JP5649800B2 - クロストリジウムヒストリチカム液体培養物由来のコラゲナーゼの改良された精製 - Google Patents

クロストリジウムヒストリチカム液体培養物由来のコラゲナーゼの改良された精製 Download PDF

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Description

本発明は、タンパク質生化学の分野に属し、精製されたC.ヒストリチカムコラゲナーゼI型およびII型酵素を提供する方法に関する。本発明の技術的な特別な利点は、共存するタンパク質分解活性、特にクロストリパインというプロテアーゼからの所望の酵素の急速な分離の向上である。本発明にしたがった精製に関しては、コラゲナーゼが特に組織分離のためのプロテアーゼブレンドにおける成分として適している。
本発明は、クロストリジウム ヒストリチカム(Clostridium histolyticum)コラゲナーゼI型およびII型タンパク質を、複合(complex)混合物から、硫酸アンモニウムによる沈殿、疎水性相互作用クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、および陰イオンクロマトグラフィーを順次行うことにより精製するための方法を提供する。安定化された部分精製調製物、なおかつ沈殿工程を導く条件が提供される。本発明の方法は、他のタンパク質分解活性物の、素早く、効率的な除去をもたらす。本発明による調製物は、格別に純粋で完全な酵素的に活性であるコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を提供する。本発明はまた、2つの単離されたタンパク質のブレンドを提供する。本発明はさらに、インビトロにおける組織試料を処理するための精製されたコラゲナーゼタンパク質またはそれらのブレンドの使用を提供する。
細菌性コラゲナーゼ(EC3.4.24.3)は、天然コラーゲンのらせん領域を小断片に分解するメタロプロテアーゼである。配列−Pro−Xaa−Gly−Pro−における好ましい切断は、−Glyである。2つのクラスに分類される6つの主要な形態が、免疫学的には交差反応性であるが、異なる配列および異なる特異性を有するクロストリジウム ヒストリチカムから単離されている。他の変異体は、バチルス セレウス(Bacillus cereus)、エンペドバクター コラゲノリチカム(Empedobacter collagenolyticum)、シュードモナス マリノグルチノサ(Pseudomonas marinoglutinosa)、ならびにビブリオ属(Vibrio)およびストレプトミセス属(Streptmyces)の種から単離された。
コラゲナーゼは、クロストリジウム ヒストリチカムなどの細菌の病原性において、細胞外構造を破壊する役割を果たしている。よって、それらは外毒素であり、例えばガス壊疽の蔓延を促進することにより毒性因子として働く。コラゲナーゼは通常、筋肉細胞および他の体内器官における結合組織を標的とする。結合組織に対する潜在的加水分解活性により、コラゲナーゼ、およびサーモリシンなどの他のタンパク質分解酵素は、インビトロでの組織分離に使用される。
クロストリジウム ヒストリチカムにより産生されるコラゲナーゼは、最初に発見され、特徴付けされたコラゲナーゼであった。クロストリジウム ヒストリチカムの培養濾液は、コラゲナーゼおよび他のプロテイナーゼの混合物を含有する。68から130kDaにわたる分子量の6つの主要なコラゲナーゼは、同質に(homogeneity)精製され、I型およびII型コラゲナーゼとして表された(本明細書中では、両方のタンパク質クラスについて集合的に「コラゲナーゼタンパク質」とも言う)。前記クロストリジウムコラゲナーゼはタンパク質鎖あたりおよそ1つの亜鉛を含有し、よって酵素活性には亜鉛原子が必要とされるようである。
技術的規模(a technical scale)では、クロストリジウムコラゲナーゼは、クロストリジウム ヒストリチカムの培養濾液から単離された。粗調製物は、コラゲナーゼならびに茶色の色素、クロストリパイン(クロストリジオペプチダーゼ(clostridiopeptidase)B)、アミノペプチダーゼおよびいくつかの中性プロテイナーゼを含有する。粗調製物は、個々のI型およびII型コラゲナーゼの精製源となり得るが、その精製スキームは極めて長いものである。
混合物中にシステインプロテアーゼ、クロストリパインが存在すると、このペプチダーゼが次第にコラゲナーゼを加水分解するので、重大な技術的問題を引き起こす。この点においては、I型のコラゲナーゼは、II型コラゲナーゼよりもクロストリパインによるタンパク質分解攻撃により敏感なようである。C.ヒストリチカム培養濾液または液体培養物上清からコラゲナーゼを精製する際には、損失を最小にするためにクロストリパインを早い段階で分離することが望ましい。
Bond, M., D., Van Wart, H., E., (Biochemistry 23 (1984) 3077-3085)は、粗酵素調製物で開始するクロマトグラフィーに基づく精製スキームを開示する。第1の工程で、粗酵素はヒドロキシアパタイトを用いてクロマトグラフされた。ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーの機構は、「ミックスモード(mixed-mode)」イオン交換としても知られる。これは、ヒドロキシアパタイト樹脂固定相上の正に荷電したカルシウムイオンおよび負に荷電したリン酸イオンと、負に荷電したカルボキシル基および正に荷電したアミノ基を有するタンパク質との、非特異的相互反応を含む。溶出には、通常、リン酸塩濃度の増加を伴う緩衝液が使用される。Bond, M., D., Van Wart, H., E.,(同上)によると、3つの画分がリン酸カリウムの濃度勾配により溶出された。第1の画分は色素の大部分を含有し、第3の画分はコラゲナーゼ活性の95%を含んだ。第3の画分はさらに、Sephacryl(商標)S200カラムでゲル濾過クロマトグラフィーに付され、続いてL−arginine−Affi−Gel(商標)202によるアフィニティークロマトグラフィーに付された。これらの工程は、組み合わされ、開示された順序で茶色い色素、ならびにカゼイン、ベンゾイル−L−アルギニンエチルエステルおよびエラスチンに対して活性な汚染プロテイナーゼの大部分を除去するために使用された。Reactive Red(商標)120染料リガンドクロマトグラフィーは、I型およびII型コラゲナーゼを再分割した。
国際公開第2003/004628号パンフレットでは、C.ヒストリチカム培養物上清が、続いて(1)ヒドロキシアパタイト、(2)陰イオン交換樹脂、および(3)陽イオン交換樹脂のクロマトグラフィーに付される精製スキームを開示する。ヒドロキシアパタイトカラムから溶出された三番目の画分は、コラゲナーゼI/II画分に相当したが、クロストリパインも含有した。陰イオン交換体は、コラゲナーゼIおよびコラゲナーゼIIを2つの画分に分離させるために溶出された。しかしながら、両方の画分はなおクロストリパインを含有した。コラゲナーゼは、陽イオン交換体を用いてクロストリパインと分離された。
上記の方法は、望まれないクロストリパインをコラゲナーゼから排除することを目的とする様々なクロマトグラフィーアプローチである。
国際公開第2007/089851号パンフレットでは、クロストリパインなどの他のプロテアーゼをかなりな量含む培養濾液からの、コラゲナーゼタンパク質の一次回収工程としての、硫酸アンモニウムとの沈殿の評価を開示する。それによれば、硫酸アンモニウムは、最初100と400g/lとの間の濃度で濾液に添加され、さらに400と520g/lとの間の濃度で添加された。沈殿によるコラゲナーゼの回収は、400g/lで有意であること、およびこの濃度を用いて生産されたペレットは再懸濁が最も容易であることが見出された。さらに、400g/lより高い濃度では、コラゲナーゼタンパク質についてよく似た回収率が明らかに結果として得られた。
コラゲナーゼをより大規模で生産するために、国際公開第2007/089851号パンフレットは、(1)特別に選択されたC.ヒストリチカムの菌株(strain)、(2)クロストリパインの生産を減少させることを目的とする傍らコラゲナーゼの生産を最適化する生育条件での発酵工程、および(3)コラゲナーゼI/IIの精製スキームの組み合わせを開示する。
C.ヒストリチカム株の選択および液体発酵培地の双方の要素が、精製過程で用いられる原料中のクロストリパインの減少に寄与する。したがって、国際公開第2007/089851号パンフレットに開示される条件は、mg(全コラゲナーゼ)あたり0.7と5.5Uとの間の特定のクロストリパイン活性を有する原料調製物を基準とする精製スキームであることが言及されている。その開示によると、硫酸アンモニウム沈殿の効果としてクロストリパインの著しい分離は見出されなかったので、これらの値は培養物上清中のクロストリパイン対コラゲナーゼ率をも反映している。クロストリパインが比較的低量(mg(全コラゲナーゼ)あたり0.7および5.5Uの間)であることは、発酵培養液(broth)においてペプトンを選択した効果であるようだ。特にブタ由来ペプトンが、この効果を与えるために使用される。
発酵産物を含むコラゲナーゼの原料調製物は、発酵培養液からの硫酸アンモニウム沈殿により得られた。
国際公開第2007/089851号パンフレットの精製スキームは、液体発酵バッチの濾過で始まる。濾液への硫酸アンモニウムの添加および不溶性物質の除去に続いて、液相での硫酸アンモニウム存在下で、疎水的相互作用クロマトグラフィーが行われる。クロストリパインの周知の(可逆的)阻害剤であるロイペプチンおよび他のセリンおよびシステインプロテアーゼが、コラゲナーゼを含む溶出画分に添加された。このことはクロストリパインおよび/または他のプロテアーゼの完全な分離が達成されなかったことを示唆している。ロイペプチンは、精製過程の後半の工程で除去される。
最終的な精製コラゲナーゼIおよびコラゲナーゼII調製物は、さらにN末端切断分解産物およびコラゲナーゼIに対してはC末端切断分解産物をも含んでいることについても言及されている。
国際公開第2007/089851号パンフレットの精製方法における、ロイペプチンの幅広い使用は、疎水的相互作用クロマトグラフィーの後でさえも、顕著な残余量の望ましくないタンパク質分解活性物が、コラゲナーゼを含む溶出画分に存在することを示す。こういった残余プロテアーゼは、特にそれらが所望のコラゲナーゼを素早く分解するため不利益であり、コラゲナーゼI型は特に敏感な標的である。
本発明の目的は、複合混合物からクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を精製する方法を提供することである。本発明の目的は、クロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を精製する方法であって、クロストリパインなどの他のタンパク質分解活性の相対量を含有する複合混合物、例えばC.ヒストリチカム培養用の発酵培養液が(ペプトンなどの)哺乳類由来の要素を何も含まず、特異的クロストリパイン活性が、mg(全コラゲナーゼ)あたり約10および約200Uの間、好ましくはmg(全コラゲナーゼ)あたり約50および約200Uの間、より好ましくはmg(全コラゲナーゼ)あたり約75および約200Uの間、さらにより好ましくはmg(全コラゲナーゼ)あたり約100および約200Uの間である濾液または上清に適用可能な方法を提供することである。
