度、リジェネイティブバーナ5の排ガス稼働率、及び加熱炉1内への侵入空気量を悪化原因と決定する。
表示装置40は、悪化原因決定部25から出力された悪化原因の情報、原単位監視部21から出力された所定期間毎の代表的燃料原単位の情報(一例が図5に示すグラフ)、及び項目監視部22から出力された所定期間毎の代表的燃焼空気温度の情報(一例が図6に示すグラフ)、所定期間毎の代表的排ガス稼働率の情報(一例が図7に示すグラフ)、所定期間毎の代表的冷却水抜熱量の情報(一例が図8に示すグラフ)及び所定期間毎の代表的侵入空気量の情報(一例が図9に示すグラフ)を表示する。
燃料原単位悪化原因の解明装置20の原単位監視部21は、原単位監視ステップである以下に示すステップS1を実行する。また、項目監視部22は、項目監視ステップであるステップS2を実行する。原単位悪化時期算出部23は原単位悪化時期算出ステップであるステップS3を実行する。また、項目悪化時期算出部24は、項目悪化時期算出ステップであるステップS4を実行する。また、悪化原因決定部25は、悪化原因決定ステップであるステップS5を実行する。更に、原単位監視部21、項目監視部22及び悪化原因決定部25は、ステップS6を実行する。
次いで、ステップS2で、項目監視部22は、熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれについて、原単位監視部21における所定期間と同一の所定期間(例えば、1か月)毎に監視する。つまり、項目監視部22は、熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれについて、当該所定期間毎の代表的項目を得る。
従って、項目監視部22は、前述した方法により、所定期間毎の代表的項目としての代表的燃焼空気温度、代表的排ガス稼働率、代表的冷却水抜熱量及び代表的侵入空気量を得る。
ステップS3における処理の流れの詳細が図3に示されており、先ず、ステップS31で、原単位悪化時期算出部23は、原単位監視部21で監視された所定期間毎の加熱炉1における燃料原単位を取得する。
つまり、原単位悪化時期算出部23は、所定期間毎の代表的燃料原単位を取得する。
次いで、ステップS32において、原単位悪化時期算出部23は、取得した所定期間毎の燃料原単位の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第1閾値を超えているか否かを判定する。
そして、判定結果がYESである場合には、ステップS33に移行し、判定結果がNoである場合には、燃料原単位は悪化していないとして悪化原因決定部25に対し出力してステップS3の処理は終了する。
また、ステップS4において、項目悪化時期算出部24は、ステップS2(項目監視ステップ)で監視された熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれの悪化時期を算出する。
ステップS4における処理の流れの詳細が図4に示されており、先ず、ステップS41で、項目悪化時期算出部24は、ステップS2(項目監視ステップ)で監視された所定期間毎の熱精算にて調査する複数の項目を取得する。
つまり、項目悪化時期算出部24は、所定期間毎の代表的項目としての代表的燃焼空気温度、代表的排ガス稼働率、代表的冷却水抜熱量及び代表的侵入空気量を取得する。
具体的には、項目悪化時期算出部24は、所定期間毎の代表的燃焼空気温度の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第2閾値(50(℃))を超えているか否かを判定する。また、項目悪化時期算出部24は、所定期間毎の代表的排ガス稼働率の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第2閾値(15(%))を超えているか否かを判定する。また、項目悪化時期算出部24は、所定期間毎の代表的冷却水抜熱量の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第2閾値(1.0(Gcal/h))を超えているか否かを判定する。項目悪化時期算出部24は、所定期間毎の代表的侵入空気量の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第2閾値(1.0(体積%))を超えているか否かを判定する。
これについて具体的に説明する。
先ず、所定期間毎の代表的燃焼空気温度の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第2閾値(50(℃))を超えている場合、ステップS43に移行する。一方、当該変化量が第2閾値(50(℃))以下である場合、排熱回収装置8の出側の燃焼空気温度は悪化していないとして悪化原因決定部25に対し出力しステップS4の処理は終了する。
また、所定期間毎の代表的排ガス稼働率の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第2閾値(15(%))を超えている場合、ステップS43に移行する。一方、当該変化量が第2閾値(15(%))以下である場合、リジェネイティブバーナ5の排ガス稼働率は悪化していないとして悪化原因決定部25に対し出力しステップS4の処理は終了する。
更に、所定期間毎の代表的冷却水抜熱量の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第2閾値(1.0(Gcal/h))を超えている場合、ステップS43に移行する。一方、当該変化量が第2閾値(1.0(Gcal/h))以下である場合、冷却水による抜熱量は悪化していないとして悪化原因決定部25に対し出力しステップS4の処理は終了する。
