JP2936449B2 - 蓄熱式交番燃焼バーナシステムを備えた加熱炉の操炉方法 - Google Patents

蓄熱式交番燃焼バーナシステムを備えた加熱炉の操炉方法

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JP2936449B2
JP2936449B2 JP5266202A JP26620293A JP2936449B2 JP 2936449 B2 JP2936449 B2 JP 2936449B2 JP 5266202 A JP5266202 A JP 5266202A JP 26620293 A JP26620293 A JP 26620293A JP 2936449 B2 JP2936449 B2 JP 2936449B2
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alternating combustion
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良基 藤井
良一 田中
護 松尾
淳 須藤
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    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/34Indirect CO2mitigation, i.e. by acting on non CO2directly related matters of the process, e.g. pre-heating or heat recovery

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄熱式交番燃焼バーナ
システムを備えた加熱炉において炉の昇温立ち上げ時に
発生する排ガスの結露を防止し、かつ立ち上げ時間を短
縮できる操炉方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年開発された蓄熱式交番燃焼バーナシ
ステムは、一対のバーナを交互に燃焼させてその燃焼排
ガスの熱を非燃焼バーナを通して高温のまま蓄熱体で回
収し、燃焼用空気の予熱源に使用するので、従来の加熱
バーナシステムに比べて熱効率が非常に高くなる。即
ち、蓄熱体出口から系外へ排出される燃焼排ガスの温度
を100〜150℃程度のかなり低い温度にすることが
可能であり、その結果、排ガス熱損失が小さくなる。
【0003】しかしながら、熱効率の面で優れたこの特
性が、炉の立ち上げ時に問題を生じる。ここで、炉の立
ち上げとは、炉を停止した後、しばらく時間が経過し、
再び炉の操業を開始しようとするとき、炉が冷えた状態
から目標の炉温まで、炉に設置されたバーナにより昇温
する工程をいう。この立ち上げ時は、炉内が冷えた状態
(長時間停止した場合は室温近くになる)にあるため、
燃焼排ガスの温度が降下しやすく、蓄熱体に吸引される
燃焼排ガスの温度は通常操業時よりかなり低下する。ま
た、炉体と同様に蓄熱体そのものも冷えているため、蓄
熱体内を流れる燃焼排ガスの冷却熱量も通常より大きく
なり、温度は低下傾向となる。更に、蓄熱体そのものが
燃焼排ガスの顕熱を充分に吸収するように設計されてお
り、前述の2点の影響とあわせた相乗効果で燃焼排ガス
の蓄熱体出口温度は、定常状態の操業中の温度(100
〜150℃程度)をかなり下回るようになる。このた
め、排ガス中の水分が凝縮する温度の露点以下となり、
結露する可能性が極めて高くなる。
【0004】配管内で結露すると、凝縮した水分により
配管や弁の内面の金属が酸化され、スケールが発生す
る。このスケール片が弁の可動部の隙間などに詰まっ
て、噛み込み状態となり、弁の正常な作動が困難とな
る。この状態が進行すると、弁が作動しなくなったり、
弁体の損傷が生ずるようになる。また、スケールの発生
が局部的に集中すると、配管の損傷が著しくなり、配管
に亀裂や穴が発生してしまう。