本発明者らは、驚くべきことに、疎水的相互作用クロマトグラフィーに先立つ硫酸アンモニウム((NH42SO4)での沈殿工程により、所望のI型およびII型コラゲナーゼを含む安定した中間産物が得られることを見出した。沈殿を回収および再溶解のうえ、疎水性相互作用クロマトグラフィーを、得られたコラゲナーゼを含有するプールされた溶出液におけるクロストリパインの活性を約100倍〜約150倍、トリプシンの活性を100倍〜400倍低減するために行うことができ、該再溶解された沈殿物に存在する量と比較して、混合コラゲナーゼIおよびIIの80〜95%がプールされた溶出液に存在する。結果として、疎水的相互作用クロマトグラフィー後、コラゲナーゼIおよびIIの混合物は、プロテアーゼ阻害剤(たとえばロイペプチン)が存在しなくても実質的に安定である。つまり、本発明の条件下では、コラゲナーゼIまたはIIのタンパク質分解が全く検出されないか、最小限しか検出されない。重要なことに、調製物中の共存する非コラゲナーゼプロテアーゼの除去は非常に効果的で、さらなるコラゲナーゼIおよびIIの精製により、N末端分解さえも欠く異例の純度の産物がもたらされる。
本発明の第1の側面は、複合混合物からクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を部分的に精製する方法であって、(a)水性液相に溶解した複合混合物を提供する工程、(b)硫酸アンモニウムを工程(a)の液相に溶解することにより、コラゲナーゼI型およびII型タンパク質の沈殿を形成する工程、(c)工程(b)の沈殿を液相から分離する工程、(d)工程(c)の沈殿を、Ca2+イオンを含有し、6.0および8.0の間のpHの水性緩衝液に溶解し、かつ溶解した沈殿物を含む緩衝液の導電率を50および300mS/cmの間の値に調整し、それによりコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を含む複合緩衝溶液を形成する工程;(e)工程(d)の複合緩衝溶液を疎水性固定相と接触させることにより抽出し、かつコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を該固定相に吸着させる工程;(f)抽出溶液から、工程(e)の吸着されたコラゲナーゼI型およびII型タンパク質と共に該疎水性固定相を分離する工程;(g)コラゲナーゼI型およびII型タンパク質を工程(f)の該固定相から溶出する工程;を含み、それによりコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を精製する方法である。本発明の第2の側面は、本発明による方法で得ることが可能な、酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を含む調製物である。本発明の第3の側面は、本発明による方法で得ることが可能な、酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型の精製調製物である。本発明の第4の側面は、本発明による方法で得ることが可能な、酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼII型の精製調製物である。本発明の第5の側面は、本発明による精製調製物の第1の測定量が、本発明による精製調製物の第2の測定量と混合されることを特徴とする、クロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型およびクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼII型を含む混合物である。本発明の第6の側面は、本発明による酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型の精製調製物、本発明による酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼII型の精製調製物、または本発明による混合物の組織試料を加工するための使用であって、それにより試料中に存在するコラーゲンが消化される使用である。
本発明の方法は、他のタンパク質分解活性物の、迅速で効率的な除去をもたらす。本発明による調製物は、格別に純粋で完全な酵素的に活性であるコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を提供する。本発明はまた、2つの単離されたタンパク質のブレンドを提供する。本発明はさらに、インビトロにおける組織試料を処理するための精製されたコラゲナーゼタンパク質またはそれらのブレンドの使用を提供する。
疎水性相互作用クロマトグラフィー後の、コラゲナーゼII型およびI型タンパク質の安定性。MONO−Q(商標)分析が、実施例5にしたがって実施された。4つのクロマトグラムの重ね合わせが示されている。「II」および「I」と表されているピークは、それぞれ、コラゲナーゼII型およびI型タンパク質を参照している。「a」、「b」、「c」および「d」と付けられた矢印は、精製された混合物の4℃での、0日間(「a」)、2日間(「b」)、3日間(「c」)および6日間(「d」)のインキュベーションの後の、コラゲナーゼI型タンパク質に相当する主たるピークの高さを示している。 疎水性相互作用クロマトグラフィー後の、コラゲナーゼII型およびI型タンパク質のMONO−Q(商標)クロマトグラム(方法については実施例5を参照)。ピークの表記は図1と同様である。 Red SEPHAROSE(商標)FAST FLOWクロマトグラフィー後の、コラゲナーゼII型およびI型タンパク質のMONO−Q(商標)クロマトグラム(方法については実施例5を参照)。ピークの表記は図1と同様である。 精製されたコラゲナーゼI型のHPLC/ESI−MS結果例。縦座標:mAU、横座標:時間。グループIのピーク(「I」として示されている)のピークの高さは、約1180ユニットおよび約4720ユニットの間であった。相対的に、グループIIの主たるピーク(「II」として示されている)の高さは、約207527ユニットであった。 精製されたコラゲナーゼII型のHPLC/ESI−MS結果例。縦座標:mAU、横座標:時間。グループIのピーク(「I」として示されている)のピークの高さは、約840ユニットおよび約3840ユニットの間であった。相対的に、グループIIの主たるピーク(「II」として示されている)の高さは、約226388ユニットであった。
いくつかの用語は、特定の意味で使用されるか、または本発明のこの説明において初めて定義される。本発明の目的のために、使用する用語は技術分野で受け入れられている定義が存在する場合、それらの定義が以下に示す定義と対立または部分的に対立する場合を例外として、その定義により定義される。定義において対立する場合は、用語の意味はまず以下に示す任意の定義により定義される。
本発明は、Bond, M., D., van Wart, H., E., Biochemistry 23 (1984) 3077-3085およびBond, M., D., van Wart, H., E., Biochemistry 23 (1984) 3085-3091においてすでに既知のI型およびII型C.ヒストリチカムコラゲナーゼ(EC3.4.24.3)を参照する。
用語「含む(comprising)」は、本発明の説明および特許請求の範囲において、「含むが、必ずしもこれに限定されない」という意味で使用される。
冠詞「ある(a)」および「ある(an)」は、本明細書中では、1つまたは1つ以上(すなわち少なくとも1つ)のその冠詞の文法的目的物をいうために使用される。一例として、「ある化合物(a compound)」は、1つの化合物または1つ以上の化合物を意味する。
濃度範囲などの数値範囲を指定する場合、その範囲は単語「間(between)」によって示され、第1の値n1および第2の値n2がその後に続く。指定された範囲の下の境界は、第1の値と同じまたはより高い値であると理解される。指定された範囲の上の境界は、第2の値と同じまたはより低い値であると理解される。よって、値xの指定された範囲はn1≦x≦n2と示される。
別途記載されていなければ、数値nと組み合わされた用語「約」は、その値の±5%の数値間隔の値、すなわちn−0.05×n≦x≦n+0.05×nの値xを示す。数値nと組み合わされた用語「約」が、発明の好ましい実施態様を説明する場合には、もし別に示されていなければ、nの値が最も好ましい。
アミノ酸識別には、3文字の省略形とアミノ酸の1文字アルファベット、すなわちAsp D アスパラギン酸、Ile I イソロイシン、Thr T スレオニン、Leu L ロイシン、Ser S セリン、Tyr Y チロシン、Glu E グルタミン酸、Phe F フェニルアラニン、Pro P プロリン、His H ヒスチジン、Gly G グリシン、Lys K リジン、Ala A アラニン、Arg R アルギニン、Cys C システイン、Trp W トリプトファン、Val V バリン、Gln Q グルタミン、Met M メチオニン、Asn N アスパラギンが使用される。
コラゲナーゼタンパク質がそこから精製される「複合混合物」は、本明細書中では目的のタンパク質および1以上の不純物を含む。その組成物は、「部分的に精製されて」いてもよく(すなわち1以上の精製工程に付されている)、またはタンパク質を産生するC.ヒストリチカム培養物から直接得てもよい(たとえば、複合混合物は採取した培養液を含み得る)。
「不純物」とは、任意の所望のタンパク質とは異なる物質である。不純物には、C.ヒストリチカムタンパク質、任意の標的タンパク質以外のポリペプチド、核酸、内毒素、外毒素、ファージ成分などが含まれるが、これに限定されない。本明細書中で使用されるように、一般的に「タンパク質」は約10より多くアミノ酸を有するポリペプチドをいう。コラゲナーゼ酵素活性により特徴付けられるタンパク質という条件下において、それぞれのアイソフォームを含むコラゲナーゼI(「コラゲナーゼI型」)およびコラゲナーゼII(「コラゲナーゼII型」)タンパク質は、「所望のタンパク質」、「標的タンパク質」、「目的のタンパク質」ともよばれる。よって一例としては、Bond, M., D., van Wart, H., E., Biochemistry 23 (1984) 3085-3091に記載のコラゲナーゼタンパク質の任意のひとつである。用語「所望のタンパク質」、「標的タンパク質」、「目的のタンパク質」、「コラゲナーゼ酵素」、「コラゲナーゼタンパク質」のいずれかひとつの複数形は、もし別に明確に言及されていなければ、コラゲナーゼI型およびII型タンパク質全体をいう。タンパク質および1以上の不純物を含む組成物からそのタンパク質を「精製する」ことにより、該組成物から少なくともひとつの不純物を(完全にまたは部分的に)除去することにより、該組成物中のタンパク質の純度の程度を増加させることが意味される。本発明により、コラゲナーゼタンパク質の精製は、硫酸アンモニウム沈殿、疎水的相互作用クロマトグラフィー、および陽イオン交換クロマトグラフィーを含むプロセスであって、それらの精製工程がこの特定の順序でなされるプロセスにより行われる。「精製工程」とは、C.ヒストリチカムコラゲナーゼI型およびII型タンパク質の「均質的な(homogenous)」組成物を最終的に生じる精製プロセス全体の部分である。したがって、均質的な組成物中にある場合、タンパク質は「均質的に精製され」ている。コラゲナーゼI型とII型のタンパク質は、付加的かつその後の陰イオン交換クロマトグラフィー工程によって均質的に精製される。
