JP6909425B2 - 空気予熱器差圧上昇予測装置 - Google Patents
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Description
すなわち、図2(b)に予測式(2)で示すように、基準月(メンテナンス実行月の翌月)における平均差圧ΔP0[kPa](以下、「基準月平均差圧ΔP0」と称する。)と基準月のAH入口ガス温度とAH出口ガス温度との平均値T0[K](以下、「基準月ガス温度平均値T0」と称する。)を予測対象月(基準月からnヶ月後の月(n≧1と定義する))のAH入口ガス温度とAH出口ガス温度との平均値の予測値Tn[K](以下、「予測対象月ガス温度予測平均値Tn」と称する。)で割った値(=T0/Tn)と予測対象月の予測IDFガス流量の予測値Qn[sccm](以下、「予測対象月IDFガス予測流量Qn」と称する。)を基準月のIDFガス流量Q0[sccm]以下、「基準月IDFガス流量Q0」と称する。)で割った値の2乗(=(Qn/Q0)2)との積で表した予測式を用いて、予測対象月の差圧ΔPnを予測している。
ここで、ボイラ(111)と前記空気予熱器との間に脱硝装置(112)が設けられており、前記第1の差圧上昇予測部が、所定の詰り係数(a)と前記予測対象月の1ヶ月前における前記脱硝装置の出口での予測リークアンモニア濃度(yi)との積(ayi)を前記所定の期間ごとに計算するための詰り進行予測部(11a)と、前記詰り進行予測部によって前記所定の期間ごとに求められた前記積(ayi)の和を求めて第1の差圧上昇値を計算するための第1の差圧上昇値計算部(11b)とを備えてもよい。
前記空気予熱器の後段に誘引通風機(116)が設けられており、第2の差圧上昇予測部が、前記基準月における前記空気予熱器の入口ガス温度および出口ガス温度の平均値である基準月ガス温度平均値(T0)を前記予測対象月における該空気予熱器の入口ガス温度および出口ガス温度の予測平均値である予測対象月ガス温度予測平均値(Tn)で割ったガス温度比(T0/Tn)を計算するためのガス温度比演算部(12a)と、前記予測対象月における前記誘引通風機の予測ガス流量である予測対象月IDFガス予測流量(Qn)を前記基準月における該誘引通風機のガス流量である基準月IDFガス流量(Q0)で割った値の2乗である予測対象月ガス流量比((Qn/Q0)2)を計算するためのガス流量比演算部(12b)と、前記基準月における前記空気予熱器の平均差圧である基準月平均差圧(ΔP0)と前記ガス温度比演算部で求められた前記ガス温度比と前記ガス流量比演算部で求められた前記予測対象月ガス流量比とを乗算して第2の差圧上昇値を計算するための第2の差圧上昇値計算部(12c)とを備えてもよい。
外部の端末装置(20)に接続されており、前記詰り係数、前記予測リークアンモニア濃度、前記基準月平均差圧、前記基準月ガス温度平均値、前記予測対象月ガス温度予測平均値、前記基準月IDFガス流量および前記予測対象月IDFガス予測流量が、前記端末装置から入力されてもよい。
前記予測対象月が前記基準月から1ヶ月または数ヶ月ごとの月であってもよい。
前記基準月が前記空気予熱器のメンテナンス実行月の翌月であってもよい。
前記差圧予測部で予測された前記差圧と所定の要メンテナンス差圧とを比較して、該比較の結果に基づいて警告を発するための警告手段を更に具備してもよい。
(1)空気予熱器のメンテナンス要否の長期的な予測を的確に行うことができる。
(2)空気予熱器の不要なメンテナンスを行わなくて済むようにできる。
(3)メンテナンス要否を早期に判断できるため、空気予熱器のメンテナンス計画をこれまでよりも早く立てることができる。
本発明の空気予熱器差圧上昇予測装置は、図2(a)に示す予測式(1)を用いて空気予熱器113(図3参照)の差圧上昇を予測することを特徴とする。
第1の差圧上昇値計算部11bは、図2(a)の予測式(1)の第1項に示すように、予測対象月までの詰り進行予測部11aで求められた積の和を求めて第1の差圧上昇値を計算するためのものである。
また、各予測対象月における予測リークアンモニア濃度yiについては、リークアンモニア濃度は脱硝装置112(図3参照)の触媒の劣化に略比例して大きくなることが経験上分かっているため、例えば、過去のデータに基づいて作成した触媒の劣化とリークアンモニア濃度との関係を直線式で表したグラフを参考に予測した値を用いる。
ガス流量比演算部12bは、予測対象月IDFガス予測流量Qnを基準月IDFガス流量Q0で割った値の2乗(=(Qn/Q0)2)(以下、「予測対象月ガス流量比」と称する。)を計算するためのものである。
第2の差圧上昇値計算部12cは、基準月平均差圧ΔP0とガス温度比演算部12aで求められたガス温度比T0/Tnとガス流量比演算部12bで求められた予測対象月ガス流量比(=(Qn/Q0)2)とを乗算して第2の差圧上昇値を計算するためのものである。
また、予測対象月ガス温度予測平均値Tnおよび予測対象月IDFガス予測流量Qnについては、予測対象月における過去の実測データ等に基づいて予測した値を用いる。
差圧予測部13は、予測した差圧ΔPnを示す予測差圧データを端末装置20に出力する。