【0005】このような問題は、硫黄、窒素分の比較的
多い燃料を用いる場合、影響が大きくなる。即ち、燃焼
排ガス中の酸化硫黄、酸化窒素と水分が、結露した際に
反応して酸液を生成する。この酸液が、配管、弁内面の
金属を急速に腐食する。この酸液による腐食の速度は、
水分だけによる腐食速度よりはるかに大きく、損傷の進
行は早まることになる。特に、炉が長時間停止する場合
は、結露した水分がドレインとして配管、弁に溜まり易
く、影響が更に大きくなる。
【0006】そこで、このような問題への対策として、
従来は炉の操業停止中に、間歇的にバーナを燃焼させて
ドレインの発生を抑制する方法や、例えば特開昭62ー
155922号公報に開示されているように、生成ドレ
インを物理的に系外へ除去する方法を採用し、問題の解
決を図っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、操業停
止中の間歇運転は、応急的な対策でドレインの発生を完
全に防止することは無理であるばかりでなく、間歇運転
そのものも常時可能であるとは限らない。
【0008】また、ドレインの系外への除去について
も、全てのドレインを排出することは不可能であるし、
ドレイン抜き弁そのものの詰まり、腐食などの問題もあ
る。
【0009】いずれにしても、従来の排ガス結露対策で
は問題の解決が不充分であり、燃焼排ガスが流れる系統
の配管補修、弁の取換えなどを短い周期で行わざるを得
なかった。
【0010】本発明は、叙上の点に鑑み、蓄熱式交番燃
焼バーナシステムの利点を損なうことなしに、結露を生
じさせず、かつ炉の立ち上げ時間の短縮化が図れる蓄熱
式交番燃焼バーナシステムを備えた加熱炉の操炉方法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の蓄熱式交番燃焼
バーナシステムを備えた加熱炉の操炉方法は、下記の構
成からなるものである。すなわち、一対のバーナを交互
に燃焼させてその燃焼排ガスの熱を非燃焼バーナを通し
て高温のまま蓄熱体で回収し燃焼用空気の予熱源に使用
する蓄熱式交番燃焼バーナシステムを備えた加熱炉にお
いて炉を停止し、再び炉の操業を開始する場合に、予め
炉温を所定温度まで昇温立ち上げてから操業を開始する
操炉方法において、昇温立ち上げ時に、所定炉温に達す
るまでは、通常の連続燃焼方式で昇温を行い、このとき
に発生する全ての燃焼排ガスを炉体に設けられた蓄熱体
を備えていない煙道から排出し、所定炉温に達した以降
は、蓄熱交番燃焼方式により昇温を行うものである。
【0012】また、昇温立ち上げ時には、加熱炉に設置
された全てのバーナを連続燃焼させるものとする。
【0013】また、加熱炉としては、複数のゾーンを有
する連続式加熱炉を使用し、連続燃焼方式による昇温に
より所定炉温に達したゾーンから順次、蓄熱交番燃焼方
式に切換えていくものとする。
【0014】
【作用】本発明においては、昇温立ち上げ時に、所定炉
温(例えば燃焼排ガスの結露が生じない下限の温度)に
達するまでは通常の連続燃焼方式で昇温を行い、このと
きに発生する全ての燃焼排ガスを炉体に設けられた蓄熱
体を備えていない煙道から排出し、定炉温に達した以降
は、蓄熱交番燃焼方式により昇温を行うようにしている
ので、熱効率の面で優れた蓄熱式交番燃焼バーナシステ
ムの利点を損なうことなく、結露の発生を防止すること
ができる。
【0015】また、本発明においては、昇温立ち上げ時
に、加熱炉に設置された全てのバーナを連続燃焼させる
ようにしているので、原理上、炉に設置されたバーナ総
数の中で最大半分のバーナしか燃焼させることができな
い蓄熱交番燃焼方式に比べて燃焼するバーナの個数を増
やすことができる(最大2倍にできる)。このため、所
定炉温までの昇熱時間を短縮でき、これによって総昇熱
時間も短縮できる。
【0016】また、本発明において、加熱炉として、複
数のゾーンを有する連続式加熱炉を使用し、連続燃焼方
式による昇温により所定炉温に達したゾーンから順次、
