JP4349954B2 - 蓄熱式バーナ加熱炉の操業方法 - Google Patents
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Description
なお、複数のバーナは、複数の区画(ゾーン)に分割配置され、加熱炉の操業条件に応じて消火の対象となる区画内のバーナ全てを停止することが可能な構成となっている。ここで、区画内の各バーナの燃焼空気用配管は燃焼空気用供給管に接続され、排ガス用配管は排ガス用搬送管に接続されている。また、各区画の燃焼空気用供給管は燃焼空気用本管に接続され、排ガス用搬送管は排ガス用本管に接続されている。
また、特許文献2には、炉内ガスの温度を上昇させる方法が開示されている。しかし、これは、排ガスブロワの保護のためだけに行っている方法であるため、やはり排ガス用配管の腐食を抑制することは困難である。
そして、特許文献3には、燃焼空気用配管及び排ガス用配管にそれぞれ設けられた開閉弁の開度を調整する方法が開示されている。しかし、これは、排ガス用配管に設けられた開閉弁が高温の排ガスによって焼損することを防止するためのものであり、排ガス用配管の腐食を抑制することは困難である。
以上のように、いずれの方法においても、排ガス用配管の腐食を抑制することは困難であった。
また、図2(B)に示す加熱炉設備82のように、燃焼空気用配管73の1次側部77と、排ガス用配管78の2次側部81との間にバイパス配管83を設け、このバイパス配管83を介して排ガス用切替弁80の2次側部81に燃焼用空気を供給する方法が提案されている。これにより、供給される燃焼用空気は、排ガス用切替弁80の下流側へ流れ、排ガスを希釈できる。
このように、排ガス用配管78内の排ガスを希釈することで、排ガス用配管78の腐食を抑制できる。
図2(A)に示す方法の場合、排ガス用切替弁80のリークが少なければ、バイパス配管75を介して供給された燃焼用空気が、複数のバーナ71が設置された加熱炉(図示しない)内に、バーナ71を通って流れ込み、排ガス用切替弁80の下流側、即ち2次側部81内の排ガスを希釈できない。なお、2次側部81内の排ガスをたとえ希釈できたとしても、燃焼用空気の排ガス用配管78への供給量は僅かであるため、希釈までに長い時間を要する。このため、排ガス用配管78に腐食が発生する恐れがある。
また、図2(B)に示す方法の場合、排ガス用切替弁80の上流側の排ガス用配管78の1次側部79内の排ガスを希釈できず、排ガス用配管78に腐食が発生する。
なお、いずれの方式も、複数の排ガス用配管78が接続される排ガス用搬送管、及び複数の排ガス用搬送管が接続される排ガス用本管の排ガス希釈には効果がない。このため、排ガス用搬送管及び排ガス用本管にも腐食が発生する恐れがある。
複数の前記バーナのうち、間引き運転により間引きの対象となる対となるバーナAの停止後、該対となるバーナAの前記燃焼空気用配管の燃焼空気用切替弁と前記排ガス用配管の排ガス用切替弁とを開状態とし、燃焼用空気を前記燃焼空気用配管から前記排ガス用配管へ流して、該排ガス用配管内の排ガスを下流側へ押し流す。
請求項1記載の蓄熱式バーナ加熱炉の操業方法において、間引き運転により間引きの対象となる対となるバーナAの停止後、この対となるバーナAの燃焼空気用切替弁と排ガス用切替弁とを開状態にして燃焼空気を流すので、排ガス用配管内から排ガスを容易に押し流すことができる。
前記区画のうち、消火対象となる区画B内の全バーナの停止後、該区画Bの各バーナの前記燃焼空気用配管の燃焼空気用切替弁、前記区画Bの各バーナの排ガス用配管の排ガス用切替弁、前記区画B内の全バーナの燃焼空気用配管が接続された燃焼空気用供給管の燃焼空気用流量調節弁、及び前記区画B内の全バーナの排ガス用配管が接続された排ガス用搬送管の排ガス用流量調節弁を開状態にし、燃焼用空気を前記燃焼空気用配管から前記排ガス用配管へ流し、更に前記排ガス用搬送管へ送って、該排ガス用配管内及び該排ガス用搬送管内の排ガスを下流側へ押し流す。
請求項2記載の蓄熱式バーナ加熱炉の操業方法において、消火対象となる区画B内の全バーナの停止後、この各バーナの燃焼空気用切替弁、排ガス用切替弁、燃焼空気用流量調節弁、及び排ガス用流量調節弁を開状態にして燃焼用空気を流すので、排ガス用配管内及び排ガス用搬送管内から排ガスを容易に押し流すことができる。