用語「クロマトグラフィー」は、混合物の個々の溶質の移動相の影響下で固定培地中を移動する率または結合および溶出過程の差異の結果として、混合物中の目的の溶質が混合物中の他の溶質と分離される過程をいう。「塩」とは、酸および塩基の相互作用により形成される化合物をいう。本発明において有用な塩には、塩化物(たとえば塩化ナトリウム、塩化カルシウム)および硫酸塩(たとえば硫酸アンモニウム)が含まれるが、これに限定されない。本明細書中で使用されるように、「溶媒」とは、1以上の他の物質を溶解または分散し、溶液を提供することができる液体物質をいう。
用語「イオン交換」および「イオン交換クロマトグラフィー」とは、混合物中の溶質不純物または汚染物質より大きくまたは小さく、目的の溶質が荷電した化合物と非特異的に相互作用するように、混合物中の(タンパク質などの)目的の溶質が、固相イオン交換物質に(共有結合などにより)結合した荷電化合物と相互作用するクロマトグラフィープロセスをいう。混合物中の1以上の汚染溶質(不純物)は、目的の溶質より早くまたは遅く、イオン交換物質のカラムから溶出するか、または目的の溶質と比較して樹脂に結合されるかもしくは樹脂から排除される。「イオン交換クロマトグラフィー」は、具体的には陽イオン交換、陰イオン交換およびミックスモードクロマトグラフィーを含む。「イオン交換物質」とは、負に荷電した(すなわち陽イオン交換樹脂)、または正に荷電した(すなわち陰イオン交換樹脂)固相をいう。電荷は、1以上の荷電したリガンドを、たとえば共有結合により固相に結合することで提供され得る。代わりに、または加えて、電荷は固相の固有の性質であってもよい(たとえば全体に負の電荷を有するシリカの場合のように)。
「固相」または「固定相」は、1以上の荷電したリガンドが付着できる非水性マトリックスを意味する。固相または固定相は、精製カラム、個々の粒子の不連続相、膜またはフィルターなどであってもよい。固相を形成するための物質の例には、(アガロースおよびセルロースなどの)多糖類;ならびにシリカ(たとえば調節細孔ガラス)、ポリ(スチレンジビニル)ベンゼン、ポリアクリルアミド、セラミック粒子および任意の上記の誘導体などの、他の機械的に安定したマトリックスが含まれる。
「陽イオン交換樹脂」とは、負に荷電した固相をいい、よって該固相上または中を通過する水溶液中の陽イオンと交換するための遊離陽イオンを有する。陽イオン交換樹脂を形成するために固相に結合される負に荷電したリガンドは、たとえばカルボン酸塩または硫酸塩であってもよい。商業的に入手可能な陽イオン交換樹脂としては、カルボキシ−メチル−セルロース、スルホプロピル(SP)固定アガロース(たとえば、SP−SEPHAROSE(商標)FAST FLOWまたはSP−SEPHAROSE(商標)HIGH PERFORMANCE)およびスルホニル固定アガロース(たとえばS−SEPHAROSE(商標)FAST FLOW)がある。「ミックスモードイオン交換樹脂」とは、陽イオン部分、陰イオン部分および疎水性部分により共有結合で(covalently)修飾された固相をいう。
本明細書中で使用される「陰イオン交換樹脂」とは、正に荷電した固相をいい、たとえば、そこに結合する四級アミノ基などの1以上の正に荷電したリガンドを有する。商業的に入手可能な陰イオン交換樹脂には、DEAEセルロース、QAE SEPHADEX(商標)およびFAST FLOW Q SEPHAROSE(商標)がある。
「緩衝液」とは、その酸−塩基共役構成要素の作用によりpHの変化を抑える溶液である。たとえば緩衝液の望ましいpHによって採用される多様な緩衝液が、緩衝液(Buffers)、生物系における緩衝液の調製と使用の手引き(A Guide for Preparation and Use of Buffers in Biological Systems), Gueffroy, D.,編、Calbiochem Corporation (1975)に記載される。ある実施態様では、緩衝液は約2から約9の範囲、あるいは約3から約8の範囲、あるいは約4から約7の範囲、あるいは約5から約7の範囲のpHを有する。この範囲にpHを調節するだろう緩衝液の非限定的な例には、MES、MOPS、MOPSO、トリス(Tris)、HEPES、リン酸、酢酸、クエン酸、コハク酸およびアンモニウム緩衝液ならびにこれらの組み合わせが含まれる。
「ローディング(loading)緩衝液」とは、目的のポリペプチド分子および1以上の不純物を含む組成物をイオン交換樹脂にロードするために使用される。ローディング緩衝液は、目的のポリペプチド分子(および一般的には1以上の不純物)がイオン交換樹脂に結合されるような、または目的のタンパク質がカラムを貫流する一方不純物が樹脂に結合するような導電率および/またはpHを有する。本明細書中で使用される用語「洗浄緩衝液」とは、目的のポリペプチド分子を溶出する前に、イオン交換樹脂を洗浄または再均衡化するために使用される緩衝液をいう。好都合なことに、洗浄緩衝液とローディング緩衝液とは同じであってもよいが、同じであることが必要とされてはいない。「溶出緩衝液」は、目的のポリペプチドを固相から溶出するために使用される。溶出緩衝液の導電率および/またはpHは、目的のポリペプチドがイオン交換樹脂から溶出されるようになっている。「再生緩衝液」は、再利用可能なようにイオン交換樹脂を再生するために使用され得る。再生緩衝液は、実質的にすべての不純物および目的のポリペプチドをイオン交換樹脂から除去するために必要とされる導電率および/またはpHを有する。
用語「導電率」とは、2つの電極間に電流を伝導する水溶液の能力をいう。溶液において、電流はイオン輸送により流れる。よって、溶液は、水溶液中に存在するイオン量が増加するにつれて、より高い導電率を有するだろう。導電率の測定の単位はセンチメーターあたりミリシーメンス(mS)(mS/cm)であり、導電率メーターを使用し測定できる。溶液の導電率は、溶液中のイオンの濃度を変化させることで変えられる。たとえば、溶液中の緩衝剤の濃度および/または塩(たとえば、(NH42SO4、NaClまたはCaCl2)の濃度は、望ましい導電率を達成するために変えてもよい。好ましくは、多様な緩衝液の塩濃度は、かなり後の実施例の欄中に記載されるような望ましい導電率を達成するために改変される。
分子を(疎水性相互作用物質またはイオン交換物質などの)固定相に「結合する」とは、分子が固定相中または固定相上に「吸着」または可逆的に固定化されるのに適切な条件(pH/導電率)下で、分子を固定相にさらすことを意味する。これは、分子と固定相の官能基との疎水性相互作用またはイオン性相互作用により影響され得る。固定相を「洗浄する」とは、適切な緩衝液を固定相中または固定相上を通過させることを意味する。本発明の好ましい実施態様では、洗浄過程の間、標的タンパク質は固定相にまたは固定相上に吸着されたままである。固定相から分子(たとえば、所望のポリペプチドまたは不純物)を「溶出する」ことは、固定相の官能基から分子が放出されるように、固定相を囲む緩衝液の組成、導電率、イオン強度およびpHからなる群より選択されるパラメーターを変えることによって、分子をそこから除去することを意味する。
本発明は、C.ヒストリチカム培養物上清または濾液など、すなわちコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を溶解物として含む複合溶液から、酵素的に活性なコラゲナーゼタンパク質を精製する方法を提供する。標的タンパク質のタンパク質分解を制限するために、複合溶液は2℃から10℃の間の温度に冷却される。続く精製工程は、別段の指示がなければこの範囲の温度において実施される。
目的のタンパク質を含有する溶液が一旦得られると、溶液中の望ましくない構成要素からのそれらの分離は、普通異なるクロマトグラフィー技術の組み合わせを用いて試みられる。望ましくない構成要素には、(タンパク質、ペプトン、炭水化物および他の化合物などの)培養培地の残留成分、または細胞により産生される他のタンパク質(すなわち非コラゲナーゼタンパク質)が含まれる。
本発明の第1の実施態様においては、クロマトグラフィー精製は、硫化アンモニウム沈殿工程により先行される。沈殿により、望ましくない構成要素の大部分がコラゲナーゼタンパク質から分離される。液体培養物上清または濾液など(集合的に「透明な培養物上清」ともいう)において、2.6Mおよび2.8Mの間の濃度((NH42SO4の標的濃度)の硫化アンモニウムの存在下で、コラゲナーゼタンパク質を含む沈殿が形成される。
硫化アンモニウム沈殿は、タンパク質の溶解性を変化させることによるタンパク質精製方法である。これは、塩析として知られるより一般的な技術の特定の事例である。硫化アンモニウムは、高いイオン強度の塩溶液を可能にするほどその溶解性が高いので、一般的に使用される。タンパク質の溶解性は、溶液のイオン強度により変化し、それ故に塩濃度により変化する。2つの別個の効果が観察され;低塩濃度では、タンパク質の溶解性は塩濃度が増加する(すなわちイオン強度が増加する)につれて増加し、その効果は塩溶と称される。塩濃度(イオン強度)がさらに増加すると、タンパク質の溶解性は減少し始める。充分に高いイオン強度では、タンパク質はほぼ完全に溶液から沈殿するだろう(塩析)。高イオン強度でのタンパク質の溶解性は著しく異なるので、塩析は所定のタンパク質の精製を補佐するのに非常に有用な手順である。一般的に使用される塩は硫化アンモニウムであり、それは硫化アンモニウムが非常に水に可溶性であり、酵素活性に悪影響がないためである。液相を持続的に撹拌しながら、硫化アンモニウムは乾燥物として添加できる。あるいは、硫化アンモニウムは濃縮溶液として、たとえば飽和水溶液として添加できる。好ましくは、(NH42SO4の標的濃度に達するために、(NH42SO4は、液体培養物上清または濾液などに約30分間以上持続的に添加され、そこに溶解される。
2.6Mおよび2.8Mの間の硫化アンモニウム濃度に調整した後、沈殿は約10分および約30分の間形成させられる。沈殿したタンパク質は、その後遠心分離により除去され、その後硫化アンモニウム濃度は、目的のタンパク質のほとんどが沈殿し、一方溶液中になお存在するタンパク質汚染物の最大量を残す値にまで増加される。沈殿した目的のタンパク質は、遠心分離により回収され、精製の次の段階用の新鮮な緩衝液中に溶解される。
この技術は、本発明の精製スキームにおける第1工程として、迅速に大量の汚染タンパク質を除去するのに有用である。精製の後半の段階において、ゲル濾過および他のクロマトグラフィー分離技術などの手順後に、希薄溶液からタンパク質を濃縮するためにも、この技術は用いられる。
クロマトグラフィー技術は、その電荷、疎水性の程度、または大きさに基づき、タンパク質の混合物を分離する。いくつかの異なるクロマトグラフィー樹脂が、これらの技術のそれぞれに利用でき、含有される特定のタンパク質に的確に精製スキームを調整することが可能となる。これらの各分離方法の本質は、タンパク質が、長いカラムを異なる速度で下方へ移動させられ、カラムのさらに下方へ通過するにつれ物理的分離が達成され得るか、または分離媒体に選択的に付着させられ、その後異なる溶媒により溶出され得ることである。いくつかの場合においては、不純物が特異的にカラムに付着し、目的のタンパク質は付着しない、つまり目的のタンパク質は「フロースルー(flow-through)」中に存在する場合に、所望のタンパク質は不純物から分離される。