蓄熱交番燃焼方式に切換えていくことの理由は、昇温立
ち上げ時に、燃焼排ガスを炉体に設けられた煙道から排
出することにより、例えば燃焼排ガスを全て連続式加熱
炉の一端側の炉尻付近(被加熱物の装入部付近)へ流す
ことができるので、各ゾーン間でのガス流が発生しにく
い蓄熱式交番燃焼バーナシステムを使用した連続式加熱
炉であっても、従来のバーナシステム(蓄熱式交番燃焼
バーナシステムでない)からなる連続式加熱炉と同様
に、燃焼排ガスが流れる距離あるいは時間を比較的長く
とることができること、および所定炉温に達した後に蓄
熱交番燃焼方式に切換えることにより、熱効率の面で優
れた蓄熱式交番燃焼バーナシステムの利点が活かされる
ことによる効果が大きいからである。したがって、蓄熱
式交番燃焼バーナシステムを備えた加熱炉であれば、単
一炉方式の加熱炉やバッチ式の加熱炉にも本発明の操炉
方法を適用することができる。
【0017】
【実施例】以下、図示実施例に基づき本発明を説明す
る。図1は本発明の一実施例による蓄熱式交番燃焼バー
ナシステムを備えた加熱炉の操炉方法を説明するための
連続式加熱炉の概略構成を示すブロック図である。ま
た、図2及び図3はその連続式加熱炉の単位炉毎に装備
された蓄熱式交番燃焼バーナシステムを示す概略構成図
であり、図2は単位炉の側面断面図、図3は単位炉の正
面図である。
【0018】連続式加熱炉1は、被加熱物Wの装入口3
と搬出口4を有する単位炉2を複数個連結して構成した
ものである。本実施例では4個の単位炉2からなってお
り、したがって被加熱物を連続的に加熱する4個のゾー
ンを有する。単位炉2には、炉体の上部及び下部に、並
びに各部の左右に、それぞれ一対の蓄熱式燃焼バーナ9
が炉長方向に対向して設置されている。そして各バーナ
9は、図2、図3に示すように、バーナ本体に設けた蓄
熱体11を通して供給された燃焼用予熱空気と、燃料と
を混合する空間10を有し、さらに各々一対のバーナ9
は周期的に交互に燃焼と排気を行うようになっており、
一方のバーナ9が燃焼を停止し、一つの四方弁14で排
気ガスをそのバーナの蓄熱体11を通して炉から引き出
している間に、他方のバーナ9が燃焼を開始し、高温の
燃焼ガスを炉内部に向けて吹き出すようになっている。
なお、図3において、12は押込みファン15により燃
焼用空気を供給する空気供給系、13は誘引ファン16
により排気ガスの排出を行う排気ガス排気系で、空気供
給系12と排気ガス排気系13に四方弁14を設けてい
る。18はスライドスプール形の方向制御弁17を介し
て燃料を供給する燃料供給系である。方向制御弁17
は、図4乃至図6に示す如く、スプール17aが3段階
に切換えられるようになっている。つまり、一対のバー
ナ9の双方に燃料を供給する位置(図4)と、一対のバ
ーナ9のうちの一方に燃料を供給する位置(図5)と、
一対のバーナ9のうちの他方に燃料を供給する位置(図
6)とに切換え可能となっている。また、図1、図2に
おいて、5は単位炉2毎に設けた炉圧制御手段で、集合
煙突8に連通するダクト7に設けたダンパー6の開度を
調節し、通常操業時においては各ゾーンの炉圧を一定に
制御するとともに、炉の立ち上げ時には連続式加熱炉1
の炉尻付近のダンパー6のみを開にして、燃焼排ガスが
全て炉内を炉尻付近へ流れるように制御するものであ
る。
【0019】以上のように構成された蓄熱式交番燃焼バ
ーナシステム100を少なくとも一対以上、単位炉2毎
に設置して、図1に示すように連続式加熱炉1を構成す
る。したがって、連続式加熱炉1の各ゾーンは単位炉2
毎に構成され、蓄熱交番燃焼方式による燃焼時には蓄熱
式交番燃焼バーナ9により前後の隣接ゾーンへ排気ガス
が流出することがほとんどないものとなる。また、各ゾ
ーンの蓄熱式交番燃焼バーナシステム100毎に、バー
ナ9に供給する燃料を制御する燃料流量制御装置101
が設けられている。燃料流量制御装置101は、燃料投
入設定手段102からの燃焼パターン信号に基づき、蓄
熱式交番燃焼バーナシステム100に燃料流量制御信号