また、所定期間毎の代表的侵入空気量の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が2閾値(1.0(体積%))を超えている場合、ステップS43に移行する。一方、当該変化量が第2閾値(1.0(体積%))以下である場合、侵入空気量は悪化していないとして悪化原因決定部25に対し出力しステップS4の処理は終了する。
そして、ステップS5では、悪化原因決定部25は、ステップS4(項目時期悪化時期算出ステップ)で算出された熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれの悪化時期のうち、ステップS3(原単位悪化時期算出ステップ)で算出された燃料原単位の悪化時期と重なる悪化時期の熱精算にて調査する項目を燃料原単位悪化原因と決定する。
最後に、ステップS6では、悪化原因決定部25は、決定された悪化原因の情報を表示装置40に対し出力する。また、原単位監視部21は、所定期間毎の代表的燃料原単位の情報を表示装置40に対し出力する。また、項目監視部22は、所定期間毎の代表的燃焼空気温度の情報、所定期間毎の代表的排ガス稼働率の情報、所定期間毎の代表的冷却水抜熱量の情報及び所定期間毎の代表的侵入空気量の情報を表示装置40に対し出力する。
これにより、燃料原単位悪化原因の解明装置20の処理は終了する。
なお、原単位監視部21が、所定期間毎の代表的燃料原単位の情報を表示装置40に対し出力し、項目監視部22が、熱精算にて調査する複数の項目である所定期間毎の代表的燃焼空気温度の情報、所定期間毎の代表的排ガス稼働率の情報、所定期間毎の代表的冷却水抜熱量の情報及び所定期間毎の代表的侵入空気量の情報を表示装置40に対し出力する。これにより、操炉担当者は、表示装置40を参照して、熱精算にて調査する複数の項目である所定期間毎の代表的燃焼空気温度の情報、所定期間毎の代表的排ガス稼働率の情報、所定期間毎の代表的冷却水抜熱量の情報及び所定期間毎の代表的侵入空気量の情報を知ることができる。このため、操炉担当者は、悪化傾向にある熱精算にて調査する項目を判断でき、当該項目に係る設備の不具合を早期に補修、更新することができる。
例えば、熱精算にて調査する項目は、排熱回収装置8の出側の燃焼空気温度、リジェネイティブバーナ5の排ガス稼働率、スキッド11に流される冷却水による抜熱量、及び加熱炉1内への侵入空気量に限らず、燃料原単位に悪影響を与える可能性のある設備不具合であれば他の項目であってもよい。
また、図5乃至図9においては、1か月ごとの監視を行っているが、1か月に限らず、5日〜30日程度の期間毎に監視するようにしてもよい。
即ち、原単位監視部21で監視された所定期間毎の加熱炉1における燃料原単位は、その所定期間毎の代表的燃料原単位で推定しているが、その代表的燃料原単位自体にはばらつきがあるので、前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への代表的原単位の変化量が第1閾値(15(Mcal/t))を超えている場合のみを悪化の判定基準とするのが困難な場合がある。この場合、係数ai及び定数項bと標準生産条件におけるxiとにより算出、推定される代表的燃料原単位と、実績の燃料原単位との誤差の標準偏差σを用いることにより、燃料原単位の悪化を判定することができる。
また、項目悪化時期算出部24による排熱回収装置8の出側の燃焼空気温度の悪化時期を算出するに際し、代表的燃焼空気温度の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が、第2閾値(50(℃))を超えている場合に、今回の監視時期を燃焼空気温度の悪化時期と決定しているが、この場合に限られない。
また、原単位悪化時期算出部23による燃焼空気温度の悪化判定は、簡易的な悪化判定となるため、悪化判定の後に、測定を伴う詳細な判定を行うようにしてもよい。
また、項目悪化時期算出部24による冷却水抜熱量の悪化時期を算出するに際し、代表的冷却水抜熱量の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が、第2閾値(1.0(Gcal/h))を超えている場合に、今回の監視時期を冷却水による抜熱量の悪化時期と決定しているが、この場合に限られない。
また、項目悪化時期算出部24による加熱炉1内への侵入空気量の悪化時期を算出するに際し、代表的侵入空気量の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が、第2閾値(1.0(体積%)を超えている場合に、今回の監視時期を加熱炉1内への侵入空気量の悪化時期と決定しているが、この場合に限られない。
2 加熱炉本体
3 装入扉
4 抽出扉
5 リジェネイティブバーナ
6 バーナ
7 煙道
8 排熱回収装置
9 煙突
10 燃料ガス供給源
11 スキッド
12 冷却水用配管
13 冷却水出側温度計
14 炉温計
15 酸素濃度計
16 装入温度計
17 冷却水入側温度計
18 冷却水入側流量計
20 燃料原単位悪化原因の解明装置20
21 原単位監視部
22 項目監視部
23 原単位悪化時期算出部
24 項目悪化時期算出部
25 悪化原因決定部
30 上位コンピュータ
40 表示装置
51 蓄熱体
52 燃料ガス流量計
53 燃焼空気流量計
54 燃焼空気供給源
55 排ガス流量計
56 吸引ブロワ
61 燃料ガス流量計
62 燃焼空気流量計
81 熱回収設備入側排ガス温度計
82 燃焼空気温度計
83 吸引ブロワ
S 被加熱材
Claims (8)
- 加熱炉における燃料原単位悪化原因の解明装置であって、
前記加熱炉における燃料原単位を所定期間毎に監視する原単位監視部と、
熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれについて、前記所定期間と同一の所定期間毎に監視する項目監視部と、
前記原単位監視部で監視された燃料原単位の悪化時期を算出する原単位悪化時期算出部と、