交換可能な対イオンに由来して命名されたイオン交換クロマトグラフィーは、イオン性分子の精製に適用可能な手順である。イオン性分子は、それらの荷電した基の、固相支持マトリックスに結合した反対に荷電した分子との非特異的静電的相互作用に基づき分離され、それによって固相とより強く相互作用するそれらのイオン性分子を遅延させる。イオン性分子の各タイプの正味電荷およびマトリックスへの親和力は、荷電した基の数、各基の電荷、および荷電した固相マトリックスとの相互作用を競合する分子の性質により変化する。これらの差異が、イオン交換クロマトグラフィーにより、結果として多様な分子タイプを分離する。イオン交換クロマトグラフィーを用いる典型的なタンパク質精製において、哺乳類細胞培養物におけるような宿主細胞由来の多くのタンパク質の混合物が、イオン交換カラムに適用される。非結合分子が洗い流された後、段階または勾配法でpHまたは対イオン濃度などを変化させることなどにより条件を調整し、非特異的に残留または遅延する目的のイオン性タンパク質を固相から放出させ、異なる荷電特性を有するタンパク質から分離する。陰イオン交換クロマトグラフィーは、目的の陰イオン分子と負の対イオンとが、特別な分離過程のpHおよび条件下で、固相マトリックスに結合する正に荷電した分子との相互作用を競合することを含む。対照的に、陽イオン交換クロマトグラフィーは、目的の陽イオン分子と正の対イオンとが、特別な分離過程のpHおよび条件下で、負に荷電した固相マトリックスに結合した分子を競合することを含む。ミックスモードイオン交換クロマトグラフィーは、陽イオンおよび陰イオンの交換クロマトグラフィー媒体を、同じ工程中に組み合わせて使用することを含む。特に「ミックスモード」とは、陽イオン交換、陰イオン交換、および疎水性相互作用部分の混合物がそこに共有結合している固相支持マトリックスをいう。
疎水性相互作用クロマトグラフィー(「HIC」ともいう)は、タンパク質を互いに分離するために疎水性の特性を利用する分離技術である。この型のクロマトグラフィーでは、フェニル、オクチルまたはブチルなどの疎水基が固定相に結合されている。表面に疎水性アミノ酸側鎖を有する、カラムを通り抜けるタンパク質は、カラム上の疎水基と相互作用および結合することができる。概して、HIC分離において、高イオン強度の緩衝液、通常は硫化アンモニウムが最初カラムに適用される。緩衝液中の塩は、遊離試料の溶解を減じ、よって溶解が減少し露出するようになった疎水性領域は媒体により吸着される。疎水性標的分子が吸着されるにつれて、塩は結合を促進する必要が減少する。固相から吸着したタンパク質を溶出するために、塩濃度は疎水性の増加にしたがって減少する。緩やかな減少は勾配の形をとって適用できる。さらに、溶出は、特定の有機修飾物質の使用または界面活性剤の使用によって達成できる。
HICのために、固定相は他の分子との疎水性相互作用を形成することができる。これらの相互作用は、水中では弱すぎる。しかしながら、緩衝液への塩の添加は、結果として疎水性相互作用をもたらす。疎水性相互作用を増加させる塩には:(相互作用を増強する能力順に)Na2SO4、K2SO4、(NH42SO4、NaCl、NH4Cl、NaBr、およびNaSCNが含まれる。
逆相クロマトグラフィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィーは非常に類似しているが、概して、逆相クロマトグラフィーにおけるリガンドは疎水性相互作用クロマトグラフィーにおけるリガンドより疎水性が強い。これにより疎水性相互作用クロマトグラフィーでは、試料をほとんど崩壊させないより穏やかな溶出条件を用いることが可能になる。HICを実施するのに好ましい固定相には、TOYOPEARL(商標)Phenyl−650、Phenyl SEPHAROSE(商標)CL−4B、Phenyl SEPHAROSE(商標)6 FAST FLOW(HIGH SUB)およびPhenyl SEPHAROSE(商標)6 FAST FLOW(LOW SUB)が含まれる。
本発明により提供される重要な利点としては、特にクロストリパイン活性をコラゲナーゼタンパク質から分離する最適化部分精製がある。したがって、続く精製工程におけるコラゲナーゼタンパク質の分解が最小化される。さらに詳しくは、本発明は以下の側面および好ましい実施態様を含む:
1.複合混合物からクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を精製する方法であって、
(a)水性液相に溶解した複合混合物を提供する工程、
(b)硫酸アンモニウムを工程(a)の液相に溶解することにより、コラゲナーゼI型およびII型タンパク質の沈殿を形成する工程、
(c)工程(b)の沈殿を液相から分離する工程、
(d)工程(c)の沈殿を、Ca2+イオンを含有し、6.0および8.0の間のpHの水性緩衝液に溶解し、かつ溶解した沈殿物を含む緩衝液の導電率を50および300mS/cmの間の値に調整し、それによりコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を含む複合緩衝溶液を形成する工程;
(e)工程(d)の複合緩衝溶液を疎水性固定相と接触させることにより抽出し、かつコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を該固定相に吸着させる工程;
(f)抽出溶液から、工程(e)の吸着されたコラゲナーゼI型およびII型タンパク質と共に該疎水性固定相を分離する工程;
(g)コラゲナーゼI型およびII型タンパク質を工程(f)の該固定相から溶出する工程;
を含む、それによりコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を精製する方法。
2.工程(b)が、液相に硫酸アンモニウムを約2.6Mおよび約3.2Mの間、より好ましくは約2.6Mおよび約2.8Mの間の濃度で溶解することにより実施され、それによりコラゲナーゼI型およびII型タンパク質の沈殿を形成することを特徴とする第1項記載の方法。
3.1Lの液相に約417gおよび約458gの間の硫酸アンモニウムが溶解されることを特徴とする第2項記載の方法。
4.工程(c)の後、沈殿の溶解性について、工程(a)の溶解した複合混合物における各タンパク質分解活性と相対的に、クロストリパインのタンパク質分解活性が90倍および150倍の間減少し、かつトリプシンの活性が100倍および約400倍の間減少することを特徴とする第2または3項記載の方法。
5.クロストリパインのタンパク質分解活性が100倍および150倍の間減少し、かつトリプシンの活性が約200倍および約400倍の間減少することを特徴とする第4項記載の方法。
6.クロストリパインのタンパク質分解活性が150倍まで減少し、かつトリプシンの活性が約400倍まで減少することを特徴とする第5項記載の方法。
7.工程(c)にさらに、10℃以下の温度で沈殿を貯蔵することを含む工程(c’)が続くことを特徴とする第1〜6項のいずれかに記載の方法。
8.貯蔵の温度が10℃および−20℃の間であることを特徴とする第7項記載の方法。
9.貯蔵の温度が−20℃であることを特徴とする第8項記載の方法。
10.工程(d)において、水性緩衝液が5mMの濃度のCa2+イオンを含むことを特徴とする第1〜9項のいずれかに記載の方法。
11.工程(d)において、水性緩衝液がpH6〜8.5の範囲で緩衝できる緩衝化合物を含むことを特徴とする第1〜10項のいずれかに記載の方法。
12.緩衝化合物が20mMの濃度で存在することを特徴とする第11項記載の方法。
13.工程(d)において、水性緩衝液が、BES(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸)、トリス(2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール)、ビストリス(ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−トリス(ヒドロキシメチル)メタン)、ビストリスプロパン(1,3−ビス(トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ)プロパン)、HEPES(N−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸)、MES(2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸)、MOPS(3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸)、MOPSO(3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸))、TAPS(N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸)、TES(N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸)、TEA(トリエタノールアミン)およびトリシン(N−(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)グリシン)からなる群より選択される緩衝化合物を含むことを特徴とする第1〜12項のいずれかに記載の方法。
14.工程(d)において、水性緩衝液がTESまたはHEPESを含むことを特徴とする第13項記載の方法。
15.工程(d)において、水性緩衝液のpHが中性であることを特徴とする第1〜14項のいずれかに記載の方法。
16.工程(d)において、複合緩衝溶液のpHが中性であることを特徴とする第1〜15項のいずれかに記載の方法。
17.工程(d)において、複合緩衝溶液の導電率が50mS/cmおよび290mS/cmの間であることを特徴とする第1〜16項のいずれかに記載の方法。
18.工程(d)において、複合緩衝溶液の導電率が50mS/cmおよび200mS/cmの間であることを特徴とする第17項記載の方法。
19.工程(d)において、複合緩衝溶液の導電率が50mS/cmおよび150mS/cmの間であることを特徴とする第18項記載の方法。
20.工程(d)において、複合緩衝溶液の導電率が90mS/cmおよび100mS/cmの間であることを特徴とする第19項記載の方法。
21.工程(d)において、複合緩衝溶液の導電率が約95mS/cmであることを特徴とする第20項記載の方法。
22.複合緩衝溶液における硫酸アンモニウムの濃度が0.3Mおよび1Mの間であることを特徴とする第17〜21項のいずれかに記載の方法。
23.複合緩衝溶液における硫酸アンモニウムの濃度が約0.6M、より好ましくは0.6Mであることを特徴とする第22項記載の方法。
24.工程(f)の固定相が、疎水性有機残基と共に誘導された固相マトリックスであることを特徴とする第1〜23項のいずれかに記載の方法。
25.工程(f)の固定相が、へキシル、ブチル、オクチルおよびフェニルからなる群より選択される有機基と共に誘導された固相マトリックスであることを特徴とする第24項記載の方法。
26.固相マトリックスがアガロース、メタクリレート誘導体、アクリルアミドの重合体、アクリルアミドを含む共重合体、ビニルモノマー類に由来するポリマー(ビニルポリマー)ならびにスチレンおよびジビニルベンゼンを含む共重合体からなる群より選択されることを特徴とする第24または25項記載の方法。
27.工程(f)の固定相が、TOYOPEARL(商標)Phenyl−650、Phenyl SEPHAROSE(商標)CL−4B、Phenyl SEPHAROSE(商標)6 FAST FLOW(HIGH SUB)およびPhenyl SEPHAROSE(商標)6 FAST FLOW(LOW SUB)からなる群より選択されることを特徴とする第24〜26項のいずれかに記載の方法。
28.工程(f)の固定相が、Phenyl SEPHAROSE(商標)6 FAST FLOW(LOW SUB)であることを特徴とする第27項記載の方法。