を出力するとともに、炉圧制御手段5に対し、現在の燃
料投入パターンが連続燃焼パターン(炉の立ち上げ)で
あるか蓄熱交番燃焼パターン(通常操業)であるかを知
らせるよう構成されている。
【0020】燃料投入設定手段102は、立ち上げ判定
手段103と、燃料投入パターン演算手段104とから
構成される。立ち上げ判定手段103は、各ゾーン毎に
設けた図示しない温度センサからの各炉内温度情報10
5と切換え温度設定値(例えば燃焼排ガスの結露が生じ
ない下限の温度)とを順次比較し、炉内温度が切換え温
度設定値より低い場合には立ち上げと判定し、燃料投入
パターン演算手段104に対してそのゾーンの番号と立
ち上げであることを知らせる信号を出力するとともに、
炉内温度が切換え温度設定値より高い場合には、燃料投
入パターン演算手段104に対してそのゾーンの番号と
交番燃焼許可信号を出力するものである。燃料投入パタ
ーン演算手段104は、立ち上げ判定手段103から立
ち上げであることを知らせる信号と対応するゾーンの番
号が入力すると、そのゾーン内の蓄熱式交番燃焼バーナ
システム100の燃料流量制御装置101に対して燃料
投入パターンを通常の連続燃焼パターンとするよう設定
するとともに、立ち上げ判定手段103から交番燃焼許
可信号と対応するゾーンの番号が入力すると、そのゾー
ン内の蓄熱式交番燃焼バーナシステム100の燃料流量
制御装置101に対して燃料投入パターンを蓄熱交番燃
焼パターンとするよう設定するものである。
【0021】したがって、本実施例において、炉を停止
し、暫く時間が経過した後、再び炉の操業を開始する場
合には、昇温立ち上げであることが立ち上げ判定手段1
03によって自動的に判定され、その判定結果に基づい
て燃料投入パターン演算手段104が各蓄熱式交番燃焼
バーナシステム100の燃料流量制御装置101に対し
てそれぞれの燃料投入パターンを通常の連続燃焼パター
ンとするよう設定する。そして燃料流量制御装置101
の制御により蓄熱式交番燃焼バーナシステム100のバ
ーナ9に供給する燃料が制御され、通常の連続燃焼方式
による昇温が開始される。この際、本実施例では全ての
バーナ9を連続燃焼させるように設定して、燃焼排ガス
の結露が生じない下限の温度までの昇熱時間をできるだ
け短縮できるようにしているが、これに限るものでな
く、一部のバーナ9あるいは一部のゾーンのバーナ9を
連続燃焼させるようにしてもよい。要するに、昇温立ち
上げ時は燃焼排ガスを非燃焼バーナを通して系外へ排出
しないようにすることが重要であり、所期の目的は達成
される。
【0022】通常の連続燃焼方式による昇温が開始され
ると、これに同期して炉圧制御手段5は、集合煙突8に
連通する各ダクト7に設けたダンパー6のうち、連続式
加熱炉1の炉尻付近のダンパー6のみを開にし、それ以
外のダンパー6を全て閉にし、燃焼排ガスが全てのゾー
ンを通過して炉尻付近へ流れるように制御する。これに
より、燃焼排ガスが流れる距離あるいは時間が比較的長
くとれ、更に昇温立ち上げ時の炉体内部は冷えていて、
炉体内を通過する燃焼排ガスからの熱吸収効率が極めて
よいため、効率よく昇温が行われる。また、燃焼排ガス
は炉尻付近のダンパー6から蓄熱体を備えていない集合
煙突8を経て高温のまま排出されるので、集合煙突8内
での結露の発生も防止される。
【0023】立ち上げ判定手段103は、常に各ゾーン
毎の炉内温度情報105と切換え温度設定値とを比較し
てみているので、連続燃焼方式による昇温で炉内温度が
切換え温度設定値より高くなったか否かを各ゾーン毎に
判定でき、炉内温度が切換え温度設定値より高くなった
と判定されたゾーンから順次、燃料投入パターン演算手
段104に対して知らせることができる。燃料投入パタ
ーン演算手段104は、立ち上げ判定手段103の判定
結果に基づいて順次、切換え温度設定値に達したゾーン
の蓄熱式交番燃焼バーナシステム100の燃料流量制御
装置101に設定する燃料投入パターンを通常の連続燃
焼パターンから蓄熱交番燃焼パターンに切換えさせる。