全ての前記バーナの停止後、該全てのバーナの前記燃焼空気用配管の燃焼空気用切替弁、前記排ガス用配管の排ガス用切替弁、前記各区画内の全バーナの燃焼空気用配管が接続された燃焼空気用供給管の燃焼空気用流量調節弁、及び前記各区画内の全バーナの排ガス用配管が接続された排ガス用搬送管の排ガス用流量調節弁を開状態にし、燃焼用空気を前記燃焼空気用供給管から前記排ガス用配管を介して前記排ガス用搬送管に流し、更に煙突に接続される排ガス用本管へ流して、該排ガス用配管内、該排ガス用搬送管内、及び該排ガス本管内の排ガスを下流側へ押し流す。
請求項3記載の蓄熱式バーナ加熱炉の操業方法において、全てのバーナの停止後、この全てのバーナの燃焼空気用切替弁、排ガス用切替弁、燃焼空気用流量調節弁、及び排ガス用流量調節弁を開状態にして燃焼用空気を流すので、排ガス用配管内、排ガス用搬送管内、及び煙突に接続される排ガス用本管内から排ガスを容易に押し流すことができる。
請求項4記載の蓄熱式バーナ加熱炉の操業方法において、バイパス配管を介して排ガス用配管に燃焼用空気を流すので、排ガス除去後の排ガス用切替弁のリークによる排ガス用配管への排ガスの流入を抑制、更には防止できる。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る蓄熱式バーナ加熱炉の操業方法を適用する加熱炉設備の説明図である。
蓄熱手段12は、燃焼空気用配管10及び排ガス用配管11の共有管部15が接続される蓄熱室16と、この蓄熱室16内に充填され、排ガスの顕熱によって加熱される蓄熱体17とを有している。この蓄熱手段12の蓄熱室16の加熱炉側には、バーナ13が一体的に配置されている。
区画内に配置された各バーナ13の燃焼空気用配管10は、区画内のゾーンヘッダー管18を介して燃焼空気用供給管19に接続され、この各区画毎に設けられた燃焼空気用供給管19が燃焼空気用本管20にそれぞれ接続されている。この燃焼空気用本管20の上流側には、燃焼空気用本管20に燃焼用空気を供給するための燃焼空気用ファンが配置されている。
なお、各排ガス用配管11には、蓄熱室16内で発生する排ガスの排出及び停止を行う排ガス用切替弁29が設けられている。また、排ガス用搬送管27には、上流側から下流側へかけて、管内の流量を測定するためのオリフィス30と、流量を調節する排ガス用流量調節弁31が順次設けられている。
一方、対となるバーナ13の他方の停止時のバーナ13では、誘引送風機によって蓄熱室16内の排ガスを、排ガス用配管11及び排ガス搬送管27を介して排ガス用本管28へ搬送し、煙突から大気へ放散する。このとき、排ガス用切替弁29は開状態、燃焼空気用切替弁21は閉状態となっている。
これにより、各オリフィス24、30で得られる燃焼用空気及び排ガスの流量に基づいて、制御部により各弁を動作させることで、間引きの対象となる特定の対となるバーナ13の停止(間引き運転)、操業条件に対応する特定の区画内の全てのバーナ13の停止、又は蓄熱式バーナ加熱炉の操業停止時における全区画内の全てのバーナ13の停止等を行うことが可能となる。
バーナ13の燃焼時は、排ガス用切替弁29及び排ガス用流量調節弁31を、制御部により閉状態とし、燃焼空気用切替弁21を制御部により開状態、及び燃焼空気用流量調節弁25を制御部により規定開度まで開くことで、バーナ13に燃焼用空気が供給される。このとき、燃焼空気用ファン及び誘引送風機は作動している。
なお、対となるバーナ13は交互に稼働するため、排ガス用配管11内、排ガス用搬送管27内、及び排ガス用本管28内に排ガスが充満している。
この運転としては、例えば、作業者が故意に一対以上のバーナの燃焼を停止する固定間引き、バーナへの吸引前の排ガス温度が基準値以上に上昇又は各切替弁の動作が異常となったときに対象となる一対のバーナの切替燃焼が停止する異常間引き等がある。
蓄熱式バーナ加熱炉の間引き運転時においては、間引きの対象となる対となるバーナ(バーナA)13の燃焼を停止した後、燃焼空気用切替弁21及び排ガス用切替弁29を制御部により開状態にする。このとき、燃焼空気用流量調節弁25及び排ガス用流量調節弁31は、制御を維持する。
これにより、排ガス用配管11の排ガス用切替弁29より上流側に燃焼用空気を流し、蓄熱室16内から排ガス用配管11内に漏出する排ガスを希釈できる。
この停止条件としては、例えば、加熱条件等に応じて作業者が故意に区画内の全てのバーナを消火する場合等がある。