29.工程(f)にさらに、工程(f)の固定相を、Ca2+イオンを含みpHが中性で導電率が50mS/cmおよび300mS/cmの間である水性洗浄緩衝液で洗浄し、それによりコラゲナーゼI型およびII型タンパク質が固定相に吸着されたままとなることを含む工程(f’)が続くことを特徴とする第1〜28項のいずれかに記載の方法。
30.洗浄緩衝液の導電率が、工程(d)の複合緩衝溶液の導電率と同じであることを特徴とする第29項記載の方法。
31.Ca2+イオンの濃度および/または硫酸アンモニウムの濃度および/または洗浄緩衝液のpHが、工程(d)の複合緩衝溶液と同じであることを特徴とする第29または30項記載の方法。
32.工程(g)が、工程(f’)の固定相からコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を溶出することにより実施されることを特徴とする第29〜31項のいずれかに記載の方法。
33.工程(g)が、複合緩衝溶液におけるよりも低い濃度および低い導電率で塩を含有する溶出緩衝液と共に実施されることを特徴とする第1〜32項のいずれかに記載の方法。
34.工程(g)が、固定相に塩濃度勾配を適用することにより実施されることを特徴とする第33項記載の方法。
35.工程(g)が、1以上の溶出緩衝液を適用し、定組成溶離を実施することで実施されることを特徴とする第33項記載の方法。
36.工程(g)において、コラゲナーゼI型およびII型タンパク質が固定相に溶出緩衝液を適用することにより溶出され、溶出緩衝液の導電率が複合緩衝溶液の導電率よりも約20%低いことを特徴とする第33項記載の方法。
37.溶出緩衝液の導電率が、約76mS/cmであることを特徴とする第36項記載の方法。
38.複合混合物がさらに、タンパク質分解活性を有する酵素を含むことを特徴とする第1〜37項のいずれかに記載の方法。
39.複合混合物が、クロストリパイン(エンドプロテアーゼ Arg−C、EC3.4.22.8)、天然プロテアーゼおよびトリプシン活性を有する酵素からなる群より選択されるタンパク質分解活性を有する酵素を含むことを特徴とする第38項記載の方法。
40.複合混合物が、液体クロストリジウム ヒストリチカム培養物の上清または濾液であることを特徴とする第38または39項記載の方法。
41.工程(g)、および任意には続く硫酸アンモニウムの除去工程で得ることが可能なコラゲナーゼI型およびII型タンパク質が、酵素として活性であることを特徴とする第1〜40項のいずれかに記載の方法。
42.工程(g)にさらに次の工程が続き、次の工程において硫酸アンモニウムがコラゲナーゼI型およびII型タンパク質から分離されることを特徴とする第1〜41項のいずれかに記載の方法。
43.工程(g)の溶出後のコラゲナーゼI型およびII型タンパク質が、陽イオン交換クロマトグラフィーによりさらに精製され、それによりさらなる残りのタンパク質分解活性がコラゲナーゼI型およびII型タンパク質からさらに分離されることを特徴とする第1〜42記載の方法。
44.陽イオン交換クロマトグラフィーが、約5mMの濃度のCa2+イオン、緩衝化合物、および中性pHの存在下で実施されることを特徴とする第43項記載の方法。
45.緩衝化合物の濃度が20mMであることを特徴とする第43または44項記載の方法。
46.緩衝化合物が、BES、トリス、ビストリス、ビストリスプロパン、HEPES、MES、MOPS、MOPSO、PIPES、TAPS、TES、TEAおよびトリシンからなる群より選択されることを特徴とする第45項記載の方法。
47.緩衝化合物がTESまたはHEPESであることを特徴とする第46項記載の方法。
48.陽イオン交換クロマトグラフィーが、約5mMの濃度のCaCl2の存在下で実施されることを特徴とする第44項記載の方法。
49.陽イオン交換クロマトグラフィー固定相が、SP SEPHAROSE(商標)であることを特徴とする第43〜48項のいずれかに記載の方法。
50.コラゲナーゼI型およびII型タンパク質が、
(A)さらに精製されたコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を陰イオン交換固定相と接触させ、コラゲナーゼI型およびII型タンパク質を該固定相に吸着する工程;
(B)工程(A)の固定相からコラゲナーゼI型およびコラゲナーゼII型タンパク質を、別々の画分に溶出する工程;
を行うことにより分離され、それによりコラゲナーゼI型およびコラゲナーゼII型タンパク質が別々に精製されることを特徴とする第43〜49項のいずれかに記載の方法。
51.工程(A)が、約5mMの濃度のCa2+イオン、緩衝化合物、および中性または弱アルカリ性pHの存在下で実施されることを特徴とする第50項記載の方法。
52.工程(B)が、1×の濃度で約35mMの濃度のCa2+イオン、緩衝化合物、および中性または弱アルカリ性pHを含む溶出緩衝液の1×〜25×濃度勾配を適用する勾配溶離を用いて実施され、1×が勾配の開始濃度であり25×が勾配の最終濃度であることを特徴とする第50または51項記載の方法。
53.弱アルカリ性pHが7.5であることを特徴とする第51または52項記載の方法。
54.緩衝化合物の濃度が5mMであることを特徴とする第51または52項記載の方法。
55.緩衝化合物が、BES、トリス、ビストリス、ビストリスプロパン、HEPES、MES、MOPS、MOPSO、PIPES、TAPS、TES、TEAおよびトリシンからなる群より選択されることを特徴とする第54項記載の方法。
56.緩衝化合物がTESまたはHEPESであることを特徴とする第55項記載の方法。
57.工程(A)が、約5mMの濃度のCaCl2の存在下で実施されることを特徴とする第51項記載の方法。
58.工程(B)において、溶出緩衝液が、1×の濃度で約35mMの濃度のCaCl2を含むことを特徴とする第52項記載の方法。
59.陰イオン交換固定相が、Q−SEPHAROSE(商標)であることを特徴とする第50〜58項のいずれかに記載の方法。
60.工程(B)で得ることが可能なコラゲナーゼI型およびII型タンパク質が、酵素として活性であることを特徴とする第43〜59項のいずれかに記載の方法。
61.コラゲナーゼI型およびII型タンパク質が、別々の画分において得られることを特徴とする第50〜60項のいずれかに記載の方法。
62.第1〜42項のいずれかに記載の方法によって得ることが可能な、酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を含む調製物。
63.前記調製物において、トリプシンタンパク質分解活性が、液体クロストリジウム ヒストリチカム培養物の上清または濾液の複合混合物と比較して、約100倍および約400倍の間減少することを特徴とする第62項記載の調製物。
64.第61項記載の方法で得ることが可能な、酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型の精製調製物。
65.調製物中の約82%のコラゲナーゼI型タンパク質が、LC ESI−MSにより測定された113,920Daの分子量を有することを特徴とする、第64項記載の酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型の精製調製物。
66.約82%のコラゲナーゼI型タンパク質のN末端が完全であることを特徴とする、第65項記載の酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型の精製調製物。
67.コラゲナーゼI型タンパク質のN末端がアミノ酸配列IANTNSを有することを特徴とする、第66項記載の酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型の精製調製物。
68.第61項記載の方法で得ることが可能な、酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼII型の精製調製物。
69.調製物中の約93%のコラゲナーゼII型タンパク質が、LC ESI−MSにより測定された112,000Daの分子量を有することを特徴とする、第68項記載の酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼII型の精製調製物。
70.約93%のコラゲナーゼII型タンパク質のN末端が完全であることを特徴とする、第69項記載の酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼII型の精製調製物。
71.コラゲナーゼII型タンパク質のN末端がアミノ酸配列VQNESKを有することを特徴とする、第70項記載の酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼII型の精製調製物。
72.調製物におけるクロストリパイン活性が、約0.04U/mgタンパク質未満、より好ましくは約0.01U/mgタンパク質および約0.03U/mgタンパク質の間であることを特徴とする、第64〜67項のいずれかに記載の酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型の精製調製物。
73.調製物におけるクロストリパイン活性が、約0.07U/mgタンパク質未満、より好ましくは約0.04U/mgタンパク質および約0.06U/mgタンパク質の間であることを特徴とする、第68〜71項のいずれかに記載の酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼII型の精製調製物。
74.調製物におけるトリプシン活性が、約0.0003U/mgタンパク質未満、より好ましくは約0.0001U/mgタンパク質および約0.0003U/mgタンパク質の間であることを特徴とする、第64〜67項のいずれかに記載の酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型の精製調製物。
75.調製物におけるトリプシン活性が、約0.001U/mgタンパク質未満、より好ましくは約0.0003U/mgタンパク質および約0.001U/mgタンパク質の間であることを特徴とする、第68〜71項のいずれかに記載の酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼII型の精製調製物。
76.第64〜67項のいずれかに記載の精製調製物の第1の測定量が、第68〜71項のいずれかに記載の精製調製物の第2の測定量と混合されることを特徴とする、クロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型およびクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼII型を含むブレンド。
77.混合物が、さらなるタンパク質分解酵素の調製物の第3の測定量をさらに含むことを特徴とする第76項記載のブレンド。
78.第64〜67項のいずれか、または第72もしくは74項に記載の酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼI型の精製調製物の、組織試料を加工するための使用であって、それにより試料中に存在するコラーゲンが消化される使用。
79.第68〜71項のいずれか、または第73もしくは75項に記載の酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼII型の精製調製物の、組織試料を加工するための使用であって、それにより試料中に存在するコラーゲンが消化される使用。
80.第76または77項に記載のブレンドの組織試料を加工するための使用であって、それにより試料中に存在するコラーゲンが消化される使用。