そして燃料流量制御装置101の制御により蓄熱式交番
燃焼バーナシステム100のバーナ9に供給する燃料が
制御され、切換え温度設定値に達したゾーンから順次、
燃焼方式が蓄熱交番燃焼方式に切換えられる。このよう
にして、燃焼方式が通常の連続燃焼方式から順次、蓄熱
交番燃焼方式に切換えられ、最後のゾーンが切換え温度
設定値に達したら、全ゾーンが蓄熱交番燃焼方式による
昇熱状態となり、熱効率の面で優れた蓄熱式交番燃焼バ
ーナシステムの利点が活かされ、従来に比し総昇熱時間
も短縮される。
【0024】また、昇温立ち上げ時に一部のゾーンのバ
ーナ9を連続燃焼させるようにしている場合は、燃焼ゾ
ーンの炉温が切換え温度設定値に達し、この燃焼ゾーン
の燃焼方式が連続燃焼方式から蓄熱交番燃焼方式に切換
えられた時点で、非燃焼ゾーンの一部を点火して通常の
連続燃焼方式で燃焼させ、この方式で順次、切換え、点
火を行っていき、最後のゾーンが切換え温度設定値に達
したとき、全ゾーンが蓄熱交番燃焼方式による昇熱状態
となるようにしてもよい。
【0025】ところで、前述した実施例では本発明の操
炉方法を連続式加熱炉に用いたものを示したが、蓄熱式
交番燃焼バーナシステムを備えた加熱炉であればそれ以
外の方式の加熱炉、例えば単一炉方式の加熱炉やバッチ
式の加熱炉にも本発明の操炉方法を適用することができ
る。この場合、昇温立ち上げ時の連続燃焼方式による燃
焼排ガスが流れる距離は長くとれないが、燃焼量を低減
すれば燃焼排ガスの容量が小さくなるので、炉内通過時
間が増大し、熱交換量を増すことができる。その結果、
熱効率の改善が期待できる。即ち、昇熱時間の短縮を図
りながら熱効率の調節も可能となる訳で、両者の優先比
重をある範囲で任意に選択できる。また、熱効率が劣る
ことになったとしても、ある定められた炉温(切換え温
度設定値)までの昇熱の範囲だけであり、最終目標炉温
までの全体の昇熱を対象とした熱効率は実質的に従来の
加熱方式(全昇熱が蓄熱式交番燃焼によるもの)と差が
ないものとなる。
【0026】最終目標炉温に達するまでに本発明の操炉
方法を適用した場合と従来の加熱方式による場合とでど
のくらいの時間を要したかを具体的に比較して示したの
が図7である。図7は縦軸に炉温を、横軸に時間を取っ
たもので、本発明の操炉方法によるものを実線で、従来
の加熱方式によるものを破線で示してある。また、切換
え温度設定値を600℃、最終目標炉温を1200℃に
設定し、本発明の操炉方法では切換え温度設定値までの
立ち上げ時に各ゾーンの全てのバーナを連続燃焼させ、
従来の加熱方式では最終目標炉温に達するまでの全昇熱
を各ゾーンの全てのバーナを蓄熱式交番燃焼させること
により行ったものである。図から明らかなように、最終
目標炉温(1200℃)に達するまでに、従来の加熱方
式では8時間必要としていたのに対し、本発明の操炉方
法を用いた場合には7時間となり、10%強の時間短縮
効果が得られた。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、昇
温立ち上げ時に、所定炉温に達するまでは通常の連続燃
焼方式で昇温を行い、このときに発生する全ての燃焼排
ガスを炉体に設けられた蓄熱体を備えていない煙道から
排出し、定炉温に達した以降は、蓄熱交番燃焼方式によ
り昇温を行うようにしたので、熱効率の面で優れた蓄熱
式交番燃焼バーナシステムの利点を損なうことなく、結
露の発生を防止することができる。
【0028】また、本発明によれば、昇温立ち上げ時
に、加熱炉に設置された全てのバーナを連続燃焼させる
ようにしたので、原理上、炉に設置されたバーナ総数の
中で最大半分のバーナしか燃焼させることができない蓄
熱交番燃焼方式に比べて燃焼するバーナの個数を増やす
ことができる(最大2倍にできる)とともに、所定炉温
までの昇熱時間を短縮でき、これによって総昇熱時間も
短縮することができる。
【0029】また、本発明によれば、加熱炉として、複
数のゾーンを有する連続式加熱炉を使用し、連続燃焼方