対象となる区画内の全てのバーナ13の停止時においては、区画内の全てのバーナ13による燃焼を停止した後、この区画内の全てのバーナ13の燃焼空気用切替弁21及び排ガス用切替弁29を制御部により開状態にし、燃焼空気用流量調節弁25及び排ガス用流量調節弁31を、制御部により規定開度まで開く。
これにより、排ガス用配管11内及び排ガス用搬送管27内の排ガスを燃焼用空気に置換できるので、各管の腐食を抑制、更には防止でき、排ガス用配管11及び排ガス用搬送管27の寿命を延ばすことができる。なお、排ガスを下流側へ押し流し、排ガス用配管11内及び排ガス用搬送管27内に燃焼用空気を充満させた後は、バイパス配管用開閉弁23を開状態とし、燃焼空気用切替弁21、排ガス用切替弁29、燃焼空気用流量調節弁25、及び排ガス用流量調節弁31を、制御部により閉状態にする。これにより、蓄熱室16内から排ガス用配管11内に漏出する排ガスを希釈する。
この停止条件としては、例えば、蓄熱式バーナ加熱炉の操業停止時、操業条件による全てのバーナ13の停止等がある。
蓄熱式バーナ加熱炉の全てのバーナ13の停止時においては、全てのバーナ13による燃焼を停止した後、全てのバーナ13の燃焼空気用切替弁21及び排ガス用切替弁29を制御部により開状態にし、燃焼空気用流量調節弁25及び排ガス用流量調節弁31を、制御部により規定開度まで開く。
Claims (4)
- 燃焼用空気を供給する燃焼空気用配管と燃焼後に生じた排ガスを排出する排ガス用配管が接続された蓄熱手段をそれぞれ設けた複数のバーナを有し、対となる前記バーナが交互に稼働する蓄熱式バーナ加熱炉の操業方法において、
複数の前記バーナのうち、間引き運転により間引きの対象となる対となるバーナAの停止後、該対となるバーナAの前記燃焼空気用配管の燃焼空気用切替弁と前記排ガス用配管の排ガス用切替弁とを開状態とし、燃焼用空気を前記燃焼空気用配管から前記排ガス用配管へ流して、該排ガス用配管内の排ガスを下流側へ押し流すことを特徴とする蓄熱式バーナ加熱炉の操業方法。 - 燃焼用空気を供給する燃焼空気用配管と燃焼後に生じた排ガスを排出する排ガス用配管が接続された蓄熱手段をそれぞれ設けた複数のバーナを複数の区画に分割し、対となる前記バーナが交互に稼働する蓄熱式バーナ加熱炉の操業方法において、
前記区画のうち、消火対象となる区画B内の全バーナの停止後、該区画Bの各バーナの前記燃焼空気用配管の燃焼空気用切替弁、前記区画Bの各バーナの排ガス用配管の排ガス用切替弁、前記区画B内の全バーナの燃焼空気用配管が接続された燃焼空気用供給管の燃焼空気用流量調節弁、及び前記区画B内の全バーナの排ガス用配管が接続された排ガス用搬送管の排ガス用流量調節弁を開状態にし、燃焼用空気を前記燃焼空気用配管から前記排ガス用配管へ流し、更に前記排ガス用搬送管へ送って、該排ガス用配管内及び該排ガス用搬送管内の排ガスを下流側へ押し流すことを特徴とする蓄熱式バーナ加熱炉の操業方法。 - 燃焼用空気を供給する燃焼空気用配管と燃焼後に生じた排ガスを排出する排ガス用配管が接続された蓄熱手段をそれぞれ設けた複数のバーナを複数の区画に分割し、対となる前記バーナが交互に稼働する蓄熱式バーナ加熱炉の操業方法において、
全ての前記バーナの停止後、該全てのバーナの前記燃焼空気用配管の燃焼空気用切替弁、前記排ガス用配管の排ガス用切替弁、前記各区画内の全バーナの燃焼空気用配管が接続された燃焼空気用供給管の燃焼空気用流量調節弁、及び前記各区画内の全バーナの排ガス用配管が接続された排ガス用搬送管の排ガス用流量調節弁を開状態にし、燃焼用空気を前記燃焼空気用供給管から前記排ガス用配管を介して前記排ガス用搬送管に流し、更に煙突に接続される排ガス用本管へ流して、該排ガス用配管内、該排ガス用搬送管内、及び該排ガス本管内の排ガスを下流側へ押し流すことを特徴とする蓄熱式バーナ加熱炉の操業方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄熱式バーナ加熱炉の操業方法において、排ガスを押し流した後は、前記燃焼空気用切替弁と前記排ガス用切替弁とを閉状態とし、前記燃焼空気用切替弁を跨いで前記燃焼空気用配管に並列に設けられたバイパス配管を介して、前記排ガス用配管に燃焼用空気を流し、前記蓄熱手段から前記排ガス用配管内に漏出した排ガスを希釈することを特徴とする蓄熱式バーナ加熱炉の操業方法。
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