以下の実施例および図面は、本発明の理解を助けるために提供され、その真の範囲は添付の特許請求の範囲で示される。本発明の精神を逸脱することなく、示された手順を改変できることは理解される。
実施例1
C.ヒストリチカムのコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を含む原材料
好ましい原材料は、C.ヒストリチカムの液体培養物の透明な上清である。培養液中でのC.ヒストリチカムの増殖を支持する液体培地は、当該技術分野において公知である。このような培地に関する最近の文献は、国際公開第2007/089851号パンフレットを含む。不必要なタンパク質分解活性の除去およびコラゲナーゼタンパク質の最終的な調製物の純度に関して、下記に記載されるように本発明の精製スキームを使用する場合には、異なる増殖培地で有意差は見られなかった。
段階的に規模を増大する工程において、C.ヒストリチカムは、窒素雰囲気下、液体培養液中で嫌気的に増殖された。初めの種培養は、典型的には約100mLの容量で開始した。その後の前培養は、例えば、1L、10L、50Lなどと増加された容量で、段階的に行われた。大規模な発酵は、約100Lから約2500Lまでの範囲の培養物容量で行われた。増殖温度は30℃であり、そして、発酵培地のpHは、約7.3の値で維持された。一定の間隔で、培養物の試料が取り出され、そして、実施例2に記載されているように、上清をコラゲナーゼのタンパク質分解活性に関して試験した。典型的には、大規模な発酵槽は、前培養物の添加の後、約15時間および約18時間の間に収集された。
発酵の終了時点で、培養物は、約2℃および8℃の間の温度まで冷却された。細胞性物質、残渣粒子およびその他の粒子状物質が、遠心分離または濾過のどちらかにより、液体培地から分離され、結果として両方の方法から透明な培養物上清が生じた。濾過の場合、濾液は、孔径が約0.3μmから約1μmの間であるフィルター材を通された。良好な結果が、ACROPAK(商標) 500材(孔径0.45〜0.8μm)を用いた場合に得られた。
その後の精製工程の前に、いくつかのタンパク質分解活性が、透明な培養物上清において分析された。これらは、コラゲナーゼ(実施例2参照)、クロストリパイン(実施例3参照)およびトリプシン(実施例4参照)のタンパク質分解活性を含んだ。タンパク質含有量は、従来の方法によって、典型的には、UV分光法、ブラッドフォード法− ローリー法−もしくはビウレット法タンパク質アッセイ、または、ビシンコニン酸アッセイを用いて測定された。典型的な透明な培養物上清は、約1.5g/Lのタンパク質含有量および約4kU/Lのコラゲナーゼ活性を有していた。
あるいは、培養物上清の凍結乾燥物(Bond, M., D., van Ward, H., E., Biochemistry 23 (1984) 3077-3085)などの原料調製物が出発材料とされ得る。この場合、凍結乾燥物の水溶液が、さらに下記で記載されるように、本発明にしたがって処理される。
実施例2
コラゲナーゼI型およびII型のタンパク質分解活性を測定するためのアッセイ
コラゲナーゼのタンパク質分解活性は、合成ペプチド基質を用いた、ブンシュユニット(Wuensch units)(Wuensch, E., Heidrich, H., Z., Physiol. Chem. 333 (1963) 149-159)における標準的な方法によって測定された。コラゲナーゼのタンパク質分解活性は、修飾された基質(「ブンシュ」)ペプチド、4−フェニルアゾ−ベンジルオキシカルボニル−Pro−Leu−Gly−Pro−Arg(バッケム(Bachem)、M1715)のLeuおよびGly残基の間の加水分解を触媒する。活性の1ユニット(U)は、25℃、pH7.1での、1分あたりの1μMのペプチドの加水分解によって定義される。
基質ペプチド(「基質」とも言う)は、溶液で、そして、1mg/mLの濃度で準備した。10mgの基質ペプチドを初めに、0.2mLのメタノールに溶解した。溶液の容量を、pH7.1の0.1MのトリスHClを添加することによって、10mLに増量した。さらなる試薬は、水中0.1MのCaCl2溶液ならびに5容量部の酢酸エチルおよび1容量部の水中0.025Mのクエン酸からなる抽出混合物である。0.35〜0.4gのNa2SO4を含む試験管として、乾燥管が準備された。使用を前に、それぞれの乾燥管はパラフィルムで密封された。
対照および試料の反応は、次の分注手順および工程の流れにしたがって、試験管中において設定された:
Figure 0005649800
コラゲナーゼI型およびII型酵素の両方を含む混合物において、ブンシュペプチドを基質として使用して活性のアッセイが実施される場合、測定されるコラゲナーゼIIの活性は、常にコラゲナーゼIの活性よりも高かった。本発明の完全な精製スキームにしたがって精製され、そして、実施例14に記載されるように最終生成物として得られた、コラゲナーゼII型は、タンパク質のmgあたり約10および約14Uの間の特異的活性を有していた;同じように精製されたコラゲナーゼI型の特異的活性は、タンパク質のmgあたり約0.1および約0.3Uの間であった。
実施例3
クロストリパインのタンパク質分解活性を測定するためのアッセイ
クロストリパインのタンパク質分解活性は、合成基質を用いた方法によって測定された。クロストリパインのタンパク質分解活性は、ベンゾイル−L−アルギニン エチルエステル(「BAEE」とも参照される)の加水分解を触媒し、それによって、ベンゾイル−L−アルギニンおよびエタノールを生成する。反応は、クロストリパインに特異的であり、そして、基質は、コラゲナーゼのタンパク質分解活性によっては、非常に限られた量しか転換されない。
合成基質(「基質」とも参照される)は、溶液で、そして、pH7.6の0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(「PPB」)中に溶解された38mMの濃度で準備された。さらなる試薬は、PPB、PPBに溶解された194mMのジチオスレイトール(「DTT」)および0.01MのCaCl2溶液である。
対照および試料の反応は、次の分注手順および工程の流れにしたがって、試験管中において設定された:
Figure 0005649800
反応速度は、基質BAEEの加水分解に起因する、255nmにおける吸光度の増大として測定される。1Uのクロストリパインのタンパク質分解活性は、上記で明示された条件下、25℃かつpH7.6で、1分あたり1μMのBAEEを加水分解する。
実施例4
トリプシンのタンパク質分解活性を測定するためのアッセイ
トリプシンは、LysまたはArgによって寄与されているカルボキシル基の結合を優先的に加水分解する。トリプシンのタンパク質分解活性は、合成基質を用いた方法によって測定された。トリプシンのタンパク質分解活性は、Z−Val−Gly−Arg−4−ニトロアニリンとも参照される、CROMOZYM(商標) TRYの加水分解を触媒し、それによって、Z−Val−Gly−Argおよび4−ニトロアニリン(「4−NA」)を生成する。
合成基質(「基質」とも参照される)は、溶液で、そして、超純水中に溶解された10mMの濃度で準備された。さらなる試薬は、0.02MのCaCl2、pH8、0.1MのトリスHClである。
対照および試料の反応は、次の分注手順および工程の流れにしたがって、試験管において設定された:
Figure 0005649800
反応速度は、基質の加水分解に起因する405nmにおける吸光度の増大として測定される。1Uのトリプシンのタンパク質分解活性は、上記で明示された条件下、25℃かつpH8で、1分あたり1μMのCROMOZYM(商標) TRYを加水分解する。
実施例5
MONO−Q(商標) HPLC分析アッセイ
サンプリングされた、分取用のクロマトグラフの画分のアリコートを、MONO−Q(商標)カラムを用いたHPLCによって分析した。コラゲナーゼI型およびII型タンパク質の両方が存在している場合、MONO−Q(商標)クロマトグラフィーは、タンパク質を分離することができる。タンパク質の量および純度は、例えばUV分光計を用いて記録されたMONO−Q(商標)クロマトグラムに基づいて、評価することができる。
HPLC分析は、MONO−Q(商標) 5/50カラム(GE、コード番号17−5166−01)を用いて実施された。試料を適用する前に、カラムを、1mMのCaCl2、pH7.5、20mMのトリスHCl(「緩衝液A」、カラム容量の10倍量)で平衡化した。コラゲナーゼI型およびII型タンパク質を通常含む試料を適用し、そしてイオン交換材に結合させ、続いて、カラム容量の3倍量の緩衝液Aで洗浄した。溶出は、緩衝液Aで開始され、そして、1MのNaCl、1mMのCaCl2、pH7.5、20mMのトリスHCl(緩衝液B)の15%濃度で終了する、直線の濃度勾配を成している、カラム容量の30倍量の溶出緩衝液を用いて実施された。さらなる望ましくない(異質の)タンパク質を、15%より多くそして100%までの間の濃度の緩衝液Bで溶出した。その後、カラムを、カラム容量の8倍量の緩衝液Aをカラムに通すことによって再調整した。
検出には、UV−分光器が使用された。吸収は、280nmの波長において観測された。
実施例6
コラゲナーゼタンパク質の質量スペクトル分析
精製されたタンパク質の分析は、HPLC/ESI−MSによって実施された:タンパク質は、アライアンス HT(Alliance HT)(ウォータース)機器または類似の装置を用いた逆相HPLCによって分離された。好ましいカラムは、Vydac C18、Protein&Peptide、250×2.1mm 218 TP 52(マッハライ アンド ナーゲル(Macherey & Nagel)、ドイツ)であった。タンパク質は、UV検知器を用いて、226nmの波長でオンラインで検出された。スキャンモードでは、タンパク質は、QTOF II(ウォータース)機器を用いた、エレクトロスプレー質量分析(ESI−MS)によって検出された。
試料は、水中で1mg/mlのタンパク質濃度に調整された。個々の試行において、10μLのタンパク質溶液が、注入され、そして、分析された。2回の分析のランの間には、交差汚染を避けるために、ただの水からなるモック試料(10μL)が2回注入された。
図4は、コラゲナーゼI型調製物の結果を示している。2つの群のピークが、図4に示されているように得られた。グループIIは、総ピーク面積の約90%を表していた。グループII内の主たるピークは、113,930Daの分子量に相当し、総ピーク面積の82%を占めていた。グループII内の小さいピークは、113,410Daの分子量に相当し、総ピーク面積の8%を占めていた。
図5は、コラゲナーゼII型調製物の結果を示している。2つの群のピークが、図5に示されているように得られた。グループIIは、ただ1つの主たるピークからなり、総ピーク面積の約93%を表していた。そのピークは、112,000Daの分子量に相当していた。
実施例7
Red SEPHAROSE(商標)、SP SEPHAROSE(商標)クロマトグラフィーおよびQ SEPHAROSE(商標)クロマトグラフィーを用いた、C.ヒストリチカムのコラゲナーゼI型およびII型タンパク質の調製
以下に記載されている全ての工程は、別段の指示のない限り、約2℃および約8℃の間の温度で実施した。透明な培養物上清を、実施例1に記載されているように得た。第1の工程では、硫酸アンモニウムを、上清中に約1.65Mの濃度で溶解した。1つの例としては、245.65gの硫酸アンモニウムを、上清1Lに対して溶解し、そして、約8時間および約24時間の間インキュベートした。沈殿を、遠心分離または濾過によって、液相から分離した。透明な液相を、その後、pH7の、0.02MのHEPES、1mMのCaCl2(以下、「緩衝液R1」とも参照される)に対して、透析濾過した;透析濾過に続いて、液相の導電率を、2mS/cmより低い値に調整し、液相を、必要とあれば、追加の緩衝液R1で希釈した。液相のpHを、トリス/HEPES緩衝液を用いて、6.8および7.0の間の値に調整した。