式による昇温により所定炉温に達したゾーンから順次、
蓄熱交番燃焼方式に切換えていくようにしたので、昇温
立ち上げ時の連続燃焼による燃焼排ガスを、例えば連続
式加熱炉の一端側の炉尻付近(被加熱物の装入部付近)
へ流すことができ、各ゾーン間でのガス流が発生しにく
い蓄熱式交番燃焼バーナシステムを使用した連続式加熱
炉であっても、従来のバーナシステム(蓄熱式交番燃焼
バーナシステムでない)からなる連続式加熱炉と同様
に、燃焼排ガスが流れる距離あるいは時間を比較的長く
とることができるとともに、熱効率の面で優れた蓄熱式
交番燃焼バーナシステムの利点を活かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による蓄熱式交番燃焼バーナ
システムを備えた加熱炉の操炉方法を説明するための連
続式加熱炉の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の連続式加熱炉の単位炉の断面側面図であ
る。
【図3】図2の単位炉の正面図である。
【図4】図2の単位炉の燃料供給系内に配置された方向
制御弁を拡大して示す断面図である。
【図5】図4の方向制御弁の異なる態様を示す断面図で
ある。
【図6】図4の方向制御弁の異なる態様を示す断面図で
ある。
【図7】最終目標炉温に達するまでに要する時間を本発
明の操炉方法によるものと従来の加熱方式によるものと
で比較して示す線図である。
【符号の説明】
1 連続式加熱炉 6 ダンパー 7 ダクト 8 集合煙突 9 蓄熱式燃焼バーナ 11 蓄熱体 100 蓄熱式交番燃焼バーナシステム 101 燃料流量制御装置 102 燃料投入設定手段 103 立ち上げ判定手段 104 燃料投入パターン演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 良一 神奈川県横浜市鶴見区尻手2丁目1番53 号 日本ファーネス工業株式会社内 (72)発明者 松尾 護 神奈川県横浜市鶴見区尻手2丁目1番53 号 日本ファーネス工業株式会社内 (72)発明者 須藤 淳 神奈川県横浜市鶴見区尻手2丁目1番53 号 日本ファーネス工業株式会社内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のバーナを交互に燃焼させてその燃
    焼排ガスの熱を非燃焼バーナを通して高温のまま蓄熱体
    で回収し燃焼用空気の予熱源に使用する蓄熱式交番燃焼
    バーナシステムを備えた加熱炉において炉を停止し、再
    び炉の操業を開始する場合に、予め炉温を所定温度まで
    昇温立ち上げてから操業を開始する操炉方法において、 昇温立ち上げ時に、所定炉温に達するまでは、通常の連
    続燃焼方式で昇温を行い、このときに発生する全ての燃
    焼排ガスを炉体に設けられた蓄熱体を備えていない煙道
    から排出し、 所定炉温に達した以降は、蓄熱交番燃焼方式により昇温
    を行うことを特徴とする蓄熱式交番燃焼バーナシステム
    を備えた加熱炉の操炉方法。
  2. 【請求項2】 昇温立ち上げ時に、加熱炉に設置された
    全てのバーナを連続燃焼させることを特徴とする請求項
    1記載の蓄熱式交番燃焼バーナシステムを備えた加熱炉
    の操炉方法。
  3. 【請求項3】 加熱炉として、複数のゾーンを有する連
    続式加熱炉を使用し、連続燃焼方式による昇温により所
    定炉温に達したゾーンから順次、蓄熱交番燃焼方式に切
    換えていくことを特徴とする請求項1または請求項2記
    載の蓄熱式交番燃焼バーナシステムを備えた加熱炉の操
    炉方法。
JP5266202A 1993-10-25 1993-10-25 蓄熱式交番燃焼バーナシステムを備えた加熱炉の操炉方法 Expired - Lifetime JP2936449B2 (ja)

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