また、本実施例によるAH差圧上昇予測装置10では、空気予熱器113の詰り進行予測を考慮しているため、長期的な予測も正確に行えるので(〇印で示す実測値および□印で示す予測値を参照)、空気予熱器113のメンテナンス要否を早期に判断できる。
なお、mヶ月単位で予測する場合には、詰り係数aは例えば0.012×m[kPa/ppm]とする。
この場合には、詰り係数aは例えば0.0004[kPa/ppm]とする。
11 第1の差圧上昇予測部
11a 詰り進行予測部
11b 第1の差圧上昇値計算部
12 第2の差圧上昇予測部
12a ガス温度比演算部
12b ガス流量比演算部
12c 第2の差圧上昇値計算部
13 差圧予測部
110 ボイラ通風系統
111 ボイラ
112 脱硝装置
113 空気予熱器
114 GGH熱回収器
115 電気式集塵装置
116 誘引通風機
117 脱硫装置
118 GGH再加熱器
119 脱硫通風機
120 煙突
121 押込通風機
a 詰り係数
yi 予測リークアンモニア濃度
ΔPn 差圧
ΔP0 基準月平均差圧
T0 基準月ガス温度平均値
Tn 予測対象月ガス温度予測平均値
Q0 基準月IDFガス流量
Qn 予測対象月IDFガス予測流量
Claims (8)
- ボイラ通風系統(110)で使用されている空気予熱器(113)の排ガス入口および排ガス出口の圧力差である差圧の上昇を基準月から予測して該空気予熱器の閉塞状況を監視するための空気予熱器差圧上昇予測装置(10)であって、
前記基準月の翌月後の各予測対象月における前記空気予熱器の詰り進行予測による差圧上昇を該基準月から所定の期間ごとに予測し、該所定の期間ごとに予測した差圧上昇の和に基づいて該予測対象月における第1の差圧上昇を予測するための第1の差圧上昇予測部(11)と、
前記予測対象月における気温変化に伴うガス流量変化による第2の差圧上昇を予測するための第2の差圧上昇予測部(12)と、
前記第1および第2の差圧上昇予測部で予測された前記第1および第2の差圧上昇に基づいて前記予測対象月における前記空気予熱器の差圧(ΔPn)を予測するための差圧予測部(13)と、
を具備することを特徴とする、空気予熱器差圧上昇予測装置。 - ボイラ(111)と前記空気予熱器との間に脱硝装置(112)が設けられており、
前記第1の差圧上昇予測部が、
所定の詰り係数(a)と前記予測対象月の1ヶ月前における前記脱硝装置の出口での予測リークアンモニア濃度(yi)との積(ay i )を前記所定の期間ごとに計算するための詰り進行予測部(11a)と、
前記詰り進行予測部によって前記所定の期間ごとに求められた前記積(ay i )の和を求めて第1の差圧上昇値を計算するための第1の差圧上昇値計算部(11b)とを備える、
ことを特徴とする、請求項1記載の空気予熱器差圧上昇予測装置。 - 前記空気予熱器の後段に誘引通風機(116)が設けられており、
第2の差圧上昇予測部が、
前記基準月における前記空気予熱器の入口ガス温度および出口ガス温度の平均値である基準月ガス温度平均値(T0)を前記予測対象月における該空気予熱器の入口ガス温度および出口ガス温度の予測平均値である予測対象月ガス温度予測平均値(Tn)で割ったガス温度比(T0/Tn)を計算するためのガス温度比演算部(12a)と、
前記予測対象月における前記誘引通風機の予測ガス流量である予測対象月IDFガス予測流量(Qn)を前記基準月における該誘引通風機のガス流量である基準月IDFガス流量(Q0)で割った値の2乗である予測対象月ガス流量比((Qn/Q0)2)を計算するためのガス流量比演算部(12b)と、
前記基準月における前記空気予熱器の平均差圧である基準月平均差圧(ΔP0)と前記ガス温度比演算部で求められた前記ガス温度比と前記ガス流量比演算部で求められた前記予測対象月ガス流量比とを乗算して第2の差圧上昇値を計算するための第2の差圧上昇値計算部(12c)とを備える、
ことを特徴とする、請求項2記載の空気予熱器差圧上昇予測装置。 - 外部の端末装置(20)に接続されており、
前記詰り係数、前記予測リークアンモニア濃度、前記基準月平均差圧、前記基準月ガス温度平均値、前記予測対象月ガス温度予測平均値、前記基準月IDFガス流量および前記予測対象月IDFガス予測流量が、前記端末装置から入力される、
ことを特徴とする、請求項3記載の空気予熱器差圧上昇予測装置。 - 前記予測対象月の前記予測リークアンモニア濃度として、前記脱硝装置の触媒の劣化に基づいて予測した値を用いることを特徴とする、請求項2乃至4いずれかに記載の空気予熱器差圧上昇予測装置。
- 前記予測対象月が前記基準月から1ヶ月または数ヶ月ごとの月であることを特徴とする、請求項1乃至5いずれかに記載の空気予熱器差圧上昇予測装置。
- 前記基準月が前記空気予熱器のメンテナンス実行月の翌月であることを特徴とする、請求項1乃至6いずれかに記載の空気予熱器差圧上昇予測装置。
- 前記差圧予測部で予測された前記差圧と所定の要メンテナンス差圧とを比較して、該比較の結果に基づいて警告を発するための警告手段を更に具備することを特徴とする、請求項1乃至7いずれかに記載の空気予熱器差圧上昇予測装置。
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