タンパク質含量は、液相の1:20の希釈液の、280nmでの消光を測定することによって求められた。加えて、液相を、実施例5に記載されているように、MONO−Q(商標) HPLCを用いて分析した。
以下のクロマトグラフィー工程の間、全ての移動相のpHは、他に示されていない限り、pH7±0.2に維持した。緩衝液R1で平衡化された、分取用のRed SEPHAROSE(商標)FAST FLOWカラムは、液相をロードされ、そして、その後、カラムからの流出液の280nmでの光学密度がベースラインに到達し、顕著に変化しなくなるまで、2倍またはそれ以上のカラム容量の緩衝液R1で洗浄された。したがって、ベースラインは、最終的には、洗浄緩衝液中の少量のタンパク質のみを反映した。その後、カラムは、pH9の、0.02MのトリスHCl、1mMのCaCl2、1MのNaClを含む溶出緩衝液(以下、「緩衝液R2」とも参照される)にて溶出された。溶出液を集め、そして、pH7の、20mMのHEPES、5mMのCaCl2(以下、「緩衝液S1」とも参照される)に対して、透析濾過した;液相のタンパク質含有量は、5mg/mLに調整され、そして、導電率が、2mS/cmより小さい値に調整され、液相は、必要とあれば、追加の緩衝液S1で希釈された。
以下の工程において、分取用のSP SEPHAROSE(商標)クロマトグラフィーが実施された。カラム材を調整するために、SP SEPHAROSE(商標)カラムを初めに水で洗浄した;その後、カラム容量の半分の0.5MのCaCl2および2.5倍のカラム容量のpH7の、100mMのHEPES、5mMのCaCl2を、カラムに通した。その後、カラムを、緩衝液S1で洗浄した;カラムを、Red SEPHAROSE(商標)クロマトグラフィーの後に得られた、透析濾過され、そして、調整された液相のpH(±0.2)を流出液が有するようになるまで、緩衝液S1で平衡化した。SP SEPHAROSE(商標)カラムは、その後、コラゲナーゼタンパク質およびさらなる不純物を含む、前記液相をロードされた。ローディング工程に続いて、カラムを、緩衝液S1で洗浄し、そして、タンパク質の溶出を観察した。クロストリパインおよびコラゲナーゼタンパク質が、別々の画分に集められた。コラゲナーゼタンパク質の画分が、pH7.5の、5mMのHEPES、1mMのCaCl2(以下、「緩衝液Q1」とも参照される)に対する透析濾過によって濃縮された。
コラゲナーゼI型およびII型タンパク質は、その後の分取用Q SEPHAROSE(商標)クロマトグラフィー工程において分離された。Q SEPHAROSE(商標) ffカラムを、初めに水で洗浄した;その後、カラム容量の半分の4Mのグアニジン塩酸塩をカラムに通し、続いて水でさらに洗浄し、0.5MのNaOHおよび0.5MのHClをそれぞれ1回通し、水でさらに洗浄し、そして、最終的に、緩衝液Q1でカラムを平衡化した。SP SEPHAROSE(商標)クロマトグラフィーの後で得られた、コラゲナーゼタンパク質を含む液相を、カラムに適用した。約1〜2倍のカラム容量の緩衝液Q1を、カラムに適用し、そして、フロースルーを廃棄した。コラゲナーゼI型およびII型タンパク質を、25倍のカラム容量を含み、95%の緩衝液Q1、5%の緩衝液Q2(pH7.5の、5mMのHEPES、35mMのCaCl2)の比で開始され、そして、5%の緩衝液Q1および95%の緩衝液Q2の比で終了する、濃度勾配を適用することによって、別々に溶出した。タンパク質の溶出が観察された。コラゲナーゼI型およびII型タンパク質を、別々の画分に集め、そして、HPLC分析(実施例5参照)を用いて確認した。
実施例8
Red SEPHAROSE(商標) FAST FLOWを用いた精製後の、コラゲナーゼI型およびII型タンパク質の割合の定量的測定
コラゲナーゼI型およびII型タンパク質は、実施例7の方法にしたがって精製された。MONO−Q(商標)分析は実施例5に説明されているように実施された。コラゲナーゼI型およびII型タンパク質に相当する、ピーク下の積分値が定量された。この点について、図3が、クロマトグラムの1例を示している。示されているようなピーク下の面積の定量が、表1に記載されている。
Figure 0005649800
コラゲナーゼII型タンパク質の総ピーク面積は、7.29分および9.75分の間の間隔から得られ、そして、総ピーク面積の28.1%を占めている。
総ピーク面積の10.3%を占めている、9.75分および12.35分の間の間隔にあるピークは、考慮から外された。質量スペクトル分析は、このピーク面積が、種々のコラゲナーゼI型分解生成物の混合物およびいくつかの非コラゲナーゼタンパク質を反映していることを示していた。
完全(intact)なコラゲナーゼI型タンパク質の総ピーク面積は、14.36分および15.87分の間の間隔から得られ、そして、総ピーク面積の10.2%を占めている。分解生成物は、15.87分および17.54分の間(29.7%)、ならびに17.54分および19.61分の間(12.1%)で検出される。全てまとめると、コラゲナーゼI型に関するピーク面積は、総ピーク面積の52%を占めている。
したがって、コラゲナーゼタンパク質のI型/II型の比は、52/28.1に相当しており、1.85の値と概算される。
以下において、コラゲナーゼI型およびII型タンパク質の精製のための、その他のタンパク質分解活性による標的タンパク質の分解の影響を特に克服する新規な方法および工程の流れが示される。
実施例9
透明な培養物上清からの、コラゲナーゼI型およびII型タンパク質の沈殿
下記に記載される全ての工程は、他に示されていない限り、約2℃および約8℃の間の範囲の温度で実施された。C.ヒストリチカムの液体培養物のACROPAK(商標) 500フィルター材を用いた限外濾過法(実施例1参照)によって得られた、透明な培養物上清に、秤量された量の固体の硫酸アンモニウムが添加された。硫酸アンモニウムは、徐々に、約20分および約30分の間の時間にわたって上清に添加され、そして、最終的な濃度である3.2Mに到達するまで、撹拌によって溶解された。硫酸アンモニウムが完全に溶解した後、沈殿が約10分および約20分の間に形成させられた。その後、沈殿物質が、残りの液相から遠心分離によって単離された。単離された沈殿は、さらなる精製工程のために直接的に再溶解される(実施例10参照)か、または、約2℃および約8℃の間で2週間まで、もしくは、−20℃で2週間以上、貯蔵された。
実施例10
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)
実施例9の処置によって得られた、単離された沈殿は、pH7の、5mMのCaCl2、20mMのHEPESを含む水溶性緩衝液に溶解され、そして、溶液の導電率が、硫酸アンモニウムを用いて、約95mS/cmの値に調整された。溶液は、Phenyl SEPHAROSE(商標)6 FAST FLOW(LOW SUB)(ジェネラル エレクトリック、GE 17−0965−04)を固定相とする、クロマトグラフィーカラムに適用された。その前に、カラムは、pH7の、0.6Mの(NH42SO4、5mMのCaCl2、20mMのHEPESを含む緩衝液で平衡化された。
コラゲナーゼタンパク質を含む混合物をカラム上にロードしている間、フロースルーは廃棄された。その後、結合されたコラゲナーゼタンパク質を含む固定相が、pH7の、0.6Mの(NH42SO4、5mMのCaCl2、20mMのHEPESを含む水溶性の洗浄緩衝液を用いて洗浄され、洗浄緩衝液の導電率は、約95mS/cmであった。典型的には、10および15倍の間のカラム容量の洗浄緩衝液が、洗浄工程のためにカラムを通された。洗浄緩衝液のフロースルーは廃棄された。
コラゲナーゼタンパク質は、pH7の、5mMのCaCl2、20mMのHEPESで構成されている溶出緩衝液を用いて定組成溶離を実施することによって、固定相より除去され、緩衝液の導電率は、硫酸アンモニウムを用いて76mS/cmの値に調整された。このために、15および20倍の間のカラム容量の溶出用緩衝液が、カラムを通された。
もう1つの方法として、pH7の、5mMのCaCl2、20mMのHEPESから開始される勾配溶離が実施され、溶液の導電率は、硫酸アンモニウムを用いて約95mS/cmの値に調整された(「緩衝液1」)。勾配の最終の濃度は、pH7の、5mMのCaCl2、20mMのHEPES(「緩衝液2」)で硫酸アンモニウムは含まない。勾配の総容量は、典型的には、10倍のカラム容量であった。勾配溶離の後、カラムは、追加の、10倍のカラム容量の緩衝液2を用いて溶出された。
コラゲナーゼタンパク質を含む、溶出液または溶出液の集められた画分は、その後、濃縮、および、pH7の、5mMのCaCl2、20mMのHEPESに対する透析濾過に付された。
実施例11
疎水性相互作用クロマトグラフィー後の、コラゲナーゼタンパク質の安定性
実施例10の処置によって得られた、透析濾過された溶出液のアリコートが、安定性試験のために用いられた。表2は、クロストリパインおよびトリプシンのタンパク質分解活性の減少の効果を示している。比較結果が、疎水性相互作用クロマトグラフィーの後、かつ、定組成溶離を用いた、3回の独立した調製ロットで得られた。C.ヒストリチカム培養物上清と比較して、トリプシンの(「Tryp.」)タンパク質分解活性は、約100倍および約400倍の間減少し、そして、クロストリパイン(「Clos.」)のタンパク質分解活性は、約100倍および約150倍の間減少した。
Figure 0005649800
この項目での調製物におけるコラゲナーゼI型およびII型タンパク質の安定性は、すでに、著しく高かった。MONO−Q(商標)分析が、実施例5に記載されているように、溶出液を特徴づけるために実施された。図1は、4つのクロマトグラムの重ね合わせを示している。疎水性相互作用クロマトグラフィー後に直接分析された試料、ならびに、引き続いて2日、3日および6日間4℃でインキュベーションされた試料が比較された。図1から明らかなように、コラゲナーゼII型タンパク質に相当する主たるピークは、その高さにおいて明確には変化せず、そして、ピーク下の積分値は検出できるほどには変化しなかった。0日目のコラゲナーゼI型タンパク質に対応する主たるピーク下の積分値を対照(100%)とすると、2日後(約99%)、3日後(約98%)および6日後(約85%)の緩やかな減少しか見られない。それでもなお、6日後でさえも、コラゲナーゼI型タンパク質の総計のほぼ大部分が、ピーク下の積分値によって明らかなように、インタクトなまま残存していた。
このような予期せぬ結果は、所望のタンパク質の損失または減少を導く、不必要なタンパク質分解活性の大部分は、既に、精製工程の流れにおけるこの段階で除去されていたことを示している。不必要なタンパク質分解活性の早期の除去が、コラゲナーゼI型タンパク質の回収のさらなる最適化のためには決定的であることが見出された。
実施例12
疎水性相互作用クロマトグラフィー後の、コラゲナーゼII型およびI型タンパク質の比の定量的測定
実施例10で記載されている疎水性相互作用クロマトグラフィー後に続いて、コラゲナーゼI型およびII型タンパク質の比が測定された。MONO−Q(商標)分析が、実施例5に記載されているように実施された。コラゲナーゼI型およびII型タンパク質に相当する、ピーク下の積分値が定量された。この点について、図2が、クロマトグラムの1例を示している。示されているようなピーク下の面積の定量が、表3に記載されている。