前記項目監視部で監視された熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれの悪化時期を算出する項目悪化時期算出部と、
該項目悪化時期算出部で算出された熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれの悪化時期のうち、前記原単位悪化時期算出部で算出された燃料原単位の悪化時期と重なる悪化時期の熱精算にて調査する項目を燃料原単位悪化原因と決定する悪化原因決定部とを備えていることを特徴とする加熱炉における燃料原単位悪化原因の解明装置。 - 前記原単位悪化時期算出部は、前記原単位監視部で監視された所定期間毎の加熱炉における燃料原単位の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第1閾値を超えている場合に、今回の監視時期を燃料原単位の悪化時期と決定することを特徴とする請求項1に記載の加熱炉における燃料原単位悪化原因の解明装置。
- 前記項目悪化時期算出部は、前記項目監視部で監視された所定期間毎の熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれの前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第2閾値を超えている場合に、今回の監視時期を熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれの悪化時期と決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱炉における燃料原単位悪化原因の解明装置。
- 前記項目監視部によって監視される前記熱精算にて調査する複数の項目は、排ガスの顕熱から燃焼空気の顕熱に回収する排熱回収装置の出側の燃焼空気温度、排ガスの顕熱を蓄熱体において燃焼空気に変換するリジェネイティブバーナの排ガス稼働率、加熱炉内に設けられた鋼材支持部材に流される冷却水による抜熱量、及び、加熱炉内の排ガス中の酸素濃度と、バーナに供給される空気比によって計算された排ガス中の酸素濃度との差から求められる加熱炉内への侵入空気量であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の加熱炉における燃料原単位悪化原因の解明装置。
- 加熱炉における燃料原単位悪化原因の解明方法であって、
前記加熱炉における燃料原単位を所定期間毎に監視する原単位監視ステップと、
熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれについて、前記所定期間と同一の所定期間毎に監視する項目監視ステップと、
前記原単位監視ステップで監視された燃料原単位の悪化時期を算出する原単位悪化時期算出ステップと、
前記項目監視ステップで監視された熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれの悪化時期を算出する項目悪化時期算出ステップと、
該項目悪化時期算出ステップで算出された熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれの悪化時期のうち、前記原単位悪化時期算出ステップで算出された燃料原単位の悪化時期と重なる悪化時期の熱精算にて調査する項目を燃料原単位悪化原因と決定する悪化原因決定ステップとを含むことを特徴とする加熱炉における燃料原単位悪化原因の解明方法。 - 前記原単位悪化時期算出ステップは、前記原単位監視ステップで監視された所定期間毎の加熱炉における燃料原単位を取得するステップと、取得した所定期間毎の燃料原単位の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第1閾値を超えているか否かを判定するステップと、前記所定期間毎の燃料原単位の前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が前記第1閾値を超えている場合に、今回の監視時期を燃料原単位の悪化時期と決定するステップとを含むことを特徴とする請求項5に記載の加熱炉における燃料原単位悪化原因の解明方法。
- 前記項目悪化時期算出ステップは、前記項目監視ステップで監視された所定期間毎の熱精算にて調査する複数の項目を取得するステップと、取得した所定期間毎の熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれの前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が第2閾値を超えているか否かを判定するステップと、前記所定期間毎の熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれの前回の監視時期から今回の監視時期に至るまでの悪化側への変化量が前記第2閾値を超えている場合に、今回の監視時期を熱精算にて調査する複数の項目のそれぞれの悪化時期と決定するステップとを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の加熱炉における燃料原単位悪化原因の解明方法。
- 前記項目監視ステップにおいて監視される前記熱精算にて調査する複数の項目は、排ガスの顕熱から燃焼空気の顕熱に回収する排熱回収装置の出側の燃焼空気温度、排ガスの顕熱を蓄熱体において燃焼空気に変換するリジェネイティブバーナの排ガス稼働率、加熱炉内に設けられた鋼材支持部材に流される冷却水による抜熱量、及び、加熱炉内の排ガス中の酸素濃度と、バーナに供給される空気比によって計算された排ガス中の酸素濃度との差から求められる加熱炉内への侵入空気量であることを特徴とする請求項5乃至7のうちいずれか一項に記載の加熱炉における燃料原単位悪化原因の解明方法。
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