Figure 0005649800
コラゲナーゼII型タンパク質の総ピーク面積は、7.90分および9.21分の間の間隔から得られ、そして、総ピーク面積の30.4%を占めている。
完全なコラゲナーゼI型タンパク質の総ピーク面積は、14.79分および16.50分の間の間隔から得られ、そして、総ピーク面積の46.1%を占めている。タンパク質分解作用のため、さらにC−末端が切断された形のコラゲナーゼI型タンパク質が、16.50分および19.00分の間の間隔に存在し、総ピーク面積の16.3%を占めている。したがって、コラゲナーゼI型タンパク質の総計のピーク面積は、62.4%である。
コラゲナーゼタンパク質のI型/II型の比は、62.4/30.4に相当しており、2の値と概算される。
実施例13
陽イオン交換クロマトグラフィー
残留のクロストリパインおよびその他の不必要なタンパク質分解活性は、実施例10に記載されている処置によって得られた、コラゲナーゼI型およびII型タンパク質の混合物から、陽イオン交換クロマトグラフィーの方法によって除去された。陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(SP SEPHAROSE(商標)FAST FLOW樹脂、アマルシャム バイオサイエンス)が、pH7の、5mMのCaCl2、20mMのHEPESを含む水溶性の緩衝液で平衡化された。実施例10で得られた透析濾過された溶出液は、クロマトグラフィーカラムに適用され、そして、コラゲナーゼI型およびII型タンパク質が、平衡化緩衝液を移動相として用いて、固定相を通じてクロマトグラフされた。カラムからの流出液が、画分に集められた。コラゲナーゼ活性を含む画分(アッセイについては実施例2を参照)が集められた。
実施例14
陰イオン交換クロマトグラフィーを使用した、コラゲナーゼタンパク質のI型およびII型の分離
実施例13の処置によって得られた、精製されたコラゲナーゼタンパク質は、コラゲナーゼタンパク質のI型およびII型に分離された。Q SEPHAROSE(商標)FAST FLOW 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムが、pH7.5の、5mMのCaCl2、5mMのHEPESを含む水溶性緩衝液を用いて平衡化された。実施例13の精製工程の後に得られた、コラゲナーゼI型およびII型タンパク質を含む混合物が、カラム上にロードされ、そして、固定相に吸着された。その後、洗浄工程が、3倍のカラム容量の平衡化緩衝液をカラムに通すことによって実施された。溶出は、25倍のカラム容量の、直線のCa2+イオン濃度勾配を適用することによって実施された。溶出は、pH7.5の、5mMのCaCl2、5mMのHEPES(「緩衝液I」)で開始され、そして、pH7.5の、35mMのCaCl2、5mMのHEPES(「緩衝液II」)で終了した。コラゲナーゼI型およびII型タンパク質は、別々の画分に得られた。コラゲナーゼI型は、緩衝液I/緩衝液IIの比が約44%/56%および約6%/94%の間で溶出した;コラゲナーゼII型は、緩衝液I/緩衝液IIの比が約76%/24%および約67%/33%の間で溶出した。
実施例15
精製されたコラゲナーゼタンパク質のI型およびII型のN−末端アミノ酸の決定
別々に得られたコラゲナーゼタンパク質のI型およびII型(実施例14参照)が、エドマン分解法による、アミノ酸のN−末端配列分析およびPROCISE(登録商標)シーケンサー(アプライド バイオシステムズ)を用いた分析に付された。
コラゲナーゼI型の調製物において、最も多いコラゲナーゼI型タンパク質種に相当するタンパク質のアイソフォームに関して、N−末端配列、I−A−N−T−N−Sが検出された。
コラゲナーゼII型の調製物において、最も多いコラゲナーゼII型タンパク質種に相当するタンパク質のアイソフォームに関して、N−末端配列、V−Q−N−E−S−Kが検出された。
実施例16
クロストリパインの減少に関する、精製スキームの比較
クロストリパインの活性は、実施例3に示されているように検出された。コラゲナーゼI型およびII型は、培養物上清のいくつかのバッチから、実施例9から実施例14の処置(「A」調製物)および実施例7に基づいた処置(「B」調製物)を用いて、別々に単離された。調製物は、調製物中の残留クロストリパイン活性に関して比較された。結果は表4にまとめられている。
Figure 0005649800
データは、さらに、「A」調製物における、クロストリパイン活性の効果的な除去を明らかにしている。結果として、それぞれの所望のコラゲナーゼ酵素の分解が顕著に減少され、そして、酵素調製物における高度な品質のための根拠を提供している。
実施例17
コラゲナーゼI型およびII型の調製物におけるトリプシン活性の決定
トリプシンの活性は、実施例4に記載されているように検出された。コラゲナーゼI型およびII型は、培養物上清のいくつかのバッチから、実施例9から実施例14の処置(「A」調製物)を用いて、別々に単離された。調製物は、調製物中の残留トリプシン活性に関して分析された。結果は表5にまとめられている。
Figure 0005649800
データは、さらに、「A」調製物における、トリプシンの活性の効果的な除去を明らかにしている。結果として、それぞれの所望のコラゲナーゼ酵素の分解が顕著に減少され、そして、酵素調製物における高度な品質のための根拠を提供している。
本発明の方法は、他のタンパク質分解活性物の、迅速で効率的な除去をもたらす。本発明による調製物は、格別に純粋で完全な酵素的に活性であるコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を提供する。本発明はまた、2つの単離されたタンパク質のブレンドを提供する。本発明はさらに、インビトロにおける組織試料を処理するための精製されたコラゲナーゼタンパク質またはそれらのブレンドの使用を提供する。
配列番号1:コラゲナーゼI型のN末端配列。
配列番号2:コラゲナーゼII型のN末端配列。
配列番号3:コラゲナーゼのタンパク質分解活性を測定する「ブンシュ」アッセイ用の修飾された基質ペプチド(バッケム、M1715)。4−フェニルアゾ−ベンジルオキシカルボニル−残基により1位で修飾されたペプチド。

Claims (14)

  1. 複合混合物からクロストリジウム ヒストリチカム(Clostridium histolyticum)コラゲナーゼI型およびII型タンパク質を精製する方法であって、
    (a)水性液相に溶解した複合混合物を提供する工程、
    (b)硫酸アンモニウムを工程(a)の液相に溶解することにより、コラゲナーゼI型およびII型タンパク質の沈殿を形成する工程、
    (c)工程(b)の沈殿を液相から分離する工程、
    (d)工程(c)の沈殿を、Ca2+イオンを含有し、6.0および8.0の間のpHの水性緩衝液に溶解し、かつ溶解した沈殿物を含む緩衝液の導電率を50および300mS/cmの間の値に調整し、それによりコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を含む複合緩衝溶液を形成する工程;
    (e)工程(d)の複合緩衝溶液を疎水性固定相と接触させることにより抽出し、かつコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を該固定相に吸着させる工程;
    (f)抽出溶液から、工程(e)の吸着されたコラゲナーゼI型およびII型タンパク質と共に該疎水性固定相を分離する工程;
    (g)コラゲナーゼI型およびII型タンパク質を工程(f)の該固定相から溶出する工程;
    を含み、それによりコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を精製する方法。
  2. 工程(c)後、沈殿の溶解性について、工程(a)の溶解した複合混合物における各タンパク質分解活性と相対的に、クロストリパインタンパク質分解活性が90倍と150倍の間減少し、かつトリプシン活性が100倍と400倍の間減少することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 工程(g)の溶出後のコラゲナーゼI型およびII型タンパク質が、陽イオン交換クロマトグラフィーによりさらに精製されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 陽イオン交換クロマトグラフィー後に得られたコラゲナーゼI型およびII型タンパク質が、
    (A)さらに精製されたコラゲナーゼI型およびII型タンパク質を陰イオン交換固定相と接触させ、コラゲナーゼI型およびII型タンパク質を該固定相に吸着する工程;
    (B)工程(A)の固定相からコラゲナーゼI型およびコラゲナーゼII型タンパク質を、別々の画分に溶出する工程;
    を行うことにより分離され、それによりコラゲナーゼI型およびコラゲナーゼII型タンパク質が別々に精製されることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 工程(B)で得られたコラゲナーゼI型画分中の、約82%のコラゲナーゼI型タンパク質が、約114kDaの分子量を有することを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 工程(B)で得られたコラゲナーゼI型画分中の、約82%のコラゲナーゼI型タンパク質のN末端が完全であることを特徴とする請求項4または5記載の方法。
  7. 工程(B)で得られたコラゲナーゼI型画分におけるクロストリパイン活性が、0.04U/mgタンパク質未満であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 工程(B)で得られたコラゲナーゼII型画分中の、約93%のコラゲナーゼII型タンパク質が、約112kDaの分子量を有することを特徴とする請求項4記載の方法。
  9. 工程(B)で得られたコラゲナーゼII型画分中の、約93%のコラゲナーゼII型タンパク質のN末端が完全であることを特徴とする請求項4または8記載の方法。
  10. 工程(B)で得られたコラゲナーゼII型画分におけるクロストリパイン活性が、0.07U/mgタンパク質未満であることを特徴とする請求項4、8および9のいずれかに記載の方法。
  11. 工程(B)で得られたコラゲナーゼI型画分における第1の測定量のコラゲナーゼI型タンパク質と、工程(B)で得られたコラゲナーゼII型画分における第2の測定量のコラゲナーゼII型タンパク質とを続く工程においてブレンドすることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載の方法。
  12. 請求項11記載の方法により得られた、酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼ酵素の精製調製物の、さらなるタンパク質分解酵素とのブレンドを製造するための使用。
  13. 請求項11記載の方法により得られた、酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼ酵素の精製調製物の、凍結乾燥物を製造するための使用。
  14. 請求項11記載の方法により得られた、酵素として活性なクロストリジウム ヒストリチカムコラゲナーゼ酵素の精製調製物の、組織試料を加工するための使用であって、それにより試料中に存在するコラーゲンが消化される使